(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
外装体とその肌面側に配される吸収性本体とを備え、前記外装体が、着用者の腹側に配される腹側部、着用者の背側に配される背側部、及び該腹側部と背側部との間に位置する股下部を有する吸収性物品であって、
前記外装体は、前記腹側部及び前記背側部に、着用者の胴回り方向に伸縮可能な伸縮性を有し、
前記吸収性本体と前記腹側部及び背側部の外装体とが重なる部分で両者の非接合帯領域を有し、該非接合帯領域は、前記吸収性本体の幅方向全域に亘り、かつ、前記吸収性本体内部の吸収性コアの配置領域と少なくとも一部で重なっており、
前記吸収性本体の肌面側には、その長手方向の両端部を覆う一対の補助シートが配され、該補助シートは、前記吸収性本体の外方に延出した前記腹側部及び背側部の外装体と接合されており、
前記補助シートの配置領域は、前記非接合帯領域と重なっており、
前記外装体は、外側シートと内側シートとを積層してなり、
前記内側シートは、非伸縮性シートを前記腹側部から前記股下部を介し前記背側部に亘る全面に配してなり、
前記外側シートは、伸縮性シートを前記腹側部及び前記背側部のそれぞれに配し、伸長状態の前記一対の伸縮性シートと前記股下部を構成する非伸縮性の股下シートの上下端部とを一部重ね貼り合わせた貼り合わせ部を有する複合シートからなり、前記貼り合わせ部は股下部を構成し、該貼り合わせ部と前記内側シートとで厚みのある外装体積層部をなしており、
前記外側シートは、前記腹側部及び前記背側部において、伸長状態で前記内側シートに接合され、
前記股下部と前記吸収性本体との間には、前記外装体積層部を両端部とし長手方向に配設された接合部列が配されている吸収性物品。
外装体とその肌面側に配される吸収性本体とを備え、前記外装体が、着用者の腹側に配される腹側部、着用者の背側に配される背側部、及び該腹側部と背側部との間に位置する股下部を有する吸収性物品であって、
前記外装体は、前記腹側部及び前記背側部に、着用者の胴回り方向に伸縮可能な伸縮性を有し、
前記吸収性本体と前記腹側部及び背側部の外装体とが重なる部分で両者の非接合帯領域を有し、該非接合帯領域は、前記吸収性本体の幅方向全域に亘り、かつ、前記吸収性本体内部の吸収性コアの配置領域と少なくとも一部で重なっており、
前記吸収性本体の肌面側には、その長手方向の両端部を覆う一対の補助シートが配され、該補助シートは、前記吸収性本体の外方に延出した前記腹側部及び背側部の外装体と接合されており、
前記補助シートの配置領域は、前記非接合帯領域と重なっており、
前記吸収性本体と前記外装体の前記腹側部及び前記背側部とは、該吸収性本体の長手方向端縁の前記吸収性コアの配されない部分においてのみ接合されている吸収性物品。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の吸収性物品の好ましい実施形態としてのパンツ型使い捨ておむつについて、図面を参照しながら以下に説明する。
図1及び2に示すように、本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ10は、外装材2とその肌面に配される吸収性本体3とを備えている。外装体2は、おむつ10の外形をなし、着用者の腹側に配される腹側部F、着用者の背側に配される背側部R、及び腹側部Fと背側部Rとの間に位置する股下部Cを有する。腹側部Fと背側部Rとが股下部Cを折り返し軸として相対され、両側のサイドシール部11,11で接合されて環状の胴回り部Dをなす。これにより、おむつ10は、胴回り部Dの上端が開放されたウエスト開口部12と、胴回り部Dの下方の股下部Cの両側が開放された一対のレッグ開口部13,13とを有する。サイドシール部11は、ヒートシール、超音波シール等の任意の方法により形成される。
【0011】
本発明において、特に断らない限り、人体に接触する側を肌面側ないし肌当接面側あるいは表面側といい、これと反対側を非肌面側ないし非肌当接面側あるいは裏面側という。着用時に人体の前側に位置する方向を前方といいその端部を前端部とし、後側に位置する方向を後方といいその端部を後端部として説明する。吸収性物品の表面又は裏面の法線方向を厚み方向といいその量を厚みという。
【0012】
おむつ10をサイドシール部11,11で破断して展開した形状は、
図2に示すとおり、その長手方向(Y方向)に腹側部F、股下部C及び背側部Rに区分される。外装体2は、その長手方向の中央の両側縁が幅方向(X方向)内方に括れた略砂時計形状である。なお、展開した状態で示される幅方向(X方向)は、
図1のパンツ型使い捨ておむつ10に組み立てられた状態で、着用者の胴回り方向に一致する。また展開した状態で示される長手方向(Y方向)は、
図1のパンツ型使い捨ておむつ10に組み立てられた状態で、股下部F及び背側部Rでは着用者の身丈方向、つまりおむつ10の上下方向に一致し、股下部Cでは着用者の股下を介して腹側から背側へと繋がる前後方向に一致する。
【0013】
吸収性本体3は、外装体2の肌面側において、その長手方向をおむつの長手方向(Y方向)に向け、外装体3の股下部Cを中心に腹側部F及び背側部Rへ亘って配設され接合されている。吸収性本体3は、構成部材として、液透過性の表面シート31、撥水性の裏面シート32及び両シート間に介在配置される吸収性コア33を有する。さらに表面シート31の肌当接面側の両側部には、サイドシート34が吸収性本体3の長手方向に沿うように配されている。サイドシート34は表面シート31の幅方向外方に延出してその非肌当接面側に捲き下げられ、吸収性コア33と裏面シート32との間又は裏面シート32の非肌当接面側に接合固定されている。吸収性コア33は、平面視において股下部Cに位置する部分に括れ部を有し、かつ、背側部Rへ向かうにつれ複数に枝分かれした形状を有する。なお、本発明において、吸収性コア33の形状は本実施形態のものに限定されるものではなく、長方形や砂時計状、その他の形状など、使用目的等により任意に設定できる。
【0014】
