【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、製品(好ましくは食品)を、簡単な方法で、且つ小型で魅力的な配置で収容及び分与するために考案された管状容器を形成するための方法、及び、この方法により得られる容器に関する。この方法は、フレキシブルシート、好ましくは、ヒートシール可能なプラスチックシート(異なる選択肢も含み得る。例えば、アルミニウム、セルロース、フローパック容器のために用いられる混合物、紙、容器のための生分解性材料、有機的な従って生分解性の包装材料など、シール可能又はヒートシール可能なコーティングを有し又は有さない、など。)に行う以下のステップを含む。
a)前記フレキシブルシートの一部を折り曲げ又は丸めて第1管状体を形成する。
b)前記第1管状体のベースの一方を、ベースの2つの内面の一部が結合されるようにシールする。
c)前記フレキシブルシートの、前記第1管状体の一部ではない残りの部分を、前記第1管状体の周囲に同心状に又は非同心状に折り曲げ又は丸めて、第2管状体を前記第1管状体の外側に形成する。すなわち、第1管状体がフレキシブルシート自体によりつくられ、そして、前記第1管状体と類似の寸法にされ且つ前記第1管状体の外側に配置される第2管状体が、フレキシブルシートの残りの部分により形成される。
d)より幅広又は幅狭である前記第2管状体の内面の最終的な長手方向端部の一部を前記第1管状体の外面の一部に連結し、或いは、前記長手方向端部の一部を、前記管状体を形成する面に連結して、2つの独立のキャビティを形成する。これらのキャビティは、第1管状体の内側にある第1キャビティと、第2管状体の内側にあり且つ第1管状体の外側にある第2キャビティと、である。
【0011】
前記ステップb)において、前記第1管状体のベースの一方をシールすると、前記管状体の内部にキャビティが形成され、前記ステップd)において、前記第2管状体の内面の最終的な長手方向端部の一部を前記第1管状体の外面の一部に連結すると、前記2つのキャビティ(第1及び第2)が互いに独立に形成され、且つ、異なる食品を完全に収容することができることが理解されよう。或いは、これらのキャビティの一方が空であり、且つ、外側のキャビティ内に収容された製品に対する吸込み体として用いられる中空の管状体であってもよい。すなわち、前記第2キャビティは、前記第1管状体の外面部と、前記管状体のベースをシールするための領域との間の空間により形成され、第2管状体の内面部は第2の巻き(enrollado)にて作成され、従って、前記第2キャビティは、前記第2の巻きの壁部により完成されるときに形成される。
【0012】
得られた容器は、フレキシブルシート材料から成る二重の同心状の巻きにより形成される容器であり、この二重の同心状の巻きは、単一のシート材料から作製された層の重ね合せを達成し、従って、2層構造の管状体を達成する(容器は単一の部品又はシート材料からつくられる)。
【0013】
本発明の方法の変型例は、容器を以下のように作成することを想定する。
a)前記フレキシブルシートの一部を折り曲げ又は丸めて第1管状体を形成する。
b)この管状体の長さを、フレキシブルシートの残りの部分に対してトリミングする。
c)前記フレキシブルシートの、前記第1管状体の一部ではない残りの部分を、前記第1管状体の周囲に同心状に又は非同心状に折り曲げ又は丸めて、第2管状体を前記第1管状体の外側に形成する。すなわち、第1管状体がフレキシブルシート自体によりつくられ、そして、前記第1管状体と類似の寸法にされ且つ第1管状体の外側に配置される第2管状体が、前記フレキシブルシートの残りの部分により形成される。
d)より幅広又は幅狭である前記第2管状体の内面の最終的な長手方向端部の一部を、前記第1管状体の外面の一部に連結し、或いは、前記長手方向端部の一部を、前記管状体を形成している面に連結して、2つの独立したキャビティを形成する。これらのキャビティは、中空の管を形成している前記第1管状体の内側にある、その両端が開放された第1キャビティであって、第2キャビティ内に収容された製品に対する吸込み要素となる第1キャビティと、−前記第2管状体の内側にあり且つ前記第1管状体の外側にあり、製品が充填される第2キャビティと、である。
