特許第6126087号(P6126087)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ネボト バヌース, ホルディの特許一覧

特許6126087食品のための管状容器を形成する方法及びその容器
<>
  • 特許6126087-食品のための管状容器を形成する方法及びその容器 図000002
  • 特許6126087-食品のための管状容器を形成する方法及びその容器 図000003
  • 特許6126087-食品のための管状容器を形成する方法及びその容器 図000004
  • 特許6126087-食品のための管状容器を形成する方法及びその容器 図000005
  • 特許6126087-食品のための管状容器を形成する方法及びその容器 図000006
  • 特許6126087-食品のための管状容器を形成する方法及びその容器 図000007
  • 特許6126087-食品のための管状容器を形成する方法及びその容器 図000008
  • 特許6126087-食品のための管状容器を形成する方法及びその容器 図000009
  • 特許6126087-食品のための管状容器を形成する方法及びその容器 図000010
  • 特許6126087-食品のための管状容器を形成する方法及びその容器 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6126087
(24)【登録日】2017年4月14日
(45)【発行日】2017年5月10日
(54)【発明の名称】食品のための管状容器を形成する方法及びその容器
(51)【国際特許分類】
   B31B 70/26 20170101AFI20170424BHJP
   B65D 85/72 20060101ALI20170424BHJP
【FI】
   B31B41/26
   B31B1/26 321
   B65D85/72 F
【請求項の数】13
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-517852(P2014-517852)
(86)(22)【出願日】2012年7月6日
(65)【公表番号】特表2014-522750(P2014-522750A)
(43)【公表日】2014年9月8日
(86)【国際出願番号】ES2012070505
(87)【国際公開番号】WO2013004880
(87)【国際公開日】20130110
【審査請求日】2015年4月14日
(31)【優先権主張番号】P201131146
(32)【優先日】2011年7月6日
(33)【優先権主張国】ES
(73)【特許権者】
【識別番号】514005560
【氏名又は名称】ネボト バヌース, ホルディ
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100090343
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 百合子
(74)【代理人】
【識別番号】100192474
【弁理士】
【氏名又は名称】北島 健次
(74)【代理人】
【識別番号】100105474
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 弘徳
(72)【発明者】
【氏名】ネボト バヌース, ホルディ
【審査官】 西堀 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−248988(JP,A)
【文献】 特開昭57−181847(JP,A)
【文献】 特開昭62−052064(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/112112(WO,A1)
【文献】 米国特許第06082585(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31B 70/00−70/98
B65D 30/00−33/38
B65D 77/04−77/06
B65D 85/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)所定の長さ、幅および厚さを有する単一のフレキシブルシート(3)の一部を折り曲げまたは丸めて第1管状体(1)を形成するステップと、
