(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6127104
(24)【登録日】2017年4月14日
(45)【発行日】2017年5月10日
(54)【発明の名称】喫煙品用ラッパー
(51)【国際特許分類】
A24D 1/02 20060101AFI20170424BHJP
【FI】
A24D1/02
【請求項の数】14
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-195695(P2015-195695)
(22)【出願日】2015年10月1日
(62)【分割の表示】特願2014-510739(P2014-510739)の分割
【原出願日】2012年5月10日
(65)【公開番号】特開2016-26497(P2016-26497A)
(43)【公開日】2016年2月18日
【審査請求日】2015年10月2日
(31)【優先権主張番号】1108475.3
(32)【優先日】2011年5月20日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500252844
【氏名又は名称】ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100103285
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 順之
(72)【発明者】
【氏名】ホルフォード、スティーヴン
(72)【発明者】
【氏名】マッケンジー、アーロン
【審査官】
木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】
実開平03−037895(JP,U)
【文献】
国際公開第2009/147122(WO,A1)
【文献】
実開昭60−041196(JP,U)
【文献】
国際公開第2011/042354(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 1/02
A24C 5/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
強度の連続性が失われることにより形成された複数の線を含み、これら線の間に視認可能な刻面を呈する湾曲したシート状ラッパーを含み、そのラッパーは前記強度の連続性が失われることにより形成された線を供する構造コーティングを含み、さらに前記構造コーティングはニスを含む、喫煙品部材。
【請求項2】
前記構造コーティングが内側に向いたシート材の面に供されることを特徴とする請求項1に記載の喫煙品部材。
【請求項3】
前記構造コーティングが外側に向いたシート材の面に供されることを特徴とする請求項1または2に記載の喫煙品部材。
【請求項4】
前記構造コーティングが視認可能な刻面に対応するパターンでラッパーに供されることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載の喫煙品部材。
【請求項5】
前記構造コーティングが視認可能な刻面の周囲の境界を形成するパターンでラッパーに供されることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載の喫煙品部材。
【請求項6】
前記強度の連続性が失われることにより形成される線がシート状ラッパーに亘って刻面の列を形成することを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項に記載の喫煙品部材。
【請求項7】
ラッパーの対向縁部が、シート状ラッパーで巻かれる湾曲した面の周囲に設けられた際にシートの対向縁部が接合部を形成し、列が接合部を横断して延びるように刻面の縁部によって形成された形状を有することを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項に記載の喫煙品部材。
【請求項8】
シート状ラッパーで巻かれる湾曲した面を含み、この周囲にラッパーが設けられ、前記刻面がこの湾曲した面とは異なる曲率を有することを特徴とする請求項1乃至7いずれか1項に記載の喫煙品部材。
【請求項9】
シート状ラッパーで巻かれる湾曲した面を有するフィルターおよびタバコロッドのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項に記載の喫煙品部材。
【請求項10】
請求項9に記載の喫煙品部材を含む喫煙品。
【請求項11】
喫煙品にシート状ラッパーを巻くことを含む喫煙品の製造方法であって、このラッパーは、それに供された構造コーティングによって供される強度の連続性が失われることにより形成された複数の線を含み、ラッパーを曲げるとこれら複数の線の間に視認可能な刻面を呈し、前記構造コーティングはニスを含む方法。
