特許第6127310号(P6127310)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 藤田 武憲の特許一覧 ▶ 野村 広道の特許一覧 ▶ 三浦 綾郁の特許一覧 ▶ 佐藤 大暉の特許一覧 ▶ 清野 史崇の特許一覧 ▶ 千葉 諒の特許一覧

<>
  • 特許6127310-靴下装着補助具 図000003
  • 特許6127310-靴下装着補助具 図000004
  • 特許6127310-靴下装着補助具 図000005
  • 特許6127310-靴下装着補助具 図000006
  • 特許6127310-靴下装着補助具 図000007
  • 特許6127310-靴下装着補助具 図000008
  • 特許6127310-靴下装着補助具 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6127310
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】靴下装着補助具
(51)【国際特許分類】
   A47G 25/90 20060101AFI20170508BHJP
【FI】
   A47G25/90
【請求項の数】5
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-76856(P2016-76856)
(22)【出願日】2016年3月18日
【審査請求日】2016年3月18日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】316003128
【氏名又は名称】藤田 武憲
(73)【特許権者】
【識別番号】516102647
【氏名又は名称】野村 広道
(73)【特許権者】
【識別番号】516102658
【氏名又は名称】三浦 綾郁
(73)【特許権者】
【識別番号】516102669
【氏名又は名称】佐藤 大暉
(73)【特許権者】
【識別番号】316002590
【氏名又は名称】清野 史崇
(73)【特許権者】
【識別番号】513079889
【氏名又は名称】千葉 諒
(72)【発明者】
【氏名】藤田 武憲
(72)【発明者】
【氏名】野村 広道
(72)【発明者】
【氏名】三浦 綾郁
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 大暉
(72)【発明者】
【氏名】清野 史崇
(72)【発明者】
【氏名】千葉 諒
【審査官】 伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−227007(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3116630(JP,U)
【文献】 特開2011−050524(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第04315338(DE,A1)
【文献】 米国特許第05909831(US,A)
【文献】 特開2010−284329(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3057583(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 25/00−25/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴下装着部を回動自在に支持する支持部材と、前記支持部材を支持する筺体とを備えた靴下装着補助具であって、
前記靴下装着部の基部が前記支持部材に回動自在に支持されると共に、
前記靴下装着部の底板先端部には凹状に切り欠きがされていることを特徴とする靴下装着補助具。
【請求項2】
靴下装着部は、回動域を制限されることを特徴とする請求項1記載の靴下装着補助具。
【請求項3】
靴下装着部が折りたためることを特徴とする請求項1又は2記載の靴下装着補助具。
【請求項4】
靴下装着部は、可撓性部材で構成されていることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の靴下装着補助具。
【請求項5】
前記靴下装着部、前記支持部材及び前記筺体が別部材で構成され、組み立て可能であることを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の靴下装着補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,身体の可動域に制限がある人間を対象にした,靴下の装着補助具に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
