特許第6126735号(P6126735)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6126735携帯情報端末、電子チケット処理方法、および電子チケット処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6126735
(24)【登録日】2017年4月14日
(45)【発行日】2017年5月10日
(54)【発明の名称】携帯情報端末、電子チケット処理方法、および電子チケット処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20170424BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20170424BHJP
   G07B 11/00 20060101ALI20170424BHJP
【FI】
   H04M1/00 V
   H04M11/00 302
   G07B11/00
【請求項の数】6
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-244644(P2016-244644)
(22)【出願日】2016年12月16日
(62)【分割の表示】特願2014-147975(P2014-147975)の分割
【原出願日】2014年7月18日
【審査請求日】2016年12月20日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】五味 秀仁
(72)【発明者】
【氏名】寺岡 照彦
(72)【発明者】
【氏名】坪内 孝太
【審査官】 石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−067366(JP,A)
【文献】 特開2013−117750(JP,A)
【文献】 特開2011−091717(JP,A)
【文献】 特開平11−331948(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 19/00
G06K 17/00
G06Q 10/00−40/08
50/00−50/20
50/26−99/00
H04B 5/00−5/06
7/24−7/26
H04M 3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
H04W 4/00−99/00
G07B 11/00−17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同期信号を送信する同期信号送信手段と、
定のサービスの利用権利を示すデータを含み、当該利用権利の使用が規制された電子チケットの当該利用権利の使用規制を解除する信号であって、前記同期信号送信手段で前記同期信号が送信され、かつ、他の携帯情報端末から前記同期信号が送信された場合に出力される解除信号を受信して取得する信号取得手段と、
前記解除信号が取得された場合、前記使用規制を解除する使用規制手段と、
前記利用権利の使用を要求する要求信号を受け付ける要求受付手段と、
前記要求信号が受け付けられた際、前記使用規制が解除されている場合に、前記利用権利を使用する使用処理を実行し、前記使用規制が解除されていない場合に、前記使用処理を実行しない使用実行手段と、を備える
ことを特徴とする携帯情報端末。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯情報端末において、
前記信号取得手段は、所定の信号送信装置から送信される前記使用規制を解除する解除信号を受信して取得し、
前記使用規制手段は、前記同期信号送信手段で前記同期信号が送信された場合に前記解除信号が取得され、かつ、前記所定の信号送信装置から送信された前記解除信号が取得された場合、前記使用規制を解除する
ことを特徴とする携帯情報端末。
【請求項3】
請求項に記載の携帯情報端末において、
前記使用実行手段は、前記所定の信号送信装置から送信される前記解除信号が受信された後、所定時間の間に、前記要求信号が受け付けられた場合、前記使用処理を実行する
ことを特徴とする携帯情報端末。
【請求項4】
請求項に記載の携帯情報端末において、
前記使用実行手段は、前記所定の信号送信装置から送信される前記解除信号が受信されている間に、前記要求信号が受け付けられた場合、前記使用処理を実行する
ことを特徴とする携帯情報端末。
【請求項5】
携帯情報端末により実行される電子チケット処理方法であって、
同期信号を送信し、
定のサービスの利用権利を示すデータを含み、当該利用権利の使用が規制された電子チケットの当該利用権利の使用規制を解除する信号であって、前記同期信号を送信し、かつ、他の携帯情報端末から前記同期信号が送信された場合に出力される解除信号を受信して取得し、
前記解除信号を取得した場合、前記使用規制を解除し、
前記利用権利の使用を要求する要求信号を受け付けた際、前記使用規制が解除されている場合に、前記利用権利を使用する使用処理を実行し、前記使用規制が解除されていない場合に、前記使用処理を実行しない
ことを特徴とする電子チケット処理方法。
【請求項6】
コンピュータを、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の携帯情報端末として機能させる
ことを特徴とする電子チケット処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子チケットを処理する携帯情報端末、電子チケット処理方法、および電子チケット処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザがスマートフォン(多機能携帯電話)等の携帯情報端末によりチケット販売サーバにアクセスしてチケットの購入を要望すると、チケット販売サーバからユーザの携帯情報端末に電子チケットが送信される電子チケットの販売システムがある。