b)前記第1管状体(1)のベース(1a)の一方をシールするステップと、
c)前記単一のフレキシブルシート(3)の、前記第1管状体(1)の一部ではない残りの部分を前記第1管状体(1)の周囲に折り曲げまたは丸めて、第2管状体(2)を前記第1管状体(1)の外側に形成するステップと、
d)前記第2管状体(2)の内面の最終的な長手方向端部の一部を、前記第1管状体(1)の外面の一部に連結して、2つの独立のキャビティ、すなわち、前記第1管状体(1)の内側にある第1キャビティ(4)と、前記第2管状体(2)の内側にありつ前記第1管状体(1)の外側にある第2キャビティ(5)と、を形成するステップと、
を含む、食品のための管状容器を形成する方法であって、
前記ステップ(d)において、前記第1キャビティ(4)が、外部への、前記形成された容器の側部の一方を通る単一のアクセスを有し、かつ、前記第2キャビティ(5)が、外部への、前記形成された容器の側部の他方を通る単一のアクセスを有するように、前記第2管状体(2)の内面の前記最終的な長手方向端部の一部を前記第1管状体(1)の外面の一部に連結する
ことを特徴とする、食品のための管状容器を形成する方法。
【請求項2】
前記ステップc)前記ステップb)の前に行ことを特徴とする請求項1に記載の食品のための管状容器を形成する方法。
【請求項3】
前記ステップd)の後に、
e)第1の食品(6)を前記第1キャビティ(4)内に導入するステップと、
f)前記第1キャビティ(4)に属しているベース(2a)をシールし、それにより、前記第1キャビティ(4)を完全に閉鎖し、つ、前記第1の食品(6)を前記第1キャビティ(4)内に収容するステップと、
g)第2の食品(7)を前記第2キャビティ(5)内に導入するステップと、
h)前記第2キャビティ(5)に属している未閉鎖のベース(2b)をシールし、それにより、前記第2キャビティ(5)を完全にシールし、つ、前記第2の食品(7)を前記第2キャビティ(5)内に収容するステップと、
を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の食品のための管状容器を形成する方法。
【請求項4】
前記ステップe)において、前記第1の食品(6)が固体食品を含み、かつ、前記ステップg)において、前記第2の食品(7)が粉体食品を含むことを特徴とする、請求項に記載の食品のための管状容器を形成する方法。
【請求項5】
前記単一のフレキシブルシート(3)の、前記第1管状体(1)の一部ではない残りの部分を前記第1管状体(1)の周囲に同心状に丸めて、前記第2管状体(2)を前記第1管状体(1)の外側に形成することを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の食品のための管状容器を形成する方法。
【請求項6】
a)所定の長さ、幅および厚さを有する単一のフレキシブルシート(3)の一部を折り曲げまたは丸めて第1管状体(1)を形成し、形成されたこの第1管状体を前記フレキシブルシート(3)の内面にシールまたは固定するステップと、
(c)前記単一のフレキシブルシート(3)の、前記第1管状体(1)の一部ではない残りの部分を前記第1管状体(1)の周囲に折り曲げまたは丸めて、第2管状体(2)を前記第1管状体(1)の外側に形成するステップと、
(d)前記第2管状体(2)の内面の最終的な長手方向端部の一部を前記第1管状体(1)の外面の一部に連結し、または、前記長手方向端部の一部を、前記管状体(2)を形成している面に連結して、2つの独立のキャビティ、すなわち、前記第1管状体(1)の内側にある第1キャビティ(4)および前記第2管状体(2)の内側にあり且つ前記第1管状体(1)の外側にある第2キャビティ(5)を形成するステップと、
を含む、食品のための管状容器を形成する方法であって
前記第1管状体(1)の内側における前記第1キャビティ(4)がその両端にて開放されていて、この第1キャビティ(4)によって、前記第2管状体(2)の内側における前記第2キャビティ(5)内に収容される食品に対する吸込み要素を形成する
ことを特徴とする、食品のための管状容器を形成する方法。
【請求項7】
前記ステップd)の後に、
e)第1の食品(6)を前記第1キャビティ内に導入し、あるいは、前記第1キャビティを空のままにしておくステップと、
