特許第6127163号(P6127163)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6127163運転者の覚醒度を監視及び制御するための方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6127163
(24)【登録日】2017年4月14日
(45)【発行日】2017年5月10日
(54)【発明の名称】運転者の覚醒度を監視及び制御するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20170424BHJP
   G10K 15/04 20060101ALI20170424BHJP
【FI】
   G08G1/16 F
   G10K15/04 302M
【請求項の数】9
【外国語出願】
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-5921(P2016-5921)
(22)【出願日】2016年1月15日
(62)【分割の表示】特願2013-557099(P2013-557099)の分割
【原出願日】2012年3月8日
(65)【公開番号】特開2016-122455(P2016-122455A)
(43)【公開日】2016年7月7日
【審査請求日】2016年2月9日
(31)【優先権主張番号】102011013629.0
(32)【優先日】2011年3月11日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】11165175.8
(32)【優先日】2011年5月6日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508039825
【氏名又は名称】ジョンソン コントロールズ オートモーティブ エレクトロニクス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】ツヅゾブ、 ジョーダン
【審査官】 白石 剛史
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−147584(JP,A)
【文献】 特開2006−044627(JP,A)
【文献】 特開2005−334163(JP,A)
【文献】 特開2006−163900(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0117031(US,A1)
【文献】 特開2009−141879(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/16
G10K 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転者(4)の覚醒度を監視するための方法であって、
車両が動いている間、運転者(4)の少なくとも1つの物理的パラメータ(PP)を連続的に検出して評価することと、
臨界範囲が運転者(4)の適当な疲労レベルを示すことにより、評価した前記物理的パラメータ(PP)が前記臨界範囲内にある場合、所定時間の間、車室(1)内に所定の周波数でオーディオ信号(S)を送ることと
を含み、
送られるオーディオ信号(S)の所定の周波数は、12ヘルツから15ヘルツの周波数範囲内にあり、前記所定の周波数は常にベータ波に対応し、前記オーディオ信号は異なる周波数で前記運転者の各耳に別々に提供するバイノーラルビートで前記運転者(4)に送られる方法。
【請求項2】
前記物理的パラメータ(PP)として運転者(4)の顔を検出することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
評価した前記物理的パラメータ(PP)が前記臨界範囲外にある場合、前記所定時間が終了することを特徴とする、請求項1又は2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
前記物理的パラメータ(PP)が運転者(4)の閉瞼の時間及び/又は頻度であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
送られるオーディオ信号(S)は、追加のオーディオ信号を重畳されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
車両の運転者(4)の覚醒度を監視するための装置であって、
運転者(4)の少なくとも1つの物理的パラメータ(PP)を検出するセンサユニット(2.1)を有する監視ユニット(2)と、
車両が動いている間、検出された前記物理的パラメータ(PP)を評価する評価ユニット(2.2)と
によって特徴づけられ、
前記評価ユニット(2.2)はオーディオ装置(3)に連結され、前記オーディオ装置は、評価された前記物理的パラメータ(PP)が臨界範囲内にある場合、所定時間の間、
車室(1)内へオーディオ信号(S)を送り、
送られるオーディオ信号(S)の所定の周波数は、12ヘルツから15ヘルツの周波数範囲内にあり、前記所定の周波数は常にベータ波に対応し、前記オーディオ信号は異なる周波数で前記運転者の各耳に別々に提供するバイノーラルビートで前記運転者(4)に送られる、装置。
【請求項7】
前記センサユニット(2.1)は光学センサであることを特徴とする、請求項に記載の装置。
【請求項8】
