特許第6126598号(P6126598)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6126598回路装置および信号を送信するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6126598
(24)【登録日】2017年4月14日
(45)【発行日】2017年5月10日
(54)【発明の名称】回路装置および信号を送信するための方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 25/38 20060101AFI20170424BHJP
   H04L 25/02 20060101ALI20170424BHJP
   H04L 25/49 20060101ALI20170424BHJP
   G06F 13/38 20060101ALI20170424BHJP
   G06F 13/42 20060101ALI20170424BHJP
【FI】
   H04L25/38 A
   H04L25/02 V
   H04L25/02 J
   H04L25/49 T
   G06F13/38 350
   G06F13/42 350A
【請求項の数】21
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-525313(P2014-525313)
(86)(22)【出願日】2012年8月16日
(65)【公表番号】特表2014-524697(P2014-524697A)
(43)【公表日】2014年9月22日
(86)【国際出願番号】DE2012200049
(87)【国際公開番号】WO2013023651
(87)【国際公開日】20130221
【審査請求日】2015年8月17日
(31)【優先権主張番号】102011052758.3
(32)【優先日】2011年8月16日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】509348867
【氏名又は名称】シリコン・ライン・ゲー・エム・ベー・ハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ブロン,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ズットトルプ,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ヘルトケ,ホルガー
【審査官】 阿部 弘
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/126753(WO,A1)
【文献】 特開2006−039885(JP,A)
【文献】 特開2008−160370(JP,A)
【文献】 特開2008−113321(JP,A)
【文献】 特開昭58−200653(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0238576(US,A1)
【文献】 特開2006−033804(JP,A)
【文献】 特開2010−050847(JP,A)
【文献】 特開2001−103028(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 25/38
G06F 13/38
G06F 13/42
H04L 25/02
H04L 25/49
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シングルエンド論理レベルベースのデータ信号およびクロック信号と、
差動データ信号および差動クロック信号との両方を、
少なくとも1つのシリアル化された共通信号ストリーム(SI)の形態で、少なくとも1つのデータソースに割り当て可能な少なくとも1つの送信装置(S)と、少なくとも1つのデータシンクに割り当て可能な少なくとも1つの受信装置(E)との間で伝送するための回路装置(A)であって、前記送信装置(S)と前記受信装置(E)との間で同期の状態に達したときに、または前記状態に達した直後に、少なくとも1つの初期化シーケンス(THS−SYNC)を前記共通信号ストリーム(SI)に挿入することができる回路装置。
【請求項2】
前記差動データ信号はコモンモードベースである請求項1に記載の回路装置。
【請求項3】
前記受信装置(E)は、前記初期化シーケンス(THS−SYNC)が挿入されるまで、前記送信装置(S)内に存在する前記データ信号およびクロック信号を、前記受信装置(E)の少なくとも1つの出力部(AE)に流し始めないことを特徴とする請求項1又は2に記載の回路装置。
