特許第6126413号(P6126413)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6126413
(24)【登録日】2017年4月14日
(45)【発行日】2017年5月10日
(54)【発明の名称】建物用の収納棚
(51)【国際特許分類】
   A47B 81/00 20060101AFI20170424BHJP
   E03C 1/184 20060101ALI20170424BHJP
   A47K 1/00 20060101ALI20170424BHJP
【FI】
   A47B81/00 H
   E03C1/184
   A47K1/00 U
【請求項の数】8
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-36248(P2013-36248)
(22)【出願日】2013年2月26日
(65)【公開番号】特開2014-161569(P2014-161569A)
(43)【公開日】2014年9月8日
【審査請求日】2015年11月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】504093467
【氏名又は名称】トヨタホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(72)【発明者】
【氏名】小塚 智世
【審査官】 蔵野 いづみ
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−271451(JP,A)
【文献】 実開昭49−074347(JP,U)
【文献】 特開平08−192000(JP,A)
【文献】 実開平02−019379(JP,U)
【文献】 特開2001−212012(JP,A)
【文献】 特開2000−070058(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 81/00
A47B 77/00−77/18
A47K 1/00
E03C 1/184
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床部に設置された洗濯機から延びる排水ホースが、前記床部に埋め込まれた排水設備に接続される建物に適用され、
前記排水設備と前記排水ホースとの接続部分を上方から覆う位置において前記床部に設置される第1収納部と、
前記洗濯機と前記第1収納部との間であって前記第1収納部に横並びの位置において前記床部に設置される第2収納部と、
を備え、
前記第1収納部においては、前記第2収納部側の側面を形成する側板部に、前記排水ホースを通すための第1通し部が設けられており、
前記第2収納部においては、当該第2収納部の両側面を形成する一対の側板部のそれぞれに、前記排水ホースを通すための第2通し部が設けられており、
前記第2収納部における前記第1収納部側の前記第2通し部は、前記第1通し部と連通する位置に配置されていることを特徴とする建物用の収納棚。
【請求項2】
前記第2収納部において、前記一対の側板部に設けられた各第2通し部は、当該側板部の下端から上方に向けて凹んだ切り欠き部とされていることを特徴とする請求項1に記載の建物用の収納棚。
【請求項3】
前記第1収納部及び前記第2収納部は、物品を収納可能な物品スペースをそれぞれ有しており、
前記第1収納部においては、前記排水設備と前記排水ホースとの接続部分を収納する接続スペースが、前記物品スペースの下方に設けられており、
前記第2収納部においては、前記排水ホースを敷設可能なホーススペースが、前記物品スペースの下方に設けられており、
前記第1通し部は、前記接続スペースの側方に配置され、前記第2通し部は、前記ホーススペースの側方に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の建物用の収納棚。
【請求項4】
前記第2収納部は、前記第2通し部を閉鎖することが可能な閉鎖体を有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の建物用の収納棚。
【請求項5】
前記第1収納部は天板を有しており、該天板の上には、前記洗濯機から延びる給水ホースが接続される給水栓が取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の建物用の収納棚。
【請求項6】
前記第2収納部を前記第1収納部の上に載せて設置することが可能な構成であり、
前記第2収納部において、前記一対の側板部のうち前記洗濯機側の側板部には、当該第2収納部が前記第1収納部の上に載せられた状態でユーザが手を差し入れて前記給水栓の操作を可能とする差し入れ部分が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の建物用の収納棚。
【請求項7】
前記第2収納部には、前記洗濯機の上方に設置可能な棚板が収納されており、当該第2収納部は、前記棚板を前記洗濯機の上方において左右方向に延びた状態で支持する支持部を有していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の建物用の収納棚。
【請求項8】
前記棚板は、互いに回動可能に連結された複数の板部を有しており、各板部は、当該棚板が前記第2収納部に収納されている場合には互いに重なった状態とされており、前記洗濯機の上に設置されている場合には横並びに配置された状態になっていることを特徴とする請求項7に記載の建物用の収納棚。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物用の収納棚に関するものである。
【背景技術】
【0002】
住宅等の建物において、洗濯機が洗面室等の居住空間に設置されている場合、その洗濯機は、給水ホースを介して給水栓等の給水設備に接続されているとともに、排水ホースを介して排水トラップ等の排水設備に接続されている。例えば、給水栓が壁部に取り付けられている場合、給水ホースに水を供給する配管が壁内に敷設されると、その分だけ壁厚み寸法が大きくなって居住空間が狭くなることが懸念される。また、排水トラップが床部に設置されている場合、排水トラップを避けて洗濯機を設置することで、排水トラップの上方空間がデッドスペースになることが懸念される。
【0003】