前記センサユニット(2.1)は前記車室(1)のインサイドミラー(5)の中に配置されることを特徴とする、請求項又はに記載の装置。
【請求項9】
前記センサユニット(2.1)は運転席(6)に向けられることを特徴とする、請求項のいずれか1項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の運転者の覚醒度を監視するための方法に関するものである。また、本発明は、車両の運転者の覚醒度を監視するための装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
運転者の状態を監視するための監視ユニットは、従来技術により良く知られている。そのために、自動車内に取り付けられた少なくとも1つのセンサが運転者に向けられる。その結果、物理的パラメータが検出可能であり、運転者の覚醒及び/又は疲労のレベルに関する結論を可能にする。例えば、運転者の目まいが検出可能であることが知られている。特に、運転者が疲れていて、したがって事故リスクの増加が推測されるか否か、が検出されるべきである。疲労が検出された場合、運転者は早期に警告され、例えば、停止して休憩所を探すように求められる。
【0003】
また、自動車は通常オーディオ設備を備え、それにより曲を聞こえるように出力して車両の乗客を楽しませることができる。
【0004】
その他の点では、人間の脳の神経インパルスが人間の脳の状態に依存する周波数スペクトルを有することが知られている。いわゆるデルタ及びシータ波は睡眠中に検出可能であり、人が完全に覚醒状態にあるときに検出可能なベータ波よりも低い周波数を有する。科学的研究は、それぞれの周波数を有する音響的及び/又は光学的刺激(インパルス)は、人間の脳の状態に影響を与えることができることを示している。
【0005】
特許文献1は、衝撃音発生器によって自動車の内部に衝撃音を伝える方法及び装置を開示している。衝撃音は、効果が得られるように衝撃音発生器を通して自動車の乗員に伝えられる。効果は、衝撃音によって乗員が集中すること、乗員の居眠りが防止されること、乗員の運転フィーリングが向上すること、及び自動車の不要な振動が抑制されることを含む、一群の効果から選択される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国特許出願公開第102007036987号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
車両の運転者の覚醒度を監視するための改良された方法及び改良された装置を提供することが本願発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、この目的は、請求項1に記載の方法及び請求項7に記載の装置によって達成される。
【0009】
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項に示される。
【0010】
本発明によれば、車両の運転者の覚醒度を監視するための方法は、
車両が動いている間、運転者の少なくとも1つの物理的パラメータを連続的に検出して評価することと、
評価した物理的パラメータが運転者の適当な疲労レベルを示す臨界範囲内にある場合、所定時間の間、車室内へ所定の周波数で周期的なオーディオ信号を送ることとを含む。
【0011】
運転者が疲労していることは、交通事故を引き起こす重要な要因の1つである。車室内へ、特に運転者へ所定の周波数で周期的なオーディオ信号を送ることは、運転者が疲れていて、したがって事故リスクの増加が推測される場合に、運転者の集中力を高めることを可能にする。本発明による方法によって、運転者が居眠りすることが防止され、運転の快適性及び運転の安全性が向上する。
【0012】
好ましい実施形態によれば、運転者の少なくとも顔が検出される。人の顔は、人の身体の他の部分よりもよく疲労の兆候を示す。このことは、運転者の適当な疲労レベルの確実な検出を可能にする。
【0013】
好ましくは、物理的パラメータは、運転者の閉瞼の時間及び/又は頻度である。人の閉瞼は自発的又は非自発的であることができ、疲労は、意識がしっかりしているときの人の閉瞼よりもゆっくりした閉瞼、特に長時間の閉瞼に影響を与える。したがって、閉瞼の時間及び/又は頻度は、運転者の適当な疲労レベルの検出のための信頼できるパラメータである。
【0014】
送られる周期的なオーディオ信号の周波数は、12ヘルツから15ヘルツの間の周波数範囲内にあり、したがって人間の脳のアルファ及びベータ波の周波数範囲内にある。したがって、送られる周期的なオーディオ信号は、運転者の集中力を高めることができるように、運転者の脳波の刺激を可能にする。また、送られる周期的なオーディオ信号の周波数は、送られる周期的なオーディオ信号が他の車両乗員に影響を及ぼさないように、人の非可聴周波数範囲内にある。
【0015】
好ましい実施形態では、送られる周期的なオーディオ信号は、追加のオーディオ信号を重畳される。例えば、追加のオーディオ信号は、車室内に一体化されたオーディオ装置の音楽再生又はラジオ放送を受信することにより生成される。好ましくは、このことは、通常は運転者及び他の車両乗員の可聴範囲内にある、オーディオ装置の追加のオーディオ信号の補助を可能にする。
【0016】
