特許第6126385号(P6126385)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6126385
(24)【登録日】2017年4月14日
(45)【発行日】2017年5月10日
(54)【発明の名称】駐車装置のパレット
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/42 20060101AFI20170424BHJP
【FI】
   E04H6/42 H
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-9509(P2013-9509)
(22)【出願日】2013年1月22日
(65)【公開番号】特開2014-141793(P2014-141793A)
(43)【公開日】2014年8月7日
【審査請求日】2015年10月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000198363
【氏名又は名称】IHI運搬機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087527
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 光雄
(72)【発明者】
【氏名】藤田 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】宮田 純弥
(72)【発明者】
【氏名】一木 渡
(72)【発明者】
【氏名】篠塚 博之
【審査官】 兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−031598(JP,A)
【文献】 実開平07−021926(JP,U)
【文献】 特開2002−322824(JP,A)
【文献】 特開2003−221941(JP,A)
【文献】 特開2006−225977(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 6/00−6/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右幅方向の中央部に、鋼板を上方に折り曲げて上向きに突出して備えると共に、前後方向に延びる中央上向き突出部と、
記中央上向き突出部の左右両側に、前後方向の全長に亘って車両の車輪を乗り入れさせるための左右一対の車輪乗込面と、
上記各車輪乗込面の左右方向外側の各端縁部に、鋼板を下方に折り曲げて下向きに突出させた側部下向き突出部と、を備え、
方又は双方の上記側部下向き突出部は、一部に切り欠きを設けると共に、該切り欠きにおける上記車輪乗込面の外側端縁部の下面側に、前後方向に延び且つ下端側が開放された溝形構造としてあるドッグを配置してなり
上記ドッグは、上記切り欠きの前後方向の寸法よりも短い寸法としてあると共に、上記ドッグの前後方向の一端部と上記一方又は双方の側部下向き突出部との間に隙間を設けてなり、
上記ドッグ、上記車輪乗込面の下面に固定して強度部材として機能させるようにした構成
を有することを特徴とする駐車装置のパレット。
【請求項2】
少なくとも上記ドッグの前後方向の一端部と上記一方又は双方の側部下向き突出部との間の隙間のパレット中央寄りとなる位置に、補強部材を配置して、該補強部材を車輪乗込面の下面に取り付けるようにした請求項1記載の駐車装置のパレット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータパーキング等の機械式駐車装置で車両を搭載して移動させる駐車装置のパレットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
機械式駐車装置の1つとして、エレベータパーキングがある。かかるエレベータパーキングでは、一般に、車両は、入庫位置でパレットに搭載させるようにしてあり、その後、該車両を入庫位置から格納位置まで移動させる場合、及び、該格納位置から出庫位置まで移動させるときには、上記パレットごと移動させるようにしてある。
【0003】
上記駐車装置用のパレットとしては、折り曲げ式のパレットが広く用いられている。
【0004】