そこで、洗濯機の隣にキャビネット(収納棚)付きの洗面化粧台を設置し、キャビネットの内部に給水設備や排水設備を設置するという技術が提案されている(例えば特許文献1)。この技術では、キャビネットにおいて引き出しの下方スペースに給水ホースや排水ホースが引き込まれ、その下方スペースにおいて給水ホースが給水設備に接続されているとともに排水ホースが排水設備に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−271451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、収納棚の内部に給水設備や排水設備が設置されている場合、収納棚を移動させるには、給水設備や排水設備についての工事が必要になり、単に収納棚を移動させることが大掛かりな作業になってしまう。また、洗濯機の隣に収納棚が設置されている構成において、収納棚の位置を変更することが困難であるということは、洗濯機の位置を変更することが困難であるということになる。さらに、洗濯機の買い替えなどにより洗濯機が大型化した場合には、その洗濯機を収納棚の隣に設置することができないという不都合が生じてしまう。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、洗濯機の周辺にデッドスペースが生じることを抑制でき、しかも、洗濯機の移動や取り替えに適正に対応することができる建物用の収納棚を提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて作用、効果等を示しつつ説明する。
【0008】
第1の発明の建物用の収納棚は、床部に設置された洗濯機から延びる排水ホースが、前記床部に埋め込まれた排水設備に接続される建物に適用され、前記排水設備と前記排水ホースとの接続部分を上方から覆う位置において前記床部に設置される第1収納部と、前記洗濯機と前記第1収納部との間であって前記第1収納部に横並びの位置において前記床部に設置される第2収納部と、を備え、前記第1収納部においては、前記第2収納部側の側面を形成する側板部に、前記排水ホースを通すための第1通し部が設けられており、前記第2収納部においては、当該第2収納部の両側面を形成する一対の側板部のそれぞれに、前記排水ホースを通すための第2通し部が設けられており、前記第2収納部における前記第1収納部側の前記第2通し部は、前記第1通し部と連通する位置に配置されていることを特徴とする。
【0009】
第1の発明によれば、排水設備と排水ホースとの上方スペースを第1収納部の設置スペースとして有効利用することができる。また、第1収納部と洗濯機との間の隙間スペースを第2収納部の設置スペースとして有効利用することができる。しかも、第1収納部と洗濯機との間から第2収納部を取り除くことで、第1収納部と洗濯機との間の隙間スペースを、新たに洗濯機の設置スペースとして利用することが可能となるため、洗濯機の移動や洗濯機の取り替えを好適に行うことができる。したがって、洗濯機の周辺にデッドスペースが生じることを抑制でき、しかも、洗濯機の移動や取り替えに適正に対応することができる。
【0010】
第2の発明では、第1の発明において、前記第2収納部において、前記一対の側板部に設けられた各第2通し部は、当該側板部の下端から上方に向けて凹んだ切り欠き部とされている。
【0011】
第2の発明によれば、第2収納部の移動に際して、第2通し部に排水ホースが通された状態のまま第2収納部が上方に持ち上げられたとしても、排水ホースが第2通し部から下方に離脱するため、排水ホースを排水設備から取り外して第2通し部から引き抜くという作業を行う必要がない。したがって、第2収納部を第1収納部と洗濯機との間から引き出す作業を容易化できる。
【0012】
第3の発明では、第1又は第2の発明において、前記第1収納部及び前記第2収納部は、物品を収納可能な物品スペースをそれぞれ有しており、前記第1収納部においては、前記排水設備と前記排水ホースとの接続部分を収納する接続スペースが、前記物品スペースの下方に設けられており、前記第2収納部においては、前記排水ホースを敷設可能なホーススペースが、前記物品スペースの下方に設けられており、前記第1通し部は、前記接続スペースの側方に配置され、前記第2通し部は、前記ホーススペースの側方に配置されている。
【0013】
第3の発明によれば、第1収納部及び第2収納部において、排水ホースが物品スペースを経由せずに接続スペースやホーススペースに直接引き込むことが可能になっている。このため、第2収納部の内部を経由して第1収納部の内部に排水ホースが引き込まれている構成において、第1収納部や第2収納部の各物品スペースに物品を収納する際に、排水ホースが支障となることを回避できる。
【0014】
第4の発明では、第1乃至第3のいずれかの発明において、前記第2収納部は、前記第2通し部を閉鎖することが可能な閉鎖体を有している。
【0015】
第4の発明によれば、第2収納部においては第2通し部を閉鎖体により覆い隠すことが可能であるため、第2収納部が第1収納部と洗濯機との間から撤去された後に別の位置に設置された場合に、第2通し部により第2収納部の外観が損なわれることや、埃等が第2通し部を通じて第2収納部の内部に侵入することを抑制できる。
【0016】
第5の発明では、第1乃至第4のいずれかの発明において、前記第1収納部は天板を有しており、該天板の上には、前記洗濯機から延びる給水ホースが接続される給水栓が取り付けられている。
【0017】
第5の発明によれば、給水栓の設置スペースを第1収納部の設置スペースとして有効利用することができる。この場合、給水栓が取り付けられていることに起因して第1収納部を移動させることがより一層困難になるが、第2収納部により洗濯機の新たな設置スペースを確保することが可能であるため、洗濯機の移動や洗濯機の取り替えを行う場合に都合が良いことに変わりはない。
【0018】
第6の発明では、第5の発明において、前記第2収納部を前記第1収納部の上に載せて設置することが可能な構成であり、前記第2収納部において、前記一対の側板部のうち前記洗濯機側の側板部には、当該第2収納部が前記第1収納部の上に載せられた状態でユーザが手を差し入れて前記給水栓の操作を可能とする差し入れ部分が設けられている。
【0019】
第6の発明によれば、収納棚を第1収納部と第2収納部とを上下に重ねた状態で使用することが可能となる。しかも、この状態でも、第1収納部の天板に設置された給水栓を、第2収納部の差し入れ部分を通じて操作することが可能になっている。したがって、収納棚の使用態様の自由度を高めることができ、しかも、給水栓の使い勝手が悪くなることを回避できる。
【0020】
第7の発明では、第1乃至第6のいずれかの発明において、前記第2収納部には、前記洗濯機の上方に設置可能な棚板が収納されており、当該第2収納部は、前記棚板を前記洗濯機の上方において左右方向に延びた状態で支持する支持部を有している。
【0021】
