特許第6127098号(P6127098)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6127098
(24)【登録日】2017年4月14日
(45)【発行日】2017年5月10日
(54)【発明の名称】印刷機及び印刷方法
(51)【国際特許分類】
   B41F 17/10 20060101AFI20170424BHJP
   B41F 13/04 20060101ALI20170424BHJP
   B41F 33/06 20060101ALI20170424BHJP
   B41F 23/04 20060101ALI20170424BHJP
   B41M 1/00 20060101ALI20170424BHJP
   G09F 3/00 20060101ALN20170424BHJP
【FI】
   B41F17/10 H
   B41F13/04
   B41F33/06 S
   B41F23/04 B
   B41M1/00
   !G09F3/00 E
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-165381(P2015-165381)
(22)【出願日】2015年8月25日
(65)【公開番号】特開2017-42951(P2017-42951A)
(43)【公開日】2017年3月2日
【審査請求日】2015年8月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】390013491
【氏名又は名称】三起機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100061745
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄
(74)【代理人】
【識別番号】100120341
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】白本 剛志
【審査官】 藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−217968(JP,A)
【文献】 特開2009−067019(JP,A)
【文献】 特開2013−169698(JP,A)
【文献】 特開2005−224985(JP,A)
【文献】 特開2000−6271(JP,A)
【文献】 特開昭58−29649(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 17/10
B41F 13/04
B41F 33/00 −33/18
B41M 1/00 − 1/42
G09F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
剥離紙の表面の一部に樹脂を印刷あるいは塗布して乾燥あるいは硬化させることで該表面に擬似接着された透明あるいは半透明の擬似接着樹脂層を形成する擬似接着樹脂層成形装置と、
前記擬似接着樹脂層成形装置で形成された擬似接着樹脂層に印刷を施す裏印刷装置と、
裏面が接着面とされた印刷材と擬似接着樹脂層を有する前記剥離紙とを一対のニップローラ間で挟持押圧することにより、前記剥離紙の表面に前記印刷材の接着面を貼付すると共に前記印刷材の接着面に前記擬似接着樹脂層を転写させて印刷原反を形成する印刷原反成形装置と、
前記印刷原反成形装置で形成された印刷原反の印刷材の表面に印刷を施す表印刷装置とを備えた印刷機。
【請求項2】
前記擬似接着樹脂層成形装置は、前記剥離紙の表面が上方を向く状態で、該剥離紙の表面に擬似接着樹脂層を形成する装置であり、
前記裏印刷装置は、前記擬似接着樹脂層の上面に印刷を施す装置であり、
前記印刷原反成形装置は、印刷材の裏面を下方に向けて剥離紙の表面に該印刷材の裏面を貼着する装置であり、
前記表印刷装置は、前記印刷材の表面が上方を向く状態で該印刷材の表面に印刷を施す装置である請求項に記載の印刷機。
【請求項3】
剥離紙の表面の一部に樹脂を印刷あるいは塗布して乾燥あるいは硬化させることで該表面に擬似接着された透明あるいは半透明の擬似接着樹脂層を形成し、
前記擬似接着樹脂層に、裏印刷装置によって印刷を施し、
裏面が接着面とされた印刷材と擬似接着樹脂層を有する前記剥離紙とを一対のニップローラ間で挟持押圧することにより、前記剥離紙の表面に前記印刷材の接着面を貼付すると共に前記印刷材の接着面に前記擬似接着樹脂層を転写させ、
前記印刷材の表面に、表印刷装置によって印刷を施すようにした印刷方法。
【請求項4】
糊殺し印刷とは異なる文字や図柄等の通常印刷をする裏印刷装置によって剥離紙の表面に前記通常印刷を施し、
裏面が接着面とされた印刷材と表面に前記通常印刷が施された前記剥離紙とを一対のニップローラ間で挟持押圧することにより、前記剥離紙の表面に前記印刷材の接着面を貼付すると共に前記剥離紙の表面に施された前記通常印刷を前記印刷材の接着面に転写させ、