【請求項4】
前記送信装置(S)は、
前記データ信号およびクロック信号のための少なくとも1つの入力部(ES)と、
前記入力部(ES)の下流の、前記データ信号およびクロック信号を受け取るための少なくとも1つの送信インタフェースロジック(LS)と、
前記送信インタフェースロジック(LS)の下流の、前記共通信号ストリーム(SI)を生成するための少なくとも1つのシリアライザ(SE)と、
前記シリアライザ(SE)の上流で、前記送信インタフェースロジック(LS)のクロックモジュール(CS)の下流に設けられた、少なくとも1つの基準クロックを生成するための少なくとも1つのクロック発振器(PS)と、
前記シリアライザ(SE)の下流の少なくとも1つの出力ドライバ(AT)と、
前記出力ドライバ(AT)の下流の、前記共通信号ストリーム(SI)を前記受信装置(E)へ送信するための少なくとも1つの出力部(AS)と、
を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の回路装置。
【請求項5】
前記クロック発振器(PS)は、少なくとも1つの位相ロックループとして構成されることを特徴とする請求項4に記載の回路装置。
【請求項6】
前記クロック発振器(PS)は、少なくとも1つのクロックマルチプライヤユニットとして構成されることを特徴とする請求項5に記載の回路装置。
【請求項7】
前記シリアライザ(SE)は、
前記送信インタフェースロジック(LS)の下流の、前記共通信号ストリーム(SI)のための、前記受信装置(E)で認識可能な少なくとも1つのフレームを生成するための少なくとも1つのフレーマ(FR)と、
前記フレーマ(FR)の下流の、前記共通信号ストリーム(SI)を生成するための少なくとも1つのマルチプレクサ(MU)と、
を備えることを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の回路装置。
【請求項8】
前記シングルエンド論理レベルベースのデータ信号(HSD0,HSD1,HSD2,HSD3)と前記差動データ信号(DD0+,DD0−,DD1+,DD1−,DD2+,DD2−,DD3+,DD3−)との両方を、前記フレーマ(FR)に印加することができること、および、前記フレーマは、少なくとも1つの符号器(KO)を用いて、前記差動データ信号(DD0+,DD0−,DD1+,DD1−,DD2+,DD2−,DD3+,DD3−)を、シングルエンド論理レベルベースのデータ信号(HSD0,HSD1,HSD2,HSD3)のストリームに埋め込むことを特徴とする請求項7に記載の回路装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの符号器は、少なくとも1つの5b/6b符号器ブロックである請求項8に記載の回路装置。
【請求項10】
前記受信装置(E)は、
前記送信装置(S)によって送信された共通信号ストリーム(SI)のための少なくとも1つの入力部(EE)と、
前記共通信号ストリーム(SI)を受け取るための少なくとも1つの入力増幅器(EV)と、
前記データ信号およびクロック信号を前記共通信号ストリーム(SI)から復元するための少なくとも1つのクロックおよびデータリカバリユニット(CD)と、
前記クロックおよびデータリカバリユニット(CD)の下流の、少なくとも1つの受信インタフェースロジック(LE)の少なくとも1つのクロックモジュール(CE)と、
前記クロックおよびデータリカバリユニット(CD)の下流の、前記データ信号を再並列化するための、および再並列化された前記データ信号を前記受信インタフェースロジック(LE)に割り当てるための少なくとも1つのデシリアライザ(DS)と、
前記受信インタフェースロジック(LE)の下流の、前記データ信号およびクロック信号のための少なくとも1つの出力部(AE)と、
を備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の回路装置。
【請求項11】
前記デシリアライザ(DS)は、
前記クロックおよびデータリカバリユニット(CD)の下流の、前記データ信号を再並列化するための少なくとも1つのデマルチプレクサ(DM)と、
前記デマルチプレクサ(DM)の下流の、再並列化された前記データ信号を、前記受信インタフェースロジック(LE)に割り当てるための少なくとも1つのデフレーマ(DF)と、
を備えることを特徴とする請求項10に記載の回路装置。
【請求項12】
