(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記手渡し検出部は、前記運動検出部による前記情報処理装置の上昇動作の検出に引き続く、前記運動検出部による前記情報処理装置の回転動作の検出の後に、前記運動検出部による前記情報処理装置の振動動作が検出された場合、この情報処理装置が複数の操作者の間で手渡し動作がされていると判断する
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
前記手渡し検出部は、前記運動検出部による前記情報処理装置の上昇動作の検出に引き続く、前記運動検出部による前記情報処理装置の上昇動作及び下降動作の少なくとも一方の検出の後に、前記運動検出部による前記情報処理装置の振動動作が検出された場合、この情報処理装置が複数の操作者の間で手渡し動作がされていると判断する
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
前記手渡し検出部は、前記運動検出部による前記情報処理装置の傾斜動作及び上昇動作の検出に引き続く、前記運動検出部による前記情報処理装置の回転動作の検出の後に、前記運動検出部による前記情報処理装置の振動動作が検出された場合、この情報処理装置が複数の操作者の間で手渡し動作がされていると判断する
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
前記手渡し検出部は、前記運動検出部による前記情報処理装置の傾斜動作及び上昇動作の検出に引き続く、前記運動検出部による前記情報処理装置の上昇動作及び下降動作の少なくとも一方の検出の後に、前記運動検出部による前記情報処理装置の振動動作が検出された場合、この情報処理装置が複数の操作者の間で手渡し動作がされていると判断する
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、操作者が携帯端末装置を手放すことなく、表示部を傾ける等して知人等に表示部を閲覧させる行動を検出していた。また、特許文献2に記載された技術では、携帯端末装置が操作者により別の場所に運搬されたかどうかを検出して、ユーザ認証の要否を判断していた。従って、上述した技術のいずれも、操作者から知人等に情報処理装置を手渡しして閲覧に供する場合におけるユーザ認証手続に対応できるものではなかった。
【0008】
ここに、情報処理装置の手渡し動作とは、操作者の手と他の者の手とを介して情報処理装置を直接移動させる動作を指し、途中に情報処理装置を机上に整置する動作等、情報処理装置が操作者や他の者の手から離れる動作を仲介しない動作を指す。このような情報処理装置の手渡し動作は、操作者が閲覧している文書等を友人等に閲覧させる場合に頻繁に行われる動作であり、この手渡し動作によって再度ユーザ認証手続が必要であると手続が煩雑化し、一方、手渡し動作により現在閲覧している文書等以外の、操作者が閲覧を意図しない文書等を友人等が閲覧できる可能性はできる限り未然に防止する必要がある。
【0009】
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、情報処理装置の手渡し動作を適切に検出して、この検出結果に基づいて情報処理装置自体の動作制御を行うことの可能な情報処理装置、情報処理装置の動作制御方法及びプログラムを提供することを目的の一つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、操作者の認証を行う認証部と、この認証部の認証結果に基づいて動作を異ならせる動作制御部とを備えた情報処理装置に適用される。そして、この情報処理装置に、情報処理装置の運動を検出する運動検出部と、運動検出部により検出された情報処理装置の運動に基づいて、情報処理装置が複数の操作者の間で手渡し動作がされていることを検出する手渡し検出部とを設け、認証部が、手渡し検出部により情報処理装置の手渡し動作を検出している期間内において、認証状態を継続することにより上述した課題の少なくとも一部を解決している。
【0011】
手渡し検出部は、運動検出部により検出された情報処理装置の運動に基づいて、情報処理装置が複数の操作者の間で手渡し動作がされていることを検出し、認証部は、手渡し検出部により情報処理装置の手渡し動作を検出している期間内において、認証状態を継続する。従って、ユーザにより情報処理装置が手渡し動作されている間は、情報処理装置の認証状態が継続される。
【0012】
ここで、手渡し検出部は、運動検出部による情報処理装置の上昇動作の検出に引き続く、運動検出部による情報処理装置の回転動作の検出の後に、運動検出部による情報処理装置の振動動作が検出された場合、この情報処理装置が複数の操作者の間で手渡し動作がされていると判断することが好ましい。
【0013】
