(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明に係る粒状原料供給装置の実施の形態を図面と共に説明する。
図1は本発明を実施した一列の粒状原料供給装置の正面図であり、
図2は本発明を実施した一列の粒状原料供給装置の左側面図であって、最初に、本発明を実施した一列の粒状原料供給装置の構成に関する説明を行う。即ち、
図1と
図2に示すように、一列の粒状原料供給装置1において、10は不均一な粒子状原料が貯留されているホッパー、11はホッパーの傾斜具合を調整可能にしつつ、保持している傾斜調整ベース、13(
図2参照)はホッパー10内の下方に傾斜した姿勢で挿通され、最初にホッパー10内の粒状原料を切り出す掻き出し金具(
図1では省略)、14は掻き出し金具13と共に動いてホッパー10内の粒状原料を切り出しつつ、搬送する掻き出し樋である。
【0016】
この掻き出し樋14は上面が開放された断面略U形状の傾斜樋構造を有しており、連結金具12で掻き出し金具13と接続されている。また、掻き出し樋14には樋側駆動伝達ギヤ15が嵌め込まれており、掻き出し樋14を一定角度だけ回動させる駆動用モータ17に取り付けられているモータ側駆動伝達ギヤ16とギヤ連結されている。
【0017】
前記掻き出し樋14の傾斜出口直下には、フィーダー18が配置されており、フィーダー18は掻き出し樋14より受け取った粒状原料を拡散させつつ、振動作用で
図2において右方向に搬送している。
【0018】
フィーダー18は、振動フィーダーにより構成されていて、
図18に示すように、該フィーダー18はバネ要素18Cにより支持され、水平或いは傾斜したトラフ18A(樋状の構造物)に対してバイブレーター18Bにより機械的に上下運動の加わった振動を与えることで、上流側の掻き出し樋14より受け取ったトラフ18A(樋状の構造物)内の粒状原料を、斜め下流側(搬送方向下流側)へ投げ出すような動作を繰り返すことにより、下流の供給シャッター19まで搬送(移動)することができるように構成されている。
【0019】
図2に示したように、上記フィーダー18のトラフ18Aの出口直下には、供給シャッター19が配置されており、この供給シャッター19は計量器20に接続されて、供給シャッター19内に落下した粒状原料の重量を計測できるようになっている。また、上記の各部材は、基台23の上に構築されており、この基台23の下には本発明に係る粒状原料供給装置の各種制御を行うコントローラー21と、コントローラー21の各種入出手段である操作パネル22が配備されている。
【0020】
次に、
図1と
図2に示す本発明を実施した一列の粒状原料供給装置1の動作について、以下に説明する。
(1)ホッパー10の内部には不均一な粒状原料(図示省略)が貯留されており、このホッパー10内部の粒伏原料は、重力を受けてホッパー10内の下方に圧縮されている。
【0021】
(2)ここで、掻き出し樋14の動きを説明する。掻き出し樋14の根端部側には前述した樋側駆動伝達ギヤ15が嵌め込まれており、この樋側駆動伝達ギヤ15にはモータ側駆動伝達ギヤ16がギヤ連結されて、駆動用モータ17の回動力が掻き出し樋14に伝わるようになっている。駆動用モータ17がモータ側駆動伝達ギヤ16を
図1において左方向(反時計回転方向)に回動すると、樋側駆動伝達ギヤ15が掻き出し樋14を右方向(時計回転方向)に回動(これを正回動とする)するが、右方向に回動すると掻き出し樋14は左方向に回動(これを逆回動とする)する。この駆動用モータ17は、コントローラー21の制御を受けて予め設定された角度分だけ左方向に回動し、その後直ちに回動方向を変えて予め設定された角度分だけ右方向に回動し、この切り返し回動動作は繰り返し行われる。そして、ギヤ連結された掻き出し樋14は、同じように予め設定された角度分だけ正方向に回動し、その後直ちに回動方向を変えて予め設定された角度分だけ逆方向に回動し、この切り返し回動動作は繰り返し行われて、揺動動作になる。この結果、この揺動動作は当該樋14自体が回動方向の切り返しを行う際に、搬送している原料に対して90度横方向の攪拌力が加わって、固まり易い性質若しくは絡まり易い性質を有する原料がバラバラに分離されることになり、原料に対して強力な解し作用が加えられたことになる。
【0022】
