【文献】
Ericsson, ST-Ericsson,Demodulation test setup for MBSFN ABS configuration,3GPP TSG-RAN WG4♯63,3GPP,2014年 5月14日,R4-122924
【文献】
Texas Instruments,Views on UL Interference in context of CA-Based HetNets,3GPP TSG-RAN WG1#67,3GPP,2011年11月18日,R1-114347
【文献】
China Unicom,Considerations on subframe shifting and ABS setting of FDD systems,3GPP TSG-RAN WG1#67,3GPP,2011年11月18日,R1-114199
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記干渉条件は、前記無線通信機器が前記第1のネットワークノードに関連するセルのセルレンジエクスパンションゾーンの範囲内で動作しているかどうかに関連する、請求項8に記載の方法。
前記ダウンリンク制御チャネルは、複数のフィードバックチャネルグループの1つにそれぞれ割り当てられる複数のフィードバックチャネルの1つを含み、前記プロセッサは、
前記取得した情報に基づいて前記フィードバックチャネルの各々に含まれるフィードバック制御チャネルの数を決定することによって、前記取得した情報に基づく前記送信設定を決定し、
前記決定した数のフィードバック制御チャネルを有する第1のフィードバックチャネルグループ内のすべてのチャネルからのフィードバック情報を多重化することによってフィードバック情報を送信する
ように構成される、請求項14に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1Aは、一又は複数の無線通信機器20に通信サービスを提供する無線通信システム10を図解している。無線通信システム10は、特定の地理的エリア内の通信サービスに無線アクセスを提供するアクセスネットワーク30、及び無線通信システム10内で情報のバックホール配信を提供するコアネットワーク40を含む。アクセスネットワーク30は、ある実施形態で、複数の異なる種類の無線アクセスノード(例えば、基地局32及び低出力ノード34の双方)を含む複数の無線アクセスノードを含む。各無線アクセスノードは一又は複数のセル50にサービスを提供する。セル50が近接している(及び重なる可能性がある)ため、第1のセル50(本明細書では「ビクティムセル」と呼ぶ)内で動作する無線通信機器20は、ビクティムセルに重なる又は近接する第2のセル50(本明細書では「アグレッサセル」と呼ぶ)内で発生する送信によって干渉を受けることがある。このアグレッサセルは、ビクティムセルとして同一の無線アクセスノードによってサービス提供されること、又は別の無線アクセスノードによってサービス提供されることがある。
【0010】
加えて、上述のように、アクセスネットワーク30は、異なる出力レベルで送信する無線アクセスノードが配備される異種ネットワークを表すことがある。無線アクセスノードが干渉セルにサービスを提供するときよりも高い出力を使用する無線アクセスノードによってビクティムセルがサービス提供される場合には、例えば
図1Aに関して、ビクティムセルが低出力ノード34の1つによってサービス提供され、且つアグレッサセルが基地局32の1つによってサービス提供される場合には、これはより深刻な干渉の問題を引き起こすことがある。
【0011】
このような干渉の問題は、ある種の低出力ノード34を利用する異種ネットワークに一般的に実装される特定の解決策によって、さらに悪化することがある。例えば、
図1Bは、一又は複数の低出力ノード34がクローズドサブスクライブドグループ(CSG)を利用するように構成されているときに、無線通信システム10のある実施形態に起こりうる問題を図解している。
図1Bの実施例では、一又は複数の低出力ノード34はCSGを利用するように構成されている。CSGの利用により、低出力ノード34は「クローズドサブスクライバグループ」の一部となる特定の認定ユーザーに対してサービスへのアクセスを制限することができる。CSGで構成された無線アクセスノードは、CSGのメンバである無線通信機器20に通信サービスを提供するが、当該ノードのCSGのメンバではない無線通信機器20へのサービスは拒否する。例えば、職場で従業員にサービスを提供するため使用者によって操作されるピコセルは、その会社のすべての従業員の無線通信機器20を含むCSGで構成されてもよい。CSGを使用することにより、この低出力ノード34は、その会社の従業員に対して隣接する基地局32によって提供されるものを超える付加的な又はより良いサービスカバレッジを提供しうるが、エリア内の非従業員がピコセルの送信、受信、又は処理リソースに接続するのを防止することができる。
【0012】
したがって、CSG低出力ノード34によってサービス提供されるセル50で動作している非CSG無線通信機器20は、CSG低出力ノード34が最も近い無線アクセスノードであるとしても、CSG低出力ノード34を利用することができない。一方、CSG低出力ノード34によって行われる無線送信は、これらの非CSG無線通信機器20とこれらにサービス提供する他の無線アクセスノードとの間の通信に干渉することがある。しかも、非CSG無線通信機器20は、CSG低出力ノード34からサービスを得ることができないにもかかわらず、CSG低出力ノード34のきわめて近くに配置されることがあり、これにより非CSG無線通信機器20に対して著しい量の干渉を引き起こすことがある。例えば、
図1Bに示した実施例では、無線通信機器20gは低出力ノード34gによってサービス提供されるCSGのメンバではなく、低出力ノード34gからサービスを得ることはできないものと想定されている。その代り、無線通信機器20gはセル50jの基地局32gによってサービス提供される。その結果、CSG低出力ノード34gによってサービス提供されるセル34gは、無線通信機器20がセル34gに重なるセル50jの一部の中で動作している間に、アグレッサセルとして作用することがある。このアグレッサセル50gからの干渉は、無線通信機器20gが低出力ノード34gにきわめて近いところで動作しているときには、きわめて強くなることがある。
【0013】
特に異種ネットワークで起こりうる別の干渉の問題は、「セルレンジエクスパンション」(又は「セルレンジエクステンション」)(CRE)の使用に関連している。
図1Cは、一又は複数の低出力ノード34がCREに対応するように構成されている実施例を図解している。CREでは、セル選択/再選択は、例えば、付加的なエリア(
図1CのCREゾーン52で表される)を含むように低出力セルのカバレッジを拡張するパスロス又はパスゲインベースのアプローチに対する、従来の信号強度ベース(RSRPベース)のアプローチとは異なる。特定のCREゾーン52が大きくなればなるほど、その境界ではサービングセルの信号強度は弱くなる。これにより、隣接するマクロセルは、CREゾーン52内で動作している無線通信機器20に対してアグレッサセルとして作用することがある。例えば、
図1Cでは、基地局32kによってサービス提供されるセル50mは、低出力ノード34kのCREゾーン52k内で動作している無線通信機器20kに対してアグレッサセルとして作用することがある。したがって、一般に、
図1A〜1Cで示したように、セル間干渉は無線通信システムにおいて、特に異種配置を実装する無線通信システムにおいて、重大な懸念となることがある。
【0014】
このようなセル間干渉から特定の種類のシグナリングを保護することは重要であろう。例えば、LTE対応の無線通信システム10のある実施形態は、送信エラーの訂正に関して、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)機能を利用することができる。特定の実施形態では、HARQ機能は伝送ブロックを送信及び再送信するNプロセスストップアンドウェイト機構を提供する。伝送ブロックを受信すると、受信機は伝送ブロックのデコードを試み、デコードが成功したかどうか及び/又は伝送ブロックの再送信が必要かどうかを示すフィードバック情報(例えば、受信の成功に対しては承認(ACK)、或いは受信の失敗に対しては非承認(NAK)を表す単一ビット)を送信することによって、デコード操作の結果を送信機に通知する。アグレッサセルからの干渉によって、この種のフィードバック情報が成功裏に送信されることが妨げられる場合には、かなり多数の不必要な再送信が発生すること及び/又は誤って受信された送信が再送信されないことがありうる。