前記デフレーマ(DF)は、前記差動データ信号(DD0+,DD0−,DD1+,DD1−,DD2+,DD2−,DD3+,DD3−)を、少なくとも1つの復号器(DK)を用いて、前記シングルエンド論理レベルベースのデータ信号(HSD0,HSD1,HSD2,HSD3)と分けて、再並列化された前記データ信号を、それぞれのデータライン(CH0+,CH0−,CH1+,CH1−,CH2+,CH2−,CH3+,CH3−)に割り当てることを特徴とする請求項11に記載の回路装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの復号器は、少なくとも1つの5b/6b復号器ブロックである請求項12に記載の回路装置。
【請求項14】
前記共通信号ストリーム(SI)は、
少なくとも1つの光学媒体(OM)を介して、および/または
少なくとも1つの電気的またはガルバニックなリンク(GA)を介して、前記送信装置(S)と前記受信装置(E)との間で転送可能であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の回路装置。
【請求項15】
前記電気的またはガルバニックなリンク(GA)を、
前記受信装置(E)への電気的またはガルバニックなリンク(GA)を閉じるために、前記送信装置(S)内の少なくとも1つのスイッチ(WS)に、および
前記送信装置(S)への電気的またはガルバニックなリンク(GA)を閉じるために、前記受信装置(E)内の少なくとも1つのスイッチ(WE)に、割り当てたことを特徴とする請求項14に記載の回路装置。
【請求項16】
前記送信装置(S)内の少なくとも1つのスイッチ(WS)には、少なくとも1つの論理モジュール(GS)が備えられている請求項15に記載の回路装置。
【請求項17】
前記受信装置(E)内の少なくとも1つのスイッチ(WE)には、少なくとも1つの論理モジュール(GE)が備えられている請求項15又は16に記載の回路装置。
【請求項18】
シングルエンド論理レベルベースのデータ信号およびクロック信号と、
差動データ信号および差動クロック信号との両方を、
少なくとも1つのシリアル化された共通信号ストリーム(SI)の形態で、少なくとも1つのデータソースに割り当て可能な少なくとも1つの送信装置(S)と、少なくとも1つのデータシンクに割り当て可能な少なくとも1つの受信装置(E)との間で伝送するための方法であって、前記送信装置(S)と前記受信装置(E)との間で同期の状態に達したときに、または前記状態に達した直後に、少なくとも1つの初期化シーケンス(THS−SYNC)が前記共通信号ストリーム(SI)に挿入される方法。
【請求項19】
前記差動データ信号はコモンモードベースである請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記受信装置(E)は、前記初期化シーケンス(THS−SYNC)が挿入されるまで、前記送信装置(S)内に存在する前記データ信号およびクロック信号を、前記受信装置(E)の少なくとも1つの出力部(AE)に流し始めないことを特徴とする請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
前記送信装置(S)は、それ自体を前記基準クロックと同期させ、および
前記受信装置(E)は、それ自体を前記共通信号ストリーム(SI)のデータ転送速度と、および前記共通信号ストリーム(SI)のフレームの少なくとも1つの位置と同期させることを特徴とする請求項18〜20のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載の回路装置、ならびに請求項1のプリアンブルに記載の対応する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビット伝送層または物理層(physical layer:PHY)は、OSI(Open Systems Interconnection)参照モデルとも呼ばれるOSI階層モデルの最下位層であり、コンピュータネットワークにおける通信プロトコルの設計基準としても役に立つ、国際標準化機構(International Standards Organisation:ISO)の階層モデルを示す。
【0003】
物理層(PHY)は、結合、順方向誤り訂正(Forward Error Correction:FEC)、電力制御、拡散(符号分割多元接続)(Code Division Multiple Access:CDMA)等に関与し、およびデータもアプリケーションも識別せず、0と1のみを識別する。PHYは、その上のセキュリティ層(データリンク層)(Data Link Layer:DLL)が、特に、媒体アクセス制御(Media Access Control:MAC)層と呼ばれる部分層を利用可能な論理チャネル(UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)用のトランスポートチャネル)を形成する。
