【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の態様において、本発明は物品を計量配分する装置を提供し、
当該装置は、
n個の容器を備え、そのうちn−m個が物品を受け入れるのに適しており、前記容器は物品受け入れ位置と物品計量分配位置の間で移動可能である搬送部材と、
容器内の物品の存在を感知し、前記受け入れ位置と前記計量配分位置との間に配置されたセンサと、を備え、
前記容器のうちm個は物品を受け入れられないブランク容器であり、
前記センサは、n個の容器がセンサを通過した時点での搬送された検出可能な物品の最大数がn−m個となるように、空容器とブランク容器を区別できず、mは少なくとも1個である。
【0011】
計量配分装置に、計量分配された物品を計数するためのセンサが設けられている場合、その計数の精度はセンサの信頼性としてのみ正確であるということを本発明者は認識している。本発明は、センサが正しく機能しているか否かを識別するための単純かつ便利な手段を提供するが、それは、誤作動するセンサは物品の欠如ではなく物品の存在を「検出」する傾向が多いという認識から出発している。したがって、センサにとって不可視の1つ以上のブランク空間を配設することにより、コンベヤの容器内にn−m個の物品ではなくn個の物品をセンサが「検出」する、誤作動しているセンサを識別することが可能となる。
【0012】
いくつかの実施形態において、搬送部材は、容器を略環状の経路で搬送するように構成されている。
【0013】
好ましくは、物品を受け入れるための容器の各々は、略同一サイズの単一の物品を受け入れるように構成されている。
【0014】
いくつかの実施形態において、ブランク容器は、例えばバッフルによって差動解除される容器を備えている。好ましくは、そのようなバッフルは容器の1以上の画定壁と一体的に形成されている。
【0015】
好ましくは、センサは光電セルを備えている。いくつかの実施形態において、ブランク容器に含まれたバッフルは、少なくとも光電セルによって検出可能な光の波長範囲に対して透明である。赤外線が光電セルに対して検出可能であることが好ましい。
【0016】
好ましくは、装置はさらに、計量分配されるべき物品の格納用の格納室が収容される、または収容可能であるハウジングを備えている。好ましくは、格納室はハウジング内に解除可能に係合する着脱可能なカセット内に配設されている。
【0017】
装置が、コンベヤによって格納室から供給された物品を収集し保持するための計量配分室をも備えていることが好ましく、この計量配分室は計量配分出口を含んでいる。計量配分出口は好ましくは、計量配分室に保持された薬剤を計量配分するために選択的に開放可能である。いくつかの実施形態において、計量配分室は、計量配分出口が閉鎖されている第1の位置と、計量配分出口が開放されている第2の位置の間で選択的に移動可能である。計量配分器は、計量配分室の第1の位置と第2の位置の間での移動を生じさせるモータを含みうる。
【0018】
いくつかの実施形態において、装置はさらに、センサからのデータを受信するように構成されたプロセッサを備え、データは、容器のうち1以上における物品の有無を示す。好ましくは、プロセッサは、センサがn個の容器がコンベヤを通過した時点で搬送されたn個の物品の存在を示した場合に、警告を出すように構成され、当該警告は、センサの誤作動を示すものである。警告は、可聴警告、振動する警告などの動的警告、書面の或いは図柄の警告などの視覚的警告または発光装置(例えば発光ダイオード)の照明のうち1以上を含みうる。
【0019】
好ましくは、プロセッサは、センサが2以上(例えば3以上、4以上、5以上または6以上)の隣接する容器に物品を検出しなかった場合に警告を出すように構成される。
【0020】
いくつかの実施形態において、プロセッサは、所定期間中および所定の時点で計量分配された物品の個数を示す情報を計算し格納するように構成されている。
【0021】
好ましくは、装置は容器を受け入れ位置と計量配分位置の間で搬送するようにコンベヤを作動させるモータを備えている。モータは好ましくは、コンベヤを、受け入れ位置から計量配分位置方向に向けて、コンベヤの有効長さの1/n増加分だけ移動させるように動作可能である。モータは、プロセッサと通信状態に、かつ少なくとも部分的にプロセッサによって制御可能に配置されていることが好ましい。特に、プロセッサは、1以上の所定時点に所定数の物品を計量配分するようにモータを作動させるよう構成されていることが好ましい。
【0022】
