(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記銀行支払いアプリケーションがモバイル端末内のセキュアエレメント(SE)に保存され、かつ前記補足的支払いアプリケーションが前記モバイル端末内のデバイスホスト(DH)に保存されている、あるいは
前記銀行支払いアプリケーションと前記補足的支払いアプリケーションの両方が前記DH上に保存されている、あるいは
前記銀行支払いアプリケーションと前記補足的支払いアプリケーションの両方が前記SE上に保存されている、
請求項1に記載の非接触支払い方法。
前記銀行支払いアプリケーションが前記モバイル端末内のセキュアエレメントSEに保存され、かつ前記補足的支払いアプリケーションが前記モバイル端末内のデバイスホストDHに保存されている、あるいは
前記銀行支払いアプリケーションと前記補足的支払いアプリケーションの両方が前記DH上に保存されている、あるいは
前記銀行支払いアプリケーションと前記補足的支払いアプリケーションの両方が前記SE上に保存されている、
請求項6に記載のNFC機能を有するモバイル端末。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、非接触支払いの効率を改善させるための非接触支払い方法、デバイスおよびシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様では本発明の一実施形態は、
読み取り端末から、金融証書アプリケーション識別子を含んだ選択コマンドを受け取るステップと、
補足的支払いアプリケーションを実行させることを要すると決定された場合に、金融証書アプリケーション識別子に対応する近傍支払いシステム環境PPSEを読み取り端末に返すステップであって、PPSEは銀行支払いアプリケーションを示している第1のアプリケーション識別子と補足的支払いアプリケーションを示している第2のアプリケーション識別子とを含みかつ第2のアプリケーション識別子の優先度は第1のアプリケーション識別子の優先度より高い、返すステップと、
第2のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドを読み取り端末から受け取ったときに、補足的支払いアプリケーションを呼び出し、読み取り端末との非接触通信を実行するステップと、
第1のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドを読み取り端末から受け取ったときに、銀行支払いアプリケーションを呼び出し、読み取り端末による非接触支払いを実行するステップと、
を含む非接触支払い方法を提供する。
【0007】
第1の態様に関連して可能な第1の実装方式では、銀行支払いアプリケーションがモバイル端末内のセキュアエレメントSEに保存されかつ補足的支払いアプリケーションがモバイル端末内のデバイスホストDHに保存される、あるいは
銀行支払いアプリケーションと補足的支払いアプリケーションの両方がDHに保存される、あるいは
銀行支払いアプリケーションと補足的支払いアプリケーションの両方がSEに保存される。
【0008】
第1の態様または可能な第1の実装方式に関連して可能な第2の実装方式では、第2のアプリケーション識別子の優先度および第1のアプリケーション識別子の優先度が銀行支払いアプリケーションによって設定される。
【0009】
第1の態様
あるいはこの第1の態様の可能な第1または第2の実装方
式に関連して可能な第3の実装方式では、
補足的支払いアプリケーションを呼び出し読み取り端末との非接触通信を実行するステップが、
補足的支払いアプリケーションを呼び出し、会員カードに関する情報を読み取り端末に送るとともに読み取り端末によって返されるポイント情報を受け取るステップ、あるいは
補足的支払いアプリケーションを呼び出し、バウチャーに関する情報を読み取り端末に送るとともにバウチャーの使用に関する確認情報を読み取り端末から受け取るステップ、あるいは
補足的支払いアプリケーションを呼び出し、会員カードに関する情報およびバウチャーに関する情報を読み取り端末に送るとともに読み取り端末によって返されるポイント情報およびバウチャーの使用に関する確認情報を受け取るステップ、
を含む。
【0010】
第1の態様の上述した可能な実装方式のうちのいずれか1つに関連して可能な第4の実装方式では、
第2のアプリケーション識別子が銀行支払いアプリケーションによって割り当てられる。
【0011】
第2の態様では本発明の一実施形態は、
非接触支払いを実行する必要があると決定したときに、金融証書アプリケーション識別子を含んだ選択コマンドをNFC機能を有するモバイル端末に送るステップと、
モバイル端末から、金融証書アプリケーション識別子に対応するPPSEを受け取るステップであって、PPSEは銀行支払いアプリケーションを示している第1のアプリケーション識別子と補足的支払いアプリケーションを示している第2のアプリケーション識別子とを含みかつ第2のアプリケーション識別子の優先度は第1のアプリケーション識別子の優先度より高い、受け取るステップと、
PPSE内のアプリケーション識別子の優先度に従って、第2のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドをモバイル端末に送るステップと、
第2のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドに従ってモバイル端末によって返される第1の情報を受け取るとともにこの第1の情報に従ってモバイル端末に第2の情報を返すステップと、
第1の情報に従って支払いが完了していないと決定されたときに、第1のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドをモバイル端末に送るステップと、
第1のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドに従ってモバイル端末によって返される第3の情報を受け取るとともに非接触支払いを完了させるステップと、
を含む非接触支払い方法を提供する。
【0012】
第2の態様に関連して可能な第1の実装方式では、
第1の情報が会員カードに関する情報および/またはバウチャーに関する情報を含み、かつ
第2の情報がポイント情報および/または確認情報を含む。
【0013】
第3の態様では本発明の一実施形態は、
読み取り端末から、金融証書アプリケーション識別子を含んだ選択コマンドを受け取るように構成された第1の受け取りモジュールと、
補足的支払いアプリケーションを実行させることを要すると決定された場合に、金融証書アプリケーション識別子に対応する近傍支払いシステム環境PPSEを読み取り端末に返すように構成された第1の処理モジュールであって、PPSEは銀行支払いアプリケーションを示している第1のアプリケーション識別子と補足的支払いアプリケーションを示している第2のアプリケーション識別子とを含みかつ第2のアプリケーション識別子の優先度は第1のアプリケーション識別子の優先度より高い第1の処理モジュールと、
第1の受け取りモジュールが読み取り端末から第2のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドを受け取ったときに、補足的支払いアプリケーションを呼び出し読み取り端末との非接触通信を実行するように構成された第1の呼び出しモジュールと、
第1の受け取りモジュールが読み取り端末から第1のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドを受け取ったときに、銀行支払いアプリケーションを呼び出し読み取り端末による非接触支払いを実行するように構成された第2の呼び出しモジュールと、
