(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記開口は、前記アンカーの位置から、前記アンカーのサイズと同程度もしくは2倍程度離れた位置に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の静電容量型センサ。
前記開口の外周縁のうち、当該開口の近傍のアンカーと前記振動電極板の中心とを結ぶ線分からの垂直距離が最も大きな箇所が湾曲していることを特徴とする、請求項1に記載の静電容量型センサ。
前記スリットの途切れている部分における前記スリットの端どうしの間隔は、当該スリットの近傍のアンカーと前記振動電極板の中心とを結ぶ線分から前記スリットの外周縁までの最大の垂直距離よりも小さいことを特徴とする、請求項5に記載の静電容量型センサ。
前記開口は、前記基板の上面に垂直な方向から見て、前記アンカーと前記振動電極板の中心を結ぶ直線に関して対称な形状を有していることを特徴とする、請求項1に記載の静電容量型センサ。
前記振動電極板の開口は、前記基板の上面に垂直な方向から見て前記空洞と重なり合わない位置に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の静電容量型センサ。
前記開口の上方に位置する前記音響孔は、前記バックプレートの中央部に位置する前記音響孔よりも開口面積が小さいことを特徴とする、請求項18に記載の音響センサ。
【背景技術】
【0002】
図1は従来の音響センサに用いられるダイアフラムの形状を示す平面図である。
図1の音響センサはダイアフラム12を支持するための脚片を有しないものであり、基板11の上面でアンカー14によりダイアフラム12のコーナー部下面を支持している。
【0003】
しかし、
図1のようなダイアフラム支持構造では、アンカー近傍のダイアフラムの剛性が高いために音響振動を受けたときのダイアフラムの変位量が小さく、高感度の音響センサを作製することが難しい。
【0004】
また、特許文献1に開示された音響センサ(マイクロフォン)では、ダイアフラムの外周部下面を全周にわたって基板上面に固定し、固定部分の内側に沿ってダイアフラムに複数個の小さな孔を開口している。しかし、このような音響センサでも、ダイアフラムの全周が固定されているので、音響振動を受けたときのダイアフラムの変位量が小さく、高感度の音響センサを作製することが難しい。
【0005】
そのため、ダイアフラムの変位量を大きくして感度を高めるため、ダイアフラムから外側へ向けて脚片(梁)を延出させ、脚片の端をアンカーで支持させるようにした音響センサが従来より提案されている。このような音響センサとしては、たとえば特許文献2に記載されたものや特許文献3に記載されたものがある。
【0006】
図2Aは、ダイアフラムに設けた脚片をアンカーで支持するようにした音響センサの概略平面図である。ただし、
図2Aでは、バックプレートや固定電極板を除いてダイアフラムを露出させている。
【0007】
図2Aに示す音響センサでは、基板11に開口されたチャンバ(図示せず)を覆うようにして基板11の上面に矩形状のダイアフラム12が配置されている。ダイアフラム12のコーナー部からは、対角方向外向きに脚片13が延出している。チャンバの縁において基板11の上面には4個のアンカー14が設けられており、脚片13の先端部下面はそれぞれアンカー14によって支持されている。よって、ダイアフラム12は、基板11の上面において剛性の小さな脚片13によって支持されており、音響振動によって上下に大きく変位する構造となっている。
【0008】
しかし、
図2Aのようにダイアフラム12から外側へ脚片13を延出させた構造の場合には、脚片13と脚片13の間の領域、すなわち
図2Bにおいてハッチングを施した領域にはダイアフラム12が存在せず、この領域が有効活用されていない。そのため、ダイアフラムの面積に比較して基板の面積が大きくなり、音響センサを小型化するうえでの阻害要因となっていた。あるいは、同じ基板サイズであればダイアフラムの面積が小さくなり、音響センサの感度が低下する。
【0009】
図2Aのような支持構造のダイアフラム12においてその面積を大きくしようとすれば、たとえば
図3のように脚片13と脚片13の間の領域へダイアフラム12を延出させることが考えられる。しかし、
図3のようなダイアフラム12であると、脚片13と脚片13の間へ延出された部分12aは脚片13により支持された部分(
図2Aのもともとダイアフラム12であった部分)によって片持ち状に支持されている。そのため、延出部分12aは、ダイアフラム12が固有に持つ反りの影響を受けやすく、上方又は下方へ反り返ったりしやすい。このような反り返りの方向や程度は、生産工程のばらつきで生じるので、
図3のような構造のダイアフラムは、音響センサの感度などをばらつかせる原因となる。また、場合によっては、反り返った部分12aが基板11やバックプレートに衝突するおそれがある。
【0010】
