(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6127173
(24)【登録日】2017年4月14日
(45)【発行日】2017年5月10日
(54)【発明の名称】太陽電池
(51)【国際特許分類】
H01L 31/0224 20060101AFI20170424BHJP
H01L 31/068 20120101ALI20170424BHJP
【FI】
H01L31/04 262
H01L31/06 300
【請求項の数】11
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-58506(P2016-58506)
(22)【出願日】2016年3月23日
(65)【公開番号】特開2016-189458(P2016-189458A)
(43)【公開日】2016年11月4日
【審査請求日】2016年3月24日
(31)【優先権主張番号】104110144
(32)【優先日】2015年3月27日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】313011272
【氏名又は名称】新日光能源科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(72)【発明者】
【氏名】裴善莊
(72)【発明者】
【氏名】黄紹▲イ▼
(72)【発明者】
【氏名】林哲緯
(72)【発明者】
【氏名】徐偉智
【審査官】
吉岡 一也
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−207007(JP,A)
【文献】
特開2013−034030(JP,A)
【文献】
特開2011−049525(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/02−31/078
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1型ドーパントがドープされ、第1表面と該第1表面に対向する第2表面を有し、該第1表面は、中央領域とそれぞれ該中央領域の両側に位置する少なくとも2つのサイド領域を有し、該第2表面に第2ドーパント層が形成され、該第2ドーパント層に第2ドーパントがドープされる半導体基板と、
該第1表面に位置し、複数の第1貫通孔を有する第1パッシベーション層と、
該第1パッシベーション層に位置し、それぞれ該複数の第1貫通孔に対応する複数の第2貫通孔を有する第1反射防止層と、
該第1表面に位置し、それぞれ該複数の第1貫通孔に対応し、該第1型ドーパントの濃度は該半導体基板の該第1型ドーパントの濃度よりも大きい複数の裏面電界領域と、
互いに間隔をあけて配列され、それぞれ該複数の第2貫通孔と該複数の第1貫通孔を介して該複数の裏面電界領域に電気的に接触する複数の裏面電極であって、該少なくとも2つのサイド領域に位置する複数の裏面電極の幅は、該中央領域に位置する複数の裏面電極の幅よりも大きい複数の裏面電極と、
該第2ドーパント層に位置し、複数の第3貫通孔を有する第2パッシベーション層と、
該第2パッシベーション層に位置し、それぞれ該複数の第3貫通孔に対応する複数の第4貫通孔を有する第2反射防止層と、
それぞれ該第3貫通孔と該第4貫通孔を介して該第2ドーパント層に電気的に接触する複数の表面電極と、を備える、
太陽電池。
【請求項2】
該中央領域の、該裏面電極の長手方向に平行する両側は、該半導体基板の縁部まで延び、該少なくとも2つのサイド領域は、それぞれ該中央領域の、該裏面電極の長手方向に垂直な両側に位置し、該中央領域の面積が該第1表面の面積の十分の一〜三分の一を占める請求項1に記載の太陽電池。
【請求項3】
該中央領域の面積は該第1表面の面積の十分の一〜五分の一を占める請求項2に記載の太陽電池。
【請求項4】
該中央領域に位置する複数の裏面電極の幅は30ミクロン〜100ミクロンである請求項3に記載の太陽電池。
【請求項5】
該少なくとも2つのサイド領域に位置する複数の裏面電極の幅は40ミクロン〜250ミクロンである請求項4に記載の太陽電池。
【請求項6】
該中央領域に位置する複数の裏面電極の幅は30ミクロン〜150ミクロンである請求項2に記載の太陽電池。