(3)なお、この掻き出し樋14の右方向の正回動と左方向の逆回動における回動量は、掻き出し樋14が上面開放された断面略U形状の樋構造を有しているため、この開放部分から粒状原料が外にこぼれ落ちない回動量を動作範囲としている。また、この掻き出し樋14の回勅量と共に、掻き出し樋14の正逆方向への回動速度と、傾斜調整ベース11による掻き出し樋14の傾斜角度も、揺動動作における解し作用量を決める値になる。即ち、掻き出し樋14の回動量が大きい程、また掻き出し樋14の回動速度が速い程、粒状原料に対する解し作用量が大きくなり、掻き出し樋14の傾斜角度が緩くなる程、粒状原料の搬送量は少なくなるものの、揺動回数が多くなるため、粒状原料に与える解し作用量は大きくなる。
【0023】
(4)この掻き出し樋14の動きに合わせて、連結金具12で連結された掻き出し金具13は、ホッパー10の内部で揺動動作(正逆回動動作)を繰り返すことになり、これにより、ホッパー10内部の粒状原料は掻き出し樋14の樋内部に切り出されることになる。掻き出し樋14の樋内部に切り出された粒状原料は、上記(2)と(3)に記載の掻き出し樋14の正逆揺動動作によって強力な解し作用が加えられ、バラバラに分離されてフィーダー18に送り込まれる。
【0024】
(5)次いで、上述したフィーダー18は、上述した掻き出し樋14より受け取った粒状原料を更に拡散させつつ、振動作用で当該粒状原料を供給シャッター19の内部に徐々に落下させることになる。
すなわち、フィーダー18は、振動フィーダーであり、トラフ18A(樋状の構造物)を振動させることで、上流側の掻き出し樋14より受け取った粒状原料を、斜め下流側(搬送方向下流側)へ投げ出すような動作を繰り返し、これにより、粒状原料を振動させながら供給シャッター19まで搬送(移動)するように構成されている。
【0025】
(6)供給シャッター19には計量器20が接続されており、予め設定された計量値になったら、供給シャッター19の落下口が開放(図示省略)され、次工程の機器に正しく計量された粒状原料が送り出される。
【0026】
(7)なお、この粒状原料供給装置1に配備されているコントローラー21は、掻き出し樋14の切り出し動作と、フィーダー18の搬送動作と計量器20の計測動作と、供給シャッター19の送り出し動作を含め、装置1の全体を制御しており、このコントローラー21に対する各種設定並びに各種指示と各種表示事項は、操作パネル22を経由して実施される仕組みに成っている。
【0027】
ここにおいて、本実施の形態では、ホッパー10内の底部に挿通されている掻き出し樋14の挿通部分(掻き出し金具13)と、ホッパー10内の底面10aと、の間に、隙間が生じないように、
図2、
図14、
図15に示すように、ガイド部材10Aが配設されている。
【0028】
すなわち、ホッパー10内の底部に臨んで配設されている掻き出し金具13の周囲には、粒状原料を掻き出し金具13へ導くために上方が開放されると共に、揺動動作される掻き出し金具13の下方外周を覆うように構成されたガイド部材10Aが備えられている。
【0029】
このガイド部材10Aは、ホッパー10内に収容されている粒状原料が、滞留することなく、掻き出し金具13に導かれるようにするためのもので、ホッパー10の底面10a(ホッパー10の内側面)、各側面10b、10c、10d、10e(ホッパー10の内側面)との間にも隙間が生じないように構成されている。
【0030】
すなわち、ガイド部材10Aは、ホッパー10内の底部に配置され、ガイド部材10Aのガイド面10Bの最下位値が、掻き出し金具13の外形の最下位値と同等かそれ以上の高さとなるように形成されていると共に、粒状原料が澱みなく掻き出し金具13の方向に移動できるように、該ガイド面10Bが、掻き出し樋14(掻き出し金具13)に向かって低くなるように傾斜されている。
【0031】
本実施の形態では、かかるガイド部材10Aを備えて構成したので、ホッパー10内での粒状原料の滞留を防止することができ、以ってホッパー10内に滞留してしまうことによる粒状原料への悪影響を回避することができる。
【0032】
このように、本実施の形態によれば、比較的簡単かつ低コストな構成でありながら、従来の粒状原料供給装置では切り出すことが困難であった固まり易い性質、若しくは、粒体同士が絡まり易い性質を有する原料を、良好に解しながら、予め指定した量だけ自動包装機に供給することを可能にすると共に、ホッパー内での粒状原料の滞留を防止することができる粒状原料供給装置を提供することができる。
【0033】
ところで、本実施の形態では、
図1、
図2等に示したように、ホッパー10から切り出した粒状原料を搬送する際に、まずは、粒状原料は、傾斜した掻き出し樋14による正逆揺動動作(粒状原料の搬送方向と交差する方向(搬送面の接線方向)への揺動動作)によって強力な解し作用を与えられながらバラバラに分離されてフィーダー18に搬送される。
【0034】