【0004】
原理的に、D−PHYは、モバイル装置内のコンポーネント間の通信リンクのためのフレキシブルで、低コストで、高速のシリアルインタフェースを実現できる。
【0005】
図5Aに示すように、最新の携帯電話において、データソース、例えば、アプリケーションプロセッサは、関連するデータシンク上、例えば、関連するディスプレイ上での表示のために、イメージデータをD−PHY信号として、MIPI−DSI(Mobile Industry Processor Interface−Display Serial Interface)に供給する。また、アプリケーションプロセッサ等のデータシンクは、関連するデータソースから、例えば、関連するカメラから、MIPI−CSI(Camera Serial Interface)を介して、D−PHYフォーマットでイメージデータを受信することができる。
【0006】
D−PHYプロトコルに基づくDSIまたはDSI−2またはCSIまたはCSI−2またはCSI−3は、4つ以下の差動データラインと、差動クロックラインとを備え、これらは、銅ケーブルを用いて、該アプリケーションプロセッサを該ディスプレイおよび/または該カメラに接続する。差動データライン当たりのデータ転送速度は、最高で1.5Gbps(ギガビット/秒)である。
【0007】
1〜4つの差動データ信号および差動クロックラインを介した、この従来のD−PHY−DSI信号またはD−PHY−CSI信号の送信および受信は、マスター側のモジュール(データソース、例えば、カメラおよび/またはアプリケーションプロセッサ)と、スレーブ側のモジュール(データシンク、例えば、アプリケーションプロセッサおよび/またはディスプレイユニット)との間の(データレーンCH0+,CH0−およびCH1+,CH1−と呼ばれる)2つのデータチャネルおよび(クロックレーンCLK+,CLK−と呼ばれる)クロックラインを手段として、図5BのD−PHYインタフェース構造に例として図示されている。
【0008】
この状況において、図5Aを見て分かるように、各関連するディプレイのための、または、各関連するカメラのためのデータ伝送には、最高10の銅線(例えば、2つのデータラインの4倍と、2つのクロックラインの1倍)を要する。
【0009】
ラインの数の望ましい低減を考えると、シリアル化された信号伝送を考慮すべきである。しかし、そのようなシリアル化は、エラーを起こしやすく、不安定なことが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述した欠点および不十分な点を発端として、ならびに概略が説明された従来技術を考慮して、本発明の目的は、効率的なシリアル化信号伝送を、エラーのない安定した方法で、常に実行できるように、上述したタイプの回路装置および上述したタイプの方法をさらに発展させることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、請求項1の特徴を有する回路装置と、請求項11の特徴を有する方法によって達成される。本発明の有利な実施形態および適切なさらなる発展は、それぞれの従属項において特徴付けられている。
【0012】
したがって、本発明によれば、それを用いて、
論理レベルに基づく信号に対応するシングルエンド高速(High Speed:HS)データと、
特に、コモンモード信号に基づく信号に対応する差動低電力(Low Power:LP)データと、
が、共通信号ストリームを形成するようにシリアル化される回路装置および方法が提案される。例えば、シリアル化された後に、1〜4つのデータチャネルが送信される場合、シリアライゼーション要素またはシリアライザにクロックが印加されていれば、または印加されている限り、エラーのない安定した伝送が可能である。
【0013】
この種の(基準)クロックは、少なくとも1つのクロック発振器によって、具体的には、少なくとも1つの位相ロックループ(phase−locked loop:PLL)により、例えば、少なくとも1つのクロックマルチプライヤユニット(clock multiplier unit:CMU)によって生成することができる。
【0014】
シリアルデータリンクを起動する際の主たる問題は、該伝送装置における該クロック発振器を基準クロックに同期させなければならないということと、その場合に、受信装置におけるクロックデータリカバリ(Clock/Data Recovery:CDR)を、共通信号ストリームのデータ転送速度ならびに該データのフレーム位置に同期させなければならないということにある。
【0015】
