(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記工程(a1)又は前記工程(a2)は、前記側溝内に収納された前記保護管の長手方向適所を固定部材によって前記側溝に固定する作業を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の共同溝化工法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の共同溝化工法は、既設の側溝の上下方向中途部に底板部材を後付けして、側溝内の上部空間を排水路とする方法であるから、施工が完了してから例えば数年後に、底板部材を取り外すことによってケーブルの追加や交換を行えるという利点もある。
その反面、排水路となる上部空間の水密性を確保するために、底板部材の幅方向端部と支持部材との間と、排水方向で互いに隣接する接続端同士とを、例えばブチルゴム等による乾式の止水処理を施す必要があり、この点で施工が煩雑になるという問題があった。
【0008】
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、既設の排水側溝に対する共同溝化を実施するに当たり、側溝内に新たに形成する排水空間の水密性を簡便に確保できるようにして、施工の簡略化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1) 第1の本発明は、既設の側溝に対する共同溝化工法であって、次の工程(a1)〜(c1)を含むことを特徴とする。
(a1) 前記側溝内にケーブルの保護管を収納する工程
(b1) 前記側溝の溝高さよりも低いレベルで当該側溝内に未硬化コンクリートを充填することにより、当該未硬化コンクリートによって前記保護管を埋める工程
(c1) 前記未硬化コンクリートの硬化を待つことにより、前記保護管を内部に含む硬化コンクリートよりなる溝内基礎部と、当該溝内基礎部の上方に位置する排水空間とを形成する工程
【0010】
第1の本発明によれば、側溝の溝高さよりも低いレベルで当該側溝内に未硬化コンクリートを充填し、保護管を内部に含む硬化コンクリートよりなる溝内基礎部と、当該溝内基礎部の上方に位置する排水空間とを形成するので、施工時に乾式の止水処理を行わなくても、排水空間の水密性を確保することができる。
従って、側溝内に新たに形成する排水空間の水密性を簡便に確保でき、施工の簡略化を図ることができる。
【0011】
(2) 第2の本発明は、既設の側溝に対する共同溝化工法であって、次の工程(a2)〜(c2)を含むことを特徴とする。
(a2) 前記側溝内にケーブルの保護管を収納する工程
(b2) 前記側溝の溝高さよりも低いレベルで当該側溝内に基礎材と未硬化コンクリートをその順で充填することにより、当該基礎材と未硬化コンクリートによって前記保護管を埋める工程
(c2) 前記未硬化コンクリートの硬化を待つことにより、前記保護管を内部に含む前記基礎材と硬化コンクリートよりなる溝内基礎部と、当該溝内基礎部の上方に位置する排水空間とを形成する工程
【0012】
第2の本発明によれば、側溝の溝高さよりも低いレベルで当該側溝内に基礎材と未硬化コンクリートを充填し、保護管を内部に含む基礎材と硬化コンクリートよりなる溝内基礎部と、当該溝内基礎部の上方に位置する排水空間とを形成するので、施工時に乾式の止水処理を行わなくても、排水空間の水密性を確保することができる。
従って、側溝内に新たに形成する排水空間の水密性を簡便に確保でき、施工の簡略化を図ることができる。
【0013】
(3) 第1又は第2の本発明において、前記工程(b1)又は前記工程(b2)は、前記未硬化コンクリートの上面を所望の導水勾配に成形する作業を含むことが好ましい。
この作業を行うことにすれば、溝内基礎部の上面を所望の導水勾配に調整できるので、施工後の排水空間を、溝内基礎部の上面を底面とする排水路としてそのまま使用できるようになる。また、この場合、新たに形成する排水空間を、既設の側溝とは異なる導水勾配に施工できるという利点もある。
【0014】
(4) 第1又は第2の本発明において、前記工程(c1)又は前記工程(c2)は、プレキャスト製の水路部材を前記排水空間に収納する工程を含んでいてもよい。
この作業を行うことにすれば、排水空間に収納された水路部材の内部を、排水路として使用できるようになる。
【0015】
(5) ところで、ケーブルの保護管には、例えば樹脂製の可撓管にように未硬化コンクリートよりも比重が小さいものがある。かかる保護管の場合には、未硬化コンクリートを側溝内に充填した際に浮き上がり、側溝内の所定高さに設置できなくなる恐れがある。
また、基礎材(例えば、砕石や砂利など)で保護管を埋める場合には、側溝内に投入される基礎材から受ける圧力によって保護管の平面位置がずれ、保護管を側溝内の所定位置に設置できない可能性がある。
