(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6126989
(24)【登録日】2017年4月14日
(45)【発行日】2017年5月10日
(54)【発明の名称】ディスプレイ装置及びディスプレイ方法
(51)【国際特許分類】
G02F 1/13357 20060101AFI20170424BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20170424BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20170424BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20170424BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20170424BHJP
G09G 3/34 20060101ALI20170424BHJP
G09G 3/36 20060101ALI20170424BHJP
F21Y 101/00 20160101ALN20170424BHJP
F21Y 103/00 20160101ALN20170424BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20170424BHJP
【FI】
G02F1/13357
B60R11/02 C
F21S2/00 433
F21S2/00 481
F21S2/00 493
G09F9/00 336E
G09F9/00 337C
G09F9/00 366G
G09G3/20 611A
G09G3/20 642F
G09G3/34 J
G09G3/36
F21Y101:00 300
F21Y103:00
F21Y115:10
【請求項の数】23
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-517379(P2013-517379)
(86)(22)【出願日】2011年7月6日
(65)【公表番号】特表2013-539057(P2013-539057A)
(43)【公表日】2013年10月17日
(86)【国際出願番号】EP2011061439
(87)【国際公開番号】WO2012004318
(87)【国際公開日】20120112
【審査請求日】2013年7月24日
【審判番号】不服2015-4766(P2015-4766/J1)
【審判請求日】2015年3月11日
(31)【優先権主張番号】1011372.8
(32)【優先日】2010年7月6日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】512308720
【氏名又は名称】ジャガー ランド ローバー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Jaguar Land Rover Limited
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(72)【発明者】
【氏名】リー・スクリプチュク
【合議体】
【審判長】
恩田 春香
【審判官】
河原 英雄
【審判官】
星野 浩一
(56)【参考文献】
【文献】
特表2009−521084(JP,A)
【文献】
特開2005−266293(JP,A)
【文献】
特開平11−273438(JP,A)
【文献】
特開2005−343332(JP,A)
【文献】
特開平9−146073(JP,A)
【文献】
特開2008−96765(JP,A)
【文献】
特開2008−21420(JP,A)
【文献】
国際公開第2007/004377(WO,A1)
【文献】
特開2009−276461(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13357
G02F 1/133
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ装置であって、
明るさとコントラストを有する画像を表示するように配置されたディスプレイ部を有し、
前記明るさ又は前記コントラスト若しくはそれらの両方は視野角の関数で与えられ、
前記明るさ又は前記コントラスト若しくはそれらの両方は複数の極大を有し、
各極大は前記装置の異なる主方向に対応しており、
前記異なる主方向は前記ディスプレイ部の平面に垂直な方向でなく、
前記装置は複数の照明手段を有し、
前記複数の照明手段はそれぞれ、前記複数の主方向の一つに平行な方向に沿って光を投射して前記画像を表示するように配置されており、
前記ディスプレイ装置は、前記複数の照明手段のそれぞれの照明強さを他の照明手段とは無関係に且つ前記ディスプレイ装置に入射する周辺の光の強さに基づいて調整し、
前記装置に周辺の光が入射する方向に基づいて、前記複数の照明手段のそれぞれの照明の強さを調整する、ディスプレイ装置。
【請求項2】
