特許第6126502号(P6126502)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6126502安定化ポンプレーザー出力システムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6126502
(24)【登録日】2017年4月14日
(45)【発行日】2017年5月10日
(54)【発明の名称】安定化ポンプレーザー出力システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H01S 3/13 20060101AFI20170424BHJP
   H01S 3/04 20060101ALI20170424BHJP
   H01S 5/024 20060101ALI20170424BHJP
   H01S 5/14 20060101ALI20170424BHJP
【FI】
   H01S3/13
   H01S3/04
   H01S5/024
   H01S5/14
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-184864(P2013-184864)
(22)【出願日】2013年9月6日
(65)【公開番号】特開2014-57063(P2014-57063A)
(43)【公開日】2014年3月27日
【審査請求日】2013年9月6日
【審判番号】不服2016-7760(P2016-7760/J1)
【審判請求日】2016年5月27日
(31)【優先権主張番号】13/614,293
(32)【優先日】2012年9月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591002810
【氏名又は名称】ノースロップ グラマン ガイダンス アンド エレクトロニクス カンパニー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】バサム エス. ディマシュキー
【合議体】
【審判長】 河原 英雄
【審判官】 近藤 幸浩
【審判官】 恩田 春香
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第6246816(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/220163(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2002/122454(US,A1)
【文献】 米国特許第5870417(US,A)
【文献】 特開2002−261385(JP,A)
【文献】 特開2006−324334(JP,A)
【文献】 特表平10−502215(JP,A)
【文献】 特開2007−13226(JP,A)
【文献】 特表2006−526896(JP,A)
【文献】 特開平11−284264(JP,A)
【文献】 特開2004−311994(JP,A)
【文献】 特開2000−147312(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S3/00 - 3/30
H01S5/00 - 5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
コヒーレント出力信号を生成する光源と、
該コヒーレント出力信号を安定化させることにより該システムのための安定化ポンプ出力信号を生成する光安定器と
を含み、該光安定器は、連結点において該光源に連結されており、該光安定器は、光ファイバを含み、該光ファイバは、該コヒーレント出力信号を、該光源から、伝播の単一軸に沿って、連結点から該光源のデコヒーレンス長を超える距離で該光ファイバ内に位置するブラッググレーティングへと通すように構成されており、
該デコヒーレンス長は、該コヒーレント出力信号のスペクトル特性に依存し、
該光ファイバは、単一モードファイバであり、該単一モードファイバは、該ブラッググレーティングとともに作動することにより、該伝播の単一軸に沿って該コヒーレント出力信号を通し、
該光ファイバは、該ブラッググレーティングと該光源との間に位置する金属化された表面材料の所与の部分と、該ブラッググレーティングを超えて該所与の部分の反対に位置する金属化された表面材料の別の部分とを有し、
該システムは、温度安定器をさらに含み、該温度安定器は、該光源および該単一モードファイバに温度安定性を提供し、
