特許第6127246号(P6127246)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6127246物々交換をクーポンを介して現金化するクーポン流通仲介システムおよびクーポン流通仲介装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6127246
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】物々交換をクーポンを介して現金化するクーポン流通仲介システムおよびクーポン流通仲介装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/08 20120101AFI20170508BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20170508BHJP
【FI】
   G06Q20/08 302
   G06Q30/02 320
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-272414(P2012-272414)
(22)【出願日】2012年12月13日
(65)【公開番号】特開2014-119805(P2014-119805A)
(43)【公開日】2014年6月30日
【審査請求日】2015年12月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】506304831
【氏名又は名称】キズナジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103872
【弁理士】
【氏名又は名称】粕川 敏夫
(72)【発明者】
【氏名】高崎 義一
【審査官】 毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−108078(JP,A)
【文献】 特開2002−133272(JP,A)
【文献】 特開2002−140535(JP,A)
【文献】 特開2010−152753(JP,A)
【文献】 特開2011−209778(JP,A)
【文献】 特開2007−011852(JP,A)
【文献】 特開2006−285998(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0224453(US,A1)
【文献】 特開平09−161150(JP,A)
【文献】 米国特許第05903875(US,A)
【文献】 特開2001−357233(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品提供者が商品提供の対価としてクーポン発行者からクーポンを受け取ると共に、当該クーポンをクーポン購入者に対して販売して換金するシステムであって、
前記商品提供者が使用するシステム管理装置と、前記クーポン購入者が使用するクーポン購入者端末と、がネットワークを介して通信可能に構成され、
前記システム管理装置が、
前記商品提供者との間で商品代金の全部または一部をクーポンで決済することに同意している前記クーポン発行者と、前記クーポン発行者が前記商品提供者に対して発行したクーポンに関する情報を記憶したクーポン発行者情報記憶手段と、
前記商品提供者が、前記クーポン発行者から商品提供の対価として取得したクーポンに関する情報を記憶したクーポン情報記憶手段と、
前記商品提供者からクーポンを購入する前記クーポン購入者に関する情報を記憶したクーポン購入者情報記憶手段と、
前記クーポン購入者による前記クーポンの購入履歴を記憶する購買履歴情報記憶手段と、
前記商品提供者が前記クーポン発行者に商品を提供した場合に、商品提供の対価として前記クーポンを前記クーポン発行者から取得するクーポン取得手段と、
前記商品提供者が取得したクーポンを前記クーポン情報記憶手段に登録する取得クーポン登録手段と、
前記システム管理装置が開設するウェブサイト上において、前記クーポン購入者情報記憶手段に記憶されている前記クーポン購入者からクーポンの購入申込を受け付けると共に、当該クーポンと当該クーポンの購入履歴とを購買履歴情報記憶手段に登録し、前記クーポン購入者端末に対して当該クーポンを送信可能とするクーポン販売手段と、
を備えることを特徴とするクーポン流通仲介システム。
【請求項2】
クーポンの需給実績を含む参考情報に基づいてクーポンの価値を評価するクーポン価値評価手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のクーポン流通仲介システム。
【請求項3】
電子データからなるクーポンを印刷するクーポン印刷手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のクーポン流通仲介システム。
【請求項4】
発行されるクーポンの対象は、クーポン発行者にとって従来ロスや無駄になっていた売残商品、期限切れの近い商品、訳ありの商品、暇な時間帯、暇な曜日、暇な日、空いている場所等であることを特徴とする請求項1乃至いずれかの項に記載のクーポン流通仲介システム。
【請求項5】