g)第2の食品(7)を前記第2キャビティ(6)内に導入するステップと、
h)前記第2キャビティ(6)のベースをシールし、それにより、前記第2キャビティ(6)を完全にシールし、つ、前記第2食品を前記第2キャビティ内に収容するステップと、
を含むことを特徴とする、請求項6に記載の食品のための管状容器を形成する方法。
【請求項8】
前記ステップ(a)の後に、(b)前記第1管状体(1)の長さを前記フレキシブルシート(3)の残りの部分に対してトリミングするステップを含むことを特徴とする、請求項7に記載の食品のための管状容器を形成する方法。
【請求項9】
両端が開放されていて前記第2管状体(2)内に収容された食品に対する吸込み要素となる前記第1管状体(1)の前記ベースに影響を与えずに、前記第2管状体(2)の前記ベース(2a,2b)が前記第2管状体(2)を閉鎖することを特徴とする、請求項7に記載の食品のための管状容器を形成する方法。
【請求項10】
前記第2管状体(2)の第1端部(8)を取り外し可能として、前記第2管状体(2)内に収容されている食品に対する吸込み要素である前記第1管状体(1)端部を露出させることを特徴とする、請求項7に記載の食品のための管状容器を形成する方法。
【請求項11】
前記ステップe)と前記ステップg)との間に
f)前記第1キャビティ(4)に属しているベースの少なくとも一方をシールし、それにより、前記第1キャビティ(4)をその端部の少なくとも一方にて閉鎖するステップ
を含むことを特徴とする請求項7に記載の食品のための管状容器を形成する方法。
【請求項12】
前記単一のフレキシブルシート(3)の、前記第1管状体(1)の一部ではない残りの部分を前記第1管状体(1)の周囲に同心状に丸めて、前記第2管状体(2)を前記第1管状体(1)の外側に形成することを特徴とする、請求項6ないし11のいずれか1項に記載の食品のための管状容器を形成する方法。
【請求項13】
請求項1ないし12のいずれか1項に記載の方法に従って得られる、食品のための管状容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品のための2つのキャビティを有する管状容器を形成するための方法、及び、前記方法により得られる容器に関する。このような形成方法は、食品保存の分野に含まれ、より詳細には、飲料、スープ、クリーム、アイスクリーム、及び注入液などの食品の補完(complementos)を目的とする。
【0002】
この形成方法の目的は、異なる食品(固体、粉体、液体など)を内部に収容する2つ以上のキャビティを有する管状容器を得ることであるが、非食品製品、例えば、医療品、又は微小製品を収容することも考えられ得る。本発明の容器物体は、迅速かつ簡単に製造され、小型で外見が魅力的な配置を得るだけでなく、使用される原材料がより少なく、また、容器の形成、及び、容器内に収容される食品の収容を完全に自動化することができる。
【0003】
この方法は、2つ以上のキャビティを有する管状容器を得ることを想定しており、これらのキャビティにおいて、内側のキャビティが、自由端を有する中空の管状要素であり、この自由端が、外側キャビティ内に収容された製品に対する吸込み(サクション)要素として用いられる。
【背景技術】
【0004】
序論として、様々な甘味料及び可食撹拌用具が公知であり、これらは製造上の様々な問題を有する。例えば、製造プロセスに関し、以下の様々なプロセスを実行する必要が知られている。例えば、
−クッキーと甘味料との間に耐水加工及び分離コーティングを施し、これにより、2つの要素間の接触領域に残存物が生じることを防止する。
−コーティングを乾燥させる。
−甘味料をクッキー内に定着させるプロセス。
−保持部をシールする。
−最終乾燥
【0005】
製造プロセスに関する欠点に加えて、前記用具を消費地点に輸送する段階で、砂糖又は甘味料が剥がれる可能性があるという欠点がある。
【0006】
従って、上記の用具及び様々な類似の食品の両方をその内部に分離して収容することができる容器が必要である。そのために、食品を収容するための単一のキャビティを有する容器が知られている。しかし、例えば砂糖だけでなく、例えばクッキーや甘味料等のさらなる食品を導入する場合、2つ以上のキャビティを有する容器を用いることが必要である。
【0007】
