(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
絶縁基板上に、ゲート配線と、該ゲート配線に接続されたゲート電極と、キャパシタ配線と、該キャパシタ配線に接続されたキャパシタ電極とを含む第1電極層を有し、該第1電極層の上にゲート絶縁膜を有し、該ゲート絶縁膜の上に、ソース配線と、該ソース配線に接続されたソース電極と、ドレイン電極と、該ドレイン電極に接続された画素電極とを含む第2電極層を有し、ソース電極・ドレイン電極間に半導体を有し、ゲート電極がゲート絶縁膜を介して該半導体に重なっており、キャパシタ電極がゲート絶縁膜を介して該画素電極に重なっており、該画素電極上に開口を有する層間絶縁膜を有し、該開口を介して画素電極に接続された上部画素電極を含む第3電極層を有する薄膜トランジスタアレイであって、
第1電極層と第2電極層とを接続する部分を有し、その部分が、第1電極層と、ゲート絶縁膜の開口と、第2電極層と、層間絶縁膜の開口と、第3電極層との積層構造であり、層間絶縁膜の開口内において、第3電極層が、第1電極層と、ゲート絶縁膜上の第2電極層との接続を中継または補強することを特徴とする薄膜トランジスタアレイ。
前記薄膜トランジスタアレイの周囲に共通電極を有し、共通電極はゲート側共通電極とソース側共通電極とからなり、各ゲート配線とゲート側共通電極との間にゲート保護素子を有し、各ソース配線とソース側共通電極との間にソース保護素子を有し、共通電極はアース電位に直接接続されているか、あるいは抵抗を介してアース電位に接続されており、
ゲート側共通電極は第2電極層であり、ソース側共通電極は第1電極層であり、
該ゲート保護素子および/またはソース保護素子は薄膜トランジスタをダイオード接続したものを逆向きに2個並列接続したものか、薄膜トランジスタをダイオード接続したものを逆向きに2個直列接続したものか、あるいは1個のフローティングゲートトランジスタのいずれかであり、
該ゲート保護素子のゲート電極とドレイン電極との短絡部と、ソース保護素子のゲート電極とドレイン電極との短絡部と、ゲート配線とゲート保護素子との接続部と、ソース保護素子とソース側共通電極との接続部との少なくとも1つが、第3電極層が第1電極層と第2電極層との接続を中継または補強する構造であることを特徴とする請求項2記載の薄膜トランジスタアレイ。
前記薄膜トランジスタアレイのゲート接続電極およびソース接続電極がいずれも第1電極層にあり、該ソース接続電極と前記ソース配線とを接続する部分が、第3電極層が第1電極層と第2電極層との接続を中継または補強する構造であることを特徴とする請求項2または3記載の薄膜トランジスタアレイ。
前記薄膜トランジスタアレイのゲート接続電極およびソース接続電極がいずれも第2電極層にあり、前記ゲート配線と該ゲート接続電極とを接続する部分が、第3電極層が第1電極層と第2電極層との接続を中継または補強する構造であることを特徴とする請求項2または3記載の薄膜トランジスタアレイ。
絶縁基板上に、ソース配線と、該ソース配線に接続されたソース電極と、ドレイン電極と、該ドレイン電極に接続された画素電極とを含む第1電極層を有し、ソース電極・ドレイン電極間に半導体を有し、該画素電極上に開口を有するゲート絶縁膜を有し、該ゲート絶縁膜の上に、ゲート配線と、該ゲート配線に接続されたゲート電極と、キャパシタ配線と、該キャパシタ配線に接続されたキャパシタ電極とを含む第2電極層を有し、該ゲート電極がゲート絶縁膜を介して半導体に重なっており、該キャパシタ電極がゲート絶縁膜を介して画素電極に重なっており、該画素電極上のゲート絶縁膜開口上に開口を有する層間絶縁膜を有し、該開口を介して画素電極に接続された上部画素電極を含む第3電極層を有する薄膜トランジスタアレイであって、
第1電極層と第2電極層とを接続する部分を有し、その部分が、第1電極層と、ゲート絶縁膜の開口と、第2電極層と、層間絶縁膜の開口と、第3電極層との積層構造であり、層間絶縁膜の開口内において、第3電極層が、第1電極層と、ゲート絶縁膜上の第2電極層との接続を中継または補強することを特徴とする薄膜トランジスタアレイ。
前記薄膜トランジスタアレイの周囲に共通電極を有し、共通電極はゲート側共通電極とソース側共通電極とからなり、各ゲート配線とゲート側共通電極との間にゲート保護素子を有し、各ソース配線とソース側共通電極との間にソース保護素子を有し、共通電極はアース電位に直接接続されているか、あるいは抵抗を介してアース電位に接続されており、
ゲート側共通電極は第1電極層であり、ソース側共通電極は第2電極層であり、
該ゲート保護素子および/またはソース保護素子は薄膜トランジスタをダイオード接続したものを逆向きに2個並列接続したものか、薄膜トランジスタをダイオード接続したものを逆向きに2個直列接続したものか、あるいは1個のフローティングゲートトランジスタのいずれかであり、
該ゲート保護素子のドレイン電極とゲート電極との短絡部と、ソース保護素子のドレイン電極とゲート電極との短絡部と、ゲート保護素子とゲート配線との接続部と、ソース側共通電極とソース保護素子との接続部との少なくとも1つが、第3電極層が第1電極層と第2電極層との接続を中継または補強する構造であることを特徴とする請求項6記載の薄膜トランジスタアレイ。
前記薄膜トランジスタアレイのゲート接続電極およびソース接続電極がいずれも第1電極層にあり、該ゲート接続電極と前記ゲート配線とを接続する部分が、第3電極層が第1電極層と第2電極層との接続を中継または補強する構造であることを特徴とする請求項6または7記載の薄膜トランジスタアレイ。
前記薄膜トランジスタアレイのゲート接続電極およびソース接続電極がいずれも第2電極層にあり、前記ソース配線と該ソース接続電極とを接続する部分が、第3電極層が第1電極層と第2電極層との接続を中継または補強する構造であることを特徴とする請求項6または7記載の薄膜トランジスタアレイ。
絶縁基板上に、第1電極層を形成する工程と、少なくとも第1電極層の一部を開口する第1絶縁膜を形成する工程と、少なくとも該第1絶縁膜開口部の一部に重なるか近接するように第2電極層を形成する工程と、少なくとも該第1絶縁膜開口部内の第1電極層の一部と第2電極層の一部とを含むような開口を有する第2絶縁膜を形成する工程と、少なくとも第2絶縁膜開口内で第1絶縁膜開口内の第1電極層の一部と第2絶縁膜開口内の第2電極層の一部とを接続するように第3電極層を形成する工程と、を有する積層構造体の製造方法であって、
該第2電極層を形成する工程が印刷であることを特徴とする積層構造体の製造方法。
絶縁基板上に、ゲート配線と、該ゲート配線に接続されたゲート電極と、キャパシタ配線と、該キャパシタ配線に接続されたキャパシタ電極と、保護素子のゲート電極と、ソース側共通配線とを含む第1電極層を形成する工程と、該第1電極層が形成された基板の上に保護素子のゲート電極とソース側共通電極とに開口を有するゲート絶縁膜を形成する工程と、該ゲート絶縁膜が形成された基板の上に、ソース配線と、該ソース配線に接続されたソース電極と、ドレイン電極と、該ドレイン電極に接続された画素電極と、保護素子のソース電極・ドレイン電極と、ゲート側共通配線とを含む第2電極層を形成する工程と、ソース電極・ドレイン電極間に半導体を形成する工程と、画素電極上およびゲート絶縁膜開口上に開口を有する層間絶縁膜を形成する工程と、画素電極上の層間絶縁膜開口を介して画素電極に接続された上部画素電極と、ゲート保護素子のゲート電極\ゲート絶縁膜開口\保護素子のドレイン電極\層間絶縁膜開口の順に並ぶ層構造の上の接続補強電極と、ゲート配線\ゲート絶縁膜開口\保護素子のソース・ドレイン電極\層間絶縁膜開口の順に並ぶ層構造の上の接続補強電極と、ソース保護素子のゲート電極\ゲート絶縁膜開口\保護素子のドレイン電極\層間絶縁膜開口の順に並ぶ層構造の上の接続補強電極と、ソース側共通電極\ゲート絶縁膜開口\保護素子のソースまたはドレイン電極\層間絶縁膜開口の順に並ぶ層構造の上の接続補強電極と、を含む第3電極層を形成する工程と、を有する薄膜トランジスタアレイの製造方法であって、
該第2電極層を形成する工程が印刷であることを特徴とする薄膜トランジスタアレイの製造方法。
絶縁基板上に、ゲート接続電極と、ゲート配線と、該ゲート配線に接続されたゲート電極と、キャパシタ配線と、該キャパシタ配線に接続されたキャパシタ電極と、ソース接続電極とを含む第1電極層を形成する工程と、ソース接続電極上に開口を有するゲート絶縁膜を形成する工程と、該ゲート絶縁膜が形成された基板の上に、ソース配線、それに接続されたソース電極、ドレイン電極、該ドレイン電極に接続された画素電極とを含む第2電極層を形成する工程と、ソース電極・ドレイン電極間に半導体を形成する工程と、画素電極上およびゲート絶縁膜開口上に開口を有する層間絶縁膜を形成する工程と、画素電極上の層間絶縁膜開口を介して画素電極に接続された上部画素電極と、ソース接続電極\ゲート絶縁膜開口\ソース配線\層間絶縁膜開口の順に並ぶ層構造の上の接続補強電極と、を含む第3電極層を形成する工程と、を有する薄膜トランジスタアレイの製造方法であって、
該第2電極層を形成する工程が印刷であることを特徴とする薄膜トランジスタアレイの製造方法。
絶縁基板上に、ゲート配線と、該ゲート配線に接続されたゲート電極と、キャパシタ配線と、該キャパシタ配線に接続されたキャパシタ電極とを含む第1電極層を形成する工程と、ゲート配線上に開口を有するゲート絶縁膜を形成する工程と、該ゲート絶縁膜が形成された基板の上に、ソース接続電極と、ソース配線と、該ソース配線に接続されたソース電極と、ドレイン電極と、該ドレイン電極に接続された画素電極と、ゲート接続電極とを含む第2電極層を形成する工程と、ソース電極・ドレイン電極間に半導体を形成する工程と、画素電極上およびゲート絶縁膜開口上に開口を有する層間絶縁膜を形成する工程と、画素電極上の層間絶縁膜開口を介して画素電極に接続された上部画素電極と、ゲート配線\ゲート絶縁膜開口\ゲート接続電極\層間絶縁膜開口の順に並ぶ層構造の上の接続補強電極と、を含む第3電極層を形成する工程と、を有する薄膜トランジスタアレイの製造方法であって、
該第2電極層を形成する工程が印刷であることを特徴とする薄膜トランジスタアレイの製造方法。
絶縁基板上に、ソース配線と、該ソース配線に接続されたソース電極と、ドレイン電極と、該ドレイン電極に接続された画素電極と、保護素子のソース電極・ドレイン電極と、ゲート側共通配線とを含む第1電極層を形成する工程と、ソース電極・ドレイン電極間に半導体を形成する工程と、該第1電極層および該半導体が形成された基板の上に保護素子のドレイン電極とゲート側共通電極に開口を有するゲート絶縁膜を形成する工程と、該ゲート絶縁膜が形成された基板の上に、ゲート配線と、該ゲート配線に接続されたゲート電極と、キャパシタ配線と、該キャパシタ配線に接続されたキャパシタ電極と、保護素子のゲート電極と、ソース側共通配線とを含む第2電極層を形成する工程と、画素電極上およびゲート絶縁膜開口上に開口を有する層間絶縁膜を形成する工程と、画素電極上の層間絶縁膜開口を介して画素電極に接続された上部画素電極と、ゲート保護素子のドレイン電極\ゲート絶縁膜開口\ゲート保護素子のゲート電極\層間絶縁膜開口の順に並ぶ層構造の上の接続補強電極と、ゲート保護素子のソース・ドレイン電極\ゲート絶縁膜開口\ゲート側共通電極\層間絶縁膜開口の順に並ぶ層構造の上の接続補強電極と、ソース保護素子のドレイン電極\ゲート絶縁膜開口\ソース保護素子のゲート電極\層間絶縁膜開口の順に並ぶ層構造の上の接続補強電極と、ソース保護素子のソース・ドレイン電極\ゲート絶縁膜開口\ソース側共通電極\層間絶縁膜開口の順に並ぶ層構造の上の接続補強電極と、を含む第3電極層を形成する工程と、を有する薄膜トランジスタアレイの製造方法であって、
該第2電極層を形成する工程が印刷であることを特徴とする薄膜トランジスタアレイの製造方法。
絶縁基板上に、ソース接続電極と、ソース配線と、該ソース配線に接続されたソース電極と、ドレイン電極と、該ドレイン電極に接続された画素電極と、ゲート接続電極とを含む第1電極層を形成する工程と、ゲート接続電極上に開口を有するゲート絶縁膜を形成する工程と、該ゲート絶縁膜が形成された基板の上に、ゲート配線と、該ゲート配線に接続されたゲート電極と、キャパシタ配線と、該キャパシタ配線に接続されたキャパシタ電極とを含む第2電極層を形成する工程と、ソース電極・ドレイン電極間に半導体を形成する工程と、画素電極上およびゲート絶縁膜開口上に開口を有する層間絶縁膜を形成する工程と、画素電極上の層間絶縁膜開口を介して画素電極に接続された上部画素電極と、ゲート接続電極\ゲート絶縁膜開口\ゲート配線\層間絶縁膜開口の順に並ぶ層構造の上の接続補強電極と、を含む第3電極層を形成する工程と、を有する薄膜トランジスタアレイの製造方法であって、