【請求項7】
該少なくとも2つのサイド領域に位置する複数の裏面電極の幅は40ミクロン〜250ミクロンである請求項6に記載の太陽電池。
【請求項8】
該半導体基板の第1表面に第1ドーパント層が形成され、該第1ドーパント層に該第1型ドーパントがドープされ、該第1ドーパント層の該第1型ドーパントの濃度は、該半導体基板の該第1型ドーパントの濃度よりも高い請求項1〜7のいずれかに記載の太陽電池。
【請求項9】
該中央領域における複数の裏面電極の幅は互いに同じである請求項1〜7のいずれかに記載の太陽電池。
【請求項10】
該少なくとも2つのサイド領域に位置する複数の裏面電極の幅は互いに同じである請求項1〜7のいずれかに記載の太陽電池。
【請求項11】
該第1表面において、該中央領域の中央に該裏面電極の長手方向に平行する中心線を定義し、該複数の裏面電極は該中心線に垂直な方向に沿って間隔をあけて配列され、該複数の裏面電極の幅は該中心線から離れるほど大きくなる請求項1に記載の太陽電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は太陽電池の裏面電極の設計に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池は現在最も成熟した、最も広く応用されるグリーンエネルギー技術であり、太陽電池の発電効率を向上させるとともに発電のコストを低減するために、様々な太陽電池構造を開発してきた。
太陽電池は大体にシリコン系太陽電池、化合物半導体太陽電池及び有機太陽電池などの3種に分けられ、そのうち、シリコン系太陽電池の技術が最も成熟し、且つ最も普及され、特に、単結晶シリコン太陽電池の変換効率は全ての太陽電池において抜群に優れている。
【0003】
現在、開示された高い変換効率を有する単結晶シリコン太陽電池は十数種にも達し、商業規模で生産可能なものは主に真性薄層をもつヘテロ接合の太陽電池(HIT,Hetero−junction with Intrinsic Thin Layer)、相互嵌合裏面電極の太陽電池(IBC,Interdigitated Back Contact)、両面発電の太陽電池(Bifacial)、不動態化エミッター及び裏面電極の太陽電池(PERL,Passivated Emitter Rear Locally Diffused Cell)がある。
【0004】
両面発電の太陽電池又は不動態化エミッター及び裏面電極の太陽電池を製造する場合に、レーザーアブレーション(laser ablation)によって裏面に位置する反射防止層及びパッシベーション層をスルーエッチングして、パッシベーション層の下方に位置する半導体層を露出させる必要があり、レーザーアブレーションによる貫通孔が一般的に細長く且つ互いに間隔が同じである。
次に、スクリーン印刷によって、アルミニウムペーストをレーザーアブレーションによる貫通孔にスクラッチし、続いて、更にアルミニウムペースト焼結工程を行うだけで、太陽電池の裏面に柵状の裏面電極を形成することができる。
【0005】
ところが、アルミニウムペーストを印刷する前に、メッシュプレートパターンをレーザーアブレーションによる貫通孔パターンと位置合わせる必要があるが、スクリーン印刷機器自身に位置合わせ誤差が存在し、更に、メッシュプレートに、長時間の連続使用或いは多回使用により素材疲労が発生することがある。その結果、裏面電極とレーザーアブレーションによる貫通孔との位置合わせに不具合が生じ、位置ずれを引き起こしてしまう。位置ずれは大体にそれぞれ回転ずれ及び平行ずれという2種類に分けることができる。
図1は回転ずれの模式図(1)であり、図において、裏面電極91がレーザーアブレーションによるエッチング孔92に対してある角度回転したが、裏面電極91がまだレーザーアブレーションによるエッチング孔92を完全に覆うことができる。
図3は平行ずれの模式図(1)であり、図において、裏面電極91がレーザーアブレーションによるエッチング孔92に比べてある距離を移動したが、裏面電極91がまだレーザーアブレーションによるエッチング孔92を完全に覆うことができる。位置ずれが深刻ではなく、つまり裏面電極91がまだレーザーアブレーションによるエッチング孔92を覆うことができる場合に、位置ずれの存在は太陽電池の変換効率に実質的に顕著な影響を及ぼさない。