2つのキャビティを有するこのような容器は、別々のシートを連結させて2つの単一の容器を連結することにより形成される。そして、この手順は、2つの単一の容器を別々に作成し、次いで、これらの2つの容器を結合して、単一の容器(容器の各々が2つのキャビティにより形成されている)を形成する手順を含む。
【0008】
剛性材料からつくられた容器も公知である。しかし、これらは、単一の方法で容器の形成と容器の充填を行うことを可能にせず、すなわち、第1の方法である製造方法と、第2の方法である容器の各キャビティに充填する充填方法とが必要である。それに加えて、端部を閉鎖し、次いで、これらを開くことに関するさらなる欠点もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、上記の欠点を考えて、異なる食品を内部に収容するための2つ以上のキャビティを有することを可能にする新規の容器、及び、この容器を形成するための方法であって、形成プロセスが単純で且つ少ないステップから成り、使用する原材料が少なく、さらに、ユーザにとって魅力的な特徴的なデザインを有する、容器及び容器の形成方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、製品(好ましくは食品)を、簡単な方法で、且つ小型で魅力的な配置で収容及び分与するために考案された管状容器を形成するための方法、及び、この方法により得られる容器に関する。この方法は、フレキシブルシート、好ましくは、ヒートシール可能なプラスチックシート(異なる選択肢も含み得る。例えば、アルミニウム、セルロース、フローパック容器のために用いられる混合物、紙、容器のための生分解性材料、有機的な従って生分解性の包装材料など、シール可能又はヒートシール可能なコーティングを有し又は有さない、など。)に行う以下のステップを含む。
a)前記フレキシブルシートの一部を折り曲げ又は丸めて第1管状体を形成する。
b)前記第1管状体のベースの一方を、ベースの2つの内面の一部が結合されるようにシールする。
c)前記フレキシブルシートの、前記第1管状体の一部ではない残りの部分を、前記第1管状体の周囲に同心状に又は非同心状に折り曲げ又は丸めて、第2管状体を前記第1管状体の外側に形成する。すなわち、第1管状体がフレキシブルシート自体によりつくられ、そして、前記第1管状体と類似の寸法にされ且つ前記第1管状体の外側に配置される第2管状体が、フレキシブルシートの残りの部分により形成される。
d)より幅広又は幅狭である前記第2管状体の内面の最終的な長手方向端部の一部を前記第1管状体の外面の一部に連結し、或いは、前記長手方向端部の一部を、前記管状体を形成する面に連結して、2つの独立のキャビティを形成する。これらのキャビティは、第1管状体の内側にある第1キャビティと、第2管状体の内側にあり且つ第1管状体の外側にある第2キャビティと、である。
【0011】
前記ステップb)において、前記第1管状体のベースの一方をシールすると、前記管状体の内部にキャビティが形成され、前記ステップd)において、前記第2管状体の内面の最終的な長手方向端部の一部を前記第1管状体の外面の一部に連結すると、前記2つのキャビティ(第1及び第2)が互いに独立に形成され、且つ、異なる食品を完全に収容することができることが理解されよう。或いは、これらのキャビティの一方が空であり、且つ、外側のキャビティ内に収容された製品に対する吸込み体として用いられる中空の管状体であってもよい。すなわち、前記第2キャビティは、前記第1管状体の外面部と、前記管状体のベースをシールするための領域との間の空間により形成され、第2管状体の内面部は第2の巻き(enrollado)にて作成され、従って、前記第2キャビティは、前記第2の巻きの壁部により完成されるときに形成される。
【0012】
得られた容器は、フレキシブルシート材料から成る二重の同心状の巻きにより形成される容器であり、この二重の同心状の巻きは、単一のシート材料から作製された層の重ね合せを達成し、従って、2層構造の管状体を達成する(容器は単一の部品又はシート材料からつくられる)。
【0013】
本発明の方法の変型例は、容器を以下のように作成することを想定する。
a)前記フレキシブルシートの一部を折り曲げ又は丸めて第1管状体を形成する。
b)この管状体の長さを、フレキシブルシートの残りの部分に対してトリミングする。