電子チケットを受信したユーザは、イベント会場等の入場口で、携帯情報端末の画面に受信した電子チケットを表示させる。そして、表示された電子チケットを、例えば、係員が指でなぞる等することで、電子チケットのもぎり処理(サービスの利用権利の使用処理)が行われる。
しかしながら、もぎり処理は、携帯情報端末の画面を指でなぞる程度の簡単な操作で行われるため、ユーザが携帯情報端末を操作する際に、もぎり操作と同じ操作が偶然行われると、意図せずにもぎり処理が行われてしまう可能性がある。
これに対して、電子チケットのもぎり処理を、所定の条件に該当したときに実行できるようにした方法がある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の方法では、ユーザ端末が店舗等の利用可能位置に位置している場合や、サービス提供者が設定したパスワードがユーザ端末に入力された場合に、ユーザ端末に表示された電子クーポンの切り離しが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−238937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、携帯情報端末が利用可能位置に位置している場合に、電子チケットのもぎり処理を実行できるようにする方法では、利用可能位置が例えばコンサート会場等の場合には、コンサート会場における入場口以外の場所で、ユーザが携帯情報端末を操作する際等に、意図せずにもぎり処理が行われる可能性があった。
また、サービス提供者が設定したパスワードが携帯情報端末に入力された場合に、電子チケットのもぎり処理を実行できるようにする方法では、パスワードを携帯情報端末に入力する必要があり、操作が複雑になるという問題があった。
【0005】
本発明は、電子チケットのサービス利用権利の使用処理が誤って行われることを、複雑な操作を伴うことなく防止できる携帯情報端末、電子チケット処理方法、および電子チケット処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の携帯情報端末は、同期信号を送信する同期信号送信手段と、所定のサービスの利用権利を示すデータを含み、当該利用権利の使用が規制された電子チケットの当該利用権利の使用規制を解除する信号であって、前記同期信号送信手段で前記同期信号が送信され、かつ、他の携帯情報端末から前記同期信号が送信された場合に出力される解除信号を受信して取得する信号取得手段と、前記解除信号が取得された場合、前記使用規制を解除する使用規制手段と、前記利用権利の使用を要求する要求信号を受け付ける要求受付手段と、前記要求信号が受け付けられた際、前記使用規制が解除されている場合に、前記利用権利を使用する使用処理を実行し、前記使用規制が解除されていない場合に、前記使用処理を実行しない使用実行手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、使用実行手段は、要求受付手段で電子チケットに含まれる所定のサービスの利用権利の使用を要求する要求信号が受け付けられた際、使用規制手段により利用権利の使用規制が解除されている場合に、利用権利を使用する使用処理を実行する。一方、利用権利の使用規制が解除されていない場合には、前記使用処理を実行しない。
これによれば、使用実行手段は、解除信号が取得されない場合には、前記要求信号を受け付けても、前記使用処理を実行しない。これにより、前記使用処理が誤って行われることを防止できる。
また、解除信号を取得すれば前記利用権利の使用規制が解除されるため、例えば、入力装置を操作してパスワードを携帯情報端末に入力することで当該使用規制を解除する方法と比べて、操作が簡単である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態に係る電子チケット処理システムの構成を示す図である。
図2】前記実施形態における携帯情報端末の構成を示す図である。
図3】前記実施形態における権利管理サーバの構成を示す図である。
図4】前記実施形態におけるサービス提供装置の構成を示す図である。
図5】前記実施形態におけるサービス利用処理を示すフローチャートである。
図6】前記実施形態における電子チケットの購入例を示す図である。
図7】前記実施形態における電子チケットの利用例を示す図である。
図8】本発明の第3実施形態に係る携帯情報端末の構成を示す図である。
図9】本発明の第4実施形態に係るサービス提供装置の構成を示す図である。
図10】本発明の第5実施形態に係る携帯情報端末の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る電子チケット処理システム100の構成を示す図である。
図1に示すように、電子チケット処理システム100は、ネットワーク4に接続可能な、ユーザが使用する複数の携帯情報端末1と、サービスの利用権利(サービス利用権利)が含まれる電子チケットの発行や、サービス利用権利の管理を行う権利管理サーバ2とを備える。
さらに、電子チケット処理システム100は、ネットワーク4に接続され、コンサート会場等のサービス提供場所に設置されるサービス提供装置3を備える。サービス提供装置3は、電子チケットのサービス利用権利の使用規制を解除する解除信号を送信する。
【0010】
[携帯情報端末の構成]
本実施形態では、携帯情報端末1は、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット、ノートPC(personal computer)等の持ち運び可能な携帯型情報機器である。
図2は、携帯情報端末1の構成を示す図である。
図2に示すように、携帯情報端末1は、表示装置11、入力装置12、送受信装置13、変位検出センサ14、記憶装置15、制御装置16を備えている。
【0011】
表示装置11は、液晶パネル等の表示パネルを備え、制御装置16による制御によって、各種情報を表示する。
