特許第6127209号(P6127209)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6127209アレイ基板、その製造方法及びフラットパネル表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6127209
(24)【登録日】2017年4月14日
(45)【発行日】2017年5月10日
(54)【発明の名称】アレイ基板、その製造方法及びフラットパネル表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20170424BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20170424BHJP
   G02F 1/1345 20060101ALI20170424BHJP
   G02F 1/1362 20060101ALN20170424BHJP
【FI】
   G09F9/30 330
   G09F9/00 338
   G02F1/1345
   !G02F1/1362
【請求項の数】14
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-520231(P2016-520231)
(86)(22)【出願日】2013年7月1日
(65)【公表番号】特表2016-528525(P2016-528525A)
(43)【公表日】2016年9月15日
(86)【国際出願番号】CN2013078559
(87)【国際公開番号】WO2014205858
(87)【国際公開日】20141231
【審査請求日】2015年12月25日
(31)【優先権主張番号】201310253734.6
(32)【優先日】2013年6月24日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515203228
【氏名又は名称】深▲せん▼市華星光電技術有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(72)【発明者】
【氏名】柴立
【審査官】 小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−140378(JP,A)
【文献】 特開2007−142061(JP,A)
【文献】 特開2010−217932(JP,A)
【文献】 特開2007−086474(JP,A)
【文献】 特開2007−142387(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0157364(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0137016(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00−46
G02F 1/13−1/1335
1/13363−1/141
H01L 27/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクティブエリアと、該アクティブエリアを囲繞する非アクティブエリアとを具え、該非アクティブエリアに複数のFOコードが扇形状に分布して設けられ、
複数の該FOコードがそれぞれ所定の長さを有し、かつ該扇形状の中心から端縁部に向かって、該FOコードの該所定の長さが徐々に長くなるアレイ基板であって、
該FOコードが、ガラス基板上に形成され、かつ該FOコードの延伸する方向に沿って間隔を置いて設けられる所定の数の第1金属ストラップ状部と、
それぞれの該第1金属ストラップ状部を覆い、かつ該第1金属ストラップ状部を覆う位置に第1通過孔と第2通過孔とを形成した絶縁層と、
該絶縁層上に形成され、該第1通過孔と第2通過孔とを介して該第1金属ストラップ状部に接触する第2金属ストラップ状部と、を含んでなり、
それぞれの該第1金属ストラップ状の長さが該FOコードの所定の長さより短く、
