特許第6126227号(P6126227)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6126227肥料用のウレアーゼ阻害剤の改善された液体製剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6126227
(24)【登録日】2017年4月14日
(45)【発行日】2017年5月10日
(54)【発明の名称】肥料用のウレアーゼ阻害剤の改善された液体製剤
(51)【国際特許分類】
   C05G 3/08 20060101AFI20170424BHJP
【FI】
   C05G3/08
【請求項の数】18
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-534466(P2015-534466)
(86)(22)【出願日】2013年5月8日
(65)【公表番号】特表2015-533769(P2015-533769A)
(43)【公表日】2015年11月26日
(86)【国際出願番号】US2013040199
(87)【国際公開番号】WO2014055132
(87)【国際公開日】20140410
【審査請求日】2016年4月21日
(31)【優先権主張番号】61/708,105
(32)【優先日】2012年10月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515084993
【氏名又は名称】マクナイト ギャリー デイヴィッド
(73)【特許権者】
【識別番号】515085004
【氏名又は名称】パーカー デイヴィッド ブルース
(73)【特許権者】
【識別番号】515085015
【氏名又は名称】ゼニ ヤン
(73)【特許権者】
【識別番号】515085037
【氏名又は名称】パーキンス レイ
(73)【特許権者】
【識別番号】515084270
【氏名又は名称】シュー ウェイ
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】マクナイト ギャリー デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】パーカー デイヴィッド ブルース
(72)【発明者】
【氏名】ゼニ ヤン
(72)【発明者】
【氏名】パーキンス レイ
(72)【発明者】
【氏名】シュー ウェイ
【審査官】 小久保 敦規
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0233474(US,A1)
【文献】 特表2000−502037(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0206031(US,A1)
【文献】 特開2001−011494(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第101200400(CN,A)
【文献】 米国特許第04530714(US,A)
【文献】 特表2016−505504(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C05B 1/00− 21/00
C05C 1/00− 13/00
C05D 1/00− 11/00
C05F 1/00− 17/02
C05G 1/00− 5/00
A01N 25/02
C07F 9/22− 9/24
CAplus/REGISTRY(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
JSTChina(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
N−(n−ブチル)チオリン酸トリアミドと、
ジメチルスルホキシド、スルホランまたはRS(O)R(ここで、Rはメチル、エチル、n−プロピル、フェニルまたはベンジルであり、Rはエチル、n−プロピル、フェニルまたはベンジルである。)のいずれか1つと、
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートもしくはその混合物;アルキレングリコールおよびポリ(アルキレン)グリコールから選ばれるアルコールまたはポリオール;グリセリン;エタノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、メチルジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミンおよびトリエタノールアミンからなる群から選ばれるアルカノールアミン;乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチルまたはそれらの混合物、からなる群から選択される1つ以上
とを含む製剤。
【請求項2】
前記製剤が、ジメチルスルホキシドを含む、請求項1記載の製剤。
【請求項3】
前記製剤が、ジアルキルスルホキシド、ジアリールスルホキシドまたはアルキルアリールスルホキシドを含む、請求項1記載の製剤。
【請求項4】
が、メチル、エチル、n−プロピル、フェニルまたはベンジルであり、Rが、メチル、エチル、n−プロピル、フェニルまたはベンジルである、請求項3記載の製剤。
【請求項5】
前記製剤が、スルホランを含む、請求項1記載の製剤。
【請求項6】
前記製剤が、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートまたはそれらの混合物を含む、請求項1記載の製剤。
【請求項7】
前記ポリオールが、エチレングリコール、プロピレングリコールおよびブチレングリコールまたはそれらの混合物からなる群より選択されるアルキレングリコールである、請求項記載の製剤。
【請求項8】
前記ポリオールが、グリセリンである、請求項記載の製剤。
【請求項9】
前記製剤が、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、メチルジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミンおよびトリエタノールアミンからなる群より選択されるアルカノールアミンを含む、請求項1記載の製剤。
【請求項10】
前記製剤が、乳酸エチル、乳酸プロピルまたは乳酸ブチルを含む、請求項1記載の製剤。
【請求項11】
前記N−(n−ブチル)−チオリン酸トリアミド(NBPT)が、前記製剤の5〜75重量%である量で存在する、請求項1記載の製剤。
【請求項12】
水で希釈された、請求項1記載の製剤。
【請求項13】
N−(n−ブチル)チオリン酸トリアミドと、
ジメチルスルホキシド、スルホランまたはRS(O)R(ここで、Rはメチル、エチル、n−プロピル、フェニルまたはベンジルであり、Rはエチル、n−プロピル、フェニルまたはベンジルである。)のいずれか1つと、
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートもしくはその混合物;アルキレングリコールおよびポリ(アルキレン)グリコールから選ばれるアルコールまたはポリオール;グリセリン;エタノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、メチルジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミンおよびトリエタノールアミンからなる群から選ばれるアルカノールアミン;乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチルまたはそれらの混合物、からなる群から選択される1つ以上