該第2電極層を形成する工程が印刷であることを特徴とする薄膜トランジスタアレイの製造方法。
絶縁基板上に、ソース配線と、該ソース配線に接続されたソース電極と、ドレイン電極と、該ドレイン電極に接続された画素電極とを含む第1電極層を形成する工程と、ソース電極・ドレイン電極間に半導体を形成する工程と、ソース配線上に開口を有するゲート絶縁膜を形成する工程と、該ゲート絶縁膜が形成された基板の上に、ゲート接続電極と、ゲート配線と、該ゲート配線に接続されたゲート電極と、キャパシタ配線と、該キャパシタ配線に接続されたキャパシタ電極と、ソース接続電極とを含む第2電極層を形成する工程と、画素電極上およびゲート絶縁膜開口上に開口を有する層間絶縁膜を形成する工程と、画素電極上の層間絶縁膜開口を介して画素電極に接続された上部画素電極と、ソース配線\ゲート絶縁膜開口\ソース接続電極\層間絶縁膜開口の順に並ぶ層構造の上の接続補強電極と、を含む第3電極層を形成する工程と、を有する薄膜トランジスタアレイの製造方法であって、
該第2電極層を形成する工程が印刷であることを特徴とする薄膜トランジスタアレイの製造方法。
少なくとも第3電極層を形成する工程が、スクリーン印刷またはグラビアオフセット印刷であることを特徴する請求項11〜16、19のいずれか1項記載の薄膜トランジスタアレイの製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の実施の形態について、以下に図面を使用して詳細に説明する。なお、以下に使用する図面では、説明を判り易くするために縮尺は正確には描かれていない。
【0036】
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施形態に係わる積層構造体(以下、「構造体」と略す)の例を、
図1〜2に示す。基板1上に第1電極2を形成し、該第1電極2上に開口を有する第1絶縁膜3を形成し、その上に第2電極4を形成した構造体において、その上に開口を有する第2絶縁膜5を形成し、その上に第3電極6を形成し、該第3電極6が、第1電極2と第2電極4の接続を中継または補強している。
図1(a)は、従来の
図45(a)の接続を中継した構造であり、第3電極6が、第1絶縁膜3の開口内の第1電極2に接触するとともに、第1絶縁膜3上の第2電極6に接触し、第1電極2と第2電極4の接続を行う。
図1(b)は、従来の
図45(b)の接続を中継した構造であり、第3電極6が、第1絶縁膜3の開口内の第1電極2上の第2電極6に接触するとともに、第1絶縁膜3上の第2電極6に接触し、第1電極2と第2電極4の接続を行う。
図1(c)は、従来の
図45(c)の接続を補強した構造であり、第3電極6が、第1絶縁膜3の開口内から第1絶縁膜3の上にかけて第2電極6に接触し、第1電極2と第2電極4の接続の補強を行う。
【0037】
なお、第1絶縁膜3の開口は完全に第1電極2の上である必要はなく、開口の一部に第1電極2が含まれていればよい(
図2(d)、(e))。また第2電極4は第1絶縁膜3の開口を完全に覆っている必要はなく、少なくとも第1絶縁膜3の開口に近接していればよい(
図2(d)、(e))。第2絶縁膜5の開口は第1絶縁膜3の開口を完全に含んでいる必要はなく、少なくとも第1絶縁膜3の開口内の第1電極2と第1絶縁膜3の上に形成され第1絶縁膜3の開口に近接した第2電極4を含んでいればよい(
図2(e))。第3電極6は、第2絶縁膜5の開口を完全に含んでいる必要はなく、少なくとも第1絶縁膜3の開口内の第1電極2と第1絶縁膜3の上に形成され第1絶縁膜3の開口に近接した第2電極4を含んでいればよい(
図2(e))。
【0038】
特に第2電極4が第1絶縁膜3の開口を完全に含んでいる必要がないのは、第2電極4を印刷法で行うことによる利点である。印刷法はアディティブな工程なので、下層への影響が小さく、第1電極2に影響を及ぼさない。シリコン半導体で一般的なフォトリソ+エッチングの場合、第2電極4が第1絶縁層3の開口を完全に覆っていないと、覆っていない部分の第1電極2がエッチング除去される恐れがある。
【0039】
また、第3電極6が第2絶縁膜5の開口を完全に含んでいる必要がないのは、第3電極6を印刷法で行うことによる利点である。印刷法はアディティブな工程なので、下層への影響が小さく、第2電極4に影響を及ぼさない。シリコン半導体で一般的なフォトリソ+エッチングの場合、第3電極6が第2絶縁層5の開口を完全に覆っていないと、覆っていない部分の第2電極4がエッチング除去される恐れがある。
このように、積層構造体は、絶縁基板上に第1電極層を有してなる第1積層構造と、該第1積層構造の上に第1絶縁膜を有してなる第2積層構造と、該第2積層構造の上に第2電極層を有してなる第3積層構造と、該第3積層構造の上に第2絶縁膜を有してなる第4積層構造と、該第4積層構造の上に第3電極層を有してなる第5積層構造とを含む積層構造体である。さらに、当該積層構造体は、第1電極層と第2電極層とを接続する部分を有し、該部分が、第1電極層と、第1絶縁膜の開口と、第2電極層と、第2絶縁膜の開口と、第3電極層との第6積層構造、すなわち、第1絶縁膜の開口および第2絶縁膜の開口の領域を介するように第1電極層と第2電極層と第3電極層とが積層されている第6積層構造をなしており、第2絶縁膜の開口内において、第3電極層が、第1電極層と、第1絶縁膜上の第2電極層との接続を中継または補強する。
【0040】
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施形態に係わる薄膜トランジスタの例を、
図5、9、13に示す。これらは、構造体がボトムゲート型薄膜トランジスタであり、第1電極2と第2電極4を接続する部分が保護素子に使われている。なお、保護素子は薄膜トランジスタを静電気破壊から保護するものであり、
図3のように、各配線と共通電極20の間、即ちゲート配線12’とゲート共通電極20Gの間や、ソース配線14’とソース共通電極20Sの間に設けられる。
図3には示していないが、共通電極20は、アース電位またはキャパシタ配線17’に接続されているか、あるいは抵抗を介して接続されている。ゲート側共通電極20Gとソース側共通電極20Sは互いに接続されていてもよいし、それぞれが個別に抵抗を介してアース電位またはキャパシタ配線17’に接続されていてもよい。また、保護素子として、具体的には、ドレイン25とゲート22を短絡した薄膜トランジスタ(ダイオード接続構造)を逆向きに並列接続したもの(
図4(a))、ダイオード接続構造の薄膜トランジスタを逆向きに直列接続したもの(
図4(b))、ゲート電極22がどこにも接続されていないフローティングゲート型薄膜トランジスタ(
図4(c))などが用いられる。なお、フローティングゲート型薄膜トランジスタでは、ゲート電極22とソース電極24、ゲート電極22とドレイン電極25との重なりを同等にすることにより、ゲート電極22の電位はキャパシタ結合によってソース電極24とドレイン電極25の中間になる(
図4(d))。
【0041】
図5は、保護素子がダイオード並列構造の場合の例である。ここには、4個の画素用薄膜トランジスタ10(上部画素電極19を含む)と、2個のゲート保護素子30(接続補強電極39を含む)と、2個のソース保護素子40(接続補強電極49を含む)を記載している。その製造工程を
図6〜8に示す。
【0042】
基板1としては、ガラスのような無機物でもよいが、プラスチックのような有機物を使用することもできる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ナイロン(Ny)等が使用できる。また、これらの積層や混合物でもよい。
【0043】
このような基板1上に、ゲート電極12と、ゲート配線12’と、ゲート接続電極12Cと、キャパシタ電極17と、キャパシタ配線17’と、ゲート保護素子のゲート電極32と、ソース保護素子のゲート電極42と、ソース共通電極20Sとを含む第1電極層2を形成する(
図6(a))。第1電極層2としては、Al、Cr、Au、Ag、Ni、Cu、Mo等の金属や、ITO等の透明導電膜を使用することができる。製法としては、蒸着やスパッタ成膜後にフォトリソ+エッチングで形成する方法でもよいが、印刷法(スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、反転オフセット印刷等)を用いることができる。印刷を用いる場合、Agインク、Niインク、Cuインク等を用いることができる。特に、フレキソ印刷、反転オフセット印刷は、薄膜印刷が可能で平坦性に優れており、第1電極層2として好適である。
【0044】
第1電極層2が形成された基板の上に、ゲート絶縁膜13となる第1絶縁膜3を形成する。ゲート絶縁膜13は開口13Aを有している(
図6(b))。第1絶縁膜3としては、ポリビニルフェノール、エポキシ、ポリイミド等の有機絶縁膜や、SiO
2、SiN、SiON、Al
2O
3等の無機絶縁膜を用いることができる。製法としては、溶媒可溶性有機物の場合にはスピンコート、ダイコート等を、それ以外の場合にはスパッタ、蒸着、レーザアブレーション等を用いて成膜後にフォトリソグラフィとエッチング、リフトオフ等でパターニングするか、フレキソ印刷・反転オフセット印刷・インクジェット等の印刷法や、感光性有機物を材料とし露光・現像するなどして、直接パターニングすることが可能である。
【0045】
第1絶縁膜3が形成された基板の上に、ソース電極14と、ソース配線14’と、ソース接続電極14Cと、ドレイン電極15と、画素電極15’と、ゲート共通電極20Gと、ゲート保護素子のソース電極34と、ゲート保護素子のドレイン電極35と、ソース保護素子のソース電極44と、ソース保護素子のドレイン電極45とを含む第2電極層4を形成する(
図7(c))。第2電極層4としては、Au、Ag、Ni、Cu等の金属や、ITO等の透明導電膜を使用することができる。製法としては、印刷法(グラビア印刷、オフセット印刷、反転オフセット印刷等)を用いることができる。特に反転オフセット印刷は解像度が優れており、最適である。
【0046】
さらに、画素用薄膜トランジスタの半導体16と、ゲート保護素子の半導体36と、ソース保護素子の半導体46とを形成する(
図7(d))。ここで、半導体16は画素用薄膜トランジスタのソース電極14・ドレイン電極15間をつなぎ、かつゲート絶縁膜13を介してゲート電極12に重なるように形成される。ゲート保護素子の半導体36はゲート保護素子のソース電極34・ドレイン電極35間をつなぎ、かつゲート絶縁膜13を介してゲート保護素子のゲート電極32に重なるように形成される。ソース保護素子の半導体46はソース保護素子のソース電極44・ドレイン電極45間をつなぎ、かつゲート絶縁膜13を介してソース保護素子のゲート電極42に重なるように形成される。以上に示した構造は第2電極層4の上に半導体を形成するボトムコンタクト構造であるが、本発明は、半導体を先に形成し、その上に第2電極層4を形成するトップコンタクト構造でもよい。またここで、少なくとも半導体16、36、46を覆う封止層(図示せず)を設けてもよい。半導体16、36、46としては、有機半導体や、酸化物半導体を用いる。具体的には、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリチエニレンビニレン誘導体、ポリアリルアミン誘導体、ポリアセチレン誘導体、アセン誘導体、オリゴチオフェン誘導体等の有機半導体や、InGaZnO系、ZnGaO系、InZnO系、InO系、GaO系、SnO系、あるいはそれらの混合物等の酸化物半導体を用いることができる。有機半導体・酸化物半導体とも、溶液をフレキソ印刷やインクジェット等で印刷・焼成することにより、形成できる。封止層としては、フッ素化樹脂が好適である。製法としては、スクリーン印刷・グラビアオフセット印刷・インクジェット等が好適である。
【0047】
第2電極層4および半導体16、36、46が形成された基板の上に、層間絶縁膜18となる第2絶縁膜5を形成する。層間絶縁膜18は開口18Aを有している(
図8(e))。第2絶縁膜5としては、ポリビニルフェノール、アクリル、エポキシ、ポリイミド等が好適である。製法としては、スクリーン印刷やグラビアオフセット印刷が好適であるが、感光性膜を形成後、露光・現像によって形成してもよい。
【0048】
第2絶縁膜5が形成された基板の上に、上部画素電極19と、ゲート保護素子の接続補強電極39と、ソース保護素子の接続補強電極49とを含む第3電極層6を形成する(