続いて、粒状原料は、フィーダー18において、トラフ18A(樋状の構造物)内で、斜め下流側(搬送方向下流側)へ投げ出すように加振されること(粒状原料の搬送方向と交差する方向(反重力方向)への振動動作)によって、強力な解し作用を与えられながらバラバラに分離されつつトラフ18A(樋状の構造物)内で搬送方向に整列されて供給シャッター19まで搬送(移動)される。
【0035】
すなわち、本実施の形態では、ホッパー10と、供給シャッター19延いては計量器20と、の間に、粒状原料を解す搬送手段を連続して2つ備えている。
最初(搬送方向上流側)の搬送手段(第1の搬送手段)である掻き出し樋14は、ホッパー10から粒状原料を切り出すと共に、揺動動作により、粒状原料を、搬送方向と交差する方向に関する解しを行いながら、下流側の搬送手段(第2の搬送手段)へ搬送する。
【0036】
第2の搬送手段であるフィーダー18(振動フィーダー)では、粒状原料を、斜め下流側(搬送方向下流側)へ投げ出すように加振すること(粒状原料の搬送方向と交差する方向(反重力方向)への振動動作)によって搬送方向
に沿った方向に関する解しを行いながら、下流側の供給シャッター19延いては計量器20へ搬送する。
【0037】
更に述べると、第1の搬送手段である掻き出し樋14による粒状原料の解し動作は、ホッパー10から切り出した直後の粒状原料を均す(山を崩す)効果を重視するため、搬送方向と交差する方向に関する解し(搬送方向と交差する方向における粒状原料の存在バラツキを均す)動作を行い、
第2の搬送手段であるフィーダー18(振動フィーダー)による粒状原料の解し動作は、粒状原料間の隙間を均す(埋める)効果を重視するため、搬送方向に沿った方向に関する解し(搬送方向に沿った方向における粒状原料の存在バラツキを均す)動作を行うように構成されている。
すなわち、第1の搬送手段と第2の搬送手段とは、異なる種類の解し動作((例えば、揺動筒或いは回転筒などによる揺動或いは回転、振動フィーダー等による微小振動、落下、解しの方向などが異なる解し動作)を行うように構成されることができる。
これにより、より一層解し効果を高めることができるため、下流側における計量を一層高精度なものとすることが可能となる。
【0038】
なお、第1の搬送手段である掻き出し樋14の出口部(搬出口)における搬送面(粒状原料が載置されて搬送されている面のうちの最下位)と、第2の搬送手段であるフィーダー18(振動フィーダー)のトラフ18Aの入口部(受け取り部)における搬送面(粒状原料が載置されて搬送されている面の最下位)と、の間に段差(粒状原料が落下する距離)を設け、第1の搬送手段である掻き出し樋14から第2の搬送手段であるフィーダー18への受け渡しの際に粒状原料が自然落下するように構成することができる。
これにより、例えば、比較的強固に絡み合った粒状原料に落下衝撃による解し効果を与えることができる。
【0039】
更に、第1の搬送手段である掻き出し樋14の搬送面に関して、
図20に示すように、上流側搬送面と下流側搬送面との間に段差を設けた構成とすることができる。これにより、第1の搬送手段である掻き出し樋14内においても、例えば、比較的強固に絡み合った粒状原料に落下衝撃による解し効果を与えることができる。
【0040】
また、第2の搬送手段であるフィーダー18(振動フィーダー)のトラフ18Aの搬送面にも、
図18、
図19に示すように、上流側搬送面と下流側搬送面との間に段差を設けた構成とすることができる。これにより、第2の搬送手段であるフィーダー18(振動フィーダー)のトラフ18A内においても、例えば、比較的強固に絡み合った粒状原料に落下衝撃による解し効果を与えることができる。
【0041】
なお、上記において、第1の搬送手段として、搬送方向に沿った中心軸廻りに揺動される掻き出し樋14を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、同一方向に回転される回転筒(特許文献1に記載されているような「回転手段により同一方向に回転される下方傾斜した切り出し筒」)などとすることも可能である。その際、断面形状は円形状に限らず、三角形状、多角形形状、楕円形状、台形状などとすることも可能である。
【0042】
図3は上述した本発明を実施した複数列の粒状原料供給装置3の正面図であり、
図4は本発明を実施した複数列の粒状原料供給装置3の左側面図である。
【0043】
最初に、本発明を実施した複数列の粒状原料供給装置3の構成に関する説明を行う。
図3と