上記折り曲げ式のパレットは、鋼板製としてあって、車両の平面形状に対応して、前後方向が長辺となり且つ左右幅方向が短辺となる矩形の平面形状を有している。
【0005】
更に、上記折り曲げ式のパレットは、左右幅方向の中央部に、鋼板を上方に折り曲げて断面形状が台形状や矩形状となるようにした中央上向き突出部が、前後方向に延びるように設けてある。且つ、該パレットにおける左右両端縁部には、鋼板を上方に折り曲げて断面形状が鉤形になるように屈曲させた側部上向き突出部が、それぞれ前後方向に延びるように設けてある。
【0006】
上記中央上向き突出部と、左右両側の各側部上向き突出部との間には、パレットに搭載する車両の車輪を乗り入れさせるための車輪乗込面が、前後方向の全長に亘り設けてある。
【0007】
かかる構成としてある折り曲げ式のパレットは、上記中央部と両側部の各上向き突出部にて上記車輪乗込面より鋼板が立ち上がる部分がウェブとなり、上記車輪乗込面と、上記中央及び各側部の上向き突出部における水平部分が、異なる高さ位置に配置されたフランジとなる立体構造を備えることで、上記車輪乗込面に搭載させる車両の重量に耐え得る強度を得るようにしてある。
【0008】
ところで、上記折り曲げ式のパレットは、左右両端縁部に、上記各側部上向き突出部が設けてあることから、たとえば、車椅子では、この側部上向き突出部によって生じる段差が移動の邪魔になるために、パレットに搭載された車両に対する乗り降りが困難になる。
【0009】
そこで、従来、一対の車輪乗込面の間に中央立ち上がり部が上方に突設され、少なくとも左右いずれか一方の側縁部に、パレットの前後方向(長手方向)に間隔をあけて上方に突出する2つの上向きの強度部材を設け、且つ上記2つの上向きの強度部材の間の車輪乗込面には、下方に突出する下向きの強度部材を設けてなる構成とした駐車装置用のパレットが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0010】
かかる構成のパレットによれば、上記前後2つの上向きの強度部材間の車輪乗込面には、上方に突出する障害物が無いため、機械式駐車装置における入出庫位置のプラットホーム(デッキ)と高さレベルの差をなくすことができて、車椅子での移動に支障が生じないバリアフリーを達成できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2002−322824号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところが、上記特許文献1に示された形式のパレットでは、少なくとも一方の側縁部に設ける2つの上向きの強度部材、及び、下向きの強度部材を、それぞれ平断面の角パイプにより構成するようにしてあるため、これらの強度部材は、パレットにおける中央立ち上がり部と車輪乗込面を形成している鋼板に対して別途取り付ける必要がある。
【0013】
しかも、上記各強度部材は、パレットの強度を保持する以外の機能は全く備えていないことから、たとえば、パレットを横送りするための手段は、上記各強度部材とは別に装備する必要がある。
【0014】
そのため、上記特許文献1に示された形式のパレットは、構成部品の点数が増加すると共に、製造時における部材同士の溶接作業が多くなり、製造に要する手間及び時間が多くなるという問題がある。又、該パレットは、自重が大きくなってしまう。
【0015】
そこで、本発明は、バリアフリーを達成することができるパレットであって、且つ、構成部品の点数の削減化を図ることができて、製造時における溶接作業の削減化を図ることができ、製造に要する手間及び時間を削減することができると共に、自重の軽量化を図ることができる駐車装置のパレットを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1に対応して、左右幅方向の中央部に、鋼板を上方に折り曲げて上向きに突出して備えると共に、前後方向に延びる中央上向き突出部と、上記中央上向き突出部の左右両側に、前後方向の全長に亘って車両の車輪を乗り入れさせるための左右一対の車輪乗込面と、上記各車輪乗込面の左右方向外側の各端縁部に、鋼板を下方に折り曲げて下向きに突出させた側部下向き突出部と、を備え、方又は双方の上記側部下向き突出部は、一部に切り欠きを設けると共に、該切り欠きにおける上記車輪乗込面の外側端縁部の下面側に、前後方向に延び且つ下端側が開放された溝形構造としてあるドッグを配置してなり上記ドッグは、上記切り欠きの前後方向の寸法よりも短い寸法としてあると共に、上記ドッグの前後方向の一端部と上記一方又は双方の側部下向き突出部との間に隙間を設けてなり、上記ドッグ、上記車輪乗込面の下面に固定して強度部材として機能させるようにした構成を有する駐車装置のパレットとする。
