特許第6126731号(P6126731)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6126731
(24)【登録日】2017年4月14日
(45)【発行日】2017年5月10日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/32 20060101AFI20170424BHJP
   B41M 3/16 20060101ALI20170424BHJP
   B41M 3/06 20060101ALI20170424BHJP
   B41M 5/26 20060101ALI20170424BHJP
   B41J 3/38 20060101ALI20170424BHJP
【FI】
   B41J2/32 Z
   B41M3/16
   B41M3/06 C
   B41M3/06 E
   B41M3/06 F
   B41M5/26
   B41J3/38 Z
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-203022(P2016-203022)
(22)【出願日】2016年10月14日
【審査請求日】2016年10月14日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510050672
【氏名又は名称】新華情報システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100207354
【弁理士】
【氏名又は名称】楠 康正
(72)【発明者】
【氏名】岡村 篤
【審査官】 名取 乾治
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−108553(JP,A)
【文献】 特開昭63−280663(JP,A)
【文献】 特開平08−244286(JP,A)
【文献】 特開平11−091244(JP,A)
【文献】 特開平08−175029(JP,A)
【文献】 特開平07−125266(JP,A)
【文献】 特開平11−235848(JP,A)
【文献】 特開2006−150673(JP,A)
【文献】 特開2016−124238(JP,A)
【文献】 特許第3775613(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/32
B41J 3/38
B41M 3/06
B41M 3/16
B41M 5/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱により発泡する発泡カプセルを表面に一様に塗布した記録媒体に熱を印加することによって立体画像を形成する画像形成装置であって、
前記記録媒体を機内へ給送して搬送する複数の搬送ローラと、
前記記録媒体へ熱を印加する画像形成位置を頂点とする凸形状で配設され、搬送される前記記録媒体の位置を規制する搬送ガイドと、
前記画像形成位置の下方から、先端部が前記複数の搬送ローラによって搬送される記録媒体に当接するように設けられ、該記録媒体に対して熱を印加して立体画像を形成するサーマルヘッドと
前記画像形成位置よりも記録媒体の搬送方向に対して上流側に設けられ、搬送されている前記記録媒体にテンションを与えて該記録媒体を前記サーマルヘッドの前記先端部の方向に押圧するテンション手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記複数の搬送ローラによって前記記録媒体が前記画像形成位置へ搬送されると、前記テンション手段を前記記録媒体に当接させて負荷を与えるように制御する制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記テンション手段は、前記画像形成位置まで前記記録媒体を搬送するテンションローラであり、
前記制御手段は、さらに、
前記複数の搬送ローラによって前記記録媒体が前記画像形成位置へ搬送されると、前記搬送方向とは逆方向に前記記録媒体を引っ張るように前記テンションローラへ回転力を与えるように制御することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記テンションローラは、前記サーマルヘッドの先端部より下方に設けられることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記サーマルヘッドの先端部に対向する位置に設けられ、搬送される前記記録媒体に当接して該記録媒体を前記サーマルヘッドの前記先端部の方向に押圧するサポートローラであって、前記記録媒体に当接する部分が前記記録媒体の発泡部位を押しつぶさない素材で形成された前記サポートローラをさらに備えることを特徴とする請求項乃至の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記素材はスポンジであることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御手段は、