周囲の光がディスプレイに入射したときに対応する前記照明手段の一つ又は複数の照明の強さを増加するように配置されており、前記照明手段の一つ又は複数から一つの主方向に沿って投射された光の強さが、前記主方向に沿って前記ディスプレイから反射された光の強さに対して、予め決められたレベルよりも低下した場合、前記主方向に沿った前記装置からの照明の相対的強さが大きくなる、請求項1の装置。
【請求項3】
少なくとも一つの散乱手段を有し、
前記少なくとも一つの照明手段は前記少なくとも一つの散乱手段に向けて光を送るように配置されており、
前記少なくとも一つの散乱手段は、前記少なくとも一つの主方向に平行な方向に光を散乱して前記画像を表示するように配置されている、請求項1又は2のいずれかの装置。
【請求項4】
前記複数の照明手段は、一次元配列、二次元配列、及び三次元配列の中から選択された一つの配列に配置されている、請求項1〜3のいずれかの装置。
【請求項5】
前記複数の照明手段の少なくとも一つは少なくとも一つの照明部材を有する、請求項1〜4のいずれかの装置。
【請求項6】
前記複数の照明手段の少なくとも一つは複数の照明部材を有する、請求項5の装置。
【請求項7】
前記少なくとも一つの照明部材は、ソリッドステート光源と気相励起光源の中から選択された少なくとも一つを有する、請求項5又は6の装置。
【請求項8】
複数の散乱手段を有し、前記複数の散乱手段はそれぞれ、異なる主方向に平行な方向に沿って光を散乱するように配置されている、請求項3,4〜7のいずれかの装置。
【請求項9】
前記複数の散乱手段は、一次元配列、二次元配列、及び三次元配列の中から選択された一つの配列に配置されている、請求項8の装置。
【請求項10】
前記複数の散乱手段はそれぞれ、少なくとも一つの散乱部材を有する、請求項3の装置。
【請求項11】
前記少なくとも一つの散乱部材は、散乱性の散乱部材と光学的な反射散乱部材の中から選択された少なくとも一つを有する、請求項10の装置。
【請求項12】
ユーザが前記ディスプレイを前記複数の主方向の一つに平行な方向から見ることを必要とするか否かの判断に基づいて、前記複数の照明手段の一つ又は複数を他の照明手段とは無関係に活性化するように選択的に動作可能である、請求項1〜11のいずれかの装置。
【請求項13】
前記ディスプレイ部は、前記照明手段から該照明手段を介して選択的に光を送り、それにより前記画像にコントラストを導入するように配置されたパネルを有する、請求項1〜12のいずれかの装置。
【請求項14】
前記パネルは、該パネルを通り、前記主方向のそれぞれに平行な方向に沿って選択的に光を送るように配置されている、請求項13の装置。
【請求項15】
前記パネルは、該パネルを通り、選択された前記複数の主方向の一つ又は複数に平行な方向に沿って光を送るように動作可能である、請求項14の装置。
【請求項16】
前記パネルは液晶ディスプレイパネルを有する、請求項13〜15のいずれかの装置。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれかのディスプレイ装置を有する乗物。
【請求項18】
前記装置は前記乗物のダッシュボードに設けられており、前記ディスプレイは前記乗物のドライバ又は助手席乗員に見える、請求項17の乗物。
【請求項19】
前記装置は、前記ディスプレイから正常な着座位置にいる前記ドライバの目に向けて配置された第1の主方向と前記ディスプレイから正常な着座位置にいる前記助手席乗員に向けて配置された第2の主方向を有する、請求項18の乗物。
【請求項20】
前記装置は、前記助手席乗員が前記乗物に着座しているときだけ、前記第2の主方向に沿って光を送るように配置されている、請求項19の乗物。
【請求項21】
前記ディスプレイは、前記ドライバが前記乗物に着座しているときだけ、前記第1の主方向に沿って光を送るように配置されている、請求項19又は20の乗物。
【請求項22】
画像を表示する方法であって、
前記方法は、
ディスプレイ装置のディスプレイ部に、視野角を関数として変化する明るさ又はコントラスト若しくはそれらの両方を有する画像を表示する工程と、
前記画像の前記明るさ又はコントラスト若しくはそれらの両方を複数の極大を有するように配置する工程を有し、
各極大は前記ディスプレイの異なる主方向に対応しており、
前記異なる主方向は前記ディスプレイ部の平面に垂直な方向でなく、
前記方法はまた、前記ディスプレイ装置に入射する周辺の光の強さを求める工程と、
前記ディスプレイ装置に入射する周辺の光の強さに応じて、前記ディスプレイ装置内に含まれる複数の照明手段の照明の強さを互いに無関係に調整し、前記複数の主方向のそれぞれに平行な方向に光を投射して前記画像を表示する工程と、
前記装置に周辺の光が入射する方向を判断する工程と、
前記周辺の光の入射方向に応じて、前記複数の照明手段のそれぞれの照明の強さを調整する工程を有する、方法。
【請求項23】
