(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6126992
(24)【登録日】2017年4月14日
(45)【発行日】2017年5月10日
(54)【発明の名称】複合材料製造方法、複合材料及び複合材料形成方法
(51)【国際特許分類】
C08L 101/00 20060101AFI20170424BHJP
C08L 95/00 20060101ALI20170424BHJP
C08K 3/22 20060101ALI20170424BHJP
C08K 7/14 20060101ALI20170424BHJP
C08J 7/00 20060101ALI20170424BHJP
H01L 51/46 20060101ALI20170424BHJP
【FI】
C08L101/00
C08L95/00
C08K3/22
C08K7/14
C08J7/00 301
H01L31/04 150
【請求項の数】15
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-534057(P2013-534057)
(86)(22)【出願日】2011年10月14日
(65)【公表番号】特表2014-500339(P2014-500339A)
(43)【公表日】2014年1月9日
(86)【国際出願番号】US2011056480
(87)【国際公開番号】WO2012051602
(87)【国際公開日】20120419
【審査請求日】2014年10月14日
(31)【優先権主張番号】61/455,061
(32)【優先日】2010年10月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/455,060
(32)【優先日】2010年10月15日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】513094240
【氏名又は名称】ウゾー、キプリアン エメカ
(73)【特許権者】
【識別番号】513094251
【氏名又は名称】ンチェクベ、エメカ
(74)【代理人】
【識別番号】100067736
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100096677
【弁理士】
【氏名又は名称】伊賀 誠司
(72)【発明者】
【氏名】ウゾー、キプリアン エメカ
(72)【発明者】
【氏名】ンチェクベ、エメカ
【審査官】
久保 道弘
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭64−075566(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0151847(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00−101/14
C08K 3/00−3/40
C08K 5/00−5/59
C08K 7/00−7/28
H01L 31/00−31/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合材料を製造する複合材料製造方法において、
(a)上記複合材料の選択された材料特性に基づいて、加えられる材料特性増強材料を選択するステップと、
(b)メソフェーズピッチ層を補強層に結合することにより導電性の第1の薄層を形成し、上記メゾフェーズピッチ層が安定化または架橋処理されたメソフェーズピッチバインダを含み、上記補強層が上記材料特性増強材料を含み、導電性の第2の薄層を形成し、上記第2の薄層を上記第1の薄層に絶縁性のピッチバインダで結合して薄層を形成するステップとを有し、
上記メソフェーズピッチ層は50%以上の組成の液晶を含むことを特徴とする複合材料製造方法。
【請求項2】
上記材料特性増強材料として石炭灰を加えるステップを更に有することを特徴とする請求項1記載の複合材料製造方法。
【請求項3】
上記選択された材料特性は、導電率又は柔軟性を含むことを特徴とする請求項1記載の複合材料製造方法。
【請求項4】
上記材料特性増強材料は、グラスファイバを含むことを特徴とする請求項1記載の複合材料製造方法。
【請求項5】
上記材料特性増強剤を含む混合物を炭化するステップを更に有することを特徴とする請求項1記載の複合材料製造方法。
【請求項6】
上記炭化するステップは、上記混合物を700℃以上の温度で加熱するステップを含むことを特徴とする請求項5記載の複合材料製造方法。
【請求項7】
硫黄を加えるステップを更に有する請求項1記載の複合材料製造方法。
【請求項8】
メソフェーズピッチ層が補強層に結合された導電性の第1の薄膜と、絶縁性のピッチバインダで上記第1の薄膜に結合されている導電性の第2の薄膜とを含む薄膜を備え、上記メゾフェーズピッチ層が安定化または架橋処理されたメソフェーズピッチバインダを含み、上記補強層が上記材料特性増強材料を含み、上記メソフェーズピッチ層は50%以上の組成の液晶を含むことを特徴とする複合材料。
【請求項9】
