(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
収穫した穀粒を貯留する穀粒タンク(8)を設け、穀粒タンク(8)のタンク側板(8a)に貯留した穀粒を取り出す穀粒取出口(22)を設け、穀粒取出口(22)をスライド移動により開閉する板状のシャッタ部材(32,42)を設けると共に、タンク側板(8a)にシャッタ部材(32,42)をスライド移動自在に支持する一対のレール部材(33,34,43,44)を取り付けたコンバインの穀粒タンクにおいて、レール部材(33,34,43,44)をタンク側板(8a)より強固な部材に構成すると共に、シャッタ部材(32,42)をタンク側板(8a)に摺接しないようにレール部材(33,34,43,44)側にスライド移動自在に支持する構成としたことを特徴とするコンバインの穀粒タンク。
収穫した穀粒を貯留する穀粒タンク(8)を設け、穀粒タンク(8)のタンク側板(8a)に貯留した穀粒を取り出す穀粒取出口(22)を設け、穀粒取出口(22)をスライド移動により開閉する板状のシャッタ部材(32,42)を設けると共に、タンク側板(8a)にシャッタ部材(32,42)をスライド移動自在に支持する一対のレール部材(33,34,43,44)を取り付けたコンバインの穀粒タンクにおいて、レール部材(33,34,43,44)をタンク側板(8a)より強固な部材に構成すると共に、シャッタ部材(32,42)をタンク側板(8a)に摺接しないようにレール部材(33,34,43,44)側にスライド移動自在に支持するにあたり、シャッタ部材(32,42)をレール部材側又はシャッタ部材側に設けた凸状摺動部とシャッタ部材側又はレール部材側に設けた凹状摺動部とを嵌め合わして構成される摺動支持部(S)により摺動案内し、尚且つシャッタ部材(32,42)が穀粒タンク(8)内に貯留された穀粒に押圧されて凸状摺動部の側部と凹状摺動部の側部とが摺接した時に、凸状摺動部の側部と凹状摺動部の側部とが線接触する構成としたことを特徴とするコンバインの穀粒タンク。
収穫した穀粒を貯留する穀粒タンク(8)を設け、穀粒タンク(8)のタンク側板(8a)に貯留した穀粒を取り出す穀粒取出口(22)を設け、穀粒取出口(22)をスライド移動により開閉する板状のシャッタ部材(32,42)を設けると共に、タンク側板(8a)にシャッタ部材(32,42)をスライド移動自在に支持する一対のレール部材(33,34,43,44)を取り付けたコンバインの穀粒タンクにおいて、レール部材(33,34,43,44)をタンク側板(8a)より強固な部材に構成すると共に、シャッタ部材(32,42)をタンク側板(8a)に摺接しないようにレール部材(33,34,43,44)側にスライド移動自在に支持するにあたり、レール部材(33,34,43,44)をタンク側板(8a)への取付部(33b,34b,46b,47b)と外側に出っ張る支持部(33a,34a,46a,47a)とを備えた断面がL形に近い形状に構成し、該支持部(33a,34a,46a,47a)の外側部分にシャッタ部材(32,42)をスライド移動自在に支持する構成としたことを特徴とするコンバインの穀粒タンク。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたものは、穀粒取出し口を開閉するシャッターを、グレンタンクの外側面と外側面に添設したレール部材とによって摺動自在に挟持する構造である。即ち、グレンタンクの外側面自体がシャッターを摺動案内するレール部材であるから、グレンタンク内の穀粒の重量により外側面が歪んだ時にシャッターの動きが悪くなって開閉が困難になる問題があった。