該第2金属ストラップ状部の長さが該FOコードの所定の長さと等しく、
複数の該FOコードの該第1金属ストラップ状部の長さが該扇形状の中心から端縁部に向って徐々に長くなり、かつ該第1金属ストラップ状部の所定の数が該扇形状の中心から端縁部に向って徐々に減少し、それぞれの該FOコードの抵抗の一致を保持する
ことを特徴とするアレイ基板。
【請求項2】
請求項1に記載のアレイ基板において、
前記FOコードが、該第2金属ストラップ状部を覆う純化層を含む
ことを特徴とするアレイ基板。
【請求項3】
請求項1に記載のアレイ基板において、
前記複数の第1金属ストラップ状部の長さがそれぞれ等しい
ことを特徴とするアレイ基板。
【請求項4】
請求項3に記載のアレイ基板において、
前記複数の第1金属ストラップ状部が、それぞれ等しい距離の間隔を置いて設けられる
ことを特徴とするアレイ基板。
【請求項5】
請求項1に記載のアレイ基板において、
前記複数のFOコードが、それぞれ等しい線の幅を有する
ことを特徴とするアレイ基板。
【請求項6】
ガラス基板上に第1金属層を形成し、かつ該第1金属層を扇形状に分布する複数の第1金属線にし、該複数の第1金属線が所定の数の第1金属ストラップ状部を含み、且つそれぞれの該第1金属ストラップ状部が間隔を置いて設けられるとともに、該複数の第1金属線の該第1金属ストラップ状部は長さが該扇形状の中心から端縁部に向って徐々に長くなり、かつ該扇形状の中心から端縁部に向って徐々に所定の数が減少し、
該複数の第1金属線上に絶縁層を形成するとともに、該絶縁層の該第1金属ストラップ状部を覆う位置に第1通過孔と第2通過孔とを形成し、
該絶縁層上に第2金属層を形成し、且つ該第2金属層を、該第1通過孔と第2通過孔とを介して第1金属線の該第1金属ストラップ状部に接触するとともに、長さが該第1金属ストラップ状部の長さより長いか、又は等しい複数の第2金属ストラップ状部にする
ことを特徴とするアレイ基板の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載のアレイ基板の製造方法において、
前記第2金属ストラップ状部上に純化層を形成する
ことを特徴とするアレイ基板の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載のアレイ基板の製造方法において、
前記複数の第1金属ストラップ状部の長さがそれぞれ等しい
ことを特徴とするアレイ基板の製造方法。
【請求項9】
請求項8に記載のアレイ基板の製造方法において、
前記複数の第1金属ストラップ状部が、それぞれ等しい距離の間隔を置いて設けられる
ことを特徴とするアレイ基板の製造方法。
【請求項10】
アレイ基板を含んでなるフラットパネル表示装置であって、
該アレイ基板が、アクティブエリアと、該アクティブエリアを囲繞する非アクティブエリアとを具え、該非アクティブエリア複数のFOコードが扇形状に分布して設けられ、
複数の該FOコードがそれぞれ所定の長さを有し、かつ該扇形状の中心から端縁部に向かって、該FOコードの該所定の長さが徐々に長くなるアレイ基板であって、
該FOコードが、ガラス基板上に形成され、かつ該FOコードの延伸する方向に沿って間隔を置いて設けられる所定の数の第1金属ストラップ状部と、
それぞれの該第1金属ストラップ状部を覆い、かつ該第1金属ストラップ状部を覆う位置に第1通過孔と第2通過孔とを形成した絶縁層と、
該絶縁層上に形成され、該第1通過孔と第2通過孔とを介して該第1金属ストラップ状部に接触する第2金属ストラップ状部と、を含んでなり、
それぞれの該第1金属ストラップ状の長さが該FOコードの所定の長さより短いく
該第2金属ストラップ状部の長さが該FOコードの所定の長さと等しく、
複数の該FOコードの該第1金属ストラップ状部の長さが該扇形状の中心から端縁部に向って徐々に長くなり、かつ該第1金属ストラップ状部の所定の数が該扇形状の中心から端縁部に向って徐々に減少し、それぞれの該FOコードの抵抗の一致を保持する
ことを特徴とするフラットパネル表示装置。
【請求項11】
請求項10に記載のフラットパネル表示装置において、
前記FOコードが該第2金属ストラップ状部を覆う純化層をさらに含む