とを含む肥料添加物。
【請求項14】
前記肥料添加物が、N−(n−ブチル)−チオリン酸トリアミドおよびジメチルスルホキシドを含む、請求項13記載の肥料添加物。
【請求項15】
前記肥料が、ポリアルキレングリコールをさらに含む、請求項14記載の肥料添加物。
【請求項16】
前記ポリアルキレングリコールが、ポリメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールおよびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項15記載の肥料添加物。
【請求項17】
尿素肥料の揮発性を低下させる方法であって、該方法は、
N−(n−ブチル)チオリン酸トリアミドと、
ジメチルスルホキシド、スルホランまたはRS(O)R(ここで、Rはメチル、エチル、n−プロピル、フェニルまたはベンジルであり、Rはエチル、n−プロピル、フェニルまたはベンジルである。)のいずれか1つと、
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートもしくはその混合物;アルキレングリコールおよびポリ(アルキレン)グリコールから選ばれるアルコールまたはポリオール;グリセリン;エタノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、メチルジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミンおよびトリエタノールアミンからなる群から選ばれるアルカノールアミン;乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチルまたはそれらの混合物、からなる群から選択される1つ以上
とを含む組成物を加える工程を含む方法。
【請求項18】
ジメチルスルホキシドを加える、請求項17記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、35§USC119(e)に基づいて、2012年10月1日に出願された米国特許仮出願第61/708,105号に対して優先権を主張し、その全内容は、本明細書中に参照により援用される。
【0002】
発明の分野
実施形態において、本発明は、ウレアーゼ阻害剤であるN−(n−ブチル)チオリン酸トリアミド(本明細書中以後、その頭字語のNBPTと称される)に対する改善された溶媒製剤に関する。NBPTは、固体の化学的物質であり、それは、好適な溶媒に溶解されることにより、圃場において低レベルでの施与が可能になる。さらに、NBPTが、制御均質層(controlled and homogenous layer)におけるコーティングとして沈着され得るように、粒状混合肥料の構成要素として組み込まれるとき、NBPTの溶液が望ましい。1つの実施形態において、本発明は、より環境的に優しく、かつ従事者が公知のNBPT溶液よりも安全に取り扱える、非プロトン性溶媒およびプロトン性溶媒を含む混合物の製剤を提唱する。さらに、NBPT溶液の安定性、溶液の取り扱いおよび配合レベルと比べたときの性能の優位性が、これらの新しい製剤に対して開示される。
【背景技術】
【0003】
窒素は、必須の植物栄養素であり、適切かつ強い普通葉にとって重要であると考えられている。尿素は、高窒素含有量を提供し、すべての窒素肥料原料の中の最良のものの1つであり、このことにより、結果として、尿素は効率的な肥料化合物になっている。土壌水分の存在下において、天然または合成の尿素は、アンモニウムイオンに変換され、次いで、それは、植物の取り込みに利用可能になる。肥料原料として適用されるとき、天然の土壌細菌は、以下の2つの反応によって証明されるように、尿素の各モルに対して、尿素を2モル当量のアンモニウムイオンに酵素的に変換する:
【化1】
【0004】
水の存在下において、そのように生成されたアンモニウムは、アンモニアと平衡状態である。NHとNHとの間の平衡状態は、以下の平衡に従ってpH依存性である:
【化2】
【0005】
したがって、気体アンモニアの損失は、より高いpH値においてより大きい。土壌からのNHの流出は、主にNH濃度、pHおよび温度に依存する。酸素の存在下では、アンモニウムは、硝酸イオン(NO)にも変換され得る。次いで、そのアンモニウムと硝酸イオンの両方の形態の窒素が、成長中の植物によって栄養物質として吸収され得る。
【0006】
アンモニウムイオンは、最終的には、大気に漏れ出るアンモニアガスにも変換され得る。大気中および溶液中のNHの濃度は、温度の関数であるヘンリー則定数(H)によって左右される:
【化3】
【0007】
尿素肥料は、成長時期の始めに一度だけ施与されることが多い。この窒素送達系の欠点は、アンモニウムおよび硝酸イオンが土壌中に生成される割合が異なること、ならびに植物がその成長時期の間にアンモニウムおよび硝酸イオンを必要とする割合に関する。アンモニウムおよび硝酸イオンの生成は、植物による取り込みと比べて速いことから、かなりの量の肥料窒素が利用されないかまたはアンモニアガスとして大気に失われ、もはやその植物にとって利用可能でなくなる。したがって、尿素がアンモニウムおよびアンモニアガスに加水分解されるのを制御し、それにより、尿素肥料を植物の成長にとってより効果的にすることが望まれている。
【0008】
尿素肥料をより効果的にするためおよび尿素からのアンモニアの揮発を制御するための方法が、数多く開発された。Westonら(特許文献1)は、尿素肥料の損失を制御するための方法を詳述しており、その方法は、(1)成長時期にわたる段階的な、圃場における複数回の肥料処理、(2)ゆっくり侵食されることにより、制御された形式で土壌に尿素をもたらす保護コーティングを使用した、「放出制御」粒状肥料製品の開発、および(3)尿素が土壌細菌によって代謝されてアンモニウムイオンに変換される割合を阻害する単純な化学的化合物(ウレアーゼ阻害剤)の発見を含む。
【0009】
制御された形式で植物に尿素を提供するために様々な尿素コーティングを使用することは、広く実証されている。尿素用のホスフェートコーティングは、Barryら(特許文献2)によって記載されており、そのコーティングは、ホスフェート水溶液混合物として尿素に適用される。Miller(特許文献3)は、肥料原料をコーティングするために、キレート化された微量養素を使用することを記載している。肥料原料の送達を制御するポリマーコーティングもまた、開示されている(例えば、特許文献4および特許文献5を参照のこと)。
【0010】
Whitehurstら(特許文献6)は、成長周期中のアンモニアの損失を制御する手段として、コーティングされた尿素肥料を作製するためにホウ酸塩を使用することを教示している。Whitehurstは、土壌中のアンモニア窒素の損失を阻害するこのコーティングストラテジーの数多くの例を要約している。したがって、従来技術は、コーティングされた肥料生成物の利点を、土壌中のアンモニア窒素の損失を阻害する1つの手段としてみなしている。NBPT以外のウレアーゼ阻害材料が、開示されている。いくつかの例としては、Hojjatieらが教示しているようなポリスルフィドおよびチオ硫酸塩の使用(特許文献7)ならびにジシアンジアミド(DCD)およびニトラピリンの使用が挙げられる。
【0011】