図4に示すように、複数列の粒状原料供給装置3において、30は不均一な粒状原料が貯留されているホッパー、31はホッパー30の傾斜具合を調整可能にしつつ、保持している傾斜調整ベース、33はホッパー30内の下方に傾斜した姿勢で挿通され、最初にホッパー30内の粒状原料を切り出す複数の掻き出し金具、34…は複数の掻き出し金具33と共に動いてホッパー30内の粒状原料を切り出しつつ、搬送する複数の掻き出し樋である。
【0044】
この複数の掻き出し樋34…は、夫々上面が開放された断面略U形状の傾斜機構造を有しており、その各根端部には複数の連結金具32で複数の掻き出し金具33と接続されている。また、複数の掻き出し樋34…には複数の樋側駆動伝達ギヤ35が嵌め込まれており、複数の掻き出し樋34…を回動させる複数の駆動用モータ37…に取り付けられている複数のモータ側駆動伝達ギヤ36とギヤ連結されている。
【0045】
複数の掻き出し樋34…の傾斜出口直下には、複数のフィーダー38…が配置されており、複数のフィーダー38…は複数の掻き出し樋34…より受け取った粒状原料を拡散させつつ、振動作用で搬送している。
【0046】
フィーダー38のそれぞれは、振動フィーダーにより構成されていて、
図18に示すように、各フィーダー38はバネ要素38Cにより支持され、水平或いは傾斜したトラフ38A(樋状の構造物)に対してバイブレーター38Bにより機械的に上下運動の加わった振動を与えることで、上流側の掻き出し樋14より受け取ったトラフ38A(樋状の構造物)内の粒状原料を、斜め下流側(搬送方向下流側)へ投げ出すような動作を繰り返すことにより、下流の供給シャッター39まで搬送(移動)することができるように構成されている。
【0047】
また、
図4に示したように、上記複数のフィーダー38のトラフ38A…の出口直下には、複数の供給シャッター39…が配置されており、この複数の供給シャッター39…は複数の計量器40…に接続されて複数の供給シャッター39…内に落下した粒状原料の重量を計測できるようになっている。
【0048】
複数の供給シャッター39…の落下口の直下には、一つの集合シャッター44が配備されており、複数の供給シャッター39から送り出された粒状原料の合計を受け取って予め設定したタイミングで次工程の機器に集合送りを行なっている。
【0049】
上記の各部材は、基台43の上に構築されており、この基台43の下には粒状原料供給装置の各種制御を行うコントローラー41と、コントローラー41の各種入出手段である操作パネル42が配備されている。
【0050】
次に、
図3と
図4に示す本発明を実施した複数列の粒状原料供給装置の動作について、以下に説明する。
【0051】
(1)ホッパー30の内部には不均一な粒状原料が貯留されており、このホッパー30内部の粒状原料は、重力を受けてホッパー30の内下方に圧縮されている。
【0052】
(2)ここで、複数の掻き出し樋34の動きを説明する。複数の掻き出し樋34には複数の樋側駆動伝達ギヤ35…が嵌め込まれており、この複数の樋側駆動伝達ギヤ35…には複数のモータ側駆動伝達ギヤ36がギヤ連結されて、複数の駆動用モータ37…の回動力が複数の掻き出し樋34に伝わるようになっている。複数の駆動用モーク37…は、
図3において左方向に回動すると掻き出し樋34は右方向に回動(これを正回動とする)し、右方向に回動すると掻き出し樋34は左方向に回動(これを逆回動とする)する。
【0053】
この複数の駆動用モータ37…は、コントローラー41の制御を受けて予め設定された角度分だけ左方向に回動し、その後直ちに回動方向を変えて予め設定された角度分だけ右方向に回動し、この切り返し回動動作は繰り返し行われる。そして、ギヤ連結された複数の掻き出し樋34…は、同じように予め設定された角度分だけ正方向に回動し、その後直ちに回動方向を変えて予め設定された角度分だけ逆方向に回動し、この切り返し回動動作は繰り返し行われ、揺動動作になる。この結果、この揺動動作は、樋34…自体が回動方向の切り返しを行う際に、搬送している原料に対して90度横方向の攪拌力が加わって固まり易い性質、若しくは、絡まり易い性質を有する原料がバラバラに分離されることになり、原料に対して強力な解し作用が加えられたことになる。
【0054】
(3)なお、この複数の掻き出し樋34…の右方向の回動(これを正回動とする)と左方向の回動(これを逆回動とする)における回動量は、複数の掻き出し樋34が上面開放された断面略U形状の樋構造を有しているため、この開放部分から粒状原料が外にこぼれ落ちない回動量を動作範囲としている。また、この複数の掻き出し樋34…の回勅量と共に、複数の掻き出し樋34…の回動速度と、傾斜調整ベース31による複数の掻き出し樋34…の傾斜角度も揺動動作における解し作用量を決める値になる。即ち、掻き出し樋34の回動量が大きい程、また掻き出し樋34の回動速度が速い程、粒状原料に対する解し作用量が大きくなり、掻き出し樋34の傾斜角度が緩くなる程、粒状原料の搬送諭は少なくなるものの、揺動回数が多くなるため、粒状原料に対する解し作用量は大きくなる。
