特許第6127619号(P6127619)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6127619
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/30 20060101AFI20170508BHJP
   G06F 3/048 20130101ALI20170508BHJP
【FI】
   G06F17/30 340B
   G06F17/30 380E
   G06F17/30 170A
   G06F3/048
【請求項の数】7
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-54542(P2013-54542)
(22)【出願日】2013年3月18日
(65)【公開番号】特開2014-182416(P2014-182416A)
(43)【公開日】2014年9月29日
【審査請求日】2016年3月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】榎本 茂輝
【審査官】 小太刀 慶明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−173999(JP,A)
【文献】 特開2006−251865(JP,A)
【文献】 特開2001−319022(JP,A)
【文献】 特開2007−026418(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 17/30
G06F 3/048
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の項目のうち少なくとも1つ以上の項目に対して当該項目に対応させて情報が入力された帳票を電子データとして蓄積する記憶手段と、
当該項目に対応させて情報を入力するための入力領域が複数の項目のそれぞれに割り当てられた帳票イメージを新規作成帳票または編集対象帳票として第1の表示領域に表示させるとともに、前記記憶手段により前記電子データとして蓄積されている帳票のなかから抽出された帳票のイメージ画像を前記第1の表示領域との間で区分けした第2の表示領域に表示させる表示制御手段と、
前記第1の表示領域に表示されている前記新規作成帳票または前記編集対象帳票における前記複数の項目のうち所定の項目に対応した前記入力領域に情報が入力された場合に、該入力された情報と同じ情報が前記所定の項目と同じ項目に入力されている帳票を前記記憶手段により前記電子データとして蓄積されている帳票のなかから抽出する検索手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記検索手段によって抽出された帳票のイメージ画像を前記第2の表示領域に表示させることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、前記帳票毎に、当該帳票が参照された度合いまたは当該帳票の参照見込みの度合いを示す参照量情報を対応付けて蓄積し、
前記表示制御手段は、前記検索手段によって複数の帳票が抽出された場合には、該抽出された複数の帳票が前記参照量情報に基づいた順番で並ぶように表示させることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記参照見込みの度合いを示す参照量情報を前記新規作成帳票または前記編集対象帳票に設定する設定手段を備え、
前記記憶手段は、前記新規作成帳票または前記編集対象帳票を前記電子データとして蓄積する際は、前記設定手段により設定された参照量情報を対応付けて蓄積することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、前記参照量情報を前記所定の項目に対応付けて蓄積することを特徴とする請求項2または請求項3の何れかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
文書の複数の項目のうち少なくとも1つ以上の項目に対して当該項目に対応させて情報を入力する入力手段と、
前記項目に対応させて情報を入力するための入力領域が複数の項目のそれぞれに割り当てられた文書イメージを新規作成文書または編集対象文書として第1の表示領域に表示させるとともに記憶手段電子データとして蓄積されている文書のなかから抽出された文書のイメージ画像を前記第1の表示領域との間で区分けした第2の表示領域に表示させる表示制御手段と、
前記第1の表示領域に表示されている前記新規作成文書または前記編集対象文書における前記複数の項目のうち所定の項目に対応した前記入力領域に情報が入力された場合に、該入力された情報と同じ情報が前記所定の項目と同じ項目に入力されている文書を前記記憶手段により前記電子データとして蓄積されている文書のなかから抽出する検索手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記検索手段によって抽出された文書のイメージ画像を前記第2の表示領域に表示させることを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータを、
複数の項目のうち少なくとも1つ以上の項目に対して当該項目に対応させて情報が入力された帳票を電子データとして蓄積する記憶手段、
当該項目に対応させて情報を入力するための入力領域が複数の項目のそれぞれに割り当てられた帳票イメージを新規作成帳票または編集対象帳票として第1の表示領域に表示させるとともに、前記記憶手段により前記電子データとして蓄積されている帳票のなかから抽出された帳票のイメージ画像を前記第1の表示領域との間で区分けした第2の表示領域に表示させる表示制御手段、
前記第1の表示領域に表示されている前記新規作成帳票または前記編集対象帳票における前記複数の項目のうち所定の項目に対応した前記入力領域に情報が入力された場合に、該入力された情報と同じ情報が前記所定の項目と同じ項目に入力されている帳票を前記記憶手段により前記電子データとして蓄積されている帳票のなかから抽出する検索手段、として機能させ、
前記表示制御手段が、前記検索手段によって抽出された帳票のイメージ画像を前記第2の表示領域に表示させることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
コンピュータを、
文書の複数の項目のうち少なくとも1つ以上の項目に対して当該項目に対応させて情報を入力する入力手段、
前記項目に対応させて情報を入力するための入力領