【請求項12】
前記強度の連続性が失われることにより形成された線に対して所定の位置関係でラッパーに情報をプリントまたはエンボス加工することを含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
喫煙品部材の周囲に巻かれるように構成されたシート状ラッパーであって、このラッパーは、それに供された構造コーティングによって強度の連続性が失われることにより形成された複数の線を含み、ラッパーが部材に巻かれた際に曲げられ、これら線の間に視認可能な刻面を呈し、前記構造コーティングはニスを含むシート状ラッパー。
【請求項14】
前記部材は、ラッパーが巻かれる湾曲した面を有し、前記刻面がこの湾曲した面と異なる曲率を有することを特徴とする請求項13に記載のラッパー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、紙巻きタバコなどの喫煙品に使用可能な喫煙品ラッパーに関する。
【背景技術】
【0002】
フィルター付き紙巻きタバコなどの喫煙品は、一般にその外側の周囲に滑らかな紙のラッパーを有する。通常の構造の紙巻きタバコは、滑らかな紙ラッパーに包まれたタバコまたはそれに類似した喫煙材のロッドを含み、これはチッピング紙によってフィルターに取り付けられている。
【0003】
下記特許文献1に説明されているようにラッパーをエンボス加工することによってその多孔度を調整してロッド内に換気空気を入れる提案がなされている。
【0004】
紙巻きタバコの外面に識別可能な視覚効果を設けることが下記特許文献2に記載されており、ここでは外方ラッパーがエンボスローラーによってエンボス加工され、両面に異なる色の嶺を設けて、異なる角度から見ると色が変わるようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで説明する本発明の実施態様は、強度の連続性が失われることにより形成された複数の線を含む湾曲したシート状ラッパーを含む喫煙品部材を提供し、これによりラッパーは、これら線の間に視認可能な刻面を呈し、そのラッパーは上記強度の連続性が失われることにより形成された線を供する構造コーティングを含む。
【0006】
構造コーティングはニスを含んでもよい。
【0007】
構造コーティングは内側に向いたシート材の面に供されてもよく、及び/または、構造コーティングは外側に向いたシート材の面に供されてもよい。
【0008】
構造コーティングは視認可能な刻面に対応するパターンでラッパーに供されてもよい。
【0009】
構造コーティングは視認可能な刻面の周囲の境界を形成するパターンでラッパーに供されてもよい。
【0010】
また本発明の実施態様は、上記喫煙品部材および喫煙品に使用するためのラッパーを含む喫煙品を含む。
【0011】
強度の連続性が失われることにより形成される線は、弱化された線を含んでもよい。そのような弱化された線は、厚みのある紙などを含むシート材に部分的に切り込みを入れて形成してもよい。
【0012】
この部分的な切り込みは、内方に向いたシート材の面に設けて、刻面が外面で見えるようにし、湾曲面に巻かれた際に刻面が湾曲面と異なる曲率を有してもよい。
【0013】
この部分的な切り込みは、レーザーカッティングによって形成してもよく、弱化された線は、交わるまたは併合して閉じた形状を有する刻面を形成してもよい。
【0014】
刻面は、シート状ラッパー全体に配列されてもよい。刻面はすべて同じ形状であってもよい。刻面は平面または実質的に平面であってもよい。第1の形状の刻面からなる第1の列は、ラッパーの第1の部分の第1の列に配置することができ、第2の別の形状の刻面からなる第2の列は、ラッパーの第2の部分の第2の列に配置することができる。
【0015】
ラッパーの1つ以上の対向縁部は、湾曲面の周囲に設けられた際にシートの対向縁部が接合部を形成し、列が接合部を横断して延びるように刻面の縁部によって形成された形状を有してもよい。ラッパーは環状の構造体に配置されてもよい。ラッパーはその下に位置する支持層に配置されてもよい。
【0016】
本発明による喫煙品は、喫煙材ロッドと、これに取り付けられた第1フィルターと、第2フィルターとを含んでもよく、本発明のラッパーが第2フィルターの周囲に巻かれ、これに取り付けられて管を形成し、この管の中に第1フィルターとロッドがスライド式に収容される。
【0017】
強度の連続性が失われることにより形成される線の少なくともいくつかは、フィルターまたはタバコロッドの長手方向に延びてもよい。
【0018】
第1フィルターは、円周方向に延びたチッピング材によって喫煙材ロッドに取り付けられてもよく、さらにラッパーは、チッピング材と当接する内側にへこんだフラップを有してもよく、これによりロッドが管から外れるのを防ぐ。
【0019】