今日,一人で靴下を装着するのが困難な高齢者,足腰に問題を抱えた方が増えている。その多くが靴下を装着する際,ヘルパー(介護士)の手を借りているのが現実である。その事実から一人暮らしをしている高齢者,足腰に問題を抱えた方は靴下を一人で装着することは困難であることが分かる。また靴下を装着するという行為に限らず,自身の行為を自己完結する欲求があることも調査により明らかとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開 2010−284329
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の下記箱型靴下装着補助具の構造では足を高く上げ,足首を大きく曲げる必要があり。また靴下装着時に腰を曲げる動作が多くなるという問題点が挙げられた。これは,従来の製品の円形状靴下保持具,支持部が作り出す形状,向きが人間工学的に適切でない,使用者の身体における可動域を超えていることが原因となっている。この問題点を解決するために,本発明では,身体の可動域に制限がある人間に,身体的負荷を掛けず且つ完全に靴下を装着することの解決を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による靴下装着補助具では靴下装着部を回動自在に支持する支持部材と,前記支持部材を支持する筺体とを備えた靴下装着補助具であって,前記靴下装着部の底板先端部には凹状に切り欠きが設けられていることを特徴とする。
【0006】
また,靴下装着部は,回動域を制限されることを特徴とする。この回動域とは,靴下装着部への靴下装着位置から,使用者が靴下を装着する最終段階で靴下装着部から足を踏み抜くに至る位置までの回動範囲を指す。
【0007】
また,靴下装着部は折りたたみ機能を有しており,可撓性部材で構成されていることを特徴とする。
【0008】
また,折りたたみ機能を有した靴下装着部は可撓性部材で構成されており,その際の使用部材はポリ塩化ビニルであるが,これに限定されるものではない。
【0009】
さらに,前記靴下装着部,前記支持部材が別部材で構成され,組み立て可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は,靴下を踵から足首まで完全に装着させるという,靴下装着補助具に本来あるべき機能を有する。さらに,脚部の動きを最低限にすることによって,使用感の向上を図った高性能なものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】靴下装着補助具の実施の形態における全体図である。
図2】靴下装着補助具の実施の形態における分解図である。
図3】靴下装着補助具の実施の形態における靴下の装着部の平面図である。(A)は靴下装着部の足と接触する側の面(表面),(B)は靴下と接触する側の面(裏面)。
図4】靴下装着補助具の実施の形態における装着部に靴下をセットする状態を表す全体図である。
図5】靴下装着補助具の実施の形態における装着した靴下の穴に足を入れた際の断面図である。
図6】靴下装着補助具の実施の形態における装着部から足を踏み抜く際の断面図である。
図7】靴下装着補助具の実施の形態における装着部から足が抜け靴下が履けた際の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
まず,この発明の実施の形態に係る靴下装着補助具の構成について図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1に示された,靴下装着補助具1の全体図において,筐体下板21の両側方には,側板22をほぼ垂直に2枚支持固定した筺体があり,この筺体2の側板22には支持部材23が取り外し可能に回動自在あるいは回動不能に固定されている。この支持部材23には,靴下装着部底板31先端部に凹状切り欠き33が設けられている。この靴下装着部3は,支持部材23に回動自在に支持されている。
【0014】
図2の分解図に示されるように,筐体下板21と筐体側板22は,相互にかみ合うことで連結され筐体2を構成している。この連結は,例えば,筐体下板21あるいは筐体側板22の一方に凹部を設け、他方に凸部を設け相互に嵌合させている。(図示せず。)本実施形態においては,カーテンレールとカーテンレールに装着されるコマのように前記凹部と前記凸部を形成し,組み立てやすく離れ難いもので分離可能に支持固定している。筐体側板22には靴下装着部3を支持固定するための支持部材23を通すための補助穴24を設けている。本発明ではボルトとナットを用いて支持固定しているが,これに限定されるものではない。
【0015】
