特許第6127334号(P6127334)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6127334NFC構成方法、NFCデータ送信方法、コントローラ、およびNFCコントローラ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6127334
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】NFC構成方法、NFCデータ送信方法、コントローラ、およびNFCコントローラ
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/59 20060101AFI20170508BHJP
   H04L 29/08 20060101ALI20170508BHJP
【FI】
   H04B1/59
   H04L13/00 307Z
【請求項の数】4
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-554006(P2015-554006)
(86)(22)【出願日】2013年1月28日
(65)【公表番号】特表2016-511958(P2016-511958A)
(43)【公表日】2016年4月21日
(86)【国際出願番号】CN2013071029
(87)【国際公開番号】WO2014113991
(87)【国際公開日】20140731
【審査請求日】2015年9月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】509296306
【氏名又は名称】▲華▼▲為▼▲終▼端有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】金 志晧
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲ミャオ▼
【審査官】 大野 友輝
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−528886(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02458899(EP,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第02251986(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/59
H04L 29/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置のNFCモジュール内のNFCコントローラに適用されるNFCデータ送信方法であって、
NFCリンクが確立された後、データを前記NFCモジュールから前記NFCリンクのタイプと前記データのパラメータに従って取得し、前記NFCリンクを用いて前記データを送信するステップであって、前記データと前記データの前記パラメータは、LLCPリンク・パラメータが構成された後、前記電子装置のコントローラにより前記電子装置の前記NFCモジュールに送信され、前記データと前記データの前記パラメータは前記NFCモジュールにより格納されるステップ
を含み、
事前設定データを前記NFCモジュールから前記NFCリンクのタイプおよび前記事前設定データのパラメータに従って取得するステップは、
前記NFCリンクの前記タイプを決定するステップと、
前記データの前記パラメータを問い合わせ、前記リンクの前記タイプをサポートする対応するデータが配置された記憶ユニットの識別子を決定するステップと、
データ取得命令を前記決定された識別子により示された前記記憶ユニットに送信するステップと、
前記記憶ユニットにより送信された前記データを受信するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記記憶ユニットは、
前記NFCモジュール内のセキュリティ要素と、
前記NFCモジュール内の前記コントローラの記憶ユニットと、
のうち少なくとも1つである、請求項に記載の方法。
【請求項3】
電子装置のNFCモジュールに適用されるNFC制御装置であって、
NFCリンクが確立された後、データを前記NFCリンクのタイプと前記データのパラメータに従って前記NFCモジュールから取得し、前記NFCリンクを用いて前記データを送信するように構成されたNFCデータ送信モジュールであって、前記データと前記データの前記パラメータは、LLCPリンク・パラメータが構成された後、前記電子装置のコントローラにより前記電子装置の前記NFCモジュールに送信され、前記データと前記データの前記パラメータは前記NFCモジュールにより格納されるNFCデータ送信モジュール
を備え、
前記NFCデータ送信モジュールは、
前記NFCリンクの前記タイプを決定するように構成された第1の決定ユニットと、
前記データの前記パラメータを問い合わせ、前記リンクの前記タイプをサポートする対応するデータが配置された記憶ユニットの識別子を決定するように構成された第2の問合せユニットと、
データ取得命令を前記決定された識別子により示された前記記憶ユニットに送信するように構成された送信ユニットと、
前記記憶ユニットにより送信された前記データを受信するように構成された第1の受信ユニットと、
を備える、NFC制御装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録した、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信の分野に関し、特に、NFC構成方法、NFCデータ送信方法、コントローラ、およびNFCコントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
近距離通信(Near Field Communication、NFC)は、磁界誘導を使用して電子装置間の短距離通信を実装する技術である。ピア・ツー・ピア(peer to peer、P2P)モードはNFC通信における双方向通信モードである。2つのNFC端末が双方向の情報交換をP2Pモードで実施することができる。P2Pモードでは、一般に論理リンク制御プロトコル(Logical Link Control Protocol、LLCP)を使用してデータリンクを確立し、起動、停止、および管理のような動作を実施する。
【0003】