前記画像形成位置に前記記録媒体が搬送されてくるタイミングに合わせて、形成する画像形成データにおける各画素の発泡高に従った加熱時間を算出し、算出した加熱時間に従って前記サーマルヘッドに設けられた複数の微小発熱体の加熱制御を行うことを特徴とする請求項又はに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御手段は、主走査方向の1ラインごとに前記複数の微小発熱体の加熱制御を行って画像を形成することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記サーマルヘッドの前記複数の微小発熱体の蓄熱状態を検出する複数の温度検出センサをさらに備え、
前記制御手段は、前記複数の温度検出センサにより検出結果に基づいて、前記画像形成データに従った加熱制御の時間を補正することを特徴とする請求項又はに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記複数の搬送ローラのうち、前記画像形成位置よりも前記搬送方向に対して下流側に設けられる前記搬送ローラは、前記記録媒体の走査方向に対する両端部に当接し、画像形成された発泡部位には当接することなく、該記録媒体を搬送することを特徴とする請求項乃至の何れか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーマルヘッドを用いて立体画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
視覚障害者向けの点字や触図用の立体画像を作成する分野では、紙に機械式に凸型を打ち出す方式による点字プリンタが使用されている。しかし、触図用としての図は点の連続によって直線や曲線を表すようにしたものであり、本来の直線や曲線を描くことはできない。また、機械式であるため、装置サイズは大きく、動作音も大きく、かつ高価であるため個人での使用を目的とした用途では普及していない。
【0003】
特許文献1には、サーマルプリンタと熱膨張性又は熱収縮性の素材を用いた記録シートを使用して凹凸画像を作成する方法について開示されている。これはサーマルヘッドで印刷リボンを用いて記録シート上に濃淡又はカラーの2次元画像を記録し、次にサーマルヘッドと印刷された熱膨張性又は熱収縮性の素材を用いた記録シートの間にカバーリボンを介在させて、カバーリボンの上から加熱して濃淡又はカラー画像に凹凸を形成する方法である。これは従来のサーマル印刷部位に再度サーマルヘッドでの加熱処理を行い濃淡又はカラー画像の任意の部位に凹凸を作るものである。
【0004】
特許文献2には、サーマルヘッドを熱発泡性の記録媒体の背面に当接させ、サーマルヘッドの熱を印加し記録媒体に凸形状を簡単に形成する感熱記録装置が開示されている。当該感熱記録装置では、記録媒体をサーマルヘッドへ押圧するための、くぼみ又は筋状の溝を持ったプラテンを用いることで記録媒体の膨張を妨げない構造としている。
【0005】
また、熱発泡性材料を塗布したカプセルペーパーを記録媒体として使用する立体コピーシステムが知られている。コピー機によって立体にしたい箇所を黒色のトナーで印字し、別装置の立体作成機にてハロゲン光などを用いて高熱をカプセルペーパー表面に照射し、黒色トナー部分には特に集熱することを利用し、当黒色部分を発泡させて立体画像を形成する方式である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3775613号公報
【特許文献2】特願平7−125266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来技術には以下に記載する課題がある。例えば、特許文献2の構成では、膨張させて凸部を形成する個所に、上記くぼみ又は筋の形状に従って制約が発生し、点字のように固定の間隔を空ける立体を作ることはできても、横線、斜め線や曲線など任意の連続する直線や曲線を描くことはできない。また、上記コピーシステムは、同一の立体画像のコピーを容易に複数枚作成できる利点はあるが、装置は大型で高価である。また、記録媒体の表面全体に熱が加わるため発泡部位以外にも発泡現象が少なからず発生する可能性があり、精緻な画像を形成することは難しい。また、発泡部位の表層ほど高熱を受けるため、発泡の表層部位がもろくなりやすく削り取れやすくなるなどの問題がある。
【0008】