あるいは、手渡し検出部は、運動検出部による情報処理装置の上昇動作の検出に引き続く、運動検出部による情報処理装置の上昇動作及び下降動作の少なくとも一方の検出の後に、運動検出部による情報処理装置の振動動作が検出された場合、この情報処理装置が複数の操作者の間で手渡し動作がされていると判断することが好ましい。
【0014】
あるいは、手渡し検出部は、運動検出部による情報処理装置の傾斜動作及び上昇動作の検出に引き続く、運動検出部による情報処理装置の回転動作の検出の後に、運動検出部による情報処理装置の振動動作が検出された場合、この情報処理装置が複数の操作者の間で手渡し動作がされていると判断することが好ましい。
【0015】
あるいは、手渡し検出部は、運動検出部による情報処理装置の傾斜動作及び上昇動作の検出に引き続く、運動検出部による情報処理装置の上昇動作及び下降動作の少なくとも一方の検出の後に、運動検出部による情報処理装置の振動動作が検出された場合、この情報処理装置が複数の操作者の間で手渡し動作がされていると判断することが好ましい。
【0016】
また、認証部に、その時点において情報処理装置を操作している操作者を特定する操作者特定部を設け、動作制御部は、手渡し検出部により情報処理装置の手渡し動作を検出している期間内において、操作者特定部により特定された操作者情報に基づいて、情報処理装置の動作を異ならせることが好ましい。加えて、操作者特定部は、操作者を撮像してこの撮像結果に基づいて操作者を特定することが好ましい。
【0017】
さらに、運動検出部は加速度センサを備えることが好ましい。
【0018】
また、本発明は、操作者の認証結果に基づいて動作を異ならせる情報処理装置の動作制御方法に適用される。そして、情報処理装置の運動を検出する工程と、検出された情報処理装置の運動に基づいて、情報処理装置が複数の操作者の間で手渡し動作がされていることを検出する工程と、情報処理装置の手渡し動作を検出している期間内において認証状態を継続する工程とを設けることにより、上述した課題の少なくとも一部を達成している。
【0019】
さらに、本発明は、操作者の認証結果に基づいて動作を異ならせるコンピュータの動作制御を行うプログラムに適用される。そして、このプログラムが、コンピュータに読み込まれると、このコンピュータに、コンピュータの運動を検出する工程と、検出されたコンピュータの運動に基づいて、コンピュータが複数の操作者の間で手渡し動作がされていることを検出する工程と、コンピュータの手渡し動作を検出している期間内において認証状態を継続する工程とを実行させることにより、上述した課題の少なくとも一部を解決している。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、手渡し検出部は、運動検出部により検出された情報処理装置の運動に基づいて、情報処理装置が複数の操作者の間で手渡し動作がされていることを検出し、認証部は、手渡し検出部により情報処理装置の手渡し動作を検出している期間内において、認証状態を継続している。これにより、情報処理装置の手渡し動作を適切に検出して、この検出結果に基づいて情報処理装置自体の動作制御を行うことが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
(一実施形態)
【0023】
(情報処理装置の概略構成)
図1は、本発明の一実施形態である情報処理装置1の概略構成を示すブロック図である。本実施形態の情報処理装置1は、本発明をタブレット端末である情報処理装置1に適用したものである。
【0024】
図1において、情報処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)10、ROM(Read Only Memory)11、RAM(Random Access Memory)12、液晶ドライバ130、液晶パネル131、モジュールドライバ140、カメラモジュール141、移動体通信モジュール150、音声インタフェース(I/F)151、マイクロフォン152、スピーカ153、アンテナ154、入力インタフェース(I/F)160、タッチパネル161、運動検出センサ162、USB(Universal Serial Bus)コントローラ170及びUSBコネクタ171を備え、CPU10、ROM11、RAM12、液晶ドライバ130、モジュールドライバ140、移動体通信モジュール150、入力インタフェース160、及びUSBコントローラ170はそれぞれ共通のバスにより接続されている。
【0025】
CPU10は、ROM11内に格納されたファームウェア等のプログラムがRAM12において展開された後で実行されることで、情報処理装置1全体の動作制御を行うとともに、他の構成要素とともに
図3に示す各機能部に示す機能を実行する。
図3に示す各機能部については後述する。ROM11には、上述のファームウェア等のプログラムや、各種設定データが格納されている。RAM12は、情報処理装置1のワークメモリとして動作し、各種プログラム、データ及びコンテンツ120が一時的に格納される。コンテンツ120は、操作者や他の者により閲覧されるためにRAM12に格納されている。