NFC技術の発展とともに、NFC High技術が台頭した。NFC High技術の特徴は、NFCコントローラ(NFC controller、NFCC)がLLCPリンクに基づく関連動作を制御し、電子装置のコントローラ(Device Host、DH)がマスタ・コントローラの役割を果たし、LLCPリンク上でのアプリケーション層データの交換の役割を担うことである。この場合、アプリケーション層データを送信するためにNFC High技術を使用する限り、DHが動作状態に留まる必要がある。したがって、DHは、アプリケーション層データを必要とするNFCのP2Pデータ送信に参加する必要があり、DHの負荷が増大する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上に鑑み、本発明の諸実施形態ではNFC構成方法、NFCデータ送信方法、コントローラ、およびNFCコントローラを提供する。これらは、既存のNFC High技術において、アプリケーション層データを必要するNFC P2Pデータ送信がDHの負荷を増大させるという問題を解決しようとするものである。
【0005】
以上の目的を達成するために本発明の諸実施形態では以下の技術的解決策を提供する。
【0006】
本発明の1実施形態の第1の態様では、電子装置のコントローラに適用されるNFC構成方法であって、電子装置のコントローラがLLCPリンク・パラメータを構成した後に、事前設定データと当該データのパラメータを電子装置のNFCモジュールに送信して、NFCモジュールが当該データと当該データのパラメータを記憶するようにするステップか、または、記憶空間適用命令をNFCモジュールに送信して、NFCモジュールが受信されたデータに対する記憶空間を当該命令に従って決定するようにするステップのうち少なくとも1つを含む方法を提供する。
【0007】
本発明の1実施形態の第2の態様では、電子装置のNFCモジュールに適用される別のNFC構成方法であって、事前設定データと当該データのパラメータを受信し格納するステップであって、当該事前設定データおよび当該データのパラメータはLLCPリンク・パラメータが構成された後、電子装置のコントローラにより送信されるステップ、または、記憶空間適用命令を受信し、受信されたデータに対する記憶空間を当該命令に従って決定するステップであって、当該記憶空間適用命令はLLCPリンク・パラメータが構成された後、電子装置のコントローラにより送信されるステップのうち少なくとも1つを含む方法を提供する。
【0008】
本発明の1実施形態の第3の態様では、電子装置のNFCモジュール内のNFCコントローラに適用されるNFCデータ送信方法であって、NFCリンクが確立された後、データをNFCモジュールからNFCリンクのタイプと当該データのパラメータに従って取得し、NFCリンクを用いて当該データを送信するステップであって、当該データと当該データのパラメータは、LLCPリンク・パラメータが構成された後、電子装置のコントローラにより電子装置のNFCモジュールに送信され、当該データと当該データのパラメータはNFCモジュールにより格納されるステップ、または、NFCリンクが確立された後、NFCリンクのタイプに従って、ピア装置により送信されたデータを受信し、当該データをNFCモジュール内の事前設定記憶空間に格納するステップであって、当該事前設定記憶空間は、LLCPリンク・パラメータが構成された後、電子装置のコントローラにより送信される受信された記憶空間適用命令に従ってNFCコントローラにより決定されるステップを含む方法を提供する。
【0009】
本発明の1実施形態の第4の態様では、電子装置に適用される制御装置であって、電子装置のコントローラがLLCPリンク・パラメータを構成した後、事前設定データと当該データのパラメータを電子装置のNFCモジュールに送信して、NFCモジュールが当該データと当該データのパラメータを記憶するようにし、かつ/または、電子装置のコントローラが当該LLCPリンク・パラメータを構成した後、記憶空間適用命令をNFCモジュールに送信して、NFCモジュールは受信されたデータに対する記憶空間を当該命令に従って決定するように構成されたNFC構成モジュールを備えた制御装置を提供する。
【0010】
本発明の1実施形態の第5の態様では、電子装置に適用されるNFC装置であって、事前設定データと当該データのパラメータを受信して記憶し、かつ/または、記憶空間適用命令を受信し、受信されたデータに対する記憶空間を当該命令に従って決定ように構成された構成応答モジュールであって、当該事前設定データおよび当該データのパラメータはLLCPリンク・パラメータが構成された後に電子装置のコントローラにより送信され、当該記憶空間適用命令は当該LLCPリンク・パラメータが構成された後に電子装置のコントローラにより送信される構成応答モジュールを備えたNFC装置を提供する。
【0011】
本発明の1実施形態の第6の態様では、電子装置のNFCモジュールに適用されるNFC制御装置であって、NFCリンクが確立された後、データをNFCリンクのタイプと当該データのパラメータに従ってNFCモジュールから取得し、NFCリンクを用いて当該データを送信するように構成されたNFCデータ送信モジュールであって、当該データと当該データのパラメータは、LLCPリンク・パラメータが構成された後、電子装置のコントローラにより電子装置のNFCモジュールに送信され、当該データと当該データのパラメータはNFCモジュールにより格納されるNFCデータ送信モジュールと、NFCリンクが確立された後、NFCリンクのタイプに従って、ピア装置により送信されたデータを受信し、当該データをNFCモジュール内の事前設定記憶空間に格納するように構成されたNFCデータ受信モジュールであって、当該事前設定記憶空間は、LLCPリンク・パラメータが構成された後に電子装置のコントローラにより送信された受信された記憶空間適用命令に従ってNFCコントローラにより決定されるNFCデータ受信モジュールとのうち少なくとも1つを備えたNFC制御装置を提供する。
【0012】
本発明の諸実施形態ではNFC構成方法を提供する。コントローラは、データおよび当該データのパラメータを記憶のためにNFCモジュールに送信するか、または、記憶空間がNFCモジュールにおいてデータに対して予約されるように記憶空間適用命令をNFCモジュールに送信する。したがって、データがNFC High方式で送信または受信されるとき、DHの参加なしに、送信されたデータをNFCモジュールから取得することができ、または、当該受信されたデータをNFCモジュールに格納することができ、それにより、DHの負荷が削減される。
【0013】