【0015】
加えて、HARQはまた、第1のスケジュールされたアップリンク送信(例えば、初回のアクセス、ハンドオーバ後、RRC接続完了時など)及びダウンリンクでの競合解消(HARQフィードバックは、競合解消メッセージでエコーバックされたメッセージ3に規定されているように、自らの識別子を検出する無線通信機器20によってのみ送信される)の双方に関して、競合ベースランダムアクセス送信のために使用されてもよい。第1のアップリンク送信ステップ又は競合解消ステップでのHARQの失敗は、例えば、当該の無線通信機器20によるセル無線ネットワーク一時識別子(C−RNTI)の検出の失敗、又は同一のC−RNTIを別の無線通信機器20に誤って割り当てることなどを引き起こすことがある。
【0016】
無線通信システム10のある実施形態は、送信の一部又はすべてに対して「同期HARQ」を利用する。例えば、LTE実装は、アップリンク共有チャネル(UL−SCH)上でアップリンクユーザーデータ送信に対して同期HARQを使用して、物理ハイブリッド自動再送要求指示チャネル(PHICH)上でのダウンリンクにHARQフィードバック情報を提供する。同期HARQは、同期HARQフィードバック及び同期再送信を含む。このような実施形態では、フィードバック情報のダウンリンク送信及び任意のアップリンク送信のためのタイムインスタンツは、アップリンク送信のためにスケジューリングされたサブフレームに基づいて固定されており、無線アクセスノード及び当該の無線通信機器20の双方に対して既知である。その結果、このHARQモードで動作している場合には、HARQプロセスナンバの信号伝達が不要になることがある。再送信の最大回数は無線通信機器20ごとに設定されてもよい。同期HARQの運用の実施例を
図4に示す。
【0017】
無線通信システム10の特定の実施形態では、アグレッサセルでの送信は、これらのセルにサービス提供する無線アクセスノードによって行われるダウンリンク送信を制限する所定の送信パターンによって制約されることがある。これらの送信パターンは、当該のセルでダウンリンク送信を行うために使用される時間及び/又は周波数リソースを制限することがある。その結果、これらの送信パターンは、別の時間及び/又は周波数リソースのアグレッサセルによる干渉からビクティムセルを保護することができる。
【0018】
例えば、無線通信システム10は、あるサブフレームの間に最小量のシグナリングを送信するこれらの無線アクセスノードをもたらすオールモストブランクサブフレーム(ABS)を利用する、無線アクセスノードを構成することができる。特定の実施形態では、ABSパターンは、当該セル50に対して、低出力及び/又は低送信アクティビティサブフレーム(例えば、少ない数の変調シンボルが送信される或いはデータ又はシグナリングの量において他の何らかの減少が起こるサブフレーム)を定義する。例えば、潜在的なアグレッサセルに対するABSパターンは、アグレッサセルでユーザーデータが送信されていない間に任意の数のサブフレームを指定することができるが、当該サブフレームの間に制御チャネル情報が送信されていることがある。特定の実施形態では、ABSパターンは無線アクセスノード間で(例えば、X2インターフェースを介して)交換可能である。
【0019】
さらに、特定の実施形態では、アグレッサセルによって引き起こされるセル間干渉は、マルチキャストブロードキャスト単一周波数ネットワーク(MBSFN)サブフレームとしても構成される、これらのABSサブフレームの間に大幅に低減可能である。ある実施形態では、MBSFNサブフレームは非MBSFN領域とMBSFN領域とに分割される。例えば、非MBSFN領域は、非MBSFN領域の長さが1つ又は2つのシンボルである(例えば、DLリソースブロックの数が10を超えるときには、1つのシンボルが1つ又は2つのセル固有ポートと共に使用されることがある)MBSFNサブフレームの中で、最初の1つまたは2つの直交周波数分割多重(OFDM)シンボルに及ぶことがある。このような実施形態では、MBSFNサブフレームの中のMBSFN領域は、非MBSFN領域の一部を構成しないOFDMシンボルとして定義されることがある。MBSFNサブフレームの一部は、物理マルチキャストチャネル(PMCH)送信などのマルチキャスト送信を実行するが、その名称にもかかわらず、すべてのMBSFNサブフレームがこのような送信を含むわけではない。マルチキャスト送信のないMBSFNサブフレームは、本明細書では「ブランクMBSFNサブフレーム」と呼ばれる。
【0020】
それにもかかわらず、ブランクMBSFNサブフレームの中であっても、ある種のシグナリングは非MBSFN領域の一部の中で送信されることがある。例えば、LTEネットワークでは、共通参照信号(CRS)はブランクMBSFNサブフレームの非MBSFN領域内で、すなわち第1のシンボル内で送信されてもよい。しかしながら、非MBSFNサブフレーム内で構成されるABS(「非MBSFN ABS構成」)とは異なり、ブランクMBSFNサブフレームの中で構成されるABS(「MBSFN ABS構成」)は、ある種の情報(例えば、LTEネットワークのCRS)はMBSFNサブフレームのMBSFN領域に送信されないという事実によって、セル間干渉が減少する結果となることがある。無線通信システム10の特定の実施形態で使用されうるMBSFN ABS構成の実施例に対するサブフレームの図は
図2Aに概略的に図解されており、一方特定の実施形態で使用されうる非MBSFN ABS構成の実施例に対するサブフレームの図は
図2Bに概略的に図解されている。
図2A及び2Bの実施例では、2つの送信アンテナポートは、第1のポート(「R
0」で表示)及び第2のポート(斜交線で表示)に対して示された送信と共にCRSに対して使用されることが想定されている。
図2A及び2Bからわかるように、潜在的なアグレッサセルがMBSFN ABSで構成される場合には、送信は非MBSFN ABSで構成される場合よりもサブフレーム当たりより少ないシンボル数で起こり、結果的にMBSFN ABSで構成されるアグレッサセルからの全体的な干渉は減少する。
【0021】
しかしながら、すべてのダウンリンク(DL)サブフレームがMBSFN構成可能なわけではない。
図3は、FDDが利用される場合、MBSFN構成がロングタームエボリューション(LTE)ネットワークの3GPP TS36.331仕様書の下でどのように制約されるかの実施例を示している。
図3に示すように、一部のシステム情報はこれらのサブフレームで送信される必要があるため、MBSFNはFDDシステム内のサブフレーム#0、#4、#5、又は#9で構成されえないことがある。したがって、このような実施形態では、サブフレーム#1、#2、#3、#6、#7、及び#8はMBSFNサブフレームで構成されえない。
図3に示したFDD制約とは対照的に、TDD LTEシステムでは、MBSFNに対してサブフレーム#3、#4、#7、#8及び#9のみが構成されうる。より多くのサブフレームを保護するため、MBSFN及び非MBSFN ABSの混合を使用することが可能であるが、MBSFN及び非MBSFN ABSサブフレームの混合は、不正確なセル状態情報のレポート、高度な受信機を備えた無線通信機器20に対する効率の低い復調アルゴリズム、ネットワーク構成上の不必要な制約、及びアグレッサセルでのスループットの低下、などの他の問題を生む可能性がある。加えて、利用可能なMBSFNサブフレームの一部は、干渉の解除以外の目的で使用されることが必要になることがある。その結果、無線通信システム10は、保護することが必要であるか保護することが望ましいビクティムセル内のすべてのダウンリンクサブフレームを保護するため、ABSに対して利用可能な十分なMBSFNセルを有していないことがある。これは、MBSFNサブフレームがある時点で干渉を低減するためだけに使用されうること、及び特定の実施形態では、保護されうる期間がネットワークごとに変わりうることを意味する。