また、ダイアフラム12の面積を大きくするためには、脚片13の長さを短くすればよい。しかし、脚片13の長さを短くすると、脚片13の剛性が高くなるので、ダイアフラム12の変位量が小さくなり、音響センサの感度が低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的とするところは、センササイズを小型化しつつ感度を向上させることのできる音響センサなどの静電容量型センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る静電容量センサとは、少なくとも上面で開口した空洞を有する基板と、前記空洞の上面を覆うようにして前記基板の上方に形成された振動電極板と、前記振動電極板の外周部に間隔をあけて配置されていて、前記振動電極板を静止部材に固定可能にする複数個のアンカーと、前記振動電極板と対向するように配置された固定電極板とを備え、前記基板の上面に垂直な方向から見たとき、隣り合うアンカー間に位置する振動電極板の外縁が、全長にわたって、前記振動電極板の中心から遠い側で隣り合うアンカーの縁に外接する接線よりも外側に位置している静電容量型センサにおいて、前記振動電極板の前記アンカーに近い領域に1又は2以上の開口が設けられていることを特徴としている。
【0014】
ここで、開口とは、上下に貫通した通孔やスリットのように周囲をダイアラムに囲まれたものであって、切欠きは含まない。また、前記基板の上面に垂直な方向から見たとき、隣り合うアンカー間に位置する振動電極板の外縁の全長が、前記振動電極板の中心から遠い側で隣り合うアンカーの縁に外接する接線よりも外側に位置しているとは、隣り合うアンカー間に位置する振動電極板の外縁が、前記振動電極板の中心から遠い側で隣り合うアンカーの縁に外接する接線よりも内側に位置しておらず、また振動電極板の外縁が当該接線と交差していないということである。ただし、振動電極板の内側に設けられた通孔やスリットなどの閉じた開口が前記接線に接していたり、交差していたりすることは差し支えない。また、前記アンカーに近い位置とは、たとえば前記アンカーの位置から、前記アンカーのサイズと同程度もしくは2倍程度離れた位置であればよい。
【0015】
本発明の静電容量型センサにあっては、振動電極板の縁を弛ませることなくアンカー間の領域へ振動電極板を広げることができるので、振動電極板の面積を大きくすることができ、センサの感度を向上させることができる。また、アンカーの近傍において振動電極板に開口を設けているので、振動電極板のアンカーによる支持部分の剛性を小さくでき、振動電極板の変位量を大きくできてセンサの感度を向上させることができる。一方、従来のセンサのように振動電極板を支持させるための脚片が外側に向けて突出しないので、センサのサイズを小さくできる。よって、本発明の静電容量型センサによれば、感度が高くてサイズの小さな静電容量型センサを作製することが可能になる。
【0016】
本発明に係る静電容量型センサのある実施態様は、前記開口の外周縁のうち、当該開口の近傍のアンカーと前記振動電極板の中心とを結ぶ線分からの垂直距離が最も大きな箇所が湾曲していることを特徴としている。アンカーと前記振動電極板の中心とを結ぶ線分からの垂直距離が最も大きな箇所は応力が集中しやすいが、この部分を湾曲させておけば応力集中を緩和させることができる。
【0017】
本発明に係る静電容量型センサの別な実施態様は、前記開口が、開環状のスリットであることを特徴としている。かかる実施態様によれば、スリットで囲まれた領域がダイアフラムの一部で塞がれるので、低周波音の感度低下を防ぐことができる。
【0018】
本発明に係る静電容量型センサのさらに別な実施態様は、前記スリットが、前記振動電極板の中央部側で途切れていることを特徴としている。かかる実施態様によれば、スリットで囲まれた領域が振動電極板の中央部と一緒に変位するので、静電容量の変化に寄与し、センサの感度を向上させることができる。
【0019】
また、前記スリットの途切れている部分における前記スリットの端どうしの間隔は、当該スリットの近傍のアンカーと前記振動電極板の中心とを結ぶ線分から前記スリットの外周縁までの最大の垂直距離よりも小さいことが好ましい。
【0020】
本発明に係る静電容量型センサのさらに別な実施態様は、前記スリットの端部が、前記スリットに囲まれた領域の内側へ向けて湾曲していることを特徴としている。かかる実施態様によれば、スリット42の先端部分における応力集中を緩和でき、振動電極板の強度を高めることができる。
【0021】
本発明に係る静電容量型センサのさらに別な実施態様は、前記開口が、前記基板の上面に垂直な方向から見て、前記アンカーと前記振動電極板の中心を結ぶ線分に関して対称な形状を有していることを特徴としている。かかる実施態様によれば、開口の両側で不均一な応力が発生するのを防ぐことができる。
【0022】
また、あるアンカーに近い領域に設けられた複数の前記開口が、当該アンカーの周囲に配置されていてもよい。
【0023】