該温度安定器は、該光源と接触し該金属化された表面材料の所与の部分において該単一モードファイバと接触する基板材料である、システム。
【請求項2】
方法であって、
ブラッググレーティングを光ファイバの中へエッチングすることであって、該光ファイバは、金属化された表面材料の所与の部分と、金属化された表面材料の別の部分とを有し、該エッチングすることは、該ブラッググレーティングを単一モードファイバの中にエッチングすることにより、伝播の単一軸に沿ってコヒーレント出力信号を通すことを含む、ことと、
連結点において該光ファイバをコヒーレント光源へ連結することであって、該金属化された表面材料の所与の部分は、該ブラッググレーティングと該光源との間に位置し、該金属化された表面材料の別の部分は、該ブラッググレーティングを超えて該所与の部分の反対に位置する、ことと、
該伝播の単一軸に沿って該コヒーレント出力信号を通すように、連結点から該コヒーレント光源のデコヒーレンス長を超える距離で該ブラッググレーティングを、かつ該光ファイバを構成することによって、安定化ポンプ出力信号を提供することであって、該デコヒーレンス長は、該コヒーレント出力信号のスペクトル特性に依存する、ことと、
該単一モードファイバの該金属化された表面材料の所与の部分を熱電冷却器の基板材料はんだ付けすることにより、該単一モードファイバにおける温度安定性を促進することであって、該熱電冷却器は、該光源と接触し該金属化された表面材料の所与の部分において該単一モードファイバと接触する基板材料である、こと
を含、方法。
【請求項3】
記基板材料は、熱電冷却器であることにより、熱安定性を前記単一モードファイバに提供する、請求項に記載のシステム。
【請求項4】
前記単一モード光ファイバは、前記コヒーレント出力信号を偏光させる偏光子ファイバをさらに含、請求項に記載のシステム。
【請求項5】
前記金属化された表面材料の所与の部分は、前記基板材料にはんだ付けされている、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して光学に関連し、そしてより具体的には安定化ポンプレーザー出力を生成するためのシステムおよび方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
レーザー源ポンプ(laser source pump)は、様々なシステムによる使用のためのコヒーレント光を生成するためのデバイスである。レーザーポンピングは、外部源からレーザーの利得媒体の中へのエネルギー移動の作用であり、エネルギーは、媒体中に吸収されて、媒体の原子において励起状態を生成する。一つの励起状態にある粒子の数が基底状態もしくはより低い励起状態にある粒子の数を超える場合、反転分布が達成される。この状態において、誘導放出のメカニズムが起こり得、そして媒体がレーザーもしくは光増幅器として作用し得る。ポンプエネルギーは、通常、光もしくは電流の形で提供され得る。
【0003】
このようなレーザーポンプ源は、しばしば、例えば測位システムのためのジャイロスコープに応じて利用される。このようなレーザーのための主要な要件は、非常に広い温度範囲(例えば、−60〜90℃)にわたり一貫性のある波長を生成可能なことである。このような安定性を達成しようとする過去の試みは、レーザーダイオードにより励起された偏波保持(PM)光ファイバの使用を含んでいる。しかしながら、多重伝搬モードが、伝達の非効率を引き起こすファイバの中で放たれ得るので、PMファイバは安定化することが困難であった。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(概要)
本発明の局面において、レーザーポンプシステムが提供される。システムは、コヒーレント出力信号を生成する光源を含む。光ファイバを備えた光安定器は、光源からブラッググレーティングへのコヒーレント出力信号の伝搬の一つの軸を通すように構成されて、システムのために安定化ポンプ出力信号を生成し得る。
【0005】
本発明の別の実施形態において、方法は、光ファイバの中へブラッググレーティングをエッチングすることを含む。この方法は、光ファイバをコヒーレント光源へ連結することを含む。この方法はまた、ブラッググレーティングおよび光ファイバを、コヒーレント光源からの伝搬の一つの軸を通すように構成することにより、安定化ポンプ出力信号を生成することを含む。
【0006】