上記材料特性増強材料は、グラスファイバ、酸化鉄ナノ粒子、金属酸化物、金属ナノ粒子又はこれらの組合せを含むことを特徴とする請求項8記載の複合材料。
【請求項10】
上記材料特性増強材料は、導体を含むことを特徴とする請求項8記載の複合材料。
【請求項11】
上記導体は、金属又は合金を含むことを特徴とする請求項10記載の複合材料。
【請求項12】
上記材料特性増強材料は、石炭灰、粉砕ガラス、粉砕石英、ガラスビーズ、ガラス繊維、石英繊維又はこれらの組合せを含むことを特徴とする請求項8記載の複合材料。
【請求項13】
上記材料特性増強材料は、絶縁体を含むことを特徴とする請求項8記載の複合材料。
【請求項14】
複合材料を形成する複合材料形成方法において、
(a)ファイバガラス材料をバインダ材料に結合して混合物を形成するステップと、
(b)上記混合物を積層して、メソフェーズピッチ層を補強層に結合することにより導電性の第1の薄層を形成し、上記メゾフェーズピッチ層が安定化または架橋処理されたメソフェーズピッチバインダを含み、上記補強層が上記材料特性増強材料を含み、導電性の第2の薄層を形成し、上記第2の薄層を上記第1の薄層に絶縁性のピッチバインダで結合して薄層を形成するステップとを有し、
上記メソフェーズピッチ層は50%以上の組成の液晶を含むことを特徴とする複合材料形成方法。
【請求項15】
上記複合材料は、導電層を形成する導電材料を含み、該導電層は、該導電層の導電率より低い導電率を有する材料の層に結合されていることを特徴とする請求項14記載の複合材料形成方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本出願は、2010年10月15日に出願された米国仮出願第61/455,060号、発明の名称「NOVEL SUBSTRATES FOR MATERIALS APPLICATION」及び2010年10月15日に出願された米国仮出願第61/455,061号、発明の名称「NOVEL SUBSTRATES FOR PHOTO VOLTAIC APPLICATIONS」の優先権を主張し、これらは、引用によってその全体が本願に援用される。
【技術分野】
【0002】
本発明は、材料科学の分野に関する。詳しくは、本発明は、新規な材料を形成するための複合材料の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
産業廃棄物は、通常、不要であり、利用されないことが多い。近年、環境保護及びエネルギ節約の意識が高まり、資源をよりよく活用し、廃棄物を削減することが望まれている。廃棄物抑制、廃棄物最小化、廃棄物再利用、廃棄物リサイクル、エネルギ回収、廃棄物処理を含む廃棄物管理の方法及び戦略が開発されている。廃棄物管理方法及び戦略のうち、廃棄物再利用は、不要な廃棄物を他の有用な製品に転換することを含むため、魅力的な廃棄物管理方法の1つである。廃棄物再利用は、廃棄物を金(gold)に変えると表現される。このように、廃棄物を有用な製品及び材料に転換し、並びに組み込むための方法及びデバイスを開発することが望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光電池の基板等、電子部品及び環境技術の分野に応用できる複合材料を製造する方法及び装置を提供する
。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の側面においては、複合材料を製造する複合材料製造方法は、複合材料の選択された材料特性に基づいて、加えられる材料特性増強材料を選択するステップと、メソフェーズピッチ層を補強層に結合することにより導電性の第1の薄層を形成し、
メゾフェーズピッチ層が安定化または架橋処理されたメソフェーズピッチバインダを含み、補強層が上記材料特性増強材料を含み、導電性の第2の薄層を形成し、第2の薄層を第1の薄層に絶縁性のピッチバインダで結合して薄層を形成するステップとを有し、メソフェーズピッチ層は50%以上の組成の液晶を含む。
【0006】
いくつかの実施の形態では、バインダ材料は、ピッチ、石炭灰又はこれらの組合せを含む。他の実施の形態では、ピッチは、メソフェーズピッチを含む。いくつかの他の実施の形態では、選択された材料特性は、導電率又は柔軟性を含む。いくつかの実施の形態では、第1の材料は、グラスファイバを含む。他の実施の形態では、方法は、薄層を形成するステップを更に有する。いくつかの他の実施の形態では、方法は、混合物を炭化するステップを更に有する。いくつかの実施の形態では、炭化するステップは、混合物を700℃以上の温度で加熱するステップを含む。他の実施の形態では、方法は、バインダ材料を安定化又は架橋処理する前に、硫黄、有機硫黄、有機金属化合物、酸化物又は金属のナノ微粒子を加えるステップを更に有する。
【0007】
第2の側面においては、複合材料は、メソフェーズピッチ層が補強層に結合された導電性の第1の薄膜と、絶縁性のピッチバインダで第1の薄膜に結合されている導電性の第2の薄膜とを含む薄膜を備え、