入力装置12は、携帯情報端末1の筐体外面に設けられたボタンと、表示装置11における画像の表示領域に応じて設けられたタッチパネルとを備える。そして、入力装置12は、ボタンおよびタッチパネルに対するユーザの入力操作に応じた操作信号を制御装置16に出力する。
送受信装置13は、ネットワーク4と無線通信接続する通信モジュールを含んで構成されている。
変位検出センサ(モーションセンサ)14は、携帯情報端末1の空間変位を検出し、検出結果を制御装置16に出力する。変位検出センサ14として、加速度センサやジャイロセンサ等が例示できる。
【0012】
[記憶装置]
記憶装置15は、フラッシュメモリー等により構成され、携帯情報端末1の動作に必要な各種プログラムおよび情報を記憶する。
ここで、記憶装置15は、権利管理サーバ2が発行する電子チケットを格納するチケット格納部151を備える。
電子チケットは、所定のサービスの利用権利(サービス利用権利)を示すサービス利用権利データと、サービス利用権利を表す画像やテキスト等の表示用データとを含む。
また、記憶装置15は、権利管理サーバ2から送信される制御ポリシーを格納する制御ポリシー格納部152を備える。
制御ポリシーは、電子チケットのサービス利用権利の使用規制を解除するための条件である。本実施形態では、制御ポリシーは、所定の信号条件となる。
【0013】
[制御装置]
制御装置16は、携帯情報端末1の動作を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置を備えて構成される。制御装置16は、演算装置が記憶装置15に記憶された電子チケット処理プログラムを実行することで、チケット管理手段161、表示制御手段162、信号取得手段163、要求受付手段164、使用規制手段165、使用実行手段166として機能する。
【0014】
チケット管理手段161は、入力装置12に対する入力操作に応じて、権利管理サーバ2に、電子チケットの発行を要求する発行要求信号を送信する。
また、チケット管理手段161は、権利管理サーバ2から電子チケットおよび制御ポリシーを受信し、受信した電子チケットをチケット格納部151に格納し、受信した制御ポリシーを、制御ポリシー格納部152に格納する。
また、チケット管理手段161は、チケット格納部151に格納した電子チケットのサービス利用権利が使用された場合、当該利用権利が使用されたことを示す使用情報を、権利管理サーバ2に送信する。
【0015】
表示制御手段162は、入力装置12に対する入力操作に応じて、後述するサービス利用処理が実行されると、チケット格納部151に格納された電子チケットのサービス利用権利を表した表示用データを読み出して、表示装置11に表示させる。
【0016】
信号取得手段163は、サービス提供装置3から送信される解除信号を受信して取得する。
【0017】
要求受付手段164は、入力装置12に対するチケット使用操作(もぎり操作)に応じて入力装置12から出力される、電子チケットのサービス利用権利の使用を要求する要求信号(権利使用要求信号)を受け付ける。
【0018】
使用規制手段165は、チケット格納部151に格納された電子チケットのサービス利用権利の使用を規制する。また、使用規制手段165は、信号取得手段163が解除信号を受信して取得すると、サービス利用権利の使用規制を解除する。
【0019】
使用実行手段166は、要求受付手段164で要求信号が受け付けられた際、使用規制手段165により電子チケットのサービス利用権利の使用規制が解除されている場合に、サービス利用権利を使用する使用処理を実行し、使用規制が解除されていない場合には、当該使用処理を実行しない。
ここで、当該使用処理は、具体的には、電子チケットのサービス利用権利データにおける使用履歴を更新する処理である。
【0020】
[権利管理サーバの構成]
図3は、権利管理サーバ2の構成を示す図である。
図3に示すように、権利管理サーバ2は、送受信装置21と、記憶装置22と、制御装置23とを備えている。
送受信装置21は、ネットワーク4と通信接続する通信モジュールを含んで構成されている。
【0021】
記憶装置22は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリー等により構成され、権利管理サーバ2の動作に必要な各種プログラムおよび情報を記憶する。
ここで、記憶装置22は、電子チケット処理システム100に登録されているユーザのユーザID(IDentifiers:識別情報)等のユーザ情報を格納するユーザ情報格納部221と、権利管理情報を格納する権利管理情報格納部222と、前述の制御ポリシーを格納する制御ポリシー格納部223とを備える。
権利管理情報は、サービス毎に、電子チケットに対して、権利管理サーバ2により電子チケットが発行されたユーザのユーザIDと、電子チケットのサービス利用権利の使用状態(未使用、使用済み)とを関係付けた情報である。
なお、サービス利用権利を複数回使用できる電子チケットの場合は、電子チケットに対して、使用状態として、サービス利用権利の有無、および、サービス利用権利の使用回数が関係付けられていてもよい。
【0022】
制御装置23は、権利管理サーバ2の動作を制御するものであり、CPU等の演算装置により構成されている。制御装置23は、演算装置が記憶装置22に記憶されたプログラムを実行することにより、認証手段231と、権利生成手段232と、権利更新手段233と、権利検証手段234として機能する。
【0023】
認証手段231は、権利管理サーバ2に携帯情報端末1がアクセスすると、携帯情報端末1にユーザIDの取得を要求し、携帯情報端末1からユーザIDが送信されると、当該ユーザIDを、ユーザ情報格納部221に格納されているユーザ情報と照合して、ユーザの認証を行う。
【0024】