本発明のさらに別の局面において、システムは、コヒーレント出力信号を生成する光源を含む。このシステムは、光安定器を含み、この光安定器は、光源からブラッググレーティングへのコヒーレント出力信号の伝搬の一つの軸を通すように構成された光ファイバを備えることにより、システムのための安定化ポンプ出力信号を生成する。このシステムはまた、光源へ連結された基板を含んでおり、光源のための温度安定性を提供する。
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)システムであって、
コヒーレント出力信号を生成する光源と、
光ファイバを含む光安定器とを含み、該光安定器は、該光源からブラッググレーティングへの該コヒーレント出力信号の伝搬の一つの軸を通すことにより、該システムのための安定化ポンプ出力信号を生成するように構成されている、システム。
(項目2)前記光ファイバは、単一モードファイバであり、該光ファイバは、前記ブラッググレーティングとともに作動することにより、前記コヒーレント出力信号の伝搬の前記一つの軸を通している、上記の項目のいずれかに記載のシステム。
(項目3)温度安定器をさらに含み、該温度安定器は、前記光源および前記単一モードファイバに温度安定性を提供する、上記の項目のいずれかに記載のシステム。
(項目4)前記温度安定器は、前記光源および前記単一モードファイバへ基板材料として連結されている、上記の項目のいずれかに記載のシステム。
(項目5)前記単一モードファイバは、表面材料を有し、該表面材料の少なくとも一部において金属化されている、上記の項目のいずれかに記載のシステム。
(項目6)前記温度安定器は、熱電冷却器である、上記の項目のいずれかに記載のシステム。
(項目7)エッチングされたブラッググレーティングが、前記光源から距離をあけて配置されることにより、戻り信号のデコヒーレンスを促進する、上記の項目のいずれかに記載のシステム。
(項目8)前記光源は、約300ナノメートルから約4000ナノメートルの波長範囲内において作動する、上記の項目のいずれかに記載のシステム。
(項目9)前記光ファイバは、偏光子ファイバをさらに含み、該光ファイバは、前記ブラッググレーティングとともに作動することにより、前記コヒーレント出力信号の伝搬の前記一つの軸を通している、上記の項目のいずれかに記載のシステム。
(項目10)前記光ファイバは、ブラッググレーティングを有する偏波保持ファイバに連結されている偏光子ファイバをさらに含み、該光ファイバは、前記コヒーレント出力信号の伝搬の前記一つの軸を通している、上記の項目のいずれかに記載のシステム。
(項目11)光ファイバジャイロスコープであって、該光ファイバジャイロスコープは、上記の項目のいずれかに記載の前記システムと、コイルと、多機能集積光素子(MIOC)とを含み、該MIOCは、上記の項目のいずれかに記載の該システムを該コイルへ連結している、光ファイバジャイロスコープ。
(項目12)方法であって、
ブラッググレーティングを光ファイバの中へエッチングすることと、
該光ファイバをコヒーレント光源へ連結することと、
該ブラッググレーティングおよび該光ファイバを構成することによって、安定化ポンプ出力信号を提供することにより、該コヒーレント光源からの伝搬の一つの軸を通すこととを含む、方法。
(項目13)前記ブラッググレーティングを単一モードファイバの中にエッチングすることにより、前記コヒーレント光源からの伝搬の前記一つの軸を通すことをさらに含む、上記の項目のいずれかに記載の方法。
(項目14)前記単一モードファイバを熱電冷却器に接触させることにより、該単一モードファイバにおける温度安定性を促進することをさらに含む、上記の項目のいずれかに記載の方法。
(項目15)前記安定化ポンプ出力信号を光ファイバジャイロスコープに印加することをさらに含む、上記の項目のいずれかに記載の方法。
(項目16)前記ブラッググレーティングを偏光子ファイバの中にエッチングすることにより、前記コヒーレント光源からの伝搬の前記一つの軸を通すことをさらに含む、上記の項目のいずれかに記載の方法。
(項目17)前記光ファイバは、ブラッググレーティングを有する偏波保持ファイバに連結されている偏光子ファイバをさらに含み、該光ファイバは、前記コヒーレント光源からの伝搬の前記一つの軸を通している、上記の項目のいずれかに記載の方法。
(項目18)システムであって、
コヒーレント出力信号を生成する光源と、
光ファイバを含む光安定器と、
該光源に連結され、温度安定性を該光源に提供する基板とを含み、該光安定器は、該光源からブラッググレーティングへの該コヒーレント出力信号の伝搬の一つの軸を通すことにより、該システムのための安定化ポンプ出力信号を生成するように構成されている、システム。