メゾフェーズピッチ層が安定化または架橋処理されたメソフェーズピッチバインダを含み、補強層が上記材料特性増強材料を含み、メソフェーズピッチ層は50%以上の組成の液晶を含む。いくつかの実施の形態では、ピッチは、ネオメソフェーズピッチを含む。いくつかの他の実施の形態では、材料特性増強材料は、グラスファイバ、酸化鉄ナノ粒子、金属酸化物、金属ナノ粒子又はこれらの組合せを含む。いくつかの他の実施の形態では、材料特性増強材料は、導体を含む。いくつかの実施の形態では、導体は、金属又は合金を含む。他の実施の形態では、材料特性増強材料は、石炭灰、粉砕ガラス、粉砕石英、ガラスビーズ、ガラス繊維、石英繊維又はこれらの組合せを含む。いくつかの他の実施の形態では、材料特性増強材料は、絶縁体を含む。
【0008】
第3の側面においては、複合材料を形成する複合材料形成方法は、ファイバガラス材料をバインダ材料に結合して混合物を形成するステップと、混合物を積層して、メソフェーズピッチ層を補強層に結合することに
より導電性の第1の薄層を形成し、
メゾフェーズピッチ層が安定化または架橋処理されたメソフェーズピッチバインダを含み、補強層が上記材料特性増強材料を含み、導電性の第2の薄層を形成し、第2の薄層を第1の薄層に絶縁性のピッチバインダで結合して薄層を形成するステップとを有し、メソフェーズピッチ層は50%以上の組成の液晶を含む。
【0009】
いくつかの実施の形態では、バインダ材料は、ピッチを含む。他の実施の形態では、複合材料は、導電層を形成する導電材料を含み、該導電層は、該導電層の導電率より低い導電率を有する材料の層に結合されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】いくつかの実施の形態に基づく材料を製造する方法を示すフローチャートである。
【
図2A】いくつかの実施の形態に基づく基板材料を製造するための装置を示す図である。
【
図2B】いくつかの実施の形態に基づく基板材料を製造するための装置を示す図である。
【
図3】いくつかの実施の形態に基づく光電池を示す図である。
【
図4】いくつかの実施の形態に基づく光電池の製造方法を示すフローチャートである。
【
図5】いくつかの実施の形態に基づくメソフェーズピッチシートの製造方法を示すフローチャートである。
【
図6】いくつかの実施の形態に基づくメソフェーズピッチシートの製造方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のいくつかの側面では、安価な及び/又はリサイクルされた産業廃棄物を用いて、さまざまな材料を形成する。この材料は、産業上の広範囲な用途を有する。たとえば、この材料は、光電池の基板の一部として用いることができる。ここに用いられる産業廃棄物は、石油化学工業からのピッチ並びに石炭産業及び石炭発電所からの石炭灰を含む。上述した(ピッチ及び石炭灰等)は、可撓性及び非可撓性の薄膜光電池の基板材料として用いることができる。上述した産業廃棄物は、説明を目的として使用する例示的なものである。他の産業廃棄物も適用することができる。
【0012】
本発明の他の側面では、材料及び複合材料構造は、等方性/異方性メソフェーズピッチ、黒鉛化ピッチ又は(市販のピッチを含む)ピッチから得られる液晶を他の炭素材料又は非炭素材料とのバインダ又はマトリクス材として用いて、形成される。
【0013】
以下では、いくつかの実施の形態に基づいて、材料を形成する方法及び装置を開示する。
図1は、いくつかの実施の形態に基づく、材料を形成するための方法100を示している。方法100は、所望の又は予め選択された材料を加えるステップと、加えられた材料によって薄層を形成するステップと、バインダ材料を安定及び/又は架橋処理するステップと、炭化を行うステップとを含むことができる。方法100のステップは、任意である。方法100に更なるステップを加えることもできる。方法100のステップは、いかなる順序で行ってもよい。方法100の実行に関するその他の詳細は、後述する。方法100は、ステップ102から開始することができる。
【0014】
ステップ104では、材料の選択された材料特性に基づいて、選択された材料/成分を加える。いくつかの実施の形態では、噴霧、ロールコーティング、浸漬、ブラッシング又はこれらの組合せによって、織成グラスファイバ材料(woven fiberglass material)(シリカベース及び/又はカーボンベースの材料)にバインダ材料を含浸させる。バインダ材料に結合されたグラスファイバ材料は、バインダ材料でコーティングされたグラスファイバ材料を形成する。バインダ材料及び加えられた材料を結合して、所定の物理的相互作用及び特性を得るために、混合、ブレンド、押圧等の他の方法を用いてもよいことは、当業者にとって明らかである。他の実施の形態では、不織ファイバガラス材料(non-woven fiber glass material)を用いて、バインダ材料に結合してもよい。ここで言うバインダ材料は、ピッチ、石炭灰又はバインダ材料として用いることができる他のいかなる材料であってもよい。バインダ材料は、接着の特性を有するいかなる材料であってもよく、たとえば、接着剤、糊、セメント及び塗料であってもよいことは、当業者にとって明らかである。接着の特性を有する材料には、所定の条件、たとえば、温度、圧力、溶剤、共反応物又はこれらの組合せの下で、このような特性を示す材料が含まれる。たとえば、バインダ材料が標準気圧(たとえば、1atm)の下では、接着性を有さないが、10psiの圧力の下では、接着の特性を示す場合、このバインダ材料は、本発明の範囲内である。ステップ104において、製品の予め選択された特性に基づいて、さまざまな他の成分を加えることができる。いくつかの実施の形態については、以下の段落で説明する。