【0014】
前記ステップd)において、前記第2管状体の内面の最終的な長手方向端部の一部を、前記第1管状体の外面の一部に、前記第1キャビティが、外部への、前記形成された容器の側部の一方を通る単一のアクセスを有し、且つ、前記第2キャビティが、外部への、前記形成された容器の側部の他方を通る単一のアクセスを有するように連結する可能性が考えられる。すなわち、前記2つのキャビティへのアクセスは独立しており、これらの各々が容器の各端部に配置され、従って、前記端部の一方を開放すると一方のキャビティ内の食品のみにアクセスすることが可能であり、他方のキャビティは孤立されている。そして、この第2キャビティ内の製品にアクセスする場合には、容器の他端を開放することが必要である。すなわち、容器の開放により、両方の製品を同時に分与する必要なく、単一の製品のみを分与及び計り出すことができる。
【0015】
上記のステップに関し、ステップc)をステップb)の前に行う可能性も考えられる。すなわち、最初に、フレキシブルシートの、前記第1管状体の一部ではない残りの部分を、前記第1管状体の周囲に同心状に丸め又は折り曲げて、第2管状体を前記第1管状体の外側に形成し、次いで、前記第1管状体のベースの一方をシールする。
【0016】
幾つかのステップを同時に行って製造時間を短縮することもでき、それにより全体的な製品仕上げコストを削減することもできる。
【0017】
前記第1キャビティ及び第2キャビティを作成したならば、本発明の方法が、ステップd)の後に以下のステップを含む可能性が考えられる。
e)第1の食品を前記第1キャビティ内に導入し、或いは、前記第1キャビティを空のままにしておく。
f)前記第1キャビティに属しているベースの少なくとも一方をシールし、これにより、前記第1キャビティを完全に閉鎖し、且つ前記第1の製品を前記第1キャビティ内に収容し、或いは、前記第1キャビティは空のままである。
g)第2の食品を前記第2キャビティ内に導入する。
h)前記第2キャビティの未閉鎖のベースをシールし、これにより、前記第2キャビティを完全にシールし、且つ、前記第2の製品を前記第2キャビティ内に収容する。
【0018】
この場合もまた、食品を導入するステップとキャビティをシールするステップとの順序の、上記の形成方法における変更が、上記の技術的ステップの全てが適合するならば可能である。
【0019】
また、これらの新しいステップを、以前のステップのように、同時に行って製造時間を短縮することも、そしてそれにより全体的な製品仕上げコストを削減することもできる。
【0020】
また、導入される食品のタイプに関し、以下の内容が考えられる。
ステップe)において、前記第1の製品は、固体食品、例えば、クッキー、キャンディバーなどを含み、
ステップg)において、前記第2の製品は、粉体食品、例えば、砂糖、甘味料、香味料、機能性食品、ビタミン、飲料(例えば、茶、コーヒー、ココア、ジュース、スープ、ミルク、ブランデー、又はこれらの混合物)を作成できる製品を含む。
【0021】
この場合も、前記キャビティ内に導入される製品が、固体、粉体、液体などの状態の製品であってよく、また、一方のキャビティ又は他方のキャビティに区別せずに導入されることができることが理解されよう。液体製品を導入する場合、キャビティの溶接又はシールが前記方法の実施中に正確に保証されなくてはならない。
【0022】
前記二重の巻きを形成する重ね合わされた2つの層を前記第1キャビティの全領域において互いにヒートシールする可能性、或いは、前記管状体のベースに対して平行に又は対角線上に配置された周囲ビードのみを、前記2つのキャビティがほぼ合致する点にてヒートシールする可能性が考えられる。ただし、前記二重の巻き及び最終シールに適した圧力は、それぞれのキャビティの適切な耐水性をもたらすのに十分な圧力であろう。
【0023】