全体的なデータ伝送路が完全に同期される前に、シリアライゼーション要素またはシリアライザ、具体的には、マルチプレクサにデータが印加された場合、このデータは迷子になる。それに加えて、いわゆる初期化(Initialisation:Init)ワードが迷子になり、該初期化ワードは、特に、D−PHY規格に従って、各HSデータストリームに先行しなければならない。
【0016】
伝送路の完全同期に必要な時間は、大きさに関して分かっており、およびとりわけ、そのシリアルインタフェースにおけるデータ転送速度に依存する。しかし、環境条件に依存する作動電圧、温度、および用いられる半導体技術のプロセスパラメータ等のさらなる要因を考慮しなければならない。
【0017】
初期化シーケンス、具体的には、受信装置に印加されるD−PHY初期化シーケンスが迷子になるのを防ぐため、データが印加される前に、後に続く基準クロックの印加に安全マージンを加えた待ち時間を最小限にするように、該データソース、具体的には、D−PHYデータソースのための対策を講じてもよい。
【0018】
しかし、該シリアル伝送路を起動する際に遅れを取らないために、一旦、同期が完了すると、本発明による該受信装置は、Initシーケンス、具体的には、局所的に合成されたシーケンスを挿入する。
【0019】
都合の良いことに、該受信装置は、Initシーケンスの挿入を済ませるまで、該送信装置に印加されるHSデータをその出力部に流し始めないため、信号、具体的には、D−PHY信号のエラーのない安定したシリアル伝送が確実になり、それによって、DSIおよび/またはCSIの差動データラインおよび差動クロックラインのシリアライゼーション中のデータ損失およびビット誤りが回避される。
【0020】
本発明は、典型的には、シングルエンド論理レベルベースのデータ信号およびクロック信号と、特に、コモンモードベースの、差動データ信号およびクロック信号との両方の、具体的には、D−PHYデータ信号またはD−PHYクロック信号、例えば、1〜4ビット幅のMIPI−D−PHYデータ信号およびMIPI−D−PHYクロック信号の、少なくとも1つのデータソース、具体的には、例えば、少なくとも高解像度カメラおよび/または画像ソースとして機能するカメラおよび/または少なくとも1つのアプリケーションプロセッサと、少なくとも1つのデータシンク、具体的には、少なくとも1つのアプリケーションプロセッサおよび/または少なくとも1つの高解像度ディスプレイユニットまたは例えば、画像シンクとして機能するディスプレイユニット、例えば、少なくとも1つのディスプレイまたは少なくとも1つのモニタとの間での、少なくとも1つのシリアルおよび/または一括の、具体的には、CSIプロトコルベースのおよび/またはCSI−2プロトコルベースのおよび/またはCSI−3プロトコルベースのおよび/またはDSIプロトコルベースのおよび/またはDSI−2プロトコルベースの送信の同期中に適用することができる。
【0021】
前述したように、本発明に関する教示を有利な方法で具体化し、およびさらに発展させるための様々な可能性がある。このため、一方において、請求項1に従属する請求項について、および請求項11について説明し、他方においては、本発明の追加的な実施形態、特徴および効果が、以下でより詳細に、とりわけ、図1A図4によって図示されている例示的な実施形態によって説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1A】本発明の方法に従って作動する、本発明による送信装置の実施形態の概念的略図である。
図1B図1Aにおける送信装置のフレーマの実施形態の詳細を示す概念的略図である。
図2A】本発明の方法に従って作動する、図1Aの送信装置に関連する受信装置の実施形態を示す概念的略図である。
図2B図2Aの受信装置のデフレーマの実施形態の詳細を示す概念的略図である。
図3】本発明の方法に従って作動する、本発明による回路装置の実施形態の概念的略図におけるである。
図4】本発明による、共通信号ストリームに挿入されたInitシーケンスの場合の位置の実施形態を示す概略図である。
図5A】従来技術による典型的な装置の概念的略図である。
図5B図5Aに示す装置がそれをベースにしている、2つのデータチャネルとクロックラインとを備えるインタフェース構造の実施例を示す概念的略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1A図5Bにおいて、類似のまたは同様の実施形態、要素または機能には、同一の参照符号が付けられている。
【0024】
(発明を具体化するための最良の方法)
原理的には、
本発明による送信装置Sに関する図1Aに示す実施形態によって、および