c)前記フレキシブルシートの、前記第1管状体の一部ではない残りの部分を、前記第1管状体の周囲に同心状に又は非同心状に折り曲げ又は丸めて、第2管状体を前記第1管状体の外側に形成する。すなわち、第1管状体がフレキシブルシート自体によりつくられ、そして、前記第1管状体と類似の寸法にされ且つ第1管状体の外側に配置される第2管状体が、前記フレキシブルシートの残りの部分により形成される。
d)より幅広又は幅狭である前記第2管状体の内面の最終的な長手方向端部の一部を、前記第1管状体の外面の一部に連結し、或いは、前記長手方向端部の一部を、前記管状体を形成している面に連結して、2つの独立したキャビティを形成する。これらのキャビティは、中空の管を形成している前記第1管状体の内側にある、その両端が開放された第1キャビティであって、第2キャビティ内に収容された製品に対する吸込み要素となる第1キャビティと、−前記第2管状体の内側にあり且つ前記第1管状体の外側にあり、製品が充填される第2キャビティと、である。
【0014】
前記ステップd)において、前記第2管状体の内面の最終的な長手方向端部の一部を、前記第1管状体の外面の一部に、前記第1キャビティが、外部への、前記形成された容器の側部の一方を通る単一のアクセスを有し、且つ、前記第2キャビティが、外部への、前記形成された容器の側部の他方を通る単一のアクセスを有するように連結する可能性が考えられる。すなわち、前記2つのキャビティへのアクセスは独立しており、これらの各々が容器の各端部に配置され、従って、前記端部の一方を開放すると一方のキャビティ内の食品のみにアクセスすることが可能であり、他方のキャビティは孤立されている。そして、この第2キャビティ内の製品にアクセスする場合には、容器の他端を開放することが必要である。すなわち、容器の開放により、両方の製品を同時に分与する必要なく、単一の製品のみを分与及び計り出すことができる。
【0015】
上記のステップに関し、ステップc)をステップb)の前に行う可能性も考えられる。すなわち、最初に、フレキシブルシートの、前記第1管状体の一部ではない残りの部分を、前記第1管状体の周囲に同心状に丸め又は折り曲げて、第2管状体を前記第1管状体の外側に形成し、次いで、前記第1管状体のベースの一方をシールする。
【0016】
幾つかのステップを同時に行って製造時間を短縮することもでき、それにより全体的な製品仕上げコストを削減することもできる。
【0017】
前記第1キャビティ及び第2キャビティを作成したならば、本発明の方法が、ステップd)の後に以下のステップを含む可能性が考えられる。
e)第1の食品を前記第1キャビティ内に導入し、或いは、前記第1キャビティを空のままにしておく。
f)前記第1キャビティに属しているベースの少なくとも一方をシールし、これにより、前記第1キャビティを完全に閉鎖し、且つ前記第1の製品を前記第1キャビティ内に収容し、或いは、前記第1キャビティは空のままである。
g)第2の食品を前記第2キャビティ内に導入する。
h)前記第2キャビティの未閉鎖のベースをシールし、これにより、前記第2キャビティを完全にシールし、且つ、前記第2の製品を前記第2キャビティ内に収容する。
【0018】
この場合もまた、食品を導入するステップとキャビティをシールするステップとの順序の、上記の形成方法における変更が、上記の技術的ステップの全てが適合するならば可能である。
【0019】
また、これらの新しいステップを、以前のステップのように、同時に行って製造時間を短縮することも、そしてそれにより全体的な製品仕上げコストを削減することもできる。
【0020】
また、導入される食品のタイプに関し、以下の内容が考えられる。
ステップe)において、前記第1の製品は、固体食品、例えば、クッキー、キャンディバーなどを含み、
ステップg)において、前記第2の製品は、粉体食品、例えば、砂糖、甘味料、香味料、機能性食品、ビタミン、飲料(例えば、茶、コーヒー、ココア、ジュース、スープ、ミルク、ブランデー、又はこれらの混合物)を作成できる製品を含む。
【0021】
この場合も、前記キャビティ内に導入される製品が、固体、粉体、液体などの状態の製品であってよく、また、一方のキャビティ又は他方のキャビティに区別せずに導入されることができることが理解されよう。液体製品を導入する場合、キャビティの溶接又はシールが前記方法の実施中に正確に保証されなくてはならない。
【0022】