クーポン発行時に発行単位毎にロットCDを付け、ロット内の各券には枝番を付けて券CDとし、ロットCDと券CDを紐付けて管理することを特徴とする請求項1乃至4いずれかの項に記載のクーポン流通仲介システム。
【請求項6】
商品提供者が商品提供の対価としてクーポン発行者からクーポンを受け取ると共に、当該クーポンをクーポン購入者に対して販売して換金する方法であって、
前記商品提供者が使用するシステム管理装置と、前記クーポン購入者が使用するクーポン購入者端末と、がネットワークを介して通信可能に構成されたシステムにおいて、
前記商品提供者との間で商品代金の全部または一部をクーポンで決済することに同意している前記クーポン発行者と、前記クーポン発行者が前記商品提供者に対して発行したクーポンに関する情報を記憶したクーポン発行者情報記憶手段と、
前記商品提供者が、前記クーポン発行者から商品提供の対価として取得したクーポンに関する情報を記憶したクーポン情報記憶手段と、
前記商品提供者からクーポンを購入する前記クーポン購入者に関する情報を記憶したクーポン購入者情報記憶手段と、
前記クーポン購入者による前記クーポンの購入履歴を記憶する購買履歴情報記憶手段と、を有する前記システム管理装置が、
前記商品提供者が前記クーポン発行者に商品を提供した場合に、商品提供の対価として前記クーポンを前記クーポン発行者から取得する処理と、
前記商品提供者が取得したクーポンを前記クーポン情報記憶手段に登録する処理と、
前記システム管理装置が開設するウェブサイト上において、前記クーポン購入者情報記憶手段に記憶されている前記クーポン購入者からクーポンの購入申込を受け付けると共に、当該クーポンと当該クーポンの購入履歴とを購買履歴情報記憶手段に登録し、前記クーポン購入者端末に対して当該クーポンを送信可能とする処理と、
を実行することを特徴とするクーポン流通仲介方法。
【請求項7】
商品提供者が商品提供の対価としてクーポン発行者からクーポンを受け取ると共に、当該クーポンをクーポン購入者に対して販売して換金するためのコンピュータプログラムであって、
前記商品提供者が使用するシステム管理装置と、前記クーポン購入者が使用するクーポン購入者端末と、がネットワークを介して通信可能に構成されたシステムにおいて、
前記商品提供者との間で商品代金の全部または一部をクーポンで決済することに同意している前記クーポン発行者と、前記クーポン発行者が前記商品提供者に対して発行したクーポンに関する情報を記憶したクーポン発行者情報記憶手段と、
前記商品提供者が、前記クーポン発行者から商品提供の対価として取得したクーポンに関する情報を記憶したクーポン情報記憶手段と、
前記商品提供者からクーポンを購入する前記クーポン購入者に関する情報を記憶したクーポン購入者情報記憶手段と、
前記クーポン購入者による前記クーポンの購入履歴を記憶する購買履歴情報記憶手段と、を有する前記システム管理装置に対し、
前記商品提供者が前記クーポン発行者に商品を提供した場合に、商品提供の対価として前記クーポンを前記クーポン発行者から取得する処理と、
前記商品提供者が取得したクーポンを前記クーポン情報記憶手段に登録する処理と、
前記システム管理装置が開設するウェブサイト上において、前記クーポン購入者情報記憶手段に記憶されている前記クーポン購入者からクーポンの購入申込を受け付けると共に、当該クーポンと当該クーポンの購入履歴とを購買履歴情報記憶手段に登録し、前記クーポン購入者端末に対して当該クーポンを送信可能とする処理と、
を実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
商品提供者に商品購入者が商品やサービスの対価として現金を支払うのではなく、商品購入者が提供する商品やサービスで支払う物々交換を電子情報通信網と電子データを使った仮想流通網上で電子クーポン化して流通させるクーポン流通仲介システムとクーポン流通仲介装置に関する。
【背景技術】
【0002】
商品やサービスと交換できる商品券、クーポン券、割引券等(以下、「クーポン」)が集客やリピータ確保のために飲食業、ホテル、理美容、遊戯施設、スーパーを含む小売業等の接客業で使われている。特に消費が低迷している昨今では、クーポンを満載した無料の冊子や情報誌が駅の構内や店舗に置かれたり、街頭で配付されたりしている。このクーポンを利用する人の多くが割引を主眼においているため、クーポンを発行しても値引をしているだけでデフレの根源になっていると考える人もいる。結局、値引をして利益を減らす結果となり、クーポンを発行する店で働く人の賃金が増えないという結果を生み出してもいる。また接客業で働く多くの人は、土日祝日に休みがとれなかったり拘束時間が長かったりということもあり求職者が減り慢性的な人手不足に陥っているところもある。単なる値引になっているクーポンを介して利益増と求職者増が同時にできるようにすればクーポンの価値も高まる。この発明のきっかけは、各会社や事業所では余った販促商品、売残商品、期限切れの近い商品等の訳ありの商品や暇な時間帯、暇な曜日、暇な日、空いている場所等、その扱いに事業者側が困っているのでこれを解消したいと考えたことにある。ただ、このような商品やサービスも原価以上で売れれば無駄にならないので損をしない。