特許第6126411号(P6126411)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6126411
(24)【登録日】2017年4月14日
(45)【発行日】2017年5月10日
(54)【発明の名称】包装袋
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/00 20060101AFI20170424BHJP
   B65D 33/38 20060101ALI20170424BHJP
【FI】
   B65D33/00 C
   B65D33/38
【請求項の数】1
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-31958(P2013-31958)
(22)【出願日】2013年2月21日
(65)【公開番号】特開2014-162487(P2014-162487A)
(43)【公開日】2014年9月8日
【審査請求日】2016年2月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】596092595
【氏名又は名称】三光機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134212
【弁理士】
【氏名又は名称】提中 清彦
(72)【発明者】
【氏名】井手 和広
【審査官】 家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭61−150761(JP,U)
【文献】 特開2007−223616(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3023284(JP,U)
【文献】 特開2011−225221(JP,A)
【文献】 特開2005−280748(JP,A)
【文献】 実開平02−066437(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D30/00−33/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続的に供給される包装フィルムを重畳させて、重畳部分に対して、少なくとも1つのサイドシールと、下側エンドシールと、を施して内容物収容部を形成し、その内部に内容物を充填し、その後に内容物収容部の上側部分に上側エンドシールを施して封止することで生産される包装袋であって、
前記包装袋の上側エンドシールは、
内容物収容部から上側エンドシールの上部に向けて形成されるビン口部と、
上側エンドシール上部に鋸刃状に形成される鋸刃状凹凸部と、
鋸刃状凹凸部の各底部の角部に、その切り込み方向がビン口部が存在する側に向かって延伸され、かつ、その延長線上に鋸刃状凹凸部を形成する傾斜部が延在するように切り込まれたノッチと、
を含んで構成されていること特徴とする包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続的に供給される包装フィルムを折り返して重畳部分をシールすることで連続的に生産される包装袋の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、連続的に供給される包装フィルムを搬送方向に沿って折り返して開放側を重畳させ、該重畳部分に対してサイドシール(搬送方向に沿った方向のシール(縦シール))を施して筒状包装袋を形成すると共に、搬送方向と略直交する方向のシール(エンドシール、横シール)を施し、該筒状包装袋内に原料充填ノズルを介して内容物を充填し、その後に筒状包装袋の上側部分にエンドシール(横シール)を施して封止することで3方がシールされた包装体を連続的に形成することが行われている。
【0003】
この種の包装袋として、例えば、特許文献1には、内容物である液体(例えば、醤油、ソースなど)食用或いは飲用液体を、手を汚すことなく最後まで綺麗に取り出すことができるように、開封した際に所定サイズの注ぎ口(ビン口)が形成されるようにした包装袋が提案されている。このものは、例えば、図13に示すように、密封通路8を設けると共に、エンドシール7に、開口サイズを調整可能にする引き裂き部a,b,cの少なくとも一つを設けるようにしている。
【0004】
また、図14に示すような形状の包装袋も種々提案されている。図14に示すものは、開封する者が、引き裂き部をつかみ易いように滑り止めとしてディンプル加工(凹凸加工)が施されている。
【0005】
