【実施例】
【0026】
本発明の好ましい一実施例の二重構造のフレキシブルコンテナバッグ1は、その
図1に示した説明図及び
図5に示した模式的な断面説明図からわかるように、可撓性の外袋2と可撓性の内袋3とを備える。
【0027】
外袋2は、外袋本体10と、外側注入筒30と、外側排出筒40とを有する。外袋2は、例えば幅数mm程度のフラットヤーンの織布からなる。外袋本体10は、例えば機械的強度の強いポリプロピレン製の織布からなり、外側注入筒30及び外側排出筒40は、可撓性の高いポリエチレン製の織布からなる。外袋2の内表面には樹脂が例えば数10ミクロン程度の薄い層の形態でコーティングないしラミネートされていてもよい。
【0028】
外袋本体10は、大径円筒状部11と、該大径円筒状部11の円形上縁部に外周縁で縫合された円環状の上面部ないし頂面部13と、大径円筒状部11の円形下縁部に外周縁で縫合された円環状の下面部ないし底面部16とを備える。
【0029】
上面部13の内周縁側には、上面側の開口14を規定するように四片のフラップ状の菊割部15が形成され、底面部16の内周縁側には、底面側の開口17を規定するように四片のフラップ状の菊割部18が形成されている。上下の四片のフラップ状菊割部15,18のうちの夫々一つのフラップ状菊割部15a,18aの内面には、概ね開口14,17を横断する長さの内弁12,19が一端で縫付けられている。上側のフラップ状菊割部15の先端にはロープ挿通穴21が形成され、該穴21には結束用ロープとしての注入筒ロープ22が挿通されている。注入筒ロープ22の両端部22a,22bはパイプ23に挿通されて相互に結ばれている。同様に、下側のフラップ状菊割部18の先端にはロープ挿通穴24が形成され、該穴24には結束用ロープとしての排出筒ロープ25が挿通されている。排出筒ロープ25の両端部25a,25bはパイプ26に挿通されて相互に結ばれている。従って、パイプ23,26に対して注入筒ロープ22の両端部22a,22b及び排出筒ロープ25の両端部25a,25bを引っ張ってパイプ23,26から引き出すことにより、注入筒ロープ22及び排出筒ロープ25を締めると共に、上側及び下側の内弁12,19を夫々の開口14,17を概ね塞ぐように拡げ、上側及び下側のフラップ状菊割部15及び18が閉じるように菊割部15及び18をの先端部を近接させ得る。
【0030】
外側注入筒すなわち外側投入筒ないし外側充填筒30は、下端部ないし基端部31で上面部13の開口14の周縁部13aの内面側に縫付けられている。外側注入筒30の基端部31の近傍には、周方向に間隔をおいて、空気抜き穴として働く開口32が形成されている。この例では、空気穴すなわち空気抜き穴32は、丸穴からなり、周方向に間隔をおいて四つ形成されている。従って、注入筒ロープ22が締められた際には、菊割部15は、外側注入筒30の外側において、空気穴32を覆い得る。空気穴32の数や形は異なっていてもよい。
【0031】
外側注入筒30は、例えば、
図4に示したように、長方形の外側注入筒用織布33の長手方向に等間隔に四つの開口32を形成し、該注入筒用織布33の長手方向を両端33a,33bを縫合して筒30となすことにより、形成される。
【0032】
外側排出筒40についても外側注入筒30と同様である。すなわち、外側排出筒40は、上端部ないし基端部41で底面部16の開口17の周縁部16aの内面側に縫付けられている。外側排出筒40の基端部41の近傍には、周方向に間隔をおいて、空気抜き穴として働く開口42が形成されている。この例では、空気穴すなわち空気抜き穴42は、丸穴からなり、周方向に間隔をおいて四つ形成されている。従って、菊割部18は、外側排出筒40の外側において、空気穴42を覆い得る。空気穴32の数や形は異なっていてもよい。外側排出筒40も、外側注入筒30と同様に、長方形の排出筒織布43の長手方向に等間隔に四つの開口42を形成し、該排出筒用織布43の長手方向を両端43a,43bを縫合して筒40となすことにより、形成される。
【0033】
外側注入筒30及び外側排出筒40には、該筒30,40の夫々を絞った状態で該筒30,40の夫々を閉じるべく結束される結紐34,44が取付けられている。