【0022】
したがって、アグレッサセル送信パターンが構成されうる方法に関する制約は、MBSFN ABSパターンなどの送信パターンを使用して、ビクティムセル内で必要なすべての送信リソースを干渉から保護することを不可能にすることがある。例えば、無線通信システム10の特定の実施形態でHARQタイミングが8msの周期に基づいていると想定すると、これはLTEに対して設定されたHARQ周期と矛盾しない。アップリンクグラントがサブフレームnに最初に割り当てられると、HARQフィードバック情報(例えば、ACK/NAKの指示)はサブフレーム(n+8k)mod(10)のPHICHチャネル上で送信される。ここでkは任意の正の整数値であり、mod(.)は除算後の余りである。nが奇数の場合、サブフレーム1、9、7、5、及び3は、対応するHARQプロセスに関してACK/NAK情報を有することになる。この場合、サブフレーム9及び5は保護が必要になるが、これらのサブフレームは
図3に図解されている実施例ではMBSFN構成可能ではない。nが偶数の場合、ダウンリンクHARQフィードバック情報は、対応するHARQプロセスに関してサブフレーム0、8、6、4、及び2に送信される。この場合、サブフレーム0及び4は保護が必要になるが、
図3の実施例の下ではどちらもMBSFN構成可能ではない。
【0023】
これがどのようにして問題を引き起こすかを説明するため、
図4は実施例のHARQスキームの下でHARQシグナリングシーケンスに対するタイミングを図解している。一方、
図5は実施例のオールモストブランクサブフレーム(ABS)パターンのタイミングに対して実施例のHARQスキームの下でのHARQシグナリングのタイミングを示している。より具体的には、
図4は同期している実施例のHARQスキームに対するHARQシグナリングを図解している。同期HARQスキームの下では、アップリンクデータ送信とダウンリンクフィードバック送信及び/又は任意の起こりうる再送信との間のタイミングの関係性は固定されることがある。例えば、
図4に示した実施例では、無線通信機器20は特定のサブフレームの間にアップリンクデータ送信を送信し、この無線通信機器20にサービス提供する無線アクセスノードは、アップリンク送信から決められた数のサブフレーム期間が経過した時点で応答HARQフィードバック送信を送信する。例示的な実施例では、HARQフィードバック送信は対応するアップリンク送信から4サブフレーム後に行われ、HARQラウンドトリップタイム(RTT)は8サブフレームである。アグレッサセルで使用されるMBSFN ABS構成は8サブフレーム周期と一致しないことがあるため(例えば、
図3に示したように)、応答ダウンリンク送信が起こりうるサブフレームは、アグレッサセルのABS構成によって保護されていない、又は保護が少ないサブフレームを含みうる。
【0024】
このようなシナリオの実施例を
図5に示す。具体的には、
図5は、ビクティムセルで起こりうるHARQシグナリングとアグレッサセルで可能なABS構成との間のタイミングの関係の例を示す。ビクティムセル内の無線通信機器20がPHICH送信を成功裏に受信及びデコードする可能性がある場合には、アグレッサセル内のABSサブフレーム又は他の何らかの機構を有するビクティムセル内のPHICH送信を保護することが必要になることがある。
図5の実施例では、アグレッサセル内でMBSFN ABSサブフレームによる保護を必要とするビクティムセル内のサブフレームが「保護されるサブフレーム」と書かれた行に表示されている。
図5が示すように、この実施例の構成では、MBSFNはこれらのサブフレームでは構成されえないため、無線フレーム#0のサブフレーム#9及び無線フレーム#2のサブフレーム#5は、MBSFN ABSサブフレームによって保護することはできない。その結果、PHICH送信の一部のみがMBSFN ABSサブフレームによって保護可能となり、MBSFNサブフレームに対する構成の制約により、一部のPHICH送信は確実に検出されないことがある。
図5に示すように、使用されるABS構成の種類によっては、アグレッサセル内のABS構成は、PHICH送信又は他の種類のダウンリンク送信をビクティムセル内で行われなければならないすべてのサブフレームを保護するのに十分な機構ではないことがある。
【0025】
これは、当該のダウンリンク送信(例えば、PHICH上で送信されるHARQフィードバック情報)の周期、及びビクティムセルでのダウンリンク送信を保護するための適切な干渉条件をもたらす送信パターン(例えば、MBSFN ABSパターン)の周期との不一致の結果として、特定の実施形態で起こりうるより一般的な問題の例である。アグレッサセルに対して構成されるABSパターン又は他の送信パターンを単純に生かすことによって、ビクティムセル内のダウンリンク送信の一部を保護することは可能であるが、この方法では、特にある種のABS構成では、ビクティムセル内のすべてのダウンリンク送信を保護することができないことがある。一般的に、アグレッサセルによる干渉から保護することができる時間及び/又は周波数リソースに(例えば、MBSFN/非MBSFN、サイクリックプレフィックス構成、干渉条件、ネットワーク構成、機器の動作状態などのサブフレームの種類による)制限があり、同時に(同期HARQのタイミングの制約により)ビクティムセル内で特定のダウンリンク送信を行わなければならない所定の時点が存在する場合には、これらの所定の時点はダウンリンク送信に対して必要となるかもしれないすべてのサブフレームを完全には包含できないことがある。したがって、干渉から保護されうるサブフレームのパターンとこのような保護を必要とするダウンリンク送信との間の周期の不一致を示す無線通信システム10の実施形態では、付加的な策を講じることなく保護を必要とするすべてのダウンリンク送信を保護できないことがある。
【0026】
したがって、MBSFN ABSは、MBSFN ABSとして構成されるサブフレームの間に行われるダウンリンクフィードバック送信に対して効果的な干渉保護を提供することができるが、構成の制限によりすべてのサブフレームがMBSFN ABSを使用して保護されることが不可能になることがある。しかも、MBSFN ABS構成と非MBSFN ABS構成との混合には欠点がある。その結果、MBSFN ABSがアグレッサセル内で使用される場合であっても、MBSFN ABSとして構成されえないサブフレーム内のシグナリングは失われること或いは誤って受信されることがある。
【0027】
この問題を改善するため、無線通信システム10の特定の実施形態は、ある種のABS構成(例えば、MBSFN ABS)がアグレッサセル内で使用される場合、ビクティムセル内のある種のダウンリンク送信に対して使用される送信構成を修正することがある。特定の実施形態では、送信構成に対する修正は、当該ダウンリンク送信に対する送信出力、送信フォーマット、或いはその両方に対する調整を含むことがある。以下でさらに詳細に説明されるように、これは、これらの送信がアグレッサセル内のMBSFN ABSサブフレームに合わせられていない場合であっても、ダウンリンク送信が成功裏に受信される可能性を高めることがある。
【0028】
特定の実施形態では、ダウンリンク送信は、第2のセルのABSでの送信に関連する候補条件を満たす制限付き測定パターンで、一又は複数の候補サブフレームの間に行われるように意図されてもよい。特定の実施形態では、これらの候補サブフレームは、アグレッサセル内の基地局32aによる送信が何らかの方法によって制限されるサブフレーム(例えば、ABS構成の下でABSサブフレームとして構成されるサブフレーム)、低出力ノード34a又はアクセスネットワーク30が干渉に敏感なある種の又はすべての動作に対して受け入れ可能であるように指定されているサブフレーム(例えば、無線通信機器20aに対して構成される制限付き測定パターンによって特定されるサブフレーム)、又はこれら2つの何らかの組み合わせを表すことがある。代替的に、幾つかの実施形態では、候補サブフレームは、アグレッサセル内での送信及び/又は無線通信機器20の受信機の種類に関連する強い干渉に対処する無線通信機器20の能力(例えば、ある種の干渉に対処する又はこれを軽減する能力の目安)に依存することがある。さらに一般的に、候補サブフレームは、当該のサブフレームの間にアグレッサセル内で送信を行う任意の好適な方法に関連する候補条件を満たす、任意のサブフレームを表すことがある。