外装体2は、部材の厚み方向に見て、外側シート21と内側シート25とを積層して形成されている。両シートは、ホットメルト接着剤などの任意の接着剤を用いて接合されている。また、両シート間には、股下部C両側部分でレッグギャザー形成用弾性部材27が伸長状態で接合されている。
内側シート25は、外装体2の肌当接面側に位置し、1枚の非伸縮性シート26を腹側部F、股下部C及び背側部Rに亘る全面に配してなるものである(
図3(B)参照)。
外側シート21は、外装体2の非肌当接面側に位置し、着用者の胴回り方向、すなわち外装体2の幅方向(X方向)に伸縮性を有する伸縮性シート22と非伸縮性の股下シート23とからなる(
図3(A)参照)。具体的には、外側シート21は、伸縮性シート22,22を伸長状態で腹側部F及び背側部Rにそれぞれ配し、伸縮性シート22,22と股下部Cを構成する股下シート23の端部とを一部重ね貼り合わせて形成されている。つまり、外側シート21は、長手方向(Y方向)に、伸縮性シート22、股下シート23及び伸縮性シート22の順に組み合わされた複合シートである。この伸縮性シート22と股下シート23の前後端とが重ねられ貼り合わされた部分を、貼り合わせ部24と称する。貼り合わせ部24は、前記の部材構成から非伸縮部とされており、股下部Cを構成する。そして、貼り合わせ部24と内層シート25とで外装体積層部28を形成し、これが非伸縮性の股下部Cにおける長手方向(Y方向)の両端部をなす。また、外側シート21は、腹側部F及び背側部Rにおいて、伸長状態で内層シート25に接合されている。
【0015】
また、外側シート21の腹側部F及び背側部Rをなす伸縮性シート22,22は、ウエスト開口部12の開口端縁12Aから肌当接面側へと折り返されて内側シート25と接合された折り返し部22E,22Eを有する。この部分は、非伸縮性の内層シート25を介して伸縮性の外層シート21が二重に積層され、この部分の伸縮性が他の部分よりも高くされている。これにより、開口端縁12Aが肌にフィットし易く肌との隙間を生じ難い。また、折り返し部22Eと外装シート21又は内層シート25との間には、伸縮性の補強として弾性部材を配してもよい。あるいは折り返し部がない態様であってもよい。
【0016】
前述の伸縮性シート22の「伸縮性」とは、少なくとも1方向の最大伸度が100%(元のシート長からその100%分伸長した状態=元のシート長の2倍)以上であり、その最大伸度が100%以上である方向に伸度100%迄伸長させた後、収縮させたときの伸長回復率(100%伸長時の伸長回復率)が、少なくとも70%以上であることを意味する。最大伸度が100%以上である方向を複数有する伸縮性シートの場合、そのうちの何れか方向において伸長回復率が70%以上であればよい。
伸縮性シート22は、幅方向(X方向)においては、大きく伸長し且つ伸長後に収縮する(最大伸度100%以上且つ伸長回復率70%以上)が、長手方向(Y方向)においては、わずかにしか伸長しない(例えば、最大伸度50%以下)。
【0017】
伸縮性シートの伸長回復率は、以下の測定方法により測定される。
(伸長回復率の測定方法)
長さ50mm、幅25mmの伸縮性シートのサンプル片を用意し、引っ張り試験機(株式会社オリエンテックの「テンシロン」RTC−1210A)を用いて、チャック間隔K0にサンプル片を固定し、300mm/minの速度で100%伸長時の長さK2(K2=K0×2)まで伸長させた後、引張速度と同様の速度で戻し始めて応力が0になった時におけるサンプル片の長さを伸長回復後の長さK1とする。次式から100%伸長時の伸長回復率を算出する。
100%伸長時の伸長回復率(%)=〔(K2−K1)/(K2−K0)〕×100
【0018】
非伸縮性シート26の「非伸縮性」とは、前記〔伸長回復率の測定方法〕により測定した伸長回復率(%)が20%以下のシート、もしくは100%伸長する前に破断するシートをいう。非伸縮性シート26は、伸長性を有しても有していなくてもよいが、最大伸度が90%以下であることが好ましい。
【0019】
おむつ10においては、後述の非接合帯領域4及び補助シート5を腹側部F及び背側部Rに配するとで、胴回り部Dの環状の伸縮性が向上し、吸収性本体3の配置位置が安定化する。また、後述の接合部列6を股下部Cに配することで、吸収性本体3が外装体にしっかりと接合固定される。とりわけ、接合部列6と外装体積層部28とで、胴回り部Dの伸縮力の股下部Cへの波及が遮断され、吸収性本体3の外装体に対する配置位置が安定化する。これらの点につき、以下に詳述する。
【0020】
まず、
図3及び4に示されるように、吸収性本体3と腹側部F及び背側部Rの外装体2が重なる部分で、両者を非接合とした非接合帯領域4を有する。この非接合帯領域4は、吸収性本体3の幅方向(X方向)全域に亘る。本実施形態において、非接合帯領域4は、外装体3の腹側部F及び背側部Rと重なる吸収性本体3の長手方向端部のうち、吸収性コア33の配置領域と少なくとも一部で重なっている。この領域は、
図4の2点鎖線で示される符号4の領域である。また、
図6に示される長手方向(Y方向)の長さ(H2)の範囲である。つまり非接合帯領域4は、吸収性本体3が外装体2の腹側部F及び背側部Rと重なる殆どの部分の範囲に亘る。なお、
図3においては、非接合帯領域4及び外装体積層部28を2点鎖線で区画される領域とし、各種の接合部とともに、便宜的に内層シート25の肌面側に示した。また
図4においては、非接合帯領域4、外装体積層部28、接合部列6の配置範囲の理解のため、外装体2の外形に投影させて示した。この図において、外装体2、吸収性本体3及び補助シート5を1点鎖線で示し、非接合帯領域4及び外装体積層部28を2点鎖線で示した。
【0021】
この非接合帯領域4においては、
図5及び6の断面図に示されるように、厚みのある吸収性本体3が外装体2と分離した状態である。これにより、吸収性本体3の硬さで、外装体2の幅方向(X方向)の伸縮性が阻害されない。つまり、腹側部F及び背側部Rを併せた胴回り部Dにおいて、環状の伸縮性が十分に発揮される。