前記印刷材の表面に、表印刷装置によって印刷を施すようにした印刷方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷機及び印刷方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷機として特許文献1に開示された技術が知られている。
特許文献1に開示された印刷機は、巻出し装置と、糊殺し印刷装置と、印刷原反成形装置と、表印刷装置とを備えている。巻出し装置は、ロール状の素材印刷原反をセットして巻出す装置である。素材印刷原反は、裏面が接着面(糊面)とされた帯状の印刷材の該裏面に帯状の剥離紙を貼付したものである。糊殺し印刷装置は、素材印刷原反の印刷材を、一旦、剥離紙から剥離し、該印刷材の裏面の一部に特殊な印刷を施すことで幕を作り、印刷材の接着面の粘着の効力をなくしてしまう(糊殺しをする)装置である。印刷原反成形装置は、糊殺しされた印刷材を剥離紙に再貼付する装置であり、糊殺しを施された印刷材と剥離紙とを上下一対のローラ間に通して、該ローラによって挟圧して印刷原反を形成する装置である。表印刷装置は、印刷原反成形装置で形成された印刷原反の印刷材の表面に文字や図柄等の通常印刷を施す装置である。
【0003】
巻出し装置から巻出された素材印刷原反は、印刷材と剥離紙とに分離され、印刷材は裏面を下方に向けて移送され、印刷材の裏面(下面)に糊殺しを施した後、印刷材の裏面に剥離紙が貼着され、その後、印刷材の表面(上面)に印刷が施される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4408945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、素材印刷原反の印刷材の裏面である接着面に、文字や図柄等の通常印刷(糊殺しではない印刷)を施す場合がある。この場合、印刷材の裏面に通常印刷するため、印刷材の裏面を下方に向けた状態で該印刷材の裏面である接着面に下側から通常印刷を施す。一方、印刷原反の印刷材の表面に通常印刷を施す場合、該印刷材の表面である上面に上方から印刷を施す。したがって、印刷材の裏面に印刷する場合と、印刷材の表面に印刷をする場合とでは、印刷する向き(印刷ユニットの向き)が異なる。これによって、印刷材の裏面である接着面に通常印刷を施す場合は、印刷原反の印刷材の表面に印刷を施す表印刷ユニットとは異なる印刷ユニットである裏印刷ユニットが別途必要となる。すなわち、素材印刷原反の印刷材の裏面である接着面に、文字や図柄等の通常印刷を施す場合、印刷材の表面に印刷を施す表印刷ユニットの他に、素材印刷原反の印刷材の裏面に印刷を施すための専用の裏印刷ユニットが必要となる。
【0006】
そこで、本発明は、前記問題点に鑑み、専用の裏印刷ユニットを使用せずに印刷材の裏面である接着面に通常印刷をするのと同等の効果が得られる印刷機及び印刷方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記技術的課題を解決するために本発明が講じた技術的手段は、以下に示す点を特徴とする。
請求項1に係る発明の印刷機は、剥離紙の表面の一部に樹脂を印刷あるいは塗布して乾燥あるいは硬化させることで該表面に擬似接着された透明あるいは半透明の擬似接着樹脂層を形成する擬似接着樹脂層成形装置と、前記擬似接着樹脂層成形装置で形成された擬似接着樹脂層に印刷を施す裏印刷装置と、裏面が接着面とされた印刷材と擬似接着樹脂層を有する剥離紙とを一対のニップローラ間で挟持押圧することにより、剥離紙の表面に印刷材の接着面を貼付すると共に印刷材の接着面に擬似接着樹脂層を転写させて印刷原反を形成する印刷原反成形装置と、前記印刷原反成形装置で形成された印刷原反の印刷材の表面に印刷を施す表印刷装置とを備えている。
【0008】
請求項2に係る発明の印刷機は、前記擬似接着樹脂層成形装置は、前記剥離紙の表面が上方を向く状態で、該剥離紙の表面に擬似接着樹脂層を形成する装置であり、前記裏印刷装置は、前記擬似接着樹脂層の上面に印刷を施す装置であり、前記印刷原反成形装置は、印刷材の裏面を下方に向けて剥離紙の表面に該印刷材の裏面を貼着する装置であり、前記表印刷装置は、前記印刷材の表面が上方を向く状態で該印刷材の表面に印刷を施す装置である。
【0009】
請求項に係る印刷方法は、剥離紙の表面の一部に樹脂を印刷あるいは塗布して乾燥あるいは硬化させることで該表面に擬似接着された透明あるいは半透明の擬似接着樹脂層を形成し、前記擬似接着樹脂層に、裏印刷装置によって印刷を施し、裏面が接着面とされた印刷材と擬似接着樹脂層を有する前記剥離紙とを一対のニップローラ間で挟持押圧することにより、前記剥離紙の表面に前記印刷材の接着面を貼付すると共に前記印刷材の接着面に前記擬似接着樹脂層を転写させ、前記印刷材の表面に、表印刷装置によって印刷を施すようにしている。