本発明は、コンバインの穀粒タンクに設けた穀粒取出口のシャッターにおいて、タンク側板が穀粒タンク内の穀粒で押されて歪んでも支障なく楽に開閉できるシャッター構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、収穫した穀粒を貯留する穀粒タンク8を設け、穀粒タンク8のタンク側板8aに貯留した穀粒を取り出す穀粒取出口22を設け、穀粒取出口22をスライド移動により開閉する板状のシャッタ部材32,42を設けると共に、タンク側板8aにシャッタ部材32,42をスライド移動自在に支持する一対のレール部材33,34,43,44を取り付けたコンバインの穀粒タンクにおいて、レール部材33,34,43,44をタンク側板8aより強固な部材に構成すると共に、シャッタ部材32,42をタンク側板8aに摺接しないようにレール部材33,34,43,44側にスライド移動自在に支持する構成としたことを特徴とする。
また、収穫した穀粒を貯留する穀粒タンク8を設け、穀粒タンク8のタンク側板8aに貯留した穀粒を取り出す穀粒取出口22を設け、穀粒取出口22をスライド移動により開閉する板状のシャッタ部材32,42を設けると共に、タンク側板8aにシャッタ部材32,42をスライド移動自在に支持する一対のレール部材33,34,43,44を取り付けたコンバインの穀粒タンクにおいて、レール部材33,34,43,44をタンク側板8aより強固な部材に構成すると共に、シャッタ部材32,42をタンク側板8aに摺接しないようにレール部材33,34,43,44側にスライド移動自在に支持するにあたり、シャッタ部材32,42をレール部材側又はシャッタ部材側に設けた凸状摺動部とシャッタ部材側又はレール部材側に設けた凹状摺動部とを嵌め合わして構成される摺動支持部Sにより摺動案内し、尚且つシャッタ部材32,42が穀粒タンク8内に貯留された穀粒に押圧されて凸状摺動部の側部と凹状摺動部の側部とが摺接した時に、凸状摺動部の側部と凹状摺動部の側部とが線接触する構成としたことを特徴とする。
また、収穫した穀粒を貯留する穀粒タンク8を設け、穀粒タンク8のタンク側板8aに貯留した穀粒を取り出す穀粒取出口22を設け、穀粒取出口22をスライド移動により開閉する板状のシャッタ部材32,42を設けると共に、タンク側板8aにシャッタ部材32,42をスライド移動自在に支持する一対のレール部材33,34,43,44を取り付けたコンバインの穀粒タンクにおいて、レール部材33,34,43,44をタンク側板8aより強固な部材に構成すると共に、シャッタ部材32,42をタンク側板8aに摺接しないようにレール部材33,34,43,44側にスライド移動自在に支持するにあたり、レール部材33,34,43,44をタンク側板8aへの取付部33b,34b,46b,47bと外側に出っ張る支持部33a,34a,46a,47aとを備えた断面がL形に近い形状に構成し、該支持部33a,34a,46a,47aの外側部分にシャッタ部材32,42をスライド移動自在に支持する構成としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
以上のように構成される本発明のコンバインによれば、レール部材33,34,43,44をタンク側板8aより強固な部材に構成すると共に、シャッタ部材32,42をタンク側板8aに摺接しないようにレール部材33,34,43,44側にスライド移動自在に支持する構成としたから、穀粒タンク8内の穀粒の重量によりタンク側板8aが歪んだとしても影響を受け難く、シャッタ部材32,42の開閉操作を容易に行うことができる。
また、レール部材33,34,43,44をタンク側板8aより強固な部材に構成すると共に、シャッタ部材32,42をタンク側板8aに摺接しないようにレール部材33,34,43,44側にスライド移動自在に支持するにあたり、シャッタ部材32,42をレール部材側又はシャッタ部材側に設けた凸状摺動部とシャッタ部材側又はレール部材側に設けた凹状摺動部とを嵌め合わして構成される摺動支持部Sにより摺動案内し、尚且つシャッタ部材32,42が穀粒タンク8内に貯留された穀粒に押圧されて凸状摺動部の側部と凹状摺動部の側部とが摺接した時に、凸状摺動部の側部と凹状摺動部の側部とが線接触する構成としたから、穀粒タンク8内の穀粒の重量によりタンク側板8aが歪んだとしても影響を受け難く、シャッタ部材32,42の開閉操作を容易に行うことができる。更に、凸状摺動部の側部と凹状摺動部の側部とを線接触としたから、穀粒の重量でシャッタ部材32,42が外側に押し付けられたり、タンク側板8aが歪んで一対のレール部材33,34,43,44の相対的な位置関係が多少ずれたとしても、その摺動抵抗が変わらず、シャッタ部材32,42の開閉操作を容易に行うことができる。