図8(f))。上部画素電極19は、層間絶縁膜開口18Aを介して画素電極15’に接続されている。ゲート保護素子の接続補強電極39は、層間絶縁膜開口18Aの内部において、ゲート配線12’とゲート保護素子のドレイン電極35の接続の中継または補強や、ゲート保護素子のゲート電極32とゲート保護素子のドレイン電極35の接続の中継または補強を行っている。ソース保護素子の接続補強電極49は、層間絶縁膜開口18Aの内部において、ソース保護素子のゲート電極42とソース保護素子のドレイン電極45の接続の中継または補強を行っている。第3電極層6としては、Al、Cr、Au、Ag、Ni、Cu等の金属や、ITO等の透明導電膜等を用いることができる。製法としては、Agインク、Niインク、Cuインク等をスクリーン印刷またはグラビアオフセット印刷するのが好適である。スクリーン印刷・グラビアオフセット印刷は厚膜印刷に適しているからである。
【0049】
図9は、保護素子がダイオード直列構造の場合の例である。ここには、4個の画素用薄膜トランジスタ10(上部画素電極19を含む)と、2個のゲート保護素子30(接続補強電極39を含む)と、2個のソース保護素子40(接続補強電極49を含む)を記載している。その製造工程を
図10〜12に示す。
【0050】
基板1としては、ガラスのような無機物でもよいが、プラスチックのような有機物を使用することもできる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ナイロン(Ny)等が使用できる。また、これらの積層や混合物でもよい。
【0051】
このような基板1上に、ゲート電極12と、ゲート配線12’と、ゲート接続電極12Cと、キャパシタ電極17と、キャパシタ配線17’と、ゲート保護素子のゲート電極32と、ソース保護素子のゲート電極42と、ソース共通電極20Sとを含む第1電極層2を形成する(
図10(a))。第1電極層2としては、Al、Cr、Au、Ag、Ni、Cu、Mo等の金属や、ITO等の透明導電膜を使用することができる。製法としては、蒸着やスパッタ成膜後にフォトリソ+エッチングで形成する方法でもよいが、印刷法(スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、反転オフセット印刷等)を用いることができる。印刷を用いる場合、Agインク、Niインク、Cuインク等を用いることができる。特に、フレキソ印刷、反転オフセット印刷は、薄膜印刷が可能で平坦性に優れており、第1電極層2として好適である。
【0052】
第1電極層2が形成された基板の上に、ゲート絶縁膜13となる第1絶縁膜3を形成する。ゲート絶縁膜13は開口13Aを有している(
図10(b))。第1絶縁膜3としては、ポリビニルフェノール、エポキシ、ポリイミド等の有機絶縁膜や、SiO
2、SiN、SiON、Al
2O
3等の無機絶縁膜を用いることができる。製法としては、溶媒可溶性有機物の場合にはスピンコート、ダイコート等を、それ以外の場合にはスパッタ、蒸着、レーザアブレーション等を用いて成膜後にフォトリソグラフィとエッチング、リフトオフ等でパターニングするか、フレキソ印刷・反転オフセット印刷・インクジェット等の印刷法や、感光性有機物を材料とし露光・現像するなどして、直接パターニングすることが可能である。
【0053】
第1絶縁膜3が形成された基板の上に、ソース電極14と、ソース配線14’と、ソース接続電極14Cと、ドレイン電極15と、画素電極15’と、ゲート共通電極20Gと、ゲート保護素子のソース電極34と、ゲート保護素子のドレイン電極35と、ソース保護素子のソース電極44と、ソース保護素子のドレイン電極45とを含む第2電極層4を形成する(
図11(c))。第2電極層4としては、Au、Ag、Ni、Cu等の金属や、ITO等の透明導電膜を使用することができる。製法としては、印刷法(グラビア印刷、オフセット印刷、反転オフセット印刷等)を用いることができる。特に反転オフセット印刷は解像度が優れており、最適である。
【0054】
さらに、画素用薄膜トランジスタの半導体16と、ゲート保護素子の半導体36と、ソース保護素子の半導体46とを形成する(
図11(d))。ここで、半導体16は画素用薄膜トランジスタのソース電極14・ドレイン電極15間をつなぎ、かつゲート絶縁膜13を介してゲート電極12に重なるように形成される。ゲート保護素子の半導体36はゲート保護素子のソース電極34・ドレイン電極35間をつなぎ、かつゲート絶縁膜13を介してゲート保護素子のゲート電極32に重なるように形成される。ソース保護素子の半導体46はソース保護素子のソース電極44・ドレイン電極45間をつなぎ、かつゲート絶縁膜13を介してソース保護素子のゲート電極42に重なるように形成される。以上に示した構造は第2電極層4の上に半導体を形成するボトムコンタクト構造であるが、本発明は、半導体を先に形成し、その上に第2電極層4を形成するトップコンタクト構造でもよい。またここで、少なくとも半導体16、36、46を覆う封止層(図示せず)を設けてもよい。半導体16、36、46としては、有機半導体や、酸化物半導体を用いる。具体的には、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリチエニレンビニレン誘導体、ポリアリルアミン誘導体、ポリアセチレン誘導体、アセン誘導体、オリゴチオフェン誘導体等の有機半導体や、InGaZnO系、ZnGaO系、InZnO系、InO系、GaO系、SnO系、あるいはそれらの混合物等の酸化物半導体を用いることができる。有機半導体・酸化物半導体とも、溶液をフレキソ印刷やインクジェット等で印刷・焼成することにより、形成できる。封止層としては、フッ素化樹脂が好適である。製法としては、スクリーン印刷・グラビアオフセット印刷・インクジェット等が好適である。
【0055】
第2電極層4および半導体16、36、46が形成された基板の上に、層間絶縁膜18となる第2絶縁膜5を形成する。層間絶縁膜18は開口18Aを有している(
図12(e))。第2絶縁膜5としては、ポリビニルフェノール、アクリル、エポキシ、ポリイミド等が好適である。製法としては、スクリーン印刷やグラビアオフセット印刷が好適であるが、感光性膜を形成後、露光・現像によって形成してもよい。
【0056】
第2絶縁膜5が形成された基板の上に、上部画素電極19と、ゲート保護素子の接続補強電極39と、ソース保護素子の接続補強電極49とを含む第3電極層6を形成する(
図12(f))。上部画素電極19は、層間絶縁膜開口18Aを介して画素電極15’に接続されている。ゲート保護素子の接続補強電極39は、層間絶縁膜開口18Aの内部において、ゲート保護素子のゲート電極12とゲート保護素子のドレイン電極35の接続の中継または補強を行っている。ソース保護素子の接続補強電極49は、層間絶縁膜開口18Aの内部において、ソース保護素子のゲート電極42とソース保護素子のドレイン電極45の接続の中継または補強を行っている。第3電極層6としては、Al、Cr、Au、Ag、Ni、Cu等の金属や、ITO等の透明導電膜等を用いることができる。製法としては、Agインク、Niインク、Cuインク等をスクリーン印刷またはグラビアオフセット印刷するのが好適である。スクリーン印刷・グラビアオフセット印刷は厚膜印刷に適しているからである。
【0057】
図13は、保護素子がフローティングゲートの場合の例である。ここには、4個の画素用薄膜トランジスタ10(上部画素電極19を含む)と、2個のゲート保護素子30(接続補強電極39を含む)と、2個のソース保護素子40(接続補強電極49を含む)を記載している。その製造工程を
図14〜16に示す。
【0058】
基板1としては、ガラスのような無機物でもよいが、プラスチックのような有機物を使用することもできる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ナイロン(Ny)等が使用できる。また、これらの積層や混合物でもよい。
【0059】
このような基板1上に、ゲート電極12と、ゲート配線12’と、ゲート接続電極12Cと、キャパシタ電極17と、キャパシタ配線17’と、ゲート保護素子のゲート電極32と、ソース保護素子のゲート電極42と、ソース共通電極20Sとを含む第1電極層2を形成する(
図14(a))。第1電極層2としては、Al、Cr、Au、Ag、Ni、Cu、Mo等の金属や、ITO等の透明導電膜を使用することができる。製法としては、蒸着やスパッタ成膜後にフォトリソ+エッチングで形成する方法でもよいが、印刷法(スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、反転オフセット印刷等)を用いることができる。印刷を用いる場合、Agインク、Niインク、Cuインク等を用いることができる。特に、フレキソ印刷、反転オフセット印刷は、薄膜印刷が可能で平坦性に優れており、第1電極層2として好適である。
【0060】
第1電極層2が形成された基板の上に、ゲート絶縁膜13となる第1絶縁膜3を形成する。ゲート絶縁膜13は開口13Aを有している(
図14(b))。第1絶縁膜3としては、ポリビニルフェノール、エポキシ、ポリイミド等の有機絶縁膜や、SiO
2、SiN、SiON、Al
2O
3等の無機絶縁膜を用いることができる。製法としては、溶媒可溶性有機物の場合にはスピンコート、ダイコート等を、それ以外の場合にはスパッタ、蒸着、レーザアブレーション等を用いて成膜後にフォトリソグラフィとエッチング、リフトオフ等でパターニングするか、フレキソ印刷・反転オフセット印刷・インクジェット等の印刷法や、感光性有機物を材料とし露光・現像するなどして、直接パターニングすることが可能である。
【0061】
第1絶縁膜3が形成された基板の上に、ソース電極14と、ソース配線14’と、ソース接続電極14Cと、ドレイン電極15と、画素電極15’と、ゲート共通電極20Gと、ゲート保護素子のソース電極34と、ゲート保護素子のドレイン電極35と、ソース保護素子のソース電極44と、ソース保護素子のドレイン電極45とを含む第2電極層4を形成する(
図15(c))。第2電極層4としては、Au、Ag、Ni、Cu等の金属や、ITO等の透明導電膜を使用することができる。製法としては、印刷法(グラビア印刷、オフセット印刷、反転オフセット印刷等)を用いることができる。特に反転オフセット印刷は解像度が優れており、最適である。
【0062】
さらに、画素用薄膜トランジスタの半導体16と、ゲート保護素子の半導体36と、ソース保護素子の半導体46とを形成する(
図15(d))。ここで、半導体16は画素用薄膜トランジスタのソース電極14・ドレイン電極15間をつなぎ、かつゲート絶縁膜13を介してゲート電極12に重なるように形成される。ゲート保護素子の半導体36はゲート保護素子のソース電極34・ドレイン電極35間をつなぎ、かつゲート絶縁膜13を介してゲート保護素子のゲート電極32に重なるように形成される。ソース保護素子の半導体46はソース保護素子のソース電極44・ドレイン電極45間をつなぎ、かつゲート絶縁膜13を介してソース保護素子のゲート電極42に重なるように形成される。以上に示した構造は第2電極層4の上に半導体を形成するボトムコンタクト構造であるが、本発明は、半導体を先に形成し、その上に第2電極層4を形成するトップコンタクト構造でもよい。またここで、少なくとも半導体16、36、46を覆う封止層(図示せず)を設けてもよい。半導体16、36、46としては、有機半導体や、酸化物半導体を用いる。具体的には、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリチエニレンビニレン誘導体、ポリアリルアミン誘導体、ポリアセチレン誘導体、アセン誘導体、オリゴチオフェン誘導体等の有機半導体や、InGaZnO系、ZnGaO系、InZnO系、InO系、GaO系、SnO系、あるいはそれらの混合物等の酸化物半導体を用いることができる。有機半導体・酸化物半導体とも、溶液をフレキソ印刷やインクジェット等で印刷・焼成することにより、形成できる。封止層としては、フッ素化樹脂が好適である。製法としては、スクリーン印刷・グラビアオフセット印刷・インクジェット等が好適である。
【0063】
第2電極層4および半導体層16、36、46が形成された基板の上に、層間絶縁膜18となる第2絶縁膜5を形成する。層間絶縁膜18は開口18Aを有している(
図16(e))。第2絶縁膜5としては、ポリビニルフェノール、アクリル、エポキシ、ポリイミド等が好適である。製法としては、スクリーン印刷やグラビアオフセット印刷が好適であるが、感光性膜を形成後、露光・現像によって形成してもよい。
【0064】
第2絶縁膜5が形成された基板の上に、上部画素電極19と、ゲート保護素子の接続補強電極39と、ソース保護素子の接続補強電極49とを含む第3電極層6を形成する(