【0015】
ステップ106では、加えられた材料を含む薄層を形成する。いくつかの実施の形態では、上述のようにして形成されたバインダ材料でコーティングされたグラスファイバ材料をローリング又は押出加工することによって、薄層を形成する。いくつかの実施の形態で薄層の厚さは、20μmより薄い。いくつかの実施の形態では、薄層の厚さは、2000μmより厚い。いくつかの実施の形態では、薄層の厚さは、20μmから2000μmの間にある。いくつかの実施の形態では、薄層の幅を10cmから1mの範囲にし、薄板材料のシートをさらにカッティングできるようにする。いくつかの実施の形態では、薄層の幅は、0.5cmから3cmの範囲であり、そのままの形状で使用できる電池/矩形状の基板を形成する。基板の選択された用途に応じて、薄層の幅はいかなる幅であってもよいことは、当業者にとって明らかである。
【0016】
いくつかの実施の形態では、薄層は、メソフェーズピッチ層を有し、メソフェーズピッチ層が上側のファイバガラス層と、下側のファイバガラス層とに挟み込まれた構造を有する。たとえば、サンドイッチ構造/薄層は、1m
2のサイズ及び3mmの厚さを有するファイバガラスシートの第1の層を準備し、第1の層の上に1m
2のサイズ及び5mmの厚さを有するバインダ材料の第2の層(メソフェーズピッチ等)を加え、さらに、1m
2のサイズ及び2mmの厚さを有するファイバガラスシートの第3の層を加え、圧力プレス押出機によって押出加工を行って、7mmの厚さを有するサンドイッチ構造の薄層を形成する。他の実施の形態では、薄層は、2つのピッチ層に挟み込まれたファイバガラス層を含む。いくつかの実施の形態では、ピッチは、低分子ネオメソフェーズピッチ又は他のいかなるバインダであってもよい。
【0017】
ステップ108では、バインダ材料を酸素雰囲気内で、軟化温度の下で安定化又は架橋処理して、処理済みの材料を形成する。いくつかの実施の形態では、この温度は、200℃から450℃の範囲内である。他の温度領域も適用可能であることは、当業者にとって明らかである。いくつかの実施の形態では、この温度は、軟化温度に近い温度である。いくつかの実施の形態では、この温度は、軟化温度より高い温度である。
【0018】
ステップ110では、処理された材料を加熱処理して、混合物を炭化する。いくつかの実施の形態では、ステップ110の温度は、800℃から1700℃の範囲内である。いくつかの実施の形態では、ステップ110の温度は、700℃から3000℃の範囲内である。いくつかの実施の形態では、ステップ110は、たとえば、窒素等の不活性雰囲気内で、2psiから40psiの間の圧力下で実行される。いくつかの実施の形態では、シート構造の収縮及び反りを最小化できるように、印加した圧力を冷却ステップの間も維持する。この方法100は、ステップ112で終了することができる。
【0019】
用途に応じて、たとえば、熱、音、電気、振動、信号及び光の伝導/絶縁、材料強度並びに材料の耐性等の異なる材料特性が選択される。所定の特性を増強するために、複合材料にさまざまな材料を加えることができる。いくつかの実施の形態では、細かくカットされ若しくは粒子化された導電材料を補強剤又は補強材(reinforcing agent or material)として用いて、製造される材料の導電性を増強する。いくつかの実施の形態では、細かくカットされ若しくは粒子化された絶縁材料を補強剤又は補強材として用いて、製造される材料の絶縁性を増強する。いくつかの実施の形態においては、組み込まれる材料は、石炭灰、粉砕ガラス(milled glass)、粉砕された石英(milled quartz)、ガラスビーズ、細かくカットされたガラス繊維(chopped glass fiber)、細かくカットされた石英繊維雲母片(chopped quartz fiber mica flakes)、セラミック粉末/ビーズ/薄片、及び非炭素材料を含む。いくつかの実施の形態では、組み込まれる材料は、導電性の金属若しくは金属合金の粉末、薄片又はファイバを含む。いくつかの実施の形態では、組み込まれる材料は、ナノ微粒子、たとえば、金属ナノ粒子と金属酸化物ナノ粒子である(たとえば、核生成のための触媒としてCr
2O
3ナノ微粒子が組み込まれる)。銅、クロム、炭素粉末又はカーボン薄片、グラファイトフレーク、又はこれらの組合せを含むいかなる導電材料を加えてもよいことは、当業者にとって明らかである。
【0020】