ロスにならない分利益が減らないというメリットが生まれる。その、訳あり商品や訳ありサービスをクーポン化して商品購入の際の支払いの対価にする。対価としてクーポンを受取った取引先の商品提供者は、このクーポンを換金する必要がある。換金率を上げるためにひとりでも多くのクーポン購入希望者を増やす必要がある。その購入希望者は、特定の組織とその会員、商品提供者の従業員、家族、友人知人、顧客や会員など(以下、「従業員、家族、友人知人、顧客や会員など」を「関係者」という)と商品提供者の取引先の事業所及び事業所の関係者を商品提供者がデータベースへ登録する。商品購入者も自社の関係者を登録する。また商品購入者は、その他の取引先である商品購入先を登録し各々の商品提供者は、各々の関係者を登録して増やす事ができる。このように関係者を本システムのユーザとして登録することで、関係性のある互助的絆で結ばれた人達のネットワークになる。これまで無駄になっていたものが売れれば生産性の向上につながる。これによって消費浮揚、デフレ脱却、景気低迷打破に繋がる。また事業者の売上増、利益増で賃金の向上が見込まれ、また平日に安価に利用できるクーポンが流通するようになれば接客業のデメリットであった土日祝日に休みがとれないというデメリットが逆に平日に休日が取れるというメリットに変わるのである。その結果、流通業界の求職者増にも繋がる。またクーポン流通の現場においては、効果的な仕組みを考案・実践することにより、諸個人にとっても大きなビジネスチャンスとなる。
このような問題意識のもと特許電子図書館にて先行特許出願を検索したが、関連性のある発明は見当たらなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
先ず一般的課題として本発明は、商品の代金、サービス利用料の対価としてお金ではなくクーポンで支払うというものである。したがって入手したクーポンが他者に販売できて換金できなければならない。つまり、クーポンの現金化を図ることを目的とする。次に個別課題として、接客業の従業員に特有の事情にも対応し接客業界が抱える雇用の問題も解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達するために、請求項1に係る発明はクーポン流通仲介システムであって、商品提供者とクーポン発行者とクーポン購入希望者をデータベースに登録する手段と、クーポン発行者へ商品を提供する商品提供者が商品提供の対価として取得したクーポンに関する情報をデータベースに登録する取得クーポン登録手段と、商品提供者が前記取得したクーポンを換金化するためにクーポン購入希望者に販売したクーポンに関する情報をデータベースに登録する販売クーポン登録手段と、クーポン購入時の支払方法(現金払い、給与天引き、クレジット等の後払い精算など)を含むクーポンの利用条件をデータベースに登録するクーポン利用条件登録手段と、販売済みのクーポンが利用されたときの消し込み情報をデータベースに登録するクーポン消し込み手段と、を備えることを特徴とする。
本発明では各種情報がデータベースに登録されるが、登録主体は登録される情報によってクーポン発行者でも商品提供者でもよく、あるいは本発明のシステムを管理運営する者でもよい。
クーポン購入者となりうる者(個人と法人の両者を含みうる)、つまりクーポン購入希望者は、商品提供者自体でも商品提供者と直接或は間接に関連が有る者でもよい。また、商品購入者はクーポン発行者でもあるが、他者の発行するクーポンの購入を希望することも考えられるので、商品購入者(=クーポン発行者)自体、商品購入者と直接間接に関連の有る者もクーポン購入希望者に含めるとよい。
このように、クーポン購入希望者が多数いるならば、発行したクーポンが売れず換金できないというリスクも低減できる。
【0005】
先ず「クーポン」について説明する。「クーポン」とは、主に割引を目的とする金銭的価値を担持した媒体であり、サービス券とか商品券とか割引券とも呼ばれることもある。小さい紙片の形態で配布されたり、チラシ広告・パンフレット・無料誌などに印刷され切り取って用いられたりする。インターネット上のウェブサイトから電子データでダウンロード可能であり、これを使用者側で印刷するタイプのクーポンもある。
「商品」とは有形物に限らず、アプリケーションソフト(実体は電子データ)のような無体物も含まれ、さらに給与計算代行のような役務のアウトソーシングも含まれる。またクーポンは、対価全額ではなく一部として受け取ってもよい。次に本発明のシステムを構成する主体について説明する。「商品提供者」は、提供の対価としてクーポンを、「商品購入者」(以後、「クーポン発行者」という)から受け取る。「クーポン利用希望者」は、「商品提供者」からクーポンを購入することによって、「クーポン購入者」となるが、混乱がない限りこの2者を区別しない。なお、商品提供者が、本発明のシステムの中心的役割をはたす。
【0006】