前記複数の照明手段の一つから一つの主方向に沿って投射された照明の強さが、前記一つの方向に沿って前記ディスプレイから反射された光の強さに対して、所定レベルよりも低いように周辺の光が前記ディスプレイに入射する場合、前記複数の照明手段の対応する一つ又は複数の照明の強さを増加して、それにより、前記主方向に沿って前記装置から投射される照明の強さを増加する、請求項22の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を表示するディスプレイ装置、ユーザに対して情報を表示する方法に関する。特に、限定的ではないが、本発明は、輸送手段のオペレータ(例えば、乗物のドライバ、航空機や船のパイロット)に対して情報を表示するために使用されるディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ダッシュボードのすぐ前に隣り合わせの座席を有する自動車にあって該ダッシュボードにセンターコンソール式ディスプレイデバイス(装置)を設けることが知られている。このディスプレイ装置は、ドライバと前部助手席の乗員が見ることができ、ナビゲーション情報、オーディオ情報、天気情報、及び通信情報などの情報を含むことができる。
【0003】
そのようなディスプレイ装置の主たる障害が太陽光によるワッシュアウト(washout)として知られている。太陽光によるワッシュアウトは、周辺の光が明るすぎるために、ディスプレイ装置の表示性能が障害発生限度まで又はそれを超えて低下することをいう。すなわち、太陽の光がディスプレイに直接入射するなどのある光条件下では、ディスプレイを見る人がディスプレイ上の情報を読めないことになる。この問題は、主にディスプレイ自体の光学的特性(ディスプレイから出る光の明るさと、ディスプレイがそこに入射する光を反射する反射率)によるものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図1は、自動車のダッシュボードに搭載された公知のLCDディスプレイ装置1を示す概略図である。ドライバDと助手席乗員Pの目の位置が示してある。ディスプレイに垂直な方向Nに対して所定角度(視角)θ1をなす方向(装置1の平面にほぼ垂直な平面上に位置する方向)からドライバDの目がディスプレイ装置1を見ている。
【0005】
助手席乗員Pの目は、垂直方向Nと所定角度(視角)θ2をなす方向からディスプレイ装置10を見ている。一般に、自動車の場合、視角θ1とθ2は30度〜35度の範囲にある。
【0006】
図2は、視角を関数とするLCDディスプレイの輝度分布図である。MLの符号で示される分布図の中央領域が垂直方向N(
図1)を含み、ディスプレイ1が最大輝度値を生じる視角の範囲を示している。
【0007】
分布図の周縁は、ディスプレイ1の平面方向に対応しており、陰影(シェーディング)は該平面内の方向に沿って見たときにディスプレイが最も低い輝度を生じることを示している。
【0008】
助手席乗員PとドライバDがディスプレイを観察する角度の視角の範囲は分布図上で重なっており、それぞれ点線と符号P,Dで示してある。この視角範囲は、ディスプレイ1からの最大輝度が得られる視角範囲MLを含まない。これは、ドライバDと助手席乗員Pは、ディスプレイ1の平面に垂直な方向からディスプレイを見ることがないからである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一形態では、ディスプレイ装置が提供される。ディスプレイ装置は、
明るさとコントラストを有する画像を表示するために設けられたディスプレイ部を備えており、
前記画像の前記明るさ又は前記コントラスト若しくはそれらの両方は、視角の関数として与えられ、
前記明るさ又は前記コントラスト若しくはそれらの両方は、前記ディスプレイ装置の少なくとも一つの主方向に実質的に平行な方向に沿って少なくとも一つの極大を有する。
【0010】
一実施例において、前記少なくとも一つの主方向は、前記ディスプレイ部の平面に垂直な方向でない。一実施例において、前記少なくとも一つの主方向は、前記ディスプレイ部の平面に90度未満の角度だけ傾斜している。例えば、前記少なくとも一つの主方向は、前記ディスプレイ部の平面、又は、前記ディスプレイ部の平面に垂直な方向に、約20度〜40度の間の角度だけ傾斜している。
【0011】
本発明の実施例は、装置の主方向から前記ディスプレイを見る乗物ドライバにより強い光を提供できるという利点がある。したがって、本発明の実施例は、中央に設けられたディスプレイ装置を有する乗物のコックピット等の環境で、ドライバと助手席乗員が乗物の中心線の両側に該中心線から横方向に離れたそれぞれの位置に座っている場合に好都合である。前記ディスプレイは、東西に、すなわち、ディスプレイからの垂線を乗物の長手方向軸に平行に向けて設けてもよく、その場合、ディスプレイの一方の最大の明るさがドライバの目に向けられ、ディスプレイの別の最大の明るさが助手席乗員の目に向けられる。
【0012】
一般に、自動車に利用されるディスプレイ装置は液晶表示(LCD)装置である。LCD表示装置の欠点は、ディスプレイに映る画像の明るさとコントラストが、装置を見る方向と装置のディスプレイ平面に垂直な方向との間の角度の関数で与えられる。最大の明るさとコントラストは、ディスプレイ面に垂直な方向に平行な方向から見たときに得られる。
【0013】