【0022】
この吸収性本体2肌面側には、その長手方向(Y方向)の両端部を覆う一対の補助シート5,5が配設されている。この補助シート5は、吸収性本体3の外方で外装体2の腹側部F及び背側部Rと接合されている。より具体的には、補助シート5は、吸収性本体3の外方の外装体2と接合部51A,51B,51Cで接合されている(
図3(B)参照)。補助シート5の幅方向端部は、サイドシール部11で接合固定されている。
【0023】
この補助シート5,5は非接合帯領域4と重なる配置である。この構成により以下のような作用をする。本実施形態においては、
図4に示されるように、非接合帯領域4が補助シート5の被覆範囲からさらに股下部C側に及ぶ広い範囲にある。これに対し、外装体2に接合された補助シート5は、非接合帯領域4での吸収性本体3の浮きにより生じかねない位置のずれや捲れ、縒れを抑える。これにより非接合帯領域4の存在にも拘らず、吸収性本体3が肌にしっかりと当接する。加えて、補助シート5は、通気性を有する不織布等の薄いシートからなり、厚みのある吸収性本体3に比べて、外装体2の伸縮性を阻害しない。このようにして非接合帯領域4と補助シート5とが、胴回り部Dにおいて、外装体2の伸縮性を高めつつ、吸収性本体3の配置安定性を確保する。さらに、補助シート5は、吸収性本体3の浮きによる胴回り部Dの嵩高さや着用時のごわつき感を抑える。
【0024】
このような補助シート5としては、外装体2とは独立した部材であってもよく、前述の折り返し部22Eが吸収性コア3にまで及ぶようにしたものであってもよい。また、補助シート5と吸収性本体3とは、接合されていてもよく、接合されていなくてもよい。吸収性本体3の配置安定性の観点から、接合されていることが好ましい。さらに、吸収性本体3は、
図6に示されるように、吸収性コア33が配されていない吸収性本体3の端縁39,39が、接合部7Aで外装体2の腹側部F及び背側部Rと接合されていてもよい。端縁39は、吸収性コア33が無い分厚みが薄く、シートの柔軟性を有するので、装体2の伸縮性を阻害せずに、吸収性本体の配置安定性をより確かなものとする。
【0025】
非接合帯領域4の長手方向(Y方向)の長さは、補助シート5と重なる配置である限り、
図6に示す本実施形態のものに限定されず任意に設定できる。また、非接合帯領域5は、1つの領域とする場合に限らず、長手方向に複数分割された領域であってもよい。例えば、
図7(A)に示されるように、外装体2の腹側部F及び背側部Rに対し、吸収性本体3が全面で非接合とされるものでもよい。これにより、腹側部F及び背側部Rからなる胴回り部D全体の伸縮性が阻害されず好ましい。また、
図7(B)に示されるように、3つの非接合帯領域4A,4B及び4Cに分割されたものでもよい。非接合帯領域4Aは補助シート5と重なる配置とされ、非接合帯領域4B及び4Cは補助シート4の下端よりも股下部C寄りに間隔を置いて配置されている。各非接合帯領域の間は接合部7B及び7Cが配設され、吸収性コア33を含む吸収性本体3と外装体2とが部分的に接合されている。これにより、吸収性本体3の接合の安定性が確保されつつ、腹側部F及び背側部R全体での伸縮性が確保される。これと同様の観点から、
図7(C)に示されるように、非接合帯領域4が複数に分割され、吸収性本体3の端縁39,39が接合部7Aで外装体2に接合されたものでもよい。
【0026】
この非接合帯領域4の長手方向(Y方向)長さ(H2)(
図6参照)は、伸縮性を保持する観点から、腹側部F及び背側部Rそれぞれの長さ(H1)に対して、10%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましい。その上限は、おむつの形状保持の観点から、95%以下であることが好ましく、80%以下であることがより好ましい。なお、非接合帯領域4の長手方向(Y方向)長さは、非接合帯領域4が複数に分割されているときは、これらの長さを合計したもので示される。
また、補助シート5が吸収性本体3を被覆する長手方向(Y方向)の長さ(H4)は、吸収性本体3をしっかりと固定するもしくはおむつ着用の際の吸収体剥れを防止する観点から、腹側部F及び背側部Rそれぞれの長さ(H1)に対して、5%以上であることが好ましく、10%以上であることがより好ましい。その上限は、伸縮性維持の観点から、50%以下であることが好ましく、40%以下であることがより好ましい。
さらに、補助シート5が吸収性本体3の外方で外装体2と接合される長手方向(Y方向)の長さ(H6)は、吸収性本体3をしっかりと固定する観点から、腹側部F及び背側部Rそれぞれの長さ(H1)に対して、5%以上であることが好ましく、10%以上であることがより好ましい。その上限は、伸縮性維持の観点から、50%以下であることが好ましく、40%以下であることがより好ましい。
【0027】
加えて、腹側部F及び背側部Rにおいては、これらと厚み方向で重なる吸収性本体3内部に吸収性コア33を有する。吸収性コア3は、液保持性の部材からなり比較的剛性の高い部材である。そのため、この重なり部分で、吸収性コア33は、伸縮性シート22の伸縮性を阻害せず伸縮性を高めるよう、坪量が低い部分、凹部及び部材を欠く空隙部の何れか1つ以上を有する。これにより、例えば、補助シート5を介して外装体2の伸縮力が吸収性本体2に伝わったり、また吸収性本体3が外装体2に触れて伸縮力が伝わったりしても、坪量が低い部分、凹部又は空隙部が吸収性コア33の基点となって好適に追従する。その結果、吸収性本体3が外装体2の伸縮性を阻害しないばかりでなく、吸収性本体3自身の縒れが防止される。なお、坪量が低い部分とはその周辺部と比較して坪量が低い部分である。凹部とは、吸収性コア33を構成する液保持性の部材が存在しているが、該部分の周辺部と比較して厚みが薄い部分である。空隙部とは、吸収性コア33を構成する液保持性の部材が存在していないが、該部分の周辺部には液保持性の部材が存在している部分のことである。また凹部は、その周辺部と比較し坪量が低い場合や、坪量は同じまたは高いが厚みが薄い場合もあり得る。