【0034】
バッグ1を吊上げる際に用いられる吊ベルト51及び52は、夫々の中間部51a,51b(図示せず)及び52a,52b(図示せず)において補強用の力布53,53(図示せず)及び54、54(図示せず)を介して外袋本体10の大径円筒状部11に縫付けられると共に、夫々の端部51c,51d及び52c,52dにおいて外袋本体10の底面部16に底ロープ55を介して縫付けられている。吊ベルト52には、粉粒体内容物を特定する情報カードが入るカードケース56が吊紐56aを介して取付けられている。
【0035】
各力布54のところには、更に、吊ベルト51,52の代わりにフック状吊上げ具によるバッグ1の吊上げを可能にするフック受57が吊ベルト51,52の中間部と共に縫付けられている。
【0036】
ここで、後述の内袋3との相対的な大きさが判り易いように外袋2の大きさについていえば、例えば、外袋本体10の径D1が100cmで高さL1が50cm、外側注入筒30の径D2が40cmで長さL2が40cm、外側排出筒40の径D3が40cmで長さL3が40cmである。なお、空気穴32,42の径D9は例えば2cmである。
【0037】
当然ながら、外袋2の長さは、50cmのような短いものでなくて、100cm程度であっても、もっと長くて150cm程度又はそれ以上であってもよい。また、外袋本体10の径D1がより大きくてもより小さくてもよい。外袋本体10の高さないし長さL1と径D1との比は通常はより大きいが場合によってはより小さくてもよい。外側注入筒30及び外側排出筒40の径D2,D3もより小さくてもより大きくてもよい。外側注入筒30や外側排出筒40の径D2,D3の外袋本体10の径D1に対する割合D2/D1,D3/D1は、より小さくてもより大きくてもよい。外側注入筒30や外側排出筒40の長さL2,L3についても、より大きくてもより小さくてもよい。また、外側注入筒30及び外側排出筒40の長さL2,L3や径D2,D3は、相互に異なっていてもよい。
【0038】
内袋3は、例えば、
図3に示したような折畳み形状Gを有する。
図3は、内袋3を二つ折りに折畳んだ状態における平面形状Gとして示したもので、細長い六角形状をしている。六角形の折畳み形状Gの内袋3は、例えば、長さがL4で幅が2W1のポリエチレン製のフィルムF2を、折幅がW1になるように中間部で幅方向に二つ折りにし、長手方向の中央部に長さL5の上下方向延在部61,62が残り、幅方向中央部に長さW2,W3の水平方向ないし横方向延在部63,64が残るように、斜めに切断すると共に該切断部に沿ってヒートシールを行って長さL6及びL7の上側斜め方向延在部65,66及び下側斜め方向延在部67,68を形成してある。上側及び下側の斜め方向延在部65,66及び67,68の先端側部分には、補強用テープ69が貼着けられている。
【0039】
なお、折り曲げられて重ねられた上下方向延在部62も該延在部62に沿ってヒートシールされている。従って、六角形の折畳み形状Gの内袋3は、水平方向延在部63,64を除いて閉じられて全体として筒状になっており、該水平方向延在部63,64が内袋3を構成する内筒の上下の開口71,72を規定している。
【0040】
外袋2が例示したようなサイズである場合における内袋3のサイズについて言えば、
図3に示したように二つ折りに折り畳み可能で細長い六角形状である場合、例えば、幅W1が190cm、幅W2及びW3が夫々65cm、長さL5が60cmで、長さL6及びL7が夫々90cmである。
【0041】
すなわち、2W1/π〜120cm>>D1=100cmであって、内袋3の太い部分73が円筒状になった場合の当該大径筒状部73の径2W1/πは、外袋本体10の大径円筒状部11の径D1よりも多少大きく、粉粒体が収容された際に余裕をもって外袋2の大径円筒状部11に接して支えられ得る。
【0042】