【0016】
そこで、第1又は第2の本発明において、前記工程(a1)又は前記工程(a2)は、前記側溝内に収納された前記保護管の長手方向適所を固定部材によって前記側溝に固定する作業を含むことが好ましい。
この作業を行うことにすれば、未硬化コンクリートや基礎材により保護管を埋める場合に、保護管が浮上したり平面位置がずれたりするのを防止でき、保護管を側溝内における適切な位置に設置することができる。
【0017】
(6) また、第1又は第2の本発明において、前記工程(a1)又は前記工程(a2)が、複数の前記保護管を前記側溝内に収納する作業を含む場合には、前記固定部材は、複数の前記保護管の断面が前記側溝内で縦横に並ぶように、複数の前記保護管を位置決めする機能を有することが好ましい。
かかる固定部材を採用すれば、複数の保護管を交差させずに規則正しく側溝内に敷設でき、複数の保護管を設ける場合の敷設作業を適切に行うことができる。
【0018】
(7) 第1又は第2の本発明に係る共同溝化工法の施工後においては、側溝内に構築された溝内基礎部の内部に保護管が埋設される構造となる。
従って、共同溝化の対象区間に含まれるすべての側溝に溝内基礎部を施工すると、保護管の内部に敷設するケーブルのメンテナンスを行うためのハンドホール部を新設し、この新設のハンドホール部を、既設の側溝に対して道路幅方向にオフセットさせた位置に設置する必要がある。
【0019】
しかし、上記のようにハンドホール部を側溝の道路幅方向にオフセットさせた位置に新設することにすれば、ハンドホール部を新設する分だけ、材料コストが嵩むとともに、道路幅方向にオフセットさせた位置にハンドホール部を埋設する分だけ、道路の掘削及び埋め戻しのための施工コストが嵩むことになる。
そこで、第1又は第2の本発明において、次の工程(x)〜(y)を更に含むことが好ましい。
【0020】
(x) 共同溝化が必要な対象区間に含まれる1又は複数の前記側溝の側壁部に、ケーブル引き込み用の開口部を形成する工程
(y) 前記開口部を形成した前記側溝の内部に、前記開口部を長手方向両側から挟む位置に配置された一対の堰き止めプレートを固定して、前記側溝の内部における一対の前記堰き止めプレートで囲まれる部分をケーブルのメンテナンス空間とする工程
【0021】
上記の工程(x)及び(y)を行うことにすれば、側溝の内部における一対の堰き止めプレートで囲まれる部分がケーブルのメンテナンス空間となるので、対象区間に含まれる既設の側溝のうちの一部をハンドホール部として再利用できるようになる。
このため、ハンドホール部を新設する必要がなくなる分だけ材料コストを低減できるとともに、新設のハンドホール部を道路幅方向にオフセットさせた位置に埋設する場合に必要となる、道路の掘削及び埋め戻しが不要となり、施工コストを低減することができる。
【0022】
(8) 第1又は第2の本発明において、一対の前記堰き止めプレートは、前記溝内基礎部の断面高さと同じ高さを有することが好ましい。
この場合、前記メンテナンス空間を中蓋部材により着脱自在に閉塞し、前記中蓋部材の上面によって前記排水空間の底面を形成することにすれば、メンテナンス空間によって排水空間が分断されることがない。このため、メンテナンス空間を迂回して排水するための側溝や集水桝を別途施工する必要がなく、施工コストを低減できるという効果がある。
【0023】
(9) もっとも、一対の前記堰き止めプレートは、前記側溝の溝高さと同じ高さを有するものを採用し、前記メンテナンス空間を前記側溝の蓋部材により着脱自在に閉塞する構造を採用することにしてもよい。
この場合、メンテナンス空間によって排水空間が分断されるため、メンテナンス空間を迂回して排水するための側溝や集水桝を別途施工する必要があるが、側溝の蓋部材を外すだけで、メンテナンス空間内のケーブルに簡単にアクセスできるという利点がある。
【発明の効果】
【0024】
以上の通り、本発明の共同溝化工法によれば、既設の排水側溝に対する共同溝化を実施するに当たり、側溝内に新たに形成する排水空間の水密性を簡便に確保できるので、施工の簡略化を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を説明する。
なお、以下の各実施形態において、既設の排水側溝(以下、単に「側溝」ともいう。)1の内部に収納した保護管7の内部に挿通されるケーブルには、家屋の住民のライフラインとなる各種のケーブル(例えば、低圧又は高圧の各電力線や、電話線又は光ファイバーなどの通信線)7Aが含まれる。
【0027】
側溝1内に収納する保護管7の内空断面に余裕がある場合には、その保護管7に挿通するケーブル7Aとして、上下水道配管やガス配管を含めることもできる。すなわち、本明細書にいう「ケーブル」は、それらの配管をも含む広義の意味で使用している。