商品提供者は受け取ったクーポンを、クーポン利用希望者に販売することで換金する。クーポンの販売はオンラインで行ってもオフラインで行ってもよいが、クーポンに関する一連の取引に関する情報はデータベースに登録してシステムの円滑な運営に供する。これによって、本発明のシステムを介して、クーポン発行者とクーポン購入者とのマッチングが実現し、クーポンの流動性を高めることができる。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に係るクーポン流通仲介システムであって、需給実績を含む参考情報に基づいてクーポンの価値を評価する。クーポン価値評価手段を備えることを特徴とする。「参考情報」とは、需給実績すなわち商品の対価として受け取ったクーポンと他者へ販売したクーポンとの割合、クーポン購入者側からの要望などをいい、これを入力情報として所定のアルゴリズムによりクーポンの価値を評価する。これによって、需要のあるクーポンとそうでないクーポンをはじき出し商品提供者が受け取ったクーポンを換金できずに損をする、といったことを低減できる。
【0008】
上記の目的を達するために、請求項3に係る発明は、請求項1または2のいずれかに係るクーポン流通仲介システムであって、通信ネットワークを介してクーポン発行者端末と接続し、クーポン発行者の商品やサービスに交換できるクーポンとして使用可能な電子データを前記クーポン発行端末から受信するクーポン情報取得手段を備えることを特徴とする。これによって、クーポンを電子データとして受け取れるので、印刷した紙媒体の形式で受け取る場合に発生する事務手続きが削減される。
【0009】
上記の目的を達するために、請求項4に係る発明は、請求項3に係るクーポン流通仲介システムであって、前記受信した電子データを印刷するクーポン印刷手段を備えることを特徴とする。これによって、電子データの形態で受け取ったクーポンであっても、クーポンの購入者には紙媒体のクーポンを発送できる。
【0010】
上記の目的を達するために、請求項5に係る発明は、請求項3に係るクーポン流通仲介システムであって、通信ネットワークを介してクーポン購入者端末と接続し、前記受信した電子データを前記クーポン購入者端末に送信するクーポン販売手段を備えることを特徴とする。これによって、クーポンを電子データの形態で受け取った場合、印刷することなく電子データで販売することができる。
【0011】
請求項6に係る発明は、請求項3に係るクーポン流通仲介システムであって、発行されるクーポンの対象は、クーポン発行者にとって従来ロスや無駄になっていた売残商品、期限切れの近い商品、訳ありの商品、暇な時間帯、暇な曜日、暇な日、空いている場所等であることを特徴とする。その結果、今まで、クーポン発行者にとってロスや無駄となっていたものがお金になり収益化できる。
請求項7に係る発明は、請求項3に係るクーポン流通仲介システムであって、クーポン発行時に発行単位毎にロットCDを付け、ロット内の各券には枝番を付けて券CDとし、ロットCDと券CDを紐付けて管理する。このように、1枚1枚にユニークな番号を付与することで同じクーポンで同じときに発売した券でも券毎に利用期限を変える事ができる。また、そのクーポンを第三者に譲渡するときにもどの券を譲渡したかが管理できる。その結果、このクーポンを第三者にプレゼントしたりできる。また特定のクーポンだけに特典を付与することもできる。
【0012】
請求項8および請求項9に係るクーポン流通仲介装置に関する発明も、上記の課題を達成するものである。
【発明の効果】
【0013】
クーポンは、従来値引のためだけに利用されるにすぎなかったが、本発明によればクーポンの利用によって利益増と接客業における求職者増とを同時に実現でき、クーポン自体の価値も高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施の形態のシステム概要を説明する図である。
図2】実施の形態の流通するクーポンの態様を説明する図である。
図3】実施の形態のシステム構成およびシステム管理装置の機能ブロック図である。
図4】実施の形態のクーポン発行者情報データベースに格納されるデータ構造を例示する図である。
図5】実施の形態のクーポン情報データベースに格納されるデータ構造を例示する図である。
図6】実施の形態のクーポン購入者情報データベースに格納されるデータ構造を例示する図である。
図7】実施の形態のクーポン購入申込用画面を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施の形態のシステム(以下、「本システム」)について図面を参照しながら説明する。
【0016】
《本システムの概要》
図1に従い、本システムの概要を説明する。本システムが主体と想定しているのは、商品提供者Aとクーポン発行者Bとクーポン購入者Cの3者である。クーポン購入者Cには、広範な者が含まれる。商品提供者Aが会社であればその関係者(従業員、従業員の家族や友人知人、顧客や会員など。以下同じ。)、商品提供者Aの取引先の会社や事業所及びそれらの関係者、商品提供者Aの所属する組合や協会等の会員組織及び傘下の会社や事業所の関係者、クーポン発行者B及びその関係者、クーポン発行者Bの取引先やその関係者がすべてクーポン購入者Cとなりうる。商品提供者Aは、提供の相手方であるクーポン発行者Bから商品の対価として現金の代わりにクーポンを受け取る。商品提供者Aは、クーポン購入者Cに現金払い、電子マネー等の即払いあるいはクレジットや給与天引き等の後払いでクーポンを販売できる。商品提供者Aは、提供の対価として受け取っていたクーポンを換金できるわけである。クーポン購入者Cが会社や事業所、組合や協会の場合、購入したクーポンを福利厚生の一環として自社の従業員に給与天引きなどの方法で社内販売することもできる。勿論無償で配布してもよい。クーポンを入手したクーポン購入者Cは、クーポンと引き換えで、クーポン発行者Bによる商品やサービスの提供を受ける。図1の実線の矢印はクーポンの流れを示す。