また、レール部材33,34,43,44をタンク側板8aより強固な部材に構成すると共に、シャッタ部材32,42をタンク側板8aに摺接しないようにレール部材33,34,43,44側にスライド移動自在に支持するにあたり、レール部材33,34,43,44をタンク側板8aへの取付部33b,34b,46b,47bと外側に出っ張る支持部33a,34a,46a,47aとを備えた断面がL形に近い形状に構成し、該支持部33a,34a,46a,47aの外側部分にシャッタ部材32,42をスライド移動自在に支持する構成としたから、穀粒タンク8内の穀粒の重量によりタンク側板8aが歪んだとしても影響を受け難く、シャッタ部材32,42の開閉操作を容易に行うことができるものでありながら、構造を簡素化できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は汎用コンバインの右側面図、
図2は汎用コンバインの平面図、
図3は汎用コンバインの穀粒処理部を示す要部正面図である。
コンバイン1は、左右のクローラ式の走行装置2L,2Rで支持された走行機体3の前方に穀稈を刈取搬送するヘッダ部4を昇降自在に備え、走行機体3の左側には前方のヘッダ部4から搬送された穀稈を受け入れて脱穀選別する脱穀選別部5と、その後方に脱穀済みの排稈を切断処理して圃場に排出する後処理部6とを備えている。また、走行機体3の右側には前方からオペレータが搭乗するキャビン式の運転操縦部7と、穀粒を貯留する穀粒タンク8を備えた穀粒処理部9とを備え、前記運転操縦部7の下部にはエンジンが搭載されるエンジンルーム10を備えており、該エンジン(図示無し)を動力源として前記走行装置2L,2Rや、前記ヘッダ部4、脱穀選別部5、後処理部6及び穀粒処理部9等の各種作業部を駆動させることによりコンバインの刈取作業が可能となっている。
【0009】
穀粒処理部9は、脱穀選別部5で選別された穀粒を貯留する穀粒タンク8と、穀粒タンク8内に貯留した穀粒を機外(運搬車等)に排出するスクリューコンベア式の第1排出手段Xと、穀粒タンク8内に貯留した穀粒を機外(運搬車等)に排出するバケットコンベア式の第2排出手段Yとを備えると共に、穀粒の排出経路を第1排出手段X側と第2排出手段Y側とに切替可能な排出切替手段Kとを備えている。
このようにすると、稲・麦等をスクリューコンベア式の第1排出手段Xで良好に排出できるものでありながら、例えば大豆等の豆類でスクリューコンベア式の第1排出手段Xを使用すると穀粒が損傷したり泥等で汚損したりする場合でも、バケットコンベア式の第2排出手段Yにより穀粒の損傷や汚損を防止しながら排出することが可能となる。
【0010】
前記スクリューコンベア式の第1排出手段Xは、穀粒タンク8内の底部に軸支される移送ラセン11と、走行機体3に旋回自在に支持される縦送りオーガ12と、縦送りオーガ12の上端に昇降自在に連結支持される横送りオーガ13とで構成される。縦送りオーガ12は穀粒タンク8の下部に連通する縦筒12aと縦筒12a内に軸支される縦ラセン(図示無し)とで構成され、横送りオーガ13は前記縦筒12aに連通する横筒13aと横筒13a内に軸支される横ラセン(図示無し)とで構成される。前記移送ラセン11、縦ラセン及び横ラセンはベベルギア等(図示無し)の連動手段を介して連動されて、エンジンからの動力によって移送ラセン11が回転すると縦ラセン及び横ラセンが連動して回転駆動し、穀粒タンク8内の穀粒が移送ラセン11で搬送されて縦ラセンに引継がれて、次に縦ラセンで揚送された穀粒が横ラセンに引継がれて、最終的には横筒13aの先端部に設けたオーガ排出口14から機外に排出される構成となっている。よって、縦送りオーガ12を旋回モータ(図示無し)で旋回駆動したり、横送りオーガ13を油圧シリンダ15で昇降移動することにより、オーガ排出口14位置を調節して穀粒を任意の位置に排出することが可能となっている。
【0011】