本発明に係る静電容量型センサのさらに別な実施態様は、前記振動電極板の開口が、前記基板の上面に垂直な方向から見て前記空洞と重なり合わない位置に設けられていることを特徴としている。かかる実施態様によれば、振動電極板と基板上面との間の音響抵抗が小さくなりすぎ、低音で感度が低下することを防止できる。
【0024】
また、本発明に係る静電容量型センサにおいては、前記静止部材が前記基板であり、前記振動電極板が、アンカーを介して前記基板の上方に固定されていてもよい。このとき、振動電極板はアンカーを介して前記基板の上に固定されていてもよく、前記基板の上面に設けられた絶縁膜や保護膜の上に固定されていてもよい。あるいは、前記振動電極板を覆うようにして前記基板の上方にバックプレートが形成されている場合には、前記静止部材が前記バックプレートであり、前記振動電極板が、アンカーを介して前記バックプレートの下面に固定可能になっていてもよい。また、前記静止部材が前記固定電極板であり、前記振動電極板が、アンカーを介して前記固定電極板に固定可能になっていてもよい。
【0025】
このうち、振動電極板が、アンカーを介して基板の上面に固定されている場合には、前記アンカーの内部を貫通する導電部によって前記振動電極板と前記基板とが導通していてもよい。かかる実施形態によれば、振動電極板から引出配線を延出させて配線を引き回さなくてよいので、センササイズを小さくできる。
【0026】
本発明に係る音響センサは、本発明に係る静電容量型センサを利用し、前記バックプレート及び前記固定電極板には、音響振動を通過させるための複数個の音響孔を形成している。本発明に係る音響センサによれば、音に対する感度が高く、センササイズも小さな音響センサを作製することができる。
【0027】
本発明に係る音響センサのある実施態様は、前記開口の上方に位置する前記音響孔が、前記バックプレートの中央部に位置する前記音響孔よりも開口面積が小さいことを特徴としている。かかる実施態様によれば、開口から音響孔を通って空気が抜けにくくなり、低音域での感度低下を防止できる。
【0028】
本発明に係るマイクロフォンは、本発明に係る音響センサと、前記音響センサからの信号を増幅して外部に出力する回路部とを備えている。かかるマイクロフォンによれば、感度を高くし、また小型化も可能になる。
【0029】
なお、本発明における前記課題を解決するための手段は、以上説明した構成要素を適宜組み合せた特徴を有するものであり、本発明はかかる構成要素の組合せによる多くのバリエーションを可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、従来の脚片を有しない音響センサの、バックプレート及び固定電極板を除いた状態の平面図である。
【
図2】
図2Aは、従来の脚片を有する音響センサの、バックプレート及び固定電極板を除いた状態の平面図である。
図2Bは、
図2Aの音響センサにおける無駄な領域を示す図である。
【
図3】
図3は、
図2Aのダイアフラムを元にして、その面積を広げた比較例を示す平面図である。
【
図4】
図4Aは、本発明の実施形態1による音響センサを示す平面図である。
図4Bは、
図4Aに示す音響センサからバックプレート及び固定電極板を除いてダイアフラムを露出させた状態を示す平面図である。
【
図6】
図6Aは、実施形態1のダイアフラムの拡大図である。
図6Bは、ダイアフラムのコーナー部を示す拡大図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態1におけるダイアフラムのコーナー部を示す拡大図である。
【
図8】
図8Aは、本発明の実施形態2による音響センサを示す平面図である。
図8Bは、
図8Aに示す音響センサからバックプレート及び固定電極板を除いてダイアフラムを露出させた状態を示す平面図である。
【
図9】
図9は、実施形態2の音響センサの断面図である。
【
図10】
図10は、実施形態2のダイアフラムの拡大図である。
【
図11】
図11Aは、実施形態2のダイアフラムのコーナー部を示す拡大平面図である。
図11Bは、比較例のダイアフラムのコーナー部を示す拡大図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施形態2の変形例を示す平面図である。
【
図14】
図14は、実施形態3の音響センサにおけるアコースティックホールの構造を示す概略断面図である。
【
図15】
図15は、実施形態3の変形例におけるダイアフラムの平面図である。
【
図16】
図16Aは、実施形態3のさらに別な変形例におけるダイアフラムの平面図である。
図16Bは、実施形態3のさらに別な変形例におけるダイアフラムの平面図である。
【
図17】
図17は、本発明の実施形態4による音響センサの断面図である。
【
図18】
図18は、本発明の実施形態5におけるダイアフラムの平面図である。
【
図19】
図19は、本発明の実施形態6による音響センサを示す断面図である。
【
図20】