ディスプレイに垂直な方向とディスプレイを見る方向との間の角度が大きくなるにしたがって、表示される画像の明るさ(装置のバックライトから得られる照明の強さにも依存する。)と画像コントラスト(装置の液晶(LC)パネルの特性に一部依存する。)が著しく低下する。
【0014】
場合によっては、ディスプレイの明るさとコントラストが、乗物の中央コンソールディスプレイをドライバ又は助手席から見る角度では、該ディスプレイに垂直な方向からを見るときに比べて、50%低下する。したがって、ドライバと助手席乗員の視角の外側に散乱する光は有効にその目的に役立たないため、多大なエネルギが浪費されることになる。
【0015】
都合の良いことに、ディスプレイの明るさ及び/又はコントラストは、それぞれの別々の主方向に対応して複数の極大を有する。
【0016】
このことは、ディスプレイを2つ以上の方向(例えば、乗物のドライバの位置に対応した方向と、乗物の一人又はそれ以上の他の乗員)から選択的に見えるようにできるという利点を有する。
【0017】
一つの実施例では、装置は、少なくとも一つの照明手段を有し、少なくとも一つの照明手段から少なくとも一つの主方向に平行な方向に優先的に光を投射して画像を表示するように配置される。
【0018】
「優先的に」とは、前記照明は前記少なくとも一つの主方向に平行な方向に強さの極大を有することを意味する。
【0019】
装置は少なくとも一つの散乱手段を有し得る。該少なくとも一つの照明手段は、少なくとも一つの散乱手段に向けて光を送るように配置される。該少なくとも一つの散乱手段は、前記少なくとも一つの主方向に平行な方向に光を散乱して画像を表示するように配置される。
【0020】
少なくとも一つの散乱手段が設けられていることにより、点照明源のような単一の照明源を配置して比較的小型パッケージ内で実質的に大きな領域を均一に照明できる、という利点が得られる。
【0021】
実施例では、装置は複数の照明源を有する。該複数の照明源のそれぞれは、異なる主方向に平行な方向に沿って光を投射するように配置される。
【0022】
この実施例では、必要に応じて複数の主方向の一つに沿って照明を選択的に投射するように装置を構成できるという利点がある。したがって、一つの主方向に平行に光を投射するように一つの照明手段を配置(例えば、少なくとも一つの散乱手段と組み合わせて配置)する一方、別の主方向に平行に光を投射するように別の照明手段を配置(可能であれば、同一の散乱手段又は少なくとも一つの別の散乱手段と組み合わせて配置)してもよい。
【0023】
複数の照明手段は、一次元配列、二次元配列、及び三次元配列の中から選択された一つの配列で配置することができる。
【0024】
したがって、本発明の実施例では、照明手段は一列に配置してもよい。その列は、一次元配列に対応した実質的にまっすぐな線である。代わりに、照明手段は複数列の形に配置してもよい。複数列は、二次元配列に対応して、ほぼ同一平面上に配置してもよい。その他の配置を用いてもよい。
【0025】
少なくとも一つの照明手段は、少なくとも一つの照明部材を有する。
【0026】
少なくとも一つの照明手段は、複数の照明部材を備えていてもよい。
【0027】
少なくとも一つの照明部材は、ソリッドステート光源と気相励起光源の中から選択された少なくとも一つを有する。
【0028】
装置は、複数の散乱手段を有する。複数の散乱手段はそれぞれ、それぞれの主方向に平行な方向に光を散乱するように配置(対応する照明手段と組み合わせて配置)される。複数の散乱手段は、一次元配列、二次元配列、及び三次元配列の中から選択された一つの配列で配置することができる。
【0029】
したがって、本発明の実施例によっては、散乱手段は一列に配置され得る。その列は、一次元配列に対応した実質的にまっすぐな線である。代わりに、散乱手段は複数列の形に配置してもよい。複数列は、二次元配列に対応して、ほぼ同一平面上に配置してもよい。その他の配置を用いてもよい。
【0030】
複数の散乱手段はそれぞれ、少なくとも一つの散乱部材を有する。
【0031】
少なくとも一つの散乱部材は、散乱性の散乱部材と光学的に反射性の散乱部材の中から選択された少なくとも一つを有する。
【0032】
光学的反射性の散乱部材とは、入射光に対して、部材からの光の反射角が該部材への光の入射角にほぼ等しくなるように配置された部材を意味する。
【0033】
装置は、一つ又は複数の照明手段を選択的に且つ相互に無関係に活性化するように動作可能である。
【0034】
装置は、複数の主方向の一つに平行な方向に沿ってディスプレイを見ることをユーザが要求しているか否かの判断に基づいて一つ又は複数の照明手段を選択的に活性化するように動作可能である。
【0035】
これは、複数の主方向の一つ又は複数に沿ってディスプレイを見ることが要求されていないと判断した場合、ディスプレイの電力消費を低減できるという利点がある。これは、乗物を使う旅行の殆どが一人旅であるため、自動車の場合に特に有利である。
【0036】
また、装置は、周囲の光の強さを検知し、その強さに応じてディスプレイの照明強さを調整するように構成してもよい。
【0037】
さらに、装置は、周辺光のワッシュアウトにより複数の観察者の一人に対するディスプレイの可視性が低下したことを判断して、対応する主方向に平行な照明強さを増加することにより、観察者に対するディスプレイの障害を軽減するように構成してもよい。