【0028】
このような坪量が低い部分、凹部又は空隙部として、例えば、
図2に示すように、背側部Rの端部にある符号33Aで示される部分や、股下部Cから腹側部Fにかけて配された符号33Bで示される部分である。これらは、長手方向(Y方向)に長く、幅方向(X方向)に所定幅で形成されている。この所定幅とは、好ましくは2mm以上であり、より好ましくは3mm以上である。これにより幅方向への変形が容易となる。またその上限は、好ましくは30mm以下であり、より好ましくは20mm以下である。これにより、吸収性能の維持が可能となる。その結果、吸収性コア33を含む吸収性本体3は、坪量が低い部分、凹部又は空隙部を配した縦長の部分で、外装体2の胴回り方向の伸縮に追従して変形できる。また、より伸縮に追従させるために、坪量が低い部分や凹部や空隙部を複数個配置できる。
【0029】
一方、吸収性本体3は、
図6に示されるように、外装体2の股下部Cと、接合部列6で接合固定されている。股下部Cは、前述のとおり、全体として非伸縮性である。非伸縮性の股下部Cに対して接合部列6は、外装体積層部28を両端部とし長手方向(Y方向)に配設されている。本実施形態においては、股下部Cの幅方向両側に2条配されている。つまり、2条の接合部列6,6と外装体積層部28,28とで囲まれる非伸縮性の領域で吸収性本体3が接合され安定配置されている。
【0030】
この接合部列6,6と外装体積層部28のとの組み合わせが、股下部Cの形状を安定化させ、吸収性本体3の接合安定性を高めている。
まず、外装体積層部28は、
図8に示されるように、貼り合わせ部24の外層シート21をなす伸縮性シート22及び股下シート23と、内層シート25を併せた3層構造の厚みのある非伸縮部である。この非伸縮性の外装体積層部28が幅方向(X方向)に配設され、伸縮性の腹側部F及び背側部Rに隣接配置されている。この外装体積層部28の厚みと非伸縮性とで、腹側部F及び背側部Rの幅方向の伸縮力の股下部Cへの波及が遮断される。これにより、上記の幅方向の伸縮力に影響されることなく、股下部Cの形状が保持される。そして、外層体積層部28,28を接合部列6が橋渡しすることで、股下部Cの形状が長手方向(Y方向)で補強される。
【0031】
このような領域に吸収性本体3が接合されることで、吸収性本体3は、外装体2にしっかりと固定され配置位置が安定化する。これにより、前述の非接合帯領域4で伸縮性が高められているにも関わらず、吸収性本体3は全体として縒れず、排泄液をしっかりと受け止めるよう着用者の肌に当接する。また、股下部Cと吸収性本体3とを全面でなく部分接合とすることを可能にする。
【0032】
加えて、接合部列6が、外装体積層部28を越えず、非伸縮性の股下部Cに止まることで(
図4及び6参照)、接合部列6を介して胴回り部Dの伸縮力が吸収性本体3に波及しない。また補助シート5を介するなどして腹側部F及び背側部Rの伸縮力が吸収性本体3に伝わったとしても、接合部列6と外装体積部28との組み合わせでその力を遮断する。このことからも、吸収性本体3は外装体に安定的に接合固定される。
【0033】
さらに、吸収性本体3が排泄液を吸収保持して重量が増した状態において、吸収性本体3の下向きの力に対し、外装体積層部28と接合部列6とが吸収性本体3を支える。これにより、股下部Cを着用者の肌に近づけて股下からの液漏れを抑制する。
【0034】
接合部列6は、ホットメルト接着剤等の種々の接着剤を用いて形成されている。接着剤は、均一な塗布量で塗布領域全体に塗布されもよく、また、スパイラルパターン等の間欠パターンで塗布領域全体に連続的に塗布されてもよい。さらに、長手方向(Y方向)の接合強度が得られる限り、複数の小接合部要素の集合体で接合部列6を形成するようにしてもよい(図示せず)。この接着剤の塗布量は、接合強度を高くして着用中に剥がれたり破れたりしないという観点から、0.3g/m
2以上が好ましく、0.5g/m
2以上がより好ましい。またその上限は、股下部Cにおける剛性の高まりを抑え着用者の肌を傷めず、通気性を確保する観点から、8g/m
2以下が好ましく、6g/m
2以下がより好ましい。
【0035】
この股下部Cにおいては、接合部列6が配される領域と配されない領域とが幅方向(X方向)に並列されている。本実施形態においては、
図4に示されるように、2条の接合部列6,6の両側に、3つの非接合領域8が配されている。これにより、しっかりと吸収性本体を接合しながら、股下部Cで足回りからの圧力等に対し外装体2が柔軟に変形する。つまり、外装体2が足回りからの圧力等を吸収して、吸収性本体2へ波及しないようにしている。これは、外装体積層部28と接合部列6との組み合わせで、股下部Cと吸収性本体3とを部分接合とすることを可能にしたことによる。この観点から、接合部列6の配置数は、本実施形態のものに限定されず、おむつの大きさや使用目的等により適宜設定できる。たとえば、幅方向中央に1条の接合部列6を設けるものであってもよく、2条以上を間欠的に設けてもよい。
【0036】
このような構造のおむつ10は、非接合帯領域4、補助シート5及び接合部列6の相互作用で、胴回り部Dに優れた伸縮性が付与され、吸収性本体3が股下部Cに安定的に接合される。これにより、おむつ10は、胴回り部Dで縒れずに着用者の身体にフィットし、ズレが防止される。また、外装体積層部28と接合部列6とで、吸収性本体3が股下部Cで縒れず肌から離れにくい。その結果、排泄液を最も多く受ける股下部Cで、吸収性本体が肌に面して液をしっかりと吸収保持し、液漏れを抑制する。
またおむつ10は、股下部Cにおいて、接合部列6を全面でなく幅方向に部分的に配したことで、股下部Cに柔軟性が生まれる。このことで吸収性本体がさらに縒れ難くなる。さらにこの柔軟性と股下部Cの非伸縮とで、着用者の股下付近など柔らかな部分の締め付けを回避し良好な着用感が得られる。
【0037】
本発明の別の好ましい実施形態(第2実施形態)としてのパンツ型使い捨ておむつ20について以下に説明する。