【0029】
追加的に又は代替的に、幾つかの実施形態では、ダウンリンク送信は、干渉保護を提供しうる任意の保護されたサブフレーム(例えば、第2のセル内の任意のABSサブフレーム)と一致しないあるいは重ならない、少なくとも1つのサブフレーム内で送信されることが必要となることがある。このような実施形態では、本明細書で説明されている送信構成の使用は特に有益となることがある。
【0030】
ここで、
図1Aに示した実施例の実施形態に戻ると、無線通信システム10の例示的な実施形態は、無線通信システム10によってサービス提供される複数のセル50の中で動作する一又は複数の無線通信機器20に無線通信サービスを提供する。無線通信システム10は、限定するものではないが、任意のロングタームエボリューション(LTE)、ワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス(WiMAX)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標))通信規格などを含む、任意の好適な種類の及び/又は任意の適切な通信規格に従う通信に対応してもよい。
【0031】
無線通信機器20は、無線通信システム10と無線的に情報をやりとりすることができる任意の機器を表す。無線通信機器20の実施例は、無線電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ラップトップコンピュータ、及び通信システム10による使用に適した他の任意の可搬型通信機器など、従来の通信機器を含む。例えば、特定の実施形態では、無線通信機器20はLTEユーザー機器(UE)の例を表す。加えて、特定の実施形態では、無線通信機器20はまた、自動化機器又はマシン型通信(MTC)が可能な機器を表すこともある。例えば、無線通信機器20は、無線計測器又はセンサ、デジタル掲示板、無線対応家電(例えば、洗濯機、温風機、デジタルビデオレコーダ(DVR))、又はアクセスネットワーク30との無線通信が可能な他の任意の機器を表すことがある。
【0032】
アクセスネットワーク30は、無線通信機器20と無線的に通信を行い、無線通信機器20とコアネットワーク40との間のインターフェースとして働く。アクセスネットワーク30は、無線アクセスネットワーク及び/又は、コアネットワーク40に無線又はエアインターフェースを提供する機能を負う任意の要素を表す又は含むことがある。アクセスネットワーク30は、無線通信機器20と無線的に通信することができる一又は複数の無線アクセスノードを含む。
図1Aの実施例の実施形態では、これらの無線アクセスノードは複数の基地局32及び低出力ノード34を含む。アクセスネットワーク30はまた、基地局コントローラ、アクセスサーバ、ゲートウェイ、リレー、リピータ、及び/又は基地局32によって使用される無線チャネルの管理、ユーザー認証、基地局32と他の無線アクセス要素との間のハンドオフの制御、及び/又は基地局32の相互運用の管理及びコアネットワーク40への基地局32の接続に好適な任意の付加的なコンポーネントを含むことがある。
【0033】
特定の実施形態では、アクセスネットワーク30は、複数の異なる種類の無線アクセスノードが配備される異種ネットワークを表すことがある。例えば、
図1Aの例示的な実施例では、アクセスネットワーク30は、各々が一又は複数のセル50にサービスを提供する複数の基地局32、及び各々が一又は複数のセルにサービスを提供する複数の低出力ノード34を含む。本明細書では、基地局32によってサービス提供されるセル50を「マクロ」セルと呼び、低出力局34によってサービス提供されるセル50を「マイクロ」セルと呼ぶ。特定の実施形態では、低出力局34によってサービス提供されるマイクロセルは、
図1Aに示すように近隣基地局32によってサービス提供される一又は複数のマクロセルと実質的に重なることがある。
【0034】
基地局32は、無線通信機器20への無線通信サービスを促進するため、無線通信機器20と無線的に通信を行う。基地局32は、無線通信機器20との通信を行い、無線通信機器20をコアネットワーク40に接続するための任意の適切な要素を含みうる。例えば、アクセスネットワーク30及びコアネットワーク40によって支持される通信規格に応じて、各基地局32は、基地局、NodeB、evolved NodeB(eNodeB)、無線基地局(RBS)、又は無線通信機器20と無線的に通信することができる他の好適な要素を表す又は含んでもよい。
【0035】
同様に、低出力ノード34は、無線通信機器20への無線通信サービスを促進するため、無線通信機器20と無線的に通信を行う。低出力ノード34は、無線通信機器20との通信を行い、無線通信機器20をコアネットワーク40に接続するための任意の適切な要素を含みうる。特定の実施形態では、低出力ノード34は基地局32よりも低い最大送信出力を有してもよく、基地局32よりも低い送信出力を使用するように構成されてもよい。低出力ノード34の実施例は、限定するものではないが、ピコ基地局、フェムト基地局、マイクロ基地局、ホームeNodeB(HeNB)、及び無線ローカルアクセスネットワーク(WLAN)アクセスポイントを含む。
【0036】
「低出力」と呼ばれてはいるものの、低出力ノード34は、特定の実施形態では、基地局32と同一の物理要素を含んでもよいが、ある時点では、単純に基地局32とは別に運用するように構成されてもよい。さらに、以下の説明は、例示を目的として、アクセスネットワークが送信出力の異なる無線アクセスノードを含む実施形態に焦点を当てているが、アクセスネットワーク30の他の実施形態は、運用及び/又は他の機能又は特性の他の態様に関して異なる種類の無線アクセスノードを含むことがある。しかも、アクセスネットワーク30の代替的な実施形態は、無線アクセスノードのすべてが同様または同一である同種ネットワークを表すことがある。
【0037】
アクセスネットワーク30内の各無線アクセスノードは、当該無線アクセスノードによってサービス提供される一又は複数のセル50に関連している。セル50は、対応する無線アクセスノードによってサービス提供される近接した地理的な領域を定義することができる。単純化するため、
図1Aは、各無線アクセスノードが単一のセル50にサービス提供するように構成される実施例の実施形態を図解している。しかしながら、特定の実施形態では、無線アクセスノードは複数の異なるセル50に対応することができる。例えば、キャリアアグリゲーション又は他のマルチキャリア機能に対応する実施形態では、特定の無線アクセスノードは、場合により同一の地理的カバレッジにより、周波数スペクトルの異なる部分のキャリアを用いる無線アクセスノードによってサービス提供されるセル50の各々により、複数の異なるセル50にサービス提供することができる。その結果、特定の実施形態では、第1のセル50及び第2のセル50は同一の無線アクセスノードによってサービス提供され、またこれらのセル50は、同一の、重なる、又は完全に別個の地理的な領域を網羅することができる。
【0038】
コアネットワーク40は、アクセスネットワーク30から他の無線通信機器20まで、或いは地上の通信線接続又は他のネットワークを経由してコアネットワーク40に接続されている他の通信機器まで、無線通信機器20によって通信される音声及び/又はデータをルーティングする。コアネットワーク40は、このような通信のルーティングに関して適切な任意の規格又は技術に対応することができる。例えば、LTEに対応している無線通信機器20の実施形態では、コアネットワーク40はシステムアーキテクチャエボリューション(SAE)コアネットワークを表すことがある。コアネットワーク40はまた、長距離伝送通信の集約、ユーザー認証、呼制御、課金を目的とした使用量の計測、又は通信サービスの提供に関連する他の機能の役割を担う。しかしながら、一般的に、コアネットワーク40は、無線通信機器20に対する音声及び/又はデータ通信のルーティング並びに支援に適した任意のコンポーネントを含むことがある。