いくつかの実施の形態では、基板材料(方法100で製造される材料)の抵抗率が選択される。また、いくつかの実施の形態では、高温炭化ステップの間にガラス状炭素が形成されるように、架橋ステップの前に酸化金属化合物又は金属化合物を含むか含まない硫黄化合物又は有機硫黄化合物の5%未満の量をメソフェーズピッチバインダに混合する。たとえば、テクスチャ又は強度を制御し、また基板材料の抵抗率を増加させ、あるいは減少させるために加えることができる他のいかなる材料も本発明の範囲内にある。
【0021】
以下では、基板材料を製造するための装置を説明する。
図2A及び
図2Bは、いくつかの実施の形態に基づく、基板材料を製造する装置200、211を示している。反応物、たとえば、ファイバガラス216及びバインダ材料218は、それぞれホッパ210、212を介して、混合装置202内に供給することができる。反応物は、固体状及び/又は液体状の溶剤及び/又は複合材料の形式であってもよい。いくつかの実施の形態では、混合装置202は、押出機(extruder)であってもよい。混合装置202は、ミキサ217、たとえば、スクリューミキサによって加えられた材料を混合することができる。混合装置202がいくつのホッパを備えていてもよいことは、当業者にとって明らかである。混合装置202及び/又は装置200は、空気雰囲気、不活性雰囲気(たとえば、N
2及びAr)又は加圧雰囲気(たとえば、2〜10psi及び1〜3atm)の下で運転してもよい。ホッパ210、212は、固体及び流体、たとえば、気体、液体及び超臨界流体等のための密閉チャンバ、上部開放チャンバ、ヒンジ付き上部開放チャンバ等であってもよい。混合装置202は、アウトプット材料201を所望の形状及び厚さ、たとえば、1mm〜10mmに成形する金型214を備えていてもよい。いくつかの実施の形態では、装置200は、巻き取りローラ(pull roller)等のローラ204を備えていてもよい。ローラ204は、回転ホイール及びベルトを用いて、アウトプット材料201を所望の厚さ、たとえば、20〜500μmに圧縮する。
図1で説明した薄層は、薄層の厚さに応じて、ここに説明する混合装置202及び/又はローラ204を用いて、バッチモードで又はロールツーロール法で形成できる。アウトプット材料201は、オーブン206において、所定の温度、たとえば、200℃〜450℃で加熱して、バインダ材料を安定化又は架橋処理することができ、600℃〜1700℃で材料を炭化することができる。いくつかの実施の形態では、安定化及び炭化ステップの間、制御された流体雰囲気を用いて、基板の両主面に圧力を印加する。たとえば、オーブン206には、一列の小孔(tiny orifices)205(複数の加熱帯を有する)を設けることができ、ここで、上側の炉内壁と下側の炉内壁との間の間隙は、炉の幅又は長さと比べれば無視できる程度である。いくつかの実施の形態では、炭化処理において、小孔205を介して、オーブン206内の薄層の両面に不活性ガスを導入し、流体圧力を制御して、薄層(アウトプット材料201)の両側に圧力が加わるようにし、不活性ガス等の流体によって、シート状の薄層がオーブン206の主面に接触することを防ぐ。いくつかの実施の形態では、オーブン206の流体出口の間隙を縮小し、架橋処理、炭化又はこれらの組合せの間に、使用された流体が基板に適確に圧力を加えるようにする。いくつかの実施の形態では、装置200は、1個以上の冷却器207を含むことができる。アウトプット材料201は、カッタ208によって、所定の寸法、たとえば、1m
2等にカットし、保存することができる。カッタ208は、圧力プレスカット機であってもよい。
【0022】
図2Bは、混合装置(protrusion setup device)202と同様の引出成形装置220を示している。引出成形装置220は、連続的に複合材料を製造できる。ファイバシート226は、ピッチ源222からピッチが供給されるピッチ槽(pitch bath)224を介して引き出すことができる。さらに、
図2Bのアウトプット材料201は、
図2A及びこれに関連して説明した処理と同様に、ローラ204によって圧縮され、オーブン206によって加熱され、冷却器207によって冷却され、カッタ208によってサイジングされる。
【0023】
[応用例]
ここに開示したいくつかの実施の形態に基づく方法及び装置を用いて製造された材料は、さまざまな用途に応用でき、さまざまに使用することができる。たとえば、いくつかの実施の形態では、メソフェーズピッチバインダの薄層によって2つ以上の薄層を積層及び接着することができる。架橋処理ステップの前のシートの向きは、互いに平行であってもよく、クロスプライ(cross-ply)であってもよく、互いに対して選択されたいかなる向きであってもよい。太陽電池の基板等、予め選択された構造又は形状を形成するために、既知の手法によって単一のシート又は積層されたシートを切断し、適切なモールド内で成形してもよい。
【0024】