図16(f))。上部画素電極19は、層間絶縁膜開口18Aを介して画素電極15’に接続されている。ゲート保護素子の接続補強電極39は、層間絶縁膜開口18Aの内部において、ゲート配線12’とゲート保護素子のドレイン電極35の接続の中継または補強を行っている。ソース保護素子の接続補強電極49は、層間絶縁膜開口18Aの内部において、ソース共通電極20Sとソース保護素子のドレイン電極45の接続の中継または補強を行っている。第3電極層6としては、Al、Cr、Au、Ag、Ni、Cu等の金属や、ITO等の透明導電膜等を用いることができる。製法としては、Agインク、Niインク、Cuインク等をスクリーン印刷またはグラビアオフセット印刷するのが好適である。スクリーン印刷・グラビアオフセット印刷は厚膜印刷に適しているからである。
【0065】
[第3の実施の形態]
本発明の第3の実施形態に係わる薄膜トランジスタの例を、
図17、21に示す。これらは、構造体がボトムゲート型薄膜トランジスタであり、第1電極層2と第2電極層4を接続する部分が、配線を第2電極層4から第1電極層2に切替えるか、第1電極層2から第2電極層4に切替えることに用いたものである。
【0066】
図17は、第2電極層4に含まれるソース配線14’を、第1電極層2に含まれるソース接続電極14Cに接続する部分を中継または補強するための、ソース配線の接続補強電極54の場合の例である。ここには、4個の画素用薄膜トランジスタ10(上部画素電極19を含む)と、2本のゲート配線12’〜ゲート接続電極12Cと、2本のソース配線14’〜ソース接続電極14C(接続補強電極54を含む)を記載している。その製造工程を
図18〜20に示す。
【0067】
基板1としては、ガラスのような無機物でもよいが、プラスチックのような有機物を使用することもできる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ナイロン(Ny)等が使用できる。また、これらの積層や混合物でもよい。
【0068】
このような基板1上に、ゲート電極12と、ゲート配線12’と、キャパシタ電極17と、キャパシタ配線17’と、ゲート接続電極12Cと、ソース接続電極14Cとを含む第1電極層2を形成する(
図18(a))。第1電極層2としては、Al、Cr、Au、Ag、Ni、Cu、Mo等の金属や、ITO等の透明導電膜を使用することができる。製法としては、蒸着やスパッタ成膜後にフォトリソ+エッチングで形成する方法でもよいが、印刷法(スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、反転オフセット印刷等)を用いることができる。印刷を用いる場合、Agインク、Niインク、Cuインク等を用いることができる。特に、フレキソ印刷、反転オフセット印刷は、薄膜印刷が可能で平坦性に優れており、第1電極層2として好適である。
【0069】
第1電極層2が形成された基板の上に、ゲート絶縁膜13となる第1絶縁膜3を形成する。ゲート絶縁膜13は開口13Aを有している(
図18(b))。第1絶縁膜3としては、ポリビニルフェノール、エポキシ、ポリイミド等の有機絶縁膜や、SiO
2、SiN、SiON、Al
2O
3等の無機絶縁膜を用いることができる。製法としては、溶媒可溶性有機物の場合にはスピンコート、ダイコート等を、それ以外の場合にはスパッタ、蒸着、レーザアブレーション等を用いて成膜後にフォトリソグラフィとエッチング、リフトオフ等でパターニングするか、フレキソ印刷・反転オフセット印刷・インクジェット等の印刷法や、感光性有機物を材料とし露光・現像するなどして、直接パターニングすることが可能である。
【0070】
第1絶縁膜3が形成された基板の上に、ソース電極14と、ソース配線14’と、ドレイン電極15と、画素電極15’とを含む第2電極層4を形成する(
図19(c))。第2電極層4としては、Au、Ag、Ni、Cu等の金属や、ITO等の透明導電膜を使用することができる。製法としては、印刷法(グラビア印刷、オフセット印刷、反転オフセット印刷等)を用いることができる。特に反転オフセット印刷は解像度が優れており、最適である。
【0071】
さらに、画素用薄膜トランジスタの半導体16を形成する(
図19(d))。ここで、半導体16は画素用薄膜トランジスタのソース電極14・ドレイン電極15間をつなぎ、かつゲート絶縁膜13を介してゲート電極12に重なるように形成される。以上に示した構造は第2電極層4の上に半導体を形成するボトムコンタクト構造であるが、本発明は、半導体を先に形成し、その上に第2電極層4を形成するトップコンタクト構造でもよい。またここで、少なくとも半導体16を覆う封止層(図示せず)を設けてもよい。半導体16としては、有機半導体や、酸化物半導体を用いる。具体的には、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリチエニレンビニレン誘導体、ポリアリルアミン誘導体、ポリアセチレン誘導体、アセン誘導体、オリゴチオフェン誘導体等の有機半導体や、InGaZnO系、ZnGaO系、InZnO系、InO系、GaO系、SnO系、あるいはそれらの混合物等の酸化物半導体を用いることができる。有機半導体・酸化物半導体とも、溶液をフレキソ印刷やインクジェット等で印刷・焼成することにより、形成できる。封止層としては、フッ素化樹脂が好適である。製法としては、スクリーン印刷・グラビアオフセット印刷・インクジェット等が好適である。
【0072】
第2電極層4および半導体16が形成された基板の上に、層間絶縁膜18となる第2絶縁膜5を形成する。層間絶縁膜18は開口18Aを有している(
図20(e))。第2絶縁膜5としては、ポリビニルフェノール、アクリル、エポキシ、ポリイミド等が好適である。製法としては、スクリーン印刷やグラビアオフセット印刷が好適であるが、感光性膜を形成後、露光・現像によって形成してもよい。
【0073】
第2絶縁膜5が形成された基板の上に、上部画素電極19と、ソース配線の接続補強電極54とを含む第3電極層6を形成する(
図20(f))。上部画素電極19は、層間絶縁膜開口18Aを介して画素電極15’に接続されている。ソース配線の接続補強電極54は、層間絶縁膜開口18Aの内部において、ソース接続電極14Cとソース配線14’の接続の中継または補強を行っている。第3電極層6としては、Al、Cr、Au、Ag、Ni、Cu等の金属や、ITO等の透明導電膜等を用いることができる。製法としては、Agインク、Niインク、Cuインク等をスクリーン印刷またはグラビアオフセット印刷するのが好適である。スクリーン印刷・グラビアオフセット印刷は厚膜印刷に適しているからである。
【0074】
図21は、第1電極層2に含まれるゲート配線12’を、第2電極層4に含まれるゲート接続電極12Cに接続する部分を中継または補強するための、ゲート配線の接続補強電極52の例である。ここには、4個の画素用薄膜トランジスタ10(上部画素電極19を含む)と、2本のゲート配線12’〜ゲート接続電極12C(接続補強電極52を含む)と、2本のソース配線14’〜ソース接続電極14Cを記載している。その製造工程を
図22〜24に示す。
【0075】
基板1としては、ガラスのような無機物でもよいが、プラスチックのような有機物を使用することもできる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ナイロン(Ny)等が使用できる。また、これらの積層や混合物でもよい。
【0076】
このような基板1上に、ゲート電極12と、ゲート配線12’と、キャパシタ電極17と、キャパシタ配線17’とを含む第1電極層2を形成する(
図22(a))。第1電極層2としては、Al、Cr、Au、Ag、Ni、Cu、Mo等の金属や、ITO等の透明導電膜を使用することができる。製法としては、蒸着やスパッタ成膜後にフォトリソ+エッチングで形成する方法でもよいが、印刷法(スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、反転オフセット印刷等)を用いることができる。印刷を用いる場合、Agインク、Niインク、Cuインク等を用いることができる。特に、フレキソ印刷、反転オフセット印刷は、薄膜印刷が可能で平坦性に優れており、第1電極層2として好適である。
【0077】
第1電極層2が形成された基板の上に、ゲート絶縁膜13となる第1絶縁膜3を形成する。ゲート絶縁膜13は開口13Aを有している(
図22(b))。第1絶縁膜3としては、ポリビニルフェノール、エポキシ、ポリイミド等の有機絶縁膜や、SiO
2、SiN、SiON、Al
2O
3等の無機絶縁膜を用いることができる。製法としては、溶媒可溶性有機物の場合にはスピンコート、ダイコート等を、それ以外の場合にはスパッタ、蒸着、レーザアブレーション等を用いて成膜後にフォトリソグラフィとエッチング、リフトオフ等でパターニングするか、フレキソ印刷・反転オフセット印刷・インクジェット等の印刷法や、感光性有機物を材料とし露光・現像するなどして、直接パターニングすることが可能である。
【0078】
第1絶縁膜3が形成された基板の上に、ソース電極14と、ソース配線14’と、ドレイン電極15と、画素電極15’と、ゲート接続電極12Cと、ソース接続電極14Cとを含む第2電極層4を形成する(
図23(c))。第2電極層4としては、Au、Ag、Ni、Cu等の金属や、ITO等の透明導電膜を使用することができる。製法としては、印刷法(グラビア印刷、オフセット印刷、反転オフセット印刷等)を用いることができる。特に反転オフセット印刷は解像度が優れており、最適である。
【0079】
さらに、画素用薄膜トランジスタの半導体16を形成する(
図23(d))。ここで、半導体16は画素用薄膜トランジスタのソース電極14・ドレイン電極15間をつなぎ、かつゲート絶縁膜13を介してゲート電極12に重なるように形成される。以上に示した構造は第2電極層4の上に半導体を形成するボトムコンタクト構造であるが、本発明は、半導体を先に形成し、その上に第2電極層4を形成するトップコンタクト構造でもよい。またここで、少なくとも半導体16を覆う封止層(図示せず)を設けてもよい。半導体16としては、有機半導体や、酸化物半導体を用いる。具体的には、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリチエニレンビニレン誘導体、ポリアリルアミン誘導体、ポリアセチレン誘導体、アセン誘導体、オリゴチオフェン誘導体等の有機半導体や、InGaZnO系、ZnGaO系、InZnO系、InO系、GaO系、SnO系、あるいはそれらの混合物等の酸化物半導体を用いることができる。有機半導体・酸化物半導体とも、溶液をフレキソ印刷やインクジェット等で印刷・焼成することにより、形成できる。封止層としては、フッ素化樹脂が好適である。製法としては、スクリーン印刷・グラビアオフセット印刷・インクジェット等が好適である。
【0080】
第2電極層4および半導体16が形成された基板の上に、層間絶縁膜18となる第2絶縁膜5を形成する。層間絶縁膜18は開口18Aを有している(
図24(e))。第2絶縁膜5としては、ポリビニルフェノール、アクリル、エポキシ、ポリイミド等が好適である。製法としては、スクリーン印刷やグラビアオフセット印刷が好適であるが、感光性膜を形成後、露光・現像によって形成してもよい。
【0081】
第2絶縁膜5が形成された基板の上に、上部画素電極19と、ゲート配線の接続補強電極52とを形成する(
図24(f))。上部画素電極19は、層間絶縁膜開口18Aを介して画素電極15’に接続されている。ゲート配線の接続補強電極52は、層間絶縁膜開口18Aの内部において、ゲート配線12’とゲート接続電極12Cの接続の中継または補強を行っている。第3電極層6としては、Al、Cr、Au、Ag、Ni、Cu等の金属や、ITO等の透明導電膜等を用いることができる。製法としては、Agインク、Niインク、Cuインク等をスクリーン印刷またはグラビアオフセット印刷するのが好適である。スクリーン印刷・グラビアオフセット印刷は厚膜印刷に適しているからである。
【0082】
[第4の実施の形態]
本発明の第4の実施形態に係わる薄膜トランジスタの例を、
図25、29、33に示す。これらは、構造体がトップゲート型薄膜トランジスタであり、第1電極2と第2電極4を接続する部分が保護素子に使われている。なお、保護素子は薄膜トランジスタを静電気破壊から保護するものであり、
図3のように、各配線と共通電極20の間、即ちゲート配線12’とゲート共通電極20Gの間や、ソース配線14’とソース共通電極20Sの間に設けられる。
図3には示していないが、共通電極20は、アース電位またはキャパシタ配線17’に接続されているか、あるいは抵抗を介して接続されている。ゲート側共通電極20Gとソース側共通電極20Sは互いに接続されていてもよいし、それぞれが個別に抵抗を介してアース電位またはキャパシタ配線17’に接続されていてもよい。また、保護素子として、具体的には、ドレイン25とゲート22を短絡した薄膜トランジスタ(ダイオード接続構造)を逆向きに並列接続したもの(