【0039】
動作時には、無線通信システム10の無線アクセスノード(実施例の実施形態では基地局32及び低出力ノード34など)は、これらの無線アクセスノードによってサービス提供されるセル50の中で動作している無線通信機器20に無線通信サービスを提供する。セル間干渉から隣接するセル内でのダウンリンク送信の保護を支援するため、無線通信システム10の無線アクセスノード(ここでは、
図1Aの基地局32a)は、当該無線アクセスノードによってサービス提供されるセル50内のダウンリンク送信を制限する送信パターンと共に構成されることがある。特定の実施形態では、この送信パターンは、MBSFN ABSサブフレームとして構成される一又は複数のサブフレームを含んでもよい。
【0040】
基地局32aは、セル50aで使用されるABS構成又は他の種類の送信パターンを示す潜在的なビクティムセル(ここでは、低出力ノード34a)に連携情報を送信することがある。特定の実施形態では、連携情報は具体的に、セル50a内のABSとして構成されるサブフレーム及び/又は使用されるABSサブフレームの種類(例えば、MBSFN)を特定することがある。アグレッサセル内でのABSサブフレーム又は別の好適な送信パターンの使用はビクティムセル内の干渉条件を改善しうるが、特定の種類のABS構成で使用されうるサブフレーム上の制限によって、これは結果的に不完全な解決策となる。当該の種類のABS構成に対してABSサブフレームとして構成されえないサブフレーム内で起こる送信は、このスキーム下では保護をほとんど或いは全く受けないことがある。例えば、MSBFNサブフレームとして構成されえないサブフレームは、MSBFN ABS構成下では全く保護を受けることができない。
【0041】
その結果、無線通信システム10の特定の実施形態は、アグレッサセル内でのABSサブフレームの使用を、ビクティムセル内でのダウンリンク送信に使用される送信構成に対する修正で補うように構成されている。これらの構成は、送信出力、送信フォーマット、またはその両方に関連することがある。その結果、低出力ノード34aは、基地局32aから受信した連携情報に照らして、その送信構成を修正するように構成されることがある。
【0042】
説明した技術は、アグレッサセル内の特定の種類のABS構成と共に使用されるときに最も有益となることがあるため、低出力ノード34は基地局32aによって使用されるABS構成の種類を最初に決定してもよい。無線通信システム10のある実施形態では、基地局32aが特定の種類のABS構成(例えば、MBSFN ABS構成)を使用している場合、低出力ノード34aは本明細書に記載の技術のみを適用することがある。したがって、特定の実施形態では、低出力ノード34aは、連携情報に基づいて特定の種類のABS構成がセル50a内の基地局32aによって使用されるかどうかを最初に決定してもよい。
【0043】
加えて、ある実施形態では、ダウンリンク送信に対する上述の技術のみを、低出力ノード34aは制限付き測定パターンによって構成された無線通信機器20に適用してもよい。したがって、特定の無線通信機器20(ここでは、無線通信機器20a)にダウンリンク送信を構成する場合には、低出力ノード34aはまた、当該の無線通信機器20が制限付き測定パターンに従って少なくとも1つの測定を実施するように構成されているかどうかを決定してもよい。
【0044】
基地局32aがアグレッサセル内で特定の種類のABS構成(例えば、MBSFN ABS)を使用し、無線通信機器20が制限付き測定パターンによって構成されている場合には、低出力ノード34aは、ダウンリンク送信を増強する出力を印加することによって、及び/又は低出力ノード34aよりも頑強な送信フォーマットを使用することによって、ABS構成により提供される干渉保護を補うように決定してもよい。その結果、低出力ノード34aは、基地局32のABS構成に基づいて、セル間干渉からダウンリンク送信をさらに保護するため、無線通信機器20aへのダウンリンク送信のための適切な送信構成を決定することができる。
【0045】
特定の実施形態では、低出力ノード34aは、上述の条件が満たされる場合、ダウンリンク送信を増強する出力を印加するように構成されてもよい。したがって、このような実施形態では、送信構成の決定は、ダウンリンク送信に対する送信出力レベルの決定を含むことがある。例えば、低出力ノード34aは、セル50aで基地局32aによって使用されるABS構成の種類に基づいて、ダウンリンクチャネルに対する正の出力マージンを決定することがある。特定の実施形態では、低出力ノード34aは、無線通信機器20aが成功裏に受信する(例えば、完全に受信し成功裏にデコードする)ことを保証するのに必要となる基準送信出力を上回る出力量を推定又は決定することによって、正の出力マージンを決定してもよい。さらに、特定の実施形態では、低出力ノード34aは、連携情報によって示されるように、アグレッサセル内で使用されるABS構成の種類に基づいて受信の成功を保証するのに必要となる量を決定する。
【0046】
特定の実施形態では、低出力ノード34aは、上述の条件が満たされる場合、より頑強な送信のための特別な送信フォーマットを適用するように構成されてもよい。したがって、このような実施形態では、送信構成の決定は、ABS構成に基づくダウンリンク送信に対する送信フォーマットの決定を含むことがある。より具体的には、低出力ノード34aは、セル間干渉をより受けにくいフォーマット、又は上述の条件が満たされる場合により頑強なフォーマットを選択してもよい。
【0047】
1つの実施例として、低出力ノード34aは、ダウンリンク送信を行うために使用されるチャネルに対して、チャネルグループ内のチャネル数を修正することができる。例えば、ダウンリンク送信は、フィードバックチャネル(例えば、PHICH)上で行われるダウンリンクフィードバック送信を表すことがある。このフィードバックチャネルは、低出力ノード34aによって送信される幾つかのフィードバックチャネルの1つを表すことがあり、低出力ノード34aは、フィードバックチャネルを送信用の複数のグループに分類し、送信用の各グループ内でチャネルを多重化することがある。したがって、このような実施形態では、送信フォーマットの決定は、各グループ内で多重化されたチャネル数を変更すること及び/又はチャネルグループ数を増やすことを含んでもよい。多重化された各グループ内でチャネル数を減らすことによって、低出力ノード34aはアグレッサセルからの干渉に対して送信フォーマットの抵抗力を高めることができる。
【0048】
別の実施例として、特定の実施形態では、低出力ノード34aは、送信に関連する拡散率に基づいてダウンリンク送信を変調してもよい。このような実施形態では、低出力ノード34aは、アグレッサセル内に構成されるABSの種類に基づいてダウンリンク送信を行うときに使用されるチャネルの変調に用いられる拡散率の大きさを修正してもよい。このような実施形態では、送信フォーマットの決定は、ダウンリンク送信に対する拡散率の大きさの決定を含むことがある。特定の種類のABS構成がアグレッサセル内で使用される場合、拡散率の大きさを増すことによって、低出力ノード34aはアグレッサセルからの干渉に対して送信フォーマットの抵抗力を高めることができる。
【0049】
別の実施例として、特定の実施形態では、低出力ノード34aは、ダウンリンク送信を行うため変調シンボルの数を変えて(例えば、直交周波数分割変調の数を変えて)使用してもよい。このような実施形態では、送信フォーマットの決定は、ダウンリンク送信を実行するための変調シンボルの数を決定することを含んでもよい。例えば、特定の実施形態では、低出力ノード34aは、MBSFN ABSがアグレッサセル内に構成されるときにアグレッサセルが構成される場合、ダウンリンク送信を変調するため、2個のOFDMシンボルの使用から3個のOFDMシンボルの使用に切り替えることがある。ダウンリンク送信を実行するために使用される変調シンボルの数を増やすことによって、低出力ノード34aはアグレッサセルからの干渉に対して送信フォーマットの抵抗力を高めることができる。
【0050】