いくつかの実施の形態では、交互導電層構造(alternatively conductive layer structure)が選択され、これは、絶縁性が高いガラス状炭素バインダを用いて、導電性が高い薄層を互いに結合することによって製造することができる。このように形成された導電率が異なる交互の層を有する材料は、低温又は高温用途のためのキャパシタとして用いることができる。たとえば、キャパシタは、高絶縁層である第1の層と、導電層である第2の層と、高絶縁層である第3の層と、導電層である第4の層と、高絶縁層である第5の層とを含む構造を有することができる。ここに開示する方法及び装置によって製造される基板は、光電池、電磁遮蔽、電子機器のケーシング及び建築用途のためのフレキシブル基板として用いることができる。
【0025】
[光電池]
以下では、本発明の実施の形態に基づく、上述した材料/基板を用いる光電池(photovoltaic cell:PV)の製造方法を説明する。
【0026】
従来より、薄膜太陽電池の製造には、ソーダ石灰ガラス及びステンレス鋼シートが使用されている。ソーダ石灰ガラス又はステンレス鋼シートを基板として用いる光電池には、関連する問題がある。ソーダ石灰ガラス基板は、脆弱であり、これによって、基板の欠陥、光電池の故障の可能性が高まる。さらに、ソーダ石灰ガラス基板は、剛性を有し、柔軟ではなく、用途が平坦な面だけに限定される。さらに、ソーダ石灰ガラス基板は、高価な電気絶縁体であり、PV製造コストの約40%を占めている。さらに、ソーダ石灰ガラス基板のガラス遷移温度(glass transition temperature:Tg)によって、セレン化温度が制限される。ロールされたステンレス鋼シートを基板として用いる典型的な光電池と、ソーダ石灰ガラスを基板として用いる光電池とを比較すると、ロールされたステンレス鋼シート基板は、ソーダ石灰ガラス基板より高い柔軟性及び導電性構造を有している。しかしながら、ステンレス鋼基板の表面が粗いという点で、ロールされたステンレス鋼シート基板は、ソーダ石灰ガラス基板に劣っている。さらに、典型的なステンレス鋼基板に含まれる金属(Fe、Ni、Se等)は、CIGS半導体の金属汚染の汚染源となることがあり、これは、含まれる金属(Fe、Ni、液体Se等)がMo粒界を介して拡散し、電池をショートさせる可能性があるためである。特に、不活性雰囲気下の典型的なセレン化温度は、500℃から750℃の間である。このような温度では、Fe及びNiの拡散速度は、非常に速く、動力学的に、Mo結晶粒間の粒界を介してFeが拡散しやすくなる。また、このような高温下では、Moの上のセレン化銅インジウム(copper indium selenide:CIS)又は(二)セレン化銅インジウムガリウム(Copper indium gallium (di)selenide:CIGS:四面体型半導体)の層における溶融状態のSeがMo粒界を介して拡散し、Moの下のステンレス基板に到達し、太陽電池をショートさせる。これらの欠陥は、通常、電池の効率を大幅に低下させ、基板は、廃棄されることが多い。高い廃棄損失及びこれに伴う低効率電池に起因して、太陽電池が高価になり、商業的な価値がなくなる。
【0027】
以下では、本発明の実施の形態に基づく、上述した材料/基板を用いる光電池(PV)の製造方法を説明する。
【0028】
光電池を製造する方法及び材料について、いくつかの実施の形態に基づいて説明する。いくつかの実施の形態では、光電池は、合成基板又は非合成炭素性基板を含み、ここで、薄膜太陽電池を構成するプレーナ形及び非プレーナ形シートの製造には、等方性若しくは異方性メソフェーズピッチ、ネオメソフェーズピッチ又はこれらの組合せがバインダ、マトリクス材料又はニート材料(neat material)として用いられる。以下では、いくつかの実施の形態に基づくここに開示する材料を用いる基板を有する光電池を説明する。
【0029】
図3は、いくつかの実施の形態に基づく光電池300を示している。いくつかの実施の形態では、光電池300は、基板302、接合層304、Mo層306、吸収層308、バッファ層310(CdS層等)及び透明導電性酸化物(transparent conduction oxide:TCO)層312を含む。光電池300の基板302は、メソフェーズ/ネオメソフェーズピッチバックボーン基板を含むことができる。いくつかの実施の形態では、基板302の厚さは20μmから1mm、又はこれ以上とすることができる。いくつかの実施の形態では、基板302の厚さは5mmより厚くしてもよい。基板302がいかなる厚さを有していてもよいことは、当業者にとって明らかである。基板302の物理的及び材料的特性は、用途に基づいて予め選択されたフィラを加えることによって調整することができる。基板302の剛性/柔軟性、導電率、熱膨張の度合い、表面粗度等は、全て調整可能であり制御可能である。たとえば、製造プロセスの間に、バインダ材料に導電材料、触媒、ナノ微粒子、金属酸化物(たとえば、フィラ)を加えることによって、導電性の基板302を製造することができる。絶縁性の基板302が望まれる場合、絶縁性の基板302は、製造プロセスの間に、バインダ材料に絶縁材料を加えることによって製造することができる。同様に、フレキシブル基板302は、バインダ材料の硬度又は剛性又は加えられる材料のタイプを調整することによって製造することができる。ここに開示する方法及び材料を用いて製造される基板302は、一般的な方法によって製造される基板に比べ、より広いセレン化温度範囲に耐えることができる。ここに開示する方法及び材料を用いて製造した基板302は、望ましくない金属不純物が最小又は皆無であり、高温下で光電池を加熱する際のセルのショートを回避することができる。