なお、図14(A)は、折り返し部側に注ぎ口(ビン口)を設けた場合の例であり、図14(B)は、サイドシール(縦シール)側に注ぎ口(ビン口)を設けた場合の例である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特公平6−62174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述したような従来の包装袋では、暗い場所などの視覚にとって環境の悪い場所において、或いは老眼その他の視力の弱い者が開封しようとしたときに、引き裂き部(ミシン目)の位置を視覚により明確に把握することが難しい場合があり、予期しない部位を開封してしまうといったおそれがあった。
【0008】
本発明は、このような実情に鑑みなされたもので、簡単かつ低コストな構成でありながら、視覚により引き裂き部を確認し難いような場合でも、良好に引き裂き部を認識させることができ、以って良好に引き裂き部を開封して内容物を取り出すことができる包装袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このため、本発明に係る包装袋は、
連続的に供給される包装フィルムを重畳させて、重畳部分に対して、少なくとも1つのサイドシールと、下側エンドシールと、を施して内容物収容部を形成し、その内部に内容物を充填し、その後に内容物収容部の上側部分に上側エンドシールを施して封止することで生産される包装袋であって、
前記包装袋の上側エンドシールは、
内容物収容部から上側エンドシールの上部に向けて形成されるビン口部と、
上側エンドシール上部に鋸刃状に形成される鋸刃状凹凸部と、
鋸刃状凹凸部の各底部の角部に、その(本ノッチの)切り込み方向がビン口部が存在する側に向かって延伸され、かつ、その(本ノッチの)延長線上に鋸刃状凹凸部を形成する傾斜部が延在するように切り込まれたノッチと、
を含んで構成されていること特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、簡単かつ低コストな構成でありながら、視覚により引き裂き部を確認し難いような場合でも、良好に引き裂き部を認識させることができ、以って良好に引き裂き部を開封して内容物を取り出すことができる包装袋を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る実施例1の包装袋の全体構成を示す正面図である。
図2】本発明に係る実施例2の包装袋の全体構成を示す正面図である。
図3】本発明に係る実施例3の包装袋の全体構成を示す正面図である。
図4】本発明に係る実施例4の包装袋の全体構成を示す正面図である。
図5】本発明に係る実施例5の包装袋の全体構成を示す正面図である。
図6図5の注ぎ口の傾斜を緩やかにした場合の一例を示す正面図である。
図7】注ぎ口(ビン口)を折り返し部側に設けた場合の一例を示す正面図であり、(A)は図1に対応し、(B)は図2に対応し、(C)は図3に対応し、(D)は図4に対応している一例を示す正面図である。
図8】注ぎ口(ビン口)を折り返し部側に設けた場合の一例を示す正面図であり、(A)は図5に対応し、(B)は図6に対応している一例を示す正面図である。
図9】表裏2枚の包装フィルムを重ねて4つの辺をシール形成する4方シールの包装袋に本発明を適用した場合の一例を示す正面図であり、(A)は図1に対応し、(B)は図2に対応し、(C)は図3に対応し、(D)は図4に対応し、(E)は図5に対応し、(F)は図6に対応し、(G)は図2の変形態様の一例を示す正面図である。
図10】本発明に係る包装袋のサイズや各部寸法の一例を示す正面図であり、(A)は図1に対応し、(B)は図2に対応し、(C)は図3に対応している一例を示す正面図である。
図11】本発明に係る包装袋のサイズや各部寸法の一例を示す正面図であり、(A)は図4に対応し、(B)は図5に対応し、(C)は図6に対応している一例を示す正面図である。
図12】本発明に係る包装袋の断面形状を示す断面図であり、(A)は図1の断面形状の一例を示し、(B)は図7(A)の断面形状の一例を示している。
図13】特許文献1に記載の包装袋を示す正面図である。
図14】従来の包装袋の一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る実施の形態を、添付の図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施の形態により、本発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0015】