また、複数の保護管7を側溝1内に用途別に設けることとし、各々の保護管7に対して用途が対応するケーブル7Aを、保護管7の内部に単独又は複数本挿通することにしてもよい。
【0028】
本発明の各実施形態において、ケーブル7Aの保護管7が収納される既設の排水側溝1は、道路の幅方向端部(例えば、官民境界線に一致又は近接する位置)に縦断方向に連続して設置されている場合を想定している。
その理由は、道路の幅方向中央部には既に管路(例えば、合流式下水管など)が埋設されていることが多いが、側溝1に保護管7を収納すればそのような既設の管路と干渉する可能性がなく、しかも、側溝1が官民境界線に近接しておれば、側溝1内の保護管7に挿通されるケーブル7Aの民地側への引き込み距離をできるだけ短くできるからである。
【0029】
本発明の各実施形態において、既設の側溝1には、施工当時にケーブル7Aの収納を想定していなかったものだけでなく、施工当時からケーブル7Aの収納を行うことも可能であったが、取り敢えず排水用途のみで使用されている場合も含まれる。
このように、ケーブル7Aの収納が可能な側溝1を敢えて排水用途のみで使用することがある理由は、電線共同溝工事の場合は、地元住民との意見調整に非常に時間がかかるケースが多いので、先に排水整備を整えてからケーブル7Aの地中化を検討乃至決定する場合があるからである。
【0030】
なお、本発明の各実施形態において、既設の側溝1は、工場生産によるプレキャストコンクリート製の側溝ブロックを排水方向に沿って連続的に接続して施工したものだけでなく、施工現場に構築した型枠に未硬化のコンクリートを打設して構築された現場打ちの場合も含まれる。
【0031】
また、本明細書にいう「既設」の側溝1とは、字義通り、埋設工事が既に完了した側溝1のこという。
従って、既設の側溝1には、施工完了後に排水側溝としていったん使用に供された古い側溝1がそれに含まれることは勿論のこと、新設の側溝1の埋設工事が完了した後に、側溝1単体では排水側溝として使用せずに、本発明の各実施形態に係る共同溝化工法の工事を実施してから、排水側溝として使用に供される場合も含まれる。
【0032】
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態に係る共同溝化工法の施工手順を示す説明図である。
図1の共同溝化工法(以下、「第1工法」という。)は、既設の側溝1の蓋部材3を除く本体部分(以下、「側溝本体」という。)2に保護管7を収納した状態で、未硬化コンクリート8を打設して溝内基礎部11を構築することにより、側溝本体2の内空断面の上部に新たな排水空間(排水路)12を構成するものである。以下、
図1を参照しつつ、第1工法の内容を説明する。
【0033】
図1(a)は、既設の側溝1の横断面図である。この側溝1は、開水路断面であるコンクリート製の側溝本体2と、その上方開口部を閉塞する蓋部材3(コンクリート蓋でもよいし、グレーチング蓋でもよい。)とを有する。
側溝本体2は、プレキャストコンクリート製或いは現場打ちされた硬化コンクリートよりなり、左右の両側壁部4,4と、その下端部同士を繋ぐ底壁部5とを一体に有する、上方が開放された断面ほぼU字状の構造体よりなる。
【0034】
上記側溝本体2に対して、まずその上端開口部から蓋部材3を取り外して、側溝本体2の溝内部を清掃することにより、
図1(b)に示すように、側溝本体2の底壁部5が露出した状態とする。
なお、既設の側溝1が一度も排水用として使用されておらず、埋設施工が完了したばかりの新しい側溝1である場合には、上記の清掃工程が不要になる場合もある。
【0035】
次に、
図1(c)に示すように、ケーブル7A用の複数の保護管7(図例では4本)を側溝本体2の底部に重ねて収納する。
この保護管7は、直線区間にある側溝1の場合には、可撓性のない鋼製管を使用してもよいが、側溝本体2内での敷設作業の容易化を考慮すれば、より軽量でかつ可撓性を有する樹脂製の可撓管を用いることが好ましい。また、保護管7の断面形状は、図示の円形に限らず、矩形などのその他の形状であってもよい。
【0036】
保護管7の収納作業が完了すると、
図1(c)に示すように、側溝本体2の溝高さよりも低い所定レベルとなるまで、側溝本体2内に所定量の未硬化コンクリート8を打設してその未硬化コンクリート8を側溝本体2の底部に充填し、これによって複数の保護管7を未硬化コンクリート8の中に埋没させる。
【0037】
その後、未硬化コンクリート8を養生してその硬化を待つことにより、
図1(d)に示すように、複数の保護管7が断面内部に含まれる硬化コンクリート9よりなる溝内基礎部11が側溝本体2の下部側に構築され、これにより、側溝本体2の内部空間の上部側に、溝内基礎部11の上面が底面となる新たな排水空間12が形成される。
そして、側溝本体2の上方開放部を蓋部材3で閉塞することより、既設の側溝1に対する断面閉塞が完了する。
【0038】