図20は、本発明の実施形態7による音響センサを示す断面図である。
【
図21】
図21は、本発明に係る音響センサを内蔵したマイクロフォンの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々設計変更することができる。
【0032】
(実施形態1)
以下、
図4−
図6を参照して本発明の実施形態1による静電容量型センサ、すなわち音響センサ21を説明する。
図4Aは、本発明の実施形態1による音響センサ21の平面図である。
図4Bは、
図4Aの音響センサ21からバックプレート28と固定電極板29を除いてダイアフラム24を露出させた状態の平面図である。
図5Aは音響センサ21の断面図である。
図5Bは、
図5AのX部拡大断面図である。
図6Aは実施形態1のダイアフラムの拡大図、
図6Bはダイアフラムのコーナー部の拡大図である。
【0033】
この音響センサ21は、MEMS技術を利用して作製された静電容量型素子である。
図5Aに示すように、この音響センサ21は、シリコン基板22(基板)の上面にアンカー27を介してダイアフラム24を設け、ダイアフラム24と対向させてダイアフラム24の上方に固定電極板29を設けたものである。
【0034】
シリコン基板22には、上面から下面に貫通したチャンバ23(空洞)が開口されている。ダイアフラム24は、チャンバ23の上面開口を覆うようにしてシリコン基板22の上面に配置されている。ダイアフラム24は、導電性を有するポリシリコン薄膜によって略矩形状に形成されていてダイアフラム24自体が振動電極板となっている。
【0035】
図4Bに示すように、チャンバ23の外側において、シリコン基板22の上面には4個のアンカー27が配置されている。各アンカー27は、ダイアフラム24のほぼ対角方向に位置している。ダイアフラム24は、外周に近い箇所で各コーナー部の下面を絶縁材料からなるアンカー27によって支持されている。こうしてダイアフラム24は、チャンバ23の上面開口を覆うように配置されており、チャンバ23の上面開口及びシリコン基板22の上面から浮いている。
【0036】
また、ダイアフラム24は、アンカー27により支持された箇所の近傍で、かつ、アンカー27により支持された箇所よりも中心側に比較的小さな複数個の通孔25を開口されている。通孔25がチャンバ23と重なるとダイアフラム24と基板上面との間の音響抵抗(ベントホール抵抗)が小さくなりすぎて低音で感度が低下する(ロールオフ)ので、通孔25はチャンバ23と重ならない位置に設ける。通孔25はダイアフラム24を上下に貫通している。複数個の通孔25は、
図6Bに示すように、アンカー27の中心とダイアフラム24の中心を結ぶ線分Kと直交する方向に並んでいる。線分Kと直交する直線上に並んでいてもよく、湾曲した曲線上に並んでいてもよい。また、複数個の通孔25は、線分Kに関して対称に配置されていることが望ましい。
【0037】
アンカー27の少なくとも1つは、
図5Bに示すように貫通孔27aを有しており、ダイアフラム24の一部がスルーホール部32(導電部)となって貫通孔27a内に埋め込まれ、シリコン基板22の上面と接触している。シリコン基板22は導電性を有しているので、かかるスルーホール構造を通じてダイアフラム24がシリコン基板22に導通している。また、
図4Aに示すように、シリコン基板22の上面には電極パッド34が設けられており、ダイアフラム24はシリコン基板22を通して電極パッド34と導通している。このような構造によれば、ダイアフラム24から引出配線を引き回す必要がないので、音響センサ21の小型化に寄与する。
【0038】
図5Aに示すように、SiNからなるバックプレート28の下面には、ポリシリコンからなる固定電極板29が設けられている。バックプレート28は、ドーム状に形成されていてその下に空洞部分を有しており、その空洞部分でダイアフラム24を覆っている。固定電極板29の下面とダイアフラム24の上面との間には微小なエアギャップ30(空隙)が形成されている。
図4A及び
図5Aに示すように、バックプレート28の一部からはシリコン基板22の上面外周へ向けて膨出部28aが延出している。固定電極板29からは、膨出部28aの下面に沿って引出配線33が引き出されている。引出配線33の先端には膨出部28aの上面に設けた電極パッド35が接続されている。よって、固定電極板29は電極パッド35に導通している。
【0039】
バックプレート28と固定電極板29には、上面から下面に貫通するようにして、音響振動を通過させるためのアコースティックホール31(音響孔)が多数穿孔されている。
図4Aに示すように、アコースティックホール31は、規則的に配列されている。図示例では、アコースティックホール31は、互いに60°の角度を成す3方向に沿って三角形状に配列されているが、矩形状や同心円状などに配置されていてもよい。
【0040】