図3は,靴下装着部3の平面図である。靴下装着部3は可撓性部材で構成されており,使用部材はポリ塩化ビニルであるが,これに限定されるものではない。靴下装着部3は靴下装着部底板31と靴下装着部側板32を蝶番や布のような折り曲げできる部材を用いて接合する。これにより靴下装着部底板31と靴下装着部側板32を折りたたむことができる。また接合部材において靴下が触れる側にシリコンや天然ゴムのような材質の滑り止め36を貼ることで,接合部材が直接靴下に触れないようにすることが望ましい。また,足が直接触れる部分は足を滑りやすくするため,フェルトやコットンといった滑りやすい素材を靴下装着部底板31と靴下装着部側板32の足に接する面に貼ることが望ましい。
【0016】
足が入るように靴下装着部側板32は折り曲げられ,靴下装着部側板32の両端に設けられた靴下装着部側板腕部34は,U字状又はL字状に折り曲げられ,筺体2の側板22に係合している。使用者が靴下を装着する最終段階で靴下装着部から足を踏み抜く位置において,前記U字状又はL字状に折り曲げられた靴下装着部側板腕部34は筐体側板22の端面に当接し,回動が制限される。図1の状態。)
【0017】
靴下装着部側板腕部34をU字状に形成した場合には,U字状凹部が筐体側板22と嵌合することにより靴下装着部3を開放状態に維持することが可能となる。
【0018】
この靴下装着部3は,その基部に支持部材用筒35が固定されており,支持部材23に対して靴下装着部3は回動自在に支持される。ここで,靴下装着部3は筺体2に対して回動自在に支持されればよいのであって,支持部材23を筺体2に対して回動自在に支持し,靴下装着部3の基部を直接支持部材に固定するようにしてもよいことは明らかである。
【0019】
また,靴下装着部3の靴下装着部底板31先端部には,凹状切り欠き33が設けられており,使用者が靴下を装着して,最後に靴下装着補助具1から離脱する際に,足のかかとが抜けやすい形状となっている。
【0020】
靴下装着補助具1が靴下4を装着する状態を表す全体図4において,予め靴下装着部3に図中破線で示す靴下4を凹状切り欠き33の先端から装着しておく。本発明では図4のように靴下装着部3が回転するため,靴下4を装着し易い。
【0021】
次に図5に示されるように,靴下装着部3に装着した靴下4の履き口に足を入れ,続いて,図6に示されるように,靴下装着部3に装着した靴下4を履いていき,最後に,図7に示されるように,凹状切り欠き33から足が踏み抜けて,靴下4が足に装着される。
【0022】
本発明の靴下装着補助具1は,以上の構造を有するものであるが,図2に示したように筺体2,支持部材23,靴下装着部3を別部材とし,分解して運び,使用する場所で組み立てて使用してもよい。さらに,筺体2を側板22,下板23に分解組み立て可能に構成すると,持ち運ぶ際にかさばらず,利便性がさらに向上する。
【0023】
【表1】
【0024】
表1に示すように,本発明の実施の形態によれば,靴下装着部底板31先端部に凹状切り欠き33が設けられていることにより,使用者が靴下を装着する最終段階で靴下装着部3から足を踏み抜く際に,かかとが凹部を通り抜けることによりスムーズに靴下を足首まで履くことができる。また,靴下装着部3の部材をポリ塩化ビニル等の可撓性部材で構成することで,靴下装着部3が足の動きに合わせてしなるため,靴下を装着し易い。
【0025】
さらに,使用者が靴下に足を挿入する開始時に靴下装着部底板3が回動しないことで,靴下に足を入れやすく,靴下4が靴下装着部3と筐体下板21の間に挟まれないので足5を靴下4の奥まで挿入することができる。
【符号の説明】
【0026】
1:靴下装着補助具
2:筐体、21:筐体下板,22:筐体側板,23:支持部材,24:補助穴
3:靴下装着部,31:装着部底板,32:装着部側板,33:凹状切り欠き,34:装着部側板腕部,35:支持部材用筒,36:滑り止め
4:靴下
5:足
【要約】      (修正有)
【課題】身体の可動域に制限がある人間が,身体的負荷を掛けず且つ完全に靴下を装着することを可能とする靴下装着補助具。
【解決手段】底板21と側板22から構成され,側板を折りたたむことが出来る靴下装着部3とそれを支持する筐体2とを備えている。靴下装着部3は垂直方向に回転する。靴下装着部3を上方に回して折りたたみ,側板と底板に靴下履き口から靴下を覆い被せる。底板先端と靴下先端が触れ、履き口縁が腕部に触れるまで靴下を引き上げ、靴下を装着する。靴下装着部を下方に回し、腕部を側板に掛けることで靴下履き口を広げた状態を保持する。靴下を履くのと反対側の足で底板を踏みながら履き口に足を入れ、踏み抜くことで靴下を履くことができる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7