洗濯物を上方から出し入れするタイプの洗濯機の場合、出し入れ作業を行うための作業スペースを洗濯機の上方に確保する必要があるが、その作業スペースは、出し入れ作業を行わない時にはデッドスペースになってしまう。また、洗濯機を、洗濯物を前方から出し入れするタイプの洗濯機に取り替えた場合、その洗濯機の上方には作業スペースを確保する必要がなくなってしまう。
【0022】
これに対して、第7の発明によれば、第2収納部に収納されている棚板を、洗濯機の上方に適宜設置することが可能であるため、洗濯機の上方スペースを、洗濯の作業状況や洗濯機のタイプなどに応じて、洗濯機から洗濯物を出し入れするための作業スペースと棚板の設置スペースとで使い分けることができる。このように、洗濯機及び第2収納棚の使い勝手を良くすることができる。
【0023】
第8の発明では、第7の発明において、前記棚板は、互いに回動可能に連結された複数の板部を有しており、各板部は、当該棚板が前記第2収納部に収納されている場合には互いに重なった状態とされており、前記洗濯機の上に設置されている場合には横並びに配置された状態になっている。
【0024】
第8の発明によれば、洗濯機の幅寸法に合わせて棚板の長さ寸法を適宜調整することができる。これにより、洗濯機の上方スペース全体を棚板の設置スペースとして有効利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】洗面室における洗濯機及び収納棚の配置を示す図
図2】収納棚の構成を示す図
図3】第2収納部を移動させた後の洗面室の平面図
図4】別の収納棚の側面図
図5】別の第2収納部の構成を示す図
図6】(a)は別の第1収納部の斜視図、(b)は別の洗面室の平面図
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を具体化した一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は洗面室11における洗濯機13及び収納棚14の配置を示す図である。なお、図1においては、(a)に洗面室11の平面図を示し、(b)に収納棚14の斜視図を示し、(c)に(a)のA−A線断面図を示しており、(c)においては、引き出し22の図示を省略しており、天板24については取付部45の断面図を示している。
【0027】
図1(a)に示すように、建物10は居住空間としての洗面室11を有しており、その洗面室11には、洗面台12、洗濯機13及び収納棚14が設置されている。洗面室11は、間仕切壁や外壁等の壁体16により屋外空間や他の居住空間に対して仕切られており、壁体16は、互いに対向する一対の対向壁部17と、それら対向壁部17を連結する連結壁部18とを有している。
【0028】
洗面台12、洗濯機13及び収納棚14は、一対の対向壁部17の間において連結壁部18に沿って横並びに配置されている。収納棚14は、一対の対向壁部17のうち一方の対向壁部17と洗濯機13との間に配置されている。収納棚14の幅寸法は、その収納棚14を挟んで隣り合う洗濯機13と対向壁部17との離間距離よりも若干小さくされており、それら洗濯機13と対向壁部17との間の狭小スペースを収納棚14の設置スペースとして有効利用している。
【0029】
なお、洗濯機13及び収納棚14が設置されている居住空間は、洗面室11ではなく脱衣室や洗濯室などとされていてもよい。また、洗面台12は洗面台設備に相当する。
【0030】
収納棚14は、互いに横並びに配置された収納部14a,14bを有している。収納部14a,14bは、対向壁部17と洗濯機13との並び方向に沿って並べられており、収納部14a,14bのうち、第1収納部14aが対向壁部17側に配置され、第2収納部14bが洗濯機13側に配置されている。この場合、第2収納部14bは、第1収納部14aと洗濯機13との間に配置されていることになる。
【0031】
図1(b),(c)に示すように、収納部14a,14bは、洗面室11の床部19の上に設置されている。収納部14a,14bは、略直方体形状の収納本体21と、収納本体21から引き出される引き出し22とをそれぞれ有している。収納本体21は、天板24と一対の側板部25とを有しており、天板24は一対の側板部25により支持されている。一対の側板部25は、所定間隔で互いに対向しており、天板24はそれら側板部25の上に設置されている。一対の側板部25は横桟26により連結されている。横桟26は、一対の側板部25の間に配置されており、それら側板部25に架け渡された状態になっている。横桟26は、収納本体21の前面側及び背面側のそれぞれにおいて、上下方向に複数並べられている。
【0032】
また、収納本体21は、前面を形成する前板部27と、後面(背面)を形成する後板部28とを有している。後板部28は、一対の側板部25の間に配置されており、その側端面が側板部25の板面に重ねられた状態で、ビス等により側板部25に固定されている。これに対して、前板部27は、一対の側板部25の前方に配置されており、その板面が各側板部25の側端面に重ねられた状態で、ビス等により側板部25に固定されている。収納本体21においては、底板が設けられておらず、その内部空間が下側に向けて開放されている。
【0033】
収納部14a,14bにおいて、引き出し22は、略直方体形状の箱体とされており、収納本体21における一対の側板部25の間に複数設けられている。各引き出し22は、上下に並べられており、洗濯機13と収納棚14との並び方向に対して交差する方向に引き出すことが可能になっている。収納本体21においては、前板部27が天板24から下方に離間した位置に配置されており、その離間部分を通じて各引き出し22が収納本体21の内部に入り込んだ状態になっている。
【0034】
各引き出し22は収納本体21から引き出して手前側に取り外すことが可能になっており、各引き出し22が取り外された場合、収納本体21の内部空間が天板24と前板部27との間において手前側に向けて開放された状態になる。
【0035】
収納部14a,14bにおいては、各収納本体21が同じ大きさ及び形状とされている。例えば、各収納本体21は、同じ高さ寸法を有しており、それぞれの天板24は同じ高さ位置に配置されている。また、各収納本体21は、同じ奥行き寸法及び幅寸法を有しており、それぞれの側板部25、前板部27及び後板部28は同じ大きさ及び寸法とされている。なお、収納部14a,14bの各収納本体21は、大きさ及び形状が異なっていてもよい。
【0036】
建物10には、洗濯機13に水を供給するための給水設備31と、洗濯機13から排出された水を下水設備等に流す排水設備32とが設けられている。洗濯機13は、給水ホース34を介して給水設備31に接続されているとともに、排水ホース35を介して排水設備32に接続されている。給水ホース34及び排水ホース35は、合成樹脂材料などにより形成されており、可撓性を有する可撓管とされている。
【0037】