Kolcら(特許文献8)は、この目的のためのNBPTの使用を含む、脂肪族リン酸トリアミドウレアーゼ阻害剤の使用を教示している。Kolcは、水性および有機担体媒体(carrier media)の使用を言及しているが、アセトン、ジイソブチルケトン、メタノール、エタノール、ジエチルエーテル、トルエン、塩化メチレン、クロロベンゼンおよび石油留出物を含む群の揮発性(および可燃性)溶媒を具体的に挙げている。これらの溶媒を使用する主な理由(principle reason)は、ごく少量の溶媒残留物しか作物に貯留されないことを確実にするためだった。
【0012】
NBPTに対する改善された担体系が、Kolcの後に報告された。NBPTは、加水分解的かつ熱的に不安定な物質であり、これらおよび他の欠点を克服するためにいくつかの溶媒系が開発された。残念なことに、既存の製剤は、熱安定性の懸念および重要な製剤成分の毒性に起因して、それら自体に問題がある。
【0013】
一般に、肥料とともに使用される溶媒は、すべての比率において水溶性であることが望ましく、それにより、使用場所においてならびに比較的高い引火点において容易な分散が可能になる(その結果、高温で爆発および/または発火する確率が低下する)。特許文献8に開示されている製剤溶媒の多くが、これらの望ましい特性を有していない。この特許のそのような問題のある溶媒の例としては、可燃性かつ水不混和性の溶媒であるトルエンの使用が挙げられる。
【0014】
Westonら(特許文献1)は、N−メチルピロリドン(NMP)などのピロリドン溶媒の使用を開示しており、Narayananら(特許文献9および特許文献10)も開示している。このタイプの溶媒は、高レベルのNBPTを溶解することができ、それにより濃縮生成物が生成されること、および得られる濃縮物は、良好な温度安定性を有することが示されている。これらの特徴は、それらが、市販の製品を従来の方法で保管し、ポンプでくみ上げ、輸送することを可能にするという点において有用である。
【0015】
特許文献11において、Omilinskyおよび共同研究者らは、NBPT製剤におけるNMPなどの「液体アミド類」の使用も開示している。Omilinskyはさらに、溶液安定性の重要性を述べており、NBPT送達混合物に対する望ましい基礎溶媒としてグリコールタイプの溶媒を開発する。液体アミド共溶媒によって果たされる主要な役割は、低温におけるグリコールの天然の粘度の結果として高さが不十分な混合物の流動点を低下させることである。NMPは、NBPTベースの農薬製剤においていくつかの役割を果たす。特許文献1、特許文献9および特許文献10において教示されているように、NMPは、良好な温度安定性を有する、濃縮されたNBPT生成物製剤を製造することができる有用な溶媒である。NMPはまた、プロピレングリコールなどの粘稠性の基礎溶媒の流動点を低下させる添加物としても使用され得る。Omilinskyは、特許文献11において、プロピレングリコールの流動点を低下させる共溶媒としてのNMPの使用を開示している。
【0016】
特許文献11に記載されている混合物などの混合物において、グリコールタイプのNBPT溶媒製剤の流動点を低下させる添加物に対する要件が、記載されている。プロピレングリコールなどの溶媒は、本質的に無毒性である魅力的な特徴を有し、ゆえに農薬および医薬品において魅力的な混合成分である。いくつかのグリコールの1つの短所は、比較的高い粘度レベルであり、これにより、これらの材料は、流動に抵抗性となり、注ぎにくくなり得る。実際に、プロピレングリコールの25℃における動粘性率は、48.8センチポアズであり、同じ温度における水のほぼ50倍である。プロピレングリコールに対する粘度データは、非特許文献1に見られる。Omilinskyの特許文献11では、NBPT混合物の流動点を低下させることができる添加物としてのNMPの使用が記載されている。
【0017】
NMPおよび他の液体アミド溶媒は、記載されたNBPT製剤において有用な役割を果たすが、近年、これらの溶媒の安全性に関する懸念が非常に高まっている。特に、European Directives 67/548/EECおよび/または99/45/ECは、最近、製品製剤の5%を超える量のN−メチルピロリドン(NMP)を生殖毒(R61)として分類した。それは、欧州連合の‘Solvent of Very High Concern’リストへの列挙が予定されており、これにより、工業用製剤および農薬製剤においてそれらの使用が妨げられるだろう。米国では、NMPは、癌または生殖への害を引き起こすと知られている物質を米国カリフォルニア州が規制しているCalifornia Proposition 65(The Safe Drinking Water and Toxic Enforcement Act of 1986)の要件の対象である。
【0018】
従来技術には、安全性の観点から、これらの製剤におけるNMPの適合性に対処するものはないか、または安全性と性能の両方の展望から適切な代替物を提唱するものはない。
【0019】
実際に、製薬業界における反応溶媒の使用についてのガイドラインもまた、NMPの比較的不良な安全性プロファイルについて述べている。反応溶媒は、完成した薬物製品に残留レベルで存在し得るとき、そのような考慮すべき事項は、保証される。日米欧医薬品規制ハーモナイゼーション国際会議(ICH)は、その文書である非特許文献2において、NMPを「制限されるべき溶媒(クラス2)」として分類している。
【0020】
NMPは、ヒトおよび/または動物に直接与えられた場合、潜在的に有毒である。さらに、NMPは、食物連鎖を経た後に高等動物によって経口摂取されると、有毒であり得る可能性がある。例えば、多くの場合、肥料は、それらが使用された圃場/作物/植物によって完全に吸収/使用されず、それらの肥料は、最終的に水路(例えば、淡水、汽水または塩水域)にたどり着く。その肥料の少なくとも一部が最終的にこれらの水域にたどり着く状況において、それらは、高等動物(例えば、ヒト)が直接または間接的に消費する生物によって、吸収され得るか、経口摂取され得るか、または別途摂取され得る。これらの場合、肥料および/または前記肥料に関連する化合物は、ヒトまたは高等動物によって直接および/または間接的に経口摂取され得、前記ヒトに対して毒性をもたらす可能性がある。最終的に水路にたどり着く肥料は、その水を飲む高等動物/ヒトによって直接、経口摂取され得る可能性もある。
【0021】
さらに、様々な肥料に関連する有毒な化合物が使用されるとき、それらは、高等動物に対して有毒であり得るだけでなく、食物連鎖のより下位の動物に対しても有毒であり得る。より高い用量では、これは、食物連鎖のより下位の動物の個体激減を意味し得、それは、その結果として、作物および/または動物の個体激減などの経済的な結果が存在し得ることを意味し、利鞘が減少することおよび利用可能な食物が少なくなることを意味する。
【0022】
上記に照らすと、環境ならびに動物およびヒトに対して毒性の低い製剤/肥料を開発することが望ましい。
【0023】
NBPTベースの農薬製剤の重要な特徴は、溶液中における化学安定性である。そのような製品は、使用時に水で希釈されるが、NBPTは、水の存在下において加水分解を起こす。ゆえに、NBPTの水溶液またはエマルジョンは、商業的観点から現実的でなく、濃縮されたNBPT製品を送達するビヒクルとしては有機溶媒が好ましい。しかしながら、NBPTは、すべての溶媒に対して化学的に不活性であり、農薬使用者のニーズに適した製品を開発するために、その安定性は評価されなければならない。
【0024】
NMPに対するNBPTの安定性は、特許文献1(Westonら)およびNarayananら(特許文献9および特許文献10)において以前に立証されている。