前記二重の巻きを形成する重ね合わされた2つの層を前記第1キャビティの全領域において互いにヒートシールする可能性、或いは、前記管状体のベースに対して平行に又は対角線上に配置された周囲ビードのみを、前記2つのキャビティがほぼ合致する点にてヒートシールする可能性が考えられる。ただし、前記二重の巻き及び最終シールに適した圧力は、それぞれのキャビティの適切な耐水性をもたらすのに十分な圧力であろう。
【0023】
以上に述べたように、食品のための管状容器を形成する方法、及び、この方法により得られる管状容器に関する本発明の範囲内で、前記容器を得るための方法に関する第2の可能性が考えられ、この第2の可能性は、先に述べた可能性に対して補完的であり、前記第1の可能性から得られる技術的効果の一部を達成するが、その形成モードはより単純である。ただし、容器の側部を開放して単一のキャビティにアクセスすることができるという利点は達成されない、なぜなら、この第2の可能性は、以下のステップ(これもまたフレキシブルシートに行われる)を含むからである。
a)前記フレキシブルシートの一部を折り曲げ又は丸めて第1管状体を形成する。従って、この第1のステップは、容器を形成するための2つの可能性に共通である。
b)前記フレキシブルシートの、前記第1管状体の一部ではない残りの部分を前記第1管状体の周囲に同心状又は非同心状に折り曲げ又は丸めて、第2管状体を前記第1管状体の外側に形成する。丸め又は折り曲げが同心状でない場合、前記第1管状体の外面の全体が前記第2管状体の内面に接触することが不可能であること、また、互いに物理的に分離された2つの空間が常に存在するが、これらの空間の端部は、形成される容器の両底部にて開放されていることが留意されよう。明瞭化のために、容器内に形成された断面を観察すると、前記第1管状体により画成された第1キャビティが管状のセクションを含み、(管状体が円形である場合)前記第2管状体により画成された第2キャビティが三日月形状の管状セクションを含む。
c)より幅広又は幅狭である前記第2管状体の内面の最終的な長手方向端部の一部を、前記第1管状体の外面の一部に連結して、2つの独立のキャビティを形成する。これらのキャビティは、前記第1管状体の内側にある第1キャビティと、前記第2管状体の内側にあり且つ前記第1管状体の外側にある第2キャビティと、である。
【0024】
この第2の可能性において、前記2つのキャビティを画成するために前記第1管状体のベースの一方をシールすることが必要でなく、従って、この方法が前記ステップにおいて単純化されていることが理解されよう。しかし、この方法は、わずかな欠点を有する。これは、形成された容器のそれぞれのベースがシールされて製品がキャビティ内に配置されてしまうと、両方の製品が互いに物理的に分離され、形成された容器のベースの一方をユーザが開放すると、ユーザ自体が前記容器のそれぞれのキャビティにアクセスを有し、従って、それぞれの製品にアクセスし得るということである。このような特徴は、本発明の容器物体を形成する方法の第1の可能性においては見られない。なぜなら、前記第1の可能性においては、形成された容器のベースの一方をユーザが開放すると、ユーザは1つのキャビティにアクセスし、他方のキャビティに収容されている製品にアクセスする可能性はないからである。
【0025】
この第2の可能性において、以下のステップも考えられる。
e)第1の食品を前記第1キャビティ内に導入し、或いは、前記第1キャビティを空のままにしておく。
f)前記第1キャビティに属しているベースの少なくとも一方をシールし、それにより、前記第1キャビティをその端部の少なくとも一方にて閉鎖し、且つ前記第1の食品を前記第1キャビティ内に収容し、又は前記第1キャビティが空である。
g)第2の食品を前記第2キャビティ内に導入する。
h)前記第2キャビティのベースをシールし、それにより、前記第2キャビティを完全にシールし、且つ、前記第2の食品を前記第2キャビティ内に収容する。
【0026】
従って、上記の発明によれば、前記容器及び前記容器を形成する方法は、容器の形成方法及びこのような容器の外観において重要な新規性を有する。なぜなら、この方法は、異なる食品を内部に収容するための2つ以上のキャビティを有することを可能にし、容器の形成プロセスは、単純で、少数のステップから成り、使用する原材料が少なく、さらに、本発明の同一の方法対象において形成及び充填されることができる、ユーザにとって魅力的な特徴的なデザインを得るからである。