前記バケットコンベア式の第2排出手段Yは、穀粒タンク8の右側(外側)に立設する側方排出装置21と、穀粒タンク8の右側板(タンク側板)8aに形成した穀粒取出口22と、穀粒取出口から零れ出る穀粒を側方排出装置に落下案内する樋部材23により構成される。側方排出装置21は走行機体3及び穀粒タンク8に取付支持される揚送ケース24と、揚送ケース24内の下部に配置される駆動スプロケット25と、揚送ケース24内の上部に配置される従動スプロケット26と、両スプロケット25,26に掛け渡される複数のバケット27a付の搬送チェーン27とで構成されて、揚送ケース24の下部には樋部材23を介して流れ込む穀粒を受け入れる穀粒受入口24aを備え、揚送ケース24の上部には穀粒を排出する穀粒排出部28を備える。穀粒排出部28は揚送ケース24の上部に設けた穀粒流出口24bにジャバラ状の排出ホース29を設けて構成される。穀粒排出時はエンジンからの動力によってバケット27a付の搬送チェーン27が回転駆動すると、穀粒タンク8の穀粒取出口22から零れ出る穀粒は樋部材23により揚送ケース24の穀粒受入口24aへ落下案内され、穀粒受入口24aから揚送ケース24内に流れ込んだ穀粒はバケット27aにより掬われて揚送されて、揚送ケース24の上部までバケット27aを介して搬送された穀粒は穀粒流出口24bから流れ出て排出ホース29で落下案内されながら排出ホース29先端の排出口29aから排出される。よって、ジャバラ状の排出ホース29を折り曲げながら排出口29aを移動させることにより、穀粒を任意の位置に排出することが可能となっている。
【0012】
図3は汎用コンバインの穀粒処理部を示す要部正面図、
図4は右側板を省略した穀粒タンクの斜視図、
図5は流し板の構造を説明する穀粒タンクの平断面図である。
31は穀粒タンクの内部に掛止やボルト止めで着脱自在に固定される流し板であり、取付けた場合は穀粒タンク8の内部を上下に区切る。脱穀選別部5で選別された穀粒は揚穀装置で搬送されて穀粒タンク8内に貯留されるが、流し板31を取付けた場合は穀粒タンク8内の流し板31より上方にしか穀粒は貯留されない構成となっている。また、流し板31は穀粒取出口22側ほど低くなるように傾斜して取り付けられており、貯留された穀粒が自重で穀粒取出口22側に流れて集まる構成となっている。
【0013】
前記流し板31は全体が6分割に構成され、先ず全体のベース部分を前後方向で2分割(31a,31b)し、更に穀粒タンク8の4つの角部に臨む部分(31c,31d,31e,31f)を夫々分割すると共に、夫々を
図5の矢印方向に調節できるように長穴を介してボルトで連結している。
このような分割構成にすると、組立時に当接回避する部分が少なくなり組立作業性が向上すると共に、加工誤差や組立バラツキにより穀粒タンク8と流し板31との間に隙間が生じても、流し板31a〜31fの夫々を穀粒タンク8の内壁に押し付けて組み付けることが出来るから、穀粒が隙間から漏れ落ちることを防止して品質を確保することが出来る。特に角部を分割することで確実に隙間を塞ぐことが出来る。
【0014】
図3は汎用コンバインの穀粒処理部を示す要部正面図、
図6は穀粒タンクの要部斜視図である。
32は穀粒タンクの穀粒取出口22をスライド移動により開閉自在なシャッタ部材である。穀粒タンク8の右側板8aにおける下部の前後中間位置には、穀粒を取り出す四角形状の穀粒取出口22が設けられており、右側板8aの穀粒取出口22の上下位置には夫々レール部材33,34がボルト固定されている。シャッタ部材32は、上下一対のレール部材33,34に嵌合して上下及び左右方向への移動が規制された状態で、上下一対のレール部材33,34によって右側板8aに沿う前後方向にスライド移動自在に支持されている。35はシャッタ部材32に備えたハンドルであり、ハンドル35を持って押し引き操作することで穀粒取出口22を開閉できる構成となっている。36はシャッタ部材32のハンドル35に嵌脱自在なクランプであり、シャッタ部材32が閉じ位置にあると嵌合する構成となっている。また、37はシャッタ部材32の開き側への移動を規制するストッパ部材であり、シャッタ部材32が所定の開き位置で当接する構成となっている。