このように、実用化されている視覚障害者向けの点字や触図用立体資料を作成する装置には機械式点字プリンタやカプセルペーパーを用いたコピー機と立体作成機との組み合わせによる装置があるが、いずれも大型かつ高価である。このため、企業、団体、点字翻訳ボランティアや学校などでの資料の作成などに利用されているが、個人レベルで所有し使用するまでには普及していない。また、機械式点字プリンタの作図機能は、点の連続で立体図を描くものであり点のサイズが固定であるため立体画像の表し方に制約がある。さらに、立体コピー機による立体画像の作成では、細い線などの精緻な描画に制限がある。一方で、視覚障害者においてもパソコンの利用が拡大しており、点字や任意の立体図などを容易に家庭で作成できる画像形成装置が要望されている。視覚障害者自身が使用できることを目的としたサーマルヘッドを用いた立体画像作成サーマルプリンタ装置を提供する。
【0009】
本発明は、上述の問題に鑑みて成されたものであり、サーマルヘッドを用いて、任意の連続する直線又は曲線の立体画像を形成可能とし、小型、低騒音、かつ安価な画像形成装置、その制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、熱により発泡する発泡カプセルを表面に一様に塗布した記録媒体に熱を印加することによって立体画像を形成する画像形成装置であって、前記記録媒体を機内へ給送して搬送する複数の搬送ローラと、前記記録媒体へ熱を印加する画像形成位置を頂点とする凸形状で配設され、搬送される前記記録媒体の位置を規制する搬送ガイドと、前記画像形成位置の下方から、先端部が前記複数の搬送ローラによって搬送される記録媒体に当接するように設けられ、該記録媒体に対して熱を印加して立体画像を形成するサーマルヘッドと、前記画像形成位置よりも記録媒体の搬送方向に対して上流側に設けられ、搬送されている前記記録媒体にテンションを与えて該記録媒体を前記サーマルヘッドの前記先端部の方向に押圧するテンション手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、サーマルヘッドを用いて、任意の連続する直線又は曲線の立体画像を形成可能とし、小型、低騒音、かつ安価な画像形成装置、その制御方法及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態に係る画像形成装置の構成例を示す図である。
図2】一実施形態に係る画像形成装置の構成例を示す図である。
図3】一実施形態に係る搬送ローラの構成を示す図である。
図4】一実施形態に係るサーマルヘッドアセンブリと記録媒体の詳細な説明図である。
図5】一実施形態に係る画像形成装置の制御構成例を示す図である。
図6】一実施形態に係るイメージ反転を説明する図である。
図7】一実施形態に係るヒータブロック温度と発泡の高さの相関を示す図である。
図8】一実施形態に係る立体イメージの線幅と発泡の高さの相関を示す図である。
図9】一実施形態に係る線幅44ドットイメージの印加熱条件と発泡の高さの相関を示す図である。
図10】一実施形態に係る画像形成の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0014】
<第1の実施形態>
<画像形成装置の構成>
以下では、本発明の第1の実施形態について説明する。まず、図1を参照して、本実施形態に係る画像形成装置の構成例について説明する。ここでは、本発明に適用可能な画像形成装置の一例として立体画像を作成するサーマルプリンタを例に説明する。
【0015】
サーマルプリンタ100は、主な構成として、サーマルヘッドアセンブリ11、給送ローラ20、テンションローラ21、搬送ローラ22、排送ローラ23、駆動モータ24、25、記録媒体カセット31、排出トレイ32、及び搬送ガイド40を備える。サーマルヘッドアセンブリ11は、形成する画像に応じて、搬送されてきた記録媒体の裏面から発泡層へ熱を印加し、記録媒体上に任意の直線又は曲線などの立体画像を形成する。サーマルヘッドアセンブリ11は、放熱用ヒータブロック11a、温度検出センサ11b、及びサーマルヘッド先端部11cを含んで構成される。
【0016】
給送ローラ20は、記録媒体カセット31から記録媒体を1枚ずつ装置内に給送するためのローラである。テンションローラ(テンション手段)21は記録媒体を搬送ローラ22へ搬送し、その後、当該記録媒体にテンションを加えるように機能するローラである。テンションを加える際のテンションローラ21の動作についての詳細は後述する。搬送ローラ22は、当該記録媒体を印字時に一定の速度で搬送するためのローラである。排送ローラは、搬送されてきた記録媒体を機外へ排出するためのローラである。駆動モータ24は、給送ローラ20及びテンションローラ21に回転力を与えるためのモータである。駆動モータ25は、搬送ローラ22及び排送ローラ23に回転力を与えるためのローラである。
【0017】
記録媒体30は、発泡カプセルが表面に塗布された二層構造の記録媒体である。記録媒体カセット31は複数の記録媒体を積載するカセットである。排出トレイ32は立体画像が形成された記録媒体30が排出され、積載するトレイである。搬送ガイド(搬送路)40はローラ間の記録媒体30の通過部位に配置されるガイドであり、搬送される記録媒体30の位置を規制する。