【0027】
記載されている説明を補足するために、及び、本発明の特徴のより良好な理解を補助するために、本発明の好ましい実施形態に従って、一連の図面を、前記説明の一部として添付し、以下に、図面の説明を、例示的で非限定的な文字を用いて示す。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の容器物体全体を形成するために用いられるフレキシブルシートの概略図である。
図2】フレキシブルシートが2つの管状セクションに折り曲げられ又は丸められ、2層構造の管状容器のように一方が他方の上に重なっている様子を示す。
図3A】第1管状体のベースの一方をシールするステップを示し、第1キャビティ及び第2キャビティの両方がそれぞれの食品を収容するのに適するように形成されている。
図3B】第1管状体のベースの一方をシールするステップを示し、第1キャビティ及び第2キャビティの両方がそれぞれの食品を収容するのに適するように形成されている。
図4A】上記の本発明の第1の方法対象により得られる容器の両方のベースをシールする様々な実施形態の1つを示す。
図4B】上記の本発明の第1の方法対象により得られる容器の両方のベースをシールする様々な実施形態の1つを示す。
図4C】上記の本発明の第1の方法対象により得られる容器の両方のベースをシールする様々な実施形態の1つを示す。
図5】本発明の第1の方法対象により形成された容器の、当該形成された容器のそれぞれの内部キャビティ内に2つの食品が見られる概略図である。
図6】本発明の第1の方法対象により形成され、しかし管状セクションが角柱セクションである、別の容器の概略図である。
図7】本発明の第2の方法対象により形成された、第1管状体と第2管状体とが同心状でない容器の斜視図である。
図8】第1の内側管状体が、第2管状体内に包含された製品に対する吸込み要素である容器の変型例の2つの図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1図5の一連の図に見られるように、食品のためのこの容器を形成するための方法が、フレキシブルシート(3)に行う以下のステップを含む。これらのステップは、
a)図1に見られるように、前記フレキシブルシート(3)の一部を丸めて、第1管状体(1)を形成する。
b)第1管状体(1)のベース(1a)の一方をシールする。図3A及び図3Bには、第1管状体(1a)の前記ベース(1a)を折り曲げてシールする一連の動作が見られる。
c)図2に見られるように、フレキシブルシート(3)の、第1管状体(1)の一部ではない残りの部分を、第1管状体(1)の周囲に同心状に丸めて、第2管状体(2)を第1管状体(1)の外側に形成する。
d)より幅広又は幅狭である第2管状体(2)の内面の最終的な長手方向端部の一部を、第1管状体(1)の外面の一部に連結して、2つの独立のキャビティ、すなわち、図4A図4B及び図4Cに見られるような、第1管状体(1)の内側にある第1キャビティ(4)と、第2管状体(2)の内側にあり且つ第1管状体(1)の外側にある第2キャビティ(5)と、を形成する。
e)第1の食品(6)を第1キャビティ(4)内に導入する。
f)第1キャビティ(4)に属しているベース(2a)をシールし、これにより、第1キャビティ(4)を完全に閉鎖し、且つ第1の食品(6)を第1キャビティ(4)内に収容する。
g)図5に見られるように、第2の食品(7)を第2キャビティ(5)内に導入する、
h)第2キャビティ(5)に属している未閉鎖のベース(2b)をシールし、これにより、第2キャビティ(5)を完全にシールし、且つ第2の食品(7)を第2キャビティ(4)内に収容する。
【0030】
このように形成された容器に、異なる閉鎖を実行することが可能であり、これにより、両方の閉鎖部が互いに対して平行(図4Aを参照)、若しくは、垂直(図4Bを参照)であってよく、又は、内部製品の形状に適合する別のタイプの閉鎖部、若しくは、結束タイプ(tipo lazo)の閉鎖などであってもよいことが理解されよう。また、図4B及び図4Cに見られるように、それぞれの製品(6,7)が導入されるキャビティ(4,5)の容量も変更することができる。
【0031】