【0030】
いくつかの実施の形態では、光電池300は、接合層304を含む。接合層304は、スパッタリング及び他の周知の手法によって基板302上に形成されるCr層であってもよい。接合層304の厚さは、20nmからl000nmの範囲であってもよい。たとえば、2mm等、接合層304がいかなる厚さを有していてもよいことは、当業者にとって明らかである。
【0031】
いくつかの実施の形態では、光電池300は、Mo層306を含む。Mo層306は、接合層304の上位に設けてもよい。Mo層306は、バック接点として機能でき、吸収されない光の大部分を反射して吸収層308(CIGS層等)に戻す。Mo層306は、スパッタリング、蒸着等の物理蒸着(physical vapor deposition:PVD)及び化学気相成長(chemical vapor deposition:CVD)等の他の周知の手法によって堆積された薄膜であってもよい。Mo層306の厚さは、100nmから2000nmの間であってもよい。2μm等、Mo層306がいかなる厚さを有していてもよいことは、当業者にとって明らかである。いくつかの実施の形態では、複数のMo層306を設け、所定のMo膜厚を達成してもよい。いくつかの実施の形態では、Mo合金薄膜(たとえば、2nmから10nmのMoSi層)をMo薄層内に挿入し、合金層上にコーティングされるMo膜の結晶粒構造を変更してもよい。
【0032】
いくつかの実施の形態では、光電池300は、たとえば、CIGS層又はCIG/CIS層等の吸収層308を含む。吸収層308は、Mo層306上に、たとえば、Cu、In、Ga又はこれらの組合せである前駆材料/層を堆積/スパッタリング/蒸着し、セレン化を行うことで形成できる。吸収層308は、CIGS層を形成する一般的な手法を用いて形成することもできる。いくつかの実施の形態では、不活性雰囲気中で前駆材料/層をフッ化ナトリウムの薄膜でコーティングした後、500℃から800℃の間の温度で、5分から120分間、過セレン雰囲気(excess selenium ambient)、たとえば、H
2Se又はSe
(g)内でセレン化ステップを行ってもよい。
【0033】
いくつかの実施の形態では、光電池300は、バッファ層310を含む。バッファ層310は、n型CdSであってもよい。バッファ層310は、一般的な手法で吸収層308上にコーティングできる。いくつかの実施の形態では、光電池300は、透明導電性酸化物(TCO)層312を含む。TCO層312には、Alをドーピングしてもよい。TCO層312は、光の吸収を最小限にしながら、セルから電子を回収及び移動させることができる。いくつかの実施の形態では、光電池300は、TCO層312上に、電子信号及び電気を伝導するための電気配線要素314を含む。いくつかの実施の形態では、光電池300をポリマフィルムと共に積層し、フレキシブル太陽電池を形成する。
【0034】
図4は、いくつかの実施の形態に基づく光電池製造方法400を示す。方法400は、ステップ402から開始することができる。ステップ404では、基板302上に接合層304をコーティングする。基板302は、上述した方法を用いて製造できる。いくつかの実施の形態では、接合層304は、Cr又はCrシート/層を含む。いくつかの実施の形態では、基板302は、メソフェーズマトリクス基板である。メソフェーズマトリクス基板は、光電池の下部電極とすることができる。いくつかの実施の形態では、基板302は、合成炭素性基板である。他の実施の形態では、基板302は、非合成炭素性基板である。基板302は、等方性若しくは異方性メソフェーズピッチ、ネオメソフェーズピッチ、又はこれらの組合せであってもよい。粘着性を有し、又は所定の条件下で粘着性を示す他の材料を適用できることは、当業者にとって明らかである。ステップ406では、接合層304に基板302と吸収層308とを結合することができるMo層306をコーティングする。ステップ408では、Mo層306上に前駆材料、たとえば、Cu、In、Ga及びSe(セレン化銅インジウムガリウム)をコーティングする。ステップ410では、セレン化を実行する。セレン化処理では、Seは、高温下で、気相(たとえば、H
2Se又は元素状Se)で供給でき、Seは、吸収及びその後の拡散によって膜に組み込まれる。セレン化を実行することによって、光電池の吸収層308が形成される。ステップ412では、吸収層(CIGS)308上にCdSからなるバッファ層310を形成する。ステップ414では、CdSからなるバッファ層310上にTCO層312をコーティングする。ステップ416では、TCO層312上に配線要素314を形成する。方法400は、ステップ418で終了することができる。以下では、上述した方法400において基板として使用できるメソフェーズピッチシートを形成する方法について説明する。
【0035】