(項目19)前記光ファイバは単一モードファイバであり、前記基板は、熱電冷却器であり、熱安定性を該単一モードファイバに提供する、上記の項目のいずれかに記載のシステム。
(項目20)前記光ファイバは、偏光子ファイバをさらに含み、該光ファイバは、前記ブラッググレーティングとともに作動することにより、前記コヒーレント出力信号の伝搬の前記一つの軸を通している、上記の項目のいずれかに記載のシステム。
【0008】
(摘要)
システムは、コヒーレント出力信号を生成する光源を含む。光ファイバを含む光安定器が、光源からブラッググレーティングへのコヒーレント出力信号の伝搬の一つの軸を通るように構成されて、システムのための安定化ポンプ出力を生成する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の局面に従い、レーザーポンプシステムの略ブロック図を図示し、そのレーザーポンプシステムは、光安定器を用いて安定化ポンプ出力信号を生成する。
図2図2は、本発明の局面に従い、レーザーポンプシステムの略ブロック図を図示する。
図3図3は、本発明の局面に従い、レーザーポンプシステムの実施例を図示し、そのレーザーポンプシステムは、エッチングされたグレーティングを有する単一モードファイバと、熱電冷却された基板とを用いる。
図4図4は、本発明の局面に従い、例示的コヒーレンス機能を図示する。
図5図5は、本発明の局面に従い、レーザーポンプシステムの代替的実施例を図示する。
図6図6は、本発明の局面に従い、レーザーポンプシステムの略ブロック図を図示し、そのレーザーポンプシステムは、光安定器を駆動する光源を利用し、光ファイバジャイロスコープの部分として用いられる。
図7図7は、本発明の局面に従い、ポンプレーザー出力を生成するための方法論を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(詳細な説明)
安定化ポンプレーザー出力を生成するためのシステムおよび方法が、提供される。一つの実施例において、本発明は、波長安定性および温度安定性をレーザー源ポンプシステムに提供することに向けられる。このようなレーザー源は、多くの場合、例えば測位システムのためのジャイロスコープに応じて利用される。このようなレーザー源のうちの一つの例は、1480nm InGaAsPレーザーであり得る。このようなレーザーの典型的な要件は、大きな温度範囲(例えば、−60〜90℃)にわたり一貫性のある波長を生成できることである。このような安定性を達成しようとした過去の試みは、レーザーダイオードにより励起された偏波保持(PM)光ファイバの使用を伴っていたが、しかしながら、このような技術は、伝達の効率性を減らす所望されない伝搬モードを発生させる可能性があった。
【0011】
本発明は、コヒーレント光源の出力において光安定器を利用することにより、所望されない伝搬モードを軽減する。光安定器は、システムのための安定化ポンプ出力信号を生成するために、光源からブラッググレーティングへのコヒーレント出力信号の伝搬の一つの軸を通すように構成された光ファイバを含んでいる。一つの実施例において、光安定器は、ファイバブラッググレーティングでエッチングされた単一モードファイバを含み得、単一モードファイバは、伝搬の単一の軸を利用して、伝達の問題を最小化する。また、単一モードファイバは、温度安定器(例えば、熱電冷却(TEC)デバイス)と接触させられて、生成される光波長における温度安定性を促進され得る。別の実施例において、光安定器は、ブラッググレーティングと併せて用いられ得る偏光子ファイバを含んでおり、安定化レーザーポンプ出力信号を生成し得る。
【0012】
図1は、本発明の局面に従い、光安定器110を用いて安定化ポンプ出力信号を生成するレーザーポンプシステム100を図示する。システム100は、光安定器110へ印加されるコヒーレント出力信号を生成する光源120を含む。光安定器110は、システム100のための安定化ポンプ出力信号を生成するために、光源110からブラッググレーティング140へのコヒーレント出力信号の伝搬の一つの軸を通すように構成された光ファイバ130を含んでいる。一つの実施例において、光ファイバ130は、ブラッググレーティング140とともに構成される単一モードファイバであり、単一モードファイバは、光源120からのコヒーレント出力信号の伝搬の単一の軸を通し得る。別の実施例において、光ファイバ130は、光源120からのコヒーレント出力信号の伝搬の単一の軸を通すように構成された偏光子ファイバであり得る。
【0013】