本発明の諸実施形態または先行技術における技術的解決策をより明確に説明するために、以下では当該諸実施形態または先行技術を説明するのに必要な添付図面を簡単に説明する。明らかに、以下の説明における添付図面は本発明の幾つかの実施形態を示すにすぎず、当業者は創造的作業なしにこれらの添付図面から他の図面を導出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の1実施形態で開示するNFC構成方法の流れ図である。
図2】本発明の1実施形態で開示するNFC構成方法において、コントローラDHが事前設定データと当該データのパラメータを電子装置のNFCモジュールに送信する1実装方式の流れ図である。
図3】本発明の1実施形態で開示するNFC構成方法において、コントローラDHが事前設定データと当該データのパラメータを電子装置のNFCモジュールに送信する別の実装方式の流れ図である。
図4】本発明の1実施形態で開示するNFC構成方法における記憶空間適用命令をNFCモジュールに送信するステップの1実装方式の流れ図である。
図5】本発明の1実施形態で開示するNFC構成方法における記憶空間適用命令をNFCモジュールに送信するステップの別の実装方式の流れ図である。
図6】本発明の1実施形態で開示する別のNFC構成方法の流れ図である。
図7】本発明の1実施形態で開示する別のNFC構成方法において、NFCモジュールが事前設定データと当該データのパラメータを受信し格納する1実装方式の流れ図である。
図8】本発明の1実施形態で開示する別のNFC構成方法において、NFCモジュールが事前設定データと当該データのパラメータを受信し格納する別の実装方式の流れ図である。
図9】本発明の1実施形態で開示する別のNFC構成方法において、NFCモジュールが記憶空間適用命令を受信し、記憶空間を当該命令に従って決定する1実装方式の流れ図である。
図10】本発明の1実施形態で開示する別のNFC構成方法において、NFCモジュールが記憶空間適用命令を受信し、記憶空間を当該命令に従って決定する別の実装方式の流れ図である。
図11】本発明の1実施形態で開示するNFCデータ送信方法の流れ図である。
図12】本発明の1実施形態で開示するNFCデータ送信方法におけるデータ送信方法の流れ図である。
図13】本発明の1実施形態で開示するNFCデータ送信方法におけるデータ受信方法の流れ図である。
図14】本発明の1実施形態で開示するコントローラの略構造図である。
図15】本発明の1実施形態で開示するNFC制御装置の略構造図である。
図16】本発明の1実施形態で開示するNFCコントローラの略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の諸実施形態では、NFC構成方法およびコントローラを開示する。本発明の中心は、電子装置のコントローラが、NFC High方式を用いて送信されたデータをNFCモジュールに送信し、記憶空間適用命令をNFCモジュールに送信して、受信されたデータに対する記憶空間をNFCモジュール内に予約することである。以上の構成方法およびコントローラに基づいて、本発明の諸実施形態ではNFCデータ送信方法およびNFCコントローラを開示する。電子装置がNFC Highを用いてデータを送信するとき、NFCコントローラは送信されたデータをNFCモジュールから直接取得するか、または、受信されたデータをNFCモジュール内の予約された記憶空間に格納してもよい。したがって、NFC Highを用いてデータを送信するときに電子装置のコントローラの参加は必要でない。
【0016】
以下で、本発明の諸実施形態における添付図面を参照して本発明の諸実施形態の技術的解決策を明確かつ十分に説明する。明らかに、説明する諸実施形態は本発明の諸実施形態の一部にすぎず全部ではない。当業者が本発明の諸実施形態に基づいて創造的作業なしに取得する他の全ての実施形態は本発明の保護範囲に入るものとする。
【0017】
本発明の1実施形態で開示するNFC構成方法は電子装置のコントローラに適用される。電子装置のコントローラがLLCPリンク・パラメータを構成した後、図1に示すように、当該方法は、以下のステップのうち少なくとも1つを備える。
【0018】
S101で、事前設定データと当該データのパラメータを電子装置のNFCモジュールに送信する。
【0019】
当該ステップは、NFCモジュールが当該データと当該データのパラメータを格納できるようにするものである。
【0020】
当該実施形態では、当該事前設定データは、ユーザにより事前設定されたアプリケーション層データである。事前設定データと当該データのパラメータを電子装置のNFCモジュールに送信するステップの具体的な実装手続きが、ユーザにより入力されたデータ転送命令が受信された後に、当該事前設定データおよび当該データのパラメータを電子装置のNFCモジュールに送信するステップ、または、電子装置の電気量が事前設定値より小さいとき、当該事前設定データおよび当該データのパラメータを電子装置のNFCモジュールに送信するステップ、または、ユーザにより入力されたデータ転送命令が受信され電子装置の電気量が事前設定値より小さいとき、当該事前設定データおよび当該データのパラメータを電子装置のNFCモジュールに送信するステップであってもよい。
【0021】
当該アプリケーション層データが、特に、データ・セット、または命令およびデータの集合(Java(登録商標) Applet)であってもよいことに留意されたい。
【0022】
ユーザにより入力されたデータ転送命令が、ユーザにより事前設定された転送データを含んでもよい。例えば、ユーザが出かける前に、ユーザが緊急連絡先の電話番号を転送データとして決定する。当該事前設定値が、電子装置の総電気量に従って設定された値であってもよい。例えば、当該事前設定値は電子装置の総電気量の10%である。
【0023】
特に、当該実施形態では、図2に示すように、電子装置のコントローラDHがLLCPリンク・パラメータを構成し、事前設定データと当該データのパラメータを電子装置のNFCモジュールに送信する1実装方式は以下を含む。S201で、DHがLLCP Highに関連するパラメータを構成する。
【0024】
当該実施形態の構成手続きは先行技術のものと同じであり、LLCPリンク確立に関連するパラメータを構成するために使用される。
【0025】
S202で、DHが事前設定データを電子装置のNFCモジュール内のNFCCに送信して、NFCCが当該データを記憶するためにNFCモジュール内の記憶ユニットに送信するようにする。
【0026】
S203で、DHが当該事前設定データのパラメータをNFCCに送信して、NFCCが当該データのパラメータを格納するようにする。
【0027】