また、2W2/π〜41.4cm>D2=40cmであって、内袋3の上端の開口71を規定する水平方向延在部63からなる最も細い部分すなわち上端最細部74が円筒状になった場合の径2W2/πは、外側注入筒30の径D2と同程度であって且つ該径D2よりも多少大きく、内袋3の平面形状が台形J1の形態の入側先細筒状部75のうち上端最細部74に隣接しこれより太い入側先細筒状部上部分75aでは、該部分75aが円筒状になった場合の径は外側注入筒30の径D2よりもある程度は大きい。内袋3の下端の開口72を規定する水平方向延在部64からなる最も細い部分すなわち下端最細部76が外袋排出筒40の径D3と同程度であって且つ該径D3よりも大きいこと、及び内袋3の平面形状が台形J2(この例では台形J1と形状が同一で向きが逆)の形態の出側先細筒状部77のうち下端最細部76に隣接しこれより太い出側先細筒状部下部分77aでは該部分77aが円筒状になった場合の径は、外袋排出筒40の径D3よりもある程度は大きいことも同様である。従って、内袋3の入側先細筒状部上部分75aや出側先細筒状部下部分77aの存在により外側注入筒30や外袋排出筒40の実効径が小さく虞れなく、粉粒体の注入や排出(放出)を可能にし得る。
【0043】
更に、L5=60cm>L1=50cmであって、内袋3の大径筒状部73の長さ(高さ)L5は外袋本体10(の大径円筒状部11)の長さ(高さ)L1よりも大きい。
【0044】
内袋3の平面形状が台形J1,J2の形態の入側及び出側先細筒状部75,77のうち、例えば、入側先細筒状部75の上側斜め方向延在部65,66の長さL6について言えば、L6=90cm>>{(D1−D2)/2}+L2={(100−40)/2}+40=70cmであって、内袋3の上側斜め方向延在部65,66を外袋2内において外袋2の頂面部13の最外周縁から内周縁(開口14の縁であって外側注入筒30の基端31)まで沿わせ、更に、該基端31から先端まで外側注入筒30に沿わせるとすると内袋3の上端最細部72が外袋2の注入筒30から大きく突出し得る長さである。一方、内袋3の入側先細筒状部75を構成する台形J1の高さないし長さL8は、この例においては、{L6
2−(W1−W2)
2/4}
1/2〜64.8cmであることから、L8〜64.8cm<70cm故、内袋3の入側先細筒状部75の台形J1の高さに対応する中央の最小高さ部分75cを外袋2内において外袋2の頂面部13の最外周縁から内周縁(開口14の縁であって外側注入筒30の基端31)まで沿わせ且つ該基端31から先端まで外側注入筒30に沿わせようとしても長さが不足するので、内袋3は、少なくとも入側先細筒状部75の下部分すなわち入側先細筒状部下部分75bのうち外袋2の頂面部13の外周縁近傍に対面する領域においては多少なりとも該頂面部13から離れた位置を採る(但し、内袋3の大径筒状部73が外袋2の筒状部11よりも十分に長いので、実際には、内袋3と外袋2との間に顕著な隙間ができるのを避け得る)。また、入側先細筒状部75のうち周方向に見て中央の最小高さ部分75cと両側の斜め方向延在部65,66との間の領域においては、隙間が徐々に小さくなって大半の領域では外袋2の頂面部13及び注入筒30に実際上沿い得る。
【0045】
なお、内袋3として二つ折りにした際に平面になる形状を採用する場合には、最大長となる斜め方向延在部65,66の上縁又は下縁での傾斜を決めると、該斜め方向延在部65,66が直線である際にその長さが最小になって該斜め方向延在部65,66と中央の最小高さ部分75cとの差Δ=L6−L8が最小になるから、内袋3が二つ折りで平面形状を採る場合には、斜め方向延在部65,66を直線状とするのが好ましい。但し、所望ならば、斜め方向延在部65,66が外又は内に凸となる非直線状であってもよい。斜め方向延在部65,66の傾きは、一方では、差Δが過度に大きくなるのを避け、他方では、入側先細筒状部75の上端最細部74の開口71の大きさと外側注入筒30の大きさとの差異が過度に大きくならないように所望に応じて、選択され得る。
【0046】
以上においては、内袋3の大径筒状部73の上端73aが外袋2の大径円筒状部11の上端11aと一致する位置を採ることを前提としたけれども、実際には、内袋3の大径筒状部73は外袋2の大径円筒状部11よりも十分長いので、例えば、内袋3の大径筒状部73の上端73aよりも5cm程度下の部位が外袋2の大径円筒状部11の上端11aと一致する位置を採るように配置すると、中央の最小高さ部分75cのところで、内袋3を外袋2の頂面部13及び外側注入筒30に実際上沿うようにし得る。なお、以上における入側先細筒状部75についての説明は、実際上そのまま、出側先細筒状部77についてもそのまま当てはまる。