【0018】
本実施形態に係るサーマルプリンタ100は、サーマルヘッドアセンブリ11が配設された位置において、通常のサーマルプリンタ等では設けられるプラテンローラを設けていない。プラテンローラは、搬送される記録媒体30を上からサーマルヘッドアセンブリ11の方へ押し付ける役割を担うローラである。上記従来技術においても説明したように、このプラテンローラには、記録媒体30へ熱を印加した際に生じる発泡のスペースを設けるため、くぼみや筋が形成されているものの、そのスペースによって発泡部位の膨張が制限されてしまう。したがって、本実施形態によれば、上述のような制約を受けることのない、任意の直線や曲線の立体画像を形成すべく、プラテンローラを設けない構成としている。これにより、本実施形態におけるサーマルプリンタ100では、プラテンローラによる記録媒体30への押圧が無いため、サーマルヘッドアセンブリ11に対して記録媒体30を押しつける代替構成が必要となる。そこで、本実施形態によれば、搬送路である搬送ガイド40を凸形状に設け、搬送ローラ22とテンションローラ21がサーマルヘッド先端部11cより下方位置に配置される。さらには、テンションローラ21を設けて記録媒体30に張力(テンション)を与えることにより、サーマルヘッドアセンブリ11へ記録媒体30を押しつける構成としている。より具体的には、搬送ガイド40を凸形状で設け、その凸部分の頂点が画像形成位置となるように形成される。これにより、画像形成位置に搬送された記録媒体も凸形状に湾曲し、その画像形成部分の裏面がサーマルヘッド先端部11cに押し当てられるように搬送されることとなる。つまり、上述のような構成とすることで、従来のようなプラテンローラを必要とせず、サーマルヘッドアセンブリ11からの熱が記録媒体へ伝わりやすい構成を実現している。
【0019】
<立体画像形成動作>
ここで、本実施形態に係る立体画像作成の動作について説明する。記録媒体30は、記録媒体カセット31から駆動モータ24によって駆動される給送ローラ20及びテンションローラにて1枚ずつ装置内に給送され、サーマルヘッド先端部11cを通過し、搬送ローラ22まで搬送される。さらに、形成する立体画像の開始位置まで記録媒体30が搬送され、当該記録媒体30が画像形成位置に搬送されてくるタイミングに合わせて、立体画像を形成するための熱エネルギーを印加する準備動作が実行され、記録媒体30への加熱を開始する。
【0020】
本実施形態に係るサーマルヘッドアセンブリ11には、微小発熱体が1インチ当たり300ドット配置されていることを想定する。この構成で1ドットあたりに対して、熱エネルギーを約50msecの時間加える必要がある発泡カプセルが塗布された記録媒体30を使用する場合は、1ドットの大きさは約0.085mmであるので、熱エネルギーの印加中は1.7mm/秒以下の定速度で記録媒体30を搬送させることが望ましい。
【0021】
このとき、熱エネルギーを記録媒体裏面から記録媒体表面の発泡層に伝導させるためにサーマルヘッド先端部11cが記録媒体裏面に密着するよう、テンションローラ21は記録媒体30に一定の走行負荷を与えるように機能し記録媒体30にテンションを与える。具体的には、テンションローラ21は、記録媒体30を搬送する場合とは逆回転となる方向に弱い回転力を与えることによって、記録媒体の搬送方向とは逆方向に当該記録媒体30を引っ張る力を与える。なお、本発明はこの制御に限定する意図はなく、例えば、当該ローラの停止した際に記録媒体30の引っ張りに対してわずかな負荷を与える機械的構造によって記録媒体30へテンションを与える構成としてもよい。例えば、テンションローラ21が記録媒体30に対して当接することによりその摩擦力によって搬送方向に対して負荷を与えてもよい。さらに、本発明は、テンションローラ21のように記録媒体を搬送する機能を併せ持つ構成でなくてもよく、単に、記録媒体へテンションを与えるテンション手段であってもよい。この場合、記録媒体30を画像形成位置へ搬送するための搬送ローラが別途必要となる。
【0022】
搬送ローラ22により定速度で記録媒体30が搬送され、同時にテンションローラ21が記録媒体30に走行負荷を与えるように機能することで記録媒体30にはテンションが張った状態が作り出され、搬送ローラ22とテンションローラ21がサーマルヘッド先端部11cより下方位置に配置されているため、記録媒体の裏面はサーマルヘッド先端部11cに密着して搬送されることとなる。上述したように、当該構成により、従来のサーマルプリンタに必須の構造であった記録媒体30の密着と搬送を目的としたプラテンローラは不要となり、記録媒体30の表面の発泡現象を妨げることなく立体を任意の形状で形成することができる。
【0023】