当該実施形態では、NFCモジュール内の記憶ユニットがNFCモジュール内のセキュリティ要素(Security Element、SE)であってもよい。一般に、当該セキュリティ要素は、NFCユーザのデータと実行環境を格納するように構成されたモジュールである。NFCモジュール内の記憶ユニットがNFCC内の記憶ユニットであってもよい。即ち、NFCCは記憶機能を有する。
【0028】
即ち、当該実装方式では、DHが事前設定データおよび当該データのパラメータの両方をNFCCに送信し、NFCCが当該データをNFCCに格納するか、または、当該データをNFCモジュール内のSEに格納し当該データのパラメータをNFCCに格納する。
【0029】
NFCCがデータをNFCモジュール内の記憶ユニットに格納する手続きは下記の実施形態で説明されており、詳細についてはここでは再度説明しない。
【0030】
さらに、図3に示すように、電子装置のコントローラDHがLLCPリンク・パラメータを構成し、事前設定データと当該データのパラメータを電子装置のNFCモジュールに送信する別の実装方式は以下を含む。S301で、DHがLLCP Highに関連するパラメータを構成する。S302で、DHが当該事前設定データをNFCモジュール内の記憶ユニットに送信する。
【0031】
以上の実装方式と同様に、NFCモジュール内の記憶ユニットがSE、またはNFCC内の記憶ユニットであってもよい。
【0032】
データを受信した後、記憶ユニットがデータを格納し、当該データの記憶アドレスをDHにフィードバックする。S303で、DHが当該記憶ユニットによりフィードバックされた記憶アドレスを受信する。
【0033】
S304で、DHが記憶アドレス、記憶ユニットの識別子、および当該データのパラメータをNFCCに送信して、NFCCが記憶ユニットの識別子、記憶アドレスおよび当該データのパラメータを記憶するようにする。
【0034】
当該実施形態の方式では、DHは事前設定データをSEまたはNFCC内の記憶ユニットに直接送信し、SEまたはNFCC内の記憶ユニットからフィードバックを受信した後、フィードバック情報および当該データのパラメータをNFCCに送信する。
【0035】
当該実施形態では、事前設定データのパラメータは少なくともサービスアクセス・ポイント(Service Access Point、SAP)を含み、そのうえ、リンク・サービス・クラス(Link Service Class、LSC)等を含みうることが好ましい。
【0036】
以上の2つの実装方式では、SAPが特に、連絡先、SMSメッセージ、写真、クーポン等であってもよく、LSCが接続指向(CO)、コネクションレス(CL)、または接続指向およびコネクションレス(CO/CL)であってもよい。
【0037】
S102で、記憶空間適用命令をNFCモジュールに送信して、NFCモジュールが記憶空間を当該命令に従って決定するようにする。
【0038】
特に、記憶空間適用命令をNFCモジュールに送信するステップが、ユーザにより入力されたデータ転送命令が受信された後、当該記憶空間適用命令をNFCモジュールに送信するステップ、または、電子装置の電気量が事前設定値より小さいとき、当該記憶空間適用命令をNFCモジュールに送信するステップ、または、ユーザにより入力されたデータ転送命令が受信され電子装置の電気量が事前設定値より小さいとき、当該記憶空間適用命令をNFCモジュールに送信するステップであってもよい。
【0039】
特に、図4に示すように、DHがLLCPリンク・パラメータを構成し記憶空間適用命令をNFCモジュールに送信する1実装方式は以下を含む。S401で、DHがLLCP Highに関連するパラメータを構成する。S402で、DHが当該記憶空間適用命令をNFCモジュール内のNFCCに送信する。
【0040】
当該記憶空間命令は記憶空間パラメータを含み、特に、当該記憶空間パラメータは少なくとも記憶容量とSAPを含み、そのうえ、さらにLSCを含んでもよい。
【0041】
当該記憶空間適用命令を受信した後、NFCCが記憶空間に関してNFCモジュール内の記憶ユニットに適用される。NFCCを記憶空間に関して記憶ユニットに適用する具体的なステップを以下の実施形態で説明する。
【0042】
NFCモジュール内の記憶ユニットがSEであってもよく、または、NFCC内の記憶ユニットであってもよい。即ち、DHが、当該記憶空間を求めるためにNFCCに要求する命令を送信し、記憶空間適用命令を受信した後に、NFCCを当該記憶空間に関してSEに適用してもよく、または、当該記憶空間に関してNFCCの記憶ユニットに適用してもよい。
【0043】
図5に示すように、DHがLLCPリンク・パラメータを構成し記憶空間適用命令をNFCモジュールに送信する別の実装方式は以下を含む。S501で、DHがLLCP Highに関連するパラメータを構成する。
【0044】
S502で、DHが記憶容量を含む記憶空間適用命令をNFCモジュール内の記憶ユニットに送信する。同様に、当該記憶ユニットがSEであってもよく、または、NFCC内の記憶ユニットであってもよい。
【0045】
当該適用命令を受信した後、当該記憶ユニットは当該適用命令に対応する記憶空間を決定する。即ち、決定された記憶空間の容量は当該適用命令に含まれる記憶容量と同じであり、当該決定された記憶空間のアドレスをDHに送信する。
【0046】
S503で、DHが当該記憶ユニットによりフィードバックされた決定された記憶空間のアドレスを受信する。
【0047】
S504で、当該記憶ユニットの識別子、当該記憶空間のアドレス、および記憶空間パラメータをNFCモジュール内のNFCCに送信する。以上のデータを受信した後、NFCCが当該データを格納する。
【0048】
特に、当該記憶空間パラメータは少なくともSAPを含み、そのうえ、さらにLSCを含んでもよい。
【0049】
当該実施形態のNFC構成方法によれば、NFCデータ送信の前に構成がNFCモジュールで実施される。既存のNFC構成方法と比べて、当該実施形態の方法によれば、NFCで実施される一般的な構成に加えて、DHがさらに事前設定データをNFCモジュールに格納するか、または、DHを記憶空間に関してNFCモジュールに適用して、NFCモジュールがDHの幾つかの機能を或る程度実装するようにする。したがって、NFCデータ送信段階で、アプリケーション層データを送信し格納するためのDHの機能をNFCモジュールにより実装することができる。したがって、DHの参加は必要でない。何らかの理由でDHが動作できないとき、NFCモジュールは依然としてデータ送信を実施することができる。
【0050】