を含むNFC機能を有するモバイル端末を提供する。
【0014】
第3の態様に関連して可能な第1の実装方式では、
銀行支払いアプリケーションがモバイル端末内のセキュアエレメントSEに保存されかつ補足的支払いアプリケーションがモバイル端末内のデバイスホストDHに保存される、あるいは
銀行支払いアプリケーションと補足的支払いアプリケーションの両方がDH上に保存される、あるいは
銀行支払いアプリケーションと補足的支払いアプリケーションの両方がSE上に保存される。
【0015】
第3の態様または可能な第1の実装方式に関連して可能な第2の実装方式では、
第2のアプリケーション識別子の優先度および第1のアプリケーション識別子の優先度が銀行支払いアプリケーションによって設定される。
【0016】
第3の態様の上述した可能な実装方式のうちのいずれか1つに関連して可能な第3の実装方式では、
第1の呼び出しモジュールは、
補足的支払いアプリケーションを呼び出し、会員カードに関する情報を読み取り端末に送るとともに読み取り端末によって返されるポイント情報を受け取ること、あるいは
補足的支払いアプリケーションを呼び出し、バウチャーに関する情報を読み取り端末に送るとともにバウチャーの使用に関する確認情報を読み取り端末から受け取ること、あるいは
補足的支払いアプリケーションを呼び出し、会員カードに関する情報およびバウチャーに関する情報を読み取り端末に送るとともに読み取り端末によって返されるポイント情報およびバウチャーの使用に関する確認情報を受け取ること、
を行うように具体的に構成されている。
【0017】
第3の態様の上述した可能な実装方式のうちのいずれか1つに関連して可能な第4の実装方式では、
第2のアプリケーション識別子が銀行支払いアプリケーションによって割り当てられる。
【0018】
第4の態様では本発明の一実施形態は、
非接触支払いを実行する必要があると決定したときに、金融証書アプリケーション識別子を含んだ選択コマンドをNFC機能を有するモバイル端末に送るように構成された送達モジュールと、
モバイル端末から、金融証書アプリケーション識別子に対応するPPSEを受け取るように構成された第2の受け取りモジュールであって、PPSEは銀行支払いアプリケーションを示している第1のアプリケーション識別子と補足的支払いアプリケーションを示している第2のアプリケーション識別子とを含みかつ第2のアプリケーション識別子の優先度は第1のアプリケーション識別子の優先度より高い第2の受け取りモジュールと、
PPSE内のアプリケーション識別子の優先度に従って、第2のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドをモバイル端末に送るように構成された第2の処理モジュールと、
を含む読み取り端末を提供しており、
第2の受け取りモジュールは、第2のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドに従ってモバイル端末によって返される第1の情報を受け取るようにさらに構成されており、
第2の処理モジュールは、第1の情報に従ってモバイル端末に第2の情報を返すようにさらに構成されており、かつ
第2の処理モジュールは、第1の情報に従って支払いが完了していないと決定されたときに、第1のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドをモバイル端末に送り、第1のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドに従ってモバイル端末によって返される第3の情報を受け取りかつ非接触支払いを完了させるようにさらに構成されている。
【0019】
第4の態様に関連して可能な第1の実装方式では、
第1の情報が会員カードに関する情報および/またはバウチャーに関する情報を含み、かつ
第2の情報がポイント情報および/または確認情報を含む。
【0020】
第5の態様では本発明の一実施形態は、上述のNFC機能を有するモバイル端末と上述の読み取り端末とを含んだ非接触支払いシステムを提供する。
【0021】
第6の態様では本発明の一実施形態は、プロセッサと、NFCチップと、SIMカードまたはSDカードであるようなメモリと、を含んだNFC機能を有するモバイル端末を提供しており、
このメモリは、銀行支払いアプリケーションおよび/または補足的支払いアプリケーションを保存するように構成されており、
このNFCチップは読み取り端末から、金融証書アプリケーション識別子を含んだ選択コマンドを受け取るように構成されており、
このプロセッサは、補足的支払いアプリケーションを実行させる必要があると決定された場合に、NFCチップを通じて金融証書アプリケーション識別子に対応する近傍支払いシステム環境PPSEを読み取り端末に返すように構成されており、ここでPPSEは銀行支払いアプリケーションを示している第1のアプリケーション識別子と補足的支払いアプリケーションを示している第2のアプリケーション識別子とを含みかつ第2のアプリケーション識別子の優先度は第1のアプリケーション識別子の優先度より高くなっており、
このプロセッサは、NFCチップを通じて第2のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドを読み取り端末から受け取ったときに、補足的支払いアプリケーションを呼び出し読み取り端末との非接触通信を実行するようにさらに構成されており、
このプロセッサは、NFCチップを通じて第1のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドを読み取り端末から受け取ったときに、銀行支払いアプリケーションを呼び出し読み取り端末による非接触支払いを実行するようにさらに構成されている。
【0022】
第6の態様に関連して可能な第1の実装方式では、プロセッサによって補足的支払いアプリケーションを呼び出し読み取り端末との非接触通信を実行するプロセスは、
補足的支払いアプリケーションを呼び出し会員カードに関する情報を読み取り端末に送るとともに読み取り端末によって返されるポイント情報を受け取ること、あるいは
補足的支払いアプリケーションを呼び出しバウチャーに関する情報を読み取り端末に送るとともにバウチャーの使用に関する確認情報を読み取り端末から受け取ること、あるいは
補足的支払いアプリケーションを呼び出し会員カードに関する情報およびバウチャーに関する情報を読み取り端末に送るとともに読み取り端末によって返されるポイント情報およびバウチャーの使用に関する確認情報を受け取ること、
を具体的に含む。
【0023】
第7の態様では本発明の一実施形態は、プロセッサ、メモリ、通信インターフェースおよびバスを含んだ読み取り端末を提供しており、このプロセッサ、メモリおよび通信インターフェースはバスを通じて接続されており、このメモリはプログラムコードを保存するように構成されており、かつプロセッサはこのプログラムコードを実行するとともに、
非接触支払いを実行する必要があると決定したときに、金融証書アプリケーション識別子を含んだ選択コマンドをNFC機能を有するモバイル端末に送るステップと、
モバイル端末から、金融証書アプリケーション識別子に対応するPPSEを受け取るステップであって、PPSEは銀行支払いアプリケーションを示している第1のアプリケーション識別子と補足的支払いアプリケーションを示している第2のアプリケーション識別子とを含みかつ第2のアプリケーション識別子の優先度は第1のアプリケーション識別子の優先度より高い、受け取るステップと、
PPSE内のアプリケーション識別子の優先度に従って、第2のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドをモバイル端末に送るステップと、