【0017】
クーポンには主に紙などの有形物に印刷されて流通する場合(紙クーポン)と、電子データの形態で流通する場合(電子クーポン)がある。図2は、(1)クーポン発行者・商品提供者間、(2)商品提供者・クーポン購入者間、(3)クーポン購入者・クーポン発行者間で流通するクーポンの形態を示す。流通パターン(a)では、全経路で電子データとして流通する。クーポンは、クーポン発行者B、商品提供者A、クーポン購入者Cのそれぞれにおいて各自のデータベースや会計ソフトで電子データとして連携することもできる。クーポン購入者Cは、データベースに記憶されている電子クーポンをネットワーク経由で自分のパソコンや携帯端末に表示させたり取り出したりすることもできるが、システム管理装置1の記憶手段に電子クーポンを記憶させておき、これを携帯端末の画面に表示させてクーポン発行者Bに提示してサービスの提供を受けることもできる。パターン(b)では、商品提供者Aのウェブサイトなどから電子クーポンを入手し印刷する。クーポン発行者Bからサービスの提供を受けるために印刷した紙クーポンを持参する。パターン(c)では、商品提供者Aがクーポン購入者Cに販売する際に電子クーポンを印刷して渡す。パターン(d)では、クーポン発行者Bは、商品の対価として印刷した紙クーポンをオフラインで商品提供者Aに送る。クーポンの形態はどのようなものでもよいが、この実施形態では、パターン(a)、すなわち印刷されることなく電子データで流通する場合を想定して説明する。
【0018】
図3は、クーポン流通仲介システム(以下、「本システム」)の構成例を示すブロック図である。本システムは、システム管理装置1とクーポン発行者端末2とクーポン購入者端末3により構成される。本システムは、図1の商品提供者Aが販売商品の対価としてクーポン発行者Bからクーポンを取得し、取得したクーポンをクーポン購入者Cに販売して換金している。つまり商品提供者Aは、クーポンによる集客を望むクーポン発行者Bと、クーポン購入者Cのための仲介者として本システムにおける中心的役割を担っている。そのため商品提供者Aの使用する情報処理装置自体あるいはこの情報処理装置と通信可能に接続するサーバをシステム管理装置1とする。このサーバは商品提供者Aが運営してもよく、商品提供者A以外の本システムの管理者が運営してもよく、特に限定しない。なお、システム管理装置1は、請求項8および9の「クーポン流通仲介装置」に相当する。
【0019】
クーポン発行者端末2は、クーポン発行者Bが使用する情報処理装置であり、インターネット接続手段と入力手段と画面表示手段などを備えている。情報処理装置はパソコンでも携帯端末でも何でもよい。商品提供者Aとのオンラインによる商品購入と電子クーポンによる決済は、クーポン発行者端末2とシステム管理装置1の間で行われる。クーポン発行者端末2はシステム管理装置1の記憶部(後述する購買履歴情報DB118)に発行済みのクーポンの情報を登録しておく。この情報には、発行したクーポンのロットCD、券CD、クーポン発行者ID、各クーポンID(ロットCDと券CDの組み合わせでもよい)、発行日、サービスの内容・使用期限、サービス提供日などが含まれる。
【0020】
クーポン購入者端末3は、クーポン購入者Cが使用する情報処理装置であり、インターネット接続手段と入力手段と画面表示手段などを備えているならば、パソコンでも携帯端末でも何でもよい。商品提供者Aとのオンラインによるクーポン購入申込と電子クーポンの入手は、クーポン購入者端末3とシステム管理装置1の間で行われる。クーポン購入者端末3はシステム管理装置1の購買履歴情報DB118に購入済みのクーポンの情報をデータベース化しておく。この情報には、購入したクーポンのロットCD、券CD、クーポン発行者ID、各クーポンID、発行日、サービスの内容・使用期限、サービス提供日、購入日、支払い手段、支払い方法、支払い期限、支払い日、支払い済ステータス、利用済み日、利用完了ステータス等の購入及び利用情報などが含まれる。また、クーポン購入者端末3は、このデータベースと自社の従業員の給与管理システムとを連携させて、従業員へのクーポンの販売処理と給与からの天引き処理とを同時に実行してもよい。クーポン購入者Cが使用する情報処理装置は、パソコンでも携帯電話(スマートフォンとも呼ばれる多機能携帯電話を含む)やタブレット端末でもシステム管理装置1と通信可能に接続するものならなんでもよい。クーポン購入者Cは、クーポン購入者端末3からシステム管理装置1にアクセスして、販売中のクーポン一覧画面から希望のクーポンを選択し購入したり、購入した電子クーポン情報をクーポン購入者端末3のメモリや記憶媒体に取込み格納したり、システム管理装置1の情報を表示したり取り出したりしてクーポン発行者Bの商品やサービスとクーポンを引き換えることができる。引き換えが完了した情報は、システム管理装置1の購買履歴情報DB118に保管されクーポン発行者Bもクーポン購入者Cも自由に閲覧可能とする。