【0055】
(4)この複数の掻き出し樋34…の動きに合わせて、複数の連結金具32…で連結された複数の掻き出し金具33…は、ホッパー30の内部で揺動動作をすることになり、これによりホッパー30内部の粒状原料は複数の掻き出し樋34…の樋内部に切り出される。複数の掻き出し樋34…の樋内部に切り出された粒状原料は、上記(2)と(3)に記載の複数の掻き出し樋34…の揺動動作によって強力な解し作用が加えられ、バラバラに分離されて複数のフィーダー38…に送り込まれる。
【0056】
(5)複数のフィーダー38…は、複数の掻き出し樋34…より受け取った粒状原料を拡散させつつ、振動作用で複数の供給シャッター39…内部に粒状原料を徐々に落下させる。
すなわち、各フィーダー38は、振動フィーダーであり、トラフ38A(樋状の構造物)を振動させることで、上流側の掻き出し樋34より受け取った粒状原料を、斜め下流側(搬送方向下流側)へ投げ出すような動作を繰り返し、これにより、粒状原料を振動させながら供給シャッター39まで搬送(移動)するように構成されている。
【0057】
(6)複数の供給シャッター39…には複数の計量器40…が接続されており、複数の計量器40…は予め設定された…基準値になるまで計測動作を行い、各基準値になり、且つ各供給シャッター39に割り当てられた落下タイミングで、複数の供給シャッター39…の落下口が開放されて集合シャッター44内に計測された粒伏原料を落下させている。
【0058】
(7)集合シャッター44は、複数の供給シャッター39…から送り出された粒状原料の合計値が予め設定された包装袋内に送り出す量目値に達し、且つ、所定の送り出しタイミングに達したら、次工程の機器に正しく計量された粒状原料が集合送りされる。
【0059】
(8)なお、この粒状原料供給装置3に配備されているコントローラー41は、複数の掻き出し樋34…の切り出し動作と、複数のフィーダー38…の搬送動作と、複数の計量器40…の計測動作と、複数の供給シャッター39…の送り出し動作と、集合シャッター44の集合送り動作を含め、装置全体を制御しており、このコントローラー41に対する各種設定並びに各種指示と各種表示事項は、操作パネル42を経由して実施される。
【0060】
(9)また、
図3と
図4で示した複数列の粒状原料供給装置3では、次工程の機器に送り出される粒状原料は、複数列の粒状原料供給装置3から送り出される量の合計値になるため、次工程で必要になる所定の供給量に達するまでの時間が大幅に短縮される。
【0061】
即ち、次工程で必要になる所定の供給量を複数列の粒状原料供給装置3で行う場合は、前記一列の粒状原料供給装置1で行う場合の供給時間に比べて、複数分の一の時間で供給可能になり、動作速度が高速化している最新の自動包装機に接続することができる。
【0062】
ここで、掻き出し樋34による解し作用を詳細に説明する。
図5は本発明を実施した粒状原料供給装置1又は3の掻き出し樋14,34が原点状態(初期状態)にある時の概略断面目であり、
図6は本発明を実施した粒状原料供給装置1又は3の掻き出し樋14,34が右方向に回動(正回動)している時の概略断面図であり、
図7は本発明を実施した粒状原料供給装置1又は3の掻き出し樋14,34が左方向に回動(逆回動)している時の概略断面図である。
【0063】
図5に示すように、揺動動作を行う前の原点状態(初期状態)にある掻き出し樋14、34には、内部に粒状原料50が切り出されており、この状態は切り出された直後であるため、原料50は一部固まった状態若しくは絡み合った状態にある。
【0064】
次に、
図6に示すように、掻き出し樋14、34にギヤ連結された駆動用モータ17、37によって、掻き出し樋14、34は予め設定された角度分だけ右方向に回動(正回動)しており、内部の粒状原料50には、掻き出し樋14,34の搬送方向に対して90度横方向の攪拌力が加わることになる。
【0065】
次に、
図7に示すように、掻き出し樋14,34にギヤを連結された駆動用モータ17,37によって掻き出し樋14,34は、直ちに回動方向を変えて予め設定された角度分だけ左方向に回動(逆回動)しており、内部の粒状原料50には、掻き出し樋14、34の搬送方向に対して90度横方向の攪拌力が加わることになる。
【0066】