第2のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドに従ってモバイル端末によって返される第1の情報を受け取るとともにこの第1の情報に従ってモバイル端末に第2の情報を返すステップと、
第1の情報に従って支払いが完了していないと決定されたときに、第1のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドをモバイル端末に送るステップと、
第1のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドに従ってモバイル端末によって返される第3の情報を受け取るとともに非接触支払いを完了させるステップと、
を行うように構成されている。
【0024】
本発明の実施形態により提供される非接触支払い方法、デバイスおよびシステムは、NFC機能を有するモバイル端末に対して銀行支払い情報および補足的支払い情報の両立性の処理を可能にするとともに、ユーザに対してNFC機能を有するモバイル端末を用いることにより読み取り端末による支払いを自動で完了することを可能にしており、これにより非接触支払いの効率が改善される。
【0025】
本発明の実施形態におけるまたは従来技術における技術的解決法についてさらに明瞭に示すために、これら実施形態や従来技術を示すために必要となる添付の図面について以下で簡単に導入することにする。以下の説明において添付の図面によって本発明の幾つかの実施形態を示していること、また当業者であれば依然としてこれらの添付の図面から創造的努力を伴わずに他の図面を導出し得ることは明らかであろう。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施形態の目的、技術的解決法および利点をより明瞭にするために、以下では本発明の実施形態の技術的解決法を本発明の実施形態の添付の図面に関連して明瞭かつ完全に記載している。記載した実施形態は本発明の実施形態のすべてではなく一部であることは明瞭であろう。本発明の実施形態に基づいて当業者が創造的努力なしに得られる他のすべての実施形態も本発明の保護範囲に属するものとする。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態に従った非接触支払い方法の流れ図である。
図1に示したように本方法は以下のステップを含む。
【0029】
ステップ100:読み取り端末から、金融証書アプリケーション識別子を含んだ選択コマンドを受け取る。
【0030】
会計係がユーザの買い物に関する精算を実行した後に、ユーザは先ずNFC機能を有するモバイル端末上で銀行支払いアプリケーションを始動させ、モバイル端末上の
NFCコントローラ(NFCC
)をカードシミュレーションモードに設定し、次いでモバイル端末をNFC機能を有する読み取り端末の近くにもって行き支払いを実行する。モバイル端末の近くへの移動を検出した後に読み取り端末は、金融証書アプリケーション識別子を含んだ選択コマンドをモバイル端末に送る。モバイル端末は、NFCCを通じて選択コマンドを受け取るとともにローカルの銀行支払いアプリケーションにこの選択コマンドを送っており、これにより銀行支払いアプリケーションは読み取り端末から金融証書アプリケーション識別子を含んだ選択コマンドを受け取ることができる。金融証書アプリケーション識別子は、中国金融集積回路(IC)カード仕様に規定されており、また金融証書アプリケーション識別子は具体的には「2PAY.SYS.DDF01」である。
【0031】
本発明の実施形態におけるNFC機能を有する関連モバイル端末にはスマートフォン、電子財布その他が含まれることに留意すべきである。当業者であれば、DH、NFCCおよびSEエンティティの機能を有する各NFCデバイスによって本実施形態に関する非接触支払い方法の実行が可能であることが理解できよう。スマートフォンを一例として用いると、DHはたとえばベースバンドプロセッサなどの
スマートフォンのプロセッサに対応し、NFCCはNFCチップに対応し、かつSEはSIMカードまたはSDカード(セキュアディジタルカード)に対応する。
【0032】
ステップ101:補足的支払いアプリケーションを実行させる必要があると決定された場合に、金融証書アプリケーション識別子に対応する近傍支払いシステム環境PPSEを読み取り端末に返す(ここで、PPSEは銀行支払いアプリケーションを示している第1のアプリケーション識別子と補足的支払いアプリケーションを示している第2のアプリケーション識別子とを含みかつ第2のアプリケーション識別子の優先度は第1のアプリケーション識別子の優先度より高い)。
【0033】
DHは受け取った選択コマンドを構文解析し、金融証書アプリケーション識別子を収集し、補足的支払いアプリケーションを実行させる必要があると決定された場合に、金融証書アプリケーション識別子に対応するPPSEをローカルで収集し(ここで、PPSEは銀行支払いアプリケーションを示している第1のアプリケーション識別子と補足的支払いアプリケーションを示している第2のアプリケーション識別子とを含み、かつ第2のアプリケーション識別子の優先度は第1のアプリケーション識別子の優先度より高く)、次いでこのPPSEをNFCCに送っている。NFCCは、読み取り端末により金融証書アプリケーション識別子に対応するPPSEが収集されるようにPPSEを読み取り端末に送っている。読み取り端末は受け取ったPPSEを構文解析し、銀行支払いアプリケーションを示している第1のアプリケーション識別子および補足的支払いアプリケーションを示している第2のアプリケーション識別子を収集し、第2のアプリケーション識別子の優先度が第1のアプリケーション識別子の優先度より高いことを確認し、アプリケーション識別子の優先度に従って降順でアプリケーション識別子を選択し、次いでアプリケーション識別子に従ってその支払いアプリケーションに対応する支払い情報をモバイル端末から収集して支払いを完了させる。
【0034】
ステップ102:第2のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドを読み取り端末から受け取ったときに、補足的支払いアプリケーションを呼び出し読み取り端末との非接触通信を実行する。
【0035】
読み取り端末は、PPSE内のアプリケーション識別子の優先度に従って第2のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドをモバイル端末に送る。モバイル端末は、受け取った選択コマンドの構文解釈および第2のアプリケーション識別子の収集の際に、補足的支払いアプリケーションに対応する第1の情報を呼び出して読み取り端末との非接触通信を実行するとともに読み取り端末によって返される第2の情報を受け取っており、ここで第1の情報は会員カードに関する情報および/またはバウチャーに関する情報を含むとともに第2の情報はポイント情報および/または確認情報を含む。したがって、補足的支払いアプリケーションを呼び出し読み取り端末との非接触通信を実行することは、
補足的支払いアプリケーションを呼び出して会員カードに関する情報を読み取り端末に送るとともに読み取り端末によって返されるポイント情報を受け取ること、あるいは補足的支払いアプリケーションを呼び出してバウチャーに関する情報を読み取り端末に送るとともにバウチャーの使用に関する確認情報を読み取り端末から受け取ること、あるいは補足的支払いアプリケーションを呼び出して会員カードに関する情報およびバウチャーに関する情報を読み取り端末に送るとともに読み取り端末によって返されるポイント情報およびバウチャーの使用に関する確認情報を受け取ること、
を具体的に含む。
【0036】
ステップ103:第1のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドを読み取り端末から受け取ったときに、銀行支払いアプリケーションを呼び出し読み取り端末による非接触支払いを実行する。