周期的なオーディオ信号が送られる所定の時間は、評価された物理的パラメータが臨界範囲外にあるときに終了する。すなわち、周期的なオーディオ信号の送信は、運転者がもはや疲れていなくなると、停止するということである。このことは、運転者が居眠りすることが確実に防止されるように、運転者が臨界範囲内にある限り、運転者の脳波が刺激されることを可能にする。
【0017】
車両の運転者の覚醒度を監視するための装置は、
運転者の少なくとも1つの物理的パラメータを検出するセンサユニットを有する監視ユニットと、
車両が動いている間、検出された物理パラメータを評価する評価ユニットとを備え、
評価ユニットはオーディオ装置に連結され、オーディオ装置は評価された物理的パラメータが臨界範囲内にある場合、所定の時間、周期的なオーディオ信号を車室内に送る。
【0018】
装置は監視ユニットと連結されたオーディオ装置の組み合わせとして使用されるのによく適しており、オーディオ装置は通常、現代の車両に既に配置されている。したがって、装置は、車両の運転者の覚醒度を監視するための、コスト効率が高く、パッケージングが最適化された解決策を可能にし、それにより運転者が覚醒するのを助ける。
【0019】
センサユニットは光学センサであり、それによって、疲労の兆候、特に長時間の閉瞼が光学的に最も良く検出可能であるため、運転者の適当な疲労レベルが確実に検出可能である。
【0020】
好ましくは、センサユニットは、車室のインサイドミラーの中に配置される。詳細には、通常、インサイドミラーは運転者の頭部の領域の近くに配置されているので、これにより最善の方法で運転者の顔を検出することが可能になる。また、インサイドミラーへの配置は、パッケージングが最適化されたセンサユニットの車室内への配置を可能にする。あるいは、センサユニットは、車室内の他の適切な場所、例えば、計器パネル、ハンドル、又はフロントガラスなどにも配置される。
【0021】
センサユニットは運転席に向けられる。これにより、運転者のみが監視され、必要に応じて刺激される。したがって、他の車両乗員は装置に影響されず、車両の長いドライブの間、安らかに眠ることができる。
【0022】
本発明の詳細については後述する。しかしながら、詳細な説明及び特定の実施例は本発明の可能な実施形態を示し、例示としてのみ示されていることが理解されるべきである。図示した実施形態の本発明の精神及び範囲内における様々な変更及び修正が、当業者に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明は、以下に示す詳細な説明からより良く理解されるであろう。添付の図面は、説明のみを目的として提供され、本発明の範囲を限定するものではない。
図1】監視ユニット及びオーディオ装置を備えた車室の一部の側面図を概略的に示す。
図2】車室1の一部の側面図を運転者4と共に概略的に示す。
図3】人間の脳波の例示的なグラフィック図を概略的に示す。
図4】オーディオ信号の一部の例示的なグラフィック図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、監視ユニット2及びオーディオ装置3を備えた車両の車室1の一部の側面図を概略的に示す。
【0025】
しかしながら、疲労による運転者4の集中力の低下と、その結果、反応する能力が低下することが、交通事故の多くの原因である。研究により、事故の約20%が運転者の疲労に起因することが示されている。したがって、交通参加者に対する潜在的な危険を低減するために、本発明は、車両の運転者4の覚醒度を監視するための方法及び装置を含む。
【0026】
装置は、少なくとも1つのセンサユニット2.1と評価ユニット2.2とを含む、監視ユニット2を備える。
【0027】
好ましくは、センサユニット2.1は、車両が動いている間連続的に運転者4の少なくとも1つの物理的パラメータPPを検出する光学センサである。本発明の好ましい実施形態では、少なくとも1つの物理的パラメータPPは、運転者4の閉瞼の時間及び/又は頻度である。
【0028】
疲労は、覚醒しているときの人の閉瞼よりもゆっくりした閉瞼、特に長時間の閉瞼に影響を与えるので、閉瞼の時間及び/又は頻度は、運転者4の適当な疲労レベルの検出のための信頼できるパラメータである。また、閉瞼の時間及び/又は頻度は、光学的に最も良く検出可能である。
【0029】
或いは、物理的パラメータPPは運転者4の瞳幅又は心拍であり、心拍は光学的に検出されない。この代替実施形態では、センサユニット2.1は電気機械センサとして設計され、例えば、ハンドルに配置される。
【0030】
本実施形態では、センサユニット2.1は、車室1のインサイドミラー5の中に配置され、車両シート6に向けられる。このことは、運転者4の顔又は顔の少なくとも適切な部分を検出することを、彼が車両を運転するために車両シート6上で通常の配置を取る場合に可能にする。したがって、閉瞼の時間及び/又は頻度は確実に検出可能である。
【0031】
或いは、センサユニット2.1は、計器パネル、ハンドル、又はフロントガラスなど、車室1内の他の適切な場所に配置される。
【0032】
センサユニット2.1は連続的に検出された物理的パラメータPPを、例えばマイクロプロセッサとして設計され且つ同様にインサイドミラー5内に配置されている、評価ユニット2.2に送信する。
【0033】
物理的パラメータPPを得た後、評価ユニット2.2は、例えば評価ユニット2.2のプログラムシーケンスとして統合されたカルマンフィルタを用いることによって、物理的パラメータPPを評価する。物理的パラメータPPが臨界範囲内にあることを評価が示す場合、評価ユニット2.2は適切な信号を生成し、この信号をオーディオ装置3に送る。