更に、
図2と
図4はそれぞれ回転ずれの模式図(2)と平行ずれの模式図(2)であり、位置ずれの程度は裏面電極91によってレーザーアブレーションによるエッチング孔92を完全に覆うことができなくなると、僅かな部分のエッチング孔92が裏面電極91によって覆われなくても、太陽電池の変換効率が大幅に低下する。太陽電池の分野では、変換効率が僅か0.1%低下しても、太陽エネルギー発電所の発電量がメガワット単位で計算するため、総発電ワット数が顕著に減少し、ワットあたりの発電のコストを向上させてしまう。
【0006】
メッシュプレート印刷は、実際的に、上記の位置ずれが太陽電池の2つのサイド領域に位置する裏面電極に発生することが多く、中央領域から遠いほど発生が頻繁になり、中央領域に位置する裏面電極では相対的にまれであることが発見された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/0261839号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
これに鑑みて、本発明は、第1型ドーパントがドープされ、第1表面と第1表面に対向する第2表面を有し、第1表面は、中央領域とそれぞれ中央領域の両側に位置する少なくとも2つのサイド領域を有する半導体基板と、第1表面に位置し、第1型ドーパントがドープされ、第1型ドーパントの濃度は半導体基板の第1型ドーパントの濃度よりも大きい第1ドーパント層と、第1ドーパント層に位置し、複数の第1貫通孔を有する第1パッシベーション層と、第1パッシベーション層に位置し、それぞれ前記複数の第1貫通孔に対応する複数の第2貫通孔を有する第1反射防止層と、第1ドーパント層に位置し、それぞれ前記複数の第1貫通孔に対応し、第1型ドーパントの濃度は
半導体基板の第1型ドーパントの濃度よりも大きい複数の裏面電界領域と、互いに間隔をあけて配列され、それぞれ複数の第2貫通孔と複数の第1貫通孔を介して複数の裏面電界領域に電気的に接触する複数の裏面電極であって、前記少なくとも2つのサイド領域に位置する複数の裏面電極の幅は中央領域に位置する複数の裏面電極の幅よりも大きい複数の裏面電極と、第2表面に位置し、第2型ドーパントがドープされる第2ドーパント層と、第2ドーパント層に位置し、複数の第3貫通孔を有する第2パッシベーション層と、第2パッシベーション層に位置し、それぞれ前記複数の第3貫通孔に対応する複数の第4貫通孔を有する第2反射防止層と、それぞれ第3貫通孔と第4貫通孔を介して第2ドーパント層に電気的に接触する複数の表面電極と、を備える太陽電池を提供する。
【0009】
本発明の一態様によれば、中央領域の、裏面電極の長手方向に平行する両側は、半導体基板の縁部まで延び、前記少なくとも2つのサイド領域は、それぞれ前記中央領域の、裏面電極の長手方向に垂直な両側に位置し、前記中央領域の面積が第1表面の面積の十分の一〜三分の一を占める。
【0010】
本発明の一態様によれば、前記中央領域の面積は第1表面の面積の十分の一〜五分の一を占める。
【0011】
本発明の一態様によれば、中央領域に位置する複数の裏面電極の幅は30ミクロン〜100ミクロンである。
【0012】
本発明の一態様によれば、前記少なくとも2つのサイド領域に位置する複数の裏面電極の幅は40ミクロン〜250ミクロンである。
【0013】
本発明の一態様によれば、中央領域に位置する複数の裏面電極の幅は30ミクロン〜150ミクロンである。
【0014】
本発明の一態様によれば、前記少なくとも2つのサイド領域に位置する複数の裏面電極の幅は40ミクロン〜250ミクロンである。
【0015】
本発明の一態様によれば、中央領域に位置する複数の裏面電極の幅は互いに同じである。
【0016】
本発明の一態様によれば、前記少なくとも2つのサイド領域に位置する複数の裏面電極の幅は互いに同じである。
【0017】
本発明の一態様によれば、第1表面
において、該中央領域の中央に裏面電極の長手方向に平行する中心線を
定義し、前記複数の裏面電極は中心線に垂直な方向に沿って間隔をあけて配列され、前記複数の裏面電極の幅が中心線から離れるほど大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図5】本発明における第1/第2実施例の太陽電池の断面模式図である。