【0015】
穀粒の排出経路をスクリューコンベア式の第1排出手段X側とバケットコンベア式の第2排出手段Y側とに切替可能な排出切替手段Kは、流し板31とシャッタ部材32とで構成される。即ち、流し板31を取外すと共に、シャッタ部材32を閉じ位置にスライド移動して穀粒取出口22を閉じると、穀粒タンク8に貯留された穀粒は穀粒タンク8底部の移送ラセン11と、縦送りオーガ12及び横送りオーガ13(排出オーガ)によって機外に排出される一方、流し板31を取付けると共に、シャッタ部材32を開き位置にスライド移動して穀粒取出口22を開放すると、流し板31の傾斜により穀粒取出口22側へ流れて集まる穀粒がそのままの勢いで穀粒取出口22から零れ落ち、前記樋部材23及び側方排出装置21によって機外に排出される構成となっている。
【0016】
次に、本発明を採用したシャッタ部材のスライド支持構成について説明する。
図7はシャッタ部材のスライド支持構造を示す要部断面図(シャッタ部材のスライド移動方向から見た断面図)であり、(A)は本発明の第一実施形態を表し、(B)は本発明の第二実施形態を表す。
先ずは、本発明の第一実施形態である
図5(A)について説明する。
穀粒タンク8の右側板(タンク側板)8aには貯留した穀粒を取り出す四角形状の穀粒取出口22が設けられており、穀粒取出口22の上下位置には夫々レール部材33,34がボルトで固定されている。上側のレール部材33と下側のレール部材34とは
図7(A)において上下対称形状となっている。レール部材33,34はその両端が折り曲げ加工された板状部材であり、断面が「L」形に近い形状に構成されている。詳述すると、レール部材33,34は、右側板8aに取り付けられる取付部33b,34bと、外側に出っ張りその外側部分にシャッタ部材32を支持する支持部33a,34aと、シャッタ部材32をスライド移動自在に摺動案内する凸状摺動部33c,34cとを備えて構成されている。
【0017】
シャッタ部材32は、断面が「コ」形に近く両端が折り曲げ加工された板状部材であるシャッタ板38と、シャッタ板38に溶着されてシャッタ板38を開閉操作するハンドル35と、シャッタ板38の折曲部に夫々溶着された断面が円形の棒状部材39,39とで構成されている。シャッタ板38は、プレート基部38aに対して両端が折り曲げ加工されており、その折曲部38bとプレート基部38aと棒状部材39とで溝状の凹状摺動部を構成し、レール部材33,34の夫々の凸状摺動部33c,34cがシャッタ板38の両端に設けた夫々の凹状摺動部に嵌り込む構成となっている。
【0018】
即ち、シャッタ板38(シャッタ部材32)は、穀粒タンク8の右側板8aに突設された略L形のレール部材33,34の先端部分(外側部分)にスライド移動自在に支持されると共に、前述の凸状摺動部と凹状摺動部とを嵌め合わして構成される上下の摺動支持部Sにより、上下及び左右方向への移動が規制された状態で、右側板8aに沿う前後方向にスライド移動自在に摺動案内される構成となっている。
このようにすると、シャッタ板38(シャッタ部材32)のスライド支持構成が簡素になると共に、シャッタ板38と穀粒タンク8の右側板8aとの間にレール部材33及び34が介在し、シャッタ板38と右側板8aとが摺接しない構成となっているから、穀粒タンク8内の穀粒の重量により右側板8aが歪んだとしても影響を受け難く、シャッタ板38の開閉操作を容易に行うことができる。
【0019】
また、レール部材33,34は、穀粒タンク8の右側板8aより強固な部材(板厚を厚くしたり、曲げ強度に強い断面形状にする等)に構成している。このようにすると、穀粒の重量により右側板8aが歪んだとしても、レール部材33,34まで変形が伝わり難い構成となり、シャッタ部材32の開閉操作を容易に行うことができる。
【0020】
また、シャッタ部材32の凹状摺動部の側部(丸棒部材39)とレール部材33,34の凸状摺動部33c,34cの側部とは線接触する構成としている。このようにすると、穀粒の重量でシャッタ部材32が外側に押し付けられたり、タンク側板8aが歪んで一対のレール部材33,34の相対的な位置関係が多少ずれたとしても、摺動抵抗の増加を抑えてシャッタ部材32の開閉操作を容易に行うことができる。