なお、その後は、例えばハンドホール部41(
図9〜
図11参照)から保護管7にケーブル7Aを挿通することにより、ケーブル7Aを側溝1の排水方向に沿って敷設すればよい。
もっとも、このケーブル7Aの敷設作業には、未硬化コンクリート8を打設する前の状態(
図1(c)の状態)において、未だコンクリートに埋設されていない保護管7に対して挿通する作業が含まれていてもよい。
【0039】
このように、第1工法によれば、側溝1の溝高さよりも低いレベルで当該側溝1内に未硬化コンクリート8を充填し、保護管7を内部に含む硬化コンクリート9よりなる溝内基礎部11と、当該溝内基礎部11の上方に位置する排水空間12とを形成するので、施工時に乾式の止水処理を行わなくても、排水空間12の水密性を確保することができる。
従って、側溝1内に新たに形成する排水空間12の水密性を簡便に確保でき、施工の簡略化を図ることができる。
【0040】
また、第1工法によれば、側溝1内に現場打ちする未硬化コンクリート8の打設量に応じて、溝内基礎部11の断面高さを任意に調整することができる。
このため、例えば、
図1(c)に示す未硬化コンクリート8の打設工程において、打設した未硬化コンクリート8の上面を所望の導水勾配に成形する作業を行うことにより、施工後の排水空間12を、溝内基礎部11の上面を底面とする排水路としてそのまま使用できるとともに、既設の側溝1とは異なる導水勾配の排水空間(排水路)12を形成できるという利点がある。
【0041】
〔第2実施形態〕
図2は、第2実施形態に係る共同溝化工法の施工手順を示す説明図である。
図2の共同溝化工法(以下、「第2工法」という。)は、既設の側溝1の側溝本体2に保護管7を収納した状態で、基礎材10を投入してから未硬化コンクリート8を打設して溝内基礎部11を構築することにより、側溝本体2の内空断面の上部に新たな排水空間(排水路)12を構成するものである。以下、
図2を参照しつつ、第2工法の内容を説明する。
【0042】
第2工法においても、
図2(a)の既設の側溝本体2に対して、まずその上端開口部から蓋部材3を取り外して、側溝本体2の溝内部を清掃することにより、
図2(b)に示すように、側溝本体2の底壁部5が露出した状態とする。
なお、第2工法においても、既設の側溝1が一度も排水用として使用されておらず、埋設施工が完了したばかりの新しい側溝1である場合には、上記の清掃工程が不要になる場合もある。
【0043】
次に、
図2(c)に示すように、ケーブル7A用の複数の保護管7(図例では4本)を側溝本体2の底部に重ねて収納する。なお、第2実施形態の場合も、保護管7は、鋼製管又は可撓管のいずれを採用してもよい。
【0044】
保護管7の収納作業が完了すると、
図2(c)に示すように、砕石や砂利などよりなる所定量の基礎材10を側溝本体2の内部に投入して締め固めることにより、複数の保護管7を基礎材10の中に埋没させる。
その後、締め固めた基礎材10の上に、未硬化コンクリート8を打設して、基礎材10の上部にコンクリート層を形成する。
【0045】
その後、未硬化コンクリート8を養生してその硬化を待つことにより、
図2(d)に示すように、複数の保護管7が断面内部に含まれる基礎材10と硬化コンクリート9よりなる溝内基礎部11が側溝本体2の下部側に構築され、これにより、側溝本体2の内部空間の上部側に、溝内基礎部11の上面が底面となる新たな排水空間12が形成される。
そして、側溝本体2の上方開放部を蓋部材3で閉塞することより、既設の側溝1に対する断面閉塞が完了する。
【0046】
なお、その後は、例えばハンドホール部41(
図9〜
図11参照)から保護管7にケーブル7Aを挿通することにより、ケーブル7Aを側溝1の排水方向に沿って敷設すればよい。
もっとも、このケーブル7Aの敷設作業には、基礎材10を投入する前の前の状態(
図2(c)の状態)において、未だ基礎材10に埋設されていない保護管7に対して挿通する作業が含まれていてもよい。
【0047】
第1工法と第2工法の相違点は、
図1の第1工法では、溝内基礎部11が硬化コンクリート9のみから構成されるのに対して、
図2の第2工法では、溝内基礎部11が基礎材10とその上の硬化コンクリート9とから構成される点にある。
このため、溝内に収納した保護管7を包含するように側溝本体2の下部に溝内基礎部11を構築し、この溝内基礎部11の上方空間を排水空間12とする技術的特徴は、両工法で共通している。従って、第2工法は第1工法と同様の作用効果を奏する。
【0048】
すなわち、第2工法によれば、側溝1の溝高さよりも低いレベルで当該側溝1内に基礎材10と未硬化コンクリート8を充填し、保護管7を内部に含む基礎材10及び硬化コンクリート9よりなる溝内基礎部11と、当該溝内基礎部11の上方に位置する排水空間12とを形成するので、施工時に乾式の止水処理を行わなくても、排水空間12の水密性を確保することができる。