【0037】
モバイル端末によって返された第1の情報に従って支払いが完了していないと決定されたときに、読み取り端末は第1のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドをモバイル端末に送る。モバイル端末は受け取った選択コマンドを構文解析し、第1のアプリケーション識別子を収集し、かつ銀行支払いアプリケーションを呼び出して読み取り端末に第3の情報を返しており、これにより読み取り端末は第1のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドに従ってモバイル端末によって返される第3の情報を受け取るとともに非接触支払いを完了させることができる。
【0038】
本実施形態により提供される非接触支払い方法では、NFC機能を有するモバイル端末が読み取り端末から金融証書アプリケーション識別子を含んだ選択コマンドを受け取った後に、モバイル端末は、補足的支払いアプリケーションを実行させる必要があると決定された場合に、金融証書アプリケーション識別子に対応するPPSEを読み取り端末に返しており(ここで、PPSEは銀行支払いアプリケーションを示している第1のアプリケーション識別子と補足的支払いアプリケーションを示している第2のアプリケーション識別子とを含み、かつ第2のアプリケーション識別子の優先度は第1のアプリケーション識別子の優先度より高い)、これにより読み取り端末は、PPSE内の支払いアプリケーションの優先度についての降順に従いかつ支払いアプリケーションのアプリケーション識別子に従って、その支払いアプリケーションに対応する支払い情報をモバイル端末から逐次式に収集することができる。これにより、NFC機能を有するモバイル端末は銀行情報と補足的情報に対する両立性の処理が可能になりかつユーザはNFC機能を有するモバイル端末を使用することにより読み取り端末による支払いを自動で完了することができ、このため非接触支払いの効率が改善される。
【0039】
上述の実施形態に基づくと、銀行支払いアプリケーションおよび補足的支払いアプリケーションの保存箇所を必要に応じて調整することができる。たとえば、銀行支払いアプリケーションがモバイル端末内のセキュアエレメントSEに保存されかつ補足的支払いアプリケーションがモバイル端末内のデバイスホストDHに保存されている、あるいは銀行支払いアプリケーションと補足的支払いアプリケーションの両方がDH上に保存されている、あるいは銀行支払いアプリケーションと補足的支払いアプリケーションの両方がSE上に保存されている。
【0040】
銀行支払いアプリケーションが支払いに使用される銀行カードアカウントを管理するためのアプリケーションプログラムでありまた補足的支払いアプリケーションが会員カードおよび/またはバウチャーを管理するためのアプリケーションプログラムであり、銀行支払いアプリケーションと補足的支払いアプリケーションとが異なるアプリケーショ
ンであることに留意すべきである。
【0041】
上述の実施形態に基づくと、第2のアプリケーション識別子の優先度および第1のアプリケーション識別子の優先度が銀行支払いアプリケーションによって設定される。
【0042】
上述の実施形態に基づくと具体的には、モバイル端末上のNFCCが読み取り端末から金融証書アプリケーション識別子を含んだ選択コマンドを受け取るとともにこの選択コマンドをPPSEを有する銀行支払いアプリケーションに送るための多くの方式が存在している。この方式には次の方式が含まれる。
【0043】
方式1:NFCCが読み取り端末から金融証書アプリケーション識別子を含んだ選択コマンドを受け取り、その選択コマンドを構文解析し、金融証書アプリケーション識別子を収集し、次いでローカルの事前構成されたルート設定テーブルを参照する。このルート設定テーブルに従って金融証書アプリケーション識別子に対応する宛て先がSEであると確認された場合にNFCCは、その銀行支払いアプリケーションがSE上に保存されていると
決定し、したがって選択コマンドをSE上の銀行支払いアプリケーションに送る。ルート設定テーブルに従って金融証書アプリケーション識別子に対応する宛て先が未知である場合にNFCCは、銀行支払いアプリケーションがDH上に保存されていると決定し、したがって選択コマンドをDH上の銀行支払いアプリケーションに送る。NFCC上のルート設定テーブルはSEまたはDHを用いることによって構成することができる。
【0044】
方式2:NFCCが読み取り端末から金融証書アプリケーション識別子を含んだ選択コマンドを受け取るとともにこの選択コマンドをDHおよびSEに一斉送信する。NFCCにより一斉送信された選択コマンドを受け取った後にDHおよびSEは、選択コマンドを構文解析し、金融証書アプリケーション識別子を収集し、かつ金融証書アプリケーション識別子に対応するPPSEを含んだ銀行支払いアプリケーションが自身の上に保存されているかどうかを決定する。銀行支払いアプリケーションが自身の上に保存されている場合はNFCCに確認応答を送り、一方銀行支払いアプリケーションが自身の上に保存されていない場合は応答をしない。
【0045】
本発明の実施形態による補足的支払いアプリケーションは、モバイル端末の引き渡し前に設定されていることや、モバイル端末によって関連するサーバからダウンロードされることに留意すべきである。補足的支払いアプリケーションは補足的支払い情報の管理およびメンテナンスをしており、ここで補足的支払い情報には具体的に、会員カード、バウチャー、その他が含まれる。補足的支払いアプリケーションの第2のアプリケーション識別子はシステムによってプリセットされていることや、一時的に割り当てられることがある。具体的な割り当てプロセスは以下のように記述される。補足的支払いアプリケーションが銀行支払いアプリケーションにアプリケーション識別子割り当て要求メッセージを送る。補足的支払いアプリケーションからアプリケーション識別子割り当て要求メッセージを受け取った後に銀行支払いアプリケーションは、補足的支払いアプリケーションの第2のアプリケーション識別子を含んだ割り当て応答メッセージを補足的支払いアプリケーションに返す。
【0046】
図2は、本発明の一実施形態に従った別の非接触支払い方法の流れ図である。
図2に示したように本方法は以下のステップを含む。
【0047】
ステップ200:非接触支払いを実行する必要があると決定したときに、金融証書アプリケーション識別子を含んだ選択コマンドをNFC機能を有するモバイル端末に送る。
【0048】
会計係がユーザの買い物に関する精算を実行した後に、ユーザは先ずNFC機能を有するモバイル端末上で銀行支払いアプリケーションを始動させ、モバイル端末上のNFCCをカードシミュレーションモードに設定し、次いでモバイル端末をNFC機能を有する読み取り端末の近くにもって行き支払いを実行する。モバイル端末の近くへの移動を検出した後に読み取り端末は、金融証書アプリケーション識別子を含んだ選択コマンドをモバイル端末に送る(ここで、金融証書アプリケーション識別子は中国金融集積回路(IC)カード仕様で規定されており、また金融証書アプリケーション識別子は具体的には「2PAY.SYS.DDF01」である)。
【0049】
ステップ201:モバイル端末から金融証書アプリケーション識別子に対応するPPSEを受け取る(ここで、PPSEは銀行支払いアプリケーションを示している第1のアプリケーション識別子と補足的支払いアプリケーションを示している第2のアプリケーション識別子とを含み、かつ第2のアプリケーション識別子の優先度は第1のアプリケーション識別子の優先度より高い)。
【0050】