【0038】
したがって、装置は、ディスプレイにどの方向から周辺光が入射しているかを検知するように構成されたセンサを設けてもよいし、そのようなセンサに接続してもよい。
【0039】
ディスプレイ部は、照明手段から光を選択的に透過して画像にコントラストを与えるように構成されたパネルを設けてもよい。
【0040】
パネルは、少なくとも一つの主方向に平行な方向に沿って、該パネルに選択的に光を透過させるように配置される。
【0041】
少なくとも一つの主方向に平行に装置から光を投射するために該少なくとも一つの主方向に平行な方向に沿ってバックライトが光を優先的に投射する必要はない、という利点がある。
【0042】
パネルは、複数の主方向に平行な方向に沿って該パネルを光が選択的に透過するように配置される。
【0043】
一つの実施例では、パネルは、複数の別々の主方向のうちから選択された一つ又は複数のものに平行な方向に沿って該パネルを光が透過するように動作可能である。
【0044】
パネルは液晶ディスプレイパネルである。
【0045】
本発明の他の形態によれば、第1の形態に係る装置を有する乗物(自動車)が提供される。
【0046】
装置は、乗物のダッシュボードに搭載され、ディスプレイを乗物のドライバと助手席乗員が観察するものである。
【0047】
装置は、ドライバと助手席乗員が通常の着座位置に居る状態でディスプレイからドライバの目に向けて配置される第1の主方向とディスプレイから助手席乗員の目に向けて配置される第2の主方向を有する。
【0048】
装置は、助手席乗員が乗物に着座しているときだけ、第2の主方向に沿って光を送るように配置することができる。
【0049】
代わりに又は追加的に、装置は、ドライバが乗物に着座しているときだけ、第1の主方向に沿って光を送るように配置してもよい。
【0050】
これは、ドライバ又は乗員が乗物内に居ない場合、居ない場所に向けて光を投射することがないようにディスプレイを構成し、それにより装置の電力消費量を低減することができるという利点がある。この特徴は特に、乗物の付属品による電力消費を抑制することが重要である場合、例えば、電機自動車やハイブリッド電機自動車の場合、特に有効である。
【0051】
本発明の他の形態によれば、画像を表示する方法が提供される。この方法は、明るさとコントラストを有する画像を表示するように配置されたディスプレイ部を有するディスプレイ装置を提供する工程を有する。画像の明るさ及び/又はコントラストは、視角の関数で与えられる。明るさ及び/又はコントラストは、少なくとも一つの装置主方向に実質的に平行な方向に沿って、少なくとも一つの極大を有する。少なくとも一つの主方向は、ディスプレイ部の平面に実質的に垂直な方向ではない。
【0052】
本件出願の範囲内において、特許請求の範囲及び/又は以下の詳細な説明及び図面に、上述した種々の形態、実施例、具体例、特徴、及び代替案が個別に又は他と組み合わせて記載されている。例えば、一つの実施例に関連して開示した特徴は、他の特徴と両立し得ない場合を除いて、すべての実施例に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1】
図1は、自動車のダッシュボードに搭載された公知のLCDディスプレイ装置10と一般的な装置の観察方向を示す概略図である。
【
図2】
図2は、公知のLCDディスプレイについて、視角を関数とする明るさの分布図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施例に係るLCDディスプレイについて、視角を関数とする明るさの分布図である。
【
図4】
図4は、公知のLCDディスプレイ装置の概略図である。
【
図5(a)】
図5(a)は、本発明に係るLCDディスプレイ装置におけるLCパネルの平面に垂直な方向に沿って見た該ディスプレイ装置の概略断面図である。
【
図5(b)】
図5(b)は、本発明の実施例におけるバックライトパネルの正面図である。
【
図5(c)】
図5(c)は、本発明の他の実施例におけるバックライトパネルの正面図である。
【
図6】
図6は、本発明の他の実施例に係るLCDディスプレイ装置の概略図である。
【
図7】
図7は、ホログラフィック光学部材を組み入れたLCDディスプレイ装置の概略図である。
【
図8】
図8は、本発明の複数の実施例で使用するのに適したバックライト構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
本発明の複数の実施例は、乗物のダッシュボードの中央に搭載されるのに適当で乗物のドライバ及び/又は助手席乗員から良く見えるディスプレイ装置を提供することに関する。
【0055】
本件発明者は、モータ駆動式乗物のダッシュボードの中央に搭載されるLCDディスプレイの視覚的配置や視認条件がLCD装置製造業者のそれと大きく異なる、と認識している。
【0056】
その理由は、製造業者はできる限り広い視角(すなわち、できる限り180度に近い角度範囲)を備えた装置を設計するからである。自動車との関連では、本件の発明者は、乗物ダッシュボードの中央に設けられたディスプレイに必要な視角は比較的限定されていると認識していた。その理由は、