【0026】
液晶パネル131は、その表示面131a(
図2参照)が情報処理装置1の表面に露出して設けられている。液晶ドライバ130は、表示画面を構成するデータがCPU10からこの液晶ドライバ130に供給されると、液晶パネル131の表示面131aに所望の表示画面を表示するようにこの液晶パネル131を駆動する。
【0027】
カメラモジュール141は、液晶パネル131の表示面131aを注視している状態の操作者の顔部分を含む、表示面131a前方の被写体を撮像可能であり、撮像素子と、この撮像素子に対して被写体を結像させるためのレンズ等の結像部とを含む。好ましくは、結像部は、レンズ等の結像素子を駆動する駆動部を備える。モジュールドライバ140は、カメラモジュール141の撮像素子、結像部の動作を制御する。また、モジュールドライバ140は、カメラモジュール141からの出力信号を受け、この出力信号に基づいて、表示面131a前方の被写体を撮像した撮像画像データを生成して出力する。
【0028】
移動体通信モジュール150は、例えばIMT(International Mobile Telecommunication)−2000規格に準拠して、アンテナ154を介して図示しない移動体通信網との間で移動体無線通信を行う。すなわち、移動体通信モジュール150は、移動体通信網の基地局から受信した電波をデコードして得られた音声信号を、音声インタフェース151を介してスピーカ153から発音させ、音声インタフェース151を介してマイクロフォン152が集音した音声をエンコードして、アンテナ154を介して電波として移動体通信網の基地局に送信する。なお、この移動体通信モジュール150が対応する規格には、3G/HSDPA(3rd Generation/High-Speed Downlink Packet Access)、LTE(Long Term Evolution)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)の少なくとも一つが含まれうる。
【0029】
タッチパネル161は、本実施形態では液晶パネル131の表示面131aの上面に重畳されて設けられ、この液晶パネル131の表示面131aと略同一の大きさを有する。タッチパネル161は透過性を有する材質から構成されており、これにより、操作者は、液晶パネル131の表示面131aに表示された表示画面をタッチパネル161を通して見ることができる。操作者によりタッチパネル161の表面がタッチされ、すなわち、タッチパネル161の表面上の特定位置が操作者により触れられたら、タッチパネル161の表面上の特定位置が2次元の座標位置として検出され、この座標位置は入力インタフェース160を介して出力される。
【0030】
運動検出センサ162は、本実施形態の情報処理装置1の運動を検出し、その検出結果を入力インタフェース160を介して出力する。本実施形態の運動検出センサ162は、例えば3軸加速度センサを備え、情報処理装置1の移動、回転を検出するとともに、好ましくは情報処理装置1が静止状態にあっても情報処理装置1に加わる重力加速度の方向を検出することで、この情報処理装置1の姿勢を検出することができる。従って、好ましくは、運動検出センサ162は複数の3軸加速度センサを備える。
【0031】
USBコントローラ170は、USB2.0またはUSB3.0規格に沿って、USBコネクタ171を介して接続されたUSBデバイスとの間でデータ(含むコンテンツデータ)の送受信を行う。USBコネクタ171は、いわゆるメス型USBコネクタ(USBレセプタクル)であって、いずれも図略のUSBケーブルのオス型USBコネクタ(USBプラグ)が挿入可能に構成されている。
【0032】
次に、
図2は、本実施形態の情報処理装置1の外観を示す正面図である。
図2において、本実施形態の情報処理装置1は、正面から見て略矩形の前面1aを有する板状に形成されている。情報処理装置1の前面1aには、液晶パネル131の表示面131aが設けられている。本実施形態では、液晶パネル131の表示面131aは、正面から見て略矩形に形成されている。この液晶パネル131の表示面131aの上面には、上述のようにタッチパネル161が設けられている。また、情報処理装置1の前面1aの上部には、カメラモジュール141の撮像部141aが設けられており、この撮像部141aを介して、液晶パネル131の表示面131a前方の被写体がカメラモジュール141により撮像される。
【0033】
(情報処理装置の機能構成)
図3は、本実施形態の情報処理装置1の機能構成を示す機能ブロック図である。
図3において、本実施形態の情報処理装置1は、制御部20、記憶部21、入力部22及び表示部23を備える。制御部20は、運動検出部24、手渡し検出部25、認証部26及び動作制御部27を備える。
【0034】