【0010】
請求項に係る印刷方法は、糊殺し印刷とは異なる文字や図柄等の通常印刷をする裏印刷装置によって剥離紙の表面に前記通常印刷を施し、裏面が接着面とされた印刷材と表面に前記通常印刷が施された前記剥離紙とを一対のニップローラ間で挟持押圧することにより、前記剥離紙の表面に前記印刷材の接着面を貼付すると共に前記剥離紙の表面に施された前記通常印刷を前記印刷材の接着面に転写させ、前記印刷材の表面に、表印刷装置によって印刷を施すようにしている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
剥離紙の表面に擬似接着された透明あるいは半透明の擬似接着樹脂層に印刷を施すようにしたので、印刷材の表側に設けられる印刷と、印刷材の裏側に設けられる印刷とが同じ向きから行える。これによって、印刷材の表側に印刷を設ける印刷ユニットと、印刷材の裏側に印刷を設ける印刷ユニットとが同様の印刷ユニットを用いることができ、専用の裏印刷ユニットを使用せずに印刷材の裏面である接着面に印刷をするのと同等の効果を得ることができる。
【0012】
また、剥離紙の表面に印刷を施し、剥離紙と印刷材とが上下ニップローラ間で挟持押圧される際に、剥離紙の表面に施された印刷が印刷材の接着面に転写されるようにしたので、印刷材の表側に設けられる印刷と、印刷材の裏側に設けられる印刷とが同じ向きから行える。これによって、印刷材の表側に印刷を設ける印刷ユニットと、印刷材の裏側に印刷を設ける印刷ユニットとが同様の印刷ユニットを用いることができ、専用の裏印刷ユニットを使用せずに印刷材の裏面である接着面に印刷をするのと同等の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1の実施形態に係る印刷機の側面図である。
図2】擬似接着樹脂層成形装置、裏印刷装置及び印刷原反成形装置の側面図である。
図3】擬似接着樹脂層成形装置、裏印刷装置及び印刷原反成形装置の側面概略構成図である。
図4】表印刷装置の側面図である。
図5】印刷物の断面図である。
図6】第2の実施形態に係る印刷機の擬似接着樹脂層成形装置、裏印刷装置及び印刷原反成形装置を示す側面図である。
図7】第3の実施形態に係る印刷機の擬似接着樹脂層成形装置、裏印刷装置、印刷原反成形装置及び印刷材巻出装置を示す側面図である。
図8】第4の実施形態に係る裏印刷装置及び印刷原反成形装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1図4は、本発明に係る印刷機1の第1の実施形態を示している。本実施形態に係る印刷機1は間欠印刷機を示している。
この間欠印刷機1は、印刷原反2を、正送りと逆送りとを交互に繰り返し行いながら徐々に正送り方向Aへ移送して印刷原反2(印刷材3)の表面に印刷をするものである。
【0015】
本実施形態で用いられる印刷原反2を図3を参照して説明すると、印刷材3と、剥離紙4と、擬似接着樹脂層5とを有する。印刷材3は、印刷基材3Aの裏面に接着剤3Bを塗布してなり該裏面が接着面3C(糊面)とされている。剥離紙4は、表面が印刷材3の接着面3Cに貼付されている。擬似接着樹脂層5は、剥離紙4と、印刷材3の接着面3Cと剥離紙4の表面との間に介在していて剥離紙4を印刷材3から剥がした際に剥離紙4から離反して印刷材3の接着面3Cの一部に非接着面を形成するものである。
【0016】
図1において、間欠印刷機1は、素材印刷原反巻出装置6と、擬似接着樹脂層成形装置7と、裏印刷装置8と、印刷原反成形装置9と、表印刷装置10と、印刷原反巻取装置11とを有している。これら素材印刷原反巻出装置6、擬似接着樹脂層成形装置7、裏印刷装置8、印刷原反成形装置9、表印刷装置10、印刷原反巻取装置11は、正送り方向Aの上流側から下流側にかけて順に並べて配置されている。
【0017】
素材印刷原反巻出装置6は、素材印刷原反ロール12と、巻出しローラ13と、ダンサーローラ14と、上流側駆動装置15とを有する。
素材印刷原反ロール12は、印刷材3に剥離紙4が貼付され且つ前記擬似接着樹脂層5のない帯状の素材印刷原反2Aをロール状態に巻き回してなるものである。巻出しローラ13は、素材印刷原反ロール12から素材印刷原反2Aを巻出すべく回転駆動する。ダンサーローラ14は、上下動自在とされていて素材印刷原反2Aの弛みや引っ張りを吸収する。上流側駆動装置15は、素材印刷原反2Aを正送り方向Aと逆送り方向Bとに駆動可能である。これら素材印刷原反ロール12、巻出しローラ13、ダンサーローラ14、上流側駆動装置15は、第1機台70に設置されている。なお、この素材印刷原反巻出装置6には、素材印刷原反2Aの蛇行を補正する蛇行補正機が設けられる。
【0018】
素材印刷原反2Aは、素材印刷原反ロール12から印刷材3を上にした状態で、巻出しローラ13によって常時一定速度で巻出される。