権利生成手段232は、携帯情報端末1から電子チケットの発行を要求する発行要求信号を受信すると、権利管理情報格納部222に格納されている権利管理情報にアクセスし、発行要求のあった電子チケットに対して、ユーザIDを関連付けることで、ユーザに所定のサービスを利用する権利を付与する。そして、権利生成手段232は、電子チケットと、制御ポリシー格納部223に格納されている制御ポリシーとを、携帯情報端末1に送信する。
【0025】
権利更新手段233は、携帯情報端末1から電子チケットのサービス利用権利を使用したことを示す使用情報を受信した際に、権利管理情報にアクセスし、対応する電子チケットおよびユーザIDに関係付けられた使用状態を更新する。
【0026】
権利検証手段234は、電子チケットと、制御ポリシー格納部223に格納された制御ポリシーとの対応付けを行う。
【0027】
[サービス提供装置]
サービス提供装置3は、コンサート会場の入場口等、電子チケットのサービス利用権利が使用される位置(サービス使用位置)に設置されている。
図4は、サービス提供装置3の構成を示す図である。
図4に示すように、サービス提供装置3は、解除信号送信装置31と、送受信装置32と、制御装置33とを備える。
解除信号送信装置31は、電子チケットのサービス利用権利の使用規制を解除する解除信号、すなわち、前述の制御ポリシーに該当する信号を、解除信号送信装置31から所定の距離範囲内に送信する。解除信号としては、Bluetooth(登録商標)や、ビーコンの信号を例示できる。
本実施形態では、解除信号送信装置31は、サービス提供装置3に組み込まれているが、サービス提供装置3に対して有線または無線により通信接続されている構成としてもよい。さらには、解除信号送信装置31が、ネットワーク4を介してサービス提供装置3に通信接続されている構成としてもよい。
送受信装置32は、ネットワーク4および携帯情報端末1と通信接続する通信モジュールを含んで構成されている。
制御装置33は、サービス提供装置3の動作を制御するものであり、CPU等の演算装置により構成されている。
【0028】
[サービス利用処理]
次に、携帯情報端末1が実行するサービス利用処理について説明する。
図5は、サービス利用処理を示すフローチャートである。
サービス利用処理は、入力装置12が操作され、サービス利用処理を開始させる操作信号が入力装置12から出力されることで実行される。
【0029】
まず、表示制御手段162は、チケット格納部151に格納された電子チケットのサービス利用権利を表す表示用データを読み出して、表示装置11に表示させる(ステップS11)。
【0030】
次に、使用規制手段165は、当該電子チケットのサービス利用権利の使用を規制する(ステップS12)。具体的には、電子チケットのサービス利用権利データにおける使用履歴を更新できなくする。
【0031】
次に、使用規制手段165は、信号取得手段163によって解除信号が受信されて取得されたか否かを判定する(ステップS13)。なお、信号取得手段163は、受信した信号が制御ポリシー格納部152に格納された信号条件に該当した場合、当該受信信号を解除信号として取得する。
ステップS13でNOと判定された場合、使用規制手段165は、ステップS13の処理を繰り返す。
【0032】
一方、ステップS13でYESと判定された場合、使用規制手段165は、電子チケットのサービス利用権利の使用規制を解除する(ステップS14)。具体的には、電子チケットのサービス利用権利データにおける使用履歴を更新できるようにする。
そして、要求受付手段164は、権利使用要求信号を受け付けたか否かを判定する(ステップS15)。
【0033】
ステップS15でNOと判定された場合、使用実行手段166は、ステップS13で解除信号が受信された後、所定時間(例えば、1分間)が経過したか否かを判定する(ステップS16)。ステップS16でNOと判定された場合、使用実行手段166は、ステップS15の処理を繰り返す。ステップS16でYESと判定された場合、使用実行手段166は、処理をステップS12に戻す。
一方、入力装置12に対してチケット使用操作が行われ、入力装置12から権利使用要求信号が出力されて、ステップS15でYESと判定された場合、使用実行手段166は、チケット格納部151に格納された電子チケットのサービス利用権利を使用する使用処理を実行する(ステップS17)。
すなわち、使用実行手段166は、ステップS13で解除信号が受信された後、所定時間の間に、権利使用要求信号が受け付けられた場合、前記使用処理を実行する。
【0034】
次に、チケット管理手段161は、電子チケットのサービス利用権利が使用されたことを示す使用情報を、権利管理サーバ2に送信する(ステップS18)。そして、制御装置16は処理を終了する。
【0035】
[電子チケットの購入例]
図6は、電子チケットの購入例を示す図である。
まず、携帯情報端末1が権利管理サーバ2にアクセスすると、権利管理サーバ2の認証手段231は、携帯情報端末1から送信されるユーザIDに基づいて、ユーザの認証を行う(ステップS21)。
次に、携帯情報端末1は、電子チケットの発行を要求する発行要求信号を権利管理サーバ2に送信する(ステップS22)。
【0036】
権利管理サーバ2が発行要求信号を受信すると、権利生成手段232は、権利管理情報格納部222に格納されている権利管理情報にアクセスし、発行要求のあった電子チケットに対して、ユーザIDを関連付けることで、ユーザに所定のサービスを利用する権利を付与する(S23)。
そして、権利生成手段232は、電子チケットと、制御ポリシー格納部223に格納されている制御ポリシーとを、携帯情報端末1に送信する(S24)。
【0037】
携帯情報端末1が、権利管理サーバ2から電子チケットおよび制御ポリシーを受信すると、チケット管理手段161は、受信した電子チケットをチケット格納部151に格納し、受信した制御ポリシーを、制御ポリシー格納部152に格納する(ステップS25)。
【0038】