【
図6】本発明のメッシュプレートプロセスの模式図である。
【
図7】本発明における第1/第2実施例の太陽電池の裏面の平面模式図である。
【
図8】本発明における第3実施例の裏面の平面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図5は本発明の第1実施例の太陽電池の断面模式図であり、太陽電池1は、半導体基板101、第1ドーパント層102、第1パッシベーション層103、第1反射防止層104、複数の裏面電界領域105、複数の裏面電極106、第2ドーパント層107、第2パッシベーション層108、第2反射防止層109及び複数の表面電極110を備える。
【0020】
半導体基板101に第1型ドーパントがドープされ、本実施例において、第1型ドーパントはP型ドーパント(例えばIIIA族元素のホウ素)である。半導体基板101は第1表面1011と第1表面1011に対向する第2表面1012を有し、第1表面1011は中央領域1011aと2つのサイド領域1011bを有し、2つのサイド領域1011bはそれぞれ中央領域1011aの両側に位置する。
【0021】
半導体基板101の第1表面1011に第1ドーパント層102が形成され、第1ドーパント層102にP型ドーパントがドープされ、第1ドーパント層102のP型ドーパントの濃度は半導体基板101のP型ドーパントの濃度よりも大きい。第1パッシベーション層103は第1ドーパント層102に位置し、複数の第1貫通孔103aを有する。第1反射防止層104は第1パッシベーション層103に位置し、それぞれ複数の第1貫通孔103aに対応する複数の第2貫通孔104aを有する。
複数の裏面電界領域105は第1ドーパント層102に形成され、それぞれ複数の第1貫通孔103aに対応し、複数の裏面電界領域105のP型ドーパントの濃度は第1ドーパント層102のP型ドーパントの濃度よりも大きい。複数の裏面電極106は互いに間隔をあけて配列され、それぞれ複数の第2貫通孔104aと複数の第1貫通孔103aを介して複数の裏面電界領域105に電気的に接触する。
【0022】
半導体基板101の第2表面1012に第2ドーパント層107が形成され、第2ドーパント層107に第2型ドーパントがドープされ、本実施例において、第2型ドーパントはN型ドーパント(例えばVA族元素)である。第2パッシベーション層108は第2ドーパント層107に位置し、複数の第3貫通孔108aを有する。第2反射防止層109は第2パッシベーション層108に位置し、それぞれ複数の第3貫通孔108aに対応する複数の第4貫通孔109aを有する。複数の表面電極110はそれぞれ第3貫通孔108aと第4貫通孔109aを介して第2ドーパント層107に電気的に接触する。
【0023】
本実施例において、2つのサイド領域1011bに位置する複数の裏面電極106の幅W1は中央領域1011aに位置する複数の裏面電極の幅W2よりも大きい。
【0024】
図6は、本発明の第1実施例のスクリーン印刷プロセスの模式図であり、本実施例の第1貫通孔103aと第2貫通孔104aとはレーザーアブレーションプロセスにより形成されるものである。複数の第1貫通孔103aと第2貫通孔104aを形成した後に、続いて、第1貫通孔103aと第2貫通孔104aにメッシュプレート印刷によってアルミニウムペーストを充填するプロセスを行う。メッシュプレート99に複数のメッシュ99aが設けられ、各メッシュ99aはそれぞれ第2貫通孔104aに位置合わせされ、このように、ドクターナイフによって、メッシュ99aを介してアルミニウムペーストを第1貫通孔103aと第2貫通孔104aにスクラッチすることができる。
しかし、メッシュ99aと第1貫通孔103a及び第2貫通孔104aとの位置合わせに不可避的な機械位置合わせ誤差が存在し、なお、メッシュプレートに多回使用によって素材疲労が発生し、変形してしまうこともある。このため、実際において、メッシュプレート印刷が完成した後に、一部のレーザーアブレーションによる第1貫通孔103aと第2貫通孔104aにアルミニウムペーストが充填されていないことが頻繁に発生するプロセス欠陥である。更に検討すると、一部のレーザーアブレーションによる第1貫通孔103aと第2貫通孔104aにアルミニウムペーストが充填されていないのは、主にメッシュプレート99のメッシュ99aと第2貫通孔104aとの間に平行ずれ又は回転ずれが発生したためであることが発見された。