モバイル端末上のNFCCは選択コマンドを受け取るとともにこれをローカルの銀行支払いアプリケーションに送る。したがって銀行支払いアプリケーションは、読み取り端末から金融証書アプリケーション識別子を含んだ選択コマンドを受け取っており、また銀行支払いアプリケーションは、受け取った選択コマンドを構文解析し、金融証書アプリケーション識別子を収集し、かつ金融証書アプリケーション識別子に対応するPPSEをローカルで収集している(ここで、PPSEは銀行支払いアプリケーションを示している第1のアプリケーション識別子と補足的支払いアプリケーションを示している第2のアプリケーション識別子とを含んでおりかつ第2のアプリケーション識別子の優先度は第1のアプリケーション識別子の優先度より高い)。次いで銀行支払いアプリケーションは、PPSEをNFCCに送り、またNFCCはこのPPSEを読み取り端末に送っており、これにより読み取り端末は金融証書アプリケーション識別子に対応するPPSEを収集することができる。読み取り端末は受け取ったPPSEを構文解析し、第1のアプリケーション識別子および第2のアプリケーション識別子を収集し、かつ第2のアプリケーション識別子の優先度が第1のアプリケーション識別子の優先度より高いことを確認する。
【0051】
ステップ202:PPSE内のアプリケーション識別子の優先度に従って、第2のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドをモバイル端末に送る。
【0052】
読み取り端末は、支払いアプリケーションの優先度に従って降順で支払いアプリケーションのアプリケーション識別子を選択するとともに、アプリケーション識別子に従ってモバイル端末からその支払いアプリケーションに対応する支払い情報を収集して支払いを完了させる。読み取り端末は先ず、第2のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドをモバイル端末に送る。
【0053】
ステップ203:第2のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドに従ってモバイル端末によって返される第1の情報を受け取るとともにこの第1の情報に従ってモバイル端末に第2の情報を返す。
【0054】
モバイル端末は、受け取った選択コマンドの構文解釈および第2のアプリケーション識別子の収集の際に、補足的支払いアプリケーションに対応する第1の情報を呼び出して読み取り端末との非接触通信を実行するとともに、読み取り端末によって返される第2の情報を受け取る(ここで、第1の情報は会員カードに関する情報および/またはバウチャーに関する情報を含みかつ第2の情報はポイント情報および/または確認情報を含む)。したがって、補足的支払いアプリケーションを呼び出し読み取り端末との非接触通信を実行することは、
補足的支払いアプリケーションを呼び出して会員カードに関する情報を読み取り端末に送るとともに読み取り端末によって返されるポイント情報を受け取ること、あるいは補足的支払いアプリケーションを呼び出してバウチャーに関する情報を読み取り端末に送るとともにバウチャーの使用に関する確認情報を読み取り端末から受け取ること、あるいは補足的支払いアプリケーションを呼び出して会員カードに関する情報およびバウチャーに関する情報を読み取り端末に送るとともに読み取り端末によって返されるポイント情報およびバウチャーの使用に関する確認情報を受け取ること、
を具体的に含む。
【0055】
ステップ204:第1の情報に従って支払いが完了していないと決定されたときに、第1のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドをモバイル端末に送り、この第1のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドに従ってモバイル端末によって返される第3の情報を受け取り、かつ非接触支払いを完了させる。
【0056】
モバイル端末によって返された第1の情報に従って支払いが完了していないと決定されたときに、読み取り端末は第1のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドをモバイル端末に送る。モバイル端末は、受け取った選択コマンドを構文解析し、第1のアプリケーション識別子を収集し、かつ銀行支払いアプリケーションを呼び出して読み取り端末に第3の情報を返しており、これにより読み取り端末は第1のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドに従ってモバイル端末によって返される第3の情報を受け取り非接触支払いを完了させることができる。
【0057】
本実施形態により提供される非接触支払い方法では読み取り端末は、金融証書アプリケーション識別子を含んだ選択コマンドをNFC機能を有するモバイル端末に送るとともに、金融証書アプリケーション識別子に対応するPPSEを受け取っており(ここで、PPSEは銀行支払いアプリケーション
を示している第1のアプリケーション識別子と補足的支払いアプリケーション
を示している第2のアプリケーション識別子とを含み、かつ補足的支払いアプリケーションの優先度は銀行支払いアプリケーションの優先度より高い)、これによってPPSE内の支払いアプリケーションの優先度の降順に従いかつ支払いアプリケーションのアプリケーション識別子に従って、その支払いアプリケーションに対応する支払い情報をモバイル端末から逐次式に収集して支払いを完了させている。これによってNFC機能を有するモバイル端末は銀行情報と補足的情報に対する両立性の処理が可能になりかつユーザはNFC機能を有するモバイル端末を用いることにより読み取り端末による支払いを自動で完了することができ、このため非接触支払いの効率が改善される。
【0058】
銀行支払いアプリケーションがSE上に保存されかつ補足的支払いアプリケーションがDH上に保存されること、あるいは銀行支払いアプリケーションと補足的支払いアプリケーションの両方をDH上に保存されること、あるいは銀行支払いアプリケーションと補足的支払いアプリケーションの両方をSE上に保存されること、を含む上述の実施形態におけるモバイル端末内の銀行支払いアプリケーションおよび補足的支払いアプリケーションの保存箇所の違いに対応し、かつモバイル支払いプロセスをより明瞭に説明する目的のために、上述の適用シナリオに対する具体的な実装プロセスを2つの実施形態を用いて例証することにする。
【0059】
適用シナリオ1:銀行支払いアプリケーションがSE上に保存されかつ補足的支払いアプリケーションがDH上に保存されている。具体的なモバイル支払いプロセスは以下のようになる。
【0060】
ステップ1:DHが、NFCCを初期化し、NFCCのルート設定テーブルを構成し、かつ金融証書アプリケーション識別子「2PAY.SYS.DDF01」の宛て
先をSEに設定しており、このことはアプリケーション識別子を収めたデータを受け取った後にNFCCによってこのデータがSEにルート設定されることを示している。さらに、DHはNFCCのルート設定テーブルに銀行支払いアプリケーションの第1のアプリケーション識別子を追加するとともにルートの宛て先をSEに設定しており、このことは第1のアプリケーション識別子を収めたデータを受け取った後にNFCCによってこのデータがSEにルート設定されることを示している。
【0061】
ステップ2:ユーザがDH上で補足的支払いアプリケーションを始動させるとともに、会員カード
に関する情報および/またはバウチャー
に関する情報などの補足的支払い情報を補足的支払いアプリケーションにインポートする(ここで、補足的支払い情報はサードパーティサーバからダウンロードされることがあり、またはローカルで保存されていることがある)。
【0062】