ことを特徴とするフラットパネル表示装置。
【請求項12】
請求項10に記載のフラットパネル表示装置において、
前記複数の第1金属ストラップ状部が、それぞれ等しい線の幅を有する
ことを特徴とするフラットパネル表示装置。
【請求項13】
請求項12に記載のフラットパネル表示装置において、
前記複数の第1金属ストラップ状部が、それぞれ等しい距離の間隔を置いて設けられる
ことを特徴とするフラットパネル表示装置。
【請求項14】
請求項10に記載のフラットパネル表示装置において、
前記複数のFOコードが、それぞれ等しい線の幅を有する
ことを特徴とするフラットパネル表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、フラットパネルディスプレイ技術に関し、特に、アレイ基板と、その製造方法と、及びフラットパネル表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置に対する人々のニーズは日増しに高まり、フラットパネル表示装置は広く普及した。このため、LCD、OLEDなどの業界は急速に発展を遂げた。
【0003】
アレイ基板はフラットパネル表示装置の重要な構成部分であって、アクティブエリアと、アクティブエリアを囲繞する非アクティブエリアとを具える。アクティブエリアには走査線とデータ線とによる信号線が具えられ、非アクティブエリアには扇形状に分布するFOコードが設けられる。信号線はFOコードに対応して接続し、FOコードを介して外周のチップに接続する。
【0004】
但し、それぞれのFOコードの長さが異なり、且つ幅が同一であるという状況下にあっては、扇形状の中央部に位置するFOコードは、扇形状の端縁部に位置するFOコードに比して抵抗が小さくなる。このため、チップに出力する信号が信号線に至ると同期を保持することができなくなり表示が不均一になるという現象を招く。
【0005】
図1、2に従来のFOコードの構造を開示する。図1には、FOコードは3本だけ開示した。図面の開示によれば、FOコード11、FOコード12、FOコード13は扇形状に分布し、かつFOコード12が扇形状の中心に位置して、FOコード11とFOコード13とは、それぞれ扇形状の端縁部に位置する。FOコード11とFOコード13とは長さが同じである。FOコード12は曲がりくねる方式を以て有効な長さを増加させて、FOコード11、FOコード13に対して長さを一致させる。
【0006】
図2は、図1に開示するA−A線に沿った断面図である。図面に開示するように、FOコード12は、第1金属層121と、絶縁層122と、第2金属層123と、純化層124とを積層し、アレイ製造工程を施して得る。信号が入力すると、第1金属層121と第2金属層123とに均等な二つの並列した抵抗が生成される。FOコード11とFOコード13とFOコード12の内部構造は同様である。
【0007】
それぞれのFOコードは、同様の構造を有し、長さも一致をしている。よって、FOコード11、FOコード12、FOコード13の抵抗も同等である。但し、従来の技術ではその製造工程に制限があり、FOコード12の曲がりくねる部分が分散する。このためFOコード12の高さが増し、非アクティブエリアの占める面積が増大する。したがって、フラットパネル表示装置の表示領域のフレームを狭くするという設計には不利となり、アレイ基板の利用率を下げることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明は、それぞれのFOコード長さが異なる状況下でそれぞれ同等の抵抗値を保持することで、FOコードの高さを低くし、アレイ基板の利用率を高め、フラットパネル表示装置の表示領域のフレームを狭くする設計に有利なアレイ基板、その製造方法、及びフラットパネル表示装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、発明人は従来の技術に見られる欠点に鑑み鋭意研究を重ねた結果、
アクティブエリアと、該アクティブエリアを囲繞する非アクティブエリアとを具え、該非アクティブエリアに複数のFOコードが扇形状に分布して設けられ、