本発明による受信装置Eに関する図2Aに示す実施形態によって、
ケーブルベースのリンクを実現するおよび作動させるための、本発明による回路装置A(図3を参照)が得られ(本発明に関しては、互いに無関係に、送信装置Sと受信装置Eを実現すること、および作動させることが可能である)、
そのリンクは、光学的に、具体的には、少なくとも1つの光学媒体に基づいて、例えば、光導波路OM(図1A図2Aの詳細図を参照)に基づいて、例えば、少なくとも1つのガラス繊維に基づいて、および/または少なくとも1つのプラスチック繊維に基づいて多重化され、およびシリアル化され、および/または
そのリンクは、電気的にまたはガルバニックに、具体的には、少なくとも1つの電気的またはガルバニックなリンクGA(図3を参照)に基づいて、例えば、少なくとも1つの銅線に基づいて、および/または例えば、少なくともプリント回路基板上に配列された少なくとも1つの電気的ラインに基づいて多重化されていない
ことが可能である。
【0025】
図1Aは、DSIデータ伝送インタフェースISまたはCSIデータ伝送インタフェースISへの接続のための送信装置Sの原理的構造の実施形態を示す。
【0026】
アプリケーションプロセッサAP内で、または、カメラKA内で生成された画像データは、D−PHY補正クロック信号CLK+,CLK−とともに、最高で4ビット幅のデータ伝送インタフェースISにおいて、4つ他のデータラインまたはデータチャネルCH0+,CH0−,CH1+,CH1−,CH2+,CH2−,CH3+,CH3−上でD−PHY信号として利用可能になっている。
【0027】
送信装置Sは、これらの信号を集積インタフェースロジックLSにおいて受け取り、そのブロックは、それらの信号が、D−PHY信号の正しい解釈のための、および高周波データストリーム(いわゆるHSデータ)と低周波データストリーム(いわゆる低速(Low Speed:LS)データ)を区別するための少なくとも1つの状態機械を有することを証明できる。
【0028】
送信装置Sにおける次のフレーマFR(図1Bの詳細図も参照)は、入力信号の直流(Direct Current:DC)平衡を確保し、および受信側(図2Aを参照)で認識可能なフレームを生成し、そのことは、受信装置E(図2Aを参照)が、補正出力データラインまたは出力チャネルCH0+,CH0−,CH1+,CH1−,CH2+,CH2−,CH3+,CH3−に、受信したデータを再割当てすることを可能にする。
【0029】
詳細には、論理レベルベースのシングルエンドデータ信号HSD0,HSD1,HSD2,HSD3と、差動データ信号DD0+,DD0−,DD1+,DD1−,DD2+,DD2−,DD3+,DD3−との両方を、図1BによるフレーマFRに印加することができる。5b/6b符号化ブロックとして構成されたその符号器KOを用いて、図1Bによる該フレーマは、それらの差動データ信号DD0+,DD0−,DD1+,DD1−,DD2+,DD2−,DD3+,DD3−を、シングルエンド論理レベルベースのデータ信号HSD0,HSD1,HSD2,HSD3から成るストリームに埋め込む。
【0030】
フレーマFRに隣接するマルチプレクサMU、具体的には、HS Muxは、位相ロックループとして、具体的には、CMUとして構成されたクロック発振器PSを用いて、高周波シリアルまたは一括送信信号を生成し、その信号は、出力ドライバATを用いて、送信装置Sの出力ASにおいて利用可能になっている。フレーマFRとマルチプレクサMUは、一緒にシリアライザSEを構成している。
【0031】
クロック発振器PSを用いて、クロックポートCLK+,CLK−を介して、およびインタフェースロジックLSのクロックモジュールCSを介して供給されたD−PHYクロック信号は、シリアライザSEのための、具体的には、そのマルチプレクサMUのための(クロック)基準として用いられ、および該シリアルデータストリームに、すなわち、シリアル化された出力信号に埋め込まれる。これにより、受信装置E(図2Aを参照)に伝達される共通信号ストリームSIが生成される。
【0032】
さらに図1Aを見て分かるように、出力ドライバATは、少なくとも1つの直接接続されたレーザLAを駆動するための、具体的には、少なくとも1つの面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting Laserdiode:VCSEL)を駆動するための一体型レーザドライバとして実装されている。
【0033】
図2Aは、DSIデータ伝送インタフェースIEまたはCSIデータ伝送インタフェースIEへの接続のための受信装置Eの原理的構造の実施形態を示す。
【0034】