上記の実施例は、ダウンリンク送信がフィードバックチャネル上での送信を表す実施形態に焦点を当てているが、当該ダウンリンク送信は任意の種類の制御情報又はユーザーデータを含むこと、及び/又は任意の種類のチャネル上で送信されることがある。例えば、特定の実施形態では、ダウンリンク送信は物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)送信を表すことがある。このような実施形態では、低出力ノード34aは、制御チャネルエレメント(CCE)の数、変調及びコーディングスキーム(MCS)、コーディング速度、及び/又はその構成の他の側面を調整して、アグレッサセルからの干渉に対して送信フォーマットの抵抗力を高めることができる。
【0051】
特定の実施形態では、低出力ノード34は追加的に、干渉によりさらに劇的な手段の使用が当然とみなされる状況だけに、ダウンリンク送信構成を適用する上記技術の使用を制限することがある。したがって、特定の実施形態では、低出力ノード34はまた、無線通信機器20aが受ける干渉の量に関連する一又は複数の干渉条件が送信構成の適用前に満たされるかどうかを決定してもよい。このような実施形態では、干渉条件が満たされていない場合、低出力ノード34aは、その送信構成をアグレッサセル内のABS構成に適用しないように選択してもよい。
【0052】
干渉条件は、無線通信機器20aが受ける実際の又は予測される干渉に、任意の適切な方法で関連することがある。例えば、干渉条件は、(
図1Cの実施例でのように)無線通信機器20が、ビクティムセルのセルレンジエクスパンション(CRE)ゾーン内で動作しているかどうか、(
図1Bの実施例でのように)無線通信機器20aがメンバになっていないクローズドサブスクライバグループ(CSG)に関連する無線アクセスノードによってサービス提供されているセル内で動作しているかどうか、(無線通信機器20a又は低出力ノード34a自体によって実施される測定に基づいて)ある閾値レベルを超えるアグレッサセルからの干渉を検出しているかどうか、或いは上述の技術の使用が当然とみなされるような干渉を受けているかどうか、に関連することがある。
【0053】
基地局32aのABS構成に基づいて、当該のダウンリンク送信にその送信構成を適用するかどうかを決定した後、低出力ノード34は、その適用された送信構成に基づいて、アクセスネットワーク30内で無線通信機器20a又は他の無線アクセスノードを追加的に構成することがある。例えば、低出力ノード34aは、当該のダウンリンク送信に関して低出力ノード34aによって使用される送信構成を示す無線通信機器20aに構成情報を送信することがある。この構成情報は、特定の送信に特有となること、或いは無線通信機器20aに対して低出力ノード34aによって行われるすべてのダウンリンク送信又は特定の種類のすべてのダウンリンク送信(例えば、すべてのPHICH送信)に当てはまることがある。構成情報は、当該の送信フォーマット又は送信出力を示すことがあり、無線通信機器20aは示された送信フォーマットに従って、或いは示された送信出力でダウンリンク送信を受信するようにそれ自体を構成することがある。
【0054】
加えて、基地局32aは、低出力ノード34aから受信した連携情報に基づいて、それ自体の送信構成を修正することがある。特定の実施形態では、基地局32aは、アグレッサセル内での送信の干渉による影響をさらに低減するため、低出力ノード34aによって設定される送信パラメータ(例えば、PHICHのグループ番号、PHICHに使用されるOFDMシンボルの数、PDCCHに使用されるCCEの数)と同一または同様の種類の送信パラメータを修正することがある。基地局32aはまた、(例えば、PHICHの位置を調整するため)基地局32aに関連するセル識別子などの基地局32aに関連する他のパラメータを適合して、或いは、(例えば、当該機器に対してPDCCHの位置を調整するため)セル無線ネットワーク一時識別子(C−RNTI)などの基地局32aによってサービス提供される無線通信機器20に関連する他のパラメータを適合して、基地局32aと低出力ノード34aとをより良く連携してビクティムセル内の干渉を低減してもよい。
【0055】
さらに、基地局32aは、元のABS構成を改善してもよい。例えば、特定の実施形態では、受信した連携情報は、ビクティムセルの送信及び/又は干渉保護の必要性に関する指標を提供し、基地局32aはこの情報に基づいてアグレッサセル内に構成されるABSサブフレームの数を増減することがある。ある実施形態では、連携情報は、低出力ノード34が使用しうる送信構成が保護される予定のサブフレームを適切に保護できないため、基地局32aがそのABS構成を変更することを求める低出力ノード34aからの要求を表すことがある。例えば、低出力ノード34が、サービス提供しているすべて(或いは、閾値となる数又は割合)の無線通信機器20が元のABS構成下でビクティムセル内のダウンリンク送信を確実に受信できるように、十分に送信出力を上げることができない場合には、低出力ノード34aは基地局32aがそのABS構成を変更するよう要求することがある。基地局32aはそこでABS構成を適切に(例えば、付加的なABSサブフレームを追加して、MBSFNから非MBSFN構成に変更することによって)変更することができる。
【0056】
低出力ノード34及び無線通信システム10の他の要素が何らかの適切な構成になった後、低出力ノード34aは最適化された送信構成に従ってダウンリンク送信の実行を開始することができる。上述のように、ダウンリンク送信は任意の好適な種類の制御情報又はユーザーデータを表すことがある。
【0057】
特定の実施形態では、ダウンリンク送信は、無線通信機器20aによってスケジュールされたアップリンク送信が低出力ノード34aによって成功裏に受信されたかどうかを示すフィードバック情報(例えば、ACK/NAKビット)を伝達するフィードバック送信(例えば、HARQ送信)を表す。したがって、このような実施形態では、低出力ノード34aはアップリンク送信を行うように無線通信機器20aをスケジュールし、さらに、上述のように選択された送信構成(例えば、送信出力及び/又は送信フォーマット)を使用して送信されるダウンリンクフィードバック送信によってアップリンク送信に応答する。低出力ノード34aが同期する種類のフィードバックスキームを使用するように構成されている場合には、低出力ノード34aは、スケジュールされているアップリンク送信から決められた数のサブフレーム期間が経過した後に応答ダウンリンク送信を送信するように要求されることがある。このような実施形態では、フィードバックスキームのタイミング要件は、低出力ノード34aに対して、アグレッサセルによる干渉から保護されていない、又は保護が少ないサブフレームの間にダウンリンクフィードバック送信を送信するように、強制することがある。送信出力及び/又は送信フォーマットは、アグレッサセルによって使用されるABS構成の種類の認識に基づいて選択されるため、低出力ノード34aによって使用される送信出力及び/又は送信フォーマットは、アグレッサセルによって引き起こされる干渉を克服できるよう十分に頑強なものになりうる。
【0058】
その結果、説明されている技術に従って送信出力及び/又は送信フォーマットを選択することにより、ビクティムセル内に干渉を引き起こすアグレッサセルのABS構成によって保護されないサブフレームの間に送信が起こる場合であっても、ビクティムセル内の無線アクセスノードはダウンリンク送信を成功裏に送信することができる。説明されている技術により、アグレッサセルセル内で使用される種類のABS構成によってどのサブフレームが保護されうるのかという制約にかかわらず、ビクティムセルは任意のサブフレームの間に成功裏に送信を行うことができる。例えば、アグレッサセルセルがMBSFN ABS構成を使用している場合、MBSFNサブフレームとして構成されえないサブフレーム(
図3の実施例のLTE FDD構成でのサブフレーム#0、#4、#5、及び#9など)内であっても、ダウンリンク送信はビクティムセル内で成功裏に行われうる。加えて、特定の実施形態では、ビクティムセルは、アグレッサCSGセルがビクティムセルに重なっている又は受信機器がビクティムセルのCRE内に配置されているなど、ビクティムセル又は受信機器の干渉に対する脆弱性が増す状況下で、成功裏に送信できることがある。したがって、無線通信システム10のある実施形態は、数多くの動作上の利点を提供することができる。しかしながら、無線通信システム10の特定の個々の実施形態は、このような利点の一部を提供する、全く提供しない、或いは全てを提供することがある。