第2実施形態のパンツ型使い捨ておむつ20は、第1実施形態のおむつ10と外装体が異なり、同じ吸収性本体3と組み合わされている。なお、
図9及び10において、第1実施形態のおむつ10と同等の部材等は同じ符号を付した。おむつ20の外装体9は、
図9に示されるように、I字形の外側シート91と腹側部F及び背側部Rに分離した非伸縮性の内層シート95,95からなる。外層シート91は、腹側部F及び背側部Rをなす胴回り方向に伸縮可能な伸縮性シート92、92と股下部Cをなす非伸縮性の股下シート93とからなる。伸縮性シート92は幅方向(X方向)に長い矩形であり、股下シート93は長手方向(Y方向)に長い矩形である。伸縮性シート92,92と股下シート93の端部とを一部重ね貼り合わせてI字形の外層シート91をなす。前記の重ね貼り合わされた部分は非伸縮部とさている。この部分を貼り合わせ部94という。貼り合わせ部94と内層シート95とで厚みのある外装体積層部98をなしている。
また、
図10に示すように、外装体9と吸収性本体3との間には、外装体積層部98,98を両端部とし股下部で長手方向に配設された接合部列96,96が配されている。
【0038】
おむつ20においても、第1実施形態のおむつ10と同様に、腹側部F及び背側部Rの非接合帯領域4と補助シート5を備え、股下部Cで外装体積層部98と接合列6との組み合わせで吸収性本体3を外装体2に接合固定させている(
図10参照)。また図示しないが、おむつ10に関する
図2に示されるように、吸収性コア33には、坪量が低い部分、凹部または空隙部を備え、伸縮性に追従するようにされている。
これにより、おむつ20は、第1実施形態のおむつ10と同様に、外装体の優れた伸縮性を保持しつつ、吸収性本体を外装体に安定的に接合し、かつ、外装体の伸縮によって吸収性本体がよれずに肌に当接し液漏れを防ぐことができる。
【0039】
おむつ10及び20を構成する部材としては、この種の物品に用いられるものを特に制限なく用いることができる。
例えば、外装体をなす外側シートの伸縮性シートとしては、伸縮性を有する各種のシートを採用でき、通気性を良好にする観点から、熱可塑性繊維からなる不織布から形成されているものが好ましい。また、風合いを良好にする観点から、積層シートからなり、少なくともその非肌当接面側の層がエアースルー不織布から形成されているものも好ましい。
【0040】
上記伸縮性を有する伸縮性シートとしては、例えば(1)弾性繊維層の両面または片面に、伸長可能な繊維層が一体化されているシート、(2)ネット状の弾性シートの両面または片面に、伸長可能な繊維層が一体化されているシート、(3)弾性フィルムからなる弾性シートの両面または片面に、伸張可能な繊維層が一体化されているシート、(4)互いに交差せずに一方向に延びるように配列した多数の弾性フィラメントが、非伸長状態で、それらの全長にわたり、伸長可能な不織布に接合されてなる伸縮シート等を好ましく用いることができる。
【0041】
前記(1)のシートとしては、例えば(a)弾性繊維層の少なくとも一面に、非弾性の非弾性繊維層が配され、両繊維層は、弾性繊維層の構成繊維が繊維形態を保った状態で、繊維交点の熱融着によって全面接合されており、非弾性繊維層の構成繊維の一部が弾性繊維層に入り込んだ状態、および弾性繊維層の構成繊維の一部が非弾性繊維層に入り込んだ状態のいずれかの状態または両方の状態になっている伸縮性不織布が挙げられる。また、前記(1)〜(3)のシートとしては、(b)弾性伸縮性を有する弾性層と非弾性の非弾性繊維層とを有し、前記両層が厚み方向に積層されて部分的に接合されている積層シートを、延伸させてなる伸縮性シート等を好ましく用いることができる。これらの延伸や前記(1)〜(3)の伸長可能な繊維層や不織布を得るための一手段として、前述の歯溝加工を施すことが好ましい。
【0042】
前記(a)の伸縮性不織布は、弾性繊維層と、非弾性繊維層との界面およびその近傍においては、弾性繊維層の構成繊維と、非弾性繊維層の構成繊維との交点が熱融着しており、全面で均一に接合されている。全面で接合されていることによって、両層が離間して空間が形成されることが防止され、あたかも一層の不織布のような一体感のある多層構造の伸縮性不織布となる。上記の弾性繊維層の構成繊維が繊維形態を保った状態とは、弾性繊維層の構成繊維のほとんどが、熱や圧力等を付与された場合であっても、フィルム状、または繊維を含むフィルム構造に変形していない状態をいう。また、弾性繊維層は、その層内において、構成繊維の交点が熱融着している。同様に、非弾性繊維層も、その層内において、構成繊維の交点が熱融着している。
【0043】
弾性繊維層の両面に非弾性繊維層が配されている場合、少なくとも何れか一方の面においては、その構成繊維の一部が弾性繊維層に入り込んだ状態、および弾性繊維層の構成繊維の一部が少なくとも一方の非弾性繊維層に入り込んだ状態のいずれかの状態または両方の状態になっている。
弾性繊維層は、伸ばすことができ且つ伸ばした力から解放したときに収縮する性質を有するものである。また、弾性を有する繊維の集合体である。また、弾性繊維層は、弾性を有する繊維からなるウエブや不織布の形態であり得る。例えば、スピニングブローン法、スパンボンド法、メルトブローン法等によって形成された不織布であり得る。特に好ましくは、スピニングブローン法で得られたウエブである。弾性繊維層の構成繊維としては、例えば熱可塑性エラストマー、ゴムなどを原料とする繊維を用いることができる。特に熱可塑性エラストマーを原料とする繊維は、通常の熱可塑性樹脂と同様に押出機を用いた溶融紡糸が可能であり、またそのようにして得られた繊維は熱融着させやすいので、エアースルー不織布を基本構成とする本実施形態の伸縮性不織布に好適である。熱可塑性エラストマーとしては、SBS、SIS、SEBS、SEPS等のスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマーを挙げることができる。これらは一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0044】