【0025】
加水分解に対するその溶媒自体の固有の安定性は、製剤溶媒の存在下におけるNBPTの化学安定性の考慮の範囲を超える。NBPT製品は、最終的に水に分散されることが多いので、NMPのような液体アミド溶媒の加水分解安定性は、考慮すべき事項である。
【0026】
高温および高pHレベルにおいて、NMPの加水分解は、有意であり得る(非特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0027】
【特許文献1】米国特許第5,352,265号明細書
【特許文献2】米国特許第3,425,819号明細書
【特許文献3】米国特許第3,961,932号明細書
【特許文献4】米国特許第6,262,183号明細書
【特許文献5】米国特許第5,435,821号明細書
【特許文献6】米国特許第6,830,603号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2006/0185411(A1)号明細書
【特許文献8】米国特許第4,530,714号明細書
【特許文献9】米国特許第5,160,528号明細書
【特許文献10】米国特許第5,071,463号明細書
【特許文献11】米国特許第5,698,003号明細書
【非特許文献】
【0028】
【非特許文献1】Glycols(Curme and Johnston,Reinhold Publishing Corp.,New York,1952)
【非特許文献2】Impurities:Guideline for Residual Solvents Q3C(R3)
【非特許文献3】「M−ピロール」製品速報,International Specialty Products,p.48
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0029】
1つの実施形態において、本発明は、N−(n−ブチル)チオリン酸トリアミド(NBPT)を含む液体製剤に関する。ある実施形態において、その製剤は、a)ジメチルスルホキシド、b)Rが、メチル、エチル、n−プロピル、フェニルまたはベンジルであり、Rが、エチル、n−プロピル、フェニルまたはベンジルである、式R−SO−Rを有する、ジアルキルスルホキシド、ジアリールスルホキシドまたはアルキルアリールスルホキシド、c)スルホラン、d)エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートまたはそれらの混合物からなる非プロトン性溶媒にNBPTを溶解することによって調製され得る。ある実施形態において、これらの製剤は、1)アルキレングリコールおよびポリ(アルキレン)グリコール(PG)のファミリーのアルコールもしくはポリオール、2)エチレングリコール、プロピレングリコールもしくはブチレングリコールを含む群からのアルキレングリコール、3)グリセリン、4)エタノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、メチルジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミンおよびトリエタノールアミンを含む群からのアルカノールアミン、ならびに/または5)乳酸エチル、乳酸プロピルもしくは乳酸ブチルからなるプロトン性成分と混合され得る。1つの実施形態において、本発明者らは、NBPTベースの農薬製品において、N−メチルピロリドンなどのより有毒な溶媒に対する代わりとしてジメチルスルホキシド(DMSO)を使用することを提唱する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は、NBPT溶液の加速化学安定性(accelerated chemical stability)を、試験生成物(50%PG、25%DMSO、25%NBPT)とN−メチルピロリドンを含む市販の製品とを比較して示している。この安定性試験は、50℃において行われ、濃度は、HPLCによって測定された。
図2図2は、NBPT溶液の加速化学安定性を、試験生成物(35%PG、40%DMSO、25%NBPT)とN−メチルピロリドンを含む市販の製品とを比較して示している。この安定性試験は、50℃において行われ、濃度は、HPLCによって測定された。
図3図3は、NBPT溶液の加速化学安定性を、試験生成物(20%PG、40%DMSO、40%NBPT)とN−メチルピロリドンを含む市販の製品とを比較して示している。この安定性試験は、50℃において行われ、濃度は、HPLCによって測定された。
図4図4は、NBPT溶液の加速化学安定性を、試験生成物(48.5%グリセリン、1.5%メタノール、25%DMSO、25%NBPT)とN−メチルピロリドンを含む市販の製品とを比較して示している。この安定性試験は、50℃において行われ、濃度が測定された。
図5図5は、NBPT溶液の加速化学安定性を、試験生成物(48.5%グリセリン、1.5%メタノール、25%DMSO、25%NBPT)とN−メチルピロリドンを含む市販の製品とを比較して示している。この安定性試験は、50℃において行われ、濃度は、HPLCによって測定された。
図6図6は、4つのNBPT溶液:混合物A;75.0%N−メチルピロリドン、25%NBPT.混合物B;75PG、25%NBPT.混合物C;75.0%緩衝混合物、25.0%NBPT.混合物D;75%DMSO、25.0%NBPTの加速化学安定性を示している。この安定性試験は、50℃において行われ、濃度は、HPLCによって測定された。
図7図7は、プロピレングリコールと様々なパーセンテージの共溶媒との混合物の粘度試験の結果を、DMSOとNMPとを比較して示している。LVDV−Eスピンドルセットを備えたBrookfield LVDV−Eデジタル回転式粘度計を使用して、粘度を測定した。NMPおよびPGを含む、実施例2の市販のNBPT製品の粘度も示されている。
図8図8は、グリセロールと様々なパーセンテージの共溶媒との混合物の粘度試験の結果を、DMSOとNMPとを比較して示している。LVDV−Eスピンドルセットを備えたBrookfield LVDV−Eデジタル回転式粘度計を使用して、粘度を測定した。NMPおよびPGを含む、実施例2の市販のNBPT製品の粘度も示されている。
図9図9は、モノイソプロパノールアミン(MIPA)と様々なパーセンテージの共溶媒との混合物の粘度試験の結果を、DMSOとNMPとを比較して示している。LVDV−Eスピンドルセットを備えたBrookfield LVDV−Eデジタル回転式粘度計を使用して、粘度を測定した。NMPおよびPGを含む、実施例2の市販のNBPT製品の粘度も示されている。
図10図10は、重量基準で50.0%PG、30.0%DMSOおよび20.0%NBPTを含むNBPT溶液でコーティングされた市販の尿素肥料に対し、市販の尿素肥料を施与された土壌からのアンモニア排出試験の結果を示している。この試験は、商業的に入手可能な園芸用の土壌混合物を使用して、22℃において7日間行われ、化学発光アンモニア分析器を使用して解析された。
【発明を実施するための形態】
【0031】