複数の該FOコードがそれぞれ所定の長さを有し、かつ該扇形状の中心から端縁部に向かって、該FOコードの該所定の長さが徐々に長くなるアレイ基板であって、
該FOコードが、ガラス基板上に形成され、かつ該FOコードの延伸する方向に沿って間隔を置いて設けられる所定の数の第1金属ストラップ状部と、
それぞれの該第1金属ストラップ状部を覆い、かつ該第1金属ストラップ状部を覆う位置に第1通過孔と第2通過孔とを形成した絶縁層と、
該絶縁層上に形成され、該第1通過孔と第2通過孔とを介して該第1金属ストラップ状部に接触する第2金属ストラップ状部と、を含んでなり、
それぞれの該第1金属ストラップ状の長さが該FOコードの所定の長さより短く
該第2金属ストラップ状部の長さが該FOコードの所定の長さと等しく、
複数の該FOコードの該第1金属ストラップ状部の長さが該扇形状の中心から端縁部に向って徐々に長くなり、かつ該第1金属ストラップ状部の所定の数が該扇形状の中心から端縁部に向って徐々に減少し、それぞれの該FOコードの抵抗の一致を保持するアレイ基板と、
係るアレイ基板を含んでなるフラットパネル表示装置と、
そのアレイ基板の製造方法によって課題を解決できる点に鑑み、係る知見に基づいて本発明を完成させた。

【0010】
以下、この発明について説明する。
請求項1に記載するアレイ基板は、
アクティブエリアと、該アクティブエリアを囲繞する非アクティブエリアとを具え、該非アクティブエリアに複数のFOコードが扇形状に分布して設けられ、
複数の該FOコードがそれぞれ所定の長さを有し、かつ該扇形状の中心から端縁部に向かって、該FOコードの該所定の長さが徐々に長くなるアレイ基板であって、
該FOコードが、ガラス基板上に形成され、かつ該FOコードの延伸する方向に沿って間隔を置いて設けられる所定の数の第1金属ストラップ状部と、
それぞれの該第1金属ストラップ状部を覆い、かつ該第1金属ストラップ状部を覆う位置に第1通過孔と第2通過孔とを形成した絶縁層と、
該絶縁層上に形成され、該第1通過孔と第2通過孔とを介して該第1金属ストラップ状部に接触する第2金属ストラップ状部と、を含んでなり、
それぞれの該第1金属ストラップ状の長さが該FOコードの所定の長さより短
該第2金属ストラップ状部の長さが該FOコードの所定の長さと等しく、
複数の該FOコードの該第1金属ストラップ状部の長さが該扇形状の中心から端縁部に向って徐々に長くなり、かつ該第1金属ストラップ状部の所定の数が該扇形状の中心から端縁部に向って徐々に減少し、それぞれの該FOコードの抵抗の一致を保持する。
【0011】
請求項2に記載するアレイ基板は、請求項1における記FOコードが、該第2金属ストラップ状部を覆う純化層を含む。
【0012】
請求項3に記載するアレイ基板は、請求項1における複数の第1金属ストラップ状部の長さがそれぞれ等しい。
【0013】
請求項4に記載するアレイ基板は、請求項3における複数の第1金属ストラップ状部が、それぞれ等しい距離の間隔をおいて設けられる。
【0014】
請求項5に記載するアレイ基板は、請求項1における複数のFOコードが、それぞれ等しい線の幅を有する。
【0015】
請求項6に記載するアレイ基板の製造方法は、
ガラス基板上に第1金属層を形成し、かつ該第1金属層を扇形状に分布する複数の第1金属線にし、該複数の第1金属線が所定の数の第1金属ストラップ状部を含み、且つそれぞれの該第1金属ストラップ状部が間隔を置いて設けられるとともに、該複数の第1金属線の該第1金属ストラップ状部は長さが該扇形状の中心から端縁部に向って徐々に長くなり、かつ該扇形状の中心から端縁部に向って徐々に所定の数が減少し、
該複数の第1金属線上に絶縁層を形成するとともに、該絶縁層の該第1金属ストラップ状部を覆う位置に第1通過孔と第2通過孔とを形成し、
該絶縁層上に第2金属層を形成し、且つ該第2金属層を、該第1通過孔と第2通過孔とを介して第1金属線の該第1金属ストラップ状部に接触するとともに、長さが該第1金属ストラップ状部の長さより長いか、又は等しい複数の第2金属ストラップ状部にする。

【0016】