図1に示すように、自動車のドライバと助手席乗員の位置はディスプレイの位置に対して実質的に固定されているからである。
【0057】
図3は、本発明の実施例に係るLCDディスプレイに対する視角を関数とする明るさの分布図である。装置は、視角を関数として明るさに2つの極大が存在するように構成される。極大点は、中央配置のディスプレイを有する乗物のドライバと助手席乗員の一般的な視角の範囲に対応して配置されている。図示する実施例において、極大はディスプレイに垂直な方向Nに平行な方向に沿って生じていない。
【0058】
本発明の実施例は、装置が生成する最大の明るさに対して、周辺の光が強い状況でディスプレイに問題を生じる恐れが低減するという利点がある。
【0059】
その理由は、ディスプレイに垂直な方向Nに沿って最大の明るさを有する従来のディスプレイでは、ドライバや助手席乗員が正常な着座位置から最大輝度の方向に沿ってディスプレイを見ることがない、からである。
【0060】
本発明の実施例に係るディスプレイでは、ドライバと助手席乗員は装置からの最大の明るさによる恩恵を受けることができる。その理由は、装置は、ディスプレイから乗物の中心線の両側にある正規の着座位置に居るドライバ及び/又は助手席乗員の目に向かう方向に沿って最大の明るさが得られるように構成されているからである。
【0061】
幾つかの実施例において、ディスプレイは、ドライバと助手席乗員の目がディスプレイを見る時間の比率に応じて、ドライバと助手席乗員がディスプレイを観察する方向の範囲に最大輝度方向が対応するように配置される。
【0062】
例えば、通常の運転状況でドライバと助手席乗員が座っている時間の95%に対して、前記方向の範囲はドライバと助手席乗員がディスプレイを見る方向の範囲に対応している。
【0063】
本発明の実施例によれば、ドライバと助手席乗員に向けられた光の強さは従来のディスプレイよりも増すため、ディスプレイは従来のディスプレイよりも低電力で駆動できるし、ディスプレイからドライバや助手席乗員に向かう方向に同程度の強さの光を提供できる、という利点がある。したがって、上述のように、本発明の実施例は、電力消費を減らすことが重要な場面で有利である。
【0064】
本発明の実施例に係るディスプレイ装置は、任意の数の光の強さの極大(一つの極大、2つの極大、それ以上の極大)を有するように配置できる。複数の極大を有する装置の場合、極大の一つはこれが装置のディスプレイ面に垂直な方向Nと平行な方向に沿って形成されるように配置される。
【0065】
図4は、公知のLCDデバイス1の概略図である。デバイスは、通常の液晶(LC)パネル5を有する。液晶パネル5は、液晶パネル5の各ピクセル(画素)をバックライトパネル10から通過する光の強さを変調するために配置されている。バックライトパネル10は、LCパネル5を介して、光(典型的には、白色光)を前方(すなわち、バックライトパネル10とLCパネル5の平面に垂直な方向)に投射するように、配置されている。
【0066】
典型的なLCDデバイス1において、デバイスの明るさプロファイル(すなわち、視角の関数として与えられるデバイスの明るさ)は、バックライトパネル10の一つ又は複数の特性に大きく依存する。一方、イメージ(画像)のコントラストプロファイル(視角の関数として与えられるデバイスのコントラスト)は、LCパネル5の一つ又は複数の特性に大きく依存する。
【0067】
図5(a)は、本発明の実施例に係るLCDデバイス100を示す。デバイス100はLCパネル105を有する。LCパネル105は、
図4に示す従来のパネルのそれに類似している。デバイス100はまた、バックライトパネル110を有する。
【0068】
バックライトパネル110には、照明源の第1アレー111と第2アレー112が設けられている。第1アレー111は3つの照明源111a,111b,111cを有する。これら3つの照明源は、LCパネル105を介して、第1の観察者Dの目に向けて第1の方向R1に優先的に照明光(照明光又は照明放射ということもある。)を投射するように配置されている。
【0069】
第2のアレー112は、同様に3つの照明源112a,112b,112cを有し、LCパネル105を介して、第2の観察者Pの目に向けて第2の方向R2に優先的に照明光を投射するように配置されている。
図5(a)の実施例では、R1とR2は、LCパネル105の縁に平行でLCパネル105に垂直な平面に関して対称に配置されている。通常の使用において、デバイス100は、該デバイス100を搭載した乗り物の垂直軸に該平面をほぼ平行に向けた状態で配置される。この平面はまた、乗り物の長軸に一致させてもよい。
【0070】
図示する実施例において、R1はLCパネル105の平面に対する垂線Nと角度α1をなしている。R2は、垂線Nと角度α2をなしている。角度α1、α2は、同一平面上にあって、非平行である。図示する実施例において、角度α1、α2は、共にほぼ30度に等しい。角度α1、α2は、その他の値であってもよい。例えば、約20度〜約40度の範囲、随意に約25度〜約35度の値であってもよい。