本発明の実施の形態の一例である実施例1の包装袋(包装体)100は、連続的に供給される包装フィルムを搬送方向に沿って折り返して開放側を重畳させ、該重畳部分に対してサイドシール(搬送方向に沿った方向のシール(縦シール))を施して筒状包装袋を形成すると共に、搬送方向と略直交する横方向シール(横シール、エンドシール)を施し、該筒状包装袋内に原料充填ノズルを介して内容物を充填し、その後に筒状包装袋の上側部分にエンドシール(横シール)を施して封止することで3方がシールされた包装袋(以下、単に3方シール包装袋とも称する)である。なお、上述の各シールの方法としては、例えば、熱により溶着させるヒートシールが適合可能であるが、他のシール方法とすることも可能である。
【0016】
実施例1の包装袋100に用いられる包装フィルムは、例えば、PET等のベースフィルム、このベースフィルムよりも融点の低いポリエチレン等のヒートシールフィルムから構成されることができる。また、包装フィルムは、ベースフィルム、中間フィルム、ヒートシールフィルムの3層構造などとすることもできる。以下で述べる他の実施例についても同様である。
【0017】
実施例1に係る包装袋100は、図1に示すように、サイドシール101と、下側エンドシール102と、上側エンドシール103と、折り返し部104と、内容物収容部105と、を含んで構成されている。
【0018】
また、内容物収容部105のサイドシール101側上部には、開封されたときに注ぎ口となるビン口部106が設けられている。なお、ビン口部106と内容物収容部105とは連通されている。
【0019】
そして、実施例1に係る包装袋100には、上側エンドシール103に、本発明に係る段差部の一例である凹部110が設けられていて、凹部110の底の角部にはノッチ(切り込み)111が設けられている。また、凹部110の底は、ノッチ(切り込み)111の延長線上に延在されている。
【0020】
このノッチ111の切り込み方向(ノッチ111の延長線)は、ビン口部106に向かって延伸しており(ノッチ111の切り込み方向(ノッチ111の延長線)は、上側エンドシール103の長手方向(サイドシールの長手方向と略直交する方向)に対して傾斜して形成されている。)、開封しようとする者(開封者)は、視覚により或いは手の指の触覚により、凹部110の場所を認識し、一方の手の指で、凹部110により分断された上側エンドシール103のうちの把持部103Aを把持し、他方の手の指で把持部103Bを把持してノッチ111に沿って引き裂くと、ビン口部106が、ノッチ111の延長線方向に開封されることになる。
【0021】
これにより、把持部103Bは包装袋100から分離されると共に、ビン口部106はノッチ111の延長線にほぼ沿った適度な開口サイズで開封されることになるので、開封者は手などを汚すことなく、内容物をビン口部106を介して外部へ取り出すことが可能となる。
【0022】
なお、下側エンドシール102に凸設される凸部102Aは、上側エンドシール103に凹設される凹部110と対応した形状となっている。
【0023】
すなわち、連続して生産される2つの包装袋100が切り離される前の状態では、両者は、一方の下側エンドシール102と、他方の上側エンドシール103と、が接合された状態となっており、両者がカッター装置などにより切り離される際に、凸部102Aと、凹部110と、ノッチ111が形成されるようになっている。但し、凸部102Aは後工程などにおいて切り離すことも可能である。
【実施例2】
【0024】
本発明の実施の形態の一例である実施例2の包装袋(包装体)200は、実施例1と同様の3方シール包装袋(包装体)である。なお、既に説明した要素と同一要素には、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0025】
実施例2に係る包装袋200は、図2に示すように、サイドシール101と、下側エンドシール102と、上側エンドシール103と、折り返し部104と、内容物収容部105と、を含んで構成され、内容物収容部105のサイドシール101側上部には、開封されたときに注ぎ口となるビン口部106が設けられている。
【0026】
そして、実施例2に係る包装袋200には、上側エンドシール103に、一部を切り欠いた段差部210が設けられていて、段差部210の底の角部にはノッチ(切り込み)211が設けられている。なお、段差部210の底は、ノッチ(切り込み)211の延長線上に延在されている。段差部210は、本発明に係る段差部の一例である。
【0027】
このノッチ211の切り込み方向(ノッチ211の延長線)は、ビン口部106に向かって延伸している。
【0028】