【0047】
すなわち、この例(L2=L3,D1=D3)では、内袋3の最小高さ部分75c,を通る全長L4は、L4=L5+2*L8=60+2×64.8=189.6cmで、外袋2の実効長さL1+2{L2+(D1−D2)/2}=190cmと実際上同程度である(但し、ここでは、後述する内袋3の折返し部の長さは無視し得る程度に短いと仮定しており、折返し部の長さを十分に見込む場合については後述する)。従って、この例においても、内袋3を外袋2に実際上沿うように配置し得る。
【0048】
なお、入側先細筒状部75と外側注入筒30との関係と、出側先細筒状部77と外袋排出筒40との関係は、粉粒体の流れ方向や粉粒体に重力がかかる方向が逆方向になるので、その差異を考慮して、出側先細筒状部77の形状を入側先細筒状部75の形状とは多少異ならせてもよい。
【0049】
内袋3のうち外袋2の本体10に実際上向き合う部分を内袋本体3aと呼び、内袋3のうち外袋2の注入筒30すなわち外側注入筒30に実際上向き合う部分を内側注入筒3bと呼び、内袋3のうち外袋2の排出筒40すなわち外側排出筒40に実際上向き合う部分を内側排出筒3cと呼ぶとすると、大まかには、内袋本体3aは内袋3の大径筒状部73と入側先細筒状部下部分75bと出側先細筒状部上部分77bとからなり、内側注入筒3bは内袋3の入側先細筒状部上部分75aからなり、内側排出筒3cは内袋3の出側先細筒状部下部分77aからなる。但し、入側先細筒状部上部分75aと同下部分75bとの境界は明確でなく、入側先細筒状部上部分75aの下の方の部分が内袋本体3aに属していても、入側先細筒状部下部分75bの上の方の部分が内側注入筒3bに属していてもよく、同様に、出側先細筒状部上部分77bと同下部分77aとの境界は明確でなく、出側先細筒状部下部分77aの上の方の部分が内袋本体3aに属していても、出側先細筒状部上部分77bの下の方の部分が内側排出筒3cに属していてもよい。以下では、説明の簡便化のために、入側先細筒状部75のうち外側注入筒30に向き合う部分を入側先細筒状部上部分75aと呼び、外袋本体10に向き合う部分を入側先細筒状部下部分75bと呼ぶと共に、出側先細筒状部77のうち外袋排出筒40に向き合う部分を出側先細筒状部下部分77aと呼び、外袋本体10に向き合う部分を出側先細筒状部上部分77bと呼ぶ。この場合、立体化に伴う形状歪が生じることから、
図3のような平面図でみて高さ方向の同一の個所でも周方向に異なる箇所は、上部分75a,77bに属したり下部分75b,77aに属することになる。
【0050】
なお、外袋2と内袋3とにより構成されるフレキシブルコンテナバッグ1について言えば、外袋本体10と内袋本体3aとによりフレキシブルコンテナバッグ1の本体(フレキシブルコンテナバッグ本体)1aが構成され、外側注入筒30と内側注入筒3bとによりフレキシブルコンテナバッグ1の注入筒(フレキシブルコンテナバッグ注入筒)1bが構成され、外側排出筒40と内側排出筒3cとによりフレキシブルコンテナバッグ1の排出筒(フレキシブルコンテナバッグ排出筒)1cが形成される。
【0051】
何らかの原因で外袋2と内袋3との間の領域Aに位置する異物が内容物たる粉粒体に混ざって排出ないし放出されるのを防ぐべく、内袋3の下端の最細部76及びその近傍部分76aを外袋排出筒40の先端縁ないし下端縁45から突出させて、外袋排出筒40の外側に折返した上で、該折返し部76bを外袋排出筒40の下端縁45の近傍部分すなわち下端部46に縫合する。内袋3の下側部分が出側先細筒状部77として台形の平面形状になるように絞られているので内袋3の下端近傍部分76aが周方向に過度に余ることなく概ね外袋排出筒40に沿うように折返されて外袋排出筒40の下端部46に縫合され得る。なお、この折返し部76bは、好ましくは、
図1中で吹き出し部S1内や