運動検出部24は、情報処理装置1の運動を検出する。より詳細には、運動検出部24は、情報処理装置1の移動、回転を検出するとともに、好ましくは情報処理装置1が静止状態にあっても情報処理装置1に加わる重力加速度の方向を検出することで、この情報処理装置1の姿勢を検出することができる。
【0035】
手渡し検出部25は、運動検出部24により検出された情報処理装置1の運動に基づいて、この情報処理装置1が複数の操作者の間で手渡し動作がされていることを検出する。より詳細には、手渡し検出部25は、運動検出部24による情報処理装置1の上昇動作の検出に引き続く、運動検出部24による情報処理装置1の回転動作の検出の後に、運動検出部24による情報処理装置1の振動動作が検出された場合、この情報処理装置1が複数の操作者の間で手渡し動作がされていると判断する。また、手渡し検出部25は、運動検出部24による情報処理装置1の上昇動作の検出に引き続く、運動検出部24による情報処理装置1の上昇動作及び下降動作の少なくとも一方の検出の後に、運動検出部24による情報処理装置1の振動動作が検出された場合、この情報処理装置1が複数の操作者の間で手渡し動作がされていると判断する。さらに、手渡し検出部25は、運動検出部24による情報処理装置1の傾斜動作及び上昇動作の検出に引き続く、運動検出部24による情報処理装置1の回転動作の検出の後に、運動検出部24による情報処理装置1の振動動作が検出された場合、この情報処理装置1が複数の操作者の間で手渡し動作がされていると判断する。そして、手渡し検出部25は、運動検出部24による情報処理装置1の傾斜動作及び上昇動作の検出に引き続く、運動検出部24による情報処理装置1の上昇動作及び下降動作の少なくとも一方の検出の後に、運動検出部24による情報処理装置1の振動動作が検出された場合、この情報処理装置1が複数の操作者の間で手渡し動作がされていると判断する。上述した手渡し検出部25による手渡し動作検出手法のいずれを採用するかは任意であり、複数の手法を同時に採用してもよい。手渡し検出部25による手渡し動作検出の詳細については後述する。
【0036】
認証部26は、情報処理装置1への入力情報に基づいてユーザ認証を行い、その結果を動作制御部27に出力する。認証部26によるユーザ認証手順は、既知のものが好適に採用可能であり、一例として、情報処理装置1の起動時に、操作者及び他の者が事前に登録したユーザID及びパスワードを入力部22を介して操作者に入力を要求し、操作者等が入力部22を介して入力したユーザID及びパスワードを事前登録されたユーザID及びパスワードと照合し、一致すれば認証済との結果を動作制御部27に出力し、一致しない場合は操作者等に再入力を要求するか、あるいは、認証不可との結果を動作制御部27に出力する。また他の例として、顔認証と呼ばれるユーザ認証手順も好適に採用可能である。顔認証は、ユーザの顔部分を事前に撮像して顔部分そのものあるいはその特徴量を登録しておき、情報処理装置1の起動時等に情報処理装置1を操作する者の顔を撮像し、事前に登録したユーザの顔部分等と一致すれば認証済との結果を動作制御部27に出力し、一致しない場合は操作者等に再入力を要求するか、あるいは、認証不可との結果を動作制御部27に出力する。
【0037】
本実施形態の認証部26は、手渡し検出部25により情報処理装置1の手渡し動作を検出している期間内において、認証状態を継続する。すなわち、認証部26は、情報処理装置1を操作している者が事前に登録されている操作者等であるか否かを定期的に照合し、一致すれば認証済との結果を動作制御部27に出力し、一致しない場合は再度照合を行うか、あるいは、認証不可との結果を動作制御部27に出力する。加えて、認証部26は、手渡し検出部25により情報処理装置1の手渡し動作を検出している期間内においては、情報処理装置1を操作している者が事前に登録されている操作者ではないので、通常であれば再照合または認証不可との結果になるところ、手渡し動作がされている期間内は認証済であるとして認証状態を継続し、認証済との結果を動作制御部27に出力するか、あるいは、再照合または認証不可との結果を出力しない。
【0038】
特に、本実施形態の情報処理装置1の認証部26は操作者特定部28を備える。この操作者特定部28は、その時点において情報処理装置1を操作している操作者を特定する。より具体的には、操作者特定部28は、情報処理装置1の表示部23の前方に位置する被写体を定期的に撮像し、撮像された被写体に対して顔認識処理を行う。そして、認証部26は、事前に登録された操作者の顔認識情報と撮像された被写体の顔認識情報との照合を行い、一致すれば認証済との結果を動作制御部27に出力し、一致しない場合は認証不可との結果を動作制御部27に出力する。
【0039】
動作制御部27は、認証部26の認証結果に基づいて情報処理装置1の動作を異ならせる制御を行う。認証部26の認証結果に基づいてどのように情報処理装置1の動作を異ならせるかについては任意であるが、一例として、認証結果に応じて、記憶部21に格納されているコンテンツ120の閲覧可能範囲を制限する、あるいは閲覧そのものを拒否するような動作が挙げられる。あるいは、認証結果に応じて情報処理装置1への入力を受け付けない(情報処理装置1をロックする)動作も採用可能である。