前記上流側駆動装置15は、上下2本のローラ16U,16Dを有し、且つこの2本のローラ16U,16Dが互いに外周面を当接させた平行組み合わせ構造とされたものである。本実施形態では、下側のローラ16Dが回転駆動される駆動ローラとされ、上側のローラ16Uが素材印刷原反2Aを上から押さえる押えローラとされている。
【0019】
この上流側駆動装置15は、上下ローラ16U,16D間で素材印刷原反2Aを挟持しながら下側のローラ16Dを正回転駆動することで素材印刷原反2Aを正送り方向Aに移送し、該下側のローラ16Dを逆回転駆動することで素材印刷原反2A及び印刷原反2を逆送り方向Bに移送する。
前記擬似接着樹脂層成形装置7は、上流側駆動装置15から送り出される素材印刷原反2Aを印刷材3と剥離紙4とに分離し、この分離された剥離紙4の表面(上面)に擬似接着樹脂層5を施すものである。
【0020】
この擬似接着樹脂層成形装置7は、図2に示すように、剥離ローラ20と、樹脂印刷機23と、乾燥機24とを有する。
剥離ローラ20は、上流側駆動装置15の正送り方向A下流側に位置し、第2機台33及び第5機台34に立設された側面視門型状の支持フレーム19に、回転自在に設けられている。この剥離ローラ20は、上流側駆動装置15から正送り方向Aに水平直線状に移送されてくる素材印刷原反2Aに対して上方から接当する。上流側駆動装置15から移送されてくる素材印刷原反2Aは、この剥離ローラ20が設けられた位置において、印刷材3と剥離紙4とに分離され(印刷材3が剥離ローラ20によって剥離紙4から剥がされ)、この剥離紙4から分離した印刷材3は剥離ローラ20から上方に移送され、印刷材3から分離した剥離紙4は水平状態を維持したまま正送り方向Aに移送される。
【0021】
樹脂印刷機23及び乾燥機24は、第3機台25上に設けられている。樹脂印刷機23は、剥離ローラ20の正送り方向A下流側に位置し、乾燥機24は、樹脂印刷機23の正送り方向A下流側に位置する。
図2図3に示すように、樹脂印刷機23は、UV硬化型樹脂からなる透明あるいは半透明の擬似接着樹脂層5を剥離紙4の表面(上面)に印刷するものである。この樹脂印刷機23は、水平状態に維持された剥離紙4の表面に接して該表面に擬似接着樹脂層5(UV硬化型樹脂)を印刷する版胴26と、この版胴26と上下方向で対応する配置で剥離紙4の下面に接して該剥離紙4を支持する圧胴27とを有する。
【0022】
乾燥機24は、樹脂印刷機23によって剥離紙4の表面に印刷されたUV硬化型樹脂に対して紫外線を照射し、該樹脂を迅速に乾燥させると共に硬化させるものである。
印刷材3から分離された剥離紙4は、樹脂印刷機23を通過する際に、その表面に擬似接着樹脂層5(UV硬化型樹脂)が印刷され、乾燥機24を通過する際に、該擬似接着樹脂層5(UV硬化型樹脂)が乾燥・硬化し、これによって剥離紙4の表面に擬似接着樹脂層5が擬似接着される(剥離紙4の表面に擬似接着された擬似接着樹脂層5が施される)。
【0023】
一方、剥離紙4から分離された印刷材3は、分離された後、前記支持フレーム19に設けられた3つの迂回ローラ21A,21B,21Cによって支持される。迂回ローラ21A,21B,21Cは、剥離ローラ20の上方に位置する上流側迂回ローラ21Aと、この上流側迂回ローラ21Aの正送り方向A側に間隔をおいて位置する中間迂回ローラ21Bと、この中間迂回ローラ21Bの正送り方向A側に間隔をおいて位置する下流側迂回ローラ21Cとからなる。下流側迂回ローラ21Cは、裏印刷装置8の正送り方向A下流側に位置する。印刷材3は、樹脂印刷機23よりも上方側で上流側迂回ローラ21Aによって正送り方向Aに移送変更され、裏印刷装置8の正送り方向A下流側で下流側迂回ローラ21Cによって下方に移送変更される。
【0024】
なお、前記上流側迂回ローラ21A及び下流側迂回ローラ21Cは印刷材3の接着面3Cに接することから、該接着面3Cに貼り付かないように非粘着処理ローラによって構成されている。
下流側迂回ローラ21Cの下方には、送りローラ22が設けられ、送りローラ22は、支持フレーム19に支持されている。送りローラ22は、水平状態で移送される剥離紙4の上方に位置していて、印刷材3を剥離紙4に対して上下方向に間隔をおいて正送り方向Aに送り出す。
【0025】
裏印刷装置8は、擬似接着樹脂層成形装置7の正送り方向A下流側に配置されている。この裏印刷装置8は、剥離紙4に施された擬似接着樹脂層5の上面に、印刷を施す装置である。
図2図3に示すように、裏印刷装置8は、裏印刷ユニット71と、乾燥機72とを有する。これら裏印刷ユニット71及び乾燥機72は第4機台75に設置されている。裏印刷ユニット71の正送り方向A下流側に乾燥機72が配置されている。一台の裏印刷ユニット71について一台の乾燥機72が設けられ、本実施形態では、裏印刷ユニット71及び乾燥機72は、二台づつ設けられている。裏印刷ユニット71は、使用する色数に合わせて設置台数が決められる。したがって、図例では、裏印刷ユニット71と乾燥機72は、二台づつ設けた場合を例示しているが、これに限定されることはなく、裏印刷ユニット71及び乾燥機72は、一台づつ設けられてもよいし、三台以上設けられていてもよい。