以前のシステムにおいて、偏波保持(PM)ファイバおよびグレーティングは、レーザーダイオードへ接続されており、レーザー源ポンプおよび光伝達システムを形成していた。しかしながら、PMファイバは、ポンプ出力信号における所望されない伝搬周波数もしくはモードの適切な除去を提供しなかった。すなわち、PMファイバが使用されレーザーダイオード源へ取り付けられた場合、いくらかの周波数は、伝搬の所望される軸へ適用され得、そしていくらかは、伝搬の所望されない軸において意図せずに伝達される。この軸は、PM材料の複屈折により引き起こされる伝搬の速軸および遅軸と呼ばれ得る。しかしながら、周波数が両方の軸へ適用される場合、所望されない位相シフトおよび電源電力の低下(source power degradation)が観測されて、ポンプ出力信号の不安定性につながり得る。
【0014】
光安定器110は、一つの実施例において単一モードファイバを、別の実施例において偏光子ファイバを用いて、それぞれの光学材料の複数の軸における周波数の伝搬を軽減する。単一モードファイバおよびブラッググレーティング140は、伝搬の単一の軸を提供し、それゆえ、本明細書において記載される速軸および遅軸の伝達問題を軽減する。しかしながら、単一モードファイバの一つの局面は、単一モードファイバを適切に利用するために、温度安定性をファイバへ提供することである。それゆえ、単一モードファイバは、熱電冷却デバイス上の対応するレーザーキャビティ内に据え付けられて、下記で図2および図3に関して例示および説明されるような安定性を提供し得る。
【0015】
別の実施例において、光ファイバ130は、ブラッググレーティング140へ連結された偏光子ファイバであり得る。このような偏光子ファイバおよびグレーティング140は、(レーザーダイオードへの接続点にて)所望されない伝搬モードの除去を提供することにより、混合伝搬問題を解決し、所望されない伝搬モードの除去は、PMファイバおよびグレーティングによっては提供されない。このような除去は、電源ポンプの効率性を増加させ、伝達の間の位相混合問題を軽減する。このような偏光子ファイバおよびグレーティング構成は、下記で図5に関して例示および説明される。
【0016】
図2は、本発明の局面に従い、レーザーポンプシステム200の略ブロック図を図示する。システム200は、コヒーレント出力信号を生成する光源210を含んでいる。エッチングされたブラッググレーティングを有する単一モードファイバー220(例えば、光ファイバー材料)が、コヒーレント出力信号を光源210から受信し、システム200のための安定化ポンプ出力信号を生成する。システム200はまた、温度安定器240を含んでおり、温度安定性を光源210および単一モードファイバ220に提供する。温度安定器240は、光源210および単一モードファイバ220に、例えば基板材料として連結され得る。下記で図3に関して例示および説明されるように、単一モードファイバ220は、表面材料の少なくとも一部(例えば、ファイバに沿う二つの点にて)が金属化された表面材料を有して、ファイバ内の機械的安定性および波長安定を促進し得る。単一モードファイバ220の表面材料の金属化部分は、温度安定器240の基板材料へはんだ付けされ得る。一つの特定の実施例において、他の冷却技術(例えば、液体冷却もしくは化学的冷却)も可能であるが、温度安定器240は熱電冷却器であり得る。
【0017】
波長安定性を促進するために、エッチングされたブラッググレーティングが、ポンプレーザーのデコヒーレンス長を超える長さの位置に配置され得る(例えば、光源210から約3.8mmから約4.0mm離れており、そのことは下記で図2に関して例示される)。単一モードファイバ220はまた、光源210に連結するために、レンズ先端部(lensed tip)を含み得る。以前に示されたように、一つの実施例において、光源210は、1480ナノメートル波長のレーザーダイオード源であり得る。しかしながら、約300ナノメートルから約4000ナノメートルの波長範囲内で作用するような、他の波長も可能である。下記で図4に関して説明および例示されるように、レーザーポンプシステム200に関する一つの例示的応用において、安定化ポンプ出力信号が、光ファイバジャイロスコープを駆動するために用いられ得る。
【0018】