給水設備31は、洗濯機13への給水の実行及び停止を切り替える給水栓37と、給水栓37に水を供給する給水設備配管38とを有している。給水栓37は、給水ホース34を介して洗濯機13の給水口に接続されており、給水栓37から流れ出た水は、給水ホース34を介して給水口から洗濯機13の内部に供給される。給水栓37は、給水ホース34が接続された蛇口等のホース接続部37aと、給水設備配管38が接続された配管接続部37bとを有している。給水設備配管38は、床部19から上方に向けて立ち上げられている。
【0038】
排水設備32は、洗濯機13から排出された水が流れ込む排水トラップ41と、排水トラップ41からの排水を下水設備に案内する排水設備配管42とを有している。排水トラップ41は、床埋め込みタイプの封水トラップであり、排水の一部を封水として溜めている。排水トラップ41は、排水ホース35が接続されたホース接続部41aと、排水設備配管42が接続された配管接続部41bとを有している。排水トラップ41は、ホース接続部41aを床部19の上側に露出させた状態で設置されている。
【0039】
本実施形態では、排水トラップ41の上方に第1収納部14aが設置されている。この場合、第1収納部14aは、排水トラップ41のホース接続部41a(排水設備32と排水ホース35との接続部分)と上下に重なる位置に配置されており、そのホース接続部41aを上方から覆った状態になっている。この場合、ホース接続部41aは、下方から第1収納部14aの内部空間に入り込んだ状態になっている。
【0040】
ホース接続部41aに接続された排水ホース35は、排水トラップ41と洗濯機13とに掛け渡された状態になっている。収納部14a,14bには、排水ホース35を通すことが可能な通し部43,44が設けられている。排水ホース35は、それら通し部43,44に挿通されており、それによって、洗濯機13から第2収納部14bの内部空間を通過して第1収納部14aの内部に入り込んだ状態で、ホース接続部41aに接続されている。通し部43,44のうち第1通し部43は第1収納部14aに設けられており、第2通し部44は第2収納部14bに設けられている。第1通し部43は、第1収納部14aにおいて一対の側板部25のうち第2収納部14b側の側板部25に形成されており、第2通し部44は、第2収納部14bにおいて一対の側板部25のそれぞれに形成されている。
【0041】
横並びに配置されている収納部14a,14bにおいては、互いの側板部25が重なった状態になっている。この場合、第1収納部14aにおける第2収納部14b側の側板部25と、第2収納部14bにおける第1収納部14a側の側板部25とが板面同士で重ねられている。これら側板部25に形成された第1通し部43及び第2通し部44は、収納部14a,14bの並び方向において重なった位置に配置されており、互いに連通された状態になっている。
【0042】
また、第1収納部14aには給水栓37が取り付けられている。給水栓37は、住人等により操作される操作部37cを有しており、操作部37cが操作されることで給水の実行及び停止を切り替えることになる。給水栓37は、操作部37cを第1収納部14aの上側に露出させた状態で、天板24に取り付けられている。
【0043】
天板24には、給水栓37を取り付けるための取付部45が設けられており、取付部45は、天板24を貫通する貫通孔45aを有している。ここで、第1収納部14aは、給水設備配管38が床部19から立ち上がっている部分に設置されており、給水設備配管38は、下方から第1収納部14aの内部空間に入り込んだ状態になっている。また、給水栓37は、配管接続部37bが貫通孔45aを通じて収納本体21の内部に入り込んだ状態で天板24の上に設置されており、第1収納部14aの内部空間において、給水設備配管38の上端部が給水栓37の配管接続部37bに接続されている。
【0044】
上記のように、第2収納部14bは、第1収納部14aとは異なり、排水トラップ41とは上下に重ならない位置に配置されており、給水栓37は第2収納部14bに取り付けられていない。また、第1収納部14aは、給水設備31の一部(給水栓37)が取り付けられているなど、その設置位置を容易には変更することができないようになっているのに対して、第2収納部14bはその設置位置を容易に変更することができるようになっている。
【0045】
ここでは、収納部14a,14bの構成について、図2を参照しつつ詳細に説明する。図2は収納棚14の構成を示す図であり、(a)に図1(a)のB−B線断面図を示し、(b)に図1(a)のC−C線断面図を示している。
【0046】
まず、第1収納部14aについて説明する。図2(a)に示すように、第1収納部14aは、給水設備配管38の立ち上げ位置及び排水トラップ41のホース接続部41aの両方に対して、上下に重なる位置に設置されている。ここで、第1収納部14aは、各引き出し22を収納している引き出しスペース51と、給水設備配管38を設置することが可能な給水用スペース52と、排水トラップ41のホース接続部41aを下方から入り込ませることが可能な排水用スペース53とを有している。これにより、第1収納部14aを給水設備配管38の立ち上げ位置及びホース接続部41aの上側に設置することが可能になっている。
【0047】
なお、第1収納部14aの排水用スペース53が、排水設備32と排水ホース35との接続部分を収納する接続スペースに相当し、引き出しスペース51が、物品を収納可能な物品スペースに相当する。
【0048】
給水用スペース52は、引き出しスペース51の後方(奥側)に配置された後方スペースになっており、排水用スペース53は、引き出しスペース51の下方に配置された下方スペースになっている。引き出しスペース51、給水用スペース52及び排水用スペース53は、収納本体21の内部空間が分割されて定められた各空間部であり、一対の側板部25の間に配置されている。
【0049】
引き出しスペース51は、収納本体21の前面に沿って天板24の下面から下方に向けて延びているとともに、天板24に沿って収納本体21の前面から奥側に向けて延びている。
【0050】
排水用スペース53は、引き出しスペース51と上下に重ねて配置されており、平面視で引き出しスペース51と同じ大きさ及び形状を有している。排水用スペース53は、前板部27の奥側に配置されており、その前板部27と同じ又はそれよりも小さい高さ寸法を有している。
【0051】
第1収納部14aにおいては、第1通し部43が排水用スペース53の側方に配置されている。第1通し部43は、第1収納部14aの幅方向において引き出しスペース51及び給水用スペース52とは重ならない位置に形成されている。この場合、排水ホース35は、引き出しスペース51や給水用スペース52を経由することなく、第1通し部43を通じて排水用スペース53に直接引き込まれている。第1通し部43は、側板部25に形成された開口部であり、例えば貫通孔とされている。