そして、この切り返し回動動作は繰り返し行われ、揺動動作になる。この結果、この揺動動作は、樋14,34自体が回動方向の切り返しを行う際に、搬送している粒状原料50に対して90度横方向の攪拌力が加わって固まり易い性質、若しくは、絡まり易い性質を有する原料がバラバラに分離されることになり、粒状原料50に対して強力な解し作用が加えられたことになる。
【0067】
この粒状原料50の一例としては、きざみのり、茶葉、インスタント食品のかやく(乾燥肉、乾燥野菜等)、ふりかけ、植物の種、粒状菓子、薬剤、ネジ等が考えられるが、これらの粒状原料50の性質に応じて、粒状原料供給装置1,3のコントローラー21、41は掻き出し樋14、34の回動量(回動角度)や回動速度を任意に、且つ自在に変化させながら揺動動作を制御している。
【0068】
この揺動動作の制御は、一定量の回動量(回動角度)と回動速度に設定する例以外にも、回動量(回動角度)と回動速度を揺動動作中に変動させる例も考えられが、この揺動動作中に回動量(回動角度)と回動速度を変動させた場合は、粒状原料に加わる攪拌力が加減速することになり、より複雑な解し作用の実現が可能になる。
【0069】
図8は本発明を実施した粒状原料供給装置1,3の掻き出し樋14,34が、原点状態(初期状態)にある時の、掻き出し金具13,33に各々攪拌棒60を付設した例を説明した概略正面図であり、
図9は本発明を実施した粒状原料供給装置1,3の掻き出し樋14,34が、右方向に回動(正回動)している時の掻き出し金具13,33に攪拌棒60を付設した例を説明した概略正面図である。
【0070】
図8、
図9に示すように、揺動動作(往復回動動作)を行う前の原点状態(初期状態)にある掻き出し樋14、34には、ホッパー10、30内下方に傾斜した姿勢で挿通された掻き出し金具13、33が取り付けられており、この掻き出し金具13、33はホッパー10、30内の粒状原料50を掻き出し樋14、34に切り出すために、ホッパー10、30の内部で揺動動作をしている。そして、
図8においてはこの揺動動作に連動してホッパー内攪拌動作を強化するために、掻き出し金具13、33に各々攪拌棒60が付設されている。
【0071】
そして、
図9に示すように、ホッパー10、30の内部に挿通された掻き出し金具13、33が揺動動作(往復回動動作)によって右回動(正回動)すると、付設された攪拌棒60も予め設定された角度分だけ右回動(正回動)する。この結果、ホッパー10、30の内部では攪拌棒60による強力な攪拌運動が発生し、より多くの粒状原料がホッパー10、30から掻き出し樋14、34に切り出されることになる。
【0072】
図10は本発明を実施した粒状原料供給装置1,3の掻き出し樋14,34の内部に、原料規制棒70を付設した例を説明した概略側面図である。
図10に示すように、掻き出し樋14、34の内部にはホッパー10,30より切り出された粒状原料50が図示左側より右側にかけて搬送されており、この粒状原料50の搬送動作は掻き出し樋14、34が図示のように傾斜している事、並びに掻き出し樋14、34の揺動動作によって進行している。
【0073】
そして、この粒状原料50がより強い固まり易い性質若しくは絡まり易い性質を有している場合は、掻き出し樋14、34の揺動動作だけでは、充分な解し作用が成されないケースが考えられる。このため、
図10に示すように、掻き出し樋14、34における傾斜本体上面の開放された部分より、粒状原料供給装置基台71に支持された原料規制棒70を挿入して、掻き出し樋14、34内にある粒状原料50の盛り上がり部分を取り除くと同時に、取り除かれた粒状原料50に対する攪拌作用を加えている。
【0074】
このような原料規制棒70による粒状原料平坦動作によって、掻き出し樋14、34内部を移動している粒状原料50に対して、上下方向の高さを一定に揃えた平坦な粒状原料51にすることが可能になり、この事は、より強い固まり易い性質、若しくは、絡まり易い性質を有している粒状原料50に対する解し作用の強化、並びに、粒状原料供給装置1,3の掻き出し樋14,34以降に送り出される粒状原料50の量的変動をより少なくすることになる。
【0075】
また、この原料規制棒70の取り付け部分には、付設する高さを調整できる原料規制棒上下調整金具71が備えられており、粒状原料50に対する原料規制棒70による解し作用量の調整、並びに、平坦になった粒状原料51の高さ調整ができるようになっている。
【0076】
ここにおいて、本実施の形態に係る複数列の粒状原料供給装置3においても、ホッパー30内の底部に挿通されている複数の掻き出し樋34の挿通部分(複数の掻き出し金具33)と、ホッパー30内の底面30aと、の間に、隙間が生じないように、
図4、
図16、