【0017】
又、請求項2に対応して、上記構成において、少なくとも上記ドッグの前後方向の一端部と上記一方又は双方の側部下向き突出部との間の隙間のパレット中央寄りとなる位置に、補強部材を配置して、該補強部材を車輪乗込面の下面に取り付けるようにした構成とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の駐車装置のパレットによれば、以下のような優れた効果を発揮する。
(1)車輪乗込面は、駐車装置の入出庫口のプラットホームに対して、段差のない状態で配置させることができる。したがって、車椅子を利用する人であっても、上記プラットホームと車輪乗込面との間を、何ら支障を生じることなく容易に移動することができるようにしたバリアフリーを達成することができる。
(2)パレット左右幅方向の中央部については、鋼板を折り曲げて形成した中央上向き突出部により強度を確保することができる。一方、パレット左右幅方向の両側については、各車輪乗込面の外側端縁部にて鋼板を折り曲げて形成した各側部下向き突出部が設けてある部分では、該各側部下向き突出部により、又、各側部下向き突出部の切り欠きにドッグが取り付けてある部分では、該ドッグが強度部材として機能することにより、それぞれ車輪乗込面の強度を確保することができる。したがって、上記ドッグ以外の別の部材を要することなく車輪乗込面の強度を確保することができると共に、本発明のパレットを横送りするための手段を別に設ける必要はない。このため、本発明のパレットは、上記バリアフリーを達成した上で、構成部品の点数を削減することができ、製造時における部材同士の溶接作業を削減できて、製造に要する手間及び時間の削減化を図ることができると共に、自重の軽量化を図ることができる。
(3)側部下向き突出部の切り欠きの一部にドッグを配置し、少なくとも上記側部下向き突出部の切り欠きにおけるドッグが配置されていない部分のパレット中央寄りとなる位置に、補強部材を配置して、該補強部材を車輪乗込面の下面に取り付けるようにした構成とすることにより、車両乗込面の外側をより確実に補強することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の駐車装置のパレットの実施の一形態を示す概略平面図である。
図2】(a)は図1のA−A方向矢視断面図、(b)は図1のB−B方向矢視断面図である。
図3図1のパレットの概略側面図である。
図4】本発明の実施の他の形態を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
【0021】
図1乃至図3は本発明の駐車装置のパレットの実施の一形態を示すものである。
【0022】
すなわち、本発明の駐車装置のパレット(以下、単に、本発明のパレットという)は、図1乃至図3に符号1で示すもので、鋼板製としてあり、且つ従来のパレットと同様に、車両の平面形状に対応して前後方向が長辺となり且つ左右幅方向が短辺となる矩形の平面形状を有するものとしてある。
【0023】
上記本発明のパレット1は、左右幅方向の中央部に、鋼板を上方に折り曲げて断面形状が台形状や矩形状となるようにした中央上向き突出部2が、前後方向に延びるように設けてある。
【0024】
上記中央上向き突出部2の左右両側には、本発明のパレット1に搭載する図2(a)に二点鎖線で示す如き車両Cの車輪を乗り入れさせるための左右一対の車輪乗込面3a,3bが、前後方向の全長に亘り設けられている。
【0025】
更に、上記本発明のパレット1の左右両端縁部となる上記各車輪乗込面3a,3bの外側の端縁部には、該本発明のパレット1を構成している鋼板を下方に折り曲げ、更にその下端をパレット幅方向中央側へ折り曲げて断面形状が鉤形になるように屈曲させた側部下向き突出部4a,4bが、それぞれ設けてある。
【0026】