【0071】
図5(a)の実施例のLCパネル105は、垂線Nの方向から見たときに長方形である。ただし、それはその他形状であってもよい。
【0072】
図示する実施例において、バックライトパネル100の照明源111a,111b,111c、112a,112b,112cは柱状光源である。該光源はそれぞれ、LCパネル105を介して柱状照明を投射するように配置されており、そのためにパネルの高さHに亘って照明が広がる。
図5(b)は、パネル10に対する垂線Nに沿って観察した、ディスプレイ100のバックライトパネル110の構成を示す。バックライトパネル110の照明光源111a,111b,111c、112a,112b,112cは、隣り合わせ(格子状)に配置されている。
【0073】
第1のアレー111の照明源111a,111b,111cは、該照明源からの光の最大強度の方向が第1の方向R1にほぼ平行に向けられるように、方向付けられている。同様に、第1のアレー112の照明源112a,112b,112cは、該照明源からの光の最大強度が第2の方向R2にほぼ平行に向けられるように、方向付けられている。
【0074】
バックライトパネル110は、照明の最大強度がパネル110から投射される方向R1,R2を、照明源の長さ方向(すなわち、
図5(b)のx軸に沿った方向)の位置関数として、変化させるように配置してもよい。これにより、ほぼ
図3に示すように、角度を関数とする照明特性を有するLCDデバイス100を提供することができる。
【0075】
角度を関するとする他の照明特性を用いることもできる。
【0076】
他の実施例では、照明源は二次元に配置される。すなわち、照明源は、
図5(c)に示すように、行と列の配列に配置される。
【0077】
図5(c)は、5行6列の照明源を有するバックライトパネル110’を示す。
【0078】
図5(c)において前記アレーの第1列を形成する照明源には111a,111b,111c、112a,112b,112cの符号が付してある。一方、前記アレーの第1行を形成する照明源には111a,111a’,111a’’,111a’’’,1111a’’’’の符号が付してある。
【0079】
パネル110’の各照明源の方向は、視角の関数であるディスプレイ100の照明特性が必要な特性(
図3に示す特性)にほぼ対応するように、配置される。
【0080】
本発明の実施例に従って、LCDデバイスには一つ又はそれ以上の集光部材及び/又は光学的拡散装置を組み込んでもよい。例えば、各照明源に、一つの集光部材及び/又は一つの光学的拡散装置を設けてもよい。代わりに、一つの集光部材及び/又は一つの光学的拡散装置を各組の照明源に設けてもよい。さらに、すべての照明源からの光を集光する、及び/又は拡散するために、一つの集光部材及び/又は一つの光学的拡散装置を設けてもよい。
【0081】
図示する実施例において、照明源は、発光ダイオードの形をしたソリッドステート(半導体)光源である。プラズマ光源又は蛍光灯のような気相励起光源を含む他の照明源も利用できる。
【0082】
図6は、LCパネル205とバックライトパネル210を有する、本発明の他の形態に係るLCDデバイス200を示す。図示する実施例において、単一の照明源211,212がそれぞれの方向R1,R2に対して設けられており、それぞれの方向に向かって優先的に光が投射される。
【0083】
装置200は、散乱要素(部材)221a,221b,221c,221dからなる第1のアレー221と、散乱要素(部材)222a,222b,222c,222dからなる第2のアレー222を有する。第1と第2のアレー221,222はLCパネル205にほぼ平行な平面上に配置されている。
【0084】
散乱要素221a,221b,221c,221dからなる第1のアレー221は、
図6(a)に示すように、第1の光源211からLCパネル205を介して、優先的に方向R1に平行に光を投射するように配置されている。散乱要素222a,222b,222c,222dからなる第2のアレー222は、
図6(b)に示すように、第2の光源212からLCパネル205を介して、優先的に方向R2に平行に光を投射するように配置されている。
【0085】
いくつかの実施例において、散乱要素221a,221b,221c,221dと222a,222b,222c,222dは、光を散乱するために散在的に配置されている。別の実施例では、散乱部材は、ミラー部材のような球面反射部材である。鏡面反射部材とは、それに入射する光の散乱角度が反射部材に当たる光の入射角度にほぼ等しいものをいう。
【0087】
本発明の他の実施例では、助手席乗員及び/又はドライバがディスプレイを見る必要の無いときは、助手席乗員P及び/又はドライバDの目に向かう光を切って消費電力を節減できる。
【0088】
例えば、助手席に人が座っていないことを検知すると、方向Rに沿って乗員Pの目に向かう光を遮断できる。助手席に人が座っているか否かの判断は、例えば、助手席に載った重量を測定するなどの公知の手段で行われる。
【0089】
同様に、他の実施例では、ドライバDの目に向かう光は、ドライバが運転席に座っていないことを検知して遮断することができる。