【0059】
図6A、6Bは、潜在的なアグレッサセルのABS構成に基づいて適切な送信構成を決定する際に、アクセスネットワーク30の無線アクセスノードに対する実施例の動作を図解するフロー図である。
図6A、6Bに図解されているステップは、必要に応じて、結合、修正、又は削除されることがある。実施例の動作に付加的なステップが追加されることもある。さらに、説明されているステップは、任意の好適な順序で実施されてもよい。
【0060】
図6Aの動作は、ステップ600で、別の無線アクセスノード(この実施例では、基地局32a)で使用されるオールモストブランクサブフレーム(ABS)構成の種類に関する構成情報を取得する無線アクセスノード(この実施例では、
図1Aの低出力ノード34a)により開始される。構成情報は、基地局32aが潜在的なアグレッサセル内で使用するように構成されているABS構成の種類(例えば、MBSFN又は別の特定の種類のABSサブフレーム)を示すことがある。
【0061】
特定の実施形態では、低出力ノード34aは、基地局32aによって使用されるABS構成の種類に適合するため、ビクティムセル内のあるダウンリンク送信に対して送信構成を、低出力ノード34aが設定又は調整(例えば、現在の送信構成、又は低出力ノード34aが使用するデフォルト送信構成からの切り替え)すべきかどうかを決定してもよい。したがって、低出力ノード34aは、基地局32aが特定の種類のABS構成(例えば、MBSFN ABSサブフレームを有する構成、非MBSFN ABSサブフレームを有する構成)を使用しているかどうか決定することができ、基地局32aが特定の種類のABS構成を使用している場合には、その送信構成にを単に適合することができる。例えば、図解されている実施例では、低出力ノード34aは、ステップ602で、基地局32aがMBSFN ABS構成を使用しているかどうか決定し、また使用している場合には、その送信構成を単に適合する。例示的な実施例では、低出力ノード34aはまた、ステップ604で、無線通信機器20aが 制限付き測定パターンに従って一又は複数の測定を実施するように構成されているかどうかを決定する。特定の実施形態では、低出力ノード34aは制限付き測定パターンを有する無線通信機器20aを構成する役割を担うことがあり、その場合、この決定は、低出力ノード34aが制限付き測定パターンを有する無線通信機器20aを最初に構成するときに行われてもよい。
【0062】
加えて、特定の実施形態では、低出力ノード34aは、説明されている技術の使用を、ビクティムセル内の干渉又は無線通信機器20aが受けている干渉に対してより重要な干渉保護手段が当然とみなされる状況だけに、制限することがある。その結果、例示的な実施例では、低出力ノード34aは、ステップ606で、その送信構成に適合する前に、干渉条件が満たされているかどうかを決定する。干渉条件が満たされていない場合には、無線通信機器20aが制限付き測定パターンで構成されていない場合には、或いは使用されているABS構成の種類が送信構成の適合を当然とみなさない場合には、低出力ノード34aは代わりに、あらかじめ構成された送信構成を使用すること、又は適切な送信構成を決定するために従来の技術を使用することがあり、動作は例えばステップ616に進んでもよい。
【0063】
しかしながら、例示的な実施例でこれらの条件が満たされる場合には、低出力ノード34aは、基地局32aがMBSFN ABS構成を使用しているという事実に基づいて、ある種のダウンリンク送信に対して(この実施例では、ダウンリンクHARQフィードバック送信に対して)使用する送信構成の決定へ進む。 特定の実施形態では、これらのダウンリンク送信は、第2のセルのABSでの送信に関連する候補条件を満たす制限付き測定パターンで、一又は複数の候補サブフレームの間に送信されてもよい。追加的に又は代替的に、幾つかの実施形態では、ダウンリンク送信は、干渉保護を提供しうる候補サブフレームの特定の組と一致しない少なくとも1つのサブフレーム内で送信されることが必要となることがある。このような実施形態では、本明細書で説明されている送信構成の使用は特に有益となることがある。
【0064】
上記で説明したように、送信構成の決定は、基地局32aが特定の種類のABS構成(ここでは、MBSFN)を使用しているという事実に基づいて、当該ダウンリンク送信に対して使用する、送信出力レベルの決定及び送信フォーマットの決定のうちの一方又は両方を含むことがある。例示的な実施例では、低出力ノード34aは、当該ダウンリンク送信に対して、ステップ608〜610に示した送信出力レベル、及びステップ612に示した送信フォーマットの両方を決定する。
【0065】
送信出力レベルの決定の一環として、実施例の実施形態では、低出力ノード34aは、ステップ608で、アグレッサセル内の基地局32aによって使用されている又は使用されることになっているABS構成の種類に基づいて、ダウンリンク制御チャネルに対して正の出力マージンを決定する。特定の実施形態では、この正の出力マージンは、例えば、無線通信機器20aによるABS構成及び/又は信号品質の測定値を考慮して、無線通信機器20aによってダウンリンク送信が成功裏に受信されるために必要と推定される(例えば、受信した信号に対して所望の信号対雑音および干渉比(SNIR)に基づいて)出力増大の量を表す。ある実施形態では、このマージンは典型的には+2dBから+6dBの範囲内にあるが、これは、アグレッサセルの干渉のレベル及びセル50b内の無線通信機器20の位置などの要因に応じて変化することがある。実施例の実施形態では、低出力ノード34aは次に、ステップ610で、出力マージン及び基準出力レベルの和に基づいて、ダウンリンク送信に対して送信出力レベルを決定する。
【0066】
実施例の実施形態のステップ612で、低出力ノード34aはABS構成の種類に基づいてダウンリンク送信に対する送信フォーマットを決定する。特定の実施形態では、これは、基地局32aによって使用されるABS構成の種類に基づいて、より頑強な送信フォーマットを選択する低出力ノード34aを含んでもよい。これは、アグレッサセルからの干渉に対してより抵抗力のある送信を行うため、送信の任意の態様に対してパラメータを決定する低出力ノード34aを含むことがある。1つの実施例として、ダウンリンク送信は、送信されるとき、グループ内の他のチャネルと共に多重化される一又は複数の同様のフィードバックチャネルを有するフィードバックチャネルグループ(例えば、PHICHグループ)に属するフィードバックチャネル(例えば、PHICH)を表すことがある。このような実施形態では、低出力ノード34aは、各チャネルグループに含まれるフィードバックチャネルの数を変更することによって、より頑強な送信フォーマットを選択してもよい。低出力ノード34aが送信フォーマットを調整する方法の他の実施例は、ダウンリンク送信に対して拡散率の大きさを決定する低出力ノード34a、ダウンリンク送信に対して使用するOFDMシンブルの数、使用する制御チャネルエレメント(CCE)の数、変調及びコーディングスキーム(MCS)、及び/又はダウンリンク送信に対するコーディング速度を含むことがある。
【0067】
特定の実施形態では、低出力ノード34aは、ステップ614に示したように、連携情報を基地局32aに送信して、基地局32aが潜在的なアグレッサセル内での送信を低出力ノード34aに対して決定された送信構成に連携できるようにしてもよい。幾つかの実施形態では、連携情報は、低出力ノード34aが基地局32aによって使用されるABS構成の種類に基づいて、セル50bの中で使用するように選択した送信出力レベル及び/又は送信フォーマットを示すことがある。代替的に又は追加的に、連携情報は、基地局32aによって使用されるABS構成、又は基地局32aによって使用される送信構成の他の何らかの態様に変更を要求することがある。例えば、低出力ノード34aがそのダウンリンク送信の受信の信頼性を確保するためにその出力レベルを十分に上げられない場合には、連携情報は、基地局32aにそのABS構成(例えば、MBSFN ABS構成から非MBSFN ABS構成へ)の修正を要求することがある。