レーザーポンプシステム200を光ファイバジャイロスコープ(FOG)システムへ応用する場合、FOGのスケールファクタ安定性(scale factor stability)は、概してレーザー源の波長安定性に比例する。広帯域ファイバ源の波長安定性は、ポンプレーザーのパワー安定性および波長安定性により制限され得る。システム200は、ポンプレーザー出力に、大きな温度範囲にわたる改善されたパワー安定性および波長安定性を提供し、それゆえ結果として、改善されたFOGのスケールファクタ安定性を結果としてもたらす。このようなシステムを安定化しようとした過去の試みにおいて、安定化ポンプレーザーの構成は、レーザーパッケージの外側にあるスプライスされた偏波保持(PM)ファイバを利用していた。PMファイバの複屈折特性は、ファイバの直交伝搬軸(orthogonal propagation axes)の間の温度依存性の位相遅延を含み得、それは、結果として光学干渉を生じさせる。第一のレーザーキャビティと外部のレーザーキャビティとの間に温度感受性の干渉計を導入することは、出力パワーの正弦波変動およびモード崩壊(時としてモードホッピングと呼ばれる)の可能性を結果としてもたらし得る。レーザーポンプシステム200は、レーザーキャビティ内への干渉計の導入をなくし、そのことは、温度感受性のパワー変化および波長変化を抑制する。グレーティングの温度安定性は、より安定なブラッグ波長を結果としてもたらして、付加的な波長安定性を結果としてもたらし得る。下記で図2に関して例示されるように、単一モードファイバは、複数の場所において金属化され得、その後にそれらの場所にて基板240へ連結されて、ファイバ内の機械的安定性および波長安定性をさらに向上させ得る。
【0019】
以下のリストは、光源210に関するほんの僅かな例示的タイプおよび波長を提供する。このような光源としては、以下:例えば、375nm、405nm−InGaN 青紫色レーザー、445nm−InGaN 青色レーザー、473nm−青色レーザー、485nm、510nm−(約525nmまで)緑色、635nm−AlGaInP、640nm−赤色、657nm−AlGaInP、670nm−AlGaInP、760nm−AlGaInP、785nm−GaAlAs、808nm−DPSS Nd:YAGレーザーにおけるGaAlAsポンプ、848nm、Yb:YAG DPSSレーザーのための光増幅器のための980nm−InGaAsポンプ、1064nm−AlGaAs 光ファイバ通信、DPSSレーザーポンプ波長、1310nm−InGaAsP、InGaAsN 光ファイバ通信、光増幅器のための1480nm−InGaAsPポンプ、1512nm−InGaAsP、1550nm−InGaAsP、InGaAsNSb 光ファイバ通信、1625nm−InGaAsP 光ファイバ通信、1654nm−InGaAsP、1877nm−GaSbAs、2004nm−GaSbAs、2330nm−GaSbAs、2680nm−GaSbAs、3030nm−GaSbAs、および3330nm−GaSbAsが挙げられ得る。
【0020】
ファイバーブラッググレーティング(FBG)230は、光ファイバの短いセグメントにおいて構築された一つのタイプの分布ブラッグ反射器であり、その反射器は、特定の波長の光を反射し、全ての他の光を伝達する。これはファイバコアの屈折率に周期的な変化を作り出すことにより達成され、そのことは、波長特定の誘導性ミラーを生み出す。それゆえに、ファイバブラッググレーティング230は、特定の波長を遮断するための直線に並んだ光学フィルタとして使用され得るか、もしくは波長特定の反射器として使用され得る。ブラッググレーティング230は、反射率のシステマチック(周期的もしくは非周期的)な変化を、光ファイバのコアの中へUVレーザーのような強力な紫外線(UV)源を使用して「記すこと(inscribing)」もしくは「書くこと(writing)」により作り出され得る。UVレーザー源を利用する二つの例示的プロセスは、ブラッググレーティング230を生成するための干渉およびマスキングを含む。
【0021】
図3は、本発明の局面に従い、エッチングされたグレーティングを有する単一モードファイバと熱電冷却された基板とを用いるレーザーポンプシステム300の実施例を図示する。。例示的システム300において、InGaAsP光源310は、単一モードファイバ320を駆動し、光源および単一モードファイバは、熱電冷却器(TEC)基板330へ取り付けられる。示されるように、金属化点340および350が、単一モードファイバ320の表面へ追加され得、例えばはんだを介してTEC基板340へ取り付けら得る。単一モードファイバ320は、基板330よりも短いか、その基板とおおよそ同じ長さに切断され得るか、もしくは単一モードファイバは、基板を超えて突出し得る。エッチングされたグレーティングが、単一モードファイバ320の中に生成され、単一モードファイバと光源310とが連結されているところから、ポンプレーザーのデコヒーレンス長を超える長さの位置に配置される。光源310と単一モードファイバ320との間の連結点は、例えば単一モードファイバ上のレンズ先端部を介して達成され得る。
