特許第6127303号(P6127303)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6127303
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】吊り上げ補助具
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/16 20060101AFI20170508BHJP
【FI】
   E04G21/16
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-133784(P2016-133784)
(22)【出願日】2016年7月5日
【審査請求日】2016年9月12日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516061768
【氏名又は名称】株式会社古屋興産
(74)【代理人】
【識別番号】100088063
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 康治
(72)【発明者】
【氏名】古屋 謙
【審査官】 西村 隆
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭57−091934(JP,U)
【文献】 実開昭49−142423(JP,U)
【文献】 実開昭58−020056(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3023683(JP,U)
【文献】 実開昭60−129451(JP,U)
【文献】 実開昭58−087785(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 21/16
B66C 23/20−23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮設足場の最上段の建枠部材の内、簡易クレーン装着対象の前側縦枠の上端に上方から嵌脱自在に嵌着可能な支柱と、
支柱から前方に延設されたアーム部と、
アーム部の前端部に設けられた吊り上げ滑車取り付け部と、
支柱から後方に延設されて仮設足場の最上段の建枠部材の内、横枠または後側縦枠に着脱自在に装着可能な後方延設部と、
を有し、
吊り上げ滑車取り付け部に懸吊した吊り上げ滑車に巻装した吊り上げロープの先端側を簡易クレーンに取り付け、吊り上げロープの他端を引っ張ることで簡易クレーンの吊り上げを可能としたこと、
を特徴とする吊り上げ補助具。
【請求項2】
アーム部を斜め上方向きに延設したこと、
を特徴とする請求項1記載の吊り上げ補助具。
【請求項3】
仮設足場の最上段の建枠部材の内、簡易クレーン装着対象の前側縦枠の上端に上方から嵌脱自在に嵌着可能な支柱と、
支柱から前方に延設されたアーム部と、
アーム部の前部にガイドローラで前後に移動自在に装備した吊り上げシーブと、
吊り上げシーブがアーム部から外れるのを防止するストッパ部と、
支柱から後方に延設されて仮設足場の最上段の建枠部材の内、横枠または後側縦枠に着脱自在に装着可能な後方延設部と、
を有し、
吊り上げシーブに巻装した吊り上げロープの先端側を簡易クレーンに取り付け、吊り上げロープの他端を引っ張ることで簡易クレーンの吊り上げを可能としたこと、
を特徴とする吊り上げ補助具。
【請求項4】
仮設足場の最上段の建枠部材の内、簡易クレーン装着対象の前側縦枠の上端に上方から嵌脱自在に嵌着可能な支柱と、
支柱から前方に延設されたアーム部と、
アーム部の前部にガイドローラで前後に移動自在に装備した吊り上げ滑車取り付け部と、
吊り上げ滑車滑車取り付け部がアーム部から外れるのを防止するストッパ部と、
支柱から後方に延設されて仮設足場の最上段の建枠部材の内、横枠または後側縦枠に着脱自在に装着可能な後方延設部と、
を有し、
吊り上げ滑車取り付け部に懸吊した吊り上げ滑車に巻装した吊り上げロープの先端側を簡易クレーンに取り付け、吊り上げロープの他端を引っ張ることで簡易クレーンの吊り上げを可能としたこと、
を特徴とする吊り上げ補助具。
【請求項5】
アーム部の前部のガイドローラの移動部分を水平より下向きに傾斜させたこと、
を特徴とする請求項3または4記載の吊り上げ補助具。
【請求項6】