ここで、例えばユーザの自宅で、子供が遊びで携帯情報端末1を操作して、偶然に、電子チケットの使用操作が行われた等、意図しない電子チケットの使用操作が行われたとする(ステップS26)。
この場合、信号取得手段163により解除信号が取得されていない(図5のステップS13において「NO」と判定されている)ため、使用実行手段166は、電子チケットのサービス利用権利の使用処理を実行しない(ステップS27)。
【0039】
[電子チケットの利用例]
図7は、電子チケットの利用例を示す図である。
まず、携帯情報端末1を携帯したユーザは、例えばコンサート会場の入場口等の、サービス使用位置に移動する。このときユーザは、入力装置12を操作して、携帯情報端末1に、図5に示したチケット利用処理を実行させる。これにより、表示装置11にサービス利用権利を表す表示用データが表示される(ステップS31:図5のステップS11)。
【0040】
サービス使用位置には、解除信号送信装置31が設置されている。解除信号送信装置31は、所定の距離範囲内にのみ送達可能なビーコンやBluetooth(登録商標)等の解除信
号を送信している。または、解除信号送信装置31は、赤外線やレーザー等による指向性を有する解除信号を一方向に送信している。
このため、ユーザがサービス使用位置に移動すると、携帯情報端末1は、解除信号送信装置31が送信する解除信号を受信する(ステップS32)。これにより、電子チケットのサービス利用権利の使用規制は解除される(図5のステップS14)。
そして、ユーザは、携帯情報端末1の表示装置11に表示された表示用データを、サービス使用位置にいる係員に提示する(ステップS33)。
【0041】
係員は、提示された表示用データを指でなぞる等して、電子チケットの使用操作を行う(ステップS34)。
このとき、携帯情報端末1において、電子チケットのサービス利用権利の使用規制は解除されているため、電子チケットの使用操作に応じて、サービス利用権利を使用する使用処理が実行される(ステップS35:図5のステップS17)。
そして、携帯情報端末1は、サービス利用権利が使用されたことを示す使用情報を、権利管理サーバ2に送信する(ステップS36:図5のステップS18)。
【0042】
権利管理サーバ2は、携帯情報端末1から送信された使用情報を受信すると、権利管理情報格納部222に格納されている権利管理情報にアクセスし、対応する電子チケットおよびユーザIDに関係付けられた使用状態を更新する。また、権利管理サーバ2では、権利管理情報を集計することで、集客等の集計処理が実行される(ステップS37)。
【0043】
[第1実施形態の作用効果]
本実施形態では、使用実行手段166は、要求受付手段164で権利使用要求信号が受け付けられた際、使用規制手段165により電子チケットのサービス利用権利の使用規制が解除されている場合に、サービス利用権利を使用する使用処理を実行し、使用規制が解除されていない場合には、当該使用処理を実行しない。
これによれば、使用実行手段166は、解除信号が取得されない場合には、権利使用要求信号を受け付けても、前記使用処理を実行しない。これにより、当該使用処理が誤って行われることを防止できる。
また、解除信号を取得すれば前記使用規制が解除されるため、例えば、入力装置12を操作してパスワードを携帯情報端末1に入力することで当該使用規制を解除する方法と比べて、操作が簡単である。
【0044】
本実施形態では、信号取得手段163は、解除信号送信装置31から送信された解除信号を受信して取得する。
これによれば、例えば、携帯情報端末1に、解除信号を出力する解除信号出力手段を設ける必要がないため、携帯情報端末1の機能を簡略化できる。
【0045】
本実施形態では、使用実行手段166は、信号取得手段163で解除信号が受信された後、所定時間の間に、要求受付手段164で権利使用要求信号が受け付けられた場合、電子チケットのサービス利用権利を使用する使用処理を実行する。
これによれば、使用実行手段166は、解除信号が受信された後、所定時間経過しても権利使用要求信号が受け付けられなかった場合には、その後、権利使用要求信号が受け付けられても、前記使用処理を実行しない。
これによれば、偶然、携帯情報端末1が解除信号を受信した場合であっても、所定時間内に権利使用要求信号が受け付けられなければ、前記使用処理は実行されないため、当該使用処理が誤って行われることを確実に防止できる。
【0046】
[第2実施形態]
第1実施形態では、使用実行手段166は、信号取得手段163で解除信号が受信された後、所定時間の間に、要求受付手段164で権利使用要求信号が受け付けられた場合、電子チケットのサービス利用権利の使用処理を実行している。
これに対して、第2実施形態では、信号取得手段163により解除信号を受信している間だけ、使用規制手段165により電子チケットのサービス利用権利の使用規制が解除されて、使用実行手段166によるサービス利用権利の使用処理が実行可能となる。
すなわち、使用実行手段166は、解除信号が受信されている間に、権利使用要求信号が受け付けられた場合、前記使用処理を実行する。
【0047】
この場合、サービス提供装置3の解除信号送信装置31は、限られた領域内に連続的に解除信号を送信する構成であることが好ましい。このような解除信号送信装置31として、例えば、サービス使用位置に設けられたゲート内において、赤外線等を用いた指向性を有する解除信号を連続的に送信する構成が挙げられる。この場合、携帯情報端末1は、ユーザがゲート内を通過する間のみ解除信号を受信し、電子チケットのサービス利用権利の使用処理を実行可能な状態となる。また、携帯情報端末1がゲートの外に移動すると、携帯情報端末1は、解除信号を受信しないため、前記使用処理を実行できない状態となる。
なお、第2実施形態におけるその他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0048】
[第2実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、電子チケットのサービス利用権利の使用処理が誤って行われることを防止でき、かつ、操作が簡単である。