上記左右の各側部下向き突出部4aと4bのうち、一方の側部下向き突出部4aには、その前後方向の或る個所に、該側部下向き突出部4aを部分的に切り欠いた切り欠き5が設けてある。
【0027】
且つ上記切り欠き5には、前後方向に延び且つ下端側が開放された溝形構造のドッグ6を配置して、該ドッグ6の上端面を、全長に亘って、対応する一方の車輪乗込面3aの外側端縁部の下面側に固定するようにしてある。
【0028】
これにより、上記ドッグ6は、本発明のパレット1を横送りするときに、先ず、図示しない駐車装置側に装備されたパレット横送り装置の旋回アーム先端部の上側に設けてあるローラを、該ドッグ6の溝に前後方向の一端側から受け入れて係止させることができるようにしてある。その後、上記旋回アームを更に旋回させるときには、上記ドッグ6では、上記ローラを、該ドッグ6の溝の内側で前後方向にスライドさせることができるようにしてあり、該ドッグ6と一体の本発明のパレット1を、上記旋回アームの旋回中心側と外周側で双方向に横送りすることができるようにしてある。
【0029】
更に、上記ドッグ6は、その上端面が、上記一方の車輪乗込面3aの外側端縁部の下面側に取り付けてあるため、該ドッグ6の左右一対の鉛直な側壁7が、上記本発明のパレット1における上記一方の側部下向き突出部4aに切り欠き5が設けられている部分に対して、強度部材となるウェブとして機能して該部分の補強を行なうことができるようにしてある。
【0030】
ところで、上記ドッグ6は、上記したように図示しないパレット横送り装置の旋回アーム先端部のローラを、前後方向の一端側から該ドッグ6の溝に受け入れるために、該ドッグ6の前後方向の寸法を、上記切り欠き5の前後方向の寸法よりも短くなるよう設定して、該ドッグ6の前後方向の一端部と、対応する上記一方の側部下向き突出部4aとの間に隙間8を設ける必要がある。
【0031】
この点に鑑みて、本発明のパレット1は、上記一方の側部下向き突出部4aの切り欠き5における上記ドッグ6が配置されていない上記隙間8の部分について、上記一方の車輪乗込面3aの外側をより確実に補強するために、該一方の車輪乗込面3aの下面における少なくとも上記隙間8の内側(パレット中央寄り)となる位置に、上記ドッグ6と干渉しない配置で前後方向に延びる補強部材9を取り付けた構成とすることが望ましい。図1では、上記補強部材9を、上記一方の側部下向き突出部4aの切り欠き5の内側全体を覆う長さ寸法で前後方向に延びる形状とした場合が示してある。該補強部材9は、図2(b)に示すように、角パイプ構造としてあり、その片側の側面を上記ドッグ6の内側に沿わせるように配置して、上記一方の車輪乗込面3aの下面及びドッグ6に対してそれぞれ固定するようにしてある。
【0032】
なお、上記ドッグ6及び補強部材9は、その底面(下端面)が、上記一方の側部下向き突出部4aの下端と同一平面に配置されるようにしてある。
【0033】
更に、上記各車輪乗込面3a,3bの下面側には、高さ位置調整部材10が設けてある。該高さ位置調整部材10は、その底面が、上記各側部下向き突出部4a,4bの下端と同一平面に配置されるようにしてあり、これにより、上記本発明のパレット1を、図示しない駐車装置の昇降装置の上面のような水平面に、上記各車輪乗込面3a,3bが水平となる姿勢で配置できるようにしてある。
【0034】
11は駐車位置の確認のために上記各車輪乗込面3a,3bに突設された車輪止めである。
【0035】
以上の構成としてある本発明のパレット1によれば、各車輪乗込面3a,3bの外側には上方に突出する部分が無いため、該各車輪乗込面3a,3bを、図2(a)(b)に一点鎖線で示す如き駐車装置の入出庫口のプラットホーム12に対して、段差のない状態で配置させることができる。
【0036】
したがって、上記本発明のパレット1では、車椅子を利用する人であっても、上記プラットホーム12と車輪乗込面3a,3bとの間を、何ら支障を生じることなく容易に移動することができる。よって、本発明のパレット1によれば、バリアフリーを達成することができる。
【0037】
又、本発明のパレット1は、幅方向の中央部については、上記中央上向き突出部2における上記各車輪乗込面3a,3bより鋼板が立ち上がる部分がウェブとなり、上記各車輪乗込面3a,3bと、上記中央上向き突出部2における水平部分が、異なる高さ位置に配置されたフランジとなる立体構造が形成されることで強度を確保できるようになる。