ある実施形態において、本発明は、N−(n−ブチル)チオリン酸トリアミド(NBPT)を含む製剤に関する。ある実施形態において、これらの製剤は、a)ジメチルスルホキシド、b)Rが、メチル、エチル、n−プロピル、フェニルまたはベンジルであり、Rが、エチル、n−プロピル、フェニルまたはベンジルである、式R−SO−Rを有する、ジアルキルスルホキシド、ジアリールスルホキシドまたはアルキルアリールスルホキシド、c)スルホラン、d)エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートまたはそれらの混合物からなる非プロトン性溶媒にNBPTを溶解することによって調製される。ある実施形態において、これらの製剤は、1)アルキレングリコールおよびポリ(アルキレン)グリコール(PG)のファミリーのアルコールもしくはポリオール、2)エチレングリコール、プロピレングリコールもしくはブチレングリコールを含む群からのアルキレングリコール、3)グリセリン、4)エタノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、メチルジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミンおよびトリエタノールアミンを含む群からのアルカノールアミン、ならびに/または5)乳酸エチル、乳酸プロピルもしくは乳酸ブチルからなるプロトン性成分と混合され得る。
【0032】
1つの実施形態において、NBPTベースの農薬製品において、N−メチルピロリドン(NMP)などのより有毒な溶媒に対する代わりとして、ジメチルスルホキシド(DMSO)が使用される。
【0033】
1つの実施形態において、上記溶液は、乾燥した粒状または液体の尿素肥料と混和され、その肥料を植物の成長にとってより効果的にするために耕作地に施与され、かつ/またはアンモニア排出を減少させるために、尿素を含む土地、面もしくは製品に直接適用される。
【0034】
1つの実施形態において、さらなる植物栄養分を含むコーティングされた粒状の尿素製品は、粒状尿素、粉末状の形状のさらなる栄養分の起源、および希釈されたNBPTを含む下記に記載される混合物から調製され得る。粒状尿素は、まず、希釈されたNBPTを含む混合物で湿らせた後、液体を粒状固体と混合するために通常使用される任意の装置を使用して混合することにより、そのNBPTを含む液体混合物が粒状尿素の表面の上に分配され得る。希釈されたNBPTを含む混合物を粒状表面の上に分配させた後、粉末状の形態のさらなる栄養分が、湿らせた混合物に加えられ得、得られた混和された材料が、さらに混合されることにより、粉末状の原料が分配され得る。代わりの実施形態では、粉末状の原料が、まず、粒状尿素と混合され得、次いで、NBPTを含む希釈された混合物が、その乾燥材料の回転床の上に噴霧されることにより、乾燥原料が塊になり得る。この後者の方法は、特に、連続処理に適している場合がある。
【0035】
本明細書中で使用される用語「尿素肥料」は、単独で使用されるか、または他の多量養素および/もしくは微量養素および/もしくは有機物と混合される、天然と合成の両方の尿素のことを指す。乾燥した粒状の尿素肥料は、約46重量%の窒素を含む。
【0036】
1つの実施形態において、本発明において非プロトン性溶媒およびプロトン性溶媒として列挙される化合物は、一般に、それぞれスルホキシドおよびアルコールと記載され得る。
【0037】
ある実施形態において、本発明は、特定の既存のウレアーゼ阻害剤製剤の限界を克服する、より安全かつ環境的に優しい溶媒の使用に関する。ある実施形態において、本発明において使用される溶媒は、従来技術において使用されていた溶媒、例えば、NMPよりも毒性が低い。
【0038】
ある実施形態において、上記製剤は、比較的無毒性でありつつ、許容可能な粘度レベルおよび高いNBPT配合量を有するNBPT製剤を生成するために、極性非プロトン性溶媒(スルホキシド、スルホン、ジアルキルカーボネート)とプロトン性溶媒(グリコール、トリオールおよびアルカノールアミン)との組み合わせを使用する。さらに、ある実施形態において、プロトン性/非プロトン性溶媒混合物は、加速安定性試験によって証明されているような、優れたNBPT安定性を示す。
【0039】
本発明の1つの態様は、製剤の流動特性を改変するためにそのような共溶媒を必要とする製剤における、より有害な液体アミド成分に対する代用品としてのジメチルスルホキシドの使用を含む。この態様において、これは、液体アミド溶媒の規制監視の高まりに照らすと、かなりの改善である。
【0040】
1つの実施形態において、本発明は、NMPの代わりにNBPTとともにDMSOを使用することに関する。NMPは、広く認められた生殖毒性を有し、急性毒性データの調査は、NMPが、任意の曝露経路によって、ジメチルスルホキシドよりもかなり有害であることを示している。基本的な毒物学的指標の要約が、表1に与えられる。
【0041】
【表1】
【0042】
上記の表に示されているように、DMSOがNMPよりも有意に毒性が低いことが、当業者には明らかであるだろう。さらに、DMSOは、最も好ましいランクである「低毒性である可能性がある溶媒(クラス3)」として分類されている。
【0043】
1つの実施形態において、本発明は、低毒性の極性非プロトン性溶媒(最も主としてはジメチルスルホキシド)と様々な一般的なプロトン性溶媒との、比較的無毒性である傾向の特定の混合物を使用することによって、従来技術の溶媒の難点に対処する。
【0044】
ある実施形態において、本発明は、特定のウレアーゼ阻害剤N−(n−ブチル)チオリン酸トリアミドを流動化するために使用される非プロトン性/プロトン性溶媒混合物を含む製剤に関し、それは、肥料生成物をコーティングするために使用され得る。
【0045】
1つの実施形態において、尿素に対してホスフェートコーティングを使用してもよく、そのコーティングは、本発明の肥料添加物を加える前に、水性のホスフェート混合物として尿素に適用される。
【0046】
ある実施形態において、肥料原料をコーティングするために、キレート化された微量養素が使用され得る。二者択一的におよび/または追加的に、肥料原料の送達を制御するポリマーコーティングが使用され得る。
【0047】
1つの実施形態において、本発明の製剤は、溶媒としてDMSOを使用する。DMSOは、NMPと比べて有意であり得る加水分解を起こさないので、DMSOは、NMPなどの従来技術の溶媒にまさる利点を有する(「M−ピロール」製品速報,International Specialty Products,p.48を参照のこと)。したがって、DMSOを使用するとき、製剤の開発において、自由度が有意に高くなる。
【0048】
さらに、DMSOの溶媒特性は、50重量%を超えるNBPTを含むNBPT濃度が達成可能であるという点において、これらの製剤において有用である。溶媒によってそのように活性物質を高配合することにより、濃縮生成物の製造が可能になり、保管、輸送および使用するのが安上がりになり得る。その肥料添加物の製品が、使用者に到着したら、その使用者は、その濃縮物を水で希釈して、その肥料添加物(肥料を含む)を作物/植物などに対して使用することができる。
【0049】
1つの実施形態において、NBPTは、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性溶媒に溶解される。そのNBPT−非プロトン性溶媒溶液は、単独で使用されてもよいし、生成物の取扱い、安定性および/または溶液の流動性を改善するために、さらにプロトン性溶媒と混合されてもよい。
【0050】
それらの原料の混合は、通常使用される任意の方法:例えば;使用前に原料を単純にタンクで混合すること、原料を同時に注入する計量システムを使用すること、または噴霧注入システムを介して混合することで達成され得る。
【0051】