さらに、本実施形態では、使用実行手段166は、解除信号が受信されている間に、権利使用要求信号が受け付けられた場合、電子チケットのサービス利用権利の使用処理を実行する。
これによれば、ユーザが、サービス使用位置に設置された解除信号送信装置31が送信する解除信号を受信できる位置にいる場合にのみ、前記使用処理が実行されるため、サービス使用位置以外の場所で前記使用処理が実行されることを確実に防止できる。
【0049】
[第3実施形態]
第1、第2実施形態では、解除信号は、サービス提供装置3に設けられた解除信号送信装置31から送信されているが、第3実施形態では、携帯情報端末が解除信号を出力する解除信号出力手段を備える。そして、信号取得手段163が解除信号出力手段から出力された解除信号を取得することで、使用実行手段166は、電子チケットのサービス利用権利の使用処理を実行することが可能となる。
【0050】
図8は、第3実施形態の携帯情報端末1Aの構成を示す図である。
携帯情報端末1Aは、第1、第2実施形態の携帯情報端末1の構成に加えて、制御装置16Aが解除信号出力手段167を備える。なお、解除信号出力手段167は、本発明の信号出力手段を構成する。
また、第3実施形態では、サービス提供装置3は、解除信号送信装置31を備えていない。または、第3実施形態では、サービス提供装置3は設けられていなくてもよい。
【0051】
解除信号出力手段167は、変位検出センサ14が検出した携帯情報端末1Aの空間変位が、所定の変位条件に該当する場合に、解除信号を出力する。
具体的には、解除信号出力手段167は、所定時間内に変位検出センサ14により検出された携帯情報端末1Aに加わる加速度や加速度の方向、携帯情報端末1Aの角度等に基づいて、当該時間内の携帯情報端末1Aの移動軌跡を算出する。そして、解除信号出力手段167は、算出した移動軌跡が、所定の軌跡条件に該当する場合に、解除信号を出力する。つまり、携帯情報端末1Aを手にした所持者が、所定の軌跡を描くように腕を動かす(ジェスチャー)ことで、そのジェスチャーを特定し、当該ジェスチャーが予め設定されたジェスチャーである場合に、解除信号出力手段167から解除信号が出力される。
そして、信号取得手段163は、解除信号出力手段167から出力される解除信号を受信して取得する。
すなわち、本実施形態では、制御ポリシーは、所定の変位条件、すなわち、所定の軌跡条件(ジェスチャー)となる。ここで、制御ポリシーである所定の変位条件は、サービス毎に設定されていることが好ましい。
【0052】
本実施形態では、ユーザは、例えば、コンサート会場等のサービス使用位置で電子チケットのサービス利用権利を使用する際、携帯情報端末1Aを手にしている所持者が、予め設定されたジェスチャーを行う(所定の軌跡条件に該当する軌跡で腕を振る)。携帯情報端末1Aのユーザが係員に指定されたジェスチャーを実施してもよく、係員に携帯情報端末1Aを一時的に手渡して係員がジェスチャーを実施してもよい。これにより、解除信号出力手段167から解除信号が出力され、使用規制手段165によって、サービス利用権利の使用規制が解除される。
なお、第3実施形態におけるその他の構成は、第1、第2実施形態と同様である。
【0053】
[第3実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、電子チケットのサービス利用権利の使用処理が誤って行われることを防止でき、かつ、操作が簡単である。
さらに、本実施形態では、携帯情報端末1Aの空間変位が所定の変位条件に該当する場合に、解除信号を出力する解除信号出力手段167を備える。
これによれば、携帯情報端末1Aを変位させることで解除信号が出力されるため、例えば、解除信号を送信する解除信号送信装置を、サービス提供場所に設置する必要がない。
【0054】
本実施形態では、解除信号出力手段167は、変位検出センサ14が検出した所定時間内の空間変位から携帯情報端末1Aの移動軌跡を算出し、算出した移動軌跡が、所定の軌跡条件に該当する場合に、解除信号を出力する。
これによれば、ユーザが所定の軌跡条件を知らなければ、ユーザによって携帯情報端末1Aが所定の軌跡条件に該当するように空間変位される可能性は低いため、電子チケットのサービス利用権利の使用規制がユーザによって解除される可能性を低減できる。
【0055】
本実施形態では、制御ポリシーである所定の変位条件は、サービス毎に設定されている。
これによれば、ユーザは、係員が行う電子チケットのサービス利用権利の使用規制を解除するためのジェスチャーを見たとしても、そのジェスチャーによって他のサービスにおける電子チケットのサービス利用権利の使用規制を解除することはできない。このため、ユーザが、例えば不正目的で、当該使用規制を解除して、サービス利用権利の使用処理を実行させることを防止できる。
【0056】
[第4実施形態]
第3実施形態では、解除信号出力手段167は、携帯情報端末1Aの移動軌跡が所定の軌跡条件に該当する場合に、解除信号を出力している。
これに対して、第4実施形態では、解除信号出力手段167は、携帯情報端末1Aに加えられる振動の振動周波数が所定の周波数条件に該当する場合に、解除信号を出力する。
【0057】
図9は、第4実施形態のサービス提供装置3Aの構成を示す図である。
図9に示すように、サービス提供装置3Aは、所定の周波数条件の振動を発生する振動装置34を備える。
また、本実施形態の携帯情報端末1Aでは、解除信号出力手段167は、変位検出センサ14が検出した携帯情報端末1Aの空間変位に基づいて、携帯情報端末1Aに加えられた振動の振動周波数を取得する。そして、取得した振動周波数が、制御ポリシーである所定の周波数条件に該当する場合に、解除信号を出力する。
【0058】