【0021】
次に、本発明の第二実施形態である
図7(B)について説明する。
前記第一実施形態では、レール部材に凸状摺動部を設け、シャッタ部材に凹状摺動部を設けていたのに対して、第二実施形態ではレール部材に凹状摺動部を設け、シャッタ部材に凸状摺動部を設けている点で構成が異なる。
【0022】
穀粒タンク8の右側板(タンク側板)8aには貯留した穀粒を取り出す四角形状の穀粒取出口22が設けられており、穀粒取出口22の上下位置には夫々レール部材43,44がボルトで固定されている。上側のレール部材43と下側のレール部材44とは
図7(B)において上下対称形状となっている。レール部材43,44は、レール板46,47と、レール板46,47に溶着される断面が円形の棒状部材49とで構成されている。レール板46,47はその片側が折り曲げ加工された板状部材であり、断面が「L」形に近い形状に構成されている。詳述すると、レール板46,47は、右側板8aに取り付けられる取付部46b,47bと、外側に出っ張りその外側部分にシャッタ部材42を支持する支持部46a,47aとを備えている。また、支持部46a,47aの外側部分には夫々2つの棒状部材49が溶着してあり、その2つの棒状部材49と支持部46a,47aにより、シャッタ部材42をスライド移動自在に摺動案内する溝状の凹状摺動部を構成している。
【0023】
シャッタ部材42は、平板状部材であるシャッタ板48と、シャッタ板48に溶着されてシャッタ板48を開閉操作するハンドル45とで構成されている。シャッタ板48の両端は、レール部材43,44の夫々の凹状摺動部に嵌り込む凸状摺動部として機能する。
【0024】
即ち、シャッタ板48(シャッタ部材42)は、穀粒タンク8の右側板8aに突設された略L形のレール部材43,44の先端部分(外側部分)にスライド移動自在に支持されると共に、前述の凸状摺動部と凹状摺動部とを嵌め合わして構成される上下の摺動支持部Sにより、上下及び左右方向への移動が規制された状態で、右側板8aに沿う前後方向にスライド移動自在に摺動案内される構成となっている。
【0025】
このようにすると第一実施形態と同様に、シャッタ板48(シャッタ部材42)のスライド支持構成が簡素になると共に、シャッタ板48と穀粒タンク8の右側板8aとの間にレール部材43及び44が介在し、シャッタ板38と右側板8aとが摺接しない構成となっているから、穀粒タンク8内の穀粒の重量により右側板8aが歪んだとしても影響を受け難く、シャッタ板38の開閉操作を容易に行うことができる。
【0026】
また、レール部材43,44は、穀粒タンク8の右側板8aより強固な部材(板厚を厚くしたり、曲げ強度に強い断面形状にする等)に構成している。このようにすると、穀粒の重量により右側板8aが歪んだとしても、レール部材43,44まで変形が伝わり難い構成となり、シャッタ部材42の開閉操作を容易に行うことができる。
【0027】
また、シャッタ部材42の凸状摺動部の側部とレール部材43,44の凹状摺動部の側部(丸棒部材39)とは線接触する構成としている。このようにすると、穀粒の重量でシャッタ部材42が外側に押し付けられたり、タンク側板8aが歪んで一対のレール部材43,44の相対的な位置関係が多少ずれたとしても、摺動抵抗の増加を抑えてシャッタ部材42の開閉操作を容易に行うことができる。
【0028】
以上のように、収穫した穀粒を貯留する穀粒タンク8を設け、穀粒タンク8のタンク側板8aに貯留した穀粒を取り出す穀粒取出口22を設け、穀粒取出口22をスライド移動により開閉する板状のシャッタ部材32,42を設けると共に、タンク側板8aにシャッタ部材32,42をスライド移動自在に支持する一対のレール部材33,34,43,44を取り付けたコンバインの穀粒タンクにおいて、レール部材33,34,43,44をタンク側板8aより強固な部材に構成すると共に、シャッタ部材32,42をタンク側板8aに摺接しないようにレール部材33,34,43,44側にスライド移動自在に支持する構成としたから、穀粒タンク8内の穀粒の重量によりタンク側板8aが歪んだとしても影響を受け難く、シャッタ部材32,42の開閉操作を容易に行うことができる。