図4(a))、ダイオード接続構造の薄膜トランジスタを逆向きに直列接続したもの(
図4(b))、ゲート電極22がどこにも接続されていないフローティングゲート型薄膜トランジスタ(
図4(c))などが用いられる。なお、フローティングゲート型薄膜トランジスタでは、ゲート電極22とソース電極24、ゲート電極22とドレイン電極25との重なりを同等にすることにより、ゲート電極22の電位はキャパシタ結合によってソース電極24とドレイン電極25の中間になる(
図4(d))。
【0083】
図25は、保護素子がダイオード並列構造の場合の例である。ここには、4個の画素用薄膜トランジスタ10(上部画素電極19を含む)と、2個のゲート保護素子30(接続補強電極39を含む)と、2個のソース保護素子40(接続補強電極49を含む)を記載している。その製造工程を
図26〜28に示す。
【0084】
基板1としては、ガラスのような無機物でもよいが、プラスチックのような有機物を使用することもできる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ナイロン(Ny)等が使用できる。また、これらの積層や混合物でもよい。
【0085】
このような基板1上に、ソース電極14と、ソース配線14’と、ソース接続電極14Cと、ドレイン電極15と、画素電極15’と、ゲート共通電極20Gと、ゲート保護素子のソース電極34と、ゲート保護素子のドレイン電極35と、ソース保護素子のソース電極44と、ソース保護素子のドレイン電極45とを含む第1電極層2を形成する(
図26(a))。第1電極層2としては、Au、Ag、Ni、Cu等の金属や、ITO等の透明導電膜を使用することができる。製法としては、印刷法(グラビア印刷、オフセット印刷、反転オフセット印刷等)を用いることができる。特に反転オフセット印刷は解像度が優れており、最適である。
【0086】
さらに、画素用薄膜トランジスタの半導体16と、ゲート保護素子の半導体36と、ソース保護素子の半導体46とを形成する(
図26(b))。ここで、半導体16は画素用薄膜トランジスタのソース電極14・ドレイン電極15間をつなぐように形成される。ゲート保護素子の半導体36はゲート保護素子のソース電極34・ドレイン電極35間をつなぐように形成される。ソース保護素子の半導体46はソース保護素子のソース電極44・ドレイン電極45間をつなぐように形成される。以上に示した構造は第1電極層2の上に半導体を形成するボトムコンタクト構造であるが、本発明は、半導体を先に形成し、その上に第1電極層2を形成するトップコンタクト構造でもよい。半導体16、36、46としては、有機半導体や、酸化物半導体を用いる。具体的には、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリチエニレンビニレン誘導体、ポリアリルアミン誘導体、ポリアセチレン誘導体、アセン誘導体、オリゴチオフェン誘導体等の有機半導体や、InGaZnO系、ZnGaO系、InZnO系、InO系、GaO系、SnO系、あるいはそれらの混合物等の酸化物半導体を用いることができる。有機半導体・酸化物半導体とも、溶液をフレキソ印刷やインクジェット等で印刷・焼成することにより、形成できる。
【0087】
第1電極層2および半導体16、36、46が形成された基板の上に、ゲート絶縁膜13となる第1絶縁膜3を形成する。ゲート絶縁膜13は開口13Aを有している(
図27(c))。第1絶縁膜3としては、ポリビニルフェノール、エポキシ、ポリイミド等の有機絶縁膜や、SiO
2、SiN、SiON、Al
2O
3等の無機絶縁膜を用いることができる。製法としては、溶媒可溶性有機物の場合にはスピンコート、ダイコート等を、それ以外の場合にはスパッタ、蒸着、レーザアブレーション等を用いて成膜後にフォトリソグラフィとエッチング、リフトオフ等でパターニングするか、フレキソ印刷・反転オフセット印刷・インクジェット等の印刷法や、感光性有機物を材料とし露光・現像するなどして、直接パターニングすることが可能である。
【0088】
第1絶縁膜3が形成された基板の上に、ゲート電極12と、ゲート配線12’と、ゲート接続電極12Cと、キャパシタ電極17と、キャパシタ配線17’と、ゲート保護素子のゲート電極32と、ソース保護素子のゲート電極42と、ソース共通電極20Sとを含む第2電極層4を形成する(
図27(d))。ここで、ゲート電極12はゲート絶縁膜13を介して画素用薄膜トランジスタの半導体16に重なるように形成される。ゲート保護素子のゲート電極32はゲート絶縁膜13を介してゲート保護素子の半導体36に重なるように形成される。ソース保護素子のゲート電極42はゲート絶縁膜13を介してソース保護素子の半導体46に重なるように形成される。第2電極層4としては、Al、Cr、Au、Ag、Ni、Cu、Mo等の金属や、ITO等の透明導電膜を使用することができる。製法としては、蒸着やスパッタ成膜後にフォトリソ+エッチングで形成する方法でもよいが、印刷法(スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、反転オフセット印刷等)を用いることができる。印刷を用いる場合、Agインク、Niインク、Cuインク等を用いることができる。
【0089】
第2電極層4が形成された基板の上に、層間絶縁膜18となる第2絶縁膜5を形成する。層間絶縁膜18は開口18Aを有している(
図28(e))。第2絶縁膜5としては、ポリビニルフェノール、アクリル、エポキシ、ポリイミド等が好適である。製法としては、スクリーン印刷やグラビアオフセット印刷が好適であるが、感光性膜を形成後、露光・現像によって形成してもよい。
【0090】
第2絶縁膜5が形成された基板の上に、上部画素電極19と、ゲート保護素子の接続補強電極39と、ソース保護素子の接続補強電極49とを含む第3電極層6を形成する(
図28(f))。上部画素電極19は、層間絶縁膜開口18Aを介して画素電極15’に接続されている。ゲート保護素子の接続補強電極39は、層間絶縁膜開口18Aの内部において、ゲート配線12’とゲート保護素子のドレイン電極35の接続の中継または補強や、ゲート保護素子のゲート電極32とゲート保護素子のドレイン電極35の接続の中継または補強を行っている。ソース保護素子の接続補強電極49は、層間絶縁膜開口18Aの内部において、ソース保護素子のゲート電極42とソース保護素子のドレイン電極45の接続の中継または補強を行っている。第3電極層6としては、Al、Cr、Au、Ag、Ni、Cu等の金属や、ITO等の透明導電膜等を用いることができる。製法としては、Agインク、Niインク、Cuインク等をスクリーン印刷またはグラビアオフセット印刷するのが好適である。スクリーン印刷・グラビアオフセット印刷は厚膜印刷に適しているからである。
【0091】
図29は、保護素子がダイオード直列構造の場合の例である。ここには、4個の画素用薄膜トランジスタ10(上部画素電極19を含む)と、2個のゲート保護素子30(接続補強電極39を含む)と、2個のソース保護素子40(接続補強電極49を含む)を記載している。その製造工程を
図30〜32に示す。
【0092】
基板1としては、ガラスのような無機物でもよいが、プラスチックのような有機物を使用することもできる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ナイロン(Ny)等が使用できる。また、これらの積層や混合物でもよい。
【0093】
このような基板1上に、ソース電極14と、ソース配線14’と、ソース接続電極14Cと、ドレイン電極15と、画素電極15’と、ゲート共通電極20Gと、ゲート保護素子のソース電極34と、ゲート保護素子のドレイン電極35と、ソース保護素子のソース電極44と、ソース保護素子のドレイン電極45とを含む第1電極層2を形成する(
図30(a))。第1電極層2としては、Au、Ag、Ni、Cu等の金属や、ITO等の透明導電膜を使用することができる。製法としては、印刷法(グラビア印刷、オフセット印刷、反転オフセット印刷等)を用いることができる。特に反転オフセット印刷は解像度が優れており、最適である。
【0094】
さらに、画素用薄膜トランジスタの半導体16と、ゲート保護素子の半導体36と、ソース保護素子の半導体46とを形成する(
図30(b))。ここで、半導体16は画素用薄膜トランジスタのソース電極14・ドレイン電極15間をつなぐように形成される。ゲート保護素子の半導体36はゲート保護素子のソース電極34・ドレイン電極35間をつなぐように形成される。ソース保護素子の半導体46はソース保護素子のソース電極44・ドレイン電極45間をつなぐように形成される。以上に示した構造は第1電極層2の上に半導体を形成するボトムコンタクト構造であるが、本発明は、半導体を先に形成し、その上に第1電極層2を形成するトップコンタクト構造でもよい。半導体16、36、46としては、有機半導体や、酸化物半導体を用いる。具体的には、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリチエニレンビニレン誘導体、ポリアリルアミン誘導体、ポリアセチレン誘導体、アセン誘導体、オリゴチオフェン誘導体等の有機半導体や、InGaZnO系、ZnGaO系、InZnO系、InO系、GaO系、SnO系、あるいはそれらの混合物等の酸化物半導体を用いることができる。有機半導体・酸化物半導体とも、溶液をフレキソ印刷やインクジェット等で印刷・焼成することにより、形成できる。
【0095】
第1電極層2および半導体16、36、46が形成された基板の上に、ゲート絶縁膜13となる第1絶縁膜3を形成する。ゲート絶縁膜13は開口13Aを有している(
図31(c))。第1絶縁膜3としては、ポリビニルフェノール、エポキシ、ポリイミド等の有機絶縁膜や、SiO
2、SiN、SiON、Al
2O
3等の無機絶縁膜を用いることができる。製法としては、溶媒可溶性有機物の場合にはスピンコート、ダイコート等を、それ以外の場合にはスパッタ、蒸着、レーザアブレーション等を用いて成膜後にフォトリソグラフィとエッチング、リフトオフ等でパターニングするか、フレキソ印刷・反転オフセット印刷・インクジェット等の印刷法や、感光性有機物を材料とし露光・現像するなどして、直接パターニングすることが可能である。
【0096】
第1絶縁膜3が形成された基板の上に、ゲート電極12と、ゲート配線12’と、ゲート接続電極12Cと、キャパシタ電極17と、キャパシタ配線17’と、ゲート保護素子のゲート電極32と、ソース保護素子のゲート電極42と、ソース共通電極20Sとを含む第2電極層4を形成する(
図31(d))。ここで、ゲート電極12はゲート絶縁膜13を介して画素用薄膜トランジスタの半導体16に重なるように形成される。ゲート保護素子のゲート電極32はゲート絶縁膜13を介してゲート保護素子の半導体36に重なるように形成される。ソース保護素子のゲート電極42はゲート絶縁膜13を介してソース保護素子の半導体46に重なるように形成される。第2電極層4としては、Al、Cr、Au、Ag、Ni、Cu、Mo等の金属や、ITO等の透明導電膜を使用することができる。製法としては、蒸着やスパッタ成膜後にフォトリソ+エッチングで形成する方法でもよいが、印刷法(スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、反転オフセット印刷等)を用いることができる。印刷を用いる場合、Agインク、Niインク、Cuインク等を用いることができる。
【0097】
第2電極層4が形成された基板の上に、層間絶縁膜18となる第2絶縁膜5を形成する。層間絶縁膜18は開口18Aを有している(
図32(e))。第2絶縁膜5としては、ポリビニルフェノール、アクリル、エポキシ、ポリイミド等が好適である。製法としては、スクリーン印刷やグラビアオフセット印刷が好適であるが、感光性膜を形成後、露光・現像によって形成してもよい。
【0098】
第2絶縁膜5が形成された基板の上に、上部画素電極19と、ゲート保護素子の接続補強電極39と、ソース保護素子の接続補強電極49とを含む第3電極層6を形成する(