また喫煙品にシート状ラッパーを巻くことを含む喫煙品の製造方法が開示され、ラッパーは、ラッパーが強度の連続性が失われることにより形成された複数の線を含み、ラッパーを曲げるとこれら複数の線の間に視認可能な刻面を呈する。
【0020】
製造方法は、部分的に切り込むまたは折り目を付けることによって強度の連続性が失われることにより形成される線を形成することを含んでもよい。
【0021】
弱化された線は、紙巻きタバコ製造機からオンラインまたはオフラインで調製されてもよい。
【0022】
また喫煙品部材の周囲に巻かれるように構成されたシート状ラッパーが開示され、このラッパーは、それに供された構造コーティングによって強度の連続性が失われることにより形成された複数の線を含んでおり、ラッパーは部材に巻かれた際に曲げられ、これら線の間に視認可能な刻面を呈する。
【0023】
喫煙品部材は、ラッパーが巻かれる湾曲した面を有してもよく、刻面がこの湾曲した面と異なる曲率を有してもよい。
【0024】
ラッパーは、一般的な矩形の形状を有していてもよく、一端で内側にへこんだフラップを有する管に形成されてもよい。
【0025】
本発明がより完全に理解されるようにそのいくつかの実施態様を添付の図面を参照し例示を目的として以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】延伸していない状態の延伸可能な紙巻きタバコである喫煙品の側面図である。
【
図2a】延びていない状態の
図1の紙巻きタバコの長手方向断面図である。
【
図2b】延びた状態の
図1の紙巻きタバコの長手方向断面図である。
【
図3】
図1および2に示した紙巻きタバコに使用されるラッパーの内側表面の平面図である。
【
図4】A−A’線に沿った
図3に示したラッパーの厚さの部分断面図である。
【
図5】管に形成された際の
図2のB−B’線に沿ったラッパーの拡大断面図である。
【
図6】(a)から(e)は、ブランク全体に亘って列状に延びた異なる刻面デザインを有するラッパーとして使用するための種々のパターンが設けられたブランクを示す。
【
図7】(a)から(e)は、ブランクの異なる領域に第1および第2の列の刻面を有するラッパーとして使用するための種々のパターンが設けられたブランクを示す。
【
図8】(a)から(e)は、ブランクの一部のみに亘って刻面の列を有するラッパーとして使用するための種々のパターンが設けられたブランクを示す。
【
図9】ラッパーを形成するための装置の略図である。
【
図10】延伸されていない状態の別の例の延伸可能な紙巻きタバコの長手方向断面図。
【
図12】
図10および11に示した紙巻きタバコの側面図である。
【
図13】弱化された線がピンエンボス加工によって形成されたラッパーの部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1および2を参照すると紙巻きタバコ1の形状の延伸可能な喫煙品は、当業界でよく知られている紙ラッパーに包まれたタバコからなるタバコロッド2とこれに取り付けられた第1フィルターセクション3を含む。タバコロッド2および第1フィルターセクション3は、
図2に示すように例えば紙、好ましくはチッピング紙4のようなシート材からなるカバー層によって互いに取り付けられている。
【0028】
第1の部材部分は、タバコロッド2および第1フィルターセクション3の円周の周りを延びる円筒状の管形状のスリーブ5である。タバコロッド2および第1フィルターセクション3は、ユニットとしてスリーブ5内を長手方向にスライドするような寸法になっている。タバコロッド2および第1フィルターセクション3は、タバコユニットまたは喫煙品1の第2部分と言ってもよい。
【0029】
第1部分は、第1フィルターセクション3から遠位にあるスリーブ5のマウスピース端部に第2フィルターセクション6をさらに含んでもよい。第2フィルターセクションは、スリーブ5に固定された状態で取り付けられている。第1および第2フィルターセクション3、6は、断面が円形であって、同じ直径であってもよく、プラグラッパーを有する従来のセルロースアセテートトウで作製すると便利である。
【0030】
チェンバー7が第1および第2フィルターセクション3、6の間でスリーブ内に形成される。チェンバー7は、第1フィルターセクションがスリーブ5内を軸方向にスライドすると長さが変わり、よって容積も変わる。
【0031】
第1および第2部分即ちスリーブ5およびタバコロッド2間の最大長を越える相対移動は、チッピング紙4の縁部4aによって形成されたタバコロッド2の突起と当接するスリーブ5の遠位端に形成された内側にへこんだリップ部8によって妨げられる。
【0032】
図1に示すように管状のスリーブ5の外面は、外部において通常は平面または少なくともスリーブ5とは異なる曲率半径の刻面の列を呈している。刻面の形状は、異なる視覚効果を得るために選択することができ、1つの例を