1つの実施形態において、NBPT/非プロトン性溶媒/プロトン性溶媒混合物は、5%〜75重量%のNBPT濃度がもたらされるように混合される。あるいは、5%〜60重量%のNBPT濃度が、使用され得る。あるいは、5%〜50重量%のNBPT濃度が、使用され得る。あるいは、5%〜40重量%のNBPT濃度が、使用され得る。ジメチルスルホキシドにおける最初の可溶化工程は、約19℃の室温から約150℃までで行われ得る(大気圧におけるDMSOの沸点は、約190℃である)。あるいは、ジメチルスルホキシドにおける可溶化工程は、約22℃から60℃までで行われ得る。
【0052】
上記混合物は、任意の一般的な混合タンクにおいて混合され得る。NBPT、非プロトン性溶媒およびプロトン性溶媒の計量は、重量に基づき得るが、容積測定の基準に基づいてもよい。
【0053】
粒状尿素のコーティングにおいて均一なコーティングを視覚的に評価するのを助けるために、混合物に色素または着色料が加えられ得る。あるいは、施与直前の水性混合物中の尿素のコーティングにおいて均一なコーティングを視覚的に評価するのを助けるために、混合物に色素または着色料が加えられ得る。1つの実施形態において、着色料には、任意の無毒性の一般的な食用色素が含まれ得る。
【実施例】
【0054】
以下の実施例は、本発明の実施を例証するために提供される。これらの実施例は、可能性のある使用法の完全な範囲を例証すると意図されていない。別段明確に述べられない限り、すべての組成が質量パーセンテージに基づく。個別の成分の濃度は、それらの名称の前に提示される。例えば、20.0%NBPTとは、20.0重量%のNBPTを含む混合物のことを指す。
【0055】
実施例1
以下の重量パーセント:50.0%PG、30.0%DMSO、20.0%NBPTが得られるように、NBPT、DMSOおよびPGを十分に混合することによって、NBPT溶液を調製した。
【0056】
実施例2
DMSOの毒性について試験するため、およびそれをNMPの相対的な毒性と比較するために、急性毒性範囲を見つけ出す96時間の試験を、幼若ザリガニ(Procambarus clarkii)に対して行うことにより、実施例1に記載されたような溶液に対する、集団の半数に対する致死濃度(LC50)を推定した。同時に、26.7重量%NBPT(製品ラベルによれば)およびおよそ10%のN−メチルピロリドン(MSDS範囲10〜30%)およびおよそ63%のプロピレングリコール(MSDS範囲40〜70%)を含む商業的に入手可能なNBPT溶液において、LC50を測定した。ザリガニをスタティックチャンバー内に入れ、清浄水中0、72、145、290、580および1160mg/Lという等しいNBPT濃度に曝露した。実施例1の溶液のLC50は、145mg NBPT(活性成分として)/Lだったが、Agrotain(登録商標)UltraのLC50は、75mg NBPT(活性成分として)/Lだった。より高いLC50値は、より低い毒性を示唆するので、実施例1の溶液は、N−メチルピロリドンを含む市販の製品のおよそ半分の毒性だった。
【0057】
この試験から、本発明の製剤が、従来技術の製剤よりも有意に毒性が低いことが証明される。
【0058】
実施例3
22℃の室温における最大溶解度を測定するために、NBPT溶液をDMSOおよび等量のDMSO/PGにおいて調製した。混合および超音波処理(sonification)の後、サンプルを視覚的に調べ、次いで、0.45μmフィルターで濾過し、近赤外反射分光法によって解析した。22℃において、DMSOにおけるNBPTの溶解度は、少なくとも58.9重量%だった。等量のDMSO/PGにおけるNBPTの溶解度は、少なくとも55.0重量%だった。
【0059】
上に開示された温度より高い高温では、この実施例に見られる量を超えてNBPTの溶解度を上昇させることができ、濃縮物に対する手段が提供され得ると予想されるだろう。その温度が、輸送中に低下したとしても、肥料添加物の使用に関する指示は、使用前にその製品の完全な可溶化を確実にするために、使用者に製剤の温度を上げるように指示し得る。
【0060】
実施例4
以下の重量パーセント:50%PG、25%DMSOおよび25%NBPTが得られるように、NBPT、DMSOおよびPGを十分に混合することによって、NBPT溶液を調製した。実施例2の商業的に入手可能なNBPT溶液もまた、比較のために使用した。
【0061】
実施例5
実施例4のNBPT溶液を、個別のバイアルに入れ、研究室のオーブンにおいて50±1℃で45日間インキュベートした。サンプルを、Waters2489調節可能UV/可視光検出器を備えたWatersモデル1525 High Performance Liquid Chromatograph(HPLC)を使用する溶液中のNBPTの解析のために定期的に取り出した。当業者が思い付き得るような好適な分析パラメータ(移動相組成、カラム選択など)を使用し、HPLC解析からの生データを、>99%という名目上の純度を有するNBPTの標準物質に対して較正した。図1は、この加速安定性試験の結果を示している。
【0062】
この試験は、NBPTが、高温において有意に変質しなかったことを示しており、これは、本発明の製剤が、生成物の有意な分解の心配なく輸送され得ることを意味する。
【0063】
実施例6
以下の重量パーセント:35%PG、40%DMSOおよび25%NBPTが得られるように、NBPT、DMSOおよびPGを十分に混合することによって、NBPT溶液を調製した。実施例2の商業的に入手可能なNBPT溶液もまた、比較のために使用した。
【0064】
実施例7
実施例6のNBPT溶液を、個別のバイアルに入れ、研究室のオーブンにおいて50±1℃で45日間インキュベートした。サンプルを定期的に取り出し、実施例5の手順を用いて解析した。図2は、この加速安定性試験の結果を示している。
【0065】
この試験は、DMSOの相対量が変動しても、NBPTが高温において有意に変質しなかったことを示している。したがって、本発明の製剤は、種々のDMSOレベルにおいて生成物の有意な分解の心配なく輸送され得る。
【0066】
実施例8
以下の重量パーセント:20%PG、40%DMSOおよび40%NBPTが得られるように、NBPT、DMSOおよびPGを十分に混合することによって、NBPT溶液を調製した。実施例2の商業的に入手可能なNBPT溶液もまた、比較のために使用した。
【0067】
実施例9
実施例8のNBPT溶液を、個別のバイアルに入れ、研究室のオーブンにおいて50±1℃で45日間インキュベートした。サンプルを定期的に取り出し、実施例5の手順を用いて解析した。図3は、この加速安定性試験の結果を示している。
【0068】
この試験は、NBPTの相対量を増加させたときに、NBPTが高温において有意に変質しなかったことを示している。したがって、本発明の製剤は、比較的高いNBPT濃度でさえも、生成物の有意な分解の心配なく輸送され得る。
【0069】
実施例10
以下の重量パーセント:48.5%グリセリン、1.5%メタノール、25%DMSOおよび25%NBPTが得られるように、NBPT、DMSO、グリセリンおよびメタノールを十分に混合することによって、NBPT溶液を調製した。実施例2の商業的に入手可能なNBPT溶液もまた、比較のために使用した。
【0070】
実施例11
実施例10のNBPT溶液を、個別のバイアルに入れ、研究室のオーブンにおいて50±1℃で45日間インキュベートした。サンプルを定期的に取り出し、実施例5の手順を用いて解析した。図4は、この加速安定性試験の結果を示している。
【0071】
この試験は、NBPTが、この処方を用いたとき高温において有意に変質しなかったことを示しており、この製剤が、生成物の有意な分解の心配なく輸送され得ることを意味する。
【0072】