<搬送ローラ>
次に、図3を参照して、搬送ローラ22の構成例について説明する。なお、排送ローラ23も以下で説明する搬送ローラ22と同様の構成であるが説明については省略する。
【0024】
搬送ローラ22は、サーマルヘッドの副走査方向前方、即ち、記録媒体30の搬送方向においてサーマルヘッドアセンブリ11よりも下流側に配置され、記録媒体30を一定の速度で搬送する。つまり、すでに立体画像が形成された記録媒体30を搬送しなければならない。そのため、本実施形態に係る搬送ローラ22は、本体22a及びグリップ部22bを含んで構成される。
【0025】
立体画像形成可能エリアに相対するローラ部の本体22aは、発泡による立体部位を押しつぶすことがないようにその直径を記録媒体30に当接するグリップ部22bより約0.5mm以上小さくして構成される。したがって、記録媒体30は搬送ローラの両端部にあるグリップ部22bにより搬送されることとなる。これにより、サーマルヘッドを通過して加熱された発泡部位は搬送ローラ22によって押しつぶされことがない。なお、上述の立体画像形成可能エリアの相対するローラ部の本体22aは、その直径を小さくせずに、表面を柔らかなスポンジ状の材質にしてもよい。スポンジ状の材質にした場合は記録媒体30との接触面積が増加するため記録媒体30を搬送する搬送力が高まるメリットもある。
【0026】
<記録媒体と発泡制御>
次に、図4を参照して、本実施形態に係る発泡層を有する記録媒体とその発泡制御について説明する。図4は、図1のサーマルヘッドアセンブリ11付近を拡大し、発泡による立体画像が形成される状況を示したものである。
【0027】
記録媒体30の厚みは約0.2mmであり、下側のベース層30bとその上にコーティングされた発泡層30aの二層構造で構成される。発泡層30aには、加熱により発泡する発泡カプセルが塗布されている。ベース層30bの厚みは一般的には約0.1mmである。記録媒体30は、その裏面がサーマルヘッド先端部11cの微小発熱体に密着して走行するように、サーマルヘッドとは適度の伏角をもって接するように搬送される。これにより、搬送ローラ22の引く力とテンションローラ21の走行負荷による合力が、記録媒体裏面がサーマルヘッド先端部11cの微小発熱体に密着する力として機能する。
【0028】
このような構成とすることで、本実施形態に係るサーマルプリンタ100では、記録媒体30の裏面の紙のベース層30bを通して加熱し、記録媒体表面への発泡カプセルの発泡による立体画像を形成することができる。記録媒体表面には、この発泡による立体画像の形成を阻害する部材を配置しない構造としたため、任意の直線や曲線および任意の面積を立体として描くことができる。また、コーティングされる発泡カプセルの発泡開始温度に合わせて、加熱温度及びその加熱時間を制御することにより、期待する発泡の高さを得ることができる。
【0029】
<制御構成>
次に、図5を参照して、本実施形態に係るサーマルプリンタ100の制御構成例について説明する。サーマルプリンタ100は、制御構成としてシステム制御部50を備える。システム制御部50は、CPU51、データ入出力部53、メモリ部54、サーマルヘッド制御部55、表示制御部56、モータ制御部57、及びセンサ等制御部58を備える。各コンポーネントは、バス信号ライン60で接続され、相互にデータを送受することができる。
【0030】
CPU51は、中央処理装置として装置全体を統括的に制御する。CPU51は、データ入出力部53、メモリ部54、サーマルヘッド制御部55、表示制御部56、モータ制御部57、センサ等制御部58などのそれぞれの制御機能を担うコントロール部とバス信号ライン60で接続され、上述の各コントロール部が個々の接続されるデバイスに対して制御動作を担うように構成される。データ入出力部はWi−Fi、Bluetooth(登録商標)、USBなどの入力インタフェース52であり、それらとのデータ通信を制御する。メモリ部54は、ROM、EEPROM、RAM等から成り、サーマルプリンタ100の制御プログラムや各種情報を記憶するとともに、ワークメモリを提供する。サーマルヘッド制御部55は、サーマルヘッドアセンブリ11を形成する画像の画像形成データに従って温度を制御し、温度検出センサ11bからの測定温度を受信する。表示制御部56は、表示操作パネル61に接続され、表示操作パネル61への表示画像を制御するとともに、当該表示画像を介して入力されたユーザ入力を受け付ける。モータ制御部57は、駆動モータ24、25に接続され、各ローラの回転を制御する。センサ等制御部58は、62に示す用紙位置検出センサ、画像形成開始位置センサなどのセンサ群、インターロックスイッチ、リセットスイッチなどのスイッチ群やポート群との入出力を制御する。
【0031】
<制御手順>