【0026】
裏印刷ユニット71は、擬似接着樹脂層5の上面に、上方から文字や図柄等の通常印刷を施す印刷ユニットである。各裏印刷ユニット71は、擬似接着樹脂層5の上面に接する版胴73を備えると共に、この版胴73に対応する配置で剥離紙4の下面側に接する圧胴74を備えている。
各裏印刷ユニット71の版胴が1回転するなかで、印刷を終えた版胴が次の印刷開始点まで回転するまでの間に、印刷原反2を逆送りさせる間欠印刷を実施する。
【0027】
前記印刷原反成形装置9は、擬似接着樹脂層5が施された剥離紙4を印刷材3に貼付して、印刷原反2を形成する装置である。
この印刷原反成形装置9は、図3に示すように、入口ローラ28と、この入口ローラ28の正送り方向A下流側に位置する上下一対のニップローラ29U,29Dとを有する。
入口ローラ28は、前記送りローラ22の正送り方向A下流側に位置していて、該送りローラ22と入口ローラ28との間で、印刷材3を水平状態に維持する。したがって、剥離紙4と印刷材3とは、送りローラ22と入口ローラ28との間で上下平行状として正逆送り方向A,Bに移送される。
【0028】
一対のニップローラ29U,29Dは、互いに外周面を当接させた平行組み合わせ構造とされたものであって、これらニップローラ29U,29D間で印刷材3と擬似接着樹脂層5が施された剥離紙4とを挟持するようになっている。下側のニップローラ29Dは高さが微調整可能とされ、上側のニップローラ29Uは所定範囲で上下動自在で且つバネ等によって下側のニップローラ29Dへ向けて押圧付勢する構造にしてある。そのため、上側のニップローラ29Uは常に下側のニップローラ29Dの高さ変更に追従するようになり、一対のニップローラ29U,29Dの外接状態(ニップローラ29U,29Dが印刷原反2を挟持する状態)が所定圧に保持されるようになっている。
【0029】
この印刷原反成形装置9では、擬似接着樹脂層5が施された剥離紙4は水平状態を維持したまま上下ニップローラ29U,29D間を通過する。一方、印刷材3は入口ローラ28から上側のニップローラ29Uへと巻き付いて上下ニップローラ29U,29D間の剥離紙4の上側を通過する。剥離紙4と印刷材3とが上下ニップローラ29U,29D間を通過する際に、剥離紙4の表面(上面)に印刷材3の接着面3C(下面)が重ね合わされ、これらが上下ニップローラ29U,29D間で挟持押圧されることにより、印刷材3の接着面3Cに剥離紙4の表面及び擬似接着樹脂層5が貼り付けられて印刷原反2が形成される。このときに、擬似接着樹脂層5は印刷材3の接着面3Cに転写される。
【0030】
この印刷原反2にあっては、擬似接着樹脂層5は、印刷材3の接着面3Cとは貼り付いており且つ剥離紙4の表面とは擬似接着されているので、印刷材3と剥離紙4との間に空気層が混入するおそれがない。
また、印刷材3の接着面3Cと擬似接着樹脂層5との間の剥離力(接着力)より、剥離紙4の表面と擬似接着樹脂層5との間の剥離力(接着力)の方が軽いので、印刷材3の表面に印刷した後に、剥離紙4を印刷材3から強制的に剥がすと、擬似接着樹脂層5から剥離紙4が離反して該擬似接着樹脂層5が印刷材3の接着面3Cに残り、印刷材3の接着面3Cの一部に非接着面が形成される。また、前述したように、擬似接着樹脂層5の印刷材3側の面(上面)に文字や図柄等の通常印刷が施され且つ擬似接着樹脂層5は透明あるいは半透明であるので、擬似接着樹脂層5に施された印刷が印刷材3の裏側から視認可能であり、印刷材3の裏面である接着面3Cに印刷をするのと同等の効果が得られる。
【0031】
当該間欠印刷機1にあっては、印刷原反2を逆送りした時に、ニップローラ29U,29Dが設けられた部位において、剥離紙4から擬似接着樹脂層5が剥がれるのを防止する剥がれ防止手段41が設けられている。
この剥がれ防止手段41は、図3に示すように、一対のニップローラ29U,29Dを回転自在に支持するローラ支持部材42と、このローラ支持部材42を印刷原反2の正逆送り方向A,Bに移動自在に支持するガイド部材43と、前記ローラ支持部材42の印刷原反2正送り方向Aの移動を規制するストッパ44とを備えている。
【0032】
一対のニップローラ29U,29Dを支持する支軸45にはワンウェイクラッチ46が設けられ、印刷原反2が正送りされる方向の一方向にのみ回転自在とされている(上側のニップローラ29Uは矢視C方向にのみ回転自在で、下側のニップローラ29Dは矢視D方向にのみ回転自在である)。したがって、ニップローラ29U,29Dは矢視C,D方向とは逆の方向(印刷原反2が逆送りされる方向)には回転不能とされている。
【0033】
ガイド部材43は、前記支持フレーム19とこの支持フレーム19から正送り方向Aに間隔をおいて配置されたサポート部材47との間に架け渡されている。このサポート部材47に前記ストッパ44が設けられている。