また、収穫した穀粒を貯留する穀粒タンク8を設け、穀粒タンク8のタンク側板8aに貯留した穀粒を取り出す穀粒取出口22を設け、穀粒取出口22をスライド移動により開閉する板状のシャッタ部材32,42を設けると共に、タンク側板8aにシャッタ部材32,42をスライド移動自在に支持する一対のレール部材33,34,43,44を取り付けたコンバインの穀粒タンクにおいて、レール部材33,34,43,44をタンク側板8aより強固な部材に構成すると共に、シャッタ部材32,42をタンク側板8aに摺接しないようにレール部材33,34,43,44側にスライド移動自在に支持するにあたり、シャッタ部材32,42をレール部材側又はシャッタ部材側に設けた凸状摺動部とシャッタ部材側又はレール部材側に設けた凹状摺動部とを嵌め合わして構成される摺動支持部Sにより摺動案内し、尚且つシャッタ部材32,42が穀粒タンク8内に貯留された穀粒に押圧されて凸状摺動部の側部と凹状摺動部の側部とが摺接した時に、凸状摺動部の側部と凹状摺動部の側部とが線接触する構成としたから、穀粒タンク8内の穀粒の重量によりタンク側板8aが歪んだとしても影響を受け難く、シャッタ部材32,42の開閉操作を容易に行うことができる。更に、凸状摺動部の側部と凹状摺動部の側部とを線接触としたから、穀粒の重量でシャッタ部材32,42が外側に押し付けられたり、タンク側板8aが歪んで一対のレール部材33,34,43,44の相対的な位置関係が多少ずれたとしても、その摺動抵抗が変わらず、シャッタ部材32,42の開閉操作を容易に行うことができる。
また、収穫した穀粒を貯留する穀粒タンク8を設け、穀粒タンク8のタンク側板8aに貯留した穀粒を取り出す穀粒取出口22を設け、穀粒取出口22をスライド移動により開閉する板状のシャッタ部材32,42を設けると共に、タンク側板8aにシャッタ部材32,42をスライド移動自在に支持する一対のレール部材33,34,43,44を取り付けたコンバインの穀粒タンクにおいて、レール部材33,34,43,44をタンク側板8aより強固な部材に構成すると共に、シャッタ部材32,42をタンク側板8aに摺接しないようにレール部材33,34,43,44側にスライド移動自在に支持するにあたり、レール部材33,34,43,44をタンク側板8aへの取付部33b,34b,46b,47bと外側に出っ張る支持部33a,34a,46a,47aとを備えた断面がL形に近い形状に構成し、該支持部33a,34a,46a,47aの外側部分にシャッタ部材32,42をスライド移動自在に支持する構成としたから、穀粒タンク8内の穀粒の重量によりタンク側板8aが歪んだとしても影響を受け難く、シャッタ部材32,42の開閉操作を容易に行うことができるものでありながら、構造を簡素化できる。
【0029】
本発明は、コンバインの種類(自脱型コンバイン、汎用型コンバイン等)や側方排出装置の有無に関係なく、穀粒タンクに穀粒取出口及びスライド開閉式のシャッタ部材を設けたものであれば採用できる。
【0030】
また、本発明の実施形態では、シャッタ部材を前後方向にスライド開閉したが、開閉方向は前後方向に限定されず、上下方向にスライド開閉する構成に変えても良い。
【0031】
図8はバケットコンベヤの要部斜視図であり、バケット27aの掬い面27bには撥水コーティングが施されている。このようにすると、収穫する作物が濡れ材であってもバケット27aに付着しないので、濡れ材が付着してバケット容量不足が発生したり、詰りが発生するのを未然に防止できる。
また、
図3〜5に示される流し板31の表面には、上記バケットコンベヤと同様に撥水塗料又は潤滑コーティングが塗布されている。このようにすると、流し板31上の流れが良くなり排出時間を大幅に短縮することができる。よって、従来のように流れが悪くて手で掻き出したり、また、流れを良くする為に流し板31の傾斜が急になってタンク容量が減少する等の問題を解消できる。