送信装置S(図1Aを参照)によって送出されたシリアルまたは一括データは、受信装置Eの入力増幅器EVを介して受け取られ、集積クロックまたはデータリカバリCDへ供給される。
【0035】
この集積クロックまたはデータリカバリCDは、共通信号ストリームSIから元のD−PHYクロックを再生し、その後、該クロックは、インタフェースロジックLEのクロックモジュールCEを介して、再び、DSIまたはCSIが直接、利用できるようにされる。残りのシリアルデータストリームは、デマルチプレクサDMによって細分化および並列化されて、原理的には、図1BによるフレーマFRの鏡像であるデフレーマDF(図2Bも参照)へ引き渡される。デマルチプレクサDMとデフレーマDFは、一緒にデシリアライザDSを構成する。
【0036】
詳細には、図2BのデフレーマFRは、6b/5b復号器ブロックとして構成されたその復号器DKを用いて、差動データ信号、DD0+,DD0−,DD1+,DD1−,DD2+,DD2−,DD3+,DD3−と、シングルエンド論理レベルベースのデータ信号HSD0,HSD1,HSD2,HSD3を分けて、再並列化されたデータ信号を、それぞれの適用可能なデータラインCH0+,CH0−,CH1+,CH1−,CH2+,CH2−,CH3+,CH3−に再割り当てすることができる。
【0037】
受信装置E内に図示されているインタフェースロジックブロックLEは、それぞれ、D−PHY論理信号の正しい解釈のための、および高周波データストリームと低周波データストリームを区別するための少なくとも1つの状態機械を備えていてもよい。
【0038】
図2Aの説明図を見ても分かるように、入力増幅器EVは、集積トランスインピーダンス増幅器として実装され、該増幅器は、フォトダイオードFDを受信装置Eに直接接続することを可能にしている。
【0039】
このようにして、本発明によれば、回路装置A(図3を参照)に関しては、送信装置S(図1Aを参照)と受信装置E(図2Aを参照)との間で、ケーブルベースの多重化リンクを光学的に、すなわち、例えば、ガラス繊維の形態でおよび/またはプラスチック繊維の形態で構成された光導波路OMを用いて実現し、および作動させることが可能である。
【0040】
図3は、送信装置S(図1Aを参照)および受信装置E(図2Aを参照)全体の実施形態を示す。これは、シリアルリンクを備えた、または、並列化されたデータストリームを伴うD−PHY伝送路である。
【0041】
この目的のために、D−PHY−HS/LPデータは、本質的に、シリアライザSEと、特に、マルチプレクサMUとを備える送信装置S(図1Aを参照)によって一括化されて、シリアルデータストリームとして受信装置E(図2Aを参照)へ送信される。
【0042】
本質的に、デシリアライザDSと、ここでは特に、デマルチプレクサDMとを備えるこの受信装置E(図2Aを参照)は、該シリアルデータを細分化して、それを元の形態でD−PHY−HS/LPデータとして再出力する。送信装置S(図1Aを参照)に印加されるD−PHY−クロック(Clock:CLK)は、シリアライザSEのためのクロック基準として用いられ、および該シリアルデータストリームに埋め込まれる。受信装置E(図2Aを参照)は、このクロックを再生して、それをD−PHY−CLKとして再出力する。
【0043】
ここで、LPデータのみを、n個のD−PHYリンクまたはD−PHYレーンのうちの1つのみで、一時的または継続的に送信する場合、送信装置S(図1Aを参照)の対応する入力ESは、特に、少なくとも1つの論理モジュールGSによって作用される少なくとも1つのスイッチWS(単に、説明を簡単にするために、図1Aには図示されていない)によって、送信装置S(図1Aを参照)の別のポートまたは追加的なポートAZに接続することができる。
【0044】
同様に、受信装置E(図2Aを参照)の出力AEは、特に、少なくとも1つの論理モジュールGEによって作用される少なくとも1つのスイッチWE(単に、説明を簡単にするために、図2Aには図示されていない)によって、受信装置E(図2Aを参照)の別のポートまたは追加的なポートEZに接続することができる。
【0045】
送信側のこのポートAZと、受信側のこのポートEZとは、少なくとも1つの電気的な、またはガルバニックなリンクGAを用いて、具体的には、少なくとも1つの1ビット幅の銅線を用いて、または、例えば、少なくとも1つのプリント回路基板上に配置された少なくとも1つの電気的ラインを用いて、接続されている。
【0046】
図4を参照すると、InitシーケンスTHS−SYNCの挿入位置が、HSデータバーストの場合の実施形態に図示されている。このようなInitシーケンスTHS−SYNCは、該シリアルデータリンクの起動中の主要な問題を示し、すなわち、送信装置S(図1Aを参照)内のクロック発振器PSは、基準クロックと同期しなければならず、およびその後、受信装置E(図2Aを参照)内のCDR(クロックデータリカバリ)またはクロックリカバリCDは、該シリアルデータストリームと、および該データのフレーム位置と同期しなければならない。