ステップ3:DH上で稼働する補足的支払いアプリケーションがSE上の銀行支払いアプリケーションにアプリケーション識別子割り当て要求メッセージに送るととともに、銀行支払いアプリケーションから補足的支払いアプリケーションの第2のアプリケーション識別子を含んだ割り当て応答メッセージを受け取る。
【0063】
ステップ4:銀行支払いアプリケーションがPPSEを設定する(ここで、PPSEは銀行支払いアプリケーションを示している第1のアプリケーション識別子と補足的支払いアプリケーションを示している第2のアプリケーション識別子とを含み、かつ補足的支払いアプリケーションの優先度は銀行支払いアプリケーションの優先度より高い)。
【0064】
(上述のステップ1〜4はNFC機能を有するモバイル端末の前処理プロセスに属する。)
【0065】
ステップ5:ユーザがモバイル端末上の銀行支払いアプリケーションを起動させる。DHがSEに起動コマンドを送る。SEが対応する銀行支払いアプリケーションを起動するとともに、DHに起動が成功したことを伝える。NFCCにはSEを通じてNFCCをカードシミュレーションモードに設定させるための構成コマンドが送られる。
【0066】
ステップ6:ユーザがNFC機能を有するモバイル端末をNFC機能を有する読み取り端末の近くにもって行く。モバイル端末の近くへの移動を検出した後に読み取り端末は、その金融証書アプリケーション識別子が「2PAY.SYS.DDF01」であるような選択コマンドをモバイル端末に送る。
【0067】
ステップ7:選択コマンドを受け取った後にNFCCが、ルート
設定テーブルに従ってそのコマンドをSE上の銀行支払いアプリケーションにルート設定する。
【0068】
ステップ8:銀行支払いアプリケーションがNFCCを通じて金融証書アプリケーション識別子に対応するPPSEを読み取り端末に返す。
【0069】
ステップ9:読み取り端末が、PPSEを受け取って構文解析し、補足的支払いアプリケーションを示しておりかつ優先度が最も高い第2のアプリケーション識別子を選択し、かつ補足的支払いアプリケーションを示している第2のアプリケーション識別子を含んだ選択
コマンドをNFCCに送る。
【0070】
ステップ10:選択
コマンドを受け取った後にNFCCが、その選択
コマンドを構文解析し、第2のアプリケーション識別子を収集し、判定を通じて第2のアプリケーション識別子がルート設定テーブルにないと確認し、かつ選択
コマンドをDHに送る。
【0071】
ステップ11:DH上で稼働する補足的支払いアプリケーションが、第2のアプリケーション識別子が自身のアプリケーション識別子と一致するものと決定するとともに、NFCCを通じて読み取り端末に会員カードおよび/またはバウチャーなどの補足的支払い情報を返す。
【0072】
ステップ12:読み取り端末が、その会員カードおよび/またはバウチャーなどの補足的支払い情報をサードパーティサー
バまたはローカルサーバ
によって検証する。この検証が適合であった場合、読み取り端末は残高精算を実行するとともに支払いの継続が必要かどうかを決定する。支払いの継続が必要な場合はステップ13が実行され、一方支払いの継続が不要である場合プロセスは終了する。
【0073】
ステップ13:読み取り端末が次の取引の実行のためにPPSEから2番目に高い優先度を有する銀行支払いアプリケーションを選択する、すなわち読み取り端末は銀行支払いアプリケーションの第1のアプリケーション識別子を含んだ選択
コマンドをNFCCに送る。
【0074】
ステップ14:選択
コマンドを受け取った後にNFCCがその選択
コマンドを構文解析し、第1のアプリケーション識別子を収集し、判定を通じて第1のアプリケーション識別子をSEにルート設定させると確認し、次いでSEに選択
コマンドを送る。
【0075】
ステップ15:SE上で稼働する銀行支払いアプリケーションが、第1のアプリケーション識別子が自身のアプリケーション識別子と一致するものと決定するとともに、NFCCを通じて読み取り端末に銀行支払い情報を返す。読み取り端末は、支払いの実行のためにこの銀行支払い情報を対応する銀行バックエンドサーバに送る。
【0076】
SEとDHの間の情報は、具体的なアプリケーションプロトコルに従って選択されて、直接やり取りされることがあり、あるいはNFCCを通じて転送されることがあることに留意すべきである。
【0077】
適用シナリオ2:銀行支払いアプリケーションと補足的支払いアプリケーションの両方がDH上に保存されている。具体的なモバイル支払いプロセスは以下のようになる。
【0078】
ステップ1:ユーザが銀行支払いアプリケーションを始動させる。DH上で稼働する銀行支払いアプリケーションは対応する銀行カードアカウント情報および個人キー情報をSEから読み取る。この銀行カードアカウント情報および個人キー情報はまた、DH上で銀行支払いアプリケーション内に保存されることがあることに留意すべきである。銀行カードアカウント情報および個人キー情報がDH上で銀行支払いアプリケーション内に保存される場合は、このステップを省略することができる。
【0079】
ステップ2:ユーザがDH上の補足的支払いアプリケーションを始動させるとともに、補足的支払いアプリケーション内に会員カードおよび/またはバウチャーなどの補足的支払い情報をインポートする(ここで、補足的支払い情報はサードパーティサーバからダウンロードされることがあり、またはローカルで保存されていることがある)。
【0080】
ステップ3:DH上で稼働する補足的支払いアプリケーションが、DH上の銀行支払いアプリケーションにアプリケーション識別子割り当て要求メッセージを送るとともに、銀行支払いアプリケーションから補足的支払いアプリケーションの第2のアプリケーション識別子を含んだ割り当て応答メッセージを受け取る。
【0081】
ステップ4:銀行支払いアプリケーションがPPSEを設定する(ここで、PPSEは銀行支払いアプリケーションを示している第1のアプリケーション識別子と補足的支払いアプリケーションを示している第2のアプリケーション識別子とを含み、かつ補足的支払いアプリケーションの優先度は銀行支払いアプリケーションの優先度より高い)。
【0082】
(上述のステップ1〜4はNFC機能を有するモバイル端末の前処理プロセスに属する。)
【0083】
ステップ5:ユーザが、DHを通じてモバイル端末上のNFCCに構成コマンドを送り、NFCCをカードシミュレーションモードに設定する。
【0084】
ステップ6:ユーザがNFC機能を有するモバイル端末をNFC機能を有する読み取り端末の近くにもって行く。モバイル端末の近くへの移動を検出した後に読み取り端末は、その金融証書アプリケーション識別子が「2PAY.SYS.DDF01」であるような選択コマンドをモバイル端末に送る。
【0085】
ステップ7:選択コマンドを受け取った後にNFCCが、ルート設定テーブルに従ってその選択コマンドをDH上の銀行支払いアプリケーションにルート設定する。
【0086】
ステップ8:DH上の銀行支払いアプリケーションが、NFCCを通じて読み取り端末に金融証書アプリケーション識別子に対応するPPSEを返す。
【0087】
ステップ9:読み取り端末が、PPSEを受け取って構文解析し、補足的支払いアプリケーションを示しておりかつ優先度が最も高い第2のアプリケーション識別子を選択し、NFCCに第2のアプリケーション識別子を含んだ選択
コマンドを送る。
【0088】
ステップ10:選択
コマンドを受け取った後にNFCCが、その選択
コマンドを構文解析し、第2のアプリケーション識別子を収集し、判定を通じて第2のアプリケーション識別子がルート設定テーブルにないことを確認し、次いでDHに選択
コマンドを送る。
【0089】
ステップ11:DH上で稼働する補足的支払いアプリケーションが、第2のアプリケーション識別子が自身のアプリケーション識別子と一致するものと決定するとともに、NFCCを通じて読み取り端末に会員カードおよび/またはバウチャーなどの補足的支払い情報を返す。