次に、図10を参照して、本実施形態に係るサーマルプリンタ100における立体画像形成時における制御手順について説明する。なお、以下で説明する処理は、例えばCPU51がメモリ部54のROM、EEPROMに格納されている制御プログラムをRAMに読み出して実行することにより実現される。
【0032】
S1001で、CPU51は、データ入出力部53を制御し、Wi−Fi、Bluetooth又はUSBなどの入力インタフェース52を介して立体画像の画像形成データを取得する。CPU51は、取得した画像形成データをメモリ部54の書き換え可能メモリであるRAMに格納する。なお、伝送された画像形成データがテキストなどの文字データによるフォーマットの場合は、イメージフォーマットデータに変換し使用されることが望ましい。
【0033】
次に、S1002で、CPU51は、各種パラメータを初期化する。例えば、本画像形成においては、画像形成データを主走査方向の1ラインごとに処理するため、処理対象のラインを示す変数等を初期化する。続いて、S1003で、CPU51は、モータ制御部57を制御し、駆動モータ24、25の駆動を開始し、記録媒体カセット31から記録媒体30を1枚ずつ引き出し、機内へ給送した記録媒体30を画像形成開始位置まで搬送する。
【0034】
その後、S1004で、CPU51は、サーマルヘッド制御部55を制御し、記録媒体30が画像形成開始位置まで到達するのに合わせて、形成する画像に従った当該サーマルヘッドの所定部位を加熱する動作を開始する。ここで、サーマルヘッド制御部55は、上記処理対象ラインを示す変数iに従って、メモリ部54のRAMに格納されている画像形成データをサーマルヘッドの主走査方向の1ラインごとに処理する。また、サーマルヘッド制御部55は、形成する画像形成データにおける各画素の線幅、線間隔、立体部面積などに応じた加熱時間を算出し、画像の各画素に対応するサーマルヘッド部位を加熱する。さらに、サーマルヘッド制御部55は、サーマルヘッドに取り付けた温度検出センサ11bによる検出したヒータブロックの蓄熱状況(検出結果)により、当該加熱時間を補正しながら加熱制御する。これにより、好適に加熱制御を行うことができ、出力時間を短縮することができる。
【0035】
このときのイメージデータは、記録媒体裏面から加熱して表面に立体を形成させるために、図6に示すように反転されたイメージでなければならない。図6の例では、サーマルヘッドの主走査方向の画像形成可能範囲が1ドット目から2100ドット目までとした場合において、文字“P”を1ライン目の第1ドットを起点として立体が形成されるように作られた画像であれば、実際に処理されるときには、1ライン目の全体イメージが左右に反転され、文字“P”の起点だったところは、1ライン目の2100ドット目として処理されることを示したものである。
【0036】
次に、S1005で、CPU51は、モータ制御部57を制御して、駆動モータ24、25の駆動を制御し、記録媒体30の搬送を制御する。具体的には、S1003で画像形成位置まで搬送された記録媒体30に対して、サーマルヘッドアセンブリ11によって所定部位に熱を印加する間に、記録媒体30に対してテンションを与えるように制御する。上述したように、モータ制御部57は、記録媒体30にテンションを与えるべく、駆動モータ24により、テンションローラ21に対して、記録媒体30の搬送方向とは逆方向に記録媒体を引っ張るように、比較的弱い回転力を与えるように制御する。主走査方向の1ラインに対して画像形成データに従った立体画像を形成するために必要な時間の間、サーマルヘッドアセンブリ11によって熱を印加すると、モータ制御部57は、駆動モータ24、25を制御して、記録媒体30を1ライン分搬送する。このように、記録媒体30は、サーマルヘッドの副走査方向に順次送られ、ラインごとに画像に従った当該部位に対応するサーマルヘッドの部位が加熱され、熱が印加されて立体画像が形成される。
【0037】
S1006で、CPU51は、全ての副走査方向の画像形成が終了したか否かを判定する。終了したと判定すると処理を終了し、そうでない場合はS1007に進み、CPU51は、処理対象ラインを次のラインへ設定し(変数i++)、処理をS1004へ戻す。
【0038】
<発泡高>
次に、本実施形態に係る加熱制御による発泡の状況について、図7のヒータブロック温度と発泡の高さの相関図と、図8の立体イメージの線幅と発泡の高さの相関図と、図9の線幅44ドットイメージの印加熱条件と発泡の高さの相関図とを用いてそれぞれ説明する。ここでは以下の条件を前提として説明する。即ち、記録媒体厚を0.2mm、発泡カプセル層を0.1mm、発泡開始温度を約140度、サーマルヘッドを300DPIの24V仕様、発熱体抵抗値を約2KΩ、記録媒体の搬送速度を1mm/secとして、立体画像を形成するための本実施形態に係る熱エネルギーの印加制御について説明する。
【0039】