【0052】
給水用スペース52の位置は、引き出しスペース51だけでなく排水用スペース53の後方位置にもなっており、給水用スペース52は、引き出しスペース51及び排水用スペース53に対して収納本体21の前後方向に沿って横並びに配置されている。給水用スペース52は、収納本体21の背面(後板部28)に沿って天板24の下面から下方に向けて延びており、取付部45から収納本体21の下端(床面)まで達している。また、給水用スペース52は、天板24に沿って収納本体21の背面側から手前側に向けて延びている。
【0053】
収納本体21において、前板部27は、排水用スペース53を手前側から覆った状態になっている。ここで、収納本体21から最下段の引き出し22が引き出して取り外された場合、排水用スペース53は、天板24と前板部27との間の離間部分を通じて、第1収納部14aの前方に開放されることになる。この場合、作業者は、第1収納部14aが排水トラップ41のホース接続部41aの上方に設置された状態のまま、ホース接続部41aに対する排水ホース35の接続作業や接続解除作業などを行うことが可能となる。
【0054】
なお、収納本体21においては、前板部27が開閉可能になっていてもよい。例えば、前板部27が、一対の側板部25に対して回動可能に軸支されており、上端が収納本体21の外側に向けて倒れるように回動することで開状態に移行し、上端が起き上がるように回動することで閉状態に移行する構成とする。この場合、収納本体21から最下段の引き出し22を取り外さなくても、前板部27を開状態にすることで、第1収納部14aの前方位置から排水用スペース53にアクセスすることが可能になる。
【0055】
次に、第2収納部14bについて、第1収納部14aとの相違点を中心に説明する。図2(b)に示すように、第2収納部14bは、給水設備配管38の立ち上げ位置及び排水トラップ41のホース接続部41aの両方に対して、上下に重ならない位置に設置されている。この場合、第2収納部14bにおいては、給水設備配管38及びホース接続部41aが入り込んだ状態にはなっておらず、第2収納部14bは、第1収納部14aと同様に引き出しスペース51及び排水用スペース53を有している一方で、給水用スペース52を有していない。ここで、第2収納部14bの排水用スペース53には、ホース接続部41aは入り込んでいないが、排水ホース35が通されている。
【0056】
第2収納部14bにおいては、給水用スペース52がない分だけ、第1収納部14aに比べて引き出しスペース51の奥行き寸法が大きくなっており、それに伴って、各引き出し22の奥行き寸法が大きくなっている。
【0057】
また、第2収納部14bにおいては、各第2通し部44が排水用スペース53の側方に配置されている。第2通し部44は、第2収納部14bの幅方向において引き出しスペース51とは重ならない位置に形成されている。この場合、排水ホース35は、引き出しスペース51を経由することなく、洗濯機13側の第2通し部44を通じて排水用スペース53に直接引き込まれているとともに、第1収納部14a側の第2通し部44を通じて排水用スペース53から直接引き出されている。この場合、第2収納部14bの排水用スペース53が、排水ホース35を敷設可能なホーススペースに相当する。
【0058】
各第2通し部44は、それぞれ側板部25に形成された開口部であり、側板部25の下端から上方に向けて凹んでいる切り欠き部とされている。この場合、第2通し部44は、下方に向けて開放されているため、例えば、第2通し部44に排水ホース35が挿通された状態のまま第2収納部14bが上方に持ち上げられた場合に、排水ホース35は第2通し部44に引っ掛かった状態にならずに第2通し部44から下方に離脱することになる。
【0059】
第2収納部14bには、第2通し部44を閉鎖する閉鎖体54が第2通し部44ごとに設けられている。閉鎖体54は、第2通し部44を閉鎖する閉状態と、閉鎖しない開状態とに移行可能とされており、閉鎖体54が開状態にある場合に、第2通し部44に排水ホース35を通すことが可能なっている。閉鎖体54は、側板部25に重ねた状態で配置された板部であり、その側板部25に沿って第2収納部14bの前後方向にスライド移動可能になっている。閉鎖体54は、排水用スペース53に配置されており、閉状態にある場合に第2通し部44を第2収納部14bの内側から閉鎖することになる。
【0060】
図1(c)の説明に戻り、第2収納部14bにおける第1収納部14a側の第2通し部44は、第1収納部14aの第1通し部43と連通しており、それら第2通し部44と第1通し部43とに排水ホース35を通すことが可能になっている。これら第2通し部44と第1通し部43とは、収納棚14の幅方向において重なる位置に配置されている。
【0061】
第2収納部14bの各第2通し部44は、第2収納部14bの幅方向において重なる位置に配置されている。したがって、これら第2通し部44のそれぞれに排水ホース35を挿通させることが容易になっている。なお、各第2通し部44は、第2収納部14bの幅方向において重ならない位置に配置されていてもよい。この場合でも、各第2通し部44が排水用スペース53を挟んで配置されていることに起因して、それら第2通し部44のそれぞれに排水ホース35を挿通させることは可能となる。
【0062】
収納棚14の使用方法について図1図3を参照しつつ説明する。図3は第2収納部14bを移動させた後の洗面室11の平面図であり、(a)に洗濯機13を移動させた場合を示し、(b)に洗濯機13を別の洗濯機56に取り替えた場合を示す。
【0063】
図1(a)においては、洗濯機13と第1収納部14aとの間に第2収納部14bが配置されていたが、図3(a)においては、第2収納部14bの位置が洗濯機56の反対側に変更され、洗濯機56の位置が第1収納部14a側に近付いた位置に変更されている。
【0064】
洗濯機13と第2収納部14bとの取り替え作業に際して、作業者は、まず第2収納部14bを上方に持ち上げることで、第2通し部44から排水ホース35を離脱させ、第2収納部14bを洗濯機13と第1収納部14aとの間の位置から手前側に引き出し、洗濯機13の移動作業に支障とならない位置に仮置きする。なお、第2収納部14bの移動に際して、排水トラップ41に対する排水ホース35の接続を解除する必要がないため、第2収納部14bの移動作業を容易化できる。
【0065】
その後、洗濯機13を第1収納部14a側に近付く位置に移動させる。この場合、洗濯機13は、第2収納部14bの幅寸法と同じ距離だけ洗面台12から離間する。ここで、第2収納部14bについて、各閉鎖体54をスライド移動させることで閉状態に移行させ、その状態の第2収納部14bを洗濯機13と洗面台12との間の離間部分に設置する。この場合、埃等が第2通し部44を通じて第2収納部14b内に侵入することが閉鎖体54により規制される。