【0040】
特に、本実施形態の動作制御部27は、認証部26の認証結果に基づいて、認証をした者が操作者であるか、事前に登録した操作者以外の者であるか等に応じて、記憶部21に格納されているコンテンツ120の閲覧可能範囲を制限する、あるいは閲覧そのものを拒否する等の動作を異ならせている。動作制御部27による、認証をした者に応じて情報処理装置1の動作を異ならせる制御の詳細については後述する。
【0041】
記憶部21は、情報処理装置1の動作に必要となるデータが少なくとも一時的に格納される記憶媒体である。特に、本実施形態の記憶部21には、操作者や他の者により閲覧されるコンテンツ120が格納されている。
【0042】
入力部22は、情報処理装置1を操作する者からの操作入力を受け付け、操作入力に対応する操作入力信号を制御部20に出力する。表示部23は、制御部20から出力された、表示画面を生成するためのデータを受け付け、このデータに基づいて表示画面を生成して表示面に表示する。
【0043】
以上の構成において、制御部20は主にCPU10により構成され、運動検出部24は主にCPU10及び運動検出センサ162により構成され、手渡し検出部25、動作制御部27は主にCPU10により構成され、認証部26及び操作者特定部28は主にCPU10、カメラモジュール141及びモジュールドライバ140により構成され、記憶部21は主にROM11、RAM12により構成され、入力部22は主にタッチパネル161、運動検出センサ162、入力インタフェース160、カメラモジュール141及びモジュールドライバ140により構成され、そして、表示部23は主に液晶パネル131及び液晶ドライバ130により構成されている。
【0044】
(情報処理装置のファイル階層)
図4は、本実施形態の情報処理装置1の記憶部21に格納されている、コンテンツ120を含むデータのファイル階層を示す図である。
図4において、操作者本人は最上位に位置するrootフォルダ及びその配下にある全てのフォルダに対するアクセス権限を有する。
図4の説明において、情報処理装置1によりアクセスされているファイルは、photo1フォルダに所在するコンテンツ120であるものとする。操作者本人に与えられているアクセス権限の範囲は、
図4において符号30で示す範囲である。また、事前に登録した者(登録ユーザ)は、操作者であるユーザ毎に設けられたuserフォルダの下位に位置するphotoフォルダ及びその配下にある全てのフォルダに対するアクセス権限を有する。登録ユーザに与えられているアクセス権限の範囲は、
図4において符号31で示す範囲である。さらに、操作者でも登録ユーザでもない者(未登録ユーザ)は、現在情報処理装置1で閲覧中のコンテンツ120が所在するフォルダであるphoto1フォルダに対するアクセス権限を有する。未登録ユーザに与えられているアクセス権限の範囲は、
図4において符号32で示す範囲である。なお、未登録ユーザに対しては、現在情報処理装置1で閲覧中のコンテンツ120のみアクセス権限を与えてもよい。
【0045】
図4で示すアクセス権限は、認証部26によるユーザ認証の結果、操作者が操作しているとの認証結果が得られた後に、動作制御部27により付与され、認証部26及び動作制御部27が協同して維持する。なお、動作制御部27は、操作者に対して、操作者(ユーザ)毎に設けられたuserフォルダ及びその配下にあるフォルダについてのみアクセス権限を付与してもよい。
【0046】
(手渡し動作の検出)
次に、
図5〜
図7を参照して、手渡し検出部25による情報処理装置1の手渡し動作の検出手法の詳細について説明する。
【0047】
図5は、手渡し検出部25による情報処理装置1の手渡し動作の検出手法の一例を示す図である。手渡し検知部25は、
図5に示すように、情報処理装置1が静置状態から操作者により手持ちされることで上昇し(
図5の矢印a)、次いで、手持ちされた状態で図中のX−Y平面上で右方向または左方向に回転され(
図5の矢印b)、さらに、回転された後に操作者以外の者に手渡しされることで上下に振動した(
図5の矢印c)ことを検出することで、情報処理装置1が操作者から他の者に手渡しされたものと判断し、手渡し動作を検出する。
【0048】
図6は、手渡し検出部25による情報処理装置1の手渡し動作の検出手法の他の例を示す図である。手渡し検知部25は、
図6に示すように、情報処理装置1が静置状態から操作者により手持ちされることで上昇し(
図6の矢印a)、次いで、手持ちされた状態で図中のZ軸方向に上昇された(
図6の矢印b)後に同様にZ軸方向に下降され(
図6の矢印c)、さらに、下降された後に操作者以外の者に手渡しされることで上下に振動した(
図6の矢印d)ことを検出することで、情報処理装置1が操作者から他の者に手渡しされたものと判断し、手渡し動作を検出する。
【0049】