支柱またはアーム部または後方延設部に、仮設足場から外した吊り上げ補助具を仮設足場の構造物に掛止可能とするフック部を設けたこと、
を特徴とする請求項1乃至5の内のいずれか一項記載の吊り上げ補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は吊り上げ補助具に係り、とくにマンション、ビル等の建築物の新築・改修工事現場等の仮設足場に設置されて足場部材、建築部材の荷揚げをする簡易クレーンの吊り上げに好適な吊り上げ補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
マンション、ビル等の新築・改修工事現場等では、仮設足場の組み上げ、建築物内への資材の搬入のため、仮設足場に簡易クレーンを設置し、地上から仮設足場の上の段に仮設足場の資材、建築物の資材を吊り上げ、足場内に取り込むようにしている。
図1に建築物の改修工事現場で用いられる従来の簡易クレーンの設置例を示す。仮設足場1の最上段の建枠部材2の前側の縦枠2Aに、簡易クレーン3が設置されている。簡易クレーン3は基部支柱4、ブラケット5を備え、複数のクランプ6を用いて基部支柱4が縦枠2Aに着脱自在に締結されている。基部支柱4には前方へ延設されたブラケット5が水平面内で旋回自在に装着されている。ブラケット5の前端にはホイスト取り付け部7が固着されており、このホイスト取り付け部7にホイスト8が懸吊されている。ホイスト8から巻き出されたワイヤロープ9の先端に吊りフック10が装着されている。ホイスト8を稼動し、吊りフック10を地上近くに降ろし、地上の作業員が荷揚げ資材としての足場部材11を玉掛けした玉掛けワイヤ12を吊りフック10に掛装する。ホイスト8を稼動し、ワイヤロープ9を巻き取らせ、地上から仮設足場1の最上段の1つ下の段のステージの高さに荷揚げし、ホイスト8を止める。仮設足場1の作業員は荷揚げされた足場部材11を足場内に取り込む。
【0003】
ところで、簡易クレーン3は仮設足場1が上方へ組み上がるに従い、設置箇所をより上段の建枠部材に付け替える必要がある。従来行われている付け替え作業では、まず簡易クレーン設置対象の建枠部材を組み上げて、一人の作業員が上部に登り、他の作業員がそれまで設置されていた建枠部材から簡易クレーンを外し、持ち上げて上の作業員に手渡しする。上の作業員は先行して組み上げた建枠部材にクランプで締結し直すようにしている。けれども、簡易クレーンにはかなりの重量があり、手渡しで上に付け替えるのは困難な作業となっていた。
【0004】
この対策として、図1に示す如く、簡易クレーン3の移設対象の建枠部材2の縦枠2Aの上部に、吊り上げ補助具20を先行して装着しておき、この吊り上げ補助具20により簡易クレーン3を吊り上げて吊り上げ補助具20の下側に移設することが考えられる。吊り上げ補助具20は、クランプ21により小型のブラケット22を縦枠2Aの上端部に着脱自在に締結する。ブラケット22の先端に固着した吊り上げ滑車取り付け部23に吊り上げ滑車24を懸吊しておく。吊り上げロープ25を荷揚げ滑車24に巻装したのち、先端の輪部26を簡易クレーン3のブラケット5に取り付けたシャックル27に掛装する。仮設足場1の下方の段に設置されていた簡易クレーン3を縦枠2Aに移設する際、吊り上げロープ25を引っ張って簡易クレーン3を吊り上げ、クランプ6により縦枠2Aの吊り上げ補助具20の下側に締結すれば良い。
【0005】
けれども、縦枠2Aの上部に吊り上げ補助具20を設置すると、簡易クレーン3の設置個所が縦枠2Aの下寄りとなり、荷を足場内に取り込む際、ホイスト8で吊り上げた足場部材11の下部が作業員のいる段のステージの足場板28に当接するので、荷を持ち上げながら取り込まなければならない不便がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3023683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記した従来技術の問題に鑑みなされたもので、簡易クレーンを仮設足場の最上段の構造物の内、高い位置に吊り上げて設置可能とする吊り上げ補助具を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明では、
仮設足場の最上段の建枠部材の内、簡易クレーン装着対象の前側縦枠の上端に上方から嵌脱自在に嵌着可能な支柱と、