図3に詳しく示しており、これは第2フィルターセクション6の周りで管状のスリーブ5を形成するために巻き上げることが可能なシート材のブランク9を示している。管5は、周縁部9a、9bを互いに重なり合う接合部において互いにのり付けすることによって形成してもよい。また内側に凹んだフラップ8をブランクの領域9cを内方に折りたたむことによって形成することができる。
【0033】
ブランク9は、強度の連続性が失われることにより形成された複数の線を含み、この例では管状のスリーブ5の内部を形成するブランク9の側に弱化された線10を含む。
【0034】
図4に示すように弱化された線10は、ブランク9を形成するシート材に部分的に切り込みを入れて形成してもよい。この切り込みは、ブランク9を形成するシート材の表面状で発振する1つ以上のレーザーカッターによるレーザーカッティングによって行うと便利である。通常切り込みの深さは、シート材の厚みの50%であってもよいが、本発明はこの深さに限定されない。好ましくは切り込みの深さは、ブランクの厚さの10〜90%であってもよい。当然のことながら切り込みは、ナイフブレードを使用して設けることができ、また弱化された線は、シート材に折り目を付けるまたはシート材を両側から挟むことによって形成することができる。
【0035】
図5に示すように第1および第2フィルターユニット3、6の円筒状の表面の周囲にブランク9を巻くことによって管状のスリーブ5を形成する際に、この巻く工程によってスリット10が閉じて、内面11が、同じ直径の円筒状のフィルターエレメント3、6の曲率と一致し、一方スリーブ5の外面は、通常平面または少なくとも内面5aの曲率半径とは異なる曲率半径を有する一連の刻面12を含む。これにより
図1に示した視認可能な刻面12の列が得られる。当然のことながら刻面5bの形状は、弱化された線10のパターンに応じて選択することができる。
図3に示した例ではパターンは、一般に魚網に似ており、刻面12は、楕円形状を有する。しかしながら
図6、7および8に示すように多くの他の異なるパターンも可能である。
図6a〜eを参照すると特定のブランクの刻面は、ブランク9の表面全体に亘って配列された同じ形状のものであってもよい。これとは別に
図7に示すように第1の列13は、ブランクの主要部分に亘って延びてもよく、第1の列13の刻面とは異なる形状の刻面を含んでもよい第2の列14は、ブランク9のマウスピース端部に亘って構成されてもよい。刻面12は、湾曲したまたは多角形であってもよい周囲が閉じた形状を有してもよく、または刻面は、
図7の列14で例示するように例えば紙巻きタバコの長手方向に間隔を空けて延びた平行な弱化された線の間を延びる平行なストリップのような開いた形状またはらせんパターン(図示せず)を有してもよい。
【0036】
また
図8に示すように刻面のマウスピース端部列14を省略してもよい。
【0037】
図9はブランク9に使用するシート材を形成するための装置を例示している。この例では紙または同様のシート材のロール15が連続したウェブ16として供給ローラー17、18によって、強度の連続性が失われることにより形成される線が形成されるステーション19を通って供給される。ステーション19は、ウェブ16を横断する弱化された線10を製する1つ以上のレーザーを含んでもよい。これとは別にステーション19は、紙ウェブ16の一方または両側を切断してライン10を形成するブレードまたは紙ウェブに折り目を付けて弱化された線を形成する構成を含んでもよい。ステーション19を出た後のウェブ16は、引き取りロール20に供給してもよく、これは紙巻きタバコに組み込むための紙巻きタバコ製造機へと運ばれる。従ってこの紙は、調製工程において紙巻きタバコ製造機からオフラインで調製される。従来技術としてどのようにしてウェブ16を伸縮自在の紙巻きタバコを形成するための工程に組み込むかを示す一例が本願出願人によるPCT/GB2011/050499に説明されている。これとは別にウェブ16およびステーション19をウェブが製造機に供給される直前にウェブに弱化された線を形成するために紙巻きタバコ製造機にオンラインで設けてもよい。
【0038】
紙巻きタバコ製造機からオンラインまたはオフラインで調製されるかに関係なく、ウェブ16にロゴまたは他の情報をプリントまたはエンボス加工してもよく、印刷またはエンボス加工は、例えば印刷またはエンボスが各刻面内に構成されるように刻面12のパターンと所定の位置で位置合わせされて行ってもよい。
【0039】
延伸可能な紙巻きタバコの別の例を
図10〜13に示す。この例ではスリーブ5が
図1〜4に示すように刻面が設けられたブランク9のみから製せられる代わりにその下に支持層21を含み、これにブランク9をのり付けまたは当業者に自明な他の好適な手段によって貼付してもよい。支持層21は、紙などのシート材からなる矩形の巻かれたブランクであってもよく、内側にへこんだリップ部8が形成され、