【0066】
図3(b)においては、洗面台12の隣に洗濯機13とは別の洗濯機56が設置されている。洗濯機56の幅寸法は洗濯機13よりも大きい幅寸法を有している。具体的には、図1(a)、図3(b)に示すように、洗濯機56の幅寸法をW1とし、洗濯機13の幅寸法をW2とし、第2収納部14bの幅寸法をW3とした場合に、W1≦W2+W3となっており、洗濯機13及び第2収納部14bが設置されていた領域に洗濯機56が設置されている。
【0067】
洗濯機13と洗濯機56との取り替え作業に際して、作業者は、給水ホース34及び排水ホース35を給水栓37及び排水トラップ41からそれぞれ取り外し、洗濯機13及び第2収納部14bを第1収納部14aと洗面台12との間から引き出す。そして、別の洗濯機56を第1収納部14aと洗面台12との間に設置する。この場合、第2収納部14b及び洗濯機13のいずれを第1収納部14aと洗面台12との間から引き出してもよいが、第2収納部14bを先に引き出した場合には、排水トラップ41から取り外した排水ホース35を第2通し部44から引き抜く作業を行わなくて済むため、洗濯機13を先に引き出す場合に比べて作業負担が低減されることになる。
【0068】
第2収納部14b及び洗濯機13の撤去後、それら第1収納部14aと洗面台12との間に別の洗濯機56を設置する。そして、洗濯機56を給水ホース34及び排水ホース35を介して給水栓37及び排水トラップ41のそれぞれに接続する。
【0069】
なお、移動後の第2収納部14bは、洗面室11の他の位置や、他の居住空間に設置することが可能であり、その場合には、閉鎖体54により第2通し部44を閉鎖した状態とすることで、第2通し部44により第2収納部14bの外観が損なわれることを抑制できる。
【0070】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0071】
収納棚14においては、第1収納部14aが給水栓37の取付対象になっていることで移動させることができない一方で、第2収納部14bが移動可能になっているため、第1収納部14aと洗濯機13との間から第2収納部14bを撤去することで、第1収納部14aと洗濯機13との間のスペースを、新たに洗濯機の設置スペースとして利用することが可能となる。したがって、洗濯機13の周辺にデッドスペースが生じることを抑制でき、しかも、洗濯機13の移動や取り替えに適正に対応することができる。
【0072】
第2収納部14bの第2通し部44は、下方に向けて開放された切り欠き部とされているため、第2通し部44から排水ホース35をあらかじめ引き抜いておかなくても、第2収納部14bが上方に持ち上げられた場合に排水ホース35が第2通し部44から下方に離脱する。したがって、第2収納部14bを第1収納部14aと洗濯機13との間から引き出す作業を容易化できる。
【0073】
収納部14a,14bにおいては、通し部43,44が排水用スペース53に通じているため、排水ホース35を引き出しスペース51を経由せずに排水用スペース53に直接引き込むことが可能になっている。このため、排水用スペース53に敷設された排水ホース35が引き出し22の出し入れや物品の収納に際して支障になるということを回避できる。
【0074】
第2収納部14bにおいては、閉鎖体54により第2通し部44を閉鎖することが可能になっているため、第2収納部14bが第1収納部14aと洗濯機13との間から撤去されて別の場所に設置された場合に、第2通し部44により第2収納部14bの外観が損なわれることや、埃等が第2通し部44を通じて第2収納部14b内に侵入することを抑制できる。
【0075】
収納部14a,14bにおいて、収納本体21から引き出し22を取り外すことで、排水用スペース53を前方から視認することができる。また、その状態で排水用スペース53において排水設備32や排水ホース35に対するメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0076】
第1収納部14aにおいては、引き出しスペース51の奥側に給水用スペース52が配置されているため、引き出し22が収納本体21の前後方向に目一杯には長くなっておらず、引き出し22の最奥部分であっても物品を収納したり取り出したりすることを容易に行うことができる。
【0077】
第1収納部14a及び第2収納部14bにおいては、引き出し22を配置しても使い勝手が悪くなってしまうほど低い位置に排水用スペース53が配置され、その上に引き出し22が設置されているため、上下方向について収納部14a,14bの内部空間を有効利用することになる。
【0078】
第1収納部14aにおいては、給水用スペース52が上下方向に延びており、排水用スペース53が前後方向に延びているため、洗濯機13と第2収納部14bとの間の隙間という幅の狭い狭小空間に設置されていても、給水用スペース52及び排水用スペース53を極力大きく確保することが可能となる。また、給水用スペース52は収納本体21の下端にまで達しているため、排水設備配管42に加えて給水設備配管38も床部19から立ち上げることができる。さらに、排水用スペース53が前後方向に延びているため、排水トラップ41を収納本体21における手前側に配置できる。これにより、排水トラップ41に排水ホース35を接続する作業を容易に行うことができる。
【0079】
第1収納部14aにおいては、給水用スペース52と排水用スペース53とが前後に並べて配置されているため、これらスペース52,53が幅方向に並べられた場合に比べて、第1収納部14aの幅寸法を小さくすることができる。換言すれば、給水用スペース52及び排水用スペース53の各幅寸法を収納本体21に合わせて目一杯大きくすることができる。これは、メンテナンスに際しての作業スペースを極力大きく確保することになるため、作業性を高めることができる。
【0080】
[他の実施形態]
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
【0081】
(1)上記実施形態では、第1収納部14aと洗濯機13との間から引き出した第2収納部14bは、第1収納部14aとは別の場所に設置されるとしたが、図4に示すように、第2収納部14bは、第1収納部14aの上に設置されてもよい。この構成によれば、収納棚14において、第1収納部14aと第2収納部14bとの設置態様に関する自由度が高められることになるため、収納棚14の使い勝手を良くすることができる。
【0082】