この音響センサ21にあっては、固定電極板29とダイアフラム24が、エアギャップ30を挟んでコンデンサ構造を構成している。そして、音響振動に感応してダイアフラム24が振動すると、固定電極板29とダイアフラム24の間の静電容量が変化し、音響振動が静電容量の変化を通して電気信号に変換される。
【0041】
この音響センサ21では、
図6Aに示すように、シリコン基板22の上面に垂直な方向から見たとき、隣り合うアンカー27間に位置するダイアフラム24の外縁が、全長にわたって、ダイアフラム24の中心から遠い側で隣り合うアンカー27の縁に外接する接線Gよりも外側に位置している。言い換えると、ダイアフラム24の外縁が接線Gの内側になく、また接線Gと交差していない。ただし、通孔25やスリット42などの閉じた開口は、接線Gに接していたり、接線Gと交差していてもよい。特に、図示例では、ダイアフラム24は脚片を持たない構造となっている。そのため、同じ広さの基板上面にダイアフラムを設ける場合、
図2Aのような脚片13を有するダイアフラム12に比べてダイアフラム24の面積を広くすることができ、音響センサ21の感度を向上させることができる。あるいは、ダイアフラムの面積が同じである場合、
図2Aのようなダイアフラム12では外向きに脚片13が出ているので、基板サイズ(センササイズ)が大きくなるが、本実施形態の音響センサ21では脚片を持たないので、基板サイズが大きくならない。
【0042】
また、ダイアフラム24が振動して変位するとき、アンカー27により固定された部分の近傍の脚片相当部位26が大きく変形することになる。この音響センサ21では、アンカー27の近傍に複数個の通孔25を設けているので、アンカー27の近傍の脚片相当部位26の剛性を低下させることができる。すなわち、この部位26には複数個の通孔25を設けているので、脚片相当部位26の実質的な幅は、
図6Bに示す幅d1、d2、d3の和となり、ダイアフラム24のコーナー部に細い脚片を設けたのと同様になる。この結果、脚片相当部位26の剛性が低下する。その結果、ダイアフラム24が振動しやすくなり、ダイアフラム24の変位量が大きくなるので、音響センサ21の感度がさらに向上する。
【0043】
また、この音響センサ21では、アンカー27間にあるダイアフラム24の外縁が、全長にわたって、アンカー27の縁に外接する上記接線Gよりも外側にあるので、ダイアフラム24のうちアンカー27とアンカー27の間の領域は、
図3のダイアフラム12の延出部分12aのように片持ち状にならず、アンカー27により外側の縁まで支持される。そのため、ダイアフラム24のうちアンカー27とアンカー27の間の領域は、アンカー27からの張力(
図6Aに矢印で示す向きの張力)によってピンと張られており、反りや歪みが生じにくい。
【0044】
さらに、この実施形態では、線分Kと直交する直線上に複数個の通孔25が並んでいるので、通孔25によるダイアフラム面積の減少を抑制しながら、脚片相当部位26の幅d1+d2+d3を効率よく小さくできる。
【0045】
よって、本実施形態のような音響センサ21によれば、基板上面のダイアフラム設置スペースを有効に活用してダイアフラム面積を広くでき、センササイズの小型化を図りつつ感度を向上させることができる。
【0046】
(変形例)
上記実施形態1では複数個の通孔25を設けていたが、通孔25は
図7に示すように、1個であってもよい。1個の通孔25の場合には、アンカー27の中心とダイアフラム24の中心を結ぶ線分Kと直交する方向に通孔25が長くなっていることが好ましい。線分Kと直交する方向に通孔5が長くなっていると、同じ開口面積を有する円形の通孔と比較して脚片相当部位26の幅を狭くすることができ、ダイアフラム24が振動するときの変位量を大きくできる。
【0047】
また、通孔25の両側の脚片相当部位26で応力が不均一に発生するのを防止するため、この通孔25は線分Kに関して対称な形状を有していることが望ましい。
【0048】
また、通孔25の外周縁のうち、アンカー27の中心とダイアフラム24の中心を結ぶ線分Kからの垂直距離が最も大きい部分は、ダイアフラム24の変形時に応力が集中しやすい。したがって、この部分で通孔25の縁が折れ曲がった角になっていることは好ましくない。通孔25の縁のうち線分Kから垂直距離が最も大きい部分を湾曲させて丸味を帯びさせておくことにより、応力集中を緩和させることが望ましい。
【0049】
(実施形態2)
図8Aは、本発明の実施形態2による音響センサ41を示す平面図である。
図8Bは、
図8Aの音響センサ41からバックプレート28と固定電極板29を除いてダイアフラム24を露出させた状態の平面図である。
図9は、実施形態2の音響センサ41の断面図である。
図10は、音響センサ41のダイアフラム24を拡大して示す図である。
図11Aは、ダイアフラムのコーナー部を拡大して示す図である。
図11Bは、
図11Aのスリットと同じ大きさの通孔25を示す。
【0050】