請求項7に記載するアレイ基板の製造方法は、請求項6における第2金属ストラップ状部上に純化層を形成する。
【0017】
請求項8に記載するアレイ基板の製造方法は、請求項7における複数の第1金属ストラップ状部の長さがそれぞれ等しい。
【0018】
請求項に9記載するアレイ基板の製造方法は、請求項8における複数の第1金属ストラップ状部が、それぞれ等しい距離の間隔をおいて設けられる。
【0019】
請求項10に記載するフラットパネル表示装置は、
アレイ基板を含んでなるフラットパネル表示装置であって、
該アレイ基板が、アクティブエリアと、該アクティブエリアを囲繞する非アクティブエリアとを具え、該非アクティブエリア複数のFOコードが扇形状に分布して設けられ、
複数の該FOコードがそれぞれ所定の長さを有し、かつ該扇形状の中心から端縁部に向かって、該FOコードの該所定の長さが徐々に長くなるアレイ基板であって、
該FOコードが、ガラス基板上に形成され、かつ該FOコードの延伸する方向に沿って間隔を置いて設けられる所定の数の第1金属ストラップ状部と、
それぞれの該第1金属ストラップ状部を覆い、かつ該第1金属ストラップ状部を覆う位置に第1通過孔と第2通過孔とを形成した絶縁層と、
該絶縁層上に形成され、該第1通過孔と第2通過孔とを介して該第1金属ストラップ状部に接触する第2金属ストラップ状部と、を含んでなり、
それぞれの該第1金属ストラップ状の長さが該FOコードの所定の長さより短く
該第2金属ストラップ状部の長さが該FOコードの所定の長さと等しく、
複数の該FOコードの該第1金属ストラップ状部の長さが該扇形状の中心から端縁部に向って徐々に長くなり、かつ該第1金属ストラップ状部の所定の数が該扇形状の中心から端縁部に向って徐々に減少し、それぞれの該FOコードの抵抗の一致を保持する。
【0020】
請求項11に記載するフラットパネル表示装置は、請求項10におけるFOコードが該第2金属ストラップ状部を覆うさらに純化層を含む。
【0021】
請求項12に記載するフラットパネル表示装置は、請求項10における複数の第1金属ストラップ状部が、それぞれ等しい線の幅を有する。
【0022】
請求項13に記載するフラットパネル表示装置は、請求項12における複数の第1金属ストラップ状部が、それぞれ等しい距離の間隔をおいて設けられる。
【0023】
請求項14に記載するフラットパネル表示装置は、請求項10における複数のFOコードが、それぞれ等しい線の幅を有する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】従来の扇形状のFOコードの構造を示した説明図である。
図2図1に開示するA−A線に沿った断面の構造を示した説明図である。
図3】この発明によるアレイ基板の非アクティブエリアにおけるFOコードの構造を示した説明図である。
図4図3に開示するB−B線に沿った断面の構造を示した説明図である。
図5図4に開示するFOコードの等価回路を示した説明図である。
図6】この発明によるアレイ基板の製造方法を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
この発明は、FOコードの高さを低くし、アレイ基板の利用率を高め、フラットパネル表示装置の表示領域のフレームを狭くする設計に有利なアレイ基板、その製造方法、及びフラットパネル表示装置を提供するものであって、
該アレイ基板は、
アクティブエリアと、該アクティブエリアを囲繞する非アクティブエリアとを具え、該非アクティブエリアに複数のFOコードが扇形状に分布して設けられ、
複数の該FOコードがそれぞれ所定の長さを有し、かつ該扇形状の中心から端縁部に向かって、該FOコードの該所定の長さが徐々に長くなるアレイ基板であって、
該FOコードが、ガラス基板上に形成され、かつ該FOコードの延伸する方向に沿って間隔を置いて設けられる所定の数の第1金属ストラップ状部と、
それぞれの該第1金属ストラップ状部を覆い、かつ該第1金属ストラップ状部を覆う位置に第1通過孔と第2通過孔とを形成した絶縁層と、
該絶縁層上に形成され、該第1通過孔と第2通過孔とを介して該第1金属ストラップ状部に接触する第2金属ストラップ状部と、を含んでなり、