この構成では、第2収納部14bが第1収納部14aの上に設置された状態で、ユーザが手を差し入れることで給水栓37の操作を可能とする差し入れ部が第2収納部14bに設けられている。差し入れ部は、第2収納部14bにおける洗濯機13側の側板部25に設けられている。
【0083】
第2収納部14bに差し入れ部が設けられている構成としては、図4(a)に示すように、側板部25に操作用開口61が形成された構成が挙げられる。操作用開口61は、洗濯機13側の側板部25に設けられており、その側板部25の下端から上方に向けて凹んだ切り欠き部とされている。第2収納部14bは、閉鎖体54とは別の閉鎖体を有しており、その閉鎖体により操作用開口61を閉鎖可能になっている。このため、第2収納部14bが第1収納部14aと横並びに配置されている場合には、操作用開口61が閉鎖体により閉鎖されており、操作用開口61から埃等が第2収納部14bの内部に侵入するということを抑制できる。
【0084】
また、第2収納部14bに差し入れ部が設けられている構成としては、図4(b)に示すように、第2収納部14bの収納本体21が、給水栓37と上下に重なる位置には設けられていない構成が挙げられる。この構成では、第2収納部14bの側板部25の奥行き寸法が、第1収納部14aの側板部25の奥行き寸法よりも小さく、第2収納部14bが第1収納部14aに対して前面同士が同一面となる位置に配置されている。この場合、第2収納部14bの側板部25の奥側端部は、第1収納部14aの側板部25の奥側端部よりも手前側に配置されており、それら奥側端部同士の間に給水栓37が配置されている。このため、第2収納部14bの側板部25よりも奥側領域の全体が、側板部25の設置されていない差し入れ部に相当する。
【0085】
また、この構成では、第2収納部14bの天板24が、第1収納部14aの天板24と同じ奥行き寸法を有している。この場合、第2収納部14bにおいては、天板24が側板部25よりも奥側に突出しており、その突出部分の下方領域が、側板部25の設置されていない差し入れ部に相当する。
【0086】
(2)上記実施形態では、第2収納部14bは、引き出し22を収納していたが、図5(a)に示すように、第2収納部14bは、その第2収納部14bにより支持可能な棚板65を収納していてもよい。この構成では、上記実施形態における引き出しスペース51に相当する領域が、棚板65を収納可能な棚板スペースとされており、その棚板スペースに棚板65が上下方向に延びる状態で収納されている。この構成によれば、洗濯機13の上方スペースを、洗濯機13に洗濯物を出し入れする作業スペース、及び棚板65の設置スペースとして適宜使い分けることが可能となり、洗濯機13及び第2収納部14bの使い勝手を良くすることができる。また、第2収納部14bの高さ寸法は洗濯機13の高さ寸法よりも大きくされている。加えて、第2収納部14bの前面全体が前板部27により形成されている。
【0087】
第2収納部14bが棚板65を収納している構成としては、図5(b)に示すように、第2収納部14bの天板24が開閉可能とされた構成が挙げられる。この構成では、天板24が開放されることで棚板65を上方に引き出すことが可能とされている。天板24は、収納本体21に対して回動可能に軸支されており、上側の隅角を通って第2収納部14bの厚み方向に延びる軸線を中心に回動することで、収納本体21から上方に引き出され、その後、第2収納部14bの奥行き方向に延びる軸線を中心に回動することで、上下方向に延びる起立状態から左右方向に延びる水平状態に移行する。これにより、洗濯機13の上方に棚板65が設置される。
【0088】
なお、この構成では、第2収納部14bが、棚板65を回動可能に軸支する軸支部を有しており、その軸支部が棚板65を支持する支持部に相当する。
【0089】
また、第2収納部14bが棚板65を収納している構成としては、図5(c)に示すように、棚板65が天板24の上に設置される構成が挙げられる。この構成では、収納本体21の前板部27が開閉可能とされており、前板部27を開放させることで棚板65を手前側にスライド移動させて引き出すことが可能になっている。棚板65は、複数の板部65aを有しており、それら板部65aは互いに回動可能に連結されている。棚板65は、それら板部65aが互いに重なるように折り畳んだ状態で第2収納部14bの内部に収納されており、各板部65aが横並びとなるように拡げた状態で天板24の上に設置される。
【0090】
第2収納部14bは、天板24の上に載せられた棚板65を支持する支持部としての引っ掛け部66を有している。引っ掛け部66は、天板24の上から上方に延びており、棚板65の端部に上から引っ掛けられる引っ掛け部になっている。棚板65は、天板24の上に載せられた状態で、その棚板65の一端が引っ掛け部66に引っ掛けられることによりその引っ掛け部66により支持されることになる。
【0091】
棚板65が天板24の上に載せられる構成としては、図5(d)に示すように、棚板65が洗濯機13を跨いで第2収納部14bと対向壁部17とに掛け渡された構成が挙げられる。この構成では、収納棚14と対向壁部17との間に洗濯機13が設置されており、対向壁部17には、棚板65を載せるための載置部67が設けられている。対向壁部17には、洗面室11側に向けて開放された凹部が設けられており、その凹部により載置部67が形成されている。この構成では、第2収納部14bの天板24及び載置部67が、棚板65を支持する支持部を構成していることになる。
【0092】
なお、棚板65が洗濯機13の上に設置される構成においては、洗濯機13の上方に設置した状態の棚板65の幅寸法が洗濯機13の幅寸法よりも大きいことが好ましい。これにより、洗濯機13の幅方向において、洗濯機13の上方スペース全体を棚板65の設置スペースとして有効利用することができる。
【0093】
(3)第1収納部14aは、複数の部分に分割可能とされていてもよい。例えば、図6(a)に示すように、第1収納部14aが、給水栓37が取り付けられた固定部分71と、移動可能な可動部分72とを有している構成とする。この構成では、固定部分71と可動部分72とが、第1収納部14aの奥行き方向に沿って横並びに配置されている。可動部分72の収納本体21には、床面に載置されたキャスター等の回転体73が複数取り付けられており、それら回転体73が回転することで可動部分72が移動する。可動部分72の内部空間は物品を収納する物品スペースとされており、側方に向けて開放されている。物品スペースは板材74により上下に仕切られており、その板材の上に物品を載置することが可能になっている。
【0094】
可動部分72においては、収納本体21が回転体73により床面から上方に離間した位置に保持されており、その離間部分が、排水ホース35を通すことが可能な第2通し部に相当する。
【0095】