このため、開封者は、視覚により或いは手の指の触覚により、段差部210の場所を認識し、一方の手の指で、段差部210及びノッチ211により分断された上側エンドシール103のうちの把持部103Aを把持し、他方の手の指で把持部103Bを把持してノッチ211に沿って引き裂くと、ビン口部106が、ノッチ211の延長線方向に開封されることになる。
【0029】
これにより、把持部103Bは包装袋200から分離されると共に、ビン口部106はノッチ211の延長線にほぼ沿った適度な開口サイズで開封されることになるので、開封者は手などを汚すことなく、内容物をビン口部106を介して外部へ取り出すことが可能となる。
【0030】
なお、下側エンドシール102に凸設される凸部102Aは、上側エンドシール103に形成される段差部210と対応した形状となっている。
【0031】
すなわち、連続して生産される2つの包装袋200が切り離される前の状態では、両者は、一方の下側エンドシール102と、他方の上側エンドシール103と、が接合された状態となっており、両者がカッター装置などにより切り離される際に、段差部210と、凸部102Aと、ノッチ211が形成されるようになっている。但し、凸部102Aは後工程などにおいて切り離すことも可能である。
【実施例3】
【0032】
本発明の実施の形態の一例である実施例3の包装袋(包装体)300は、実施例1、2と同様の3方シール包装袋(包装体)である。なお、既に説明した要素と同一要素には、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0033】
実施例3に係る包装袋300は、図3に示すように、サイドシール101と、下側エンドシール102と、上側エンドシール103と、折り返し部104と、内容物収容部105と、を含んで構成され、内容物収容部105のサイドシール101側上部には、開封されたときに注ぎ口となるビン口部106が設けられている。
【0034】
そして、実施例3に係る包装袋300には、上側エンドシール103に、一部をZ字状に切り欠いたZ字状段差部310が設けられていて、Z字状段差部310の底の角部にはノッチ(切り込み)311が設けられている。Z字状段差部310は、本発明に係る段差部の一例である。
なお、実施例3では、ノッチ(切り込み)311の延長線上に、Z字状段差部310の上側と底とを結ぶ傾斜部が延在するように構成されている。
【0035】
このノッチ311の切り込み方向(ノッチ311の延長線)は、ビン口部106に向かって延伸している。すなわち、ノッチ311の切り込み方向(ノッチ311の延長線)は、上側エンドシール103の長手方向(サイドシールの長手方向と略直交する方向)に対して傾斜して形成されている。
【0036】
このため、開封者は、視覚により或いは手の指の触覚により、Z字状段差部310の場所を認識し、一方の手の指で、Z字状段差部310及びノッチ311により分断された上側エンドシール103のうちの把持部103Aを把持して、他方の手の指で把持部103Bを把持してノッチ311に沿って引き裂くと、ビン口部106が、ノッチ311の延長線方向に開封されることになる。
【0037】
これにより、把持部103Bは包装袋200から分離されると共に、ビン口部106はノッチ311の延長線にほぼ沿った適度な開口サイズで開封されることになるので、開封者は手などを汚すことなく、内容物をビン口部106を介して外部へ取り出すことが可能となる。
【0038】
なお、下側エンドシール102に凸設される凸部102Aは、上側エンドシール103に形成されるZ字状段差部310と対応した形状となっている。
【0039】
すなわち、連続して生産される2つの包装袋300が切り離される前の状態では、両者は、一方の下側エンドシール102と、他方の上側エンドシール103と、が接合された状態となっており、両者がカッター装置などにより切り離される際に、Z字状段差部310と、凸部102Aと、ノッチ311が形成されるようになっている。但し、凸部102Aは後工程などにおいて切り離すことも可能である。
【実施例4】
【0040】
本発明の実施の形態の一例である実施例4の包装袋(包装体)400は、上述した各実施例と同様の3方シール包装袋(包装体)である。なお、既に説明した要素と同一要素には、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0041】
実施例4に係る包装袋400は、図4に示すように、サイドシール101と、下側エンドシール102と、上側エンドシール103と、折り返し部104と、内容物収容部105と、を含んで構成され、内容物収容部105のサイドシール101側上部には、開封されたときに注ぎ口となるビン口部106が設けられている。