図17に示すように、ガイド部材30Aが配設されている。
【0077】
すなわち、ホッパー30内の底部に臨んで配設されている複数の掻き出し金具33の周囲のそれぞれには、粒状原料を各掻き出し金具33へ導くために上方が開放されると共に、揺動動作される各掻き出し金具33の下方外周を覆うように構成されたガイド部材30Aが備えられている。
【0078】
このガイド部材10Aは、ホッパー30内に収容されている粒状原料が、滞留することなく、各掻き出し金具33に導かれるようにするためのもので、ホッパー30の底面30a(ホッパー30の内側面)、各側面30b、30c、30d、30e(ホッパー30の内側面)との間にも隙間が生じないように構成されている。
【0079】
すなわち、ガイド部材30Aは、ホッパー30内の底部に配置され、ガイド部材30Aのガイド面30Bの最下位値が、各掻き出し金具33の外形の最下位値と同等かそれ以上の高さとなるように形成されていると共に、粒状原料が澱みなく各掻き出し金具33の方向に移動できるように、該ガイド面30Bが、対応する掻き出し樋34(掻き出し金具33)に向かって低くなるように傾斜されている。
【0080】
本実施の形態に係る複数列の粒状原料供給装置3は、かかるガイド部材30Aを備えて構成したので、ホッパー30内での粒状原料の滞留を防止することができ、以ってホッパー30内に滞留してしまうことによる粒状原料への悪影響を回避することができる。
【0081】
このように、本実施の形態によれば、比較的簡単かつ低コストな構成でありながら、従来の粒状原料供給装置では切り出すことが困難であった固まり易い性質、若しくは、粒体同士が絡まり易い性質を有する原料を、良好に解しながら、予め指定した量だけ自動包装機に供給することを可能にすると共に、ホッパー内での粒状原料の滞留を防止することができる粒状原料供給装置を提供することができる。
【0082】
ところで、本実施の形態では、
図3、
図4等に示したように、ホッパー30から切り出した粒状原料を搬送する際に、まずは、粒状原料は、傾斜した掻き出し樋34による正逆揺動動作(粒状原料の搬送方向と交差する方向(搬送面の接線方向)への揺動動作)によって強力な解し作用を与えられながらバラバラに分離されてフィーダー38に搬送される。
【0083】
続いて、粒状原料は、フィーダー38において、トラフ38A(樋状の構造物)内で、斜め下流側(搬送方向下流側)へ投げ出すように加振されること(粒状原料の搬送方向と交差する方向(反重力方向)への振動動作)によって、強力な解し作用を与えられながらバラバラに分離されつつトラフ38A(樋状の構造物)内で搬送方向に整列されて供給シャッター19まで搬送(移動)される。
【0084】
すなわち、本実施の形態では、ホッパー30と、供給シャッター39延いては計量器40と、の間に、粒状原料を解す搬送手段を連続して2つ備えている。
最初(搬送方向上流側)の搬送手段(第1の搬送手段)である掻き出し樋34は、ホッパー30から粒状原料を切り出すと共に、揺動動作により、粒状原料を、搬送方向と交差する方向に関する解しを行いながら、下流側の搬送手段(第2の搬送手段)へ搬送する。
【0085】
第2の搬送手段であるフィーダー38(振動フィーダー)では、粒状原料を、斜め下流側(搬送方向下流側)へ投げ出すように加振すること(粒状原料の搬送方向と交差する方向(反重力方向)への振動動作)によって搬送方向
に沿った方向に関する解しを行いながら、下流側の供給シャッター39延いては計量器40へ搬送する。
【0086】
更に述べると、第1の搬送手段である掻き出し樋34による粒状原料の解し動作は、ホッパー30から切り出した直後の粒状原料を均す(山を崩す)効果を重視するため、搬送方向と交差する方向に関する解し(搬送方向と交差する方向における粒状原料の存在バラツキを均す)動作を行い、
第2の搬送手段であるフィーダー38(振動フィーダー)による粒状原料の解し動作は、粒状原料間の隙間を均す(埋める)効果を重視するため、搬送方向に沿った方向に関する解し(搬送方向に沿った方向における粒状原料の存在バラツキを均す)動作を行うように構成されている。
すなわち、第1の搬送手段と第2の搬送手段とは、異なる種類の解し動作(例えば、揺動筒或いは回転筒などによる揺動或いは回転、振動フィーダー等による微小振動、落下、解しの方向などが異なる解し動作)を行うように構成されることができる。
これにより、より一層解し効果を高めることができるため、下流側における計量を一層高精度なものとすることが可能となる。
【0087】