【0068】
低出力ノード34aが基地局32aのABS構成に基づいて送信構成を決定した後、低出力ノード34aはビクティムセル(ここでは、セル50b)内のダウンリンク送信に対して決定された送信構成の使用を開始することができる。ダウンリンク送信を実施するための特定のプロセスは当該の送信の種類に依存する。このプロセスの実施例を
図6A、6Bのステップ616〜620に示す。
【0069】
例示的な実施例では、ダウンリンク送信は、無線通信機器20aによって送信されるアップリンクデータ送信に関連するフィードバック情報を伝達するダウンリンクフィードバック送信を表す。したがって、
図6A、6Bにおいて、ステップ616で、低出力ノード34aは無線通信機器20aによるアップリンクデータ送信をスケジュールし、ステップ618で、スケジュールされたアップリンクデータ送信を受信(又は受信に失敗)する。例示的な実施例では、同期フィードバックスキームが使用され、起こるようにスケジュールされているアップリンクデータ送信から決められた数のサブフレーム期間(例えば、4サブフレーム)が経過した後にダウンリンクフィードバック送信が行われる。したがって、ステップ620で、低出力ノード34aは決定された送信構成に従って応答ダウンリンクフィードバック送信を送信し、送信出力レベル及び/又は送信フォーマットでダウンリンク送信を送信することは、基地局32aのABS構成に基づいて決定される。無線通信機器20aは次に、選択されたフィードバックスキームに従い必要に応じてフィードバック情報に応答してもよい。
【0070】
特定の実施形態では、低出力ノード34aによって無線通信機器20aに行われるダウンリンクフィードバック送信は、無線通信機器20aによって使用される制限付き測定パターンでの測定に指定されたサブフレームの間に起こる。制限付き測定パターンで指定されたサブフレームは、アグレッサセル内のABS構成によってABSサブフレームとして指定されたサブフレームと重なることがあるため、ビクティムセル内のダウンリンク送信の一部は、アグレッサセル内のABSサブフレームの間に起こることがある。しかしながら、特定の実施形態では、低出力ノード34aは、ABS構成によってABSサブフレームとして構成されていないサブフレームの間にダウンリンク送信の一部を行うことが必要となることがある。アグレッサセル内のABSサブフレームでないサブフレームの間であっても、信頼性の高い受信を保証する送信出力レベル及び/又は送信フォーマットが選択されたため、このような状況下にあってもダウンリンク送信は成功することがある。当該ダウンリンク送信を構成する低出力ノード34aの動作は、
図6Bに示すように終了する。
【0071】
図6A、6Bは、単純化するため、低出力ノード34aが単一の無線通信機器20に対してフィードバックの種類を選択する実施例を図解しているが、低出力ノード34aは、特定の実施形態では、任意の時点に複数の異なる無線通信機器20にサービス提供を行うことがある。このような実施形態では、低出力ノード34aは、低出力ノード34aによってサービス提供されるすべての無線通信機器20に対して使用する送信構成を(例えば、個々の無線通信機器20に対して一意的でない干渉条件に基づいて、例えば、低出力ノード34aが「低出力」ノードであるという事実に基づいて)選択すること、或いは低出力ノード34aによってサービス提供される他の無線通信機器20に対して選択プロセスを反復することがある。
【0072】
例えば、低出力ノード34aは、干渉条件に関して(例えば、各無線通信機器20の各々がセル50bのCREゾーン内で動作しているかどうかに関して)複数の無線通信機器20の各々に対して情報を取得してもよい。このような実施形態では、低出力ノード34aは、干渉条件が満たされる第1の無線通信機器群20に対してダウンリンク送信を行うときに使用する第1の送信構成を選択してもよく、また干渉条件が満たされない第2の無線通信機器群に対して第2の送信構成を選択してもよい。低出力ノード34aは次に、第1の送信構成に従って第1の無線通信機器群20にダウンリンクフィードバック送信を送信し、第2の送信構成に従って第2の無線通信機器群20にフィードバック情報を送信してもよい。その結果、このような実施形態では、低出力ノード34aは必要に応じて異なる無線通信機器20に対して使用される送信構成を有利に変えることができる。
【0073】
図7は、無線アクセスノードがサービス提供している(潜在的なビクティムセル内で動作している場合)セル内及び/又は別の無線アクセスノードによってサービス提供される(潜在的なアグレッサセル内で動作している場合)隣接セル内で、ダウンリンク送信を保護するように構成されうる無線アクセスノード700の特定の実施形態の内容をより詳細に図解するブロック図である。
図7に示したように、ネットワークノード700の実施例の実施形態は、ノードプロセッサ702、ノードメモリ704、通信インターフェース706、アンテナ708、送信機710、及び受信機712を含む。
【0074】
ノードプロセッサ702は、専用マイクロプロセッサ、汎用コンピュータ、又は電子情報を処理することができる他の形態の電子回路など、任意の形態の処理コンポーネントを表す又は含むことがある。ノードプロセッサ702の実施例は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、及び他の任意の好適な専用又は汎用プロセッサを含む。
図7は単一のノードプロセッサ702を含むネットワークノード700の実施形態を簡略化するように描いているが、ネットワークノード700は、任意の適切な方法で同時使用するように構成された任意の数のノードプロセッサ702を含んでもよい。
【0075】
ノードメモリ704は、無線アクセスノード700によって取得された構成情報を保存する。ノードメモリ704はまた、ノードプロセッサ702に対するプロセッサ命令、コーディングアルゴリズム、送信パラメータ、及び/又は動作の間に無線アクセスノード700によって利用される他の任意のデータを保存してもよい。 ノードメモリ704は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、磁気記憶、光記憶、又は他の任意の好適な種類のデータ記憶コンポーネントなど、データの保存に適した揮発性又は不揮発性のローカル機器又はリモート機器の、任意の集積及び配置を含んでもよい。
図7に単一要素として示したが、ノードメモリ704は、無線アクセスノード700の内部又は離れた場所に存在する一又は複数の物理コンポーネントを含んでもよい。
【0076】
通信インターフェース706は、無線アクセスノード700と他の無線アクセスノード及び/又はアクセスネットワーク30並びにコアネットワーク40の他の要素との通信を可能にするのに適した電子回路及び他のコンポーネントを含む。例えば、無線アクセスノード700がアクセスネットワーク30の他のネットワークノードと連携情報を交換する実施形態では、通信インターフェース706は、無線アクセスノード700とアクセスネットワーク30の他のノードとの間のX2インターフェースを介して通信を行うことができる回路を表すことがある。
【0077】
アンテナ708は、無線信号を送受信することができる任意の好適な導体を表す。送信機710はアンテナ708を介して高周波(RF)信号を送信し、受信機712は無線通信機器20によって送信されるRF信号をアンテナ708から受信する。
図7の実施例の実施形態は、ある数と構成のアンテナ、受信機、及び送信機を含むが、無線アクセスノード700の代替的な実施形態は、任意の好適な数のこれらのコンポーネントを含んでもよい。加えて、送信機710、受信機712、及び/又はアンテナ708は、部分的に又は全体的に同一の物理コンポーネントを表すことがある。例えば、無線アクセスノード700の特定の実施形態は、送信機710と受信機712の両方を表す送受信機を含む。
【0078】
本発明は幾つかの実施形態と共に説明されているが、当業者には多数の変更、変形、改変、変換、及び修正が想起されるであろう。したがって、本発明ではそのような変更、変形、改変、変換、及び修正は添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されている。