図32(f))。上部画素電極19は、層間絶縁膜開口18Aを介して画素電極15’に接続されている。ゲート保護素子の接続補強電極39は、層間絶縁膜開口18Aの内部において、ゲート保護素子のゲート電極32とゲート保護素子のドレイン電極35の接続の中継または補強を行っている。ソース保護素子の接続補強電極49は、層間絶縁膜開口18Aの内部において、ソース保護素子のゲート電極42とソース保護素子のドレイン電極45の接続の中継または補強を行っている。第3電極層6としては、Al、Cr、Au、Ag、Ni、Cu等の金属や、ITO等の透明導電膜等を用いることができる。製法としては、Agインク、Niインク、Cuインク等をスクリーン印刷またはグラビアオフセット印刷するのが好適である。スクリーン印刷・グラビアオフセット印刷は厚膜印刷に適しているからである。
【0099】
図33は、保護素子がフローティングゲート型薄膜トランジスタの場合の例である。ここには、4個の画素用薄膜トランジスタ10(上部画素電極19を含む)と、2個のゲート保護素子30(接続補強電極39を含む)と、2個のソース保護素子40(接続補強電極49を含む)を記載している。その製造工程を
図34〜36に示す。
【0100】
基板1としては、ガラスのような無機物でもよいが、プラスチックのような有機物を使用することもできる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ナイロン(Ny)等が使用できる。また、これらの積層や混合物でもよい。
【0101】
このような基板1上に、ソース電極14と、ソース配線14’と、ソース接続電極14Cと、ドレイン電極15と、画素電極15’と、ゲート共通電極20Gと、ゲート保護素子のソース電極34と、ゲート保護素子のドレイン電極35と、ソース保護素子のソース電極44と、ソース保護素子のドレイン電極45とを含む第1電極層2を形成する(
図34(a))。第1電極層2としては、Au、Ag、Ni、Cu等の金属や、ITO等の透明導電膜を使用することができる。製法としては、印刷法(グラビア印刷、オフセット印刷、反転オフセット印刷等)を用いることができる。特に反転オフセット印刷は解像度が優れており、最適である。
【0102】
さらに、画素用薄膜トランジスタの半導体16と、ゲート保護素子の半導体36と、ソース保護素子の半導体46とを形成する(
図34(b))。ここで、半導体16は画素用薄膜トランジスタのソース電極14・ドレイン電極15間をつなぐように形成される。ゲート保護素子の半導体36はゲート保護素子のソース電極34・ドレイン電極35間をつなぐように形成される。ソース保護素子の半導体46はソース保護素子のソース電極44・ドレイン電極45間をつなぐように形成される。以上に示した構造は第1電極層2の上に半導体を形成するボトムコンタクト構造であるが、本発明は、半導体を先に形成し、その上に第1電極層2を形成するトップコンタクト構造でもよい。半導体16、36、46としては、有機半導体や、酸化物半導体を用いる。具体的には、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリチエニレンビニレン誘導体、ポリアリルアミン誘導体、ポリアセチレン誘導体、アセン誘導体、オリゴチオフェン誘導体等の有機半導体や、InGaZnO系、ZnGaO系、InZnO系、InO系、GaO系、SnO系、あるいはそれらの混合物等の酸化物半導体を用いることができる。有機半導体・酸化物半導体とも、溶液をフレキソ印刷やインクジェット等で印刷・焼成することにより、形成できる。
【0103】
第1電極層2および半導体16、36、46が形成された基板の上に、ゲート絶縁膜13となる第1絶縁膜3を形成する。ゲート絶縁膜13は開口13Aを有している(
図35(c))。第1絶縁膜3としては、ポリビニルフェノール、エポキシ、ポリイミド等の有機絶縁膜や、SiO
2、SiN、SiON、Al
2O
3等の無機絶縁膜を用いることができる。製法としては、溶媒可溶性有機物の場合にはスピンコート、ダイコート等を、それ以外の場合にはスパッタ、蒸着、レーザアブレーション等を用いて成膜後にフォトリソグラフィとエッチング、リフトオフ等でパターニングするか、フレキソ印刷・反転オフセット印刷・インクジェット等の印刷法や、感光性有機物を材料とし露光・現像するなどして、直接パターニングすることが可能である。
【0104】
第1絶縁膜3が形成された基板の上に、ゲート電極12と、ゲート配線12’と、ゲート接続電極12Cと、キャパシタ電極17と、キャパシタ配線17’と、ゲート保護素子のゲート電極32と、ソース保護素子のゲート電極42と、ソース共通電極20Sとを含む第2電極層4を形成する(
図35(d))。ここで、ゲート電極12はゲート絶縁膜13を介して画素用薄膜トランジスタの半導体16に重なるように形成される。ゲート保護素子のゲート電極32はゲート絶縁膜13を介してゲート保護素子の半導体36に重なるように形成される。ソース保護素子のゲート電極42はゲート絶縁膜13を介してソース保護素子の半導体46に重なるように形成される。第2電極層4としては、Al、Cr、Au、Ag、Ni、Cu、Mo等の金属や、ITO等の透明導電膜を使用することができる。製法としては、蒸着やスパッタ成膜後にフォトリソ+エッチングで形成する方法でもよいが、印刷法(スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、反転オフセット印刷等)を用いることができる。印刷を用いる場合、Agインク、Niインク、Cuインク等を用いることができる。
【0105】
第2電極層4が形成された基板の上に、層間絶縁膜18となる第2絶縁膜5を形成する。層間絶縁膜18は開口18Aを有している(
図36(e))。第2絶縁膜5としては、ポリビニルフェノール、アクリル、エポキシ、ポリイミド等が好適である。製法としては、スクリーン印刷やグラビアオフセット印刷が好適であるが、感光性膜を形成後、露光・現像によって形成してもよい。
【0106】
第2絶縁膜5が形成された基板の上に、上部画素電極19と、ゲート保護素子の接続補強電極39と、ソース保護素子の接続補強電極49とを含む第3電極層6を形成する(
図36(f))。上部画素電極19は、層間絶縁膜開口18Aを介して画素電極15’に接続されている。ゲート保護素子の接続補強電極39は、層間絶縁膜開口18Aの内部において、ゲート配線12’とゲート保護素子のドレイン電極35の接続の中継または補強を行っている。ソース保護素子の接続補強電極49は、層間絶縁膜開口18Aの内部において、ソース配線14’とソース保護素子のドレイン電極45の接続の中継または補強を行っている。第3電極層6としては、Al、Cr、Au、Ag、Ni、Cu等の金属や、ITO等の透明導電膜等を用いることができる。製法としては、Agインク、Niインク、Cuインク等をスクリーン印刷またはグラビアオフセット印刷するのが好適である。スクリーン印刷・グラビアオフセット印刷は厚膜印刷に適しているからである。
【0107】
[第5の実施の形態]
本発明の第5の実施形態に係わる薄膜トランジスタの例を、
図37、41に示す。これらは、構造体がトップゲート型薄膜トランジスタであり、第1電極層2と第2電極層4を接続する部分が、配線を第2電極層4から第1電極層2に切替えるか、第1電極層2から第2電極層4に切替えることに用いたものである。
【0108】
図37は、第2電極層4に含まれるゲート配線12’を、第1電極層2に含まれるゲート接続電極12Cに接続する部分を中継または補強するための、ゲート配線の接続補強電極52の場合の例である。ここには、4個の画素用薄膜トランジスタ10(上部画素電極19を含む)と、2本のゲート配線12’〜ゲート接続電極12C(接続補強電極52を含む)と、2本のソース配線14’〜ソース接続電極14Cを記載している。その製造工程を
図38〜40に示す。
【0109】
基板1としては、ガラスのような無機物でもよいが、プラスチックのような有機物を使用することもできる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ナイロン(Ny)等が使用できる。また、これらの積層や混合物でもよい。
【0110】
このような基板1上に、ソース電極14と、ソース配線14’と、ドレイン電極15と、画素電極15’と、ゲート接続電極12Cと、ソース接続電極14Cとを含む第1電極層2を形成する(
図38(a))。第1電極層2としては、Al、Cr、Au、Ag、Ni、Cu、Mo等の金属や、ITO等の透明導電膜を使用することができる。製法としては、印刷法(グラビア印刷、オフセット印刷、反転オフセット印刷等)を用いることができる。特に反転オフセット印刷は解像度が優れており、最適である。
【0111】
さらに、画素用薄膜トランジスタの半導体16を形成する(
図38(b))。ここで、半導体16は画素用薄膜トランジスタのソース電極14・ドレイン電極15間をつなぐように形成される。以上に示した構造は第2電極層4の上に半導体を形成するボトムコンタクト構造であるが、本発明は、半導体を先に形成し、その上に第2電極層4を形成するトップコンタクト構造でもよい。半導体16としては、有機半導体や、酸化物半導体を用いる。具体的には、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリチエニレンビニレン誘導体、ポリアリルアミン誘導体、ポリアセチレン誘導体、アセン誘導体、オリゴチオフェン誘導体等の有機半導体や、InGaZnO系、ZnGaO系、InZnO系、InO系、GaO系、SnO系、あるいはそれらの混合物等の酸化物半導体を用いることができる。有機半導体・酸化物半導体とも、溶液をフレキソ印刷やインクジェット等で印刷・焼成することにより、形成できる。
【0112】
第1電極層2および半導体16が形成された基板の上に、ゲート絶縁膜13となる第1絶縁膜3を形成する。ゲート絶縁膜13は開口13Aを有している(
図39(c))。第1絶縁膜3としては、ポリビニルフェノール、エポキシ、ポリイミド等の有機絶縁膜や、SiO
2、SiN、SiON、Al
2O
3等の無機絶縁膜を用いることができる。製法としては、溶媒可溶性有機物の場合にはスピンコート、ダイコート等を、それ以外の場合にはスパッタ、蒸着、レーザアブレーション等を用いて成膜後にフォトリソグラフィとエッチング、リフトオフ等でパターニングするか、フレキソ印刷・反転オフセット印刷・インクジェット等の印刷法や、感光性有機物を材料とし露光・現像するなどして、直接パターニングすることが可能である。
【0113】
第1絶縁膜3が形成された基板の上に、ゲート電極12と、ゲート配線12’と、キャパシタ電極17と、キャパシタ配線17’とを含む第2電極層4を形成する(
図39(d))。ここで、ゲート電極12はゲート絶縁膜13を介して半導体16に重なるように形成される。第2電極層4としては、Au、Ag、Ni、Cu等の金属や、ITO等の透明導電膜を使用することができる。製法としては、蒸着やスパッタ成膜後にフォトリソ+エッチングで形成する方法でもよいが、印刷法(スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、反転オフセット印刷等)を用いることができる。印刷を用いる場合、Agインク、Niインク、Cuインク等を用いることができる。
【0114】
第2電極層4が形成された基板の上に、層間絶縁膜18となる第2絶縁膜5を形成する。層間絶縁膜18は開口18Aを有している(
図40(e))。第2絶縁膜5としては、ポリビニルフェノール、アクリル、エポキシ、ポリイミド等が好適である。製法としては、スクリーン印刷やグラビアオフセット印刷が好適であるが、感光性膜を形成後、露光・現像によって形成してもよい。
【0115】
第2絶縁膜5が形成された基板の上に、上部画素電極19と、ゲート配線の接続補強電極52とを含む第3電極層6を形成する(
図40(f))。上部画素電極19は、層間絶縁膜開口18Aを介して画素電極15’に接続されている。ゲート配線の接続補強電極52は、層間絶縁膜開口18Aの内部において、ゲート接続電極12Cとゲート配線12’の接続の中継または補強を行っている。第3電極層6としては、Al、Cr、Au、Ag、Ni、Cu等の金属や、ITO等の透明導電膜等を用いることができる。製法としては、Agインク、Niインク、Cuインク等をスクリーン印刷またはグラビアオフセット印刷するのが好適である。スクリーン印刷・グラビアオフセット印刷は厚膜印刷に適しているからである。
【0116】
図41は、第1電極層2に含まれるソース配線14’を、第2電極層4に含まれるソース接続電極14Cに接続する部分を補強するための、ソース配線の接続補強電極54の場合の例である。ここには、4個の画素用薄膜トランジスタ10(上部画素電極19を含む)と、2本のゲート配線12’〜ゲート接続電極12Cと、2本のソース配線14’〜ソース接続電極14C(接続補強電極54を含む)を記載している。その製造工程を
図42〜44に示す。
【0117】