以上に述べたように、食品のための管状容器を形成する方法、及び、この方法により得られる管状容器に関する本発明の範囲内で、前記容器を得るための方法に関する第2の可能性が考えられ、この第2の可能性は、先に述べた可能性に対して補完的であり、前記第1の可能性から得られる技術的効果の一部を達成するが、その形成モードはより単純である。ただし、容器の側部を開放して単一のキャビティにアクセスすることができるという利点は達成されない、なぜなら、この第2の可能性は、以下のステップ(これもまたフレキシブルシートに行われる)を含むからである。
a)前記フレキシブルシートの一部を折り曲げ又は丸めて第1管状体を形成する。従って、この第1のステップは、容器を形成するための2つの可能性に共通である。
b)前記フレキシブルシートの、前記第1管状体の一部ではない残りの部分を前記第1管状体の周囲に同心状又は非同心状に折り曲げ又は丸めて、第2管状体を前記第1管状体の外側に形成する。丸め又は折り曲げが同心状でない場合、前記第1管状体の外面の全体が前記第2管状体の内面に接触することが不可能であること、また、互いに物理的に分離された2つの空間が常に存在するが、これらの空間の端部は、形成される容器の両底部にて開放されていることが留意されよう。明瞭化のために、容器内に形成された断面を観察すると、前記第1管状体により画成された第1キャビティが管状のセクションを含み、(管状体が円形である場合)前記第2管状体により画成された第2キャビティが三日月形状の管状セクションを含む。
c)より幅広又は幅狭である前記第2管状体の内面の最終的な長手方向端部の一部を、前記第1管状体の外面の一部に連結して、2つの独立のキャビティを形成する。これらのキャビティは、前記第1管状体の内側にある第1キャビティと、前記第2管状体の内側にあり且つ前記第1管状体の外側にある第2キャビティと、である。
【0024】
この第2の可能性において、前記2つのキャビティを画成するために前記第1管状体のベースの一方をシールすることが必要でなく、従って、この方法が前記ステップにおいて単純化されていることが理解されよう。しかし、この方法は、わずかな欠点を有する。これは、形成された容器のそれぞれのベースがシールされて製品がキャビティ内に配置されてしまうと、両方の製品が互いに物理的に分離され、形成された容器のベースの一方をユーザが開放すると、ユーザ自体が前記容器のそれぞれのキャビティにアクセスを有し、従って、それぞれの製品にアクセスし得るということである。このような特徴は、本発明の容器物体を形成する方法の第1の可能性においては見られない。なぜなら、前記第1の可能性においては、形成された容器のベースの一方をユーザが開放すると、ユーザは1つのキャビティにアクセスし、他方のキャビティに収容されている製品にアクセスする可能性はないからである。
【0025】
この第2の可能性において、以下のステップも考えられる。
e)第1の食品を前記第1キャビティ内に導入し、或いは、前記第1キャビティを空のままにしておく。
f)前記第1キャビティに属しているベースの少なくとも一方をシールし、それにより、前記第1キャビティをその端部の少なくとも一方にて閉鎖し、且つ前記第1の食品を前記第1キャビティ内に収容し、又は前記第1キャビティが空である。
g)第2の食品を前記第2キャビティ内に導入する。
h)前記第2キャビティのベースをシールし、それにより、前記第2キャビティを完全にシールし、且つ、前記第2の食品を前記第2キャビティ内に収容する。
【0026】
従って、上記の発明によれば、前記容器及び前記容器を形成する方法は、容器の形成方法及びこのような容器の外観において重要な新規性を有する。なぜなら、この方法は、異なる食品を内部に収容するための2つ以上のキャビティを有することを可能にし、容器の形成プロセスは、単純で、少数のステップから成り、使用する原材料が少なく、さらに、本発明の同一の方法対象において形成及び充填されることができる、ユーザにとって魅力的な特徴的なデザインを得るからである。
【0027】
記載されている説明を補足するために、及び、本発明の特徴のより良好な理解を補助するために、本発明の好ましい実施形態に従って、一連の図面を、前記説明の一部として添付し、以下に、図面の説明を、例示的で非限定的な文字を用いて示す。