支柱から前方に延設されたアーム部と、
アーム部の前端部に設けられた吊り上げ滑車取り付け部と、
支柱から後方に延設されて仮設足場の最上段の建枠部材の内、横枠または後側縦枠に着脱自在に装着可能な後方延設部と、
を有し、
吊り上げ滑車取り付け部に懸吊した吊り上げ滑車に巻装した吊り上げロープの先端側を簡易クレーンに取り付け、吊り上げロープの他端を引っ張ることで簡易クレーンの吊り上げを可能としたこと、
を特徴としている。
請求項2記載の発明では、アーム部を斜め上方向きに延設したこと、
を特徴としている。
請求項3記載の発明では、
仮設足場の最上段の建枠部材の内、簡易クレーン装着対象の前側縦枠の上端に上方から嵌脱自在に嵌着可能な支柱と、
支柱から前方に延設されたアーム部と、
アーム部の前部にガイドローラで前後に移動自在に装備した吊り上げシーブと、
吊り上げシーブがアーム部から外れるのを防止するストッパ部と、
支柱から後方に延設されて仮設足場の最上段の建枠部材の内、横枠または後側縦枠に着脱自在に装着可能な後方延設部と、
を有し、
吊り上げシーブに巻装した吊り上げロープの先端側を簡易クレーンに取り付け、吊り上げロープの他端を引っ張ることで簡易クレーンの吊り上げを可能としたこと、
を特徴としている。
請求項4記載の発明では、
仮設足場の最上段の建枠部材の内、簡易クレーン装着対象の前側縦枠の上端に上方から嵌脱自在に嵌着可能な支柱と、
支柱から前方に延設されたアーム部と、
アーム部の前部にガイドローラで前後に移動自在に装備した吊り上げ滑車取り付け部と、
吊り上げ滑車取り付け部がアーム部から外れるのを防止するストッパ部と、
支柱から後方に延設されて仮設足場の最上段の建枠部材の内、横枠または後側縦枠に着脱自在に装着可能な後方延設部と、
を有し、
吊り上げ滑車取り付け部に懸吊した吊り上げ滑車に巻装した吊り上げロープの先端側を簡易クレーンに取り付け、吊り上げロープの他端を引っ張ることで簡易クレーンの吊り上げを可能としたこと、
を特徴としている。
請求項5記載の発明では、アーム部の前部のガイドローラの移動部分を水平より下向きに傾斜させたこと、
を特徴としている。
請求項6記載の発明では、
支柱またはアーム部または後方延設部に、仮設足場から外した吊り上げ補助具を仮設足場の構造物に掛止可能とするフック部を設けたこと、
を特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、仮設足場の最上段の建枠部材の内、簡易クレーンの設置対象の建枠部材の上に吊り上げ補助具を立設し、この吊り上げ補助具のアーム部の前部に懸吊した吊り上げ滑車または吊り上げシーブに吊り上げロープを巻装し、簡易クレーンを仮設足場の最上段の建枠部材に移動する際に吊り上げロープで吊り上げるようにしたので、簡易クレーンの設置個所を建枠部材の上端寄りとすることができ、簡易クレーンで吊り上げた荷揚げ資材の下部が、簡易クレーンより一段下の荷の取り込みステージの足場板に接触し難くなり、足場内への荷揚げ資材の取り込みが容易となる。
また、ガイドローラにより吊り上げシーブまたは吊り上げ滑車取り付け部がアーム部を前後に移動自在としたので、簡易クレーンを上方に引き上げ後、作業員が簡易クレーンを仮設足場に近づけると吊り上げシーブまたは吊り上げ滑車が後方移動し、簡易クレーンが前方へ引っ張られることがなく、簡易クレーンを簡単に仮設足場の建枠部材に引き寄せることができ、簡易クレーンの装着作業を円滑に行うことができる。
また、アーム部の前部を下向きに傾斜させたことにより、簡易クレーンの吊り上げ中に吊り上げシーブまたは吊り上げ滑車が前方に寄るので、簡易クレーンが後の仮設足場に接触する恐れがない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】簡易クレーンの設置例を示す説明図である。
図2】本発明に係る吊り上げ補助具の使用状態を示す一部省略した側面図である(実施例1)。
図3図2中の吊り上げ補助具の外観斜視図である。
図4図2中の吊り上げ補助具の取り付け方法の説明図である。
図5図2中の吊り上げ補助具の取り付け方法の説明図である。
図6図2中の簡易クレーンの使用方法の説明図である。
図7図2中の吊り上げ補助具の使用方法の説明図である。
図8図2中の吊り上げ補助具の使用方法の説明図である。