従って、側溝1内に新たに形成する排水空間12の水密性を簡便に確保でき、施工の簡略化を図ることができる。
【0049】
また、第2工法においても、側溝1内に投入する基礎材10の投入量や、現場打ちする未硬化コンクリート8の打設量に応じて、溝内基礎部11の断面高さを任意に調整することができる。
このため、例えば、
図2(c)に示す基礎材10の投入及び未硬化コンクリート8の打設工程において、打設した未硬化コンクリート8の上面を所望の導水勾配に成形する作業を行うことにより、施工後の排水空間12を、溝内基礎部11の上面を底面とする排水路としてそのまま使用でき、既設の側溝1とは異なる導水勾配の排水空間(排水路)12を形成できるという利点がある。
【0050】
なお、
図2に示す第2工法の例では、基礎材10の断面高さがすべての保護管7を埋設し得る高さに設定され、その上の硬化コンクリート9が比較的薄い場合の断面構造の溝内基礎部11を例示した。
もっとも、溝内基礎部11の層厚は上記に限定されるものではなく、硬化コンクリート9が上段側の保護管7を被覆するか或いはそれに部分的に被る程度まで、基礎材10の深さを小さくしかつ硬化コンクリート9の層厚を大きく設定することにしてもよい。
【0051】
〔保護管の固定作業〕
上述の各実施形態の共同溝化工法で採用可能な保護管7のうち、樹脂製の可撓管は、未硬化コンクリート8に比べて比重が極めて小さい。
従って、
図1(c)に示す未硬化コンクリート8の打設工程において、未硬化コンクリート8を側溝1内に充填した際に保護管7が浮き上がり、保護管7を側溝1内の所定高さに設置できなくなることが想定される。
【0052】
また、
図2(b)に示す基礎材10の投入工程において、側溝1内に投入される基礎材10から受ける圧力によって保護管7の平面位置がずれ、保護管7を側溝1内の所定位置に設置できない可能性もあり、この現象は、鋼製管でも発生し得る。
そこで、第1工法における未硬化コンクリート8の打設工程(
図1(c))や、第2工法における基礎材10の投入工程(
図2(c))において、側溝本体2に収納された保護管7の長手方向適所を固定部材により側溝本体2に固定しておく作業が推奨される。
【0053】
図3は、保護管7の固定に用いる固定部材20の一例を分解して示す正面図である。
図3に示す固定部材20は、下段用の押さえ具21と、上段用の押さえ具22と、これらの押さえ具21,22を上方から貫通する固定フレーム23とを備える。
固定フレーム23は、水平方向に延びる横梁部24と、横梁部24の両端部から垂直下方に延びるサイドバー25と、横梁部24の中央部から垂直下方に延びるセンタバー26とを一体に有する。
【0054】
固定部材20の各部は、例えば硬質プラスチックやバネ鋼などの、人力によって弾性変形可能な棒状部材よりなる。
下段用の押さえ具21は、樹脂製又は金属製の扁平なブロック体よりなり、保護管7の外周面に適合する左右一対の凹部を下面側に有する。また、押さえ具21は、センタバー26が上下方向に貫通する挿通孔21Aを中央部に有する。
【0055】
上段用の押さえ具22は、樹脂製又は金属製の扁平なブロック体よりなり、保護管7の外周面に適合する左右一対の凹部を下面側に有する。また、押さえ具22は、センタバー26が上下方向に貫通する挿通孔22Aを中央部に有するとともに、横梁部24がちょうど嵌まり込む左右方向に延びる嵌合溝22Bを上面側に有する。
各押さえ具21,22の長手方向長さ(
図3の左右方向長さ)は、一対のサイドバー25,25間の間隔よりも若干小さい寸法になっている。
【0056】
図4(a)は、
図3の固定部材20を用いた保護管7の固定作業の手順を示す説明図である。また、
図4(b)は、保護管7の固定状態を示す側面図であり、
図4(c)は、保護管7の固定状態を示す平面図である。
図4(a)に示すように、
図3の固定部材20を用いて複数の保護管7を側溝本体2に固定するには、まず、側溝本体2の左右の側壁部4,4の内面のほぼ同じ高さ位置に、横梁部24の端部が嵌合可能な係合孔27を形成する。なお、この係合孔27は、二次製品としての側溝本体2の側壁部4,4に予め形成しておいてもよい。
【0057】
その後、1段目の保護管7の設置→押さえ具21の設置→2段目の保護管7の設置→押さえ具22の設置の順序で、保護管7と押さえ具21,22を交互に設置する。
なお、各押さえ具21,22を設置する場合は、下面側の各凹部を保護管7の外周面にそれぞれ当接させ、左右の保護管7,7の間隔をほぼ一致させるようにする。
次に、
図4(c)に示すように、センタバー26を各押さえ具21,22の挿通孔21A、22Aに挿通させつつ、固定フレーム23を側溝本体2の内部に落とし込む。
【0058】
すると、固定フレーム23の横梁部24の各端部が、側壁部4,4に形成しておいた係合孔27に嵌合し、固定フレーム23が上下方向に移動できなくなる。