それぞれの該第1金属ストラップ状の長さが該FOコードの所定の長さより短く
該第2金属ストラップ状部の長さが該FOコードの所定の長さと等しく、
複数の該FOコードの該第1金属ストラップ状部の長さが該扇形状の中心から端縁部に向って徐々に長くなり、かつ該第1金属ストラップ状部の所定の数が該扇形状の中心から端縁部に向って徐々に減少し、それぞれの該FOコードの抵抗の一致を保持する。
係るアレイ基板、その製造方法、及びフラットパネル表示装置について、その特徴を説明するために、具体的な例を挙げ、図面を参照にして以下に詳述する。

【実施例】
【0026】
図3に、この発明によるアレイ基板の非アクティブエリアにおけるFOコードの実施例の構造を開示する。図面の開示によれば、アレイ基板はアクティブエリアと非アクティブエリアとを具え、非アクティブエリアはアクティブエリアを囲繞する。アクティブエリアには信号線が具えられ、非アクティブエリアには複数のFOコードを扇形状に分布して設ける。該信号線はFOコードに対応して接続して外部から信号を入力する経路となる。それぞれのFOコードは所定の長さを有し、扇形状の中心から端縁部に向かって、FOコードの該所定の長さが徐々に長くなる。実施例においてそれぞれのFOコードは同一の線の幅を有する。
【0027】
図3にはFOコード21、FOコード22、FOコード23の3本のみ開示するが、但し、設けるFOコードの数はこれに限らないことは、理解できるはずである。FOコード22は扇形状の中心に位置し、FOコード21、FOコード23は扇形状の端縁部に位置する。
【0028】
FOコード21、FOコード22、FOコード23の3本のFOコードはいずれも所定の長さを有し、FOコード22の所定の長さLはFOコード21、FOコード23に比して短い。
【0029】
図4に、図3に開示するB−B線に沿った断面の構造を示す。図面に開示するように、FOコード22は第1金属ストラップ状部221と、絶縁層222と、第2金属ストラップ状部223とを含む。
【0030】
第1金属ストラップ状部221は所定の数だけ具えられ、ガラス基板(図示しない)上に位置する。所定の数の第1金属ストラップ状部221は、FOコード22の延伸する方向に沿って間隔をおいて設ける。それぞれの第1金属ストラップ状部221の長さdは、所定の長さLと等しいか、もしくは所定の長さLより短い。
【0031】
FOコード22の所定の長さLの制限によって、第1金属ストラップ状部221の長さdが所定の長さLに近づくに連れて第1金属ストラップ状部221は所定の数は少なくなる。仮に第1金属ストラップ状部221の長さdが所定の長さLに等しければ、第1金属ストラップ状部221の所定の数は1となる。実施例において、それぞれの第1金属ストラップ状部221の長さdは同等である。また、それぞれの第1金属ストラップ状部221を設ける間隔も同等である。
【0032】
絶縁層222は、第1金属ストラップ状部221を覆う。また絶縁層222がそれぞれの第1金属ストラップ状部222を覆う位置には第1通過孔2221と第2通過孔2222とを形成する。隣り合う二本の第1金属ストラップ状部221の間において、絶縁層はガラス基板(図示しない)を覆う。
【0033】
第2金属ストラップ状部223は絶縁層222上に位置し、かつ第1通過孔221と第2通過孔222とを介してそれぞれの第1金属ストラップ状部221に接触する。第2金属ストラップ状部223の長さは所定の長さLと等しい。
【0034】
FOコード21とFOコード23との内部構造は、FOコード22の内部構造と同様であるが、但し、FOコード21とFOコード23との第1金属ストラップ状部221の長さがFOコード22の第1金属状態部221の長さdよりも長い。また、FOコード21とFOコード23とは、FOコード22と絶縁層222を共有する。
【0035】
3本、又はそれ以上の本数のFOコードについて言えば、複数のFOコードの第1金属ストラップ状部221の長さは、扇形状の中心から端縁部に向かって徐々に長くなり、所定の数は同一方向に向かって徐々に少なくなり、これを以ってそれぞれのFOコードの抵抗値の一致性を保持する。