図1から4を参照して説明したリップ部8と同じようにタバコロッド2の端部でフィルター3を保持するチッピング紙4の縁部4aと係合することによってスリーブ5に沿ったタバコロッド2の延伸を制限する。支持層21は、フィルター6に糊付けされる。
【0040】
図10〜13に示した例ではブランク9には
図1に示したパターンと類似したパターンの魚網に似た不規則な六角形を含む刻面12の規則的なパターンが形成されている。しかしながら
図1とは異なり
図10のブランク9は、長手側縁部22を有し、そのうちの1つを
図13に詳しく示し、これら側縁部は刻面12の縁部に続き、
図11および12に示しように突き合わせ継ぎ手23に配置することができ、これは刻面12のパターンが手または指で感じられることなくまたはユーザーに見える継ぎ目がなく、スリーブの外面の周囲に連続的に延びるという利点を供する。
【0041】
図13に示した例では弱化された線10は、ピンエンボス加工によって形成され、これは刻面の周囲に針穴24からなる線を形成する。針穴24は、周囲にピンのパターンを有するローラーを使用して形成することができ、このローラーは、
図9に示したステーション19に組み入れられ、ウェブ16と係合したローラーが回転すると
図13に示した針穴のパターンが製せられる。
【0042】
上述した喫煙品およびその部材の多くの変更例および変形例は、本発明の範囲内に入る。例えば弱化された線が形成された後のラッパーウェブ16を従来の紙巻きタバコにおいてタバコロッド用のラッパーとしておよび/またはフィルターをタバコロッドに取り付けるためのチッピング紙として使用してもよい。
【0043】
また弱化された線10を視認可能な刻面12を得るために管状のスリーブ5の外側に形成することができる。強度の連続性が失われることにより形成される線の作製は、燃焼工程を含んでもよく、これにより刻面の周囲に識別可能なパターンを製して視覚効果を高める。例えば切り込みは燃焼工程を含んでもよい。また燃焼工程は、印刷のようにロゴなどを管状のスリーブ5に設けることもできる。
【0044】
軽量、即ち20gsm〜40gsmの紙をウェブ16として使用する場合、ニスなどの構造コーティングを例えば紙と位置合わせし、これにより刻面を形成するために紙に印刷することによって塗布してもよい。即ち、構造コーティングはラッパーに追加的に強度を付加してもよい。構造コーティングは、刻面の形状に対応するパターンでプリントされてもよく、そして、構造コーティングは、各々の刻面に亘ってプリントされてもよい。これは要求される仕上げに応じて管5の内側または外側にプリント可能である。これとは別にニスを線状にプリントして刻面の周囲の境界を形成することができる。
【0045】
また強度の連続性が失われることにより形成される線は、弱化された線である必要はなく、例えば局所的に剛性を付与するためにシート材にスターチのパターンをプリントすることによって強化されたラインとすることも可能である。
【0046】
本明細書中で使用する「喫煙品」なる用語は、タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコまたはタバコ代替え品をベースにしているかに関係なく紙巻きタバコ、シガーおよびシガリロなどの喫煙可能な製品および発熱するが燃焼しない製品を含む。
【0047】
種々の問題に対処し本技術を促進するため、本開示の全体は種々の実施形態を一例として示す。その実施形態の中で特許請求の範囲に記載の発明が実践され、優れたラッパーおよび喫煙品およびそれらの製造方法が提供される。本開示の利点および特徴は、単に実施形態の代表的事例であって全てを包括する事例ではなく、および/またはこれ以外を排除する事例でもない。これらは単に特許請求された特徴の理解を助け、教示するために提示される。当然のことだが、本開示の利点、実施形態、実施例、機能、特徴、構造、および/または他の態様は、特許請求の範囲で規定される本開示またはその均等物を限定するものではなく、本開示の範囲および/または概念から逸脱することなく他の実施形態を利用し改変することができる。種々の実施形態は、開示された要素、構成要素、特徴、部品、工程、手段他の種々の組合せを好適に含んでも、それらで構成されても、または基本的にそれらで構成されてもよい。さらに本開示には、現在特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明も含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0048】
【特許文献1】国際出願公開第2011/042353号パンフレット
【特許文献2】国際出願公開第2011/042354号パンフレット