【0025】
上記平行ずれと回転ずれは特に半導体基板の両側の箇所に発生しやすく、中央領域に近いほど、平行ずれと回転ずれの発生確率及び頻度が顕著ではなくなる。第1実施例において、2つのサイド領域1011bに位置する複数の裏面電極106の幅W1は中央領域1011aに位置する複数の裏面電極の幅W2よりも大きい。
【0026】
本実施例において、第1ドーパント層102に位置する複数の裏面電界領域105を形成したのは、アルミニウムペーストを第2貫通孔104aと第1貫通孔103aに充填した後に、裏面電極106を形成するには、更に焼結プロセスを行う必要があるためである。
焼結過程において、アルミニウム原子が第1ドーパント層102に拡散し、アルミニウムとホウ素は同様にIIIA族元素に属するため、第1ドーパント層102と裏面電極106の接触箇所にP型ドーピング濃度が部分的に高い領域(Local Back Surface Field)が形成される。これが本実施例における裏面電界領域105であり、これによって、アルミニウム裏面電場と半導体基板との間の表面キャリアの複合効果の低減に寄与し、アルミニウムペーストの焼結による反り及び断片現象を避けることもできる。
【0027】
図7は本発明の第1実施例の裏面の平面模式図である。図に示すように、本実施例における中央領域1011aの、裏面電極106の長手方向に平行する両側は、半導体基板101の縁部101eまで延びる。2つのサイド領域1011bは、それぞれ中央領域1011aの、裏面電極106の長手方向に垂直な両側に位置し、中央領域1011aの面積は第1表面1011の面積の十分の一〜三分の一を占める。
以上のように、中央領域1011aが第1表面1011の面積の十分の一を占め、残りのサイド領域1011bが第1表面1011の面積の十分の九を占めると定義すると、つまり、90%の裏面電極106の幅が拡大され、10%の裏面電極の幅が縮小されるが、幅調整された裏面電極106の総面積は調整前のものと同じであるため、裏面入光による発電量は、裏面電極106の幅の調整に影響されない。
中央領域1011aが第1表面1011の面積の三分の一を占め、残りのサイド領域1011bが第1表面1011の面積の三分の二を占めると定義すると、三分の二の裏面電極106の幅が拡大され、三分の一の裏面電極の幅が縮小されるが、幅調整された裏面電極106の総面積が幅調整前のものと同じであるため、裏面入光による発電量は、裏面電極106の幅の調整に影響されない。
【0028】
裏面電極の幅は、太陽電池パネルによって異なり、且ついずれも均等幅であるため、本実施例における拡大又は縮小は絶対値ではなく、相対的な概念である。例えば、当業者にとって、太陽電池パネルの裏面電極の一般的な幅をXとすると、本実施例が応用される場合、中央領域の裏面電極の幅がXよりも小さく調整されるとともに、中央領域を除いたサイド領域の裏面電極の幅がXよりも大きく調整され、幅調整前後の裏面電極の総面積は変わらない。
【0029】
再び
図7を参照する。本発明は、更に第2実施例を提供し、第2実施例と第1実施例との異なる点は、主に中央領域1011aの面積が第1表面1011の面積の十分の一〜五分の一を占めることにある。中央領域1011aが第1表面1011の面積の五分の一を占めると定義すると、残りのサイド領域1011bが第1表面1011の面積の五分の四を占める。
本実施例において五分の四の裏面電極106の幅が拡大され、五分の一の裏面電極106の幅が縮小されるが、幅調整された裏面電極106の総面積が幅調整前のものと同じであるため、裏面入光による発電量は、裏面電極106の幅の調整に影響されない。
【0030】