【0022】
単一モードファイバ320上のエッチングされたグレーティングを光源310から間隔をあけて配置することが、モード競合に対処するために提供され、外部反射の導入が、第一のレーザーキャビティと、単一モードファイバを有する新しく形成された外部キャビティとの間のモード競合を結果としてもたらし得る。このような競合を防止するために、第二のキャビティ長は、外部キャビティ内のあらゆる反射が実質的にデコヒーレントであるほど十分に長いことを確実にすることが所望され、デコヒーレンス長は、第一のレーザーキャビティを励起するスペクトル構造に依存する。実施例として、1mm InGaAsPレーザーのデコヒーレンス長は、図4にて図示されるように、コヒーレンス関数から読み取られ得る。図4中のグラフから読み取ると、11mmよりも大きい光路長差(OPD)が、干渉項を少なくとも17dB抑制するはずである。例えば溶融石英コアファイバにおいて11mmのOPDを得るために、例えばグレーティング距離が約3.8mmよりも大きくなることを確実にすることが所望される。
【0023】
TEC基板330は、ペルチェ効果を使用する熱電冷却を用いて、二つの異なるタイプの材料の接合部の間の熱流束を作り出す。ペルチェ冷却器、加熱器、もしくは熱電ヒートポンプは、電気エネルギーの消費により、電流の方向に依存して、熱をデバイスの一方からもう一方へ伝達する固体活性(solid−state active)ヒートポンプである。このような器具はまた、ペルチェデバイス、ペルチェヒートポンプ、固体冷蔵庫(solid state refrigerator)、もしくは熱電冷却器(TEC)とも呼ばれる。それゆえ、ペルチェデバイスは:直流電流がペルチェデバイスを通って流れる場合、熱が一方からもう一方へ移される、ヒートポンプである。以前に示されたように、他のタイプの冷却もまた可能である。
【0024】
図5は、本発明の局面に従い、レーザーポンプシステム500の代替実施例を図示する。一つの実施例において、システム500は、基板530(例えば、熱冷却基材)上に据え付けられたレーザーダイオード520を有するレーザーモジュール510を利用する。次いで、レーザーダイオード520は、エッチングされたブラッググレーティングを有する偏光子ファイバ540へ連結される。偏光子ファイバおよびグレーティング540の使用は、使用される偏光子ファイバの消光比の質に比例した光パワー変動の減少を、結果としてもたらし得る。例えば、−3dBの消光比を有する偏光子ファイバセグメントは、従来のシステムの高複屈折PMファイバと比較される場合、正弦波強度(intensity sinusoid)において2倍の減少(a factor of two reduction)を結果としてもたらし得る。
【0025】
偏光子ファイバ540は、伝搬光の光学的偏光状態を維持し、かつ不適当(incorrect)な偏光状態の光を受けつけないファイバから構成され得る。次いで、ファイバブラッググレーティングが、540にて示されるような偏光子ファイバへ直接的にエッチングされ得る。外部キャビティ(偏光子ファイバセグメント)が所望されない偏光を受けつけないので、ファイバ結合へのレーザーの偏光消光比(PER)は、能力の実質的な低下を伴わずに緩和され得る。より具体的には、ファイバ結合へのレーザーのPERにおける低下は、パワーの減少を結果としてもたらし得るが、しかし外部キャビティは、もはや温度もしくは他の環境条件による複屈折変化に起因する干渉計としては働かず、安定的な光パワーおよび波長を結果としてもたらす。別の実施例において、偏波維持(PM)ファイバセグメント550の上へエッチングされた別個のFBGが、560にて示される偏光子ファイバ要素へスプライスされ得る。
【0026】
図6は、本発明の局面に従い、レーザーポンプシステム600の略ブロック図を図示し、そのシステムは、(例えば、上記の図1のシステム100に類似した)グレーティング612を有するポンプを利用して、ドープ光アセンブリ(doped optical assembly)613を駆動し、光ファイバジャイロスコープの部分として用いられ得る。システム600は、干渉法による光ファイバジャイロスコープ(FOG)として構成され得、対向伝搬波を光ファイバ検出コイル(fiber optic sensing coil)620へ提供する光学的信号光源612を含み得る。ポンプ610からの出力が、例えば、ドープファイバ(doped fiber)、波長分割マルチプレクサ、および光アイソレータを含み得るドープ光アセンブリ613へ供給される。システム600内にて、多機能集積光素子(MIOC)618が、光ファイバ検出コイル620へ接続される。