プロセッサは、計量分配されるべき物品の個数と、それらの物品が計量分配されるべき1以上の時間を提供するようにプログラム可能であってもよい。例えば、プロセッサは、統合されたキーボードまたはグラフィカルユーザインターフェースによって、または遠隔の第2のプロセッサ(例えばパーソナルコンピュータまたはサーバ)との通信によってプログラム可能であってよい。
【0023】
いくつかの実施形態において、プロセッサは、物品を一切計量配分せずに、モータを作動させることで検出器を通過するようにn個の容器を移動させ、(i)装置によって計量分配される残りの物品の個数と(ii)センサの機能のうち一方または両方を示すデータを提供するように容器内に保持された物品の個数を評価することを含むテストルーチンを実行するように構成されている。好ましくは、プロセッサは、物品の計量配分が予定されていない時間にテストルーチンを実行するように構成されている。
【0024】
別の態様において、本発明は投薬計量配分装置を提供し、投薬計量配分装置は、
n個の容器を備え、そのうちn−m個が物品を受け入れるために適切であり、容器が物品受け入れ位置と物品計量分配位置の間で移動可能である搬送部材と、
受け入れ位置と計量配分位置の間に配置され、容器内の物品の存在を感知するセンサとを備え、
前記容器のうちm個は物品を受け入れることができないブランク容器であり、n個の容器がコンベヤを通過した時点の搬送された検出可能な物品の最大数がn−m個となるように、センサは空容器とブランク容器を区別できず、mは少なくとも1であり、装置は、複数の個別の薬剤を備えた物品を計量配分するためのものである。
【0025】
好ましくは、装置は複数の個別の薬理活性錠剤を包含する。錠剤の意図される投薬はn−m個より多い錠剤を含んでいることが好ましい。
【0026】
別の態様において、装置は本明細書に記載される装置で使用されるように適合された薬剤の複数の個別の単位を収容する。
【0027】
好ましくは、装置は予め規定された期間内で物品の所定の最大数まで計量配分する(例えばプロセッサの適切なプログラミングによって)ように構成されている。末端使用者に薬剤を計量配分するために装置が使用されている場合、例えば、薬剤師またはその他の医療従事者は、装置が偶発的または意図的な過量投薬を防止できるように、処方された投薬に装置をプログラムできる。
【0028】
別の態様において、本発明はセンサ(例えば本明細書に記載される装置における)の故障を識別する方法を提供し、当該方法は、
(i)センサを通過するようにn個の容器を移動させることで、物品を収容している容器の個数を検出する工程と、ここで、前記容器のうちn−m個は物品を保持するのに適しており、物品を保持するのに適していないm個の容器は、物品を保持するのに適した空の容器との区別がつかず、
(ii)物品を収容しているものとして検出された容器の個数がn−m個より多い場合に使用者に警告を与える工程と、を含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、方法の実施において容器から物品が全く計量分配されない。
【0030】
いくつかの実施形態において、方法はさらに、2以上(例えば3以上、4以上、5以上または6以上)の隣接した容器に物品が全く検出されない場合に使用者に警告を与える工程を含む。
【0031】
別の態様において、本発明は、装置(上記に説明した装置等)から物品を計量配分する方法を提供し、当該方法は、
(i)n個の容器を受け入れ位置から計量配分位置に移動させる工程と、ここで、前記容器のうちn−m個は物品を保持するのに適しており、物品を保持するのに適していないm個の容器は、物品を保持するのに適した空容器と同等なものとしてセンサにより検出可能とされ、前記センサは、前記受け入れ位置と前記計量配分位置の間に位置決めされ、
(ii)センサを用いて、物品を収容している容器の個数を検出する工程と、
(iii)物品を収容しているものとして検出された容器の個数がn−m個より多い場合に使用者に警告を与える工程と、を含む。
【0032】
別の態様において、本発明は、所定の投薬体制に従うために、装置(上記に説明した装置等)から個別の薬剤を計量配分する方法を提供し、当該方法は、
(i)n個の容器を受け入れ位置から計量配分位置に移動させる工程と、ここで、前記容器のうちn−m個は個別の薬剤を保持するのに適しており、物品を保持するのに適していないm個の容器は、センサによって個別の薬剤を保持するのに適した容器との区別がつかず、前記センサは、受け入れ位置と計量配分位置の間に位置決めされ、
(ii)センサを用いて、個別の薬剤を収容している容器の個数を検出する工程と、
(iii)個別の薬剤を収容しているものとして検出された容器の個数がn−m個より多い場合に使用者に警告を与える工程と、を含む。