図7は、ヒータブロック温度と発泡の高さの相関図を示す。横軸はヒータブロックの温度を示し、縦軸は発泡高を示す。図7の例は、線幅44ドットイメージの直線の立体画像を作像する際に、印加する熱エネルギーの温度と時間の条件ごとに、サーマルヘッドのヒータブロックの蓄熱の状況(温度上昇)と発泡の高さの変化を示したものである。いずれの印加する熱エネルギーの条件においても、印字処理の時間経過とともにヒータブロックの蓄熱が進み、その温度上昇に合わせて発泡が高くなることを示すものである。
【0040】
図8は、立体イメージの線幅と発泡の高さの相関図を示す。横軸はヒータブロックの温度を示し、縦軸は発泡高を示す。図7と同様に、ヒータブロックの蓄熱状態に応じて発泡の高さが高くなることを示すとともに、立体イメージの線幅により、印加する熱エネルギーが一定であれば発泡の高さが変化することを示す。図8では印加する熱エネルギー条件を200度及び70msecとして固定し、異なる線幅(44px、24px、14px)の直線を立体に形成した場合を示す。しかし、線幅44画素(ピクセル、px)の太い直線は他の線幅の直線より発泡の高さが高くなっている。これは、サーマルヘッドの隣り合う微小発熱体の駆動される数が多くなるほど、熱エネルギーが記録媒体30の発泡層30aに含まれる発泡カプセルに伝わりやすくなるためである。他方、サーマルヘッドの隣り合う微小発熱体の駆動される数が少ない場合は、印加される熱エネルギーがヒータブロック側に逃げやすく、ヒータブロックの蓄熱は進むが、発泡に必要な熱エネルギーが発泡カプセルに伝わらないためである。つまり、発泡の高さを一定にするためには、立体イメージの線幅により必要となる加熱エネルギーの量が異なることを示している。
【0041】
次に、図9は、線幅44ドットイメージの印加する熱エネルギーの条件と発泡の高さの相関図を示す。横軸はヒータブロックの温度を示し、縦軸は発泡高を示す。印加する熱エネルギー条件(温度と時間)ごとに、ヒータブロックの蓄熱状態に応じて発泡の高さが異なっていることを示している。例として発泡の高さが0.35mmとなるような範囲、即ち、図9中に四角で囲った部分について説明する。ヒータブロックの蓄熱温度の状況により、0.35mmn発泡の高さを得るための印加熱エネルギーの条件が異なることを示している。
【0042】
以上説明したように、本実施形態に係るサーマルプリンタ100は、熱により発泡する発泡カプセルを表面に一様に塗布した記録媒体30に熱を印加することによって立体画像を形成する。より具体的には、本サーマルプリンタ100は、記録媒体30を機内へ給送して搬送する複数の給送ローラ20、テンションローラ21、搬送ローラ22、及び排送ローラ23と、記録媒体30へ熱を印加する画像形成位置を頂点とする凸形状で配設され、搬送される記録媒体30の位置を規制する搬送ガイド40と、画像形成位置の下方から、サーマルヘッド先端部11cが搬送ローラ22によって搬送される記録媒体30に当接するように設けられ、記録媒体30に対して熱を印加して立体画像を形成するサーマルヘッドアセンブリ11と、画像形成位置よりも記録媒体30の搬送方向に対して上流側に設けられ、搬送されている記録媒体30にテンションを与えて記録媒体30をサーマルヘッド先端部11cの方向に押圧するテンションローラ21とを備える。この構成において、本サーマルプリンタ100は、発泡カプセルが塗布された記録媒体30の裏面から熱エネルギーを印加し、連続する直線や曲線又は任意の面積を立体として形成する。より具体的には、本サーマルプリンタ100は、立体画像形成のための熱エネルギーの制御に形成しようとする立体画像の線幅とその連続性、及び近傍の立体イメージの線幅及び近傍のイメージ間の距離などの情報を用いるとともに、さらに、温度検出センサ11bによりサーマルヘッドの蓄熱状態を計測し、その計測値を用いて上述の印加する熱エネルギーを補正し制御することにより、意図する高さの発泡による立体画像を形成することができる。
【0043】
また、本実施形態によれば、通常のサーマルヘッドプリンタで用いられているサーマルヘッド技術を用いているため、熱エネルギーを印加するサーマルヘッドと、記録媒体30を搬送する搬送ローラ機構と、記録媒体30のセット部及び排出部と、サーマルヘッド及び各ローラを制御する制御部とが主な装置の構成要素であり、小型、低騒音、及び安価な装置を提供できる。
【0044】
さらに、本サーマルプリンタ100は、プラテンローラを設けることなく、サーマルヘッドの前後に配置する搬送ローラ機構(テンションローラ21及び搬送ローラ22)によりサーマルヘッドへの密着性を維持しながら記録媒体30を走行させる機構である。従って、発泡により立体画像の形成を阻害する従来のサーマルプリンタのプラテン機構を設けていないため、点、直線、曲線、及び任意の面積を立体にすることを可能としている。
【0045】