また、この際、固定フレーム23の横梁部24が上段側の押さえ具22を下方に押圧することにより、縦横に配列された複数の保護管7が、上方に移動できなくなるとともに、押さえ具21,22の凹部への嵌合により水平方向にも移動できなくなる。
【0059】
このように、
図3に例示する固定部材20は、複数の保護管7(図例では4本)の断面が側溝本体2の内部で縦横に並ぶように、複数の保護管7をそれぞれ位置決めする機能を有している。
このため、かかる固定部材20を採用すれば、例えば可撓管よりなる保護管7の場合であっても、その保護管7を交差させずに規則正しく側溝本体2の内部に敷設でき、複数の保護管7を側溝1に収納する場合の敷設作業を適切に行うことができる。
【0060】
なお、保護管7の固定位置の長手方向(排水方向)のピッチは、保護管7が可撓管であるか否かで異なるが、可撓管の場合には、1.0〜2.0mに設定すればよい。
このため、鋼製管などの非可撓性の管部材を採用する場合には、それより大きいピッチで保護管7を側溝本体2に固定すれば足りる。
【0061】
図5(a)は、溝内基礎部11の上面が固定フレーム23よりも低いレベルの場合における、保護管7の固定状態を示す正面図である。また、
図5(b)は、その場合の保護管7の固定状態を示す側面図である。
図5の例では、溝内基礎部11の上面(排水空間12の底面)の高さを、固定フレーム23の高さから、1段目の保護管7の上端よりもやや上位までの高さ範囲ΔHに設定する場合を例示している。
【0062】
溝内基礎部11の上面を上記の高さ範囲ΔHとする場合には、
図5に示すように、上下方向のほぼ中央部に中梁部28を有する固定フレーム23を採用し、この中梁部28により、1段目の保護管7に被せた押さえ具21を上から押圧するようにセットすればよい。
また、この場合、固定フレーム23が溝内基礎部11の上面よりも上側に突出することになるが、この突出部分については、未硬化コンクリート8が硬化してから、切断して除去すればよい。
【0063】
なお、固定フレーム23を側溝本体2に固定する手段としては、側壁部4に形成した係合孔27に横梁部24の両端を嵌め込む手段だけでなく、例えば、
図5(c)に示すような、アンカーによって側壁部4に固定した突起24Aにより、横梁部24の両端を押さえ込む手段など、その他の種々の固定手段を採用することができる。
上記の突起24Aは、側溝本体2に後付けで取り付けても良いし、側溝本体2に当初から一体に形成されていても良い。
【0064】
〔固定部材の変形例〕
図6(a)は、固定部材30の変形例を示す斜視図であり、
図6(b)は、その固定部材30を用いた保護管7の固定作業の手順を示す説明図である。
図6(a)に示すように、この変形例に係る固定部材30は、中央にボルト挿通孔を有する押圧プレート31と、この押圧プレート31の下面から下方に延びる弾性プレート32とを備える。
【0065】
弾性プレート32は、上端が押圧プレート31の下面に固定された、バネ性を有する左右一対の屈曲板材33,33よりなり、これらの屈曲板材33,33の下端同士は一体に連結されている。
また、各屈曲板材33,33には、外側から見て山折りとなる上下方向中央部に配置された山折り屈曲部と、この山折り屈曲部から上下に離れた部分にそれぞれ形成された、外側から見て谷折りとなる谷折り屈曲部が、それぞれ形成されている。
【0066】
このため、弾性プレート32の下端部が押圧プレート31に近づくように、当該弾性プレート32を強制的に変形させると、山折り屈曲部が左右方向両側に突出するように各屈曲板材33,33が弾性変形する。
なお、
図6では図示されていないが、弾性プレート32の下端部分(左右の屈曲板材33,33の下端同士を連結する板状部分)にも、ボルト挿通孔が形成されている。
【0067】
図6(b)に示すように、上記の固定部材30を用いて複数の保護管7を側溝本体2に固定するには、まず、側溝本体2の底壁部5の底面中央に、ボルトの雄ねじ部に対応する雌ねじ部を有するアンカー部材34を打ち込む。なお、このアンカー部材34は、二次製品としての側溝本体2の底壁部5に予め打ち込まれていてもよい。
その後、1段目の保護管7の設置→2段目の保護管7の設置の順序で、複数の保護管7を側溝本体2の内部に収納し、左右の保護管7の間から固定部材30の下端部を差し込むようにする。
【0068】
次に、締め付けボルト35を押圧プレート31のボルト挿通孔に挿通し、そのボルト35の下端をアンカー部材34に螺合させることにより、押圧プレート31が上段側の保護管7に当接するまで、固定部材30の上下寸法を縮小させる。
すると、押圧プレート31が上段側の保護管7を下方に押圧するとともに、上記縮小に伴って幅方向に拡張した弾性プレート32の各屈曲板材33,33により、上段側及び下段側の保護管7が側壁部4の内面に押し付けられ、縦横に配列された複数の保護管7が、上方にも水平方向にも移動できなくなる。