以上の実施形態における方法を主に電子装置のコントローラの観点から説明する。本発明の1実施形態では、電子装置のNFCモジュールに適用される別のNFC構成方法を開示する。図6に示すように、以下のステップのうち少なくとも1つを備える。
【0051】
S601で、NFCモジュールが事前設定データと当該データのパラメータを受信し、格納する。
【0052】
当該事前設定データおよび当該データのパラメータはLLCPリンク・パラメータが構成された後、電子装置のコントローラにより送信される。
【0053】
特に、図7に示すように、NFCモジュールが事前設定データと当該データのパラメータを受信し、格納する実装方式の1つは以下を含む。
【0054】
S701で、NFCCが、DHにより送信された事前設定データおよび当該データのパラメータを受信する。S702で、NFCCが当該データをNFCモジュール内の記憶ユニットに送信する。
【0055】
NFCモジュール内の記憶ユニットがSEであるか、または、NFCC内の記憶ユニットであることが好ましい。
【0056】
S703で、当該記憶ユニットが、格納が成功したことをNFCCに通知し、当該データの記憶アドレスをNFCCにフィードバックする。
【0057】
S704で、NFCCが当該記憶ユニットの識別子、記憶アドレス、および当該データのパラメータを第1の事前設定方式で格納する。S705で、NFCCが、当該構成が成功したことをDHに通知する。
【0058】
NFCCがそれに対応して当該記憶ユニットの識別子、記憶アドレス、および当該データのパラメータをリスト方式で、例えば、表1の形式で格納できることが好ましい。
【0059】
SEIDは記憶ユニットの識別子であり、SE1、SE2、SE3、およびSE4は具体的な記憶ユニットであり、Addr1、Addr2、Addr3、およびAddr4は具体的な記憶アドレスである。
【0060】
当該データがJava(登録商標) Appletであるとき、DataパラメータはJava(登録商標) Appletの識別子である。
【0061】
【表1】
【0062】
即ち、NFCCがDHにより送信されたデータと当該データのパラメータを受信し、NFCCがNFCモジュール内の記憶ユニットと交換した後、当該データと当該データのパラメータの格納が実装される。
【0063】
図8に示すように、NFCモジュールが事前設定データと当該データのパラメータを受信し、格納する別の実装方式は以下を含む。S801で、NFCモジュール内の記憶ユニットが当該事前設定データを受信する。
【0064】
S802で、当該記憶ユニットが当該データを格納し、格納が成功したことをDHに通知し、当該データの記憶アドレスをDHに送信する。
【0065】
S803で、NFCCがDHにより送信された当該記憶ユニットの識別子、記憶アドレス、および当該データのパラメータを受信し、当該記憶ユニットの識別子、当該記憶アドレス、および当該データのパラメータを第1の事前設定方式で格納する。具体的な格納方式を表1に示す。S804で、NFCCが、当該構成が成功したことをDHに通知する。
【0066】
以前の実装方式との差異は、当該実装方式では、記憶ユニットがDHと直接交換し、記憶アドレスが決定された後、NFCCがDHにより送信された当該記憶アドレス、当該記憶ユニットの識別子、および当該データのパラメータを受信することである。
【0067】
S602で、記憶空間適用命令を受信し、当該命令に従って記憶空間を決定する。当該記憶空間適用命令はLLCPリンク・パラメータが構成された後、電子装置のコントローラにより送信される。
【0068】
特に、図9に示すように、NFCモジュールが記憶空間適用命令を受信し、記憶空間を当該命令に従って決定する1実装方式は以下を含む。
【0069】
S901で、NFCモジュール内のNFCCが、記憶空間パラメータを含む記憶空間適用命令を受信する。
【0070】
当該記憶空間パラメータは記憶容量とSAPを含み、さらにLSCを含みうるのが好ましい。
【0071】
S902で、NFCCが、当該記憶空間適用命令に従って、記憶容量を含む適用命令をSEまたはNFCC内の記憶ユニットに送信する。
【0072】
当該ステップにおける記憶容量を記憶空間パラメータから取得してもよい。
【0073】
S903で、SEまたはNFCC内の記憶ユニットは、当該適用命令に対応する記憶空間を決定し、当該決定された記憶空間のアドレスをNFCCに送信する。
【0074】
当該記憶空間の容量は当該適用命令に含まれる記憶容量と同じである。
【0075】
S904で、NFCCが当該記憶空間のアドレス、当該記憶ユニットの識別子、および当該記憶空間パラメータを格納する。S905で、NFCCが、当該構成が成功したことをDHに通知する。
【0076】
図10に示すように、NFCモジュールが記憶空間適用命令を受信し、記憶空間を当該命令に従って決定する別の実装方式を以下を含む。
【0077】
S1001で、NFCモジュール内の記憶ユニットが記憶容量を含む記憶空間適用命令を受信する。
【0078】
NFCモジュール内の記憶ユニットがSE、またはNFCC内の記憶ユニットであることが好ましい。
【0079】
S1002で、当該記憶ユニットが当該適用命令に対応する記憶空間を決定する。
【0080】
S1003で、当該記憶ユニットが当該決定された記憶空間のアドレスをDHに送信する。
【0081】
当該記憶空間のアドレスを受信した後、DHが当該記憶空間のアドレス、当該記憶ユニットの識別子、および記憶空間パラメータをNFCCに送信する。
【0082】
S1004で、NFCCが、当該記憶空間のアドレス、当該記憶ユニットの識別子、および記憶空間パラメータを受信し、当該記憶空間のアドレス、当該記憶ユニットの識別子、および当該記憶空間パラメータを第2の事前設定方式で格納する。
【0083】
当該第2の事前設定方式を表2に示してもよい。表1との差異は、表2では、SAPがさらに任意のタイプであってもよく、入力/出力が出力ではなく記憶であることである。
【0084】
【表2】
【0085】
S1005で、NFCCが、当該構成が成功したことをDHに通知する。
【0086】
当該実施形態のNFC構成方法を主にNFCモジュールを対象として用いることで説明する。NFCCとNFCモジュール内の記憶ユニットは、協調して、DHにより送信されたデータおよび当該データのパラメータを格納するか、または、DHにより要求された記憶空間を予約する。したがって、後続のNFCデータ送信手続きにおいて、DHの参加はもはや必要でなく、NFCデータ送信をDHの制御外で実装することができる。結果として、DHが動作できないとき、NFCデータ送信は影響を受けない。
【0087】