この場合、ユーザは、例えばコンサート会場等のサービス使用位置で電子チケットのサービス利用権利を使用する際、サービス利用位置に設置され、前記周波数条件で振動している振動装置34に携帯情報端末1Aを載せる。これにより、解除信号出力手段167において振動周波数が取得されて解除信号が出力され、使用規制手段165によって、サービス利用権利の使用規制が解除される。
なお、ここでは、携帯情報端末1Aを振動装置34に載せることで、解除信号出力手段167は、変位検出センサ14により所定の周波数条件の振動周波数を取得して解除信号を出力したが、本発明はこれに限定されない。例えば、マイク等の音声認識装置により所定の周波数条件の音波周波数を取得して解除信号を出力する構成としてもよい。
なお、第4実施形態におけるその他の構成は、第3実施形態と同様である。
【0059】
[第4実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、電子チケットのサービス利用権利の使用処理が誤って行われることを防止でき、かつ、操作が簡単である。
さらに、本実施形態では、解除信号出力手段167は、携帯情報端末1Aに加えられた振動周波数を取得し、取得した振動周波数が、所定の周波数条件に該当する場合に、解除信号を出力する。
これによれば、係員がジェスチャー等を行って電子チケットのサービス利用権利の使用規制を解除する必要がないため、係員の操作を簡略化できる。また、ユーザは、係員等の他人に携帯情報端末1Aを渡す必要が無く、携帯情報端末1Aの破損や情報漏洩等を防ぐことができる。
【0060】
[第5実施形態]
第5実施形態の携帯情報端末は、複数の携帯情報端末間で同期信号を送受信することで、解除信号出力手段167が、解除信号を出力する点で、第3実施形態の携帯情報端末1とは異なる。
【0061】
図10は、第5実施形態の携帯情報端末1Bの構成を示す図である。
図10に示すように、携帯情報端末1Bの制御装置16Bは、第3実施形態の携帯情報端末1Aの制御装置16Aの構成に加えて、操作受付手段168と、同期信号送信手段169と、同期信号取得手段160とを備える。
【0062】
操作受付手段168は、電子チケットのサービス利用権利の使用規制を解除するための所定操作を受け付ける。
当該所定操作としては、例えば、携帯情報端末1Bを他の携帯情報端末1Bにぶつけることや、ユーザが携帯情報端末1Bを持ってジェスチャーを行うことや、携帯情報端末1Bに入力装置12を用いて簡単な文字や図形等を入力することが例示できる。これらの操作は、変位検出センサ14で検出した空間変位や、入力装置12から出力される操作信号を判定することで、受け付けることができる。
【0063】
同期信号送信手段169は、操作受付手段168で前記所定操作が受け付けられた際に、送受信装置13を制御して、他の携帯情報端末1Bに対して、同期信号を送信する。
同期信号取得手段160は、操作受付手段168で前記所定操作が受け付けられた際に、送受信装置13を制御して、他の携帯情報端末1Bから送信される同期信号を取得する。
【0064】
そして、本実施形態では、解除信号出力手段167は、所定時間内に、同期信号送信手段169で同期信号が送信され、かつ、同期信号取得手段160で、予め設定された少なくとも1つ以上の他の携帯情報端末1Bから送信された同期信号が取得された場合に、解除信号を出力する。そして、信号取得手段163は、解除信号出力手段167から出力された解除信号を取得する。
すなわち、本実施形態では、制御ポリシーは、同期信号の取得条件となる。
【0065】
本実施形態では、電子チケットのサービス利用権利を使用する際、例えば、予め登録されたグループの各ユーザがサービス使用位置に集まって、同時に前記所定操作を行う。これにより、各携帯情報端末1Bにおいて、同期信号送信手段169から同期信号が送信され、かつ、同期信号取得手段160が他のユーザの携帯情報端末1Bから同期信号を取得する。これにより、解除信号出力手段167から解除信号が出力され、サービス利用権利の使用規制が解除される。
なお、使用規制手段165は、第1実施形態のように解除信号送信装置31から送信された解除信号が信号取得手段163で取得され、かつ、解除信号出力手段167から出力された解除信号が信号取得手段163で取得された場合に、電子チケットのサービス利用権利の使用規制を解除してもよい。
第5実施形態におけるその他の構成は、第3実施形態と同様である。
【0066】
[第5実施形態の作用効果]
本実施形態では、信号取得手段163は、同期信号送信手段169から同期信号が送信され、かつ、他の携帯情報端末から同期信号が送信された場合に、解除信号を取得する。
これによれば、ユーザ同士が集まってそれぞれが前記所定操作を行わなければ、電子チケットのサービス利用権利の使用規制が解除されることはないため、例えば、ユーザの自宅等、サービス使用位置以外の場所でサービス利用権利の使用処理が誤って行われることを防止できる。
【0067】
本実施形態では、所定時間(例えば、1秒間)内に、同期信号送信手段169で同期信
号が送信され、かつ、同期信号取得手段160で同期信号が取得された場合に、解除信号を出力する解除信号出力手段167を備える。
これによれば、携帯情報端末1Bが解除信号を出力する解除信号出力手段167を備えるため、例えば、解除信号を送信する解除信号送信装置を、サービス提供場所に設置する必要がない。
また、ユーザ同士が前記所定操作を所定時間内に行わなければ、解除信号は出力されないため、ユーザ同士が偶然、前記所定操作を行うことで解除信号が出力され、意図せず電子チケットのサービス利用権利の使用規制が解除される可能性を低減できる。
【0068】
本実施形態では、解除信号出力手段167は、同期信号取得手段160で、予め設定された少なくとも1つ以上の他の携帯情報端末から送信された同期信号が取得された場合に、解除信号を出力する。
これによれば、例えば、ユーザが他のユーザ(1人以上)と電子チケットを団体で購入した場合、当該他のユーザすべての携帯情報端末1Bから同期信号を受信することを制御ポリシーとすることで、電子チケットを団体で購入したユーザすべてが集まって前記所定操作を行った場合にのみ、電子チケットのサービス利用権利の使用規制が解除される。