【0069】
このように、
図6に例示する固定部材30も、複数の保護管7(図例では4本)の断面が側溝本体2の内部で縦横に並ぶように、複数の保護管7をそれぞれ位置決めする機能を有している。
このため、かかる固定部材30を採用すれば、例えば可撓管よりなる保護管7の場合であっても、その保護管7を交差させずに規則正しく側溝本体2の内部に敷設でき、複数の保護管7を側溝1に収納する場合の敷設作業を適切に行うことができる。
【0070】
〔水路部材の追加〕
図7は、排水空間12に水路部材13を追加的に施工する場合の、第1工法の施工手順を示す説明図である。
上述の第1工法(
図1)では、硬化コンクリート9よりなる溝内基礎部11の上方に形成される排水空間12を、そのまま排水路として利用しているが、
図7に示すように、例えば、プレキャスト製のコンクリートブロックよりなる水路部材13を排水空間12に別途収納する工程を追加してもよい。
【0071】
この場合、溝内基礎部11の上方の排水空間12は、水路部材13の収納空間として機能し、水路部材13の内部の排水路13Aにより、施工後における側溝1の排水機能が確保されることになる。
図8(a)は、舗装の嵩上げを行わない場合の標準断面の水路部材13の断面図である。また、
図8(b)は、舗装の嵩上げを行う場合の異形断面の水路部材14の断面図である。
【0072】
図8(a)に示すように、既設の側溝1の上端縁が道路の舗装面と一致する場合、すなわち、舗装の嵩上げが行われない通常施工の場合には、排水空間12の内部に収まる標準断面の水路部材13を採用すればよい。
一方、
図8(b)に示すように、既設の側溝1の上端縁よりも舗装面が上位となるように、舗装の嵩上げが行われる道路区間の場合には、嵩上げ後の舗装面と高さを一致させるための異形断面の水路部材14を採用すればよい。
【0073】
図8(b)の水路部材14では、内部に排水路14Aを有するだけでなく、既設の側溝1の上端面を上から被うフランジ部14Bが幅方向両部に突設されている。このフランジ部14Bの厚さ寸法は、嵩上げされる道路の舗装厚と一致する寸法に設定されている。
このように、道路の舗装レベルに応じた異形断面の水路部材14を排水空間12に設けるようにすれば、共同溝化を行う道路区間によって舗装レベルの変動があっても、施工後の側溝1の排水機能を有効に確保することができる。
【0074】
なお、
図7及び
図8の例では、排水路13A,14Aが円形断面でかつ蓋部材が不要な水路部材13,14を例示したが、水路部材13,14の断面形状はこれに限られるものではなく、例えば、排水路の横断面がU字状でかつ蓋部材(グレーチングも含む。)が必要となる水路部材を採用することもできる。
また、
図7及び
図8の例では、第1工法(
図1)において水路部材13,14を追加する場合を説明したが、第2工法(
図2)において水路部材13,14を追加してもよい。
【0075】
〔対象区間のすべての側溝に溝内基礎部を施工する場合の問題点〕
図9は、共同溝化を行う対象区間L0の一例を示す道路平面図である。
図9の例では、対象区間L0には、道路の進行方向(
図9の左右方向)に沿って直線状に連続して設置された、複数本の既設の側溝1が含まれている。
【0076】
この場合、例えば、対象区間L0に含まれるすべての側溝1に溝内基礎部11を施工するとすれば、
図9に仮想線で示すように、保護管7の内部に敷設するケーブル7Aのメンテナンスを行うためのハンドホール部40を新設せねばならない。
また、この場合、新設のハンドホール部40を、既設の側溝1に対して道路幅方向にオフセットさせた位置(
図9の例では、道路中央側にオフセットさせた位置)に設置する必要がある。
【0077】
しかし、側溝1が並ぶラインから道路中央側にオフセットさせた位置にハンドホール部40を新設する場合には、ハンドホール部40を新設する分だけ、材料コストが嵩むとともに、舗装の撤去、土砂の掘削、ハンドホール部の設置、土砂の埋め戻し及び道路舗装の修復などの施工を行わねばならず、施工コストが増大することになる。
【0078】
そこで、
図9に示すように、対象区間L0に含まれる複数の既設の側溝1を、ハンドホール部40が不要な第1区間L1に属するものと、ハンドホール部40が必要な第2区間L2に属するものとに区分し、第1区間L1に属する側溝1については、溝内基礎部11を施工し、第2区間L2の側溝1については、溝内基礎部11を施工せずに、既設の側溝1をハンドホール部41として機能変更させることが好ましい。
【0079】
このようにすれば、対象区間L0に含まれる複数の既設の側溝1のうちの一部を、そのままハンドホール部41として再利用できるようになる。