また、記録媒体30の裏面から紙厚を通して発泡カプセルに熱エネルギーを伝達する方式においては、紙厚0.2mmの記録媒体30の例では1ドットあたり50msec〜80msecの間加熱し続ける必要があり、サーマルヘッド自身が蓄熱することとなる。このため、本実施形態によれば、この蓄熱状態をサーマルヘッドに取り付けた温度検出センサ11bにて計測し制御に利用する。具体的には、本サーマルプリンタ100は、蓄熱状態の計測値、形成しようとする立体図の線幅とその連続性、近傍の立体イメージの線幅、及びイメージ間の距離などの画像に関連する情報を制御要素として用い、形成する立体画像の高さが意図する高さになるよう制御する。また、この制御は、サーマルヘッドの蓄熱状態が高くなった場合には、サーマルヘッドの微小発熱体の発熱エネルギーを減少させるように制御するものであり、サーマルヘッドが極度に蓄熱することによる破壊を防止するとともに消費電力を低減することができる。
【0046】
<第2の実施形態>
以下では、図2を用いて本発明の第2の実施形態について説明する。図2は、本実施形態に係るサーマルプリンタ200の構成例を示す。ここでは、上記第1の実施形態と異なる構成及び制御について説明する。なお、上記第1の実施形態と同様の構成については、同一の参照番号を付し説明を省略する。
【0047】
図2に示すように、本実施形態に係るサーマルプリンタ200は、柔らかいスポンジ状のサポートローラ26を備える。サポートローラ26は、従来のサーマルプリンタに設けられているプラテンローラと同様の位置、即ち、サーマルヘッドアセンブリ11に対向する位置に設けられる。
【0048】
また、本実施形態に係るサーマルプリンタ200による立体画像作成の動作について説明する。上記第1の実施形態と異なる制御は、テンションローラ21の制御である。熱エネルギーの印加動作に入ってからは、熱エネルギーを記録媒体裏面から記録媒体表面の発泡層30aに伝導させるためにサーマルヘッド先端部11cが常に記録媒体裏面に密着することが求められる。しかし、本実施形態では、上記第1の実施形態と異なり、テンションローラ21は、搬送ローラ22に記録媒体30の搬送を引き渡した後は、記録媒体30にテンションを与えるように機能しなくてもよい。つまり、逆回転などの制御を行う必要はない。
【0049】
その代わりに、本実施形態によれば、記録媒体裏面がサーマルヘッド先端部11cと密着すようにサポートローラ26を備えている。サポートローラ26は柔らかいスポンジ状の材料で作られているため、微小面積の押圧力が小さく発泡現象を妨げることはないが、記録媒体30のサーマルヘッド先端部11cに対向する部位を全体に加圧することができるため、テンションローラ21のテンション機能が無い場合でも記録媒体30とサーマルヘッド先端部11cの密着を維持することができる。なお、本発明は、これに限定されず、サポートローラ26の記録媒体30に当接する部分が当該発泡部位を押しつぶさないような柔らかい素材で形成されればよく、素材をスポンジに限定する意図はない。
【0050】
以上説明したように、本実施形態に係るサーマルプリンタ200は、従来のプラテンローラの代わりに、押圧力の比較的低い柔らかい素材で形成されたサポートローラ26を設け、当該サポートローラによって記録媒体30をサーマルヘッド先端部11cへ押し付ける。これにより、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、本実施形態では、サポートローラ26で記録媒体30を押さえつけているため、搬送路である搬送ガイド40を凸形状に設けなくともよい。
【符号の説明】
【0051】
100、200:サーマルプリンタ、11:サーマルヘッドアセンブリ、11a:放熱用ヒータブロック、11b:温度検出センサ、11c:サーマルヘッド先端部、20:給送ローラ、21:テンションローラ、22:搬送ローラ、23:排送ローラ、24、25:駆動モータ、30:記録媒体、31:記録媒体カセット、32:記録媒体排出トレイ、40:搬送ガイド
【要約】      (修正有)
【課題】視覚障害者自身が使用できることを目的とした立体画像作成サーマルプリンタ装置を提供する。
【解決手段】熱により発泡する発泡カプセルを表面に一様に塗布した記録媒体30に熱を印加することによって立体画像を形成する。より具体的には、記録媒体30を機内へ給送して搬送する、給送ローラ20、搬送ローラ22、及び排送ローラ23と、画像形成位置を頂点とする凸形状で配設され、搬送される記録媒体の位置を規制する搬送ガイド40と、画像形成位置の下方からサーマルヘッド先端部11cが記録媒体30に当接するように設けられ、記録媒体30に対して熱を印加して立体画像を形成するサーマルヘッドアセンブリ11と、画像形成位置よりも記録媒体30の搬送方向に対して上流側に設けられ、搬送されている記録媒体30にテンションを与えて記録媒体30をサーマルヘッド先端部11cの方向に押圧するテンションローラ21とを備える。
【選択図】図1
図1
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図10