これにより、例えば、面識のないユーザ同士が共謀して、電子チケットを団体割引で不正に購入し、各ユーザが別々に電子チケットのサービス利用権利を使用するような場合に、サービス利用権利の使用処理を実行できなくできる。
【0069】
なお、本実施形態では、携帯情報端末1Bの解除信号出力手段167が解除信号を出力しているが、本発明はこれに限らない。
例えば、サービス提供装置3が、所定時間内に、予め設定された2つ以上の携帯情報端末1Bから送信された同期信号を受信した場合に、同期信号を受信した各携帯情報端末1Bに解除信号を送信する構成としてもよい。この場合、携帯情報端末1Bに、同期信号取得手段160を設けなくてもよい。なお、予め設定された2つ以上の携帯情報端末1Bから送信された同期信号を受信したか否かの判定は、権利管理サーバ2で行ってもよい。
【0070】
[変形例]
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で、以下に示される変形をも含むものである。
【0071】
[変形例1]
上記第1実施形態では、電子チケットの使用操作は、係員によって行われているが、ユーザが行ってもよい。
また、この場合、サービス提供装置3から電子ハンコを押印する信号が携帯情報端末1に送信されるようにし、携帯情報端末1が当該信号を受信し、かつ、ユーザによってチケット使用操作が行われた場合に、要求受付手段164が、権利使用要求信号を受け付ける構成としてもよい。
または、電子チケットの使用操作は、係員の操作(例えば、ジェスチャー)と、ユーザの操作(例えば、ジェスチャー)との2つの操作によって行われるようにしてもよい。
【0072】
[変形例2]
上記各実施形態では、携帯情報端末1,1A,1Bの使用規制手段165が、電子チケットのサービス利用権利の使用を規制しているが、本発明はこれに限定されない。
例えば、権利管理サーバ2が発行した電子チケットに、予めサービス利用権利の使用を規制するロックがかけられていてもよい。
【0073】
[変形例3]
上記各実施形態では、信号取得手段163が解除信号を取得しても、使用実行手段166は、要求受付手段164で権利使用要求信号が受け付けられなければ、電子チケットのサービス利用権利の使用処理を実行しなかったが、本発明はこれに限定されない。
すなわち、使用実行手段166は、信号取得手段163が解除信号を取得した段階で、直ちに(権利使用要求信号を待つことなく)、前記使用処理を実行してもよい。
【0074】
[変形例4]
上記各実施形態では、携帯情報端末1,1A,1Bは、電子チケットおよび制御ポリシーを、権利管理サーバ2から取得しているが、本発明はこれに限定されない。
例えば、携帯情報端末1,1A,1Bは、サービス提供装置3から電子チケットを取得し、これを権利管理サーバ2に登録することで、権利管理サーバ2から制御ポリシーを取得してもよい。また、権利管理サーバ2から電子チケットを取得し、サービス提供装置3から制御ポリシーを取得してもよい。
また、サービス提供装置3によって制御ポリシーを自由に設定できるようにしてもよい。
【0075】
[変形例5]
上記各実施形態では、権利管理サーバ2は、携帯情報端末1,1A,1Bに、電子チケットと制御ポリシーを同じタイミングで送信しているが、別々のタイミングで送信してもよい。
例えば、権利管理サーバ2は、サービスが提供される日(例えば、イベント開催日)や、サービスが提供される時間の直前に、制御ポリシーを携帯情報端末1,1A,1Bに送信してもよい。
これによれば、サービス提供日の前や、サービス提供時間よりも前に、例えば、どのようなジェスチャーが行われても、電子チケットのサービス利用権利の使用処理が実行されることはないため、誤って前記使用処理が実行されることを確実に防止できる。
なお、サービスが提供される時間の直前に制御ポリシーを送信する場合は、上記変形例4で説明したように、サービス提供装置3が制御ポリシーを携帯情報端末1,1A,1Bに送信することで、誤って前記使用処理が実行されることをより確実に防止できる。
【符号の説明】
【0076】
1,1A,1B…携帯情報端末、100…電子チケット処理システム、14…変位検出センサ、151…チケット格納部、152…制御ポリシー格納部、160…同期信号取得手段、161…チケット管理手段、162…表示制御手段、163…信号取得手段、164…要求受付手段、165…使用規制手段、166…使用実行手段、167…解除信号出力手段、168…操作受付手段、169…同期信号送信手段、2…権利管理サーバ、221…ユーザ情報格納部、222…権利管理情報格納部、223…制御ポリシー格納部、231…認証手段、232…権利生成手段、233…権利更新手段、234…権利検証手段、3、3A…サービス提供装置、31…解除信号送信装置、34…振動装置。
【要約】
【課題】電子チケットのサービス利用権利の使用処理が誤って行われることを、複雑な操作を伴うことなく防止できる携帯情報端末、電子チケット処理方法、および電子チケット処理プログラムを提供すること。
【解決手段】携帯情報端末1Bは、同期信号を送信する同期信号送信手段169と、同期信号送信手段169で同期信号が送信された場合、所定のサービスの利用権利を示すデータを含み、当該利用権利の使用が規制された電子チケットの当該利用権利の使用規制を解除する解除信号を取得する信号取得手段163と、解除信号が取得された場合、使用規制を解除する使用規制手段165と、利用権利の使用を要求する要求信号を受け付ける要求受付手段164と、要求信号が受け付けられた際、使用規制が解除されている場合に、利用権利を使用する使用処理を実行し、使用規制が解除されていない場合に、使用処理を実行しない使用実行手段166と、を備える。
【選択図】図10
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10