図9図2中の吊り上げ補助具の使用方法の説明図である。
図10図2中の吊り上げ補助具の使用方法の説明図である。
図11図2中の吊り上げ補助具の使用方法の説明図である。
図12図2中の吊り上げ補助具の使用方法の説明図である。
図13図2中の吊り上げ補助具の使用方法の説明図である。
図14】吊り上げ補助具の変形例の説明図である。
図15】吊り上げ補助具の他の変形例の説明図である。
図16図15の吊り上げ補助具の使用方法の説明図である。
図17図15の吊り上げ補助具の使用方法の説明図である。
図18図15の吊り上げ補助具の使用方法の説明図である。
図19】吊り上げ補助具の更に他の変形例の説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の最良の形態を実施例に基づき説明する。
【実施例1】
【0012】
図2乃至図5を参照して本発明の一実施例を説明する。図2は本発明に係る吊り上げ保持具の使用状態を示す一部省略した側面図、図3は吊り上げ補助具の外観斜視図、図4図5は吊り上げ補助具の設置方法の説明図である。
図2において、1はビティ仮設足場、2はビティ仮設足場1の最上部の建枠部材(ビティ仮設足場の構造物)、3は建枠部材2の前側の縦枠2Aの上端部に設置された簡易クレーンであり、簡易クレーン3は基部支柱4、ブラケット5を備え、複数のクランプ6を用いて基部支柱4が縦枠2Aの上端部に着脱自在に締結されている。基部支柱4には前方へ延設されたブラケット5が水平面内で旋回自在に装着されている。ブラケット5の前端にはホイスト取り付け部7が固着されており、このホイスト取り付け部7にホイスト8が懸吊されている。ホイスト8から巻き出されたワイヤロープ9の先端に吊りフック10が装着されている。
【0013】
30はビティ仮設足場1の最上部の建枠部材2の前側の縦枠2Aの上端の上側に設置された簡易クレーン3用の吊り上げ補助具であり、簡易クレーン3を縦枠2Aに設置する際、事前に建枠部材2の上側に立設されて、吊り上げ補助具30から垂らした吊り上げロープ25を引っ張って簡易クレーン3を上方へ引き上げ、縦枠2Aに締結してある。
図3に示す如く吊り上げ補助具30の内、31は上下方向に延設された丸パイプからなる支柱、32は支柱31の上端に固着されたへの字状に湾曲したアーム部材、33はアーム部材32の内、支柱31の上端から前方に延設された部分であるアーム部であり、前部が水平に延設されている。34はアーム部材32の内、支柱31の上端から後方へ延設された部分である後方延設部であり、斜め下方に延設されている。35と36は支柱31とアーム部材32の間に固着された補強部材、37はアーム部33の前端に固着された吊り上げ滑車取り付け部、38、38は吊り上げ補助具30を建枠部材の横枠(図4の符号2C参照)に掛止するためのフック部、39は後方延設部34の先端に装着された締結金具としてのクランプである。吊り上げ滑車取り付け部37には吊り上げ滑車40が懸吊されている。
【0014】
図4に示す如く、吊り上げ補助具30は、縦枠2Aの上端に嵌合された円筒状のピン2Bに支柱31の下端部が嵌脱自在に嵌着されるとともに、クランプ39により後方延設部34が横枠2Cに着脱自在に締結されることにより、ビティ仮設足場1の最上部の建枠部材2の上に立設されている(図5参照)。
吊り上げ滑車40には吊り上げロープ25が巻装されて先端の輪部26が簡易クレーン3のブラケット5に装着されたシャックル27に掛装されている。
【0015】
次に、図6参照して上記した簡易クレーン3の使用方法を説明する。
仮設足場1の上の作業員Aはホイスト8を稼動し、吊りフック10を地上近くに降ろす。地上の作業員は足場部材11を玉掛けした玉掛けワイヤ12を吊りフック10に掛装する。作業員Aはホイスト8を稼動し、ワイヤロープ9を巻き取らせ、地上から仮設足場1の最上段の1つ下の段のステージの高さに荷揚げし、ホイスト8を止める。作業員Aは荷揚げされた足場部材11を足場内に取り込む。この際、簡易クレーン3が最上段の縦枠2Aの上端寄りに設置されているので、荷揚げした足場部材11の下端は作業員Aの載っている足場板28より上に来る。従って、足場部材11の下端が足場板28と接触し難くなり、足場内への荷揚げ資材の取り込みを容易に行なうことができる。
【0016】
次に、図7乃至図13を参照して簡易クレーン3の上方への付け替え作業について説明する。