以上のNFC構成方法に基づいて、本発明の1実施形態では、電子装置のNFCモジュール内のNFCCに適用されるNFCデータ送信方法を開示する。図11に示すように、当該方法は以下のステップのうち少なくとも1つを備える。
【0088】
S1101で、NFCリンクが確立された後、データをNFCリンクのタイプと当該データのパラメータに従ってNFCモジュールから取得し、NFCリンクを用いて当該データを送信する。当該データと当該データのパラメータは、LLCPリンク・パラメータが構成された後、電子装置のコントローラにより電子装置のNFCモジュールに送信され、当該データと当該データのパラメータはNFCモジュールにより格納される。
【0089】
即ち、NFCデータ送信の前に、当該データと当該データのパラメータが前もってDHによりNFCモジュールに格納される。特に、当該データと当該データのパラメータをNFCモジュールに格納する手続きはNFCデータ送信に対する構成段階である。上述のNFC構成方法の実施形態を参照されたい。詳細についてはここでは再度説明しない。特に、図12に示すように、S1101が以下を含んでもよい。即ち、S1201でNFCリンクを確立する。
【0090】
当該実施形態のNFCリンク確立手続きは先行技術のものと同じであり、詳細についてはここでは再度説明しない。一般に、サービス・クラスに従って、NFCリンクをコネクションレス(CL)タイプ、接続指向(CO)タイプ、およびCL/COに分類してもよい。S1202で、NFCCがNFCリンクのタイプを決定する。即ち、NFCリンクがCL、CO、またはCL/COであるかどうかが判定される。
【0091】
S1203で、NFCCが当該データのパラメータを問い合わせ、当該リンクのタイプをサポートする対応するデータが配置される記憶ユニットを決定する。
【0092】
当該データのパラメータは、構成段階での格納のために、DHによりNFCモジュールに送信される。当該実施形態では、現在のNFCリンクのタイプに対応するデータが配置された記憶ユニットの識別子、および、記憶アドレスを上述の表1から問い合わせてもよい。データがJava(登録商標) Appletであるとき、現在のNFCリンクのタイプに対応するJava(登録商標) Appletが配置される記憶ユニットの識別子、および、当該Java(登録商標) Appletの識別子を上述の表1から問い合わせてもよい。
【0093】
特に、NFCリンクのタイプがCLまたはCL/COであるとき、表1を問い合わせ、SE1、SE2、およびSE3に対応する記憶アドレス内のデータがサポートするリンクのタイプがNFCリンクのタイプと同じであること、即ち、現在のリンクのタイプがサポートされることが決定される。NFCリンクのタイプがCOであるとき、表1を問い合わせ、記憶ユニットの識別子と記憶アドレスが決定されると、LSCがCOであるという基礎に加えて、SAPタイプがさらに基礎として使用される。基礎として使用されるSAPタイプは、NFCリンク確立段階でピア装置により送信される。例えば、当該ピア装置により送信されたContactsが受信された場合、記憶ユニットの識別子とアドレスが問い合わされると、COとContactsの両方が満たされなければならないということが基礎として用いられる。
【0094】
S1204で、NFCCがデータ取得命令を当該決定された識別子により示された記憶ユニットに送信する。
【0095】
当該記憶ユニット内のデータがデータのみであり命令を含まない場合、当該記憶ユニットは命令に従って元のデータを直接NFCCに送信し、当該記憶ユニット内のデータが論理命令を含むデータである場合、送信すべきデータ・パケットが当該論理命令に従って生成され、当該送信すべきデータ・パケットがNFCCに送信されることに留意されたい。S1205で、NFCCが当該記憶ユニットにより送信されたデータを受信する。
【0096】
当該実施形態では、NFCモジュール内の記憶ユニットもSE、またはNFCC内の記憶ユニットであることが好ましい。NFCCが、1つの記憶ユニット、2つの記憶ユニット、またはそれより多くの記憶ユニットからデータを取得してもよい。S1206で、NFCCがNFCリンクを用いることによって受信されたデータを送信する。
【0097】
当該受信されたデータが、命令に従って記憶ユニットによりNFCCに直接送信された元のデータである場合、NFCCが当該データを、LLCP標準を満たすデータ・パケットに変換し、NFCリンクを用いることによって当該データ・パケットを送信することに留意されたい。当該受信されたデータが論理命令に従って生成された送信すべきデータ・パケットである場合、NFCCはNFCリンクを用いることによって当該送信すべきデータ・パケットを直接送信する。
【0098】
S1102で、NFCリンクが確立された後、ピア装置により送信されたデータを受信し、NFCリンクのタイプに従って、当該データをNFCモジュール内の事前設定記憶空間に格納する。
【0099】
当該事前設定記憶空間は、LLCPリンク・パラメータが構成された後に電子装置のコントローラにより送信された受信された記憶空間適用命令に従ってNFCコントローラにより決定される。
【0100】
特に、図13に示すように、ピア装置により送信されたデータを受信し、NFCリンクのタイプに従って当該データをNFCモジュール内の事前設定記憶空間に格納する手続きは以下を含む。S1301でNFCリンクを確立する。S1302で、NFCリンクのタイプを決定する。S1303で、NFCリンクのタイプに従って、ピア装置により送信されたデータを受信する。
【0101】
NFCリンクのタイプがCOである場合、データのSAPをピア装置のものとマッチする必要があり、次いで、データが受信される。NFCリンクのタイプがCLまたはCL/COである場合、当該データをマッチング手続きなしに直接受信してもよい。S1304で、記憶空間の記憶空間パラメータを問い合わせる。
【0102】
当該記憶空間パラメータは構成段階でNFCモジュール内の記憶ユニットに格納される。当該実施形態の記憶空間パラメータについては、上述の表2を参照されたい。
【0103】
S1305で、当該記憶空間パラメータに従ってデータをNFCモジュール内の対応する記憶ユニットに格納する。
【0104】
即ち、表2の項目に従って、そのパラメータが当該項目の全てにマッチするデータが記憶ユニットに格納される。例えば、受信されたデータが写真でありCL/COをサポートする場合には、そのアドレスがAddr3であるデータをSE3に格納してもよい。
【0105】
データにマッチするSAPが見つからない場合、データを、そのSAPが任意のタイプである記憶空間に格納してもよいことに留意されたい。