【0042】
そして、実施例4に係る包装袋400には、上側エンドシール103に、Z字状段差部310が設けられていて、Z字状段差部310の底の角部にはノッチ(切り込み)311が設けられている。なお、ノッチ(切り込み)311の延長線上に、Z字状段差部310の上側と底とを結ぶ傾斜部が延在するように構成されている。
【0043】
このノッチ311の切り込み方向(ノッチ311の延長線)は、ビン口部106に向かって延伸している。
【0044】
このため、開封者は、視覚により或いは手の指の触覚により、Z字状段差部310の場所を認識し、一方の手の指で、Z字状段差部310及びノッチ311により分断された上側エンドシール103のうちの把持部103Aを把持し、他方の手の指で把持部103Bを把持してノッチ311に沿って引き裂くと、ビン口部106が、ノッチ311の延長線方向に開封されることになる。
【0045】
更に、実施例4に係る包装袋400においては、下側エンドシール102にも、Z字状段差部410が設けられていて、Z字状段差部410の底(上底)の角部にはノッチ(切り込み)411が設けられている。なお、ノッチ(切り込み)411の延長線上に、Z字状段差部410の上底と下辺とを結ぶ傾斜部が延在するように構成されている。Z字状段差部410は、本発明に係る段差部の一例である。
【0046】
このノッチ411の切り込み方向(ノッチ411の延長線)は、内容物収容部105の図4において下側の比較的サイズの大きなビン口106に向かって斜めに延伸している。すなわち、ノッチ411の切り込み方向(ノッチ411の延長線)は、下側エンドシール102の長手方向(サイドシールの長手方向と略直交する方向)に対して傾斜して形成されている。
【0047】
このため、開封者は、視覚により或いは手の指の触覚により、Z字状段差部410の場所を認識し、一方の手の指で、Z字状段差部410及びノッチ411により分断された下側エンドシール102のうちの把持部102Bを把持し、他方の手の指で把持部102Aを把持してノッチ411に沿って引き裂くと、内容物収容部105が、ノッチ411の延長線方向に沿って開封されることになる(かかる場合には、開封者は図4の状態から上下逆さまにして開封することになる)。
【0048】
ここで、ノッチ411により引き裂かれたときの開封部の開口サイズは、図4上方のビン口部106がノッチ311により引き裂かれたときの開口サイズより大きなものとなる。
【0049】
このため、実施例4によれば、開封者は、ノッチ311に沿って引き裂くことで時間当たり少量の吐出量で内容物を取り出すことができる一方で、ノッチ411に沿って引き裂くことで短時間に多量に内容物を取り出すことができ、開封者の要求に応じて、内容物の吐出量を選択することができ、より一層ユーザフレンドリーな包装袋を提供することができる。
【0050】
なお、下側エンドシール102にZ字状段差部410は、上側エンドシール103に形成されるZ字状段差部310と対応した形状となっている。
【0051】
すなわち、連続して生産される2つの包装袋400が切り離される前の状態では、両者は、一方の下側エンドシール102と、他方の上側エンドシール103と、が接合された状態となっており、両者がカッター装置などにより切り離される際に、Z字状段差部310と、Z字状段差部410と、ノッチ311、411が形成されるようになっている。
【実施例5】
【0052】
本発明の実施の形態の一例である実施例5の包装袋(包装体)500は、上述した各実施例と同様の3方シール包装袋(包装体)である。なお、既に説明した要素と同一要素には、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0053】
実施例5に係る包装袋500は、図5に示すように、サイドシール101と、下側エンドシール102と、上側エンドシール103と、折り返し部104と、内容物収容部105と、を含んで構成され、内容物収容部105のサイドシール101側上部には、開封されたときに注ぎ口となるビン口部106が設けられている。
【0054】
そして、実施例5に係る包装袋500には、上側エンドシール103に、本発明に係る段差部の一例である鋸刃状凹凸部510が設けられている。この鋸刃状凹凸部510の各底部の角部には、それぞれノッチ(切り込み)511が設けられている。なお、ノッチ(切り込み)511の延長線上に、鋸刃状凹凸部510を形成する傾斜部が延在するように構成されている。
【0055】