【0047】
データ伝送路全体が完全に同期される前に、データがシリアライザSEに、具体的には、そのマルチプレクサMUに印加された場合、このデータは失われる。また、いわゆるInitワードが失われ、これは、D−PHY規格に従って、各HSデータストリームに先行しなければならない。
【0048】
このような損失を避けるために、および完全同期を実現した後、受信装置E(図2Aを参照)は、局所的に合成されたInitシーケンスTHS−SYNCを挿入し、およびこのInitシーケンスTHS−SYNCを挿入した後、送信装置S(図1Aを参照)に実際に印加されたHSデータを、その出力AEに流し始め、結果、D−PHY信号のエラーのない安定したシリアル伝送が確実にされ、換言すれば、データ損失およびビット誤りが確実に回避されるとともに、DSIおよび/またはCSIの差動データラインおよび差動クロックラインがシリアル化される。
【符号の説明】
【0049】
A 回路装置
E 受信装置
S 送信装置
AE 受信装置Eの出力部
AP アプリケーションプロセッサ
AS 送信装置Sの出力部
AT 出力ドライバ、具体的には、レーザドライバ
AZ 送信装置Sの他のまたはさらなるまたは追加的な出力部
CD クロックおよびデータリカバリユニット
CE 受信インタフェースロジックLEのクロックモジュール
CH0± 第1のデータラインまたは第1のチャネル
CH1± 第2のデータラインまたは第2のチャネル
CH2± 第3のデータラインまたは第3のチャネル
CH3± 第4のデータラインまたは第4のチャネル
CLK± クロックラインまたはクロックチャネル
CS 送信インタフェースロジックLSのクロックモジュール
DD0± 第1のデータラインまたは第1のチャネルCH0±上の差動信号、具体的には、コモンモードベースのデータ信号
DD1± 第2のデータラインまたは第2のチャネルCH1±上の差動信号、具体的には、コモンモードベースのデータ信号
DD2± 第3のデータラインまたは第3のチャネルCH2±上の差動信号、具体的には、コモンモードベースのデータ信号
DD3± 第4のデータラインまたは第4のチャネルCH3±上の差動信号、具体的には、コモンモードベースのデータ信号
DF デフレーマ
DK デフレーマDFの復号器、具体的には、6b/5b復号器ブロック
DM デマルチプレクサ
DS デシリアライゼーション要素またはデシリアライザ
DU ディスプレイユニット
EE 受信装置Eの入力部
ES 送信装置Sの入力部
EV 入力増幅器、具体的には、トランスインピーダンス増幅器
EZ 受信装置Eの他のまたはさらなるまたは追加的な入力部
FD フォトダイオード
FR フレーマ
GA 電気的またはガルバニックなリンク、具体的には、例えば、プリント回路基板上に配置された銅線または電気的ライン
GE 受信装置Eの論理モジュール
GS 送信装置Sの論理モジュール
HSD0 第1のデータラインまたは第1のチャネルCH0±上のシングルエンド論理レベルベースのデータ信号
HSD1 第2のデータラインまたは第2のチャネルCH1±上のシングルエンド論理レベルベースのデータ信号
HSD2 第3のデータラインまたは第3のチャネルCH2±上のシングルエンド論理レベルベースのデータ信号
HSD3 第4のデータラインまたは第4のチャネルCH3±上のシングルエンド論理レベルベースのデータ信号
IE データシンク関連のCSIおよび/またはCSI−2および/またはCSI−3および/またはDSIおよび/またはDSI−2インタフェース
IS データソース関連のCSIおよび/またはCSI−2および/またはCSI−3および/またはDSIおよび/またはDSI−2インタフェース
KA カメラ
KO フレーマFRの符号器、具体的には、5b/6b符号器ブロック
LA レーザ
LE 受信インタフェースロジック
LS 送信インタフェースロジック
MU マルチプレクサ
OM 光学媒体、具体的には、光導波路、例えば、ガラス繊維および/またはプラスチック繊維
PS クロック発振器、具体的には、位相ロックループ、例えば、クロックマルチプライヤユニット
SE シリアライゼーション要素またはシリアライザ
SI 共通信号ストリーム
HS−SYNC 初期化シーケンスまたはInitシーケンス
TL クロックライン
WE 受信装置Eのスイッチ
WS 送信装置Sのスイッチ
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B