【0090】
他の実施例では、LCパネル205自体を、R1とR2の両方向又は一方の方向に光を優先的に送るように配置してもよい。ある実施例では、このようなことは、LCパネルのLC分子構造を最適化することによって達成される。例えば、インパネル・スイッチング(IPS)、マルチ・ドメイン・バーティカル・アレンジメント(MVA)又はツイステッド・ネマチック(TN)などの公知の配列方法を用い、上述のように装置の一人又は複数人の観察者の位置に対応する角度範囲にパネル205を通じて光を優先的に送ってもよい。
【0091】
他の実施例では、光学フィルムが設けられる。この光学フィルムは、フィルムに入射する光をドライバD及び/又は助手席乗員Pの目に向かう方向に向けるように配置される。該フィルムは、ホログラフィック光学部材(HOE)であってもよい。
【0092】
図7は、本発明の実施例に係る装置300を示し、そこでは、バックライトパネル310がHOE350を照明するように配置されており、HOEはLCパネル305を照明するように配置されている。HOE350は、2つの方向のそれぞれに光を散乱するように配置されている。上述のように、方向R1は、装置300からドライバDの目に向かうベクトル(又は方向)に対応するように配置されている。一方、方向R2は、装置から助手席の乗員Pの目に向かうベクトル(又は方向)に対応するように配置されている。
図8は、本発明の実施例に係る装置のバックライトパネル410を示し、そこでは、導波ガイド413が該導波ガイドから装置の主要ベクトル(主方向)に沿って優先的に光を投射するように配置されている。
【0093】
導波ガイド413は照明源411を有する。該照明源は、導波ガイド413に沿って光を投射するように、導波ガイドの一端に配置されている。図示する実施例において、入射する光の一部を反射するミラー部材414が、導波ガイドに沿って間隔をあけて配置されており、所定角度(90−θ)度の方向に光を反射するようにしてある。したがって、光は導波ガイドに垂直な方向Nに対して所定角度θをもって導波ガイドから出る。導波ガイドに沿って伝播する光ビームの一部が断続的な反射ミラー部材414によって部分的に反射される。
【0094】
他の構成の反射部材又は散乱部材を使用してもよい。例えば、ある実施例では、散乱部材は表面改良技術のレーザ照射によって形成される。導波ガイド413は、該導波ガイドが組み込まれるディスプレイ装置から出る光が、装置の主要ベクトルに平行な局部的な強度最大値を有するように配置される。
【0095】
図8(b)は、本発明の実施例に係る、ディスプレイ装置に好適なバックライト510の他の実施例を示す。バックライト510は光源511を有する。光源511は、テーパ(先細り)形状又は楔形状を有する導波ガイド513に光ビームを連結するように配置されている。導波ガイド513の前面513Fは、LC(又は他の)コントラスト誘導パネルに平行に置かれるように配置されている。導波ガイド513の後面513Rは散乱部材514となり、光源511からの光を導波ガイド513の前面513Fを介して散乱するように配置される。この結果、光は、ディスプレイ装置から装置の主要ベクトルに平行に優先的に送られる。
【0096】
図5〜
図7の装置100,200,300又は
図8に示す形式の導波ガイドを含む装置は、
図3のプロット(描画)にほぼ相当する、視角を関数とする輝度(明るさ)プロファイルを示すように配置される。その他の配置も利用可能である。例えば、輝度プロファイルは、一つの最大強度を有するものであってもよい。代わりに、輝度プロファイルは2つ又はそれ以上の最大強度を有するものであってもよい。
【0097】
ある実施例では、ディスプレイ装置には一つ又はそれ以上の光センサを設けてもよいし、または、ディスプレイ装置を一つ又はそれ以上の光センサに接続してもよい。その装置は、外部照明(例えば、太陽)がディスプレイに入射する方向に応じて、装置の一つ又は複数の主要ベクトルに沿って投射される光の強度を変えるように配置される。
【0098】
したがって、ドライバや助手席の乗員がディスプレイに表示された情報を読み難い方向からディスプレイに太陽光が直接入射した場合、ドライバや助手席の乗員の場所に応じて主要ベクトルに沿ってディスプレイの照明強度を増加するように装置が配置される。
【0099】
同様に、乗物が陰に入ったり、又は乗物の進行方向が変わることにより、外部照明の方向がドライバや助手席の乗員にとってディスプレイに表示された情報を読み易い方向になった場合、対応する主要方向に沿って投射される照明強度を低減してもよい。
【0100】
以上の特徴は、装置の電力消費を低減するうえで有利である。ある実施例では、この特徴はまた、周辺の照明条件に応じてディスプレイで提供される情報の読みやすさが改善されるために、ディスプレイ装置に対するユーザの楽しみを増加する利点がある。
【0101】
光センサを装置に設けてもよいし、装置とは別に乗物のダッシュボード、外面、又はその他の適当な箇所に設けてもよい。
【0102】
明細書及び特許請求の範囲を通じて、特に説明の無い限り、ある物の単数形の表示はその物を複数有する場合を含むものである。