実施形態2の音響センサ41においては、実施形態1の通孔25に代えてスリット42を設けている。スリット42に関する部分以外の点については、以下において特に記載のない限り実施形態1の場合と同様である。したがって、実施形態1と同一構成部分には図面に同一の符号を付すことにより説明を省略する(実施形態3以降についても同様)。
【0051】
実施形態2の音響センサ41では、
図8B及び
図11Aに示すように、アンカー27により支持された箇所の近傍で、かつ、アンカー27により支持された箇所よりも中心側において、ダイアフラム24にスリット42が設けられている。スリット42は、開環状すなわち略C字状をしていて、ダイアフラム24を上下に貫通している。スリット42は、ダイアフラム24の中心側の縁で途切れており、スリット42により囲まれた部分36は、ダイアフラム24の中心側の端でスリット42の外側の領域と連続している。スリット42がチャンバ23と重なるとベントホール抵抗が小さくなりすぎて低音で感度が低下する(ロールオフ)ので、スリット42はチャンバ23と重ならない位置に設ける。
【0052】
スリット42の場合にも、
図10に示すように、シリコン基板22の上面に垂直な方向から見たとき、隣り合うアンカー27間に位置するダイアフラム24の外縁が、全長にわたって、ダイアフラム24の中心から遠い側で隣り合うアンカー27の縁に外接する接線Gよりも外側に位置している。特に、図示例では、ダイアフラム24は脚片を持たない構造となっている。そのため、同じ広さの基板上面にダイアフラムを設ける場合、
図2Aのような脚片13を有するダイアフラム12に比べてダイアフラム24の面積を広くすることができ、音響センサ41の感度を向上させることができる。あるいは、ダイアフラムの面積が同じである場合、
図2Aのようなダイアフラム12では外向きに脚片13が出ているので、基板サイズ(センササイズ)が大きくなるが、本実施形態の音響センサ41では脚片を持たないので、基板サイズが大きくならない。
【0053】
また、
図11Aにおいて、この音響センサ41では、アンカー27の近傍にスリット42を設けているので、アンカー27の近傍の脚片相当部位26の剛性を低下させることができる。スリット42の場合には、スリット42の内側にもダイアフラム24の一部が入り込んでいる。しかし、ダイアフラム24のうちスリット42に囲まれた部分36は、アンカー27からの張力をダイアフラム24の中心部へ伝える働きをしていない(脚片相当部位26の剛性に寄与しない)。したがって、ダイアフラム24を支持するうえでは、
図11Aのスリット42の働きは、
図11Bのような通孔25と同じである。よって、ダイアフラム24を支持する脚片相当部位26の実質的な幅は、
図11Aに示すスリット42の両側の幅d1、d2の和となり、ダイアフラム24のコーナー部に細い脚片を設けたのと同様になる。この結果、脚片相当部位26の剛性が低下する。その結果、ダイアフラム24が振動しやすくなり、ダイアフラム24の変位量が大きくなるので、音響センサ21の感度がさらに向上する。
【0054】
また、この音響センサ21では、アンカー27間にあるダイアフラム24の外縁が、全長にわたって、アンカー27の縁に外接する上記接線Gよりも外側にあるので、ダイアフラム24のうちアンカー27とアンカー27の間の領域は、
図3のダイアフラム12の延出部分12aのように片持ち状にならず、アンカー27により外側の縁まで支持される。そのため、ダイアフラム24のうちアンカー27とアンカー27の間の領域は、アンカー27からの張力(
図6Aに矢印で示す向きの張力)によってピンと張られており、反りや歪みが生じにくい。
【0055】
さらに、スリット42の場合には、線分Kと直交する方向に延びている部分だけではなく、線分Kとほぼ平行に延びている部分が重要になる。本実施形態のスリットでは、線分Kと直交する方向に延びている湾曲部分と線分Kとほぼ平行に延びた湾曲部分の双方を有しているので、脚片相当部位26の剛性を低下させる効果があり、脚片相当部位26の変形を大きくして音響センサ41の感度を向上させることができる。したがって、実施形態2の変形例としては、
図12に示すように先端間が離れた略U字状のスリットであってもよい。
【0056】
しかし、スリット42の外周縁のうち、アンカー27の中心とダイアフラム24の中心を結ぶ線分Kからの垂直距離が最も大きい部分は、ダイアフラム24の変形時に応力が集中しやすいので、この部分を湾曲させて丸味を帯びさせておくことが好ましい。よって、実施形態2の音響センサ41では、
図11Aのように、スリット42の先端を接近させてスリット42を略C字状に形成し、線分Kからの垂直距離が最も大きい部分を湾曲させている。
【0057】
また、スリット42の開放部分は、