【0036】
他の実施の形態において、FOコードはさらに純化層224を含む。純化層224は第2金属ストラップ状部223を覆い、第2金属ストラップ状部223の摩耗、及び腐食に対する耐性を増強する。
【0037】
図2図5を参照にして説明する。図4にはFOコードの等価回路を開示する。図4には2つの第1金属ストラップ状部221を開示し、これに対応して図5に2つの抵抗R1を開示する。それぞれの第1金属ストラップ状部221は第1通過孔2221と第2通過孔2222とを介して第2金属ストラップ状部223に接触する。即ち、第1金属ストラップ状部221と第2金属ストラップ状部223とは部分的に並列しているといえる。これに対応して図5には抵抗R1と抵抗R21と抵抗23とが並列された状態を開示する。
【0038】
第2金属ストラップ部223は、すべての部分が第1金属ストラップ状部221と接触しているのではない。接触していない部分が、図5に開示する抵抗R22に当たる。即ち、抵抗R21、抵抗R22、抵抗R23とは第2金属ストラップ状部223の抵抗である。
【0039】
FOコード22の等価回路と図2に開示するFOコード12の等価回路とを比較すると、仮に従来の技術において、FOコード12の上下絶縁された2層の金属の抵抗がそれぞれR1′とR2′でなくとも、その等価回路はR1′とR2′との並列であって、R1′はR1より大きいことが分かる。
【0040】
図4に開示するFOコード22の第2金属ストラップ状部223の長さが所定の長さLと等しいため、R2とR2′はかなり近いものとなり、R2=R2′=R21+R22+R23と言える。
【0041】
図2に開示するFOコード12の等価抵抗は、数1の通りである。
【0042】
【数1】
【0043】
同等の長さの条件下において、第2金属層123の厚さは、通常第1金属層123の厚さより小さい。このため、抵抗は、数2によって得られ、即ちR’≦R2/2である。
【0044】
【数2】
【0045】
図5に開示するFOコード22の等価抵抗は、数3の通りである。
【0046】
【数3】
【0047】
仮に、第1金属ストラップ状部221の長さdを調整して一定値より短くした場合、R22はR2の半分を超え、RoはR2/2より大きくなる。即ち、R≧R'となる。したがって、同等の長さの条件下において、合理的に第1金属ストラップ状部221の長さdを調整することによって、FOコード22の抵抗値とFOコード12の抵抗値を一致させ、かつ保持することができる。
【0048】
また、FOコード22の第1金属ストラップ状部221の長さdが長くなった場合、第2金属ストラップ状部223と第1金属トラップ状部221とが接触しない部分の長さが縮減し抵抗R22が減少し、ここからRoが減少する。これは、FOコード21、FOコード23の所定の長さがFOコード22の所定の長さLより長いが、但しFOコード21、FOコード23の長さを長くすることによってFOコード21又はFOコード23の抵抗を減少させることができることを表わし、ここからFOコード22の抵抗の一致性を保持することができる。
【0049】
この発明は、実施例から明らかなように、アレイ基板に対してそれぞれのFOコードの第1金属ストラップ状部の長さを調整し、それぞれのFOコードの長さが異なるという状況下で抵抗の一致性を保持することができ、アレイ基板の利用率を高めることができ、ラットパネル表示装置の表示領域のフレームを狭くする設計に有利となる。
【0050】
この発明は、さらにフラットパネル表示装置を提供する。この発明によるフラットパネル表示装置は上述する実施例のアレイ基板を含んでなる。フラットパネル表示装置のその他部分に関しては、従来の技術に多く表わされているので、ここでは説明を割愛する。
【0051】
図6に、この発明によるアレイ基板の製造方法を開示する。図面に開示するように、この発明によるアレイ基板の製造方法は、次に掲げるステップを含んでなる。
【0052】