【0027】
FOGシステム600における典型的なMIOCは、ポラライザ、位相変調器およびYカプラのような構成要素を含み、それらは、光ファイバ感知コイル620への光信号入力およびそのコイルからの光信号入力を処理および制御することにて使用される。システム600の出力は、二つの対向伝搬波の間の位相差である。コイルの感知軸の周りのコイルの回転速度は、FOGのスケールファクタ(サニャックスケールファクタと呼ばれる)によりこの位相差を除することによって得られる。示されるように、光学的アセンブリ613からの出力は、光学スプリッタ615へ供給され得、その光学スプリッタは、デポラライザ(depolarizer)626を駆動し、光検出器626に供給する。
【0028】
光ファイバジャイロスコープ(FOG)のスケールファクタ安定性は、光源とMIOC 618との間のファイバ中の光の偏光状態の変化による影響を受ける。ファイバ内の応力の変化が、ファイバにより誘導される光の偏光状態を変化させ得る。この応力は、機械的原因もしくは熱的原因であり得る。デポラライザ626(例えば、ライオットデポラライザ)が、光源612とMIOC 618との間の光路において配置されて、光学的光源信号に関する偏光状態を、その信号がFOGを通って伝搬する際に調節し得る。
【0029】
上記で説明された先述の構造的特徴および機能的特徴を考慮すると、例示的方法は、図7に関してより良く認識される。説明の単純化を目的として、図7の例示的方法は直列に実行するように示され説明されるが、他の例において、いくつかの作業は、本明細書で示され説明されたのとは異なった順番で、および/もしくは同時に起こり得るので、本発明は例示された順番によって限定されないことが理解および認識されるべきである。その上、方法を実施するためには、説明された作業の全てが行われる必要はない。
【0030】
図7は、本明細書の局面に従い、ポンプレーザー出力を生成するための方法論700を図示する。710にて、方法700は、光ファイバ(例えば、単一モードファイバもしくは偏光子ファイバ)の中へブラッググレーティングをエッチングすることを含む。以前に示されたように、このようなエッチングは、紫外線源によりマスキングプロセスおよび/もしくは干渉プロセスを介して加えられ得る。720にて、方法700は、光ファイバをコヒーレント光源へ連結することを含む。730にて、方法700は、ブラッググレーティングと、光ファイバとをコヒーレント光源からの伝搬の一つの軸を通すように構成することにより、安定化ポンプ出力信号を提供することを含む。方法700はまた、ブラッググレーティングを単一モードファイバの中へエッチングして、コヒーレント光源からの伝搬の一つの軸を通すことを含み得る。これは、単一モードファイバを熱電冷却器に接触させて、単一モードファイバにおける温度安定性を促進することを含み得る。方法700はまた、安定化ポンプ出力信号を光ファイバジャイロスコープへ印加することを含み得る。別の局面において、方法700は、偏光子ファイバの中へブラッググレーティングをエッチングして、コヒーレント光源からの伝搬の一つの軸を通すことを含み得る。さらに別の例において、光ファイバは、コヒーレント光源の伝搬の一つの軸を通すために、ブラッググレーティングを有する偏波保持ファイバへ連結された偏光子ファイバを含み得る。
【0031】
上記で説明されたのは、本発明の実施例である。もちろん、本発明を説明する目的のために構成要素もしくは方法論のあらゆる考えられる組み合わせを説明することは、不可能であるが、しかし通常の当業者は、本発明の多くのさらなる組み合わせおよび置換が可能であることを認識する。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲内に入る全てのこのような代替、改変および変異を包含することを意図される。
【符号の説明】
【0032】
100 レーザーポンプシステム
200 レーザーポンプシステム
300 エッチングされたグレーティングを有する単一モードファイバと熱電冷却された基板とを用いるレーザーポンプシステム
500 レーザーポンプシステムの代替例
600 FOGシステム
700 方法
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7