【0106】
先行技術では、NFCデータ送信手続きにおいて、アプリケーション層データの送信または受信を必要とする手続きにはDHの参加が必要である。したがって、電子装置の電気量がDHの動作をサポートするのに十分でないとき、NFCモジュールはデータを送信することができない。
【0107】
当該実施形態のNFCデータ送信方法によれば、送信すべきデータと当該データのパラメータの両方が前もってNFCモジュールに格納されるか、または、受信されたデータを格納するための記憶空間が前もってNFCモジュールにおいて設定されるので、DHがデータ送信手続きに参加する必要はない。したがって、電気量が少ないためDHが動作できない場合でも、ピアNFC装置と通信するとき、NFCモジュールはピアNFC装置による放射により生成された電界から電気を取得でき、したがって、局所的な電気が十分でない場合にデータを送信することができる。
【0108】
当該実施形態のNFCデータ送信方法によれば、DHの参加は必要でなく、これによりDHの負荷を削減でき、さらに、電子装置の電気量による制限が解かれ、ユーザに利便性をもたらすことは分かる。
【0109】
以上の方法の実施形態に対応して、本発明の1実施形態ではさらに、電子装置に適用される制御装置を開示する。当該装置は、電子装置のコントローラがLLCPリンク・パラメータを構成した後、事前設定データと当該データのパラメータを電子装置のNFCモジュールに送信して、NFCモジュールが当該データと当該データのパラメータを記憶するようにし、かつ/または、電子装置のコントローラがLLCPリンク・パラメータを構成した後、記憶空間適用命令をNFCモジュールに送信して、NFCモジュールが受信されたデータに対する記憶空間を当該命令に従って決定するようにするように構成されたNFC構成モジュールを備える。
【0110】
さらに、NFC構成モジュールが特に、事前設定データをNFCモジュール内のNFCコントローラに送信し、NFCコントローラが当該データを記憶するためにNFCモジュール内の記憶ユニットに送信するようにし、当該データのパラメータをNFCコントローラに送信して、NFCコントローラが当該データのパラメータを格納するようにするように構成された第1のNFCコントローラ対話ユニット、または、当該事前設定データをNFCモジュール内の記憶ユニットに送信して、当該記憶ユニットが当該データを記憶し、当該データの記憶アドレスを電子装置のコントローラに送信するようにし、当該記憶ユニットによりフィードバックされた受信された記憶アドレス、当該記憶ユニットの識別子、および当該データのパラメータをNFCコントローラに送信して、NFCコントローラが当該記憶ユニットの識別子、記憶アドレスおよび当該データのパラメータを記憶するようにするように構成された第1の記憶ユニット対話ユニット、または、記憶空間パラメータを含む記憶空間適用命令をNFCモジュール内のNFCコントローラに送信して、NFCコントローラが当該記憶空間に対するNFCモジュール内の記憶ユニットに適用されるようにするように構成された第2のNFCコントローラ対話ユニット、または、記憶容量を含む記憶空間適用命令をNFCモジュール内の記憶ユニットに送信して、当該記憶ユニットが、当該適用命令に対応する記憶空間を決定し、当該記憶ユニットによりフィードバックされた決定された記憶空間のアドレスを受信するようにし、当該記憶ユニットの識別子、記憶アドレス、および記憶空間パラメータをNFCコントローラに送信して、NFCコントローラが電子装置のコントローラが送信した記憶ユニットの識別子、記憶アドレス、および記憶空間パラメータを受信し記憶するようにするように構成された第2の記憶ユニット対話ユニットであってもよい。
【0111】
当該実施形態では、当該記憶ユニットがSEまたはNFCCの記憶ユニットであることが好ましい。
【0112】
本発明の1実施形態ではさらにコントローラを開示する。図14に示すように、当該コントローラは、電子装置のコントローラがLLCPリンク・パラメータを構成した後、事前設定データと当該データのパラメータを電子装置のNFCモジュールに送信して、NFCモジュールが当該データと当該データのパラメータを記憶するようにし、かつ/または、電子装置のコントローラがLLCPリンク・パラメータを構成した後、記憶空間適用命令をNFCモジュールに送信して、NFCモジュールが受信されたデータに対する記憶空間を当該命令に従って決定するようにするように構成された第1のプロセッサ1401と、第1のプロセッサ1401内のプログラムと第1のプロセッサ1401内のプログラムが実行されたとき生成されるデータとを格納するように構成された第1のメモリ1402とを備える。
【0113】
本発明の1実施形態ではさらに、電子装置に適用されるNFC装置を提供する。当該装置は、事前設定データと当該データのパラメータを受信し記憶するように構成され、かつ/または、記憶空間適用命令を受信し、受信されたデータに対する記憶空間を当該命令に従って決定するように構成された構成応答モジュールであって、当該事前設定データおよび当該データのパラメータはLLCPリンク・パラメータが構成された後に電子装置のコントローラにより送信され、当該記憶空間適用命令は当該LLCPリンク・パラメータが構成された後に電子装置のコントローラにより送信される構成応答モジュールを備える。
【0114】
さらに、当該構成応答モジュールが、事前設定データおよび当該データのパラメータを受信し、当該データを送信するように構成された第1のNFCコントローラと、当該第1のNFCコントローラにより送信されたデータを受信し記憶し、当該データの記憶アドレスを当該第1のNFCコントローラに送信して、当該第1のNFCコントローラが記憶ユニットの識別子、記憶アドレス、および当該データのパラメータを第1の事前設定方式で記憶するようにするように構成された第1の記憶ユニット、または、当該事前設定データを受信し記憶し、当該データの記憶アドレスを電子装置のコントローラに送信して、電子装置のコントローラが当該データの記憶アドレスを第2のNFCコントローラに送信するようにするように構成された第2の記憶ユニットと、電子装置のコントローラにより送信された記憶ユニットの識別子、記憶アドレス、および当該データのパラメータを受信し、当該記憶ユニットの識別子、当該記憶アドレス、および当該データのパラメータを第1の事前設定方式で記憶するように構成された当該第2のNFCコントローラ、または、記憶空間パラメータを含む記憶空間適用命令を受信し、当該記憶空間適用命令に従って、記憶容量を含む適用命令をNFCモジュール内の記憶ユニットに送信するように構成された第3のNFCコントローラと、当該適用命令に対応する記憶空間を決定し、当該決定された記憶空間のアドレスを当該第3のNFCコントローラに送信して、当該第3のNFCコントローラが当該記憶空間のアドレス、当該記憶ユニットの識別子、および当該記憶空間パラメータを第2の事前設定方式で記憶するようにするように構成された第3の記憶ユニット、または、記憶容量を含む記憶空間適用命令を受信し、当該適用命令に対応する記憶空間を決定し、当該決定された記憶空間のアドレスを電子装置のコントローラに送信して、電子装置のコントローラが当該記憶ユニットの識別子、当該記憶アドレス、および記憶空間パラメータをNFCモジュールに送信するようにするように構成された第4の記憶ユニットと、電子装置のコントローラが送信した記憶ユニットの識別子、記憶アドレス、および記憶空間パラメータを受信し、当該記憶ユニットの識別子、当該記憶アドレス、および当該記憶空間パラメータを第2の事前設定方式で記憶するように構成された第4のNFCコントローラのうち少なくとも1つを備えてもよい。
【0115】
本発明の1実施形態はさらに、電子装置のNFCモジュールに適用されるNFC制御装置を開示する。図15に示すように、当該装置は、NFCリンクが確立された後、データをNFCリンクのタイプと当該データのパラメータに従ってNFCモジュールから取得し、NFCリンクを用いて当該データを送信するように構成されたNFCデータ送信モジュール1501であって、当該データと当該データのパラメータは、LLCPリンク・パラメータが構成された後、電子装置のコントローラにより電子装置のNFCモジュールに送信され、当該データと当該データのパラメータはNFCモジュールにより格納される、NFCデータ送信モジュール1501と、NFCリンクが確立された後、NFCリンクのタイプに従って、ピア装置により送信されたデータを受信し、当該データをNFCモジュール内の事前設定記憶空間に格納するように構成されたNFCデータ受信モジュール1502であって、当該事前設定記憶空間は、LLCPリンク・パラメータが構成された後に電子装置のコントローラにより送信された受信された記憶空間適用命令に従ってNFCコントローラにより決定されるNFCデータ受信モジュール1502とのうち少なくとも1つを備える。
【0116】
さらに、NFCデータ送信モジュール1501は、NFCリンクのタイプを決定するように構成された第1の決定ユニットと、当該データのパラメータを問い合わせ、当該リンクのタイプをサポートする対応するデータが配置された記憶ユニットの識別子を決定するように構成された第2の問合せユニットと、データ取得命令を当該決定された識別子により示された記憶ユニットに送信するように構成された送信ユニットと、当該記憶ユニットにより送信されたデータを受信するように構成された第1の受信ユニットとを備える。
【0117】
NFCデータ受信モジュール1502は、NFCリンクのタイプを決定するように構成された第2の決定ユニットと、NFCリンクのタイプに従って、当該ピア装置により送信されたデータを受信するように構成された第2の受信ユニットと、当該記憶空間の記憶空間パラメータを問い合わせるように構成された第2の問合せユニットと、当該記憶空間パラメータに従ってデータをNFCモジュール内の対応する記憶ユニットに格納するように構成された記憶ユニットとを備える。
【0118】
本発明の1実施形態はさらにNFCコントローラを開示する。図16に示すように、NFCコントローラは、NFCリンクが確立された後、データをNFCリンクのタイプと当該データのパラメータに従ってNFCモジュールから取得し、NFCリンクを用いて当該データを送信し、かつ/または、NFCリンクが確立された後、NFCリンクのタイプに従って、ピア装置により送信されたデータを受信し、当該データをNFCモジュール内の事前設定記憶空間に格納するように構成された第2のプロセッサ1601であって、当該データと当該データのパラメータは、LLCPリンク・パラメータが構成された後、電子装置のコントローラにより電子装置のNFCモジュールに送信され、当該データと当該データのパラメータはNFCモジュールにより格納され、当該事前設定記憶空間は、LLCPリンク・パラメータが構成された後に電子装置のコントローラにより送信された受信された記憶空間適用命令に従ってNFCコントローラにより決定される第2のプロセッサ1601と、当該第2のプロセッサ内のプログラムと第2のプロセッサ1601内のプログラムが実行されたときに生成されるデータとを格納するように構成された第2のメモリ1602とを備える。
【0119】
当該実施形態の方法の機能をソフトウェア機能ユニットの形態で実装し独立な製品として販売または使用するとき、当該機能をコンピューティング・デバイス可読記憶媒体に格納してもよい。かかる理解に基づいて、先行技術に寄与する本発明の諸実施形態の一部または技術的解決策の一部をソフトウェア製品の形で実装してもよい。当該ソフトウェア製品は記憶媒体に格納され、本発明の諸実施形態で説明した方法のステップの全部または一部を実施するようにコンピューティング・デバイス(パーソナル・コンピュータ、サーバ、モバイル・コンピューティング・デバイス、またはネットワーク装置であってもよい)に指示するための幾つかの命令を含む。以上の記憶媒体には、USBフラッシュ・ドライブ、取外し可能ハード・ディスク、読取専用メモリ(ROM、Read−Only Memory)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスク、または光ディスクのような、プログラム・コードを記憶できる任意の媒体が含まれる。
【0120】
本明細書の諸実施形態は全て漸進的な方式で説明され、当該諸実施形態における同一または類似の部分に関してはこれらの実施形態を参照されたい。各実施形態は他の実施形態との差異に着目している。
【0121】
開示した実施形態の以上の説明により、当業者は本発明を実施または利用することができる。当該諸実施形態に対する様々な修正は当業者には自明であり、本明細書で定義した一般的な原理を本発明の趣旨と範囲から逸脱することなく他の実施形態で実装してもよい。したがって、本発明は、本明細書で説明した実施形態には限定されず、本明細書で開示した原理と新規性に従う最も広い範囲に拡張される。
【符号の説明】
【0122】
1401 第1のプロセッサ
1402 第1のメモリ
1501 NFCデータ送信モジュール
1502 NFCデータ受信モジュール
1601 第2のプロセッサ
1602 第2のメモリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16