実施例12
以下の重量パーセント:33.5%グリセリン、1.5%メタノール、25%DMSOおよび40%NBPTが得られるように、NBPT、DMSO、グリセリンおよびメタノールを十分に混合することによって、NBPT溶液を調製した。実施例2の商業的に入手可能なNBPT溶液もまた、比較のために使用した。
【0073】
実施例13
実施例12のNBPT溶液を、個別のバイアルに入れ、研究室のオーブンにおいて50±1℃で45日間インキュベートした。サンプルを定期的に取り出し、実施例5の手順を用いて解析した。図5は、この加速安定性試験の結果を示している。
【0074】
この試験は、NBPTが、この処方を用いたとき高温において有意に変質しなかったことを示しており、これは、この製剤が生成物の有意な分解の心配なく輸送され得ることを意味する。
【0075】
実施例14
以下の重量パーセント:62.5%MIPA、37.5%GAAが得られるように、モノイソプロパノールアミン(MIPA)を氷酢酸(GAA)と慎重に混合することによって、緩衝液を調製した。この混合は、混合物の温度が50℃未満のままであるように行われた。以下の重量パーセント:混合物A:75%N−メチルピロリドン、25%NBPT;混合物B:75%PG、25%NBPT;混合物C:75%緩衝液、25%NBPT;混合物D:75%DMSO、25%NBPTが得られるように、複数のNBPT溶液を調製した。
【0076】
実施例15
実施例14の4つのNBPT溶液を、個別のバイアルに入れ、50±1℃でおよそ200時間インキュベートした。サンプルを定期的に取り出し、実施例5のHPLC手順を用いて解析した。図6は、この加速安定性試験の結果を示している。
【0077】
この試験は、混合物Cが、高温において、DMSO(混合物D)、NMP(混合物A)またはPG(混合物B)を含む混合物よりも多くのサンプル分解を有したことを示している。PGがDMSOの流動性を有しないこと、およびNMPがDMSOよりも有毒であることに注意するべきである。
【0078】
実施例16
DMSOおよびNMPのレベルを上げながら、プロピレングリコール、グリセリンおよび代表的なアルカノールアミン(モノイソプロパノールアミン,MIPA)に対する動粘性率の測定値を収集した。LVDV−Eスピンドルセットを備えたBrookfield LVDV−Eデジタル回転式粘度計(Brookfield Engineering Labs,Inc.,Middleboro,Mass.)を、この研究のために使用し、Cannon N14汎用性合成基油粘度較正標準液(Cannon Instrument Company,State College,PA)を使用して、較正した。サンプリングは、21℃において行われた。図7、8および9は、類似したNMPの測定値と比べて、濃度に応じてDMSOがNBPT混合物の21℃における粘度を低下させる能力を示している。
【0079】
この試験は、様々な粘稠性製剤の粘度を低下させる際に、DMSOとNMPとの間には実質的に差が無いことを示している。
【0080】
実施例17
色素溶液を、実施例1の溶液に加えた。454グラムの粒状尿素を、2本の清浄な乾燥したガラスの2000mLメディウム瓶に加えた。ピペットを使用して、2クォートの生成物/尿素1トンという適用率に相当する1.87mLの染色された実施例1の溶液を、上記瓶の一方の中の尿素に加えた。ピペットを使用して、2クォートの生成物/尿素1トンという適用率に相当する1.87mLの実施例2の市販の溶液を、他方の瓶の中の尿素に加えた。蓋をして、そのメディウム瓶を、尿素がむらなくコーティングされるまで、手を動かして回転させた(1回転=手を360度動かす回転)。実施例1の染色された溶液では、4回転の後、より完全な被覆が観察された。100%の視覚的被覆を得るために必要な回転数を記録した。実施例1の染色された溶液は、完全な被覆のために30回転を必要とした一方で、実施例2の市販の製品は、35回転を必要とした。
【0081】
この試験は、DMSOおよび色素を含む製剤が、NMPおよび色素を含む対応する溶液よりも容易に尿素を覆うことができることを示している。
【0082】
実施例18
実施例4、6、8、10および12のNBPT溶液を、実施例2の市販のNBPT溶液とともに、−20℃の冷凍庫内に48時間置いた。実施例4、6、8のNBPT溶液および実施例2の市販のNBPT溶液はすべて、−20℃において自由に流動できた。実施例10のNBPT溶液は、非常に粘稠性だったが、なおも流動できた。実施例12のNBPT溶液は、−20℃において固体だった。
【0083】
実施例19
市販の粒状尿素を、実施例1のNBPT溶液で処理した。未処理の尿素と処理された尿素の両方を、22℃において、商業的に入手可能な園芸用の土壌混合物に適用し、化学発光分析器を使用して、7日間にわたってヘッドスペース内のアンモニア濃度を測定した。処理された尿素におけるアンモニア濃度は、未処理の尿素におけるアンモニア濃度よりもかなり低かった。図10は、このアンモニア排出試験の結果を示している。
【0084】
この試験は、DMSOを含むNBPT製剤が、尿素からアンモニウムへの加水分解の減少に効果的であり、それにより、大気へのアンモニアの損失が減少し、その肥料がより効果的になることを示している。
【0085】
ある特定の実施形態において、本発明は、製剤、肥料添加物、これらの製剤および/または肥料添加物を作製するおよび使用する方法ならびにプロセスに関する。
【0086】
ある実施形態において、本発明は、N−(n−ブチル)チオリン酸トリアミドならびにC1−6アルキレンカーボネートおよびRS(O)xRのうちの1つ以上を含む製剤に関し、RおよびRは、各々独立して、C1−6アルキレン基、アリール基もしくはC1−3アルキレンアリール基であるか、またはRおよびRは、それらが結合している硫黄とともに4〜8員環を形成し、RおよびRは、一体となって、その環内にO、S、Se、Te、NおよびPからなる群より選択される1つ以上の原子を必要に応じて含むC1−6アルキレン基であり、xは、1または2である。あるバリエーションにおいて、環内の原子は、必要に応じて、O、S、NおよびP、あるいは、O、SおよびNを含み得る。
【0087】
1つの実施形態において、上記製剤は、ジメチルスルホキシドであるRS(O)xRを含む。あるいは、上記製剤は、ジアルキルスルホキシド、ジアリールスルホキシドまたはアルキルアリールスルホキシドであるRS(O)xRを含む。あるいは、RおよびRは、同じであっても異なってもよく、RおよびRの各々は、C1−6アルキレン基、アリール基またはC1−3アルキレンアリール基であり得る。
【0088】
ある実施形態において、Rは、メチル、エチル、n−プロピル、フェニルまたはベンジルであり、Rは、メチル、エチル、n−プロピル、フェニルもしくはベンジルまたはそれらの混合物である。別の実施形態において、RS(O)xRは、スルホランである。
【0089】
ある実施形態において、上記製剤は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートまたはそれらの混合物であるアルキレン(akylene)カーボネートを含み得る。あるバリエーションにおいて、上記製剤は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートまたはそれらの混合物であるアルキレンカーボネートを含み得る。
【0090】