図5の模式的断面説明図に示したように、内袋3の下端最細部76の先端縁76cを隠すように二度折返した状態で外袋2の外袋排出筒40の先端と縫合される。この折返しに要する長さは典型的には2cm程度以下である。
【0052】
同様に、外袋2と内袋3との間の領域Aに異物が混入するのを防ぐと共に内袋3の上端が下に落ちて外袋3の内面側や外袋2と内袋3との間の領域Aから異物が内容物たる粉粒体に混ざって排出ないし放出されるのを防ぐべく、内袋3の上端の最細部74及びその近傍部分74aを外側注入筒30の先端縁ないし上端縁35から突出させて、外側注入筒30の外側に折返した上で、該折返し部74bを外側注入筒30の上端縁35の近傍部分すなわち上端部36に縫合する。ここで、内袋3の上側部分が入側先細筒状部75として台形の平面形状になるように絞られているので内袋3の上端近傍部分74aが周方向に過度に余ることなく概ね外側注入筒30に沿うように折返されて外側注入筒30の上端部36に縫合され得る。この折返し部74bも、好ましくは、
図1中で吹き出し部S2内や
図5の模式的断面説明図に示したように、内袋3の上端最細部74の先端縁74cを隠すように二度折返した状態で外袋2の注入筒30の先端と縫合される。この折返しに要する長さも典型的には2cm程度以下である。
【0053】
前述した例では、内袋3の上下の端部の折返し部74b,76bの長さが実際上無視されているけれども、この折返し部として、例えば、夫々、2cm程度を要する場合を考慮すると、例えば、内袋3の大径筒状部73の高さないし長さを、60cmの代わりに、65cm程度又はそれ以上にとっておけばよい。その代わりに、入側先細筒状部75及び出側先細筒状部77の高さL8,L9を夫々2cm程度又はそれ以上大きくとっておくことにより、最小高さ部分75c,77cのところを含めた全体で、内袋3が外袋2に沿うようにしてもよい。
【0054】
以上においては、フレキシブルコンテナバッグ1のコストを最低限に抑え得るように、内袋3の製造のし易さを考慮した内袋3の形状を前提として説明したけれども、所望ならば、例えば、内袋3を外袋2と実際上同様な形状(典型的には相似な形状)のような立体的な形状にしておいてもよい。その場合も、内袋3に過度の負荷がかかるのを避けるべく、典型的には、外袋2よりも多少大きいサイズで形成する。その場合、例えば、インフレーション等により一気に内袋を形成しても、複数個の立体形状部品をヒートシール等で接合して内袋を形成しても、平面状のフィルムをヒートシールにより接合して立体形状を形成してもよい。また、立体形状の内袋を準備するとしても、その立体形状は外袋2の立体形状と相似である代わりに、多少異なっていてもよい。
【0055】
以上の如く構成された本発明の好ましい一実施例のフレキシブルコンテナバッグ1では、外袋2と内袋3との二重構造になっているので、強度などを外袋2によって保ちつつ粉粒体の如き内容物の汚損や防湿を内袋2によって確保し得る。
【0056】
また、このフレキシブルコンテナバッグ1では、内袋2の注入筒部3bの上端縁74の近傍部分74aが外側注入筒30の上端縁35の外側に折返された折返し部74bとして該上端縁35の近傍部分(上端部)36に縫合され、且つ内袋2の排出筒部3cの下端縁76の近傍部分76aが外袋排出筒40の下端縁45の外側に折返された折返し部76bとして該下端縁45の近傍部分(下端部)46に縫合されているので、外袋2と内袋3との間の領域Aに誤って異物が混入する虞れがなく、外袋2と内袋3との間の領域Aに外袋の素材たる織布の一部が落ちる等の原因で外袋2と内袋3との間の領域Aに万一異物が入り込んでも、該異物が粉粒体の如き内容物(内袋3内に収容される内容物)と共に排出される虞れがなく、コンタミネーションの虞れを最低限に抑え得る。
【0057】