ローラ支持部材42は、ストッパ44に接当した状態から、少なくとも印刷原反2の最大逆送り量、逆送り方向Bに移動可能とされている。
【0034】
前記構成の剥がれ防止手段41にあっては、印刷原反2を正送りする場合には、図3に示すように、ローラ支持部材42はストッパ44に接当していて、その正送り方向Aへの移動が規制されている。また、ニップローラ29U,29Dは、印刷原反2が正送り方向Aに移動することにより、印刷原反2とニップローラ29U,29Dとの間の摩擦力によって矢視C,D方向に回転する。したがって、印刷原反2の移動の抵抗とならず、印刷原反2の正送り方向Aの移動を許容する。
【0035】
印刷原反2を逆送りする場合には、ニップローラ29U,29Dは矢視C,D方向とは逆の方向には回転不能であることから、一対のニップローラ29U,29Dが印刷原反2によって引っ張られることにより、ローラ支持部材42が印刷原反2と一緒に逆送り方向Bに移動する。
したがって、印刷原反2を逆送りする際には、印刷原反2の逆送り方向Bの移動に同期して一対のニップローラ29U,29Dが印刷原反2の逆送り方向Bに移動するので、すなわち、擬似接着樹脂層5が剥離紙4及び印刷材3と一緒に逆送り方向Bに移動するので、剥離紙4から擬似接着樹脂層5が剥がれるのが防止されるのである。
【0036】
また、印刷原反2とニップローラ29U,29Dとの間の摩擦力よりもローラ支持部材42とガイド部材43との間の摩擦力が小さいので、印刷原反2を正送りすると、一対のニップローラ29U,29Dが印刷原反2によって引っ張られることにより、ローラ支持部材42がストッパ44に接当するまで正送り方向Aに移動する。
前記印刷原反成形装置9で形成された印刷原反2は、印刷原反成形装置9から水平状態を維持したまま、印刷原反成形装置9の正送り方向A下流側に配置された表印刷装置10へと移送される。
【0037】
この表印刷装置10は、印刷原反2の上面(印刷材3の表面)に印刷を施す装置である。
図4に示すように、この表印刷装置10は、表印刷ユニット30と、乾燥機76とを有する。これら表印刷ユニット30及び乾燥機76は第6機台48及び第7機台49に設置されている。表印刷ユニット30の正送り方向A下流側に乾燥機76が配置されている。一台の表印刷ユニット30について一台の乾燥機76が設けられ、本実施形態では、表印刷ユニット30及び乾燥機76は、二台づつ設けられている。表印刷ユニット30は、使用する色数に合わせて設置台数が決められる。したがって、図例では、表印刷ユニット30と乾燥機76は、二台づつ設けた場合を例示しているが、これに限定されることはなく、表印刷ユニット30及び乾燥機76は、一台づつ設けられてもよいし、三台以上設けられていてもよい。
【0038】
表印刷ユニット30は、印刷材3の表面(上面)に、上方から文字や図柄等の通常印刷を施す印刷ユニットである。
ニップローラ29U,29Dから送り出された印刷原反2は、後述する下流側駆動装置32に至るまでの印刷原反2を水平状態で一直線に移送する状態に配置されている。
表印刷ユニット30は、印刷原反2の印刷材3側に接する版胴77を備えると共に、この版胴77に対応する配置で剥離紙4側に接する圧胴78を備えている。各表印刷ユニット30の版胴77が1回転するなかで、印刷を終えた版胴77が次の印刷開始点まで回転するまでの間に、印刷原反2を逆送りさせる間欠印刷を実施する。
【0039】
この表印刷ユニット30と前記裏印刷ユニット71は、共に上方から通常印刷する印刷ユニットであり、前記裏印刷ユニット71は、この表印刷ユニット30と同様の印刷ユニットが使用されている。
図5に示すように、前記擬似接着樹脂層成形装置7、裏印刷装置8、印刷原反成形装置9、表印刷装置10によって形成された印刷物83は、剥離紙4と、この剥離紙4の表面の一部に樹脂を印刷あるいは塗布して乾燥あるいは硬化させることで該表面に擬似接着された透明あるいは半透明の擬似接着樹脂層5と、裏面が接着面3Cとされていて該裏面3Cを前記剥離紙10の表面に貼着することにより該裏面3Cに擬似接着樹脂層5が転写された印刷材3と、この印刷材3の表面に印刷された表印刷部81と、前記擬似接着樹脂層5の印刷材3側に印刷された裏印刷部82とを有する。
【0040】
図1に示すように、前記印刷原反巻取部11は、表面に印刷が施された印刷原反2をロール状態に巻き取るものである。
この印刷原反巻取装置11は、表印刷装置10の正送り方向Aの下流側で印刷原反2に駆動をかける下流側駆動装置32と、上下動自在とされていて印刷原反2の弛みや引っ張りを吸収するダンサーローラ35と、印刷原反2を巻き取るべく回転駆動する巻取軸36と、この巻取軸36の上流側に位置していて印刷原反2を巻取軸36に送るべく回転駆動する巻取送りローラ40とを有する。これら下流側駆動装置32、ダンサーローラ35、巻取軸36、巻取送りローラ40は、巻取機台37に設置されている。