ある実施形態において、上記製剤は、アルコールまたはポリオールをさらに含み得、そのポリオールは、アルキレングリコールもしくはポリ(アルキレン)グリコールまたはそれらの混合物である。ある実施形態において、そのポリオールは、エチレングリコール、プロピレングリコールおよびブチレングリコールまたはそれらの混合物からなる群より選択されるアルキレングリコールである。ある実施形態(embodiement)において、そのポリオールは、グリセリンである。
【0091】
ある実施形態において、上記製剤は、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、メチルジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミンおよびトリエタノールアミンからなる群より選択されるアルカノールアミンをさらに含み得る。
【0092】
上記製剤は、ARBORITE Binderなどのエタノールアミンボレート水溶液を含み得る。1つの実施形態において、第2級または第3級アミノアルコールの濃度は、約12%超、あるいは、約20%超で維持され得る。エタノールアミンボレート水溶液の濃度が、約12%未満の濃度であるとき、他の生成物を調製するために使用される撹拌によって溶解され得る、水性混合物におけるNBPTの懸濁液が形成し得る。
【0093】
本発明のある実施形態において、NBPTは、最大約30重量%のNBPTを含む混合物を提供するのに十分なトリエタノールアミンとともにその化合物を融解することによって、溶解され得る。得られるトリエタノールアミン中のNBPT混合物は、本明細書中に記載されるように尿素を処理するために使用され得る。
【0094】
本発明の別の実施形態において、NBPTは、その固体を、溶液が得られるまでジエタノールアミン中に融解することによって、最大40重量%の量でジエタノールアミンに溶解される。そのNBPTジエタノールアミン混合物は、本明細書中に記載されるように尿素を処理するために使用され得る。
【0095】
本発明の別の実施形態において、ジイソプロパノールアミンの液体混合物は、その固体をそれが液化するまで穏やかに温め、溶解度の限界までNBPTをその固体と混合することによって、調製され得る。そのジイソプロアノールアミン(disioproanolamine)中の液体のNBPT含有混合物は、本明細書中に記載されるように尿素を処理するために使用され得る。
【0096】
あるバリエーションにおいて、上記製剤は、乳酸エチル、乳酸プロピルまたは乳酸ブチルをさらに含み得る。
【0097】
ある実施形態において、N−(n−ブチル)−チオリン酸トリアミド(NBPT)は、上記製剤の約5〜75重量%の量で存在し得る。あるバリエーションにおいて、上記製剤は、約10〜75重量%NBPT、10〜50重量%DMSOおよび10〜80重量%PG(ポリグリコール)またはアルキレンカーボネートを含み得る。あるバリエーションにおいて、上記製剤は、約10〜60重量%NBPT、10〜40重量%DMSOおよび10〜60重量%PGまたはアルキレンカーボネートを含み得る。あるバリエーションにおいて、上記製剤は、約10〜50重量%NBPT、10〜50重量%DMSOおよび10〜50重量%PGまたはアルキレンカーボネートを含み得る。あるバリエーションにおいて、上記製剤は、約10〜40重量%NBPT、10〜40重量%DMSOおよび10〜50重量%PGまたはアルキレンカーボネートを含み得る。あるバリエーションにおいて、上記製剤は、約20〜50重量%NBPT、20〜50重量%DMSOおよび10〜50重量%PGまたはアルキレンカーボネートを含み得る。あるバリエーションにおいて、上記製剤は、水で希釈され得る。
【0098】
ある実施形態において、本発明は、N−(n−ブチル)チオリン酸トリアミドならびにC1−6アルキレンカーボネートおよびRS(O)xRのうちの1つ以上を含む肥料添加物に関し、RおよびRは、各々独立して、C1−6アルキレン基、アリール基もしくはC1−3アルキレンアリール基であるか、またはRおよびRは、それらが結合している硫黄とともに4〜8員環を形成し、RおよびRは、一体となって、その環内にO、S、Se、Te、NおよびPからなる群より選択される1つ以上の原子を必要に応じて含むC1−6アルキレン基であり、xは、1または2である。
【0099】
ある実施形態において、上記肥料添加物は、N−(n−ブチル)−チオリン酸トリアミドおよびジメチルスルホキシドを含み得る。あるバリエーションにおいて、上記肥料は、ポリアルキレングリコールをさらに含み得る。あるバリエーションにおいて、そのポリアルキレングリコールは、ポリメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールおよびそれらの混合物からなる群より選択される。
【0100】
ある実施形態において、肥料添加物は、それが上記製剤に関するとき、上で論じられた実施形態のいずれかであり得る。
【0101】
ある実施形態において、本発明は、尿素肥料の揮発性を低下させる方法に関し、その方法は、N−(n−ブチル)−チオリン酸トリアミドならびにC1−6アルキレンカーボネートおよびRS(O)xRのうちの1つ以上を含む組成物を加える工程を含み、RおよびRは、各々独立して、C1−6アルキレン基、アリール基もしくはC1−3アルキレンアリール基であるか、またはRおよびRは、それらが結合している硫黄とともに4〜8員環を形成し、RおよびRは、一体となって、その環内にO、S、Se、Te、NおよびPからなる群より選択される1つ以上の原子を必要に応じて含むC1−6アルキレン基であり、xは、1または2である。
【0102】
ある実施形態において、本発明は、製剤および/または肥料添加物を作製する方法に関し、N−(n−ブチル)−チオリン酸トリアミドに、C1−6アルキレンカーボネートおよびRS(O)xRのうちの1つ以上が加えられ、RおよびRは、各々独立して、C1−6アルキレン基、アリール基もしくはC1−3アルキレンアリール基であるか、またはRおよびRは、それらが結合している硫黄とともに4〜8員環を形成し、RおよびRは、一体となって、その環内にO、S、Se、Te、NおよびPからなる群より選択される1つ以上の原子を必要に応じて含むC1−6アルキレン基であり、xは、1または2である。
【0103】
ある実施形態において、上記方法は、ジメチルスルホキシドであるRS(O)xRを含み得る。
【0104】
ある実施形態において、上記方法は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートまたはそれらの混合物であるC1−6アルキレンカーボネートを含み得る。
【0105】
ある実施形態において、上記方法は、上で論じられた製剤および/または肥料添加物のいずれかを含み得る。
【0106】
本明細書中で言及されたすべての特許は、その全体が参照により援用される。
【0107】
本発明は、上記の説明によって限定されないことが理解されるべきである。本発明の精神および範囲から逸脱することなく、上記に対して改変を行うことができる。上に記載された任意の特徴が、上に記載された他の任意の特徴と組み合わせることができることが企図され、ゆえに、それは、本発明の範囲内である。さらに、本発明は、本発明の製剤、組成物、肥料添加物および方法に対して行われ得る軽微な改変を企図することが理解されるべきである。範囲が論じられるとき、明示的に開示されていない可能性があるがその範囲内に当てはまる任意の数が、その範囲に対する終点として企図される。提供されるべき保護範囲は、以下の請求項および法律が認める解釈の幅によって決定されるべきである。
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