しかも、このフレキシブルコンテナバッグ1では、特に、外側注入筒30に開口32が形成され、外袋排出筒40に開口42が形成されているので、外袋2内に内袋3を入れて内袋2の注入筒部3bの上端縁74の近傍部分74aを外側注入筒30の上端縁35の外側に折返し部74bとして折返して該上端縁35の近傍部分(上端部)36に縫合し且つ内袋2の排出筒部3cの下端縁76の近傍部分76aを外側排出筒40の下端縁45の外側に折返し部76bとして該下端縁45の近傍部分(下端部)46に縫合してあっても、(所望により周方向の折畳みを行った上で)フレキシブルコンテナバッグ1の本体1aの中央部Mから注入筒1bの方へN1方向に及び排出筒1cの方へN2方向に折畳んでいくことにより、外袋2と内袋3との間の領域Aに残っている空気が外側注入筒30の開口32及び外袋排出筒40の開口42を介して外向きBに容易に放出され得る。従って、フレキシブルコンテナバッグ1がコンパクトに折り畳まれ得る。この折畳みに先立って所望ならば、圧縮空気を内袋3内に吹き込むことにより内袋3を外袋2に沿わせるようにしてもよい。その場合でも、内袋3が外袋2に沿う際に外袋2と内袋3との間の領域Aに残っている空気が外側注入筒30の開口32及び外袋排出筒40の開口42を介して外向きBに容易に放出され得る。但し、圧縮空気の吹き込みの際に内袋3内が該圧縮空気によって多少なりとも汚損されることから、汚損を特に避けたいような場合には、圧縮空気等を利用することなく単に折り畳むことが好ましい。いずれにしても、この二重構造のフレキシブルコンテナバッグ1では、該バッグ1がフレキシブルである特性を最大限に生かして、コンパクトで場所を取らないように容易に折り畳まれ得るので、折畳みに手間がかからず、多量のバッグ1自体の運搬等も容易に行われ得る。
【0058】
なお、この例のフレキシブルコンテナバッグ1では、空気抜き穴としての空気穴32,42は、外側注入筒30や外袋排出筒40の基端部31や41からL10=10cm程度離れたところに形成されていて、内袋3が
図3に示したような平面形状を備えたものであっても、折畳み等により空気穴32,42のところに意図的に空気を送るような場合以外においては、内袋3の注入筒部分すなわち内側注入筒3bや外側注入筒30を構成するポリエチレン製のフィルムが外袋2の注入筒30や排出筒40を構成するポリプロピレン製の織布に対して相当程度密接して位置し得るから、
図2に示したように、菊割部15,18によってカバーされていない状態でも、外袋2と内袋3との間の領域Aへの空気穴32,42を介する異物の出入りは、生じ難い。すなわち、例えば、内側排出筒3cの下端部が折返されることなく外袋排出筒40の下端部に部分的に縫合されて、下向きの隙間が残っているような場合には、その隙間が比較的小さくても該隙間を介して外袋2と内袋3との間の領域から異物が放出される虞れがあるのに対して、空気抜き穴32,42が外側注入筒30や外袋排出筒40の側面に形成されていて端部が折返しや縫合により実際上完全に閉じられているこの例のフレキシブルコンテナバッグ1では、空気抜き穴42を介して外袋2と内袋3との間の領域Aから異物が放出されたり、空気抜き穴32を介して外袋2と内袋3との間の領域Aに異物が入込む虞れが少ない。
【0059】
なお、このフレキシブルコンテナバッグ1では、内袋3の入側先細筒状部75や出側先細筒状部77が
図3のような台形の平面折畳み形状を備えるものであるけれども、内側注入筒3bや内側排出筒3cを構成すべく折返され立体形状化されるに際して及び立体形状で使用されるに際して、不測の力を受け易い部分が補強用テープ69で補強されているので、立体化が安定に行われ得る。
【0060】
以上においては、外袋2の横断面が円形である例について示したけれども、円形の代わりに楕円形や多角形(四角形や六角形等)であってもよい。また、外袋2が平面状に拡がる頂面部13や底面部16を備える例について説明したけれども、明確な頂面部13や底面部16を欠き頂面部13や底面部16が筒状部11と協働して粉粒体収容室を形成するようになっていてもよい。また、注入筒30や排出筒40も円筒である代わりに先細の円錐台状形状であったり、角筒状であったりしてもよい。
【0061】
更に、フレキシブルコンテナバッグ1は、帯電防止型のフレキシブルコンテナバッグであってもよい。すなわち、外袋2は、所望程度の導電性を備えた帯電防止型の織布からなっていてもよい。また、外袋2が導電性を備えた織布等からなる場合には、内袋3も導電性を備えたフィルム等からなっていてもよい。