基板1としては、ガラスのような無機物でもよいが、プラスチックのような有機物を使用することもできる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ナイロン(Ny)等が使用できる。また、これらの積層や混合物でもよい。
【0118】
このような基板1上に、ソース電極14と、ソース配線14’と、ドレイン電極15と、画素電極15’とを含む第1電極層2を形成する(
図42(a))。第1電極層2としては、Al、Cr、Au、Ag、Ni、Cu、Mo等の金属や、ITO等の透明導電膜を使用することができる。製法としては、印刷法(グラビア印刷、オフセット印刷、反転オフセット印刷等)を用いることができる。特に反転オフセット印刷は解像度が優れており、最適である。
【0119】
さらに、画素用薄膜トランジスタの半導体16を形成する(
図42(b))。ここで、半導体16は画素用薄膜トランジスタのソース電極14・ドレイン電極15間をつなぐように形成される。以上に示した構造は第2電極層4の上に半導体を形成するボトムコンタクト構造であるが、本発明は、半導体を先に形成し、その上に第2電極層4を形成するトップコンタクト構造でもよい。半導体16としては、有機半導体や、酸化物半導体を用いる。具体的には、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリチエニレンビニレン誘導体、ポリアリルアミン誘導体、ポリアセチレン誘導体、アセン誘導体、オリゴチオフェン誘導体等の有機半導体や、InGaZnO系、ZnGaO系、InZnO系、InO系、GaO系、SnO系、あるいはそれらの混合物等の酸化物半導体を用いることができる。有機半導体・酸化物半導体とも、溶液をフレキソ印刷やインクジェット等で印刷・焼成することにより、形成できる。
【0120】
第1電極層2および半導体16が形成された基板の上に、ゲート絶縁膜13となる第1絶縁膜3を形成する。ゲート絶縁膜13は開口13Aを有している(
図43(c))。第1絶縁膜3としては、ポリビニルフェノール、エポキシ、ポリイミド等の有機絶縁膜や、SiO
2、SiN、SiON、Al
2O
3等の無機絶縁膜を用いることができる。製法としては、溶媒可溶性有機物の場合にはスピンコート、ダイコート等を、それ以外の場合にはスパッタ、蒸着、レーザアブレーション等を用いて成膜後にフォトリソグラフィとエッチング、リフトオフ等でパターニングするか、フレキソ印刷・反転オフセット印刷・インクジェット等の印刷法や、感光性有機物を材料とし露光・現像するなどして、直接パターニングすることが可能である。
【0121】
第1絶縁膜3が形成された基板の上に、ゲート電極12と、ゲート配線12’と、キャパシタ電極17と、キャパシタ配線17’と、ゲート接続電極12Cと、ソース接続電極14Cとを含む第2電極層4を形成する(
図43(d))。ここで、ゲート電極12はゲート絶縁膜13を介して半導体16に重なるように形成される。第2電極層4としては、Au、Ag、Ni、Cu等の金属や、ITO等の透明導電膜を使用することができる。製法としては、蒸着やスパッタ成膜後にフォトリソ+エッチングで形成する方法でもよいが、印刷法(スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、反転オフセット印刷等)を用いることができる。印刷を用いる場合、Agインク、Niインク、Cuインク等を用いることができる。
【0122】
第2電極層4が形成された基板の上に、層間絶縁膜18となる第2絶縁膜5を形成する。層間絶縁膜18は開口18Aを有している(
図44(e))。第2絶縁膜5としては、ポリビニルフェノール、アクリル、エポキシ、ポリイミド等が好適である。製法としては、スクリーン印刷やグラビアオフセット印刷が好適であるが、感光性膜を形成後、露光・現像によって形成してもよい。
【0123】
第2絶縁膜5が形成された基板の上に、上部画素電極19と、ソース配線の接続補強電極54とを含む第3電極層6を形成する(
図44(f))。上部画素電極19は、層間絶縁膜開口18Aを介して画素電極15’に接続されている。ソース配線の接続補強電極54は、層間絶縁膜開口18Aの内部において、ソース配線14’とソース接続電極14Cの接続の中継または補強を行っている。第3電極層6としては、Al、Cr、Au、Ag、Ni、Cu等の金属や、ITO等の透明導電膜等を用いることができる。製法としては、Agインク、Niインク、Cuインク等をスクリーン印刷またはグラビアオフセット印刷するのが好適である。スクリーン印刷・グラビアオフセット印刷は厚膜印刷に適しているからである。
【実施例】
【0124】
(実施例1)
本発明の実施例について、
図1を用いて説明する。
図1(a)〜(c)が混在する構造体を作製した。まず初めに、絶縁基板1であるガラス上に、スパッタでAlを50nm厚に成膜し、フォトリソ・エッチングによって第1電極層2を形成した。次に、感光性有機材料をスピンコートし、露光・現像することにより、開口3Aを有する第1絶縁膜3を1μm厚に形成した。さらに、第2電極層4として、Agインクを反転印刷し180℃で焼成することによって厚さ50nmのパターンを形成した。
【0125】
さらにエポキシ樹脂をスクリーン印刷・焼成して、開口5Aを有する第2絶縁膜5を形成し、Agペーストをスクリーン印刷・焼成して第3電極層6を形成した。
【0126】
こうして作製した構造体は、
図1(a)〜(c)が混在しているが、いずれも第1電極層2と第2電極層4の導通が確認できた。
【0127】
(比較例1)
比較例について、
図45を用いて説明する。まず初めに、絶縁基板1であるガラス上に、スパッタでAlを50nm厚に成膜し、フォトリソ・エッチングによって第1電極層2を形成した。次に、感光性有機材料をスピンコートし、露光・現像することにより、開口3Aを有する第1絶縁膜3を1μm厚に形成した。さらに、第2電極層4として、Agインクを反転印刷し180℃で焼成することによって厚さ50nmのパターンを形成した。
【0128】
こうして作製した構造体は、
図45(a)〜(c)が混在しており、
図45(c)は第1電極層2と第2電極層4の導通が確認できたが、
図45(a)や(b)の部分では第1電極層2と第2電極層4が導通していなかった。
【0129】
(実施例2)
本発明の実施例について、
図5および
図6〜8を用いて説明する。
図5に示す素子を、
図6(a)〜
図8(f)の工程によって作製した。まず初めに、絶縁基板1であるPEN上に、反転オフセット印刷によってAgインクを印刷・焼成してゲート電極12と、ゲート配線12’と、キャパシタ電極17と、キャパシタ配線17’と、ゲート保護素子のゲート電極32と、ソース保護素子のゲート電極42と、ソース側共通電極20Sと、ゲート接続電極12Cとを含む第1電極層2を形成した(
図6(a))。次に、感光性有機材料をスピンコートし、露光・現像することにより、開口13Aを有するゲート絶縁膜13、即ち開口3Aを有する第1絶縁膜3を1μm厚に形成した(
図6(b))。さらに、ソース電極14と、ソース配線14’と、ドレイン電極15と、画素電極15’と、ゲート保護素子のソース電極34と、ゲート保護素子のドレイン電極35と、ソース保護素子のソース電極44と、ソース保護素子のドレイン電極45と、ゲート側共通電極20Gと、ソース接続電極14Cとを含む第2電極層4として、Agインクを反転印刷し180℃で焼成することによって厚さ50nmのパターンを形成した(
図7(c))。
【0130】
さらに、ポリチオフェン溶液をインクジェット印刷、100℃焼成することにより、半導体層16と、ゲート保護素子の半導体36と、ソース保護素子の半導体46とを形成した(
図7(d))。そして、フッ素化樹脂であるサイトップをスクリーン印刷・焼成して半導体16、36、46を覆う封止層を形成した(図示せず)。さらにエポキシ樹脂をスクリーン印刷・焼成して、開口18Aを有する層間絶縁膜18、即ち開口5Aを有する第2絶縁膜5を形成し(
図8(e))、Agペーストをスクリーン印刷・焼成して上部画素電極19と、ゲート保護素子の接続補強電極39と、ソース保護素子の接続補強電極49とを含む第3電極層6形成した(
図8(f))。
【0131】
こうして作製した薄膜トランジスタアレイと、対向電極付き基板の間に電気泳動表示体を挟んだ構造の電気泳動ディスプレイを作製した。全画素で表示を確認できた。
【0132】
(実施例3)
本発明の実施例について、
図9および
図10〜12を用いて説明する。
図9に示す素子を、
図10(a)〜
図12(f)の工程によって作製した。まず初めに、絶縁基板1であるPEN上に、反転オフセット印刷によってAgインクを印刷・焼成してゲート電極12と、ゲート配線12’と、キャパシタ電極17と、キャパシタ配線17’と、ゲート保護素子のゲート電極32と、ソース保護素子のゲート電極42と、ソース側共通電極20Sと、ゲート接続電極12Cとを含む第1電極層2を形成した(
図10(a))。次に、感光性有機材料をスピンコートし、露光・現像することにより、開口13Aを有するゲート絶縁膜13、即ち開口3Aを有する第1絶縁膜3を1μm厚に形成した(
図10(b))。さらに、ソース電極14と、ソース配線14’と、ドレイン電極15と、画素電極15’と、ゲート保護素子のソース電極34と、ゲート保護素子のドレイン電極35と、ソース保護素子のソース電極44と、ソース保護素子のドレイン電極45と、ゲート側共通電極20Gと、ソース接続電極14Cとを含む第2電極層4として、Agインクを反転印刷し180℃で焼成することによって厚さ50nmのパターンを形成した(
図11(c))。
【0133】
さらに、ポリチオフェン溶液をインクジェット印刷、100℃焼成することにより、半導体層16と、ゲート保護素子の半導体36と、ソース保護素子の半導体46とを形成した(
図11(d))。そして、フッ素化樹脂であるサイトップをスクリーン印刷・焼成して半導体16、36、46を覆う封止層を形成した(図示せず)。さらにエポキシ樹脂をスクリーン印刷・焼成して、開口18Aを有する層間絶縁膜18、即ち開口5Aを有する第2絶縁膜5を形成し(
図12(e))、Agペーストをスクリーン印刷・焼成して上部画素電極19と、ゲート保護素子の接続補強電極39と、ソース保護素子の接続補強電極49とを含む第3電極層6形成した(
図12(f))。
【0134】
こうして作製した薄膜トランジスタアレイと、対向電極付き基板の間に電気泳動表示体を挟んだ構造の電気泳動ディスプレイを作製した。全画素で表示を確認できた。
【0135】
(実施例4)
本発明の実施例について、
図13および
図14〜16を用いて説明する。
図13に示す素子を、
図14(a)〜
図16(f)の工程によって作製した。まず初めに、絶縁基板1であるPEN上に、反転オフセット印刷によってAgインクを印刷・焼成してゲート電極12と、ゲート配線12’と、キャパシタ電極17と、キャパシタ配線17’と、ゲート保護素子のゲート電極32と、ソース保護素子のゲート電極42と、ソース側共通電極20Sと、ゲート接続電極12Cとを含む第1電極層2を形成した(
図14(a))。次に、感光性有機材料をスピンコートし、露光・現像することにより、開口13Aを有するゲート絶縁膜13、即ち開口3Aを有する第1絶縁膜3を1μm厚に形成した(
図14(b))。さらに、ソース電極14と、ソース配線14’と、ドレイン電極15と、画素電極15’と、ゲート保護素子のソース電極34と、ゲート保護素子のドレイン電極35と、ソース保護素子のソース電極44と、ソース保護素子のドレイン電極45と、ゲート側共通電極20Gと、ソース接続電極14Cとを含む第2電極層4として、Agインクを反転印刷し180℃で焼成することによって厚さ50nmのパターンを形成した(
図15(c))。
【0136】
さらに、ポリチオフェン溶液をフレキソ印刷、100℃焼成することにより、半導体層16と、ゲート保護素子の半導体36と、ソース保護素子の半導体46とを形成した(
図15(d))。そして、フッ素化樹脂であるサイトップをスクリーン印刷・焼成して半導体16、36、46を覆う封止層を形成した(図示せず)。さらにエポキシ樹脂をグラビアオフセット印刷・焼成して、開口18Aを有する層間絶縁膜18、即ち開口5Aを有する第2絶縁膜5を形成し(
図16(e))、Agペーストをグラビアオフセット印刷・焼成して上部画素電極19と、ゲート保護素子の接続補強電極39と、ソース保護素子の接続補強電極49とを含む第3電極層6形成した(
図16(f))。
【0137】
こうして作製した薄膜トランジスタアレイと、対向電極付き基板の間に電気泳動表示体を挟んだ構造の電気泳動ディスプレイを作製した。全画素で表示を確認できた。
【0138】
(実施例5)
本発明の実施例について、
図17および
図18〜20を用いて説明する。
図17に示す素子を、