図7は、手渡し検出部25による情報処理装置1の手渡し動作の検出手法のさらに他の例を示す図である。手渡し検知部25は、
図7に示すように、情報処理装置1が静置状態から操作者により手持ちされることで上昇し(
図7の矢印a)、次いで、手持ちされた状態で図中のX−Y平面上で略180°回転され(
図7の矢印b)、次いで、回転された後に図中のX軸またはY軸の周りに90°回転されることで情報処理装置1が略立直状態にされ(
図7の矢印c)、次いで、略立直状態にされたままで水平移動された後に減速され(
図7の矢印d)、さらに、水平移動された後に操作者以外の者に手渡しされることで上下に振動した(
図7の矢印e)ことを検出することで、情報処理装置1が操作者から他の者に手渡しされたものと判断し、手渡し動作を検出する。
【0050】
図5〜
図7に示す、手渡し検出部25による情報処理装置1の手渡し動作の検出方法はあくまで一例であり、操作者から他の者への手渡し動作を検出できる手法であればその具体的手法に限定はない。一例として、
図5〜
図7における回転動作等の方向を図中の3軸(X、Y、Z軸)を用いて説明したが、厳密にこれら3軸に沿った動作には限定されない。より詳細に言えば、例えば
図5の矢印bで示される回転動作は、情報処理装置1の水平回転動作を捕捉できれば足り、X−Y平面に沿った回転には限定されない。同様に、操作者等が情報処理装置1の表示部23の表示面を閲覧する際に、この情報処理装置1を水平状態から起こして、すなわち、
図5〜
図7において例えばX軸、Y軸周りに回転させて表示部23の表示面を傾斜させた状態にすることが多いので、この傾斜動作も含めて手渡し動作の検出を行ってもよい。
【0051】
(一実施形態の動作)
次に、
図8〜
図9のフローチャートを参照して、本実施形態の情報処理装置1の動作について説明する。
【0052】
図8は、本実施形態の情報処理装置1の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
図8に示すフローチャートは、図略の情報処理装置1の電源スイッチ等を操作することでこの情報処理装置1が動作を開始する際に開始する。まず、ステップS1では、情報処理装置1の制御部20の操作者特定部28が、情報処理装置1の表示部23の前方に位置する被写体の撮像を開始する。次いで、ステップS2では、操作者特定部28が、ステップS1で撮像されたデータから被写体を抽出する。そして、ステップS3では、操作者特定部28が、ステップS2で抽出した被写体に対して顔認識処理を行い、被写体を特定するデータを生成する。ステップS4では、認証部26が、ステップS3で得られた被写体特定情報と事前に登録された操作者の顔認識情報との照合を行い、ステップS1で撮像された被写体が操作者本人であるか否かが判定される。そして、ステップS1で撮像された被写体が操作者本人である(ステップS4においてYES)と判定された場合は、プログラムはステップS5に移行し、ステップS1で撮像された被写体が操作者本人でない(ステップS4においてNO)と判定された場合は、プログラムはステップS1に戻って引き続きステップS1〜ステップS3に示す被写体撮像〜顔認識認証動作を継続する。
【0053】
ステップS5では、ステップS1で撮像された被写体が操作者本人である(ステップS4においてYES)との判定がされ、すなわち、認証部26により情報処理装置1を操作者が操作していると認証されたことから、動作制御部27は、操作者本人に許可されているアクセス権限を与える。アクセス権限の範囲の詳細については、
図4を用いて既に詳述したため、ここでの説明は省略する。
【0054】
次いで、ステップS6では、運動検出部24が情報処理装置1の運動を監視し、ステップS7では、この運動検出部24により情報処理装置1の運動が検出されたか否かが制御部20により判定される。そして、運動検出部24により情報処理装置1の運動が検出された(ステップS7においてYES)場合は、プログラムはステップS8に移行し、運動検出部24により情報処理装置1の運動が検出されない(ステップS7においてNO)場合は、ステップS6に戻って引き続き運動検出部24による情報処理装置1の運動監視作業が行われる。
【0055】
ステップS8では、手渡し検出部25により情報処理装置1の手渡し動作が検出される。そして、ステップS9では、手渡し検出部25により情報処理装置1の手渡し動作が検出されたか否かが判定され、手渡し検出部25により情報処理装置1の手渡し動作が検出された(ステップS9においてYES)場合は、プログラムは
図9のステップS10に移行し、手渡し検出部25により情報処理装置1の手渡し動作が検出されない(ステップS9においてNO)場合は、ステップS6に戻って引き続き運動検出部24による情報処理装置1の運動監視作業が行われる。なお、手渡し検出部25による情報処理装置1の手渡し動作検出の具体的手法については、
図5〜
図7を用いて既に詳述したため、ここでの説明は省略する。
【0056】