【0021】
システム管理装置1は、演算機能を有するCPU(Central Processing Unit)、作業用RAM(Random Access Memory)、各種データ及びプログラムを記憶するROM(Read Only Memory)などの内部メモリ、及びハードディスクドライブなどの外部記憶装置により、記憶部11、制御部12を構成する。他に、インターネットを含む各種ネットワークを介してクーポン発行者端末2やクーポン購入者端末3などと通信を行うための通信インターフェース部13、キーボード、マウス、操作パネル等の入力部(図示せず)、ディスプレイ、プリンタなどの出力部(図示せず)も備える。なお、図3では、1台しか記載がないが、1台でその処理を実行するとは限らず、複数の情報処理装置が連携してその処理を実行してもよい。例えば、記憶部11は、内蔵するハードディスクやケーブルで接続する外付けハードディスクに設けてもよいが、システム管理装置1とは別のコンピュータをデータベースサーバとして用いてもよい。また、仮想サーバ上に置いてもよい。
【0022】
記憶部11は、クーポン発行者情報データベース111(以下、「クーポン発行者情報DB111」)、クーポン情報データベース112(以下、「クーポン情報DB112」)、クーポン購入者情報データベース113(以下、「クーポン購入者情報DB113」)、組織情報データベース114(以下、「組織情報DB114」)、従業員情報データベース115(以下、「従業員情報DB115」)、家族情報データベース116(以下、「家族情報DB116」)、会員・顧客情報データベース117(以下、「会員・顧客情報DB117」)、購買履歴情報データベース118(以下、「購買履歴情報DB118」)等を記憶する。
【0023】
クーポン発行者情報DB111には、商品提供者Aとの間で商品代金の全部または一部をクーポンで決済することに同意しているクーポン発行者Bに関する情報が登録されている。図4に例示するように、クーポン発行者IDと対応づけてクーポン発行者Bの名称、住所、電話番号、電子メールアドレス等の連絡先とともにクーポンのロットCD、券CD、が登録されている。例えば、あるクーポン発行者Bがディナーの引き換えクーポンを10枚発行した場合、ロットCDは、20121023-01と日付と発行順番を紐付けたロットCDにして重複を防ぎ、券CDは01〜10までを枝番として1枚1枚に付与しておく。例えば、クーポン購入者X氏の3枚は、20121020-01‐01〜03、クーポン購入者Y氏の4枚は、枝番が04〜07、クーポン購入者Z氏の3枚は、枝番が08〜10のついた券を購入した場合、これを購買履歴情報DBに登録しておくならば、この券を使うときに1枚1枚番号をつきあわせて消し込む事ができる。どの券がいつ迄の利用期限のものか把握できるようになる。商品購入者Cのクーポン購入者端末3にクーポン情報をダウンロードしていて何らかの事故によってクーポン購入者端末3の情報が無くなった場合でもシステム管理装置1から新しくダウンロードできる復旧機能を設けると更によい。クーポンを第三者に譲渡するときにも各券にユニークな番号が付いているので、どの券を譲渡したかが管理できる。その結果、クーポンを第三者にプレゼントすることもできる。またクーポン1枚1枚の購入日から有効期限を決める場合もユニークな番号になっているので1枚1枚有効期限を変える事も可能である。またクーポンの活性化を目的に特定の番号のクーポンだけに特典を設けることも可能である。これによってクーポンの流動性と付加価値とが向上する。
【0024】
クーポン情報DB112には、商品提供者Aがクーポン購入者Cにクーポンと交換する商品情報、サービス情報が登録されている。図5に例示するように、登録されている情報には、ロットCDと券CDに対応づけて、クーポンの概要などを登録する。クーポンの概要には、クーポンと交換できる商品やサービス内容、条件、販売価格(=クーポン購入者Cに販売するときの1枚当たりの価格)などが含まれる。
【0025】
クーポン購入者情報DB113には、図6に例示するように、クーポン購入者IDと対応づけてクーポン購入者Cの所属する組織(会社、事業所)ID、購入者の名称、住所、電話番号、電子メールアドレス等の連絡先とともに購入したクーポンのロットCD、券CDが登録されている。他に、各クーポンの購入日、購入枚数、購入金額などを登録してもよい。
組織情報DB114には、組織(会社、事業所)のIDに対応づけて、名称、住所、担当者名を含む連絡先などが登録されている。
従業員情報DB115には、組織情報DB114に登録されている組織に所属する従業員の氏名、住所、メールアドレスなどが従業員IDと対応づけて登録されている。
家族情報DB116には、従業員情報DB115に登録されている従業員の家族の氏名、続き柄、メールアドレス、従業員IDなどが家族IDと対応づけて登録されている。
会員・顧客情報DB117には、組織情報DB114に登録されている組織の会員や顧客などの氏名又は名称、住所、メールアドレス、組織IDなどが会員・顧客IDと対応づけて登録されている。
【0026】