非弾性繊維層は、伸長性を有するが、実質的に非弾性のものである。ここでいう、伸長性は、構成繊維自体が伸長する場合と、構成繊維自体は伸長しなくても、繊維同士の交点において熱融着していた両繊維が離れたり、繊維同士の熱融着等により複数本の繊維で形成された立体構造が構造的に変化したり、構成繊維がちぎれたりして、繊維層全体として伸長する場合の何れであっても良い。非弾性繊維層を構成する繊維としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル(PETやPBT)、ポリアミド等からなる繊維等が挙げられる。非弾性繊維層を構成する繊維は、短繊維でも長繊維でも良く、親水性でも撥水性でも良い。また、芯鞘型またはサイド・バイ・サイドの複合繊維、分割繊維、異形断面繊維、捲縮繊維、熱収縮繊維等を用いることもできる。これらの繊維は一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて用いることができる。非弾性繊維層は、連続フィラメントまたは短繊維のウエブまたは不織布であり得る。
【0045】
前記(b)の伸縮性シートは、弾性伸縮性を有する弾性層の両面または片面に非弾性の非弾性繊維層が積層され、これらが規則的なパターンで、部分的に接合されている積層シートに対して延伸加工を施すことにより得られる。
【0046】
外装体をなす内側シートの非伸縮性シート及び外側シートの股下シートとしては、不織布、不織布と樹脂フィルムとの積層材、多孔性フィルム等が好ましい。非伸縮性シートは、通気性、風合いを良好にする観点から、熱可塑性繊維からなる不織布から形成されているものが好ましく、また、排泄物の漏れ防止の観点から、撥水性の不織布から形成されているものが好ましい。
また、外層シート、内層シートからなる外装体は液不透過性を有していた方が防漏性の観点から好ましく、通気性及び水蒸気の透過性を有していた方が、おむつ内の過度の湿度の上昇を防ぐために好ましい。
【0047】
補助シート5としては、通気性を有する非伸縮性のシートが好ましく用いられ、撥水性を有していてもよい。この補助シート5としては、例えば、熱可塑性繊維からなるスパンボンド不織布、エアースルー不織布、ヒートロール不織布、スパンレース不織布等を用いることができる。
【0048】
吸収性本体3をなす表面シート32は、排泄された体液を速やかに吸収し、吸収体に伝達する観点と肌触りのよさの観点とから親水性のサーマルボンド不織布が好ましく、特にエアースルー不織布が好ましい。表面シート31は親水化処理された熱可塑性樹脂繊維であり、かつ、該繊維が2次クリンプ又は3次クリンプのような立体捲縮がなされた繊維であることが好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、及びこれらの複合繊維を作成し、所定の長さにカットしてステープルを形成する前の段階で、各種親水化剤を塗工する。親水化剤としては、αオレフィンスルホン酸塩に代表される各種アルキルスルホン酸塩、アクリル酸塩、アクリル酸塩/アクリルアミド共重合体、エステルアミド、エステルアミドの塩、ポリエチレングリコール及びその誘導物、水溶性ポリエステル樹脂、各種シリコーン誘導物、各種糖類誘導物、及びこれらの混合物など、当業者公知の親水化剤による親水化処理を用いることができる。
【0049】
裏面シート32としては、液の透過を防ぎ透湿性を有していれば特に限定されないが、例えば疎水性の熱可塑性樹脂と、炭酸カルシウム等からなる微小な無機フィラー又は相溶性のない有機高分子等とを溶融混練してフィルムを形成し、該フィルムを一軸又は二軸延伸して得られる多孔性フィルムが挙げられる。前記熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィンが挙げられる。該ポリオレフィンとしては、高〜低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等が挙げられ、これらを単独で又は混合して用いることができる。
【0050】
吸収性コア33としては、親水性繊維と高吸水性ポリマー粒子との混合物、または、親水性繊維と高吸水性ポリマー粒子と熱可塑性合成樹脂繊維との混合物、または、複数の繊維シートの間に高吸水性ポリマー粒子が挟まれた吸水性シートであり、所要の厚みに圧縮されている。親水性繊維としては、親水性表面を有する繊維を用いることができ、例えばセルロース繊維や、合成繊維を必要に応じ界面活性剤等により親水化処理したものが挙げられる。吸収性コア33は、その型崩れやポリマー粒子の脱落を防ぐため、その全体がティッシュペーパーや親水性繊維不織布等の透液性シートに被覆されていてもよい。ポリマー粒子としては、デンプン系、セルロース系、合成ポリマー系のものを使用することができる。
【0051】
本発明の吸収性物品は、上記の実施形態のパンツ型使い捨ておむつのほか、展開型使い捨ておむつであってもよく、生理用ショーツ、ショーツ型ナプキン、失禁パンツなどの着用者の腹側に配される腹側部、着用者の背側に配される背側部を有する吸収性物品を含む概念である。また、上記の構成に用途や機能に合わせ他の部材を適宜組み込んでもよい。
【0052】
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の吸収性物品及びその製造方法を開示する。
【0053】
<1>外装体とその肌面側に配される吸収性本体とを備え、前記外装体が、着用者の腹側に配される腹側部、着用者の背側に配される背側部、及び該腹側部と背側部との間に位置する股下部を有する吸収性物品であって、
前記外装体は、前記腹側部及び前記背側部に、着用者の胴回り方向に伸縮可能な伸縮性を有し、
前記吸収性本体と前記腹側部及び背側部の外装体とが重なる部分で両者の非接合帯領域を有し、該非接合帯領域は、前記吸収性本体の幅方向全域に亘っており、
前記吸収性本体の肌面側には、その長手方向の両端部を覆う一対の補助シートが配され、該補助シートは、前記吸収性本体の外方に延出した前記腹側部及び背側部の外装体と接合されており、