【0041】
前記下流側駆動装置32は、上流側駆動装置15と同様に、上下2本のローラ38U,38Dが互いに外周面を当接させた平行組み合わせ構造とされ、下側のローラ38Dが回転駆動される駆動ローラとされ、上側のローラ38Uが印刷原反2を上から押さえる押えローラとされている。
この下流側駆動装置32にあっては、上下ローラ38U,38D間で印刷原反2を挟持しながら下側のローラ38Dを正回転駆動することで印刷原反2を正送り方向Aに移送し、下側のローラ38Dを逆回転駆動することで印刷原反2を逆送り方向Bに移送する。
【0042】
この下流側駆動装置32によって下流側に送られる印刷原反2は、巻取送りローラ40によって常時一定速度で巻取軸36に送られ、該巻取軸36で巻き取られる。
前記間欠印刷機1にあっては、印刷原反2を、上流側駆動装置15と下流側駆動装置32とによって、正送りと逆送りとを一回ずつ交互に繰り返しながら徐々に正送り方向Aに移送する。換言すると、一回正送りした後、一回逆送りすることを1サイクルとし、このサイクルを繰り返し行うことで印刷原反2を全体としては正送り方向Aに移送する。そして、上流側駆動装置15と下流側駆動装置32との間で印刷原反2が前記1サイクルで正送り方向Aに進む進み量(印刷原反2が1サイクルでトータル的に進む量)と、素材印刷原反ロール12から素材印刷原反2Aを巻出しローラ13によって1サイクルの間に(1サイクルかけて)巻き出す進み量と、印刷原反2を巻取送りローラ40によって1サイクルの間に(1サイクルかけて)巻取軸36に送りだす進み量と、印刷原反2が1サイクルの間に(1サイクルかけて)巻取軸36に巻き取られる量とが同じになるように、巻出しローラ13,上流側駆動装置15の下側ローラ16D,下流側駆動装置32の下側ローラ38D,巻取送りローラ40及び巻取軸36の回転速度及び周速が制御装置17によってコントロールされる。また、スリップ等によって、上流側駆動装置15と下流側駆動装置32との間における印刷原反2のトータル的な進み量、素材印刷原反2Aの巻出し量、印刷原反2が巻取送りローラ40によって送られる量、印刷原反2が巻取軸36に巻き取られる量に誤差が生じた場合は、検出手段によって検出されて制御装置17によって補正される。
【0043】
また、印刷原反2を正逆送りする際において、上流側駆動装置15よりも上流側に生じる素材印刷原反2Aの弛みやテンションはダンサーローラ14が上下動することにより吸収され、下流側駆動装置32よりも下流側に生じる印刷原反2の弛みやテンションはダンサーローラ35が上下動することにより吸収される。
なお、前記素材印刷原反巻出装置6と印刷原反巻取装置11とは、素材印刷原反巻出装置6での巻出速度と印刷原反巻取装置11での巻取速度との速度差(正送り時では上流側駆動装置15より下流側駆動装置32を僅かに速く正回転させ、逆送り時では下流側駆動装置32より上流側駆動装置15を僅かに速く逆回転させること)で印刷原反2にテンションを付与しつつ、間欠送り(一定間隔で逆送りを挟む搬送)をする。この間欠送りとは、印刷材3に印刷する正送りと、印刷材3の各印刷済み部間の余白部分を可及的に少なくさせる逆送りとを交互に行うことをいう。
【0044】
また、本実施形態の間欠印刷機1では、印刷原反2に型抜き(ラベルごとに必要形状に切れ目を入れる)を施す型抜装置50や、この型抜装置50で型抜きする前に、印刷原反2(印刷材3)の表面側にラミネートフィルムなどを貼り合わせるラミネート装置39が設けられている。
また、印刷原反巻取装置11には、その他、印刷原反2をモニタリングするモニタリング装置や、型抜き後の滓取り(ラベル以外の枠状部分を剥ぎ取る)を行う滓取装置などを設置してもよい。
【0045】
図6は、第2の実施形態に係る間欠印刷機1の一部(擬似接着樹脂層成形装置7、裏印刷装置8、印刷原反成形装置9)を示している。
この第2の実施形態では、擬似接着樹脂層成形装置7の樹脂印刷機23が、剥離紙4の表面にホットメルト樹脂からなる擬似接着樹脂層5を塗布するものであることが前記第1の実施形態の間欠印刷機1と異なる点であり、その他の構成は、前記第1の実施形態と同様に構成される。
【0046】
この第2の実施形態では、剥離紙4の表面に塗布された擬似接着樹脂層5(ホットメルト樹脂層)が硬化すると、剥離紙4の表面に擬似接着樹脂層5が擬似接着される(剥離紙4の表面に擬似接着された擬似接着樹脂層5が施される)。
なお、この第2の実施形態では、ホットメルト樹脂は常温で硬化するので乾燥機は設けられていない。擬似接着樹脂層にその他の樹脂を使用する場合であって必要な場合は乾燥機を設けてもよい。
【0047】
図7は、第3の実施形態に係る間欠印刷機1の一部(擬似接着樹脂層成形装置7、裏印刷装置8、印刷原反成形装置9、印刷材巻出装置54)を示している。