このノッチ511の切り込み方向(ノッチ511の延長線)は、ビン口部106に向かって延伸している。すなわち、ノッチ511の切り込み方向(ノッチ511の延長線)は、上側エンドシール103の長手方向(サイドシールの長手方向と略直交する方向)に対して傾斜して形成されている。
【0056】
このため、開封者は、視覚により或いは手の指の触覚により、鋸刃状凹凸部510のうちのサイドシール101やビン口106からの適当な距離の場所を認識し、一方の手の指で、その認識した場所の鋸刃状凹凸部510及びノッチ511により分断された上側エンドシール103のうちの把持部103Aを把持し、他方の手の指で把持部103Bを把持して所望のノッチ511に沿って引き裂くと、ビン口部106が、サイドシール101やビン口106からの適当な距離にあるノッチ511の延長線方向に開封されることになる。
【0057】
このため、実施例5によれば、開封者は、引き裂く位置を適宜に選択することができるので、時間当たり少量の吐出量で内容物を取り出したい場合にはサイドシール101やビン口106から近い位置のノッチ511を引き裂く一方で、短時間に多量に内容物を取り出したい場合にはサイドシール101やビン口106から遠い位置のノッチ511を引き裂くことで、要求に応じて、内容物の吐出量を選択することができ、より一層ユーザフレンドリーな包装袋を提供することができる。
【0058】
なお、図6に示すように、ビン口106の傾斜部106Aの傾きを緩やかにすることで、引き裂くノッチ511の位置の違いによる吐出量の変化を適宜に調整することができる。例えば、図5に示したように傾斜部106Aの傾きを比較的急峻にした場合には、引き裂くノッチ511の位置の違いによる吐出量(ビン口部106の開口サイズ)の変化が比較的小さいが、図6に示したように傾斜部106Aの傾きを比較的緩やかにした場合には、引き裂くノッチ511の位置の違いによる吐出量(ビン口部106の開口サイズ)の変化を比較的大きくすることができる。
【0059】
上述した各実施例では、内容物収容部105のサイドシール101側上部に、ビン口部106を配設した場合の例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図7図8に示すように、ビン口部(注ぎ口)106を、内容物収容部105の折り返し部104側の上部付近に配設した場合にも、同様に適用可能である。
【0060】
なお、この場合において、図7(A)が実施例1(図1)に対応しており、図7(B) が実施例2(図2)に対応しており、図7(C)が実施例3(図3)に対応しており、図 7(D)が実施例4(図4)に対応している。
また、図8(A)が実施例5(図5)に対応しており、図8(B)が図6に対応している。
【0061】
更に、上述した各実施例では、3方シール包装袋について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図9(A)〜図9(G)に示すように、表裏2枚の包装フィルムを重ねて4つの辺をシール形成する4方シールの包装袋にも適用可能である。
【0062】
ここにおいて、大凡のサイズ、各部寸法等の一例を、図10図11に示しておく。かかるサイズ、各部寸法によれば、開封者は、視覚により或いは手の指の触覚により、切り裂くべきノッチの位置を良好に認識することができる。そして、開封者は、所望のノッチの位置でビン口106を開封することができ、延いては開封者は手などを汚すことなく、内容物をビン口部106を介して外部へ取り出すことができる。
【0063】
また、図12(A)に、図1の断面形状の一例を示し、図12(B)に図7(A)の断面形状の一例を示す。
【0064】
以上で説明した実施の形態は、本発明を説明するための例示に過ぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0065】
100 包装袋(包装体)(実施例1)
101 サイドシール
102 下側エンドシール
103 上側エンドシール
104 折り返し部
105 内容物収容部
106 注ぎ口(ビン口)
110 凹部(段差部の一例)
111 ノッチ(切り込み)
200 包装袋(包装体)(実施例2)
210 段差部(段差部の一例)
211 ノッチ(切り込み)
300 包装袋(包装体)(実施例3)
310 Z字状段差部(段差部の一例)
311 ノッチ(切り込み)
400 包装袋(包装体)(実施例4)
410 Z字状段差部(段差部の一例)
411 ノッチ(切り込み)
500 包装袋(包装体)(実施例5)
510 鋸刃状凹凸部(段差部の一例)
511 ノッチ(切り込み)
図1
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