ビティ仮設足場1の上部にいる作業員Bがクランプ39を外して、吊り上げ補助具30を建枠部材2から取り外し、フック38により吊り上げ補助具30を建枠部材2の横枠2Cに掛止する(図7参照)。そして、図8図9に示す如く、二段分、新たな建枠部材14、15を組み上げ、フック38を縦枠部材14の横枠14C、15Cに掛け替えながら吊り上げ補助具30を手で上げていき(図9図10参照)、ビティ仮設足場1の最上部前側の縦枠15Aの上端のピン15Bに支柱31の下端部を差し込み、アーム部材32の後端をクランプ39で横枠15Cに締結する(図4図5図11参照)。
【0017】
作業員Bが吊り上げロープ25を引っ張り、簡易クレーン3の重量を保持した状態で、下の作業員Aは簡易クレーン3のクランプ6を縦枠2Aから外して、簡易クレーン3をビティ仮設足場1の建枠部材2から取り外す。そして、作業員Aが吊り上げロープ25を引っ張り、簡易クレーン3をホイスト8とともに上方へ吊り上げる(図12参照)。そして、最上段の建枠部材15の上端部まで上がったところで、作業員Bがクランプ6により基部支柱4を縦枠15Aの上端部に締結する(図13参照)。
【0018】
作業員Aが吊り上げロープ25を引っ張り簡易クレーン3を吊り上げて移動するので、下と上の作業員の間で手渡しする場合に比べて遥かに安全かつ容易に簡易クレーン3の付け替え作業ができる。また簡易クレーン3を最上段の縦枠15Aの上端寄りに設置できるので、足場内への荷揚げ資材の取り込みを容易に行なうことができる。
【0019】
この実施例によれば、ビティ仮設足場1の内、簡易クレーン3の設置位置より上方位置に吊り上げ補助具30を設置し、この吊り上げ補助具30のアーム部33の前端に懸吊した吊り上げ滑車40に吊り上げロープ25を巻装し、簡易クレーン3をビティ仮設足場1の上方に付け替える際、作業員が吊り上げロープ25で吊り上げることにより、上下の作業員が手渡しで下から上へ移動するよりも遥かに安全かつ容易に行うことができる。
また、吊り上げ補助具30をビティ仮設足場1の最上段の建枠部材15の上に立設するので、簡易クレーン3を最上段の縦枠15Aの上端寄りに設置可能となり、吊り荷の足場部材11を足場内に取り込む際、足場部材11の下端が作業員の載っている足場板と接触し難くなり、足場内への足場部材11の取り込みを容易に行なうことができる。
【0020】
なお、上記した実施例では、支柱に固着したアーム部材をへの字状に湾曲した構成としたが、本発明は何らこれに限定されず、例えば図14(1)の吊り上げ補助具30Aに示す如く、支柱31Aの上端に前後に斜め方向に延設したアーム部材32Aとし、支柱31Aから前方が斜め上方に延設されたアーム部33Aとしたり、図14(2)の吊り上げ補助具30Bに示す如く、支柱31Bの上端にへの字状に折曲したアーム部材32Bとし、支柱31Bから前方が水平に延設されたアーム部33Bとしても良い。
【0021】
また、図15の吊り上げ補助具30Cに示す如く、支柱31の上端に装着されたへの字状のアーム部材32Cの前側のアーム部33Cの前部に前後移動自在に吊り上げシーブ50を装備しても良い。吊り上げシーブ50は二枚の支持板51、51の下部に装着されており、この支持板51、51の上端部に装着されたガイドローラ52がアーム部33Cの前部に懸装されることにより、前後移動自在になっている。アーム部33Cにはガイドローラ52の移動範囲を制限する鍔状のストッパ53、53が装着されている。アーム部33Cの前部は水平より角度θだけ少し下向きに傾斜されており、通常は吊り上げシーブ50が自重で前寄りに移動した状態となるようになっている。
【0022】
図16乃至図18参照して吊り上げ補助具30Cを用いた簡易クレーン3の上方への付け替え作業について説明する。なお、簡易クレーン3は縦枠2Aの上端部に装着されており、吊り上げ補助具30Cは2段上の建枠部材15の前側の縦枠15Aの上端に嵌合されたピン(図9の符号15B参照)に支柱31を差し込み、アーム部材32Cの後端のクランプ39で横枠15Cに締結済であるとする。また、吊り上げロープ25が吊り上げシーブ50に巻装されており、この吊り上げロープ25の一端が簡易クレーン3のシャックル27に取り付けられているものとする。