なお、第1の搬送手段である掻き出し樋34の出口部(搬出口)における搬送面(粒状原料が載置されて搬送されている面のうちの最下位)と、第2の搬送手段であるフィーダー38(振動フィーダー)のトラフ38Aの入口部(受け取り部)における搬送面(粒状原料が載置されて搬送されている面の最下位)と、の間に段差(粒状原料が落下する距離)を設け、第1の搬送手段である掻き出し樋34から第2の搬送手段であるフィーダー38への受け渡しの際に粒状原料が自然落下するように構成することができる。
これにより、例えば、比較的強固に絡み合った粒状原料に落下衝撃による解し効果を与えることができる。
【0088】
更に、第1の搬送手段である掻き出し樋34の搬送面に関して、
図20に示すように、上流側搬送面と下流側搬送面との間に段差を設けた構成とすることができる。これにより、第1の搬送手段である掻き出し樋34内においても、例えば、比較的強固に絡み合った粒状原料に落下衝撃による解し効果を与えることができる。
【0089】
また、第2の搬送手段であるフィーダー38(振動フィーダー)のトラフ38Aの搬送面にも、
図18、
図19に示すように、上流側搬送面と下流側搬送面との間に段差を設けた構成とすることができる。これにより、第2の搬送手段であるフィーダー38(振動フィーダー)のトラフ38A内においても、例えば、比較的強固に絡み合った粒状原料に落下衝撃による解し効果を与えることができる。
【0090】
なお、上記において、第1の搬送手段として、搬送方向に沿った中心軸廻りに揺動される掻き出し樋34を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、同一方向に回転される回転筒(特許文献1に記載されているような「回転手段により同一方向に回転される下方傾斜した切り出し筒」)などとすることも可能である。その際、断面形状は円形状に限らず、三角形状、多角形形状、楕円形状、台形状などとすることも可能である。
【0091】
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、特許請求の範囲における発明特定事項とそれぞれ対応関係を有するが、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形を施すことができる。
【0092】
ここで、本発明を実施した粒状原料供給装置の掻き出し金具13,33について、図を用いてその変形例を説明する。
図11は本発明を実施した粒状原料供給装置の掻き出し金具13,33と掻き出し樋14,34を拡大して説明した構造説明図であり、
図12は本発明を実施した掻き出し金具13,33の断面形状に関する各種例示図であり、
図13は本発明を実施した掻き出し金具13,33の外観形状に関する各種例示図である。
図11に示すように、10、30は不均一な粒状原料が貯留されているホッパー、13、33はホッパー10,30内の下方に傾斜した姿勢で挿通され、最初にホッパー10,30内の粒状原料50を切り出す掻き出し金具、14、34は掻き出し金具13、33と共に動いてホッパー10,30内の粒状原料50を切り出しつつ、搬送する掻き出し樋である。
【0093】
この掻き出し樋14、34は上面が開放された断面略U形状の傾斜樋構造を有しており、連結金具12、32で掻き出し金具13、33と接続されている。そして、掻き出し金具13、33の図示左側延長線上には、掻き出し金具13、33におけるA−A間の断面図が記載されており、掻き出し樋14、34の図示右側延長線上には、掻き出し樋14、34におけるB−B間の断面図が記載されている。
【0094】
この掻き出し金具13、33の断面形状に関する各種例示については、固12の(1)から(4)に記載しており、この掻き出し金具13、33の全体の外観形状に関する各種例示については、
図13の(1)から(9)に記載している。
【0095】
即ち、上記のように掻き出し金具13、33においては、粒状原料50の性質に応じて種々の変形を施すことが可能であり、具体的な動作のポイントは、ホッパー10,30内の粒状原料50が固まり易い性質を有している場合は、原料を切り崩すための突起部材が付いている掻き出し金具13,33を選択している。例えば、
図12においては(2)、 (3)、(4)であり、
図13においては(2)、(3)、(5)、(6)、(8)、(9)である。
【0096】
また、ホッパー10,30内の粒状原料50が絡まり易い性質を有している場合は、掻き出し金具13,33に原料が絡まらないように、単純な形状を有する掻き出し金具13,33を選択している。例えば、
図12においては(1)であり、
図13においては(1)、(4)、(7)であるが、これ等はいずれも実施の一例である。