【0034】
この場合、臨界範囲は、運転者4の注意力が低下している、運転者4の適当な疲労レベルを示すので、事故リスクの増加を推測することができる。例えば、運転者4の目が2秒間にわたって閉じられる。この例では、2秒が臨界範囲の限界である。
【0035】
送られた評価ユニット2.2の信号を得た後、オーディオ装置3は信号を処理し、車室1内に、特に運転者4に向けられた周期的なオーディオ信号Sとして信号を送る。
【0036】
好ましくは、オーディオ信号Sの周波数は12ヘルツから15ヘルツの間の周波数範囲内にあり、したがって、図3により詳細に示される、人間の脳のアルファ波及びベータ波の周波数範囲内にある。送られる周期的なオーディオ信号Sは、モノラルビート又はバイノーラルビート又は等時間隔的なビートとして送られる。モノラルビートは、2つの音の波形を、それらが互いに加算又は減算し、音が大きくなったり小さくなったりするように、算術的に合計した結果である。すなわち、それらは一定の正弦波パルスであるということである。バイノーラルビートは、2つの異なる音をわずかに異なる周波数で運転者4の各耳に別々に提供することによって感知される。本実施形態では、オーディオ信号Sは、等時間隔的なビートとして設計されている。等時間隔的なビートは、単音の規則的なビートである。
【0037】
また、オーディオ信号Sの周波数は、オーディオ信号Sが他の車両乗員に影響を及ぼさないように、人の非可聴周波数範囲内にある。
【0038】
したがって、オーディオ信号Sは、運転者4の集中力が増大可能であるように、運転者4の脳波の刺激を可能にする。
【0039】
好ましい実施形態では、オーディオ信号Sは、追加のオーディオ信号を重畳される。例えば、追加のオーディオ信号は、オーディオ装置3の音楽再生又はラジオ放送を受信することによって生成される。好ましくは、これにより、オーディオ装置3の追加のオーディオ信号の補助がオーディオ装置3の音を改善することが可能になる。
【0040】
オーディオ信号Sは、評価された物理的パラメータPPが臨界範囲外にあるときに終了する所定の時間の間、送信される。すなわち、運転者4がもはや疲れていなくなると、オーディオ信号Sの送信が停止するということである。これにより、運転者4の注意力が低下している限り運転者4の脳波を刺激することが可能になる。したがって、運転者4が居眠りすることが確実に防止される。
【0041】
図2は、車室1の一部の側面図を運転者4と共に示す。
【0042】
運転者4の顔にはマーク7が示され、第1破線7.1によって縁取られている。マーク7は、センサユニット2.1の検出領域を表している。第2破線7.2は、運転者4の目に垂直であり、運転者4の適当な疲労レベルを確実に検出するための物理的パラメータPPとして閉瞼の検出を表している。
【0043】
例えば、顔は、評価ユニット2.2にプログラムシーケンスとして統合された、いわゆる「ハール(Haar)アルゴリズム」を用いて位置が突き止められる。運転者4の目の位置は、例えば射影法を用いて探し出すことができる。
【0044】
人の顔は、人の身体の他の部分よりもよく疲労の兆候を示す。このことは、運転者4の適当な疲労レベルの確実な検出を可能にするので、彼が集中力の低下を示す場合に、運転者4の脳波が刺激されることができる。
【0045】
図3は、このような脳波の典型的なグラフィック図を示す。
【0046】
それらの周波数に応じて、脳波はベータ波B、アルファ波A、シータ波T及びデルタ波Dに分類され、これらは本図において上から下にこの順序で示されている。
【0047】
デルタ波Dは、1ヘルツから4ヘルツまでの周波数範囲内にある。それらは高振幅及び徐波を有する。通常、それらは脳が休んでいるとき、特に人が徐波睡眠であるときに現れる。
【0048】
シータ波Tは、4ヘルツから7ヘルツまでの周波数範囲内にある。それらは通常、人が眠いか又は睡眠潜時にあるときに現れる。
【0049】
アルファ波Aは、8ヘルツから12ヘルツまでの周波数範囲内にある。それらは通常、人が目を閉じてリラックスしているとき、及び目を開けていること又は頭を使うことが衰えたときに現れる。
【0050】
ベータ波Bは、12ヘルツから約30ヘルツまでの周波数範囲内にある。それらは通常、人が完全に覚醒し、非常に集中しているときに現れる。
【0051】
オーディオ信号Sによって、脳波は、シータ波Tを有する疲れた運転者4が好ましくは高アルファ波又は低ベータ波Bを有する完全に集中している運転者4になるように刺激される。
【0052】
図4は、オーディオ信号Sの一部の一例を示す。
【0053】
オーディオ信号Sは、振幅及び/又は周波数変調され、モノラルビートとして設計されている。
【0054】
オーディオ信号Sは、図1〜3に記載されるように運転者4の脳波の刺激をもたらす。
【0055】
オーディオ信号Sの周期特性は、運転者4の脳波の連続的で均一な刺激を、彼が覚醒して完全に集中するまで可能にする。
【符号の説明】
【0056】
1 車室
2 監視ユニット
2.1 センサユニット
2.2 評価ユニット
3 オーディオ装置
4 運転者
5 インサイドミラー
6 運転席
7 マーク
7.1 第1破線
7.2 第2破線
A アルファ波
B ベータ波
D デルタ波
PP 物理的パラメータ
S オーディオ信号
T シータ波
図1
図2
図3
図4