図18(a)〜
図20(f)の工程によって作製した。まず初めに、絶縁基板1であるPEN上に、反転オフセット印刷によってAgインクを印刷・焼成してゲート電極12と、ゲート配線12’と、キャパシタ電極17と、キャパシタ配線17’と、ゲート接続電極12Cと、ソース接続電極14Cとを含む第1電極層2を形成した(
図18(a))。次に、感光性有機材料をスピンコートし、露光・現像することにより、開口13Aを有するゲート絶縁膜13、即ち開口3Aを有する第1絶縁膜3を1μm厚に形成した(
図18(b))。さらに、ソース電極14と、ソース配線14’と、ドレイン電極15と、画素電極15’とを含む第2電極層4として、Agインクを反転印刷し180℃で焼成することによって厚さ50nmのパターンを形成した(
図19(c))。
【0139】
さらに、ポリチオフェン溶液をインクジェット印刷、100℃焼成することにより、半導体層16と、ゲート保護素子の半導体36と、ソース保護素子の半導体46とを形成した(
図19(d))。そして、フッ素化樹脂であるサイトップをスクリーン印刷・焼成して半導体16、36、46を覆う封止層を形成した(図示せず)。さらにエポキシ樹脂をスクリーン印刷・焼成して、開口18Aを有する層間絶縁膜18、即ち開口5Aを有する第2絶縁膜5を形成し(
図20(e))、Agペーストをスクリーン印刷・焼成して上部画素電極19と、ソース配線の接続補強電極54とを含む第3電極層6形成した(
図20(f))。
【0140】
こうして作製した薄膜トランジスタアレイと、対向電極付き基板の間に電気泳動表示体を挟んだ構造の電気泳動ディスプレイを作製した。全画素で表示を確認できた。
【0141】
(実施例6)
本発明の実施例について、
図21および
図22〜24を用いて説明する。
図21に示す素子を、
図22(a)〜
図24(f)の工程によって作製した。まず初めに、絶縁基板1であるPEN上に、反転オフセット印刷によってAgインクを印刷・焼成してゲート電極12と、ゲート配線12’と、キャパシタ電極17と、キャパシタ配線17’とを含む第1電極層2を形成した(
図22(a))。次に、感光性有機材料をスピンコートし、露光・現像することにより、開口13Aを有するゲート絶縁膜13、即ち開口3Aを有する第1絶縁膜3を1μm厚に形成した(
図22(b))。さらに、ソース電極14と、ソース配線14’と、ドレイン電極15と、画素電極15’と、ゲート接続電極12Cと、ソース接続電極14Cとを含む第2電極層4として、Agインクを反転印刷し180℃で焼成することによって厚さ50nmのパターンを形成した(
図23(c))。
【0142】
さらに、ポリチオフェン溶液をフレキソ印刷、100℃焼成することにより、半導体層16と、ゲート保護素子の半導体36と、ソース保護素子の半導体46とを形成した(
図23(d))。そして、フッ素化樹脂であるサイトップをスクリーン印刷・焼成して半導体16、36、46を覆う封止層を形成した(図示せず)。さらにエポキシ樹脂をグラビアオフセット印刷・焼成して、開口18Aを有する層間絶縁膜18、即ち開口5Aを有する第2絶縁膜5を形成し(
図24(e))、Agペーストをグラビアオフセット印刷・焼成して上部画素電極19と、ゲート配線の接続補強電極52とを含む第3電極層6形成した(
図24(f))。
【0143】
こうして作製した薄膜トランジスタアレイと、対向電極付き基板の間に電気泳動表示体を挟んだ構造の電気泳動ディスプレイを作製した。全画素で表示を確認できた。
【0144】
(実施例7)
本発明の実施例について、
図25および
図26〜28を用いて説明する。
図25に示す素子を、
図26(a)〜
図28(f)の工程によって作製した。まず初めに、絶縁基板1であるPEN上に、反転オフセット印刷によってAgインクを印刷・焼成してソース電極14と、ソース配線14’と、ドレイン電極15と、画素電極15’と、ゲート保護素子のソース電極34と、ゲート保護素子のドレイン電極35と、ソース保護素子のソース電極44と、ソース保護素子のドレイン電極45と、ゲート側共通電極20Gと、ソース接続電極14Cとを含む第1電極層2を形成した(
図26(a))。さらに、ポリチオフェン溶液をインクジェット印刷、100℃焼成することにより、半導体層16と、ゲート保護素子の半導体36と、ソース保護素子の半導体46とを形成した(
図26(b))。次に、感光性有機材料をスピンコートし、露光・現像することにより、開口13Aを有するゲート絶縁膜13、即ち開口3Aを有する第1絶縁膜3を1μm厚に形成した(
図27(c))。さらに、ゲート電極12と、ゲート配線12’と、キャパシタ電極17と、キャパシタ配線17’と、ゲート保護素子のゲート電極32と、ソース保護素子のゲート電極42と、ソース側共通電極20Sと、ゲート接続電極12Cとを含む第2電極層4として、Agインクを反転印刷し180℃で焼成することによって厚さ50nmのパターンを形成した(
図27(d))。
【0145】
さらにエポキシ樹脂をスクリーン印刷・焼成して、開口18Aを有する層間絶縁膜18、即ち開口5Aを有する第2絶縁膜5を形成し(
図28(e))、Agペーストをスクリーン印刷・焼成して上部画素電極19と、ゲート保護素子の接続補強電極39と、ソース保護素子の接続補強電極49とを含む第3電極層6形成した(
図28(f))。
【0146】
こうして作製した薄膜トランジスタアレイと、対向電極付き基板の間に電気泳動表示体を挟んだ構造の電気泳動ディスプレイを作製した。全画素で表示を確認できた。
【0147】
(実施例8)
本発明の実施例について、
図29および
図30〜32を用いて説明する。
図29に示す素子を、
図30(a)〜
図32(f)の工程によって作製した。まず初めに、絶縁基板1であるPEN上に、反転オフセット印刷によってAgインクを印刷・焼成してソース電極14と、ソース配線14’と、ドレイン電極15と、画素電極15’と、ゲート保護素子のソース電極34と、ゲート保護素子のドレイン電極35と、ソース保護素子のソース電極44と、ソース保護素子のドレイン電極45と、ゲート側共通電極20Gと、ソース接続電極14Cとを含む第1電極層2を形成した(
図30(a))。さらに、ポリチオフェン溶液をインクジェット印刷、100℃焼成することにより、半導体層16と、ゲート保護素子の半導体36と、ソース保護素子の半導体46とを形成した(
図30(b))。次に、感光性有機材料をスピンコートし、露光・現像することにより、開口13Aを有するゲート絶縁膜13、即ち開口3Aを有する第1絶縁膜3を1μm厚に形成した(
図31(c))。さらに、ゲート電極12と、ゲート配線12’と、キャパシタ電極17と、キャパシタ配線17’と、ゲート保護素子のゲート電極32と、ソース保護素子のゲート電極42と、ソース側共通電極20Sと、ゲート接続電極12Cとを含む第2電極層4として、Agインクを反転印刷し180℃で焼成することによって厚さ50nmのパターンを形成した(
図31(d))。
【0148】
さらにエポキシ樹脂をスクリーン印刷・焼成して、開口18Aを有する層間絶縁膜18、即ち開口5Aを有する第2絶縁膜5を形成し(
図32(e))、Agペーストをスクリーン印刷・焼成して上部画素電極19と、ゲート保護素子の接続補強電極39と、ソース保護素子の接続補強電極49とを含む第3電極層6形成した(
図32(f))。
【0149】
こうして作製した薄膜トランジスタアレイと、対向電極付き基板の間に電気泳動表示体を挟んだ構造の電気泳動ディスプレイを作製した。全画素で表示を確認できた。
【0150】
(実施例9)
本発明の実施例について、
図33および
図34〜36を用いて説明する。
図33に示す素子を、
図34(a)〜
図36(f)の工程によって作製した。まず初めに、絶縁基板1であるPEN上に、反転オフセット印刷によってAgインクを印刷・焼成してソース電極14と、ソース配線14’と、ドレイン電極15と、画素電極15’と、ゲート保護素子のソース電極34と、ゲート保護素子のドレイン電極35と、ソース保護素子のソース電極44と、ソース保護素子のドレイン電極45と、ゲート側共通電極20Gと、ソース接続電極14Cとを含む第1電極層2を形成した(
図34(a))。さらに、ポリチオフェン溶液をフレキソ印刷、100℃焼成することにより、半導体層16と、ゲート保護素子の半導体36と、ソース保護素子の半導体46とを形成した(
図34(b))。次に、感光性有機材料をスピンコートし、露光・現像することにより、開口13Aを有するゲート絶縁膜13、即ち開口3Aを有する第1絶縁膜3を1μm厚に形成した(
図35(c))。さらに、ゲート電極12と、ゲート配線12’と、キャパシタ電極17と、キャパシタ配線17’と、ゲート保護素子のゲート電極32と、ソース保護素子のゲート電極42と、ソース側共通電極20Sと、ゲート接続電極12Cとを含む第2電極層4として、Agインクを反転印刷し180℃で焼成することによって厚さ50nmのパターンを形成した(
図35(d))。
【0151】
さらにエポキシ樹脂をグラビアオフセット印刷・焼成して、開口18Aを有する層間絶縁膜18、即ち開口5Aを有する第2絶縁膜5を形成し(
図36(e))、Agペーストをグラビアオフセット印刷・焼成して上部画素電極19と、ゲート保護素子の接続補強電極39と、ソース保護素子の接続補強電極49とを含む第3電極層6形成した(
図36(f))。
【0152】
こうして作製した薄膜トランジスタアレイと、対向電極付き基板の間に電気泳動表示体を挟んだ構造の電気泳動ディスプレイを作製した。全画素で表示を確認できた。
【0153】
(実施例10)
本発明の実施例について、
図37および
図38〜40を用いて説明する。
図37に示す素子を、
図38(a)〜
図40(f)の工程によって作製した。まず初めに、絶縁基板1であるPEN上に、反転オフセット印刷によってAgインクを印刷・焼成してソース電極14と、ソース配線14’と、ドレイン電極15と、画素電極15’と、ゲート接続電極12Cと、ソース接続電極14Cとを含む第1電極層2を形成した(
図38(a))。さらに、ポリチオフェン溶液をインクジェット印刷、100℃焼成することにより、半導体層16を形成した(
図38(b))。次に、感光性有機材料をスピンコートし、露光・現像することにより、開口13Aを有するゲート絶縁膜13、即ち開口3Aを有する第1絶縁膜3を1μm厚に形成した(
図39(c))。さらに、ゲート電極12と、ゲート配線12’と、キャパシタ電極17と、キャパシタ配線17’とを含む第2電極層4として、Agインクを反転印刷し180℃で焼成することによって厚さ50nmのパターンを形成した(
図39(d))。
【0154】
さらにエポキシ樹脂をスクリーン印刷・焼成して、開口18Aを有する層間絶縁膜18、即ち開口5Aを有する第2絶縁膜5を形成し(
図40(e))、Agペーストをスクリーン印刷・焼成して上部画素電極19と、ゲート配線の接続補強電極52とを含む第3電極層6形成した(
図40(f))。
【0155】
こうして作製した薄膜トランジスタアレイと、対向電極付き基板の間に電気泳動表示体を挟んだ構造の電気泳動ディスプレイを作製した。全画素で表示を確認できた。
【0156】
(実施例11)
本発明の実施例について、
図41および
図42〜44を用いて説明する。
図41に示す素子を、
図42(a)〜
図44(f)の工程によって作製した。まず初めに、絶縁基板1であるPEN上に、反転オフセット印刷によってAgインクを印刷・焼成してソース電極14と、ソース配線14’と、ドレイン電極15と、画素電極15’とを含む第1電極層2を形成した(
図42(a))。さらに、ポリチオフェン溶液をフレキソ印刷、100℃焼成することにより、半導体層16を形成した(
図42(b))。次に、感光性有機材料をスピンコートし、露光・現像することにより、開口13Aを有するゲート絶縁膜13、即ち開口3Aを有する第1絶縁膜3を1μm厚に形成した(
図43(c))。さらに、ゲート電極12と、ゲート配線12’と、キャパシタ電極17と、キャパシタ配線17’と、ゲート接続電極12Cと、ソース接続電極14Cとを含む第2電極層4として、Agインクを反転印刷し180℃で焼成することによって厚さ50nmのパターンを形成した(
図43(d))。
【0157】
さらにエポキシ樹脂をグラビアオフセット印刷・焼成して、開口18Aを有する層間絶縁膜18、即ち開口5Aを有する第2絶縁膜5を形成し(
図44(e))、Agペーストをグラビアオフセット印刷・焼成して上部画素電極19と、ソース配線の接続補強電極54とを含む第3電極層6形成した(
図44(f))。
【0158】
こうして作製した薄膜トランジスタアレイと、対向電極付き基板の間に電気泳動表示体を挟んだ構造の電気泳動ディスプレイを作製した。全画素で表示を確認できた。