(4)第1収納部14aと洗濯機13との間には、複数の第2収納部14bが設置されていてもよい。例えば、図6(b)に示すように、第1収納部14aと洗濯機13との間に2つの第2収納部14bが設置された構成とする。この構成では、洗濯機13の移動や取り替えを行う場合に、その洗濯機13の位置や幅寸法に合わせて撤去する第2収納部14bの数を選択することで、洗濯機13の設置可能なスペースの大きさをきめ細かく設定することができる。
【0096】
(5)洗濯機13と収納棚14とが横並びに配置されていれば、洗濯機13と洗面台12とは横並びに配置されていなくてもよい。例えば、図6(c)に示すように、対向壁部17を挟んで配置された一対の連結壁部18のうち、一方の連結壁部18側に洗面台12が設置され、他方の連結壁部18側に洗濯機13及び収納棚14が設置された構成とする。この構成でも、上記実施形態と同様に、対向壁部17と洗濯機13との間に収納棚14が設置されている。
【0097】
また、図6(d)に示すように、対向壁部17側に洗面台12が設置され、洗濯機13及び収納棚14が連結壁部18側に設置された構成とする。この構成では、連結壁部18と洗濯機13との間に収納棚14が設置されている。
【0098】
さらに、収納棚14は、対向壁部17等の壁部と洗濯機13との間ではなく、洗面台12と洗濯機13との間に設置されていてもよい。
【0099】
(6)上記実施形態では、第2収納部14bの第2通し部44が切り欠き部とされていたが、第2通し部44は貫通孔とされていてもよい。また、第1収納部14aの第1通し部43が貫通孔とされていたが、第1通し部43は側板部25の下端から上方に向けて凹んだ切り欠き部であってもよい。要は、第1通し部43及び第2通し部44は、いずれも側板部25に形成された開口部であればよい。さらに、第1通し部43は、側板部25の奥側部分に配置されていてもよく、1つの側板部25に対して複数設けられていてもよい。同様に、第2通し部44は、側板部25の奥側部分に配置されていてもよく、1つの側板部25に対して複数設けられていてもよい。
【0100】
(7)第2収納部14bにおいて、閉鎖体54は、第2通し部44を閉鎖可能であれば、上下方向にスライド移動可能とされていてもよく、上下方向に延びる回動軸を中心に回動可能に設けられていてもよい。また、閉鎖体54は、第2収納部14bの外側に設けられていてもよい。なお、閉鎖体54は設けられていなくてもよい。
【0101】
(8)収納部14a,14bは、底板を有していてもよい。例えば、第1収納部14aが底板を有している場合、底板には排水トラップ41のホース接続部41aを収納本体21の内側に露出させるための開口が形成されていることが好ましい。
【0102】
(9)上記実施形態では、第1収納部14aにおいて、給水用スペース52と排水用スペース53とが前後に配置されていたが、左右に配置されていてもよい。例えば、第1収納部14aの幅方向において、給水用スペース52が第2収納部14bとは反対側に配置され、排水用スペース53が第2収納部14b側に配置されている構成とする。この構成では、排水用スペース53が収納本体21の前面から背面まで延びており、収納本体21の背面側の下端部付近において、給水用スペース52と排水用スペース53とが第1収納部14aの幅方向において横並びに配置されている。
【0103】
(10)上記実施形態では、第1収納部14aにおいて、給水用スペース52が天板24から下方に向けて延びて収納本体21の下端に達していたが、給水用スペース52は収納本体21の下端まで達していなくてもよい。例えば、排水用スペース53が収納本体21の下面の全体に沿って延びるように設けられ、給水用スペース52が排水用スペース53の上方に配置された構成とする。この構成では、給水設備配管38は、床部19から立ち上げられているのではなく、壁体16から側方に向けて突出して設けられており、収納本体21の側面や背面から給水用スペース52に入り込んでいることが好ましい。
【0104】
(11)収納部14a,14bにおいて、排水用スペース53は、各収納本体21の下端から上方に向けて延びて天板24の下面に達していてもよい。なお、この場合、排水用スペース53は、引き出しスペース51の奥側に配置されていることが好ましい。
【0105】
(12)第1収納部14aにおいて、引き出しスペース51は、収納本体21の前面から背面まで達するように延びていてもよい。この場合、引き出しスペース51は、給水用スペース52の下側において収納本体21の背面まで延びていることが好ましい。つまり、給水用スペース52の下側に引き出し22が配置されていることが好ましい。
【0106】
(13)収納部14a,14bにおいて、引き出しスペース51は、収納本体21の天板24から下面まで達するように延びていてもよい。この場合、引き出しスペース51は、排水用スペース53の手前側において収納本体21の下面まで延びていることが好ましい。つまり、排水用スペース53の手前側に引き出し22が配置されていることが好ましい。
【0107】
(14)給水ホース34は、給水栓37を介さずに給水設備配管38に直接接続されていてもよい。この場合、給水設備31において給水設備配管38の端部が給水接続部に相当することになる。同様に、排水ホース35は、排水トラップ41を介さずに排水設備配管42に直接接続されていてもよい。この場合、排水設備32において排水設備配管42の端部が排水接続部に相当することになる。
【0108】
(15)第1収納部14aは、建物10の一部として設置された作り付けの収納部とされていてもよい。例えば、天板24が壁体16の下地フレーム等に連結されることで、壁体16により支持された構成とする。
【0109】
(16)排水トラップ41は、床埋め込みタイプではなく、床上に設置されるタイプとされていてもよい。この場合、第1収納部14aの排水用スペース53に排水トラップ41が収容され、その排水トラップ41に接続される排水設備配管42が床下又は壁内から引き出されていることが好ましい。
【符号の説明】
【0110】
10…建物、13…洗濯機、14…収納棚、14a…第1収納部、14b…第2収納部、24…支持部としての天板、25…第1収納部の側板部、及び第2収納部の側板部、32…排水設備、34…給水ホース、35…排水ホース、37…給水栓、43…第1通し部、44…第2通し部、51…物品スペースとしての引き出しスペース、53…接続スペースとしての第1収納部の排水用スペース、及びホーススペースとしての第2収納部としての排水用スペース、54…閉鎖体、61…差し入れ部としての操作用開口、65…棚板、65a…板部、66…支持部としての引っ掛け部、67…支持部としての載置部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6