前記補助シートの配置領域は、前記非接合帯領域と重なっている吸収性物品。
【0054】
<2>前記非接合帯領域は、前記吸収性コアの配置領域と少なくとも一部で重なっている前記<1>に記載の吸収性物品。
<3>前記外装体は、外側シートと内側シートとを積層してなり、
前記内側シートは、非伸縮性シートを前記腹側部から前記股下部を介し前記背側部に亘る全面に配してなり、
前記外側シートは、伸縮性シートを前記腹側部及び前記背側部のそれぞれに配し、伸長状態の前記一対の伸縮性シートと前記股下部を構成する非伸縮性の股下シートの上下端部とを一部重ね貼り合わせた複合シートからなり、前記貼り合わせ部分は非伸縮部とされて股下部を構成し、該貼り合わせ部と内層シートとで厚みのある外装体積層部をなしており、
前記外側シートは、前記腹側部及び前記背側部において、伸長状態で前記内層シートに接合され、
前記股下部と前記吸収性本体との間には、前記外装体積層部を両端部とし長手方向に配設された接合部列が配されている前記<1>又は<2>に記載の吸収性物品。
<4>前記外装体は、外側シートと内側シートとを積層してなり、
I字形の該外側シートと前記腹側部及び前記背側部に分離した該内層シートからなり、 前記外側シートは、前記腹側部及び前記背側部をなす胴回り方向に伸縮可能な伸縮性シートと前記股下部をなす非伸縮性の股下シートとからなり、
前記伸縮性シートは幅方向に長い矩形であり、前記股下シートは長手方向に長い矩形であり、
前記伸縮性シートと前記股下シートの端部とを一部重ね貼り合わせてI字形の前記外層シートをなし、前記貼り合わせ部分は非伸縮部とされており、前記貼り合わせ部と前記内層シートとで厚みのある外装体積層部をなしており、
前記外装体と前記吸収性本体との間には、前記外装体積層部を両端部とし股下部で長手方向に配設された接合部列が配されている前記<1>又は<2>に記載の吸収性物品。
<5>前記吸収性本体の前記補助シートで被覆されていない部分と前記腹側部及び前記背側部との間にも前記非接合帯領域がある前記<1>〜<4>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<6>前記吸収性本体と前記外装体の前記腹側部及び前記背側部とは、該吸収性本体の長手方向端縁の前記吸収性コアの配されない部分においてのみ接合されている前記<1>〜<5>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<7>前記外装体の股下部と前記吸収性本体との間には、前記接合部列が配される領域と配されない領域とが幅方向に並列されている前記<1>〜<6>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<8>前記吸収性本体は、液透過性の表面シート、撥水性の裏面シート及び両シート間に介在配置される吸収性コアを有し、
該表面シートの肌当接面側の両側部には、サイドシートが該吸収性本体の長手方向に沿うように配されている前記<1>〜<7>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<9>前記吸収性コアは、平面視において股下部に位置する部分に括れ部を有し、かつ、背側部へ向かうにつれ複数に枝分かれした形状を有する前記<8>に記載の吸収性物品。
<10>前記吸収性本体は、内部に液保持性の吸収性コアを備え、該吸収性コアは、前記吸収性本体が前記腹側部及び前記背側部と重なる部分で、坪量が低い部分、凹部及び部材を欠く空隙部の何れか1つ以上を有する<1>〜<9>のいずれか1項に記載の吸収性物品。
<11>前記坪量が低い部分、凹部又は前記空隙部が、前記伸縮性シートに重なる前記吸収性コアの端部に配されている前記<10>に記載の吸収性物品。
<12>前記坪量が低い部分、凹部又は前記空隙部の幅は、2mm以上、好ましくは3mm以上である前記<10>又は<11>に記載の吸収性物品。
<13>前記坪量が低い部分、凹部又は前記空隙部の幅は、30mm以下、好ましくは20mm以下である前記<10>〜<12>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<14>前記伸縮性シートは、ウエスト開口部の開口端縁から肌当接面側へと折り返されて前記内側シートと接合された折り返し部を有する前記<1>〜<13>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<15>前記補助シートは、前記吸収性コアにまで及ぶようにされた前記折り返し部である前記<14>に記載の吸収性物品。
<16>前記補助シートと前記吸収性本体とは、接合されていない前記<1>〜<15>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<17>前記補助シートと前記吸収性本体とは、接合されている前記<1>〜<15>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<18>前記伸縮性シートは、少なくとも1方向の最大伸度が100%以上である前記<1>〜<17>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<19>前記伸縮性シートは、100%伸長時の伸長回復率が、70%以上である前記<1>〜<18>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<20>前記伸縮性シートは、幅方向においては、最大伸度100%以上且つ伸長回復率70%以上である前記<1>〜<19>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<21>前記伸縮性シートは、長手方向においては、最大伸度50%以下である前記<1>〜<20>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<22>前記非