図9において、ステップS10〜ステップS12では、
図8のステップS1〜ステップS3と同様の動作が行われる。そして、ステップS13では、認証部26が、ステップS12で得られた被写体特定情報と事前に登録された操作者の顔認識情報との照合を行い、ステップS10で撮像された被写体が操作者本人であるか否かが判定される。そして、ステップS10で撮像された被写体が操作者本人である(ステップS13においてYES)と判定された場合は、プログラムはステップS6に戻り、引き続き運動検出部24による情報処理装置1の運動監視作業が行われる。一方、ステップS10で撮像された被写体が操作者本人でない(ステップS13においてNO)と判定された場合は、プログラムはステップS14に移行する。
【0057】
ステップS14では、ステップS10で撮像された被写体が登録ユーザであるか否かが判定される。そして、ステップS10で撮像された被写体が登録ユーザである(ステップS14においてYES)場合は、プログラムはステップS15に移行し、ステップS10で撮像された被写体が登録ユーザでない(ステップS14においてNO)場合は、プログラムはステップS16に移行する。
【0058】
ステップS15では、認証部26により情報処理装置1を登録ユーザが操作していると認証されたことから、動作制御部27は、登録ユーザに許可されているアクセス権限を与える。ステップS16では、認証部26により情報処理装置1を未登録ユーザが操作していると認証されたことから、動作制御部27は、未登録ユーザに許可されているアクセス権限を与える。アクセス権限の範囲の詳細については、
図4を用いて既に詳述したため、ここでの説明は省略する。この後、プログラムはステップS17に移行する。
【0059】
ステップS17では、情報処理装置1を操作する者が、動作制御部27によりアクセス権限を付与されている範囲以外のファイルにアクセスしたか否かが制御部20により判定され、情報処理装置1を操作する者が、動作制御部27によりアクセス権限を付与されている範囲以外のファイルにアクセスした(ステップS17においてYES)と判定された場合は、プログラムはステップS1に戻り、操作者特定部28及び認証部26によるユーザ認証手続が行われる。一方、情報処理装置1を操作する者が、動作制御部27によりアクセス権限を付与されている範囲以外のファイルにアクセスしていない(ステップS17においてNO)場合は、ステップS17の判定動作を継続する。
【0060】
以上詳細に説明したように、本実施形態の情報処理装置1では、手渡し検出部25により情報処理装置1の手渡し動作を検出し、情報処理装置1の手渡し動作がされていると判断された場合は、その時点で情報処理装置1を操作している者が誰であるか(操作者、登録ユーザ、または未登録ユーザ)を操作者特定部28及び認証部26が判断し、その結果に応じて動作制御部27がアクセス権限を付与して情報処理装置1の操作を許可している。従って、本実施形態によれば、情報処理装置1の手渡し動作を適切に検出して、この検出結果に基づいて情報処理装置1自体の動作制御を行うことが可能になる。
【0061】
(変形例)
なお、本発明の情報処理装置は、その細部が上述の一実施形態に限定されず、種々の変形例が可能である。
【0062】
一例として、上述の一実施形態では、ステップS6〜ステップS9において運動検出部24による運動監視及び手渡し検出部25による手渡し動作検出動作を行った後、操作者特定部28及び認証部26によるユーザ認証手続を行っていたが、ステップS4において操作者本人が操作しているとの認証部26による認証後において運動検出部24による運動監視を行い、運動が検出されたら操作者特定部28及び認証部26によるユーザ認証手続を行ってもよい。上述の一実施形態では、手渡し検出部25による手渡し動作検出がされた後はステップS10〜ステップS13において常時操作者特定部28及び認証部26によるユーザ認証手続を行っているのに対して、かかる構成によれば、運動検出部24による運動検出があった時にのみ操作者特定部28及び認証部26によるユーザ認証手続を行えばよいことになる。
【0063】
また、上述の一実施形態では、情報処理装置1を操作する者が、動作制御部27によりアクセス権限を付与されている範囲以外のファイルにアクセスした時点で操作者特定部28及び認証部26によるユーザ認証手続に戻っていたが、操作者特定部28及び認証部26によるユーザ認証手続に戻るタイミングはこれに限定されない。一例として、情報処理装置1を操作する者が、現在閲覧しているコンテンツの閲覧を終了した時点で操作者特定部28及び認証部26によるユーザ認証手続に戻ってもよい。あるいは、ステップS1〜ステップS4における操作者特定部28及び認証部26によるユーザ認証手続に戻らず、情報処理装置1を操作する者が、動作制御部27によりアクセス権限を付与されている範囲以外のファイルにアクセスした時点や、情報処理装置1を操作する者が現在閲覧しているコンテンツの閲覧を終了した時点で、ステップS10に戻って、操作者特定部28及び認証部26によるユーザ認証手続を行ってもよい。