【0090】
ステップ12:読み取り端末が、その会員カードおよび/またはバウチャーなどの補足的支払い情報をサードパーティサーバによってまたはローカルサーバ上で検証する。検証が適合であった場合、読み取り端末は残高精算を実行するとともに支払いの継続が必要かどうかを決定する。支払いの継続が必要な場合はステップ13が実行され、一方支払いの継続が不要である場合プロセスは終了する。
【0091】
ステップ13:読み取り端末が、次の取引の実行のためにPPSEから2番目に高い優先度を有する銀行支払いアプリケーションを選択する、すなわち読み取り端末はその銀行支払いアプリケーションを示している第1のアプリケーション識別子を含んだ選択
コマンドをNFCCに送る。
【0092】
ステップ14:選択
コマンドを受け取った後にNFCCが、その選択
コマンドを構文解析し、第1のアプリケーション識別子を収集し、かつルート設定テーブルに従って選択
コマンドをDHに送る。
【0093】
ステップ15:DH上で稼働する銀行支払いアプリケーションが、第1のアプリケーション識別子が自身のアプリケーション識別子と一致するものと決定するとともに、NFCCを通じて読み取り端末に銀行支払い情報を返す。読み取り端末は、支払いの実行のためにこの銀行支払い情報を対応する銀行バックエンドサーバに送る。
【0094】
当業者であれば、上述の方法実施形態のステップの全部または一部を関連するハードウェアに指令するプログラムによって実装し得ることが理解できよう。上述のプログラムはコンピュータ読み取り可能な記憶媒体内に保存することができる。プログラムを稼働させたときに、上述の方法実施形態のステップが実行される。上述の記憶媒体は、プログラムコードの保存が可能なROM、RAM、磁気ディスクまたは光ディスクなどの任意の媒体を含む。
【0095】
図3は、本発明の一実施形態に従ったNFC機能を有するモバイル端末の構造概要図である。
図3に示したようにこのモバイル端末は、第1の受け取りモジュール11と、第1の処理モジュール12と、第1の呼び出しモジュール13と、第2の呼び出しモジュール14と、を含む。
第1の受け取りモジュール11は、読み取り端末から金融証書アプリケーション識別子を含んだ選択コマンドを受け取るように構成されている。第1の処理モジュール12は、補足的支払いアプリケーションを実行させる必要があると決定された場合に、金融証書アプリケーション識別子に対応する近傍支払いシステム環境PPSEを読み取り端末に返す(ここで、PPSEは銀行支払いアプリケーションを示している第1のアプリケーション識別子と補足的支払いアプリケーションを示している第2のアプリケーション識別子とを含み、かつ第2のアプリケーション識別子の優先度は第1のアプリケーション識別子の優先度より高い)ように構成されている。第1の呼び出しモジュール13は、第1の受け取りモジュール11が読み取り端末から第2のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドを受け取ったときに、補足的支払いアプリケーションを呼び出し読み取り端末との非接触通信を実行するように構成されている。第2の呼び出しモジュール14は、第1の受け取りモジュール11が読み取り端末から第1のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドを受け取ったときに、銀行支払いアプリケーションを呼び出し読み取り端末による非接触支払いを実行するように構成されている。
【0096】
本実施形態により提供されるNFC機能を有するモバイル端末内の様々なモジュールの機能およ
びプロセスについては、上述の
図1に示した方法実施形態を参照することができる。この機能およ
びプロセスに関する実装原理および技術的効果は、上述の
図1に示した方法実施形態のものと同様であり、本明細書では再度記載していない。
【0097】
具体的には、銀行支払いアプリケーションおよび補足的支払いアプリケーションの保存箇所は必要に応じて選択することができ、具体的には、
銀行支払いアプリケーションがモバイル端末内のセキュアエレメントSEに保存されかつ補足的支払いアプリケーションがモバイル端末内のデバイスホストDHに保存されること、あるいは
銀行支払いアプリケーションと補足的支払いアプリケーションの両方がDH上に保存されること、あるいは
銀行支払いアプリケーションと補足的支払いアプリケーションの両方がSE上に保存されること、
が含まれる。
【0098】
上述の実施形態に基づくと、第2のアプリケーション識別子の優先度および第1のアプリケーション識別子の優先度が銀行支払いアプリケーションによって設定される。
【0099】
さらに第1の呼び出しモジュール13は、
補足的支払いアプリケーションを呼び出し、会員カードに関する情報を読み取り端末に送るとともに読み取り端末によって返されるポイント情報を受け取ること、あるいは
補足的支払いアプリケーションを呼び出し、バウチャーに関する情報を読み取り端末に送るとともにバウチャーの使用に関する確認情報を読み取り端末から受け取ること、あるいは
補足的支払いアプリケーションを呼び出し、会員カードに関する情報およびバウチャーに関する情報を読み取り端末に送るとともに読み取り端末によって返されるポイント情報およびバウチャーの使用に関する確認情報を受け取ること、
を行うように具体的に構成されている。
【0100】
上述の実施形態に基づくと、第2のアプリケーション識別子が銀行支払いアプリケーションによって割り当てられる。
【0101】
図4は、本発明の一実施形態に従った読み取り端末の構造概要図である。
図4に示したように読み取り端末は、送達モジュール21と、第2の受け取りモジュール22と、第2の処理モジュール23と、を含んでおり、ここで、
送達モジュール21は、非接触支払いを実行する必要があると決定したときに、金融証書アプリケーション識別子を含んだ選択コマンドをNFC機能を有するモバイル端末に送るように構成されており、
第2の受け取りモジュール2
2はモバイル端末から、金融証書アプリケーション識別子に対応するPPSEを受け取る(ここで、PPSEは銀行支払いアプリケーションを示している第1のアプリケーション識別子と補足的支払いアプリケーションを示している第2のアプリケーション識別子とを含み、かつ第2のアプリケーション識別子の優先度は第1のアプリケーション識別子の優先度より高い)ように構成されており、
第2の処理モジュール23は、PPSE内のアプリケーション識別子の優先度に従って、第2のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドをモバイル端末に送るように構成されており、
第2の受け取りモジュール22は、第2のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドに従ってモバイル端末によって返される第1の情報を受け取るようにさらに構成されており、
第2の処理モジュール23は、第1の情報に従ってモバイル端末に第2の情報を返すようにさらに構成されており、かつ
第2の処理モジュール23は、第1の情報に従って支払いが完了していないと決定されたときに、第1のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドをモバイル端末に送り、第1のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドに従ってモバイル端末によって返される第3の情報を受け取りかつ非接触支払いを完了させるようにさらに構成されている。
【0102】
第1の情報は会員カードに関する情報および/またはバウチャーに関する情報を含む。第2の情報はポイント情報および/または確認情報を含む。