伸縮性シートは、伸長回復率が20%以下、もしくは100%伸長する前に破断する前記<1>〜<21>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<23>前記非伸縮性シートは、最大伸度が90%以下である前記<1>〜<22>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<24>前記非接合帯領域は、前記外装体の前記腹側部及び前記背側部に対し、前記吸収性本体が全面で非接合とされる前記<1>〜<23>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<25>前記非接合帯領域は、長手方向に複数分割された領域である前記<1>〜<23>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<26>前記非接合帯領域の長手方向長さ(H2)は、前記腹側部及び前記背側部それぞれの長さ(H1)に対して、10%以上、好ましくは20%以上である前記<1>〜<25>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<27>前記非接合帯領域の長手方向長さ(H2)は、前記腹側部及び前記背側部それぞれの長さ(H1)に対して、95%以下、好ましくは80%以下である前記<1>〜<26>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<28>前記補助シートが前記吸収性本体を被覆する長手方向の長さ(H4)は、前記腹側部及び前記背側部それぞれの長さ(H1)に対して、5%以上、好ましくは10%以上である前記<1>〜<27>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<29>前記補助シートが前記吸収性本体を被覆する長手方向の長さ(H4)は、前記腹側部及び前記背側部それぞれの長さ(H1)に対して、50%以下、好ましくは40%以下である前記<1>〜<28>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<30>前記補助シートが前記吸収性本体の外方で前記外装体と接合される長手方向の長さ(H6)は、前記腹側部及び前記背側部それぞれの長さ(H1)に対して、5%以上、好ましくは10%以上である前記<1>〜<29>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<31>前記補助シートが前記吸収性本体の外方で前記外装体と接合される長手方向の長さ(H6)は、前記腹側部及び前記背側部それぞれの長さ(H1)に対して、50%以下、好ましくは40%以下である前記<1>〜<30>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<32>前記接合部列は、ホットメルト接着剤等の種々の接着剤を用いて形成されている前記<3>〜<31>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<33>前記接着剤の塗布量は、0.3g/m
2以上、好ましくは0.5g/m
2以上である前記<32>に記載の吸収性物品。
<34>前記接着剤の塗布量は、8g/m
2以下、好ましくは6g/m
2以下である前記<32>又は<33>に記載の吸収性物品。
<35>前記伸縮性シートは、積層シートからなり、少なくともその非肌当接面側の層がエアースルー不織布から形成されている前記<1>〜<34>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<36>前記伸縮性シートは、弾性繊維層の両面または片面に、伸長可能な繊維層が一体化されている前記<1>〜<35>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<37>前記伸縮性シートは、ネット状の弾性シートの両面または片面に、伸長可能な繊維層が一体化されている前記<1>〜<35>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<38>前記伸縮性シートは、弾性フィルムからなる弾性シートの両面または片面に、伸張可能な繊維層が一体化されている前記<1>〜<35>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<39>前記伸縮性シートは、互いに交差せずに一方向に延びるように配列した多数の弾性フィラメントが、非伸長状態で、それらの全長にわたり、伸長可能な不織布に接合されてなる前記<1>〜<35>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<40>前記<36>に記載の前記伸縮性シートは、弾性繊維層の少なくとも一面に、非弾性の非弾性繊維層が配され、両繊維層は、弾性繊維層の構成繊維が繊維形態を保った状態で、繊維交点の熱融着によって全面接合されており、非弾性繊維層の構成繊維の一部が弾性繊維層に入り込んだ状態、および弾性繊維層の構成繊維の一部が非弾性繊維層に入り込んだ状態のいずれかの状態または両方の状態になっている伸縮性不織布である前記<36>に記載の吸収性物品。
<41>前記<36>〜<38>に記載の前記伸縮性シートは、弾性伸縮性を有する弾性層と非弾性の非弾性繊維層とを有し、前記両層が厚み方向に積層されて部分的に接合されている積層シートを、延伸させてなる前記<36>〜<38>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<42>前記延伸は歯溝加工である前記<41>に記載の吸収性物品。
<43>前記<40>に記載の前記伸縮性不織布は、弾性繊維層と、非弾性繊維層との界面およびその近傍においては、弾性繊維層の構成繊維と、非弾性繊維層の構成繊維との交点が熱融着しており、全面で均一に接合されている前記<40>に記載の吸収性物品。