【0064】
また、上述の一実施形態において、未登録ユーザが閲覧しているコンテンツ120の閲覧履歴を制御部20が記憶部21に記憶しておき、未登録ユーザが情報処理装置1を操作した後に登録ユーザが情報処理装置1を操作し、更に、未登録ユーザが再度情報処理装置1を操作した場合は、この履歴を参照して、前回閲覧していたフォルダに対するアクセス権限を動作制御部27が付与してもよい。
【0065】
さらに、上述の一実施形態において、情報処理装置1に近接センサを設け、この近接センサにより情報処理装置1が把持された、あるいは手が近接したことを検出したら、運動検出部24及び手渡し検出部25による手渡し動作検出を開始してもよい。加えて、この近接センサにより情報処理装置1が把持されなくなった、あるいは手が離間したことを検出したら、運動検出部24及び手渡し検出部25による手渡し動作検出を終了してもよい。
【0066】
さらに、上述の一実施形態において、情報処理装置1にBluetooth(登録商標)モジュール等の近接通信モジュールを設け、例えば近接通信機能を有するセキュリティカード等との間で認証(ペアリング)を事前に行っておき、近接通信範囲内にこのセキュリティカードを所持している本人がいる間は、手渡し検出部25による手渡し動作検出がされても(この場合、情報処理装置1が本人以外のユーザに手渡しされた可能性が非常に高い)本人と同じアクセス権限を与え、本人が近接通信範囲外に出たことを契機に、操作者特定部28及び認証部26によるユーザ認証手続を行ってもよい。あるいは、近接通信範囲内にこのセキュリティカードを所持している本人がいる間は、情報処理装置1全体の動作を許可し、例えばカメラモジュール141による被写体撮像動作を本人以外のユーザに許可してもよい。
【0067】
さらに、上述の一実施形態では、操作者等が閲覧するコンテンツ120は情報処理装置1の記憶部21内に格納されていたが、操作者等が閲覧するコンテンツ120は情報処理装置1の記憶部21内に格納されている必要はない。一例として、コンテンツ120がホームネットワーク内に配置されたNAS(Network Attached Storage)やインターネット上のサーバ装置内に格納されていてもよい。また、NASやサーバ装置に、カメラモジュール141及びモジュールドライバ140を除く認証部26(含む操作者特定部28)を設けてもよい。認証部26をNAS等に設けた場合、ユーザ認証権限の設定や認証情報をこのNAS等で一元管理することができ、また、情報処理装置1において認証処理を行う必要がないので、情報処理装置1における処理を簡略化することができる。この場合、情報処理装置1からは、カメラモジュール140により撮像された画像データをNAS等に送信してもよく、あるいは、画像データを前処理して得られた特徴量データをNAS等に送信してもよい。
【0068】
さらに、上述の一実施形態においては、操作者特定部28により情報処理装置1を操作する者を特定し、この結果に基づいて認証部26がユーザ認証を行っていたが、操作者特定部28は本発明に必須のものではなく、例えば既知のユーザID及びパスワードにより認証部26がユーザ認証を行う構成であっても本発明は適用可能である。
【0069】
さらに、上述の一実施形態では、動作制御部27は情報処理装置1の記憶部21内に格納されているコンテンツ120に対するアクセス権限の制御を行っていたが、認証部26が行うユーザ認証手続結果に基づいて情報処理装置1全体の動作制御を異ならせる動作制御部27は、アクセス権限の制御以外の動作制御を行ってもよい。一例として、手渡し検出部25による手渡し動作検出がされれば特定のアプリケーションによる一定の動作を引き続き許可してもよい。例えば、操作者本人がWebブラウザでインターネット上の認証が必要なサイトを閲覧している場合、手渡し検出部25による手渡し動作検出がされれば、引き続きこのサイトの閲覧を許可してもよい。さらには、手渡し検出部25による手渡し動作検出がされれば、Cookie等に格納されている登録情報を登録ユーザ、未登録ユーザに利用させてもよい。
【0070】
そして、上述の一実施形態において、情報処理装置1を動作させるプログラムはROM11に格納されて提供されていたが、不図示の光学ディスクドライブ、USBコネクタ171及びUSBコントローラ170等を用いて、プログラムが格納されたDVD(Digital Versatile Disc)、USBフラッシュメモリ装置等を接続し、このDVD等からプログラムを情報処理装置1に読み込んで動作させてもよい。また、インターネット上の装置内にプログラムを格納しておき、移動体通信モジュール150等を介してこのプログラムを情報処理装置1に読み込んで動作させてもよい。さらに、上述の一実施形態において、情報処理装置1は複数のハードウェア要素により構成されていたが、これらハードウェア要素の一部の動作をCPU10がプログラムの動作により実現することも可能である。