図11Aのようにダイアフラム24の中心側に位置していることが好ましい。スリット42の開放部分がダイアフラム24の外周側に向いている場合には、ダイアフラム24が振動して変位してもスリット42に囲まれた部分36は変位せず、音響センサ41の感度に寄与しない。これに対し、スリット42の開放部分がダイアフラム24の中心側に向いている場合には、ダイアフラム24が振動して変位したときにスリット42に囲まれた部分36も変位して静電容量の変化に寄与する。よって、スリット42の開放部分をダイアフラム24の中心側に向けることによって音響センサ41の感度を向上させることができる。また、スリット42はチャンバ23から遠くに位置させることによって低音での感度低下を防ぐことができるので、スリット42の開放部分をダイアフラム24の外側へ向けるよりも、ダイアフラム24の中心側に向ける方が、低音での感度低下を防止することができる。
【0058】
また、実施形態2においては、スリット42の内側はダイアフラム24の一部36によって塞がれているので、ダイアフラム24に開口を設けることによる低周波音の感度低下を防ぐことができる。
【0059】
よって、実施形態2のような音響センサ41によれば、基板上面のダイアフラム設置スペースを有効に活用してダイアフラム面積を広くでき、センササイズの小型化を図りつつ感度を向上させることができる。
【0060】
なお、スリット42の端は、ダイアフラム24の振動によって亀裂が生じるおそれがある。よって、スリット42の端は円弧状に丸くしておくか、あるいは円形の孔で終端させておくことが好ましい。
【0061】
また、通孔25の両側の脚片相当部位26で応力が不均一に発生するのを防止するため、通孔25は線分Kに関して対称な形状を有していることが望ましい。
【0062】
また、スリット42は一箇所で途切れていることが好ましい。2箇所でスリット42が途切れていると、スリット42に囲まれた部分36を介してスリット42よりも外周側の部分とスリット42よりも内側の部分がつながり、脚片相当部位26の剛性が高くなるからである。
【0063】
(変形例)
なお、図示しないが、
図11Aに示したような形状のスリット42をアンカー27の近傍に複数個配置してもよい。
【0064】
(実施形態3)
図13Aは、本発明の実施形態3による音響センサを説明するための平面図であって、バックプレートと固定電極板を除いてダイアフラム24を露出させた状態を示す。また、
図13Bは、ダイアフラム24のコーナー部を示す拡大図である。
【0065】
実施形態3の音響センサに用いられるダイアフラム24では、
図13Aに示すように、ダイアフラム24の各コーナー部において、アンカー27の近くにスリット42を設けている。実施形態3のスリット42では、
図13Bに示すように、スリット42の先端部分を内側へ曲げてカールさせている。スリット42の先端部分は、ダイアフラム24が変位したときに応力集中が起きやすいので、この部分をカールさせて内側へ巻き込んでおくことによりダイアフラム24の強度を高めることができる。
【0066】
図14は、実施形態1−3のすべての音響センサにおけるアコースティックホール31の構造を示す概略断面図である。スリット42(通孔25の場合でも同様である。)の上方に位置するアコースティックホール31aは、できるだけ空気が通り抜けにくいように、その直径(開口面積)を小さくしている。スリット42の上方に位置しないアコースティックホール31bは、ダイアフラム24のダンピング回避のため空気が逃げやすいように、その直径(開口面積)を比較的大きくしている。したがって、スリット42(通孔25)の上方に位置するアコースティックホール31aは、他のアコースティックホール31b、特にバックプレート28の中央部に位置するアコースティックホール31bよりも小さくなっている。
図14に破線矢印で示すように、スリット42を通ってアコースティックホール31から容易に空気が通り抜けると、低音域での感度低下が起きるので、スリット42の上方に位置するアコースティックホール31aを小さくし、低音域での感度低下を防いでいる。
【0067】
(変形例)
図15は、本発明の実施形態3の変形例におけるバックプレートを示す平面図である。この変形例では、実施形態3において説明した形状のスリット42をアンカー27の近傍に2個ずつ形成している。また、
図15に示すように隣り合うコーナー部のスリット42及びアンカー27間の領域へチャンバ23が張り出すようにしてチャンバ23を広げてもよい。このようにしてチャンバ23を広げれば、ベントホール抵抗が小さくなる。
【0068】
また、アンカー27の近傍に3個以上のスリット42を設けてもよい。
【0069】
また、チャンバ23は矩形状に限らず、
図16Aに示すような円板状のものでもよく、
図16Bに示すような多角形状のものでもよい。
【0070】
(実施形態4)
図17は、本発明の実施形態4による音響センサ51の断面図である。この実施形態においては、バックプレート28の下面にアンカー27を設け、アンカー27の下面にダイアフラム24の上面を固定してバックプレート28の下方にダイアフラム24を吊り下げている。シリコン基板22の上面にアンカー27を設ける場合には、アンカー27の位置にチャンバ23を形成することができず、アンカー27によってチャンバ23の大きさや形状が制約される。これに対し、実施形態4の場合には、アンカー27の位置にとらわれることなくチャンバ23の位置や大きさ、形状を決めることが可能になる。特に、アンカー27の真下にチャンバー23を形成することも可能になるので、ベントホール付近の設計自由度が増す。