制御部12は、クーポン取得手段121、取得クーポン登録手段122、クーポン販売手段123、クーポン印刷手段124、販売クーポン登録手段125、クーポン価値評価手段126、クーポン利用条件登録手段127、クーポン消し込み手段128等として機能する。
【0027】
クーポン取得手段121は、商品提供者Aがクーポン発行者Bに商品を提供した場合、商品価格の全部または一部として電子クーポンを取得する。
取得クーポン登録手段122は、クーポン発行者Bから取得したクーポンに関する情報をクーポン情報DB112に登録する。取得した日付、当該クーポンと交換に提供したサービスなども登録する。
【0028】
クーポン販売手段123は、クーポン購入者端末3からの購入申込を受け付けて、クーポンの電子データを購買履歴情報DB118に登録しクーポン購入者端末3からいつでもアクセスできその情報をいつでも表示し取り出す事ができる。クーポン購入者端末3に送信することもできる。
クーポン印刷手段124は、クーポン購入者Cが紙などに印刷した形態で入手を希望する場合、電子データをプリンタ(図示せず)に出力する。販売クーポン登録手段125は、クーポン購入者Cへ販売したクーポンに関する情報をクーポン情報DB112に、クーポン購入者Cに関する情報をクーポン購入者情報DB113に登録する。
【0029】
クーポン価値評価手段126は、需給実績などの情報を参考にクーポンの価値を評価する。まず図5のロットCD201010-02=C003のクーポンの販売上限金額と販売下限金額をクーポン情報DB112に登録する。商品提供者Aは、販売戦略を選択し少しでも高く売って利益率を上げることができるようにする。例えば販売戦略とは、販売下限金額からスタートし在庫がある一定数未満になった所から販売終了日を考慮して販売上限金額に引き上げて行く方法、販売上限金額からスタートして販売終了日が近づいた時点から販売下限金額に下げる方法、一定の金額に設定する方法等がある。クーポン価値評価手段126は、いろいろな販売戦略で販売した結果を購買履歴情報DB118に登録し売れる曜日、売れる時間帯、販売開始から完売日までの日数や時間、平均値引率、販売上限金額の販売率、販売下限金額の販売率等を使ってその商品やサービスの適正価値を計算する。
このようにしてクーポンの適正販売価格を算出しクーポン発行者Bから商品提供者Aが受取るクーポンの枚数を決めることができる。これによって商品提供者Aが損することを少なくできる。またクーポン発行者Bが損をすることも少なくなる。売れ残りが発生した場合、例えば商品提供者Aがクーポン発行者Bのクーポン20枚を販売したが12枚売れ残ってしまった場合、販売数量の40%しか売れなかった事になり商品提供者Aは、損をしたことになる。このような場合は、クーポン発行者Bが前回損をさせた商品提供者Aに商品、サービスの対価として交換するクーポンの数は、クーポン価値評価手段126が持つアルゴリズムによって算出された割合で割り増しされる。当然、クーポンの設定価格も引き下げる。クーポン価値評価手段126は、クーポンの格付けをする。
クーポン利用条件登録手段127は、クーポンと交換できる商品やサービス内容、条件、販売価格(=クーポン購入者Cに販売するときの1枚当たりの価格)などをはじめとするクーポンの利用条件をデータベースに登録する。
クーポン消し込み手段128は、クーポンを利用したときの消し込み情報をデータベースに登録する。
【0030】
次に、本システムの動作について説明する。ここで再び図1を参照する。
商品提供者Aとクーポン発行者Bとが、商品とクーポンとを交換(ステップS1)するためには、予めクーポン発行者Bが商品提供者Aに本システムの利用申込をし、商品提供者Aはクーポン発行者情報DB111にクーポン発行者Bに関する情報を登録しておく。図4のクーポン発行者「X美容室」は、「平日限定ヘアカット(2000円)」のクーポンを10枚で商品提供者Aのサービス2万円分と交換できると取り決める。この交換価値は、適宜商品提供者Aによって見直すこともできる。「X美容室」が商品提供者Aから2万円分のサービスを受けたとすると、クーポン情報DB112の取得枚数欄には10枚が記録される。クーポン情報DB112には、商品提供者Aがクーポン購入者Cに販売する際のクーポン1枚あたりの価格を記録しておく。この販売価格もクーポンの価値評価によって変更してもよい。このクーポンの価値評価は、所定のタイミング(例:毎月末の午前0時)で行えばよく、このタイミングはパラメータファイルに記録しておき、所定のプログラムを読み込んだ制御部12が自動的にバッチ処理などを実行すればよい。
【0031】
商品提供者Aが商品と交換に取得したクーポンは商品提供者Aが自ら使う分を除き、換金する。そこで、クーポン購入希望者に現金等の即日払いもしくはクレジットや給与天引きの後払いでクーポンを販売する(ステップS2)。クーポン購入者Cに関する情報はシステム管理装置1によってクーポン購入者情報DB113に登録される。クーポン購入者Cがどのようなクーポンを購入したかは購買履歴情報DB118に履歴をとっておくことで有益なマーケティング情報となる。クーポン購入希望者Cは、システム管理装置1が開設するウェブサイトにアクセスして図7に例示するような購入申込画面をクーポン購入者端末3の画面上に表示させる。購入したいクーポンの枚数を指定して購入申込をすると購買履歴情報DB118に登録されクーポン購入者端末3によっていつでもクーポンの電子データを表示させたり呼び出したりできる。クーポン購入者Cは、自分の希望するクーポンが取り扱われていない時つまり図7の画面に掲載されていない時は商品提供者Aに再発行のリクエストを行いクーポン発行者Bが直接、クーポンを販売してもよい。クーポン購入者Cは、クーポン購入者端末3を使って希望するクーポンの予約もできるとよい。