一実施態様では、中央領域1011aに位置する複数の裏面電極106の幅W2は30ミクロン〜100ミクロンである。太陽電池の種類に応じて、中央領域1011aにおける複数の裏面電極106を30ミクロンに調整すれば、中央領域1011aにおけるすべての裏面電極106の幅はいずれも30ミクロンであり、中央領域1011aにおける複数の裏面電極106を100ミクロンに調整すれば、中央領域1011aにおけるすべての裏面電極106の幅はいずれも100ミクロンである。このとき、サイド領域1011bに位置する複数の裏面電極106の幅W1は40ミクロン〜250ミクロンである。例えば、太陽電池の種類に応じて、中央領域1011aにおける複数の裏面電極106を30ミクロンに調整し、サイド領域1011bの複数の裏面電極106をいずれも40ミクロン又はそれ以上に調整してもよい。同様に、太陽電池の種類に応じて、中央領域1011aにおけるすべての裏面電極106の幅W2をいずれも100ミクロンに調整し、サイド領域1011bの複数の裏面電極106をいずれも150ミクロン又はそれ以上、例えば250ミクロンに調整してもよい。
【0031】
一実施態樣において、中央領域1011aに位置する複数の裏面電極106の幅W2は30ミクロン〜150ミクロンである。太陽電池の種類に応じて、中央領域1011aにおける複数の裏面電極106を30ミクロンに調整すれば、中央領域1011aにおけるすべての裏面電極106の幅はいずれも30ミクロンであり、中央領域1011aにおける複数の裏面電極106を150ミクロンに調整すれば、中央領域1011aにおけるすべての裏面電極106の幅はいずれも150ミクロンである。このとき、サイド領域1011bに位置する複数の裏面電極106の幅W1は40ミクロン〜250ミクロンである。例えば、太陽電池の種類に応じて、中央領域1011aにおける複数の裏面電極106を30ミクロンに調整し、サイド領域1011bの複数の裏面電極106をいずれも40ミクロン又はそれ以上に調整してもよい。同様に、太陽電池の種類に応じて、中央領域1011aにおけるすべての裏面電極106の幅W2をいずれも150ミクロンに調整し、サイド領域1011bの複数の裏面電極106をいずれも180ミクロン又はそれ以上、例えば250ミクロンに調整してもよい。
【0032】
図8は本発明の第3実施例の裏面の平面模式図であり、本実施例と第1実施例及び第2実施例との異なる点は、主に中央領域1011aに位置する裏面電極106の幅が等しくなく、サイド領域1011bに位置する裏面電極106の幅も等しくない。図に示すように、サイド領域1011bの最も外側に位置する裏面電極106の幅はW1aであり、それに隣接し且つ同様にサイド領域1011bに位置する裏面電極106の幅はW1bであり、W1aはW1bよりも大きく、よって、中央領域に近いほど裏面電極106の幅が小さくなる。同様に、中央領域1011aの最も中間に位置する裏面電極106の幅はW2aであり、それに隣接し且つ同様に中央領域1011aに位置する裏面電極106の幅はW2bであり、W2bはW2aよりも大きく、よって、サイド領域1011bに近く、中央から離れるほど、裏面電極106の幅が広くなる。
本実施例の一態様において、裏面電極106の幅は、サイド領域1011bの最も外側に位置する裏面電極106の幅W1aから中央領域1011aの最も中間に位置する裏面電極106の幅W2aまで線形的に減少し、つまり、隣接する裏面電極106の幅差は一定である。
【0033】
上記の実施例において、すべての裏面電極106の総面積は幅調整の前後において同じであるが、太陽電池の裏面入光の発電量を無視すれば、幅調整後のすべての裏面電極106の総面積を幅調整前のすべての裏面電極106の総面積よりも大きく又は小さくしてもよい。
【0034】
上述の説明は、単に本発明の最良の実施例を挙げたまでであり、本発明を限定しない。その他本発明の開示する要旨を逸脱することなく完成された同等効果の修飾または置換はいずれも後述の特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0035】
1 太陽電池
101 半導体基板
101e 半導体基板の縁部
1011 第1表面
1011a 中央領域
1011b サイド領域
1012 第2表面
102 第1ドーパント層
103 第1パッシベーション層
103a 第1貫通孔
104 第1反射防止層
104a 第2貫通孔
105 裏面電界領域
106 裏面電極
107 第2ドーパント層
108 第2パッシベーション層
108a 第3貫通孔
109 第2反射防止層
109a 第4貫通孔
110 表面電極
2 太陽電池
91 裏面電極
92 エッチング孔
99 メッシュプレート
99a メッシュ