【0071】
(実施形態5)
図18は、本発明の実施形態5を示す平面図である。実施形態5では、シリコン基板22に形成されたチャンバ23の上に、2つのダイアフラム24a、24bが形成されている。それぞれのダイアフラム24a、24bは、各コーナー部の下面をアンカー27によって支持されており、各アンカー27の近傍においてダイアフラム24a、24bにはスリット42(又は通孔25)が開口されている。図示しないが、ダイアフラム24a、24bの上方には1枚の固定電極板29が対向している(あるいは、ダイアフラム24a、24bにそれぞれ別個の固定電極板29が対向していてもよい。)。そして、ダイアフラム24aと固定電極板29によって第1センシング部56aが構成されており、ダイアフラム24bと固定電極板29によって第2センシング部56bが構成されている。よって、
図18のようなダイアフラム24a、24bを用いれば、2個のセンシング部を利用してS/N比の高い音響センサを作製したり、2個のセンシング部の面積を変えることでダイナミックレンジの広い音響センサを作製したりすることが可能になる。
【0072】
このような音響センサにおいて、本願発明のような構成のダイアフラム24a、24bを用いれば、ダイアフラム24a、24bから脚片が延出されていないので、ダイアフラム24aとダイアフラム24bを近づけて配置することができる。そのため、小型でダイナミックレンジの広い音響センサを作製することができる。
【0073】
(実施形態6)
図19は、本発明の実施形態6による音響センサ61を示す断面図である。この音響センサ61にあっては、固定電極板29がドーム状に形成されており、必要な剛性を得られる程度の厚みを有している。固定電極板29は、絶縁層62を挟んでシリコン基板22の上面に設けられており、シリコン基板22の上方に配設されたダイアフラム24を覆っている。この実施形態のように、圧力センサは、バックプレートを用いないものであってもよい。
【0074】
(実施形態7)
図20は、本発明の実施形態4による音響センサ71を示す断面図である。この音響センサ71では、シリコン基板22の上面に絶縁層72を介して平板状の固定電極板29を設けている。さらに、固定電極板29の上方には、固定電極板29と対向させるようにしてダイアフラム24が配設されている。ダイアフラム24につながった脚片26は、固定電極板29の上面に設けられたアンカー27によって支持されている。また、チャンバ23の上方において、固定電極板29には複数のアコースティックホール31が開口されている。この実施形態のように、圧力センサは、ダイアフラムの下方で固定電極板がダイアフラムに対向していてもよい。
【0075】
(マイクロフォンへの応用)
図21は、本発明に係る音響センサ、たとえば実施形態1の音響センサ21を内蔵したボトムポート型のマイクロフォン81の概略断面図である。このマイクロフォン81は、回路基板82とカバー83からなるパッケージ内に音響センサ21と回路部である信号処理回路85(ASIC)とを内蔵したものである。音響センサ21と信号処理回路85は、回路基板82の上面に実装されている。回路基板82には、音響センサ21内に音響振動を導き入れるための音導入孔84が開口されている。音響センサ21は、チャンバ23の下面開口を音導入孔84に合わせ、音導入孔84を覆うようにして回路基板82の上面に実装されている。したがって、音響センサ21のチャンバ23がフロントチャンバとなり、パッケージ内の空間がバックチャンバとなる。
【0076】
音響センサ21と信号処理回路85は、ボンディングワイヤ86によって接続されている。さらに、信号処理回路85は、ボンディングワイヤ87によって回路基板82に接続されている。なお、信号処理回路85は、音響センサ21へ電源を供給する機能や、音響センサ21の容量変化信号を外部へ出力する機能を有する。
【0077】
回路基板82の上面には、音響センサ21及び信号処理回路85を覆うようにしてカバー83が取り付けられる。パッケージは電磁シールドの機能を有しており、外部からの電気的な外乱や機械的な衝撃から音響センサ21や信号処理回路85を保護している。
【0078】
こうして、音導入孔84からチャンバ23内に入った音響振動は、音響センサ21によって検出され、信号処理回路85によって増幅及び信号処理された後に出力される。このマイクロフォン81では、パッケージ内の空間をバックチャンバとしているので、バックチャンバの容積を大きくでき、マイクロフォン81を高感度化することができる。
【0079】
なお、このマイクロフォン81においては、パッケージ内に音響振動を導き入れるための音導入孔84をカバー83の上面に開口していてもよい。この場合には、音響センサ21のチャンバ23がバックチャンバとなり、パッケージ内の空間がフロントチャンバとなる。