【0032】
クーポン購入者Cが従業員を有する会社や組織の場合、自らが購入したクーポンを、従業員に給与天引きなどの方法で社内販売もできる(ステップS3)。従業員がクーポンの購入を希望したならば、この従業員の組織(会社、事業所)DB114と従業員情報DB115を参照し該当者であることが確認できたら自動的に給与天引き処理ができる。給与天引きができることで従業員は、代金の振込手数料が節約できる。また、商品提供者Aがクレジットや電子マネー事業者に支払う手数料が節約できるメリットがある。また商品提供者Aは、クーポン購入者Cがどこの会社の従業員であるかがわかるので与信に使え、掛け売りでも回収が安心である。また従業員が給与天引き時に支払う振込手数料、自動引き落とし手数料が月にまとめて処理されるならば毎回振込むのに比べ節約できる。従業員を雇っている会社も福利厚生の向上が図れる。給与から天引きされる金額は、給与台帳の控除項目に登録し総支給額からこの代金を控除した残りを手取額として従業員へ支払うことができる。給与振込を行っている組織(会社・事業所)の場合、従業員へ振込まれる手取額が従業員の口座に着金後に従業員の口座から自動で振込んだり引き落としたりすることもできる。従業員は、クーポン発行者Bを訪れ、取得したクーポンをクーポン購入者端末3の画面に表示させて、サービスの提供を受ける(ステップS4)ことができる。そのときの個人認証にその従業員の社員証や社員IDをクーポン発行者Bのクーポン発行者端末2に入力することもできる。それはシステム管理装置1の記憶部11にクーポン発行者情報もクーポン購入者情報もクーポン購買履歴情報も持っているからである。認証方法は、ICカード認証や生体認証も含まれる。なお、クーポン発行者Bが音楽配信サービス業者などの場合は、この業者のウェブサイトにアクセスしてクーポンIDを入力したうえで、クーポンのサービス内容にあたる楽曲をダウンロードする。つまり、クーポンによって受けられるサービスは、実際の店舗で提供されるものに限らず、通信ネットワークを介して入手する電子データであってもよい。
【0033】
上記の実施形態は、あくまで例示にすぎない。例えば、処理の流れ、データ構造、画面レイアウト等につき、様々な変形例が考えられ、それらも本発明の範囲内にある。本発明はクーポン購入者Cとして幅広い対象を想定しうる。また、接客業者に限定すると多大な効果が生ずる。
【0034】
需給実績を考慮してクーポンの価値評価を行う場合を説明したが、多数のアルゴリズムが考えられる。例えば、クーポン購入者Cからの要望を調査する定性分析、需給実績値や定性分析の結果などを用いた回帰分析や要因分析などがある。要は、適切にクーポンの価値が評価できればよい。
【0035】
数の商品提供者Aとクーポン発行者Bとクーポン購入者Cがインターネットのクラウドサーバ上に置かれたアプリケーション、アプリケーションの構成要素であるシステム管理装置1を共同利用することにより誰もがクーポン発行者Bになったり商品提供者Aになったりクーポン購入者Cになったりできるのである。また、複数でしかも離れた環境にあるサーバ群をネットワークで結んだ構成で運用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0036】
商取引において、商品提供者から商品やサービスを購入した者はその対価としてお金を支払うというのが常識である。しかし、本発明は、お金で支払うのではなく商品購入者の商品やサービスで支払うという物々交換をITの技術を使って交換する商品やサービスをクーポン化しそれを電子化して流通性を高めようとするものである。また、その商品やサービスがロスや無駄になろうとしているものであれば、ただの集客目的で流通しているクーポンとは全く異なる社会的意義があり、従来のクーポンとは異なる高い経済効果が期待できる。
【符号の説明】
【0037】
1:システム管理装置
11:記憶部
111:クーポン発行者情報データベース
112:クーポン情報データベース
113:クーポン購入者情報データベース
114:組織情報データベース
115:従業員情報データベース
116:家族情報データベース
117:会員・顧客情報データベース
118:購買履歴情報データベース
12:制御部
121:クーポン取得手段
122:取得クーポン登録手段
123:クーポン販売手段
124:クーポン印刷手段
125:販売クーポン登録手段
126:クーポン価値評価手段
127:クーポン利用条件登録手段
128:クーポン消し込み手段
13:通信インターフェース部
2:クーポン発行者端末
3:クーポン購入者端末
N:インターネット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7