【0033】
好ましくは、方法は、物品を所定期間中に所定の最大数まで計量配分することを含む。末端使用者に薬剤を計量配分するために装置が使用されている場合、例えば、薬剤師またはその他の医療従事者は、装置が偶発的または意図的な過量投薬を防止できるように、処方された投薬になるよう装置をプログラムできる。
【0034】
別の態様において、本発明は、本明細書に記載された装置に組み込まれた場合に上記に説明した方法を実行するように構成されたハードウェアモジュールを提供する。ハードウェアモジュールは例えば、チップまたはグラフィック処理ユニット(GPU)を備えうる。
【0035】
コンピュータ上で実行されたときに、当該コンピュータに、回路、コントローラ、コンバータまたは本明細書に開示される装置を含む任意の装置を構成させる、または本明細書に開示される方法を実行させるコンピュータプログラムが提供されてもよい。このコンピュータプログラムはソフトウェアによる実施であってよく、コンピュータは、非限定的な例として、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ、リードオンリーメモリ(ROM)での実施、消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM)、電子的に消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)を含む任意の適切なハードウェアとして考慮されうる。
【0036】
コンピュータプログラムは、ディスクまたはメモリ装置等の物理的なコンピュータ読取可能媒体でありうるコンピュータ読取可能媒体上で提供されてもよいし、または、一時的な信号として実現されてもよい。そのような一時的信号は、インターネットからのダウンロードを含むネットワークからのダウンロードであってもよい。
【0037】
いくつかの実施形態において、プロセッサは、使用者を促して1以上の所定の時点において所定単位数の薬剤を計量配分するために投薬計量配分装置を作動させるようにプログラム可能である。
【0038】
装置は、使用者に情報を表示するためのディスプレイを含んでいてもよく、ディスプレイは、投薬計量配分装置に、例えば時間、薬物療法および/または投薬サイズを表示させることを可能にする。
【0039】
また装置は好ましくは、コントローラにデータを入力し、入力されたデータに従って投薬計量配分装置の動作を行わせるデータ入力装置を含む。
【0040】
データ入力装置の配設は、使用者が、例えば使用者の症状によって投薬計量配分装置の動作に影響を与えることを可能にする。
【0041】
好ましくは、ディスプレイとデータ入力装置は、タッチ感応画面の形式で配設される。
【0042】
そのような実施形態では、データ入力を促進するために画面上にビジュアルアナログスケール(VAS)が選択的に表示されてもよく、ビジュアルアナログスケール(VAS)は、投薬計量配分装置が1以上の物品を計量配分するときに画面上に表示されうる。
【0043】
特に好ましい実施形態において、装置は、提供された投薬時間および投薬サイズを記憶し、それにより電子的ログ機能を維持するメモリを含む。これは、投薬のコンプライアンスを監視するために使用されうる。そのような実施形態において投薬計量配分装置は、必ずしも入力装置を必要としないであろう。
【0044】
投薬計量配分装置は、音響または光を出力する、および/または計量配分装置を1以上の所定時点で振動させる設定可能なアラームを含みうる。これは、要求される数の薬剤を確実に計量配分する使用者を支援し、また、使用者の薬剤の投薬を、薬剤に関連する治療濃度域内にする。
【0045】
物品の、違法なまたは不正な計量配分を防止するために、装置はロック機構を含んでいてもよい。例えば、子供が計量配分装置から薬剤を投薬して計量配分するリスクを低減する。
【0046】
格納室がカセットの形式で配設されている実施形態において、カセットは読取可能なマーカーを含んでもよく、装置内のプロセッサは、カセットのマーカーを読み取る読取機を含んでもよく、カセットに収容されている物品(例えば薬剤)をコントローラが識別可能である。
【0047】
この構成では、コントローラは、各動作モードが1つの特定の物品に特有であるいくつかの所定の動作モードで機能し、次に、カセットに収容されている物品をコントローラが識別した後では、カセットに収容されている物品に適用されるべき動作モードを選択するように予備プログラムされうる。
【0048】
本発明の好ましい実施形態を以下に、非限定的な例として、添付の図面を参照して説明する。