【0103】
本実施形態により提供される読み取り端末内の様々なモジュールの機能およ
びプロセスについては、上述の
図2に示した方法実施形態を参照することができる。この機能およ
びプロセスに関する実装原理および技術的効果は、上述の
図2に示した方法実施形態のものと同様であり、本明細書では再度記載していない。
【0104】
図5は、本発明の一実施形態に従った非接触支払いシステムの構造概要図である。
図5に示したように本システムは、NFC機能を有するモバイル端末1と読み取り端末2とを含んでおり、ここでNFC機能を有するモバイル端末1はNFC機能を有するモバイル端末1内のNFCコントローラを用いて読み取り端末2と情報をやり取りしている。NFC機能を有するモバイル端末1は、本発明における上述のNFC機能を有するモバイル端末
とすることができ、また読み取り端末2は本発明における上述の読み取り端末
とすることができる。
【0105】
本実施形態により提供される非接触支払いシステム内の様々なモジュールの機能およ
びプロセスについては、上述の方法実施形態を参照することができる。この機能およ
びプロセスに関する実装原理および技術的効果は、上述の方法実施形態のものと同様であり、本明細書では再度記載していない。
【0106】
図6は、本発明の一実施形態に従ったNFC機能を有するモバイル端末
100のハードウェアの構造概要図である。
図6に示したようにモバイル端末100は、プロセッサ101と、NFCチップ102と、メモリ103と、を含んでおり、ここで、メモリ103はSIMカードまたはSDカードであり、
メモリ103は、銀行支払いアプリケーションおよび/または補足的支払いアプリケーションを保存するように構成されており、
NFCチップ102は、読み取り端末から金融証書アプリケーション識別子を含んだ選択コマンドを受け取るように構成されており、
プロセッサ101は、補足的支払いアプリケーションを実行させる必要があると決定された場合に、NFCチップ102を通じて金融証書アプリケーション識別子に対応する近傍支払いシステム環境PPSEを読み取り端末に返す(ここで、PPSEは銀行支払いアプリケーションを示している第1のアプリケーション識別子と補足的支払いアプリケーションを示している第2のアプリケーション識別子とを含み、かつ第2のアプリケーション識別子の優先度は第1のアプリケーション識別子の優先度より高い)ように構成されており、
プロセッサ101は、第2のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドを読み取り端末から受け取ったときに、NFCチップ102を通じて補足的支払いアプリケーションを呼び出し読み取り端末との非接触通信を実行するようにさらに構成されており、かつ
プロセッサ101は、NFCチップ102を通じて第1のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドを読み取り端末から受け取ったときに、銀行支払いアプリケーションを呼び出し読み取り端末による非接触支払いを実行するようにさらに構成されている。
【0107】
さらに、プロセッサ101による補足的支払いアプリケーションを呼び出し読み取り端末との非接触通信を実行するプロセスは、
補足的支払いアプリケーションを呼び出し、会員カードに関する情報を読み取り端末に送るとともに読み取り端末によって返されるポイント情報を受け取ること、あるいは
補足的支払いアプリケーションを呼び出し、バウチャーに関する情報を読み取り端末に送るとともにバウチャーの使用に関する確認情報を読み取り端末から受け取ること、あるいは
補足的支払いアプリケーションを呼び出し、会員カードに関する情報およびバウチャーに関する情報を読み取り端末に送るとともに読み取り端末によって返されるポイント情報およびバウチャーの使用に関する確認情報を受け取ること、
を具体的に含む。
【0108】
本実施形態により提供されるNFC機能を有するモバイル端末内のプロセッサがメモリ内のプログラムコードを実行するよう
なプロセスについては、上述の方法実施形態を参照することができる。この処理プロセスに関する実装原理および技術的効果は、上述の方法実施形態のものと同様であり、本明細書では再度記載していない。
【0109】
図7は、本発明の一実施形態に従った読み取り端末
200のハードウェアの構造概要図である。
図7に示したように読み取り端末200は、プロセッサ201と、メモリ202と、通信インターフェース203と、バス204と、を含んでおり、ここでプロセッサ201、メモリ202および通信インターフェース203はバス204を通じて接続されている。バス204は、ISAバス、PCIバス、EISAバスその他とすることができる。このバスは、アドレスバス、データバス、制御バス、その他に分類することができる。表示を容易にするために、
図7では1本の太線を用いてバスを示しているが、このことは存在するバスが1本のみであることやバスが1種類のみであることを意味していない。
【0110】
メモリ202は、コンピュータ動作命令を含んだプログラムコードを保存するように構成されている。メモリ202は、高速ランダムアクセスメモリとすることができ、またはたとえば少なくとも1つのディスクメモリなどの不揮発性メモリ(不揮発性メモリ)とすることができる。
【0111】
プロセッサ201はこのプログラムコードを実行するとともに、
非接触支払いを実行する必要があると決定したときに、金融証書アプリケーション識別子を含んだ選択コマンドをNFC機能を有するモバイル端末に送るステップと、
モバイル端末から、金融証書アプリケーション識別子に対応するPPSEを受け取るステップであって、このPPSEは銀行支払いアプリケーションを示している第1のアプリケーション識別子と補足的支払いアプリケーションを示している第2のアプリケーション識別子とを含みかつ第2のアプリケーション識別子の優先度は第1のアプリケーション識別子の優先度より高い、受け取るステップと、
PPSE内のアプリケーション識別子の優先度に従って、第2のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドをモバイル端末に送るステップと、
第2のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドに従ってモバイル端末によって返される第1の情報を受け取るとともにこの第1の情報に従ってモバイル端末に第2の情報を返すステップと、
第1の情報に従って支払いが完了していないと決定されたときに、第1のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドをモバイル端末に送るステップと、
第1のアプリケーション識別子を含んだ選択コマンドに従ってモバイル端末によって返される第3の情報を受け取り非接触支払いを完了させるステップと、
を行うように構成されている。
【0112】
本実施形態により提供される読み取り端末内のプロセッサがメモリ内のプログラムコードを実行するようなプロセスについては、上述の方法実施形態を参照することができる。この処理プロセスに関する実装原理および技術的効果は、上述の方法実施形態のものと同様であり、本明細書では再度記載していない。
【0113】
最後に、上述の実施形態は単に本発明の技術的解決法を説明することを目的としたものであり本発明の限定ではないことに留意すべきである。本発明について上述の実施形態を参照しながら詳細に説明してきたが、当業者によれば依然として本発明の実施形態の技術的解決法の精神および趣旨を逸脱することなく上述の実施形態で説明した技術的解決法に対する修正を実施し得ること、あるいはその幾つかの技術的特徴に対する等価的な置き換えを実施し得ることを当業者であれば理解されよう。