ビティ仮設足場1の上部にいる作業員Bが吊り上げロープ25を引っ張り、簡易クレーン3の重量を支持した状態で(図16参照)、下の作業員Aは簡易クレーン3のクランプ6を縦枠2Aから外して、簡易クレーン3をビティ仮設足場1の建枠部材2から取り外す。そして、作業員Aが吊り上げロープ25を引っ張り、簡易クレーン3をホイスト8とともに上方へ吊り上げる(図17参照)。吊り上げ補助具30Cのアーム部33Cの前部が下向きに傾斜しているので、簡易クレーン3の吊り上げ中は吊り上げシーブ50が前寄りに移動しており、作業員Aが吊り上げロープ25を引っ張っても簡易クレーン3がビティ仮設足場1に接触して破損する恐れはない(図17の矢印a1、a2参照)。
【0023】
簡易クレーン3を上方に引き上げ後、作業員Bが簡易クレーン3をビティ仮設足場1の最上段の縦枠15Aの方へ引き寄せると吊り上げシーブ50が後方移動し(図18の矢印b1、b2参照)、簡易クレーン3が前方へ大きな力で引っ張られることがなく、簡易クレーン3の基部支柱4を簡単に仮設足場の最上部の縦枠15Aに引き寄せることができ、クランプ6による締結作業を円滑に行うことができる。
【0024】
なお、図15の吊り上げ補助具30Cではアーム部33Cの前部を吊り上げシーブ50が前後に移動するようにしたが、図19の吊り上げ補助具30Dに示す如く、支柱31の上端に装着されたへの字状のアーム部材32Dの前側のアーム部33Dの前部に吊り上げ滑車取り付け部60を前後に移動可能に装備しても良い。図19において、吊り上げ滑車取り付け部60は二枚の支持板51D、51Dの下部に装着されており、この支持板51D、51Dの上端部に装着されたガイドローラ52がアーム部33Dの前部に懸装されることにより、前後移動自在になっている。アーム部33Dにはガイドローラ52の移動範囲を制限する鍔状のストッパ53、53が装着されている。アーム部33Dの前部は水平より角度θだけ少し下向きに傾斜されており、通常は吊り上げ滑車取り付け部60に懸吊した吊り上げ滑車40が自重で前寄りに移動した状態となるようになっている。
【0025】
図19の例によれば、簡易クレーンの吊り上げ中は吊り上げ滑車取り付け部60に懸吊した吊り上げ滑車40が前寄りに移動しており、ビティ仮設足場の下側にいる作業員が吊り上げ滑車40に巻装した吊り上げロープを引っ張っても簡易クレーンがビティ仮設足場に接触して破損する恐れはない。簡易クレーンを上方に引き上げ後、ビティ仮設足場の上側にいる作業員が簡易クレーンをビティ仮設足場の最上段の縦枠の方へ引き寄せると吊り上げ滑車40が後方移動し、簡易クレーンが前方へ大きな力で引っ張られることがなく、簡易クレーンの基部支柱を簡単に仮設足場の最上部の縦枠に引き寄せることができ、クランプによる締結作業を円滑に行うことができる。
【0026】
また、上記した実施例及び変形例では、後方延設部の先端を建枠部材の横枠に着脱自在に締結するようにしたが、建枠部材の後ろ側の縦枠に着脱自在に締結するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、マンション、ビル等の建築物の新築・改修工事現場等に設置される架設足場で使用する簡易クレーンの吊り上げに適用できる。
【符号の説明】
【0028】
1 ビティ仮設足場
2、14、15 建枠部材
2A、15A 縦枠
3 簡易クレーン
25 吊り上げロープ
30 吊り上げ補助具
31 支柱
33 アーム部
34 後方延設部
37 吊り上げ滑車取り付け部
38 フック
39 クランプ
40 吊り上げ滑車
50 吊り上げシーブ
52 ガイドローラ
60 吊り上げ滑車取り付け部
【要約】
【課題】 簡易クレーンを仮設足場の最上段の構造物の内、高い位置に吊り上げて設置可能とする。
【解決手段】 ビティ仮設足場1の最上段の建枠部材15の内、簡易クレーン装着対象の前側縦枠15Aの上端に上方から嵌脱自在に嵌着可能な支柱31と、支柱31から前方に延設されたアーム部33と、アーム部33の前端部に設けられた吊り上げ滑車取り付け部37と、支柱31から後方に延設されてビティ仮設足場1の最上段の建枠部材15の内、横枠15Cに着脱自在に装着可能な後方延設部34とを有し、吊り上げ滑車取り付け部37に懸吊した吊り上げ滑車40に巻装した吊り上げロープ25の先端側を簡易クレーン3に取り付け、吊り上げロープ25の他端を引っ張ることで簡易クレーン3の吊り上げを可能とした。
【選択図】 図13
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