このため、新設のハンドホール部40が不要となる分だけ材料コストを低減できるとともに、新設のハンドホール部40を道路幅方向にオフセットさせた位置に設置する場合に必要となる、新設のハンドホール部40の設置に要する舗装の撤去から修復までの一連の施工を行う必要がなくなり、施工コストを低減することができる。
【0080】
なお、
図9の例では、第2区間L2に属する側溝1は1つだけであるが、第2区間L2の延長が既設の側溝1よりも長い場合には、連続する2つ以上の側溝1をハンドホール部41に改変することにしてもよい。
【0081】
〔側溝をハンドホール部に機能変更させるための施工方法〕
図10は、既設の側溝1Aをハンドホール部41に機能変更させるための施工手順を示す説明図である。
なお、
図10において、符号「1A」は、
図9の第2区間L2に属する側溝1であることを意味している。
【0082】
図10に示すように、まず、側溝1Aの側壁部4の適所を必要な大きさで切削することにより、ケーブル引き込み用の開口部42を形成する。
次に、側溝1Aの内部に、開口部42を長手方向両側から挟む位置に配置された一対の堰き止めプレート43,43を固定する。堰き止めプレート43には、保護管7の接続孔43Aが形成されている。そして、第1区間L1(
図9参照)に属する他の側溝1に敷設する保護管7の端部を接続孔43Aに接続して、当該側溝1Aと他の側溝1の下部空間を分離する。
【0083】
これにより、側溝1Aの内部空間における一対の堰き止めプレート43,43で囲まれる部分が、ケーブル7Aのメンテナンス空間44として区画され、第2区間L2に属する側溝1Aをハンドホール部41として改変することができる。
【0084】
図10に示す例では、一対の堰き止めプレート43,43は、隣接する側溝1に施工する溝内基礎部11の断面高さと同じ高さ寸法となっており、側溝1Aの長手方向に延びるアングル材よりなる連結フレーム45よって四隅が互いに連結されている。
また、4本の連結フレーム45のうちの上2本の連結フレーム45は、中蓋部材46の幅方向端部を着脱自在に支持する支持部として機能している。このため、メンテナンス空間44は中蓋部材46によって着脱自在に閉塞でき、閉塞時の中蓋部材46の上面によって排水空間12の底面が形成される。
【0085】
図10のハンドホール部41の場合には、中蓋部材46の上面によって排水空間12の底面が形成されるので、側溝1Aの上流側に位置する側溝1の排水空間12を堰き止めてからでないと、中蓋部材46を取り外すことができない。
もっとも、中蓋部材46を閉めた状態では、側溝1Aから改変したハンドホール部41のメンテナンス空間44によって排水空間12が分断されない。このため、メンテナンス空間44を迂回して排水するための側溝や集水桝を別途施工する必要がなく、施工コストを低減できるという効果がある。
【0086】
図11は、既設の側溝1Aをハンドホール部41に機能変更させるための別の施工手順を示す説明図である。
なお、
図11においても、符号「1A」は、
図9の第2区間L2に属する側溝1であることを意味している。
【0087】
図11に示すように、まず、側溝1Aの側壁部4の適所を必要な大きさで切削することにより、ケーブル引き込み用の開口部42を形成する。
次に、側溝1Aの内部に、開口部42を長手方向両側から挟む位置に配置された一対の堰き止めプレート48,48を固定する。堰き止めプレート48には、保護管7の接続孔48Aが形成されている。そして、第1区間L1(
図9参照)に属する他の側溝1に敷設する保護管7の端部を接続孔48Aに接続して、当該側溝1Aと他の側溝1の内部空間を分離する。
【0088】
これにより、側溝1Aの内部における一対の堰き止めプレート48,48で囲まれる部分が、ケーブル7Aのメンテナンス空間49として区画され、第2区間L2に属する側溝1Aをハンドホール部41に改変することができる。
【0089】
図11に示す例では、一対の堰き止めプレート48,48は、側溝1Aの溝高さと同じ高さ寸法を有している。このため、
図11のハンドホール部41の場合には、メンテナンス空間49の高さ範囲が側溝1Aの内空の高さ範囲と同じになる。
従って、側溝1Aを改変したハンドホール部41のメンテナンス空間49によって排水空間12が分断されることになるので、メンテナンス空間49を迂回して排水するための側溝や集水桝を別途施工する必要がある。
【0090】
もっとも、
図11のハンドホール部41によれば、図示の通り、側溝1の蓋部材3をそのままメンテナンス空間41の蓋部材として兼用できるとともに、この蓋部材3を取り外すだけで、メンテナンス空間49内部のケーブル7Aに簡単にアクセスできるので、
図10のハンドホール部41に比べて、ケーブル7Aのメンテナンス作業を行い易いという利点がある。
【0091】
なお、今回開示した実施形態は例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の構成と均等の範囲内での全ての変更が含まれる。