【0038】
又、本発明のパレット1における左右幅方向の両側は、各車輪乗込面3a,3bの外側の端縁部において鋼板を折り曲げて形成した各側部下向き突出部4a,4bが設けてある部分では、該各側部下向き突出部4a,4bにおける上記各車輪乗込面3a,3bより鋼板が折れて下がる部分がウェブとなり、上記各車輪乗込面3a,3bと、上記各側部下向き突出部4a,4bにおける水平部分が、異なる高さ位置に配置されたフランジとなる立体構造が形成されることで、別の部材を要することなく各車輪乗込面3a,3bの強度を確保することができる。
【0039】
更に、上記一方の側部下向き突出部4aを切り欠いた部分については、パレット横送り装置を係止させるためのドッグ6が、強度部材としての機能を発揮するようになるため、該ドッグ6が取り付けてある部分では、別の部材を要することなく上記一方の車輪乗込面3aの強度を確保することができると共に、本発明のパレット1を横送りするための手段を別に設ける必要はない。
【0040】
よって、本発明のパレット1は、上記バリアフリーを達成した上で、構成部品の点数を削減することができるため、製造時における部材同士の溶接作業を削減できて、製造に要する手間及び時間の削減化を図ることができる。又、該本発明のパレット1は、自重の軽量化を図ることができる。
【0041】
上記実施の形態においては、一方の車輪乗込面3aの外側の端縁部に設けてある一方の側部下向き突出部4aにのみ切り欠き5を設けて、該切り欠き5にドッグ6を取り付けた構成を示したが、図4に示すように、両方の車輪乗込面3a及び3bの外側端縁部の各側部下向き突出部4a及び4bに、切り欠き5をそれぞれ設けて、該各切り欠き5にドッグ6を取り付けてなる構成としてもよい。更に、この場合は、上記各車輪乗込面3a及び3bの下面において、少なくとも上記各側部下向き突出部4a,4bと、対応する上記各ドッグ6の前後方向の一端部との間に形成した隙間8の内側(パレット中央寄り)となる位置に、ドッグ6と干渉しない配置で前後方向に延びる補強部材9を取り付けた構成とすることが望ましい。なお、図4において、図1に示したものと同一のものには同一符号が付してある。
【0042】
かかる構成としてある本発明のパレット1によっても、上記図1乃至図3の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0043】
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、ドッグ6の前後方向の配置は、図示しない駐車装置のパレット横送り装置の旋回アームの配置に応じて適宜変更してもよい。又、上記ドッグ6の前後方向の長さ寸法は、上記旋回アームの長さ寸法に応じて適宜変更してもよい。
【0044】
上記側部下向き突出部4a,4bに設ける切り欠き5の位置及び前後方向の寸法は、上記ドッグ6の配置及び長さ寸法に応じて適宜変更してもよい。
【0045】
ドッグ6の前後方向の一端部と、対応する上記側部下向き突出部4a,4bとの間に設ける隙間8の寸法は、上記図示しない駐車装置のパレット横送り装置の旋回アームの旋回半径等に応じて適宜変更してもよい。
【0046】
上記隙間8の内側に配置して設ける補強部材9は、少なくとも該隙間8の内側の部分で車輪乗込面3a,3bを補強できるようにしてあれば、該補強部材9の前後方向の長さ寸法は適宜変更してもよい。又、該補強部材9は、図示した角パイプ構造以外の断面形状を備えた構成としてもよい。
【0047】
更に、上記隙間8の内側には、上記補強部材9を設ける構成とすることが望ましいが、省略した構成としてもよい。
【0048】
本発明のパレット1は、旋回アームの先端部に設けたローラを本発明のパレット1に設けてあるドッグ6に係止させる形式のパレット横送り装置を備えた機械式駐車装置であれば、エレベータパーキング以外の任意の形式の機械式駐車装置で使用してもよい。
【0049】
その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0050】
1 パレット
2 中央上向き突出部
3a,3b 車輪乗込面
4a,4b 側部下向き突出部
5 切り欠き
6 ドッグ
9 補強部材
C 車両
図1
図2
図3
図4