また、図6に見られるように、容器の幾何学的構造が、必ずしも円形の断面を有する管状容器でなくてもよく、むしろ、異なる幾何学的形状が考えられ、これらは、例えば、矩形の断面を有する管状体、図6に見られるように三角形の断面を有する角柱体、又は、類似の実施形態である。異なる管状セクションの同心状の巻き(rolling)を組み合わせる可能性、すなわち、例えば、第1の円筒状の巻きを第2の円錐状巻きに組み合わせる(2つの管状の巻きを同心状に組み合わせるのと同様に)なども考えられる。
【0032】
最後に、食品のための管状容器を形成するための方法の第2の実施形態の可能性に関して説明する。図7に見られるように、前記第2の方法は、フレキシブルシート(3)に以下のステップを行うことを含む。すなわち、
a)前記フレキシブルシート(3)の一部を丸めて第1管状体(1)を形成する。
b)フレキシブルシート(3)の、第1管状体(1)の一部ではない残りの部分を第1管状体(1)の周囲に非同心状に丸めて、第2管状体(2)を第1管状体(1)の外側に形成する。
c)より幅広又は幅狭である第2管状体(2)の内面の最終的な長手方向端部の一部を、第1管状体(1)の外面の一部に連結して、2つの独立のキャビティ、すなわち、第1管状体(1)の内側にある第1キャビティ(4)と、第2管状体(2)の内側にあり且つ第1管状体(1)の外側にある第2キャビティ(5)と、を形成する。
【0033】
それぞれのキャビティ(4,5)が、こうして形成された容器のそれぞれのベース又は端部を通して外部へのアクセスを有する。
【0034】
図8は、容器の変型例の2つの図を示し、この変型例において、第1の内側の管状体が、第2管状体の内側に包含された製品に対する吸込み(サクション)要素である。
【0035】
この方法の変型例は、容器を以下のように作成することを想定する。すなわち、
a)前記フレキシブルシートの一部を折り曲げ又は丸めて第1管状体(1)を形成する。
b)この管状体の長さをフレキシブルシートの残りの部分に対してトリミングする。
c)フレキシブルシートの、前記第1管状体の一部ではない残りの部分を、第1管状体の周囲に同心状又は非同心状に折り曲げ又は丸めて、第2管状体(2)を第1管状体の外側に形成する。すなわち、第1管状体がフレキシブルシート自体により作られ、そして、第1管状体と類似の寸法にされ且つ第1管状体の外側に配置される第2管状体が、フレキシブルシートの残りの部分により形成される。
d)より幅広又は幅狭である第2管状体の内面の最終的な長手方向端部の一部を、第1管状体の外面の一部に連結し、又は、前記長手方向端部を、管状体を形成している面に連結して、2つの独立したキャビティを形成する。これらのキャビティは、中空の管を形成している第1管状体(1)の内側にある、その両端が開放された第1キャビティ(9)であって、第2キャビティ(10)内に収容された製品に対する吸込み要素となる第1キャビティ(9)と、第2管状体(2)の内側にあり且つ第1管状体の外側にあり、製品が充填される第2キャビティ(10)と、である。
【0036】
前記図8は、両端が開放されており、第2管状体内に収容された製品に対する吸込み体となる第1管状体(1)の端部に影響を与えずに、端部(2a)及び端部(2b)がどのように第2管状体(2)を閉鎖するかを示す。第2管状体(2)の第1端部(8)は、図面の左側に示されているように取り外し可能であり、第2管状体(2)内に収容されている製品に対する吸込み要素である第1管状体(1)端部を露出させる。吸込み要素が常に容器自体により包隠されているため、製品を消費するための非常に衛生的な容器がこの方法によりつくられる。
【0037】
当業者は、上記の説明及び一連の図面に鑑みて、以上に記載した本発明の実施形態を本発明の対象内で多様に組み合せることができることを理解するであろう。本発明を、本発明の幾つかの好ましい実施形態に従って記載してきたが、当業者には、前記好ましい実施形態に多くの変更を、権利請求された発明の対象から逸脱せずに導入できることが明らかであろう。
【符号の説明】
【0038】
1 第1管状体
2 第2管状体
1a ベース
2a,2b 端部
3 フレキシブルシート
4 第1キャビティ
5 第2キャビティ
6 第1の食品
7 第2の食品
8 第2管状体の第1端部
9 第1キャビティ
10 第2キャビティ
図1
図2
図3A-3B】
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8