S31のステップにおいて、ガラス基板上に第1金属層を形成し、該第1金属層を扇形状に分布した複数の第1金属線にする。それぞれの該金属線は、所定の数の第1金属ストラップ状部を含み、それぞれの第1金属ストラップ状部は間隔を置いて設ける。複数の該金属線の該第1金属ストラップ状部の長さは、扇形状中心から端縁部に向かう方向に沿って徐々に長くなり、所定の数は該方向に沿って徐々に減少する。該第1金属層は。蒸着などの技術で形成する。
【0053】
該第1金属層を形成した後。ウエットエッチングなどの技術で該第1金属層を扇形状に分布した複数の該第1金属線にする。それぞれの該第1金属線は間隔を置いて所定の数だけ設ける該金属ストラップ状部を含む。即ち、該第1金属線は連続したものではない。
【0054】
それぞれの該第1金属線の該第1金属ストラップ状部の所定の数は同一ではなく、該第1金属ストラップ状部の長さが長くなるに連れて所定の数は少なくなる。実施例において、それぞれの該第1金属線の該第1金属ストラップ状部の長さは同一であって、それぞれの該第1金属状部を設ける間隔も同等の距離とする。
【0055】
次いで、S33のステップにおいて該絶縁層上に第2金属層を形成し、かつ該第2金属層を複数の第2金属ストラップ状部とする。それぞれの第2金属ストラップ状部は、第1通過孔と第2通過とを介して該第1金属線の該第1金属ストラップ状部と接触する。該第2金属ストラップ状部の長さは該第1金属ストラップ状部より長くするか、もしくは同等とする。
【0056】
次いで、S33のステップにおいて該絶縁層上に第2金属層を形成し。かつ該第2金属層を複数の第2金属ストラップ状部とする。それぞれの第2金属ストラップ状部は、第1通過孔と第2通過とを介して該第1金属線の該第1金属ストラップ状部と接触する。該第2金属ストラップ状部の長さは該第1金属ストラップ状部より長くするか、もしくは同等とする。
【0057】
第2金属層は蒸着などの技術で形成し、k該第2金属層を形成した後、ウエットエッチングの技術で該第2金属層を第2金属ストラップ状部にする。該第2金属ストラップ状部の線の幅は絶縁ストラップ状部の線の幅と同等とする。
【0058】
該第2金属ストラップ状部の長さはFOコードの長さであって、第1金属ストラップ状部の長さは該第2金属ストラップ状部の長さと同等とする。この場合、該第1金属巣Yトラップ状部の所定の数は1であって、かつ該第1金属ストラップ状部と該第2金属ストラップ状部とは並列する。
【0059】
S33のステップの後は、該第2金属ストラップ状部上に純化層を形成するステップを含む。該第2金属ストラップ状部上の該純可層は、該第2金属ストラップ状部に対して保護の作用を有する。
【0060】
上述する製造法によって、この発明のアレイ基板、その製造方法、及びフラットパネル表示装置は、該絶縁層がそれぞれの該第1金属ストラップ状部を覆う位置に該第1通過孔と該第2通過孔とを形成し、該第1通過孔と該第2通過孔を介して該第2金属ストラップ状部が該第1金属ストラップ状部に接触し、それぞれのFOコードの該第1金属ストラップ状部の長さを調整することで、それぞれのFOコードの長さが異なるという状況下において、それぞれの抵抗の一致を保持するという目的を達成する。このため、FOコードの高さを下げて、アレイ基板の利用率を高めることができ、フラットパネル表示装置の表示領域のフレームを狭くする設計に有利となる。
【0061】
以上はこの発明の好ましい実施の形態であって、この発明の実施の範囲を限定するものではない、よって、当業者の成し得る修正、もしくは変更であって、この発明の精神の下においてなされ、この発明に対して均等の効果をゆうするものは、いずれもこの発明の特許請求の範囲に含まれるものする。
【符号の説明】
【0062】
11 FOコード
12 FOコード
121 第1金属層
122 絶縁層
123 第2金属層
124 純化層
13 FOコード
21 FOコード
22 FOコード
221 第1金属ストラップ状部
222 絶縁層
2221 第1通過孔
2222 第2通過孔
223 第2金属ストラップ状部
224 純化層
23 FOコード
d 長さ
L 所定の長さ
R1 抵抗
R21 抵抗
R22 抵抗
R23 抵抗
図1
図2
図3
図4
図5
図6