この第3の実施形態では、表印刷ユニット30及び乾燥機76は、3台づつ設けられている。また、第1の実施形態では素材印刷原反2Aを印刷材3と剥離紙4とに分離し、剥離紙4の表面に擬似接着樹脂層5を施した後に、再び、印刷材3に剥離紙4を貼付して印刷原反2としたが、この第3の実施形態では、印刷材3と剥離紙4とは、それぞれ別々の巻出装置から巻き出されて一対のニップローラ29U,29Dによって印刷原反2とした点が第1の実施形態と異なる点であり、その他の構成は、前記第1の実施形態又は他の実施形態と同様に構成される。
【0048】
なお、図例では、剥離紙4を巻き出す剥離紙巻出装置は前記第1の実施形態の素材印刷原反巻出装置6と同様の構成で形成されるので、図示を省略する。
図7において、印刷材3を巻き出す印刷材巻出装置54は、接着面3Cに離型紙55が貼付された印刷材3をロール状態に巻き回してなる印刷材ロール56と、この印刷材ロール56から印刷材3を巻き出すべく回転駆動する巻出駆動ローラ57と、印刷材ロール56から巻き出された印刷材3から離型紙55を分離させる分離ローラ58と、印刷材3から分離された離型紙55を巻き取る離型紙巻取ローラ59と、分離ローラ58から離型紙巻取ローラ59に送られる離型紙55を案内する離型紙ガイドローラ60と、上下動自在とされていて印刷材3の弛みや引っ張りを吸収するダンサーローラ61と、印刷材3をニップローラ29U,29Dへと送る送りローラ22と、これらを支持するサポートフレーム62とを有する。
【0049】
この第3の実施形態では、印刷材3は巻出駆動ローラ57によって印刷材ロール56から常時一定速度で巻出されると共に、分離ローラ58によって印刷材3から離型紙55が剥がされて該離型紙55が離型紙巻取ローラ59に巻き取られる。
離型紙55が剥がされた印刷材3は、ダンサーローラ61、送りローラ22、入口ローラ28を経てニップローラ29U,29Dへと送られる。
【0050】
そして、上流側駆動装置15と下流側駆動装置32との間で印刷原反2が1サイクルで正送り方向Aに進む量と、印刷材3が1サイクルの間に(1サイクルかけて)印刷材ロール56から巻出される量とが同じになるように、巻出駆動ローラ57の回転速度及び周速が制御装置17によってコントロールされる。なお、この場合も、印刷材ロール56から印刷材2が巻出される量に誤差が生じた場合は、検出手段で検出されて制御装置17によって補正される。
【0051】
また、印刷原反2を正逆送りする際において、送りローラ22よりも上流側に生じる印刷材3の弛みやテンションはダンサーローラ61が上下動することにより吸収される。
図8は、第4の実施形態に係る間欠印刷機1の一部を示している。この第4の実施形態に係る間接印刷機1には、擬似接着樹脂層成形装置7は設けられていない。この実施形態の場合、裏印刷装置8の裏印刷ユニット71によって剥離紙4の表面(上面)に文字や図柄等の通常印刷が施される。その他の構成は、前記第1実施形態と同様に構成される。
【0052】
この第4の実施形態にあっては、剥離紙4と印刷材3とが上下ニップローラ29U,29D間を通過する際に、これら剥離紙4と印刷材3とが上下ニップローラ29U,29D間で挟持押圧されることにより、印刷材3の接着面3Cに剥離紙4の表面が貼り付けられ、このときに、剥離紙4の表面に施された印刷が印刷材3の接着面3Cに転写される。
本実施形態の印刷機1にあっては、剥離紙4の表面に擬似接着された透明あるいは半透明の擬似接着樹脂層5に印刷を施すようにしたので、印刷材3の表側に設けられる印刷と、印刷材3の裏側に設けられる印刷とが同じ向きから行える。これによって、印刷材3の表側に印刷を設ける印刷ユニットと、印刷材3の裏側に印刷を設ける印刷ユニットとが同様の印刷ユニットを用いることができ、専用の裏印刷ユニットを使用せずに印刷材3の裏面である接着面3Cに印刷をするのと同等の効果を得ることができる。
【0053】
また、剥離紙4の表面に印刷を施し、剥離紙4と印刷材3とが上下ニップローラ29U,29D間で挟持押圧される際に、剥離紙4の表面に施された印刷が印刷材3の接着面3Cに転写されるようにしたので、印刷材3の表側に設けられる印刷と、印刷材3の裏側に設けられる印刷とが同じ向きから行える。これによっても、印刷材3の表側に印刷を設ける印刷ユニットと、印刷材3の裏側に印刷を設ける印刷ユニットとが同様の印刷ユニットを用いることができ、専用の裏印刷ユニットを使用せずに印刷材3の裏面である接着面3Cに印刷をするのと同等の効果を得ることができる。
【0054】
前記実施形態は、本発明を間欠印刷機に採用した場合を例示したが、これに限定されることはなく、本発明を輪転印刷機に採用してもよい。
【符号の説明】
【0055】
3 印刷材
3C 接着面
4 剥離紙
5 擬似接着樹脂層
7 擬似接着樹脂層成形装置
8 裏印刷装置
9 印刷原反成形装置
10 表印刷装置
29U ニップローラ
29D ニップローラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8