図5は、いくつかの実施の形態に基づくメソフェーズピッチシートの製造方法500を示している。方法500は、ステップ502から開始される。ステップ504では、ピッチを加える。ピッチは、石炭からのアシュランド240又は260(石油ピッチ)からの易黒鉛化性等方性炭素性ピッチ(graphitizable isotropic carbonaceous pitch)であってもよい。ピッチは、さまざまなソースに由来してもよく、たとえば、産業廃棄物から直接的に得てもよいことは、当業者にとって明らかである。ステップ506では、ピッチに対して溶媒抽出及び熱処理を実行する。ステップ508では、メソフェーズ又はネオメソフェーズ材料を形成する。いくつかの実施の形態では、メソフェーズ又はネオメソフェーズ材料は、50%以上の組成の液晶を含む。ステップ510では、メソフェーズ又はネオメソフェーズ材料の乾燥及び粉末化を実行する。ステップ512では、250℃から300℃の間の不活性雰囲気下で、シート押出を実行する。ステップ514では、250℃から300℃でシートを加熱することによってシート安定化を実行する。ステップ516では、600℃から3000℃の不活性雰囲気で高温処理を実行する。方法500は、ステップ518で終了することができる。以下では、基板材料/メソフェーズシート材料にフィラ材料を組み込む方法を説明する。
【0036】
図6は、いくつかの実施の形態に基づくメソフェーズピッチシートの製造方法600を示している。方法600は、ステップ602から開始される。ステップ604では、ピッチを加える。ピッチは、石炭からのアシュランド(Ashland)240又は260(石油ピッチ)による易黒鉛化性等方性炭素性ピッチ(graphitizable isotropic carbonaceous pitch)であってもよい。ピッチは、さまざまなソースに由来してもよく、たとえば、産業廃棄物から直接的に得てもよいことは、当業者にとって明らかである。ステップ606では、ピッチに対して溶媒抽出及び熱処理を実行する。ステップ608では、メソフェーズ又はネオメソフェーズ材料を形成する。いくつかの実施の形態では、メソフェーズ又はネオメソフェーズ材料は、50%以上の組成の液晶を含む。ステップ610では、メソフェーズ又はネオメソフェーズ材料の乾燥及び粉末化を実行する。ステップ611では、フィラ材料を加える。加えられるフィラは、基板(製品)の予め選択された物理的/化学的特性に基づいて選択することができる。ステップ612では、250℃から300℃の間の不活性雰囲気下で、シート押出を実行する。ステップ614では、250℃から300℃でシートを加熱することによってシート安定化を実行する。ステップ616では、複数のシート材料を積層するために使用することができる低融点及び/又は低分子メソフェーズピッチを形成する。方法600は、ステップ618で終了することができる。
【0037】
上述した全てのステップは、任意である。上述の方法に含まれるステップは、いかなる順序で行ってもよい。更なるステップを加えることもできる。
【0038】
本発明を利用して、産業用途のためのさまざまな材料、たとえば、太陽電池の基板を製造することができる。ここに説明した方法を用いて製造されたフレキシブル基板を備える太陽電池(photovoltaic solar cell)は、実用の際に、望ましい形状に曲げることができ、平坦ではない面に貼り付けることができる。
【0039】
ここで使用したピッチという用語は、タール、アスファルテン、粘弾性ポリマ、アスファルト、ビチューメン、二硫化炭素及び樹脂を含むことができる。いくつかの実施の形態では、選択されたバインダ(たとえば、ピッチ)又は加えられた材料の高粘度によって、金属粒子を基板内に保留し、これらがPVセルをショートさせることを防止する機能が提供される。いくつかの実施の形態では、ここに開示した方法及び構成を用いて製造された材料/基板は、断熱部材、たとえば、遮熱塗料として使用することもでき、これを家屋又は倉庫等の建築構造物の屋根又は壁の一部に取り付け/塗布し、又はこの一部とすることができる。いくつかの実施の形態では、材料/基板は、高い導電率を有する導電材料を含み、この材料/基板を用いて、電気を伝導することができる。いくつかの他の実施の形態では、材料/基板は、熱及び/又は光に対する高い反射率を有し、これらの基板及び材料は、建築構造物上のミラーとして用いることができる。ここで言うミラーは、熱、光又はこれらの組合せを反射、絶縁又は分離することができる。いくつかの実施の形態では、基板/材料は、入射光又は選択された光の波長、たとえば、IRやUVの90%以上を反射できる。
【0040】
本発明の構成及び動作の原理の理解を容易にするために、詳細を組み込んだ特定の実施の形態に関連して本発明を説明した。ここに示した特定の実施の形態及びその詳細への参照は、添付の特許請求の範囲の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲によって定義される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、例示のために選択された実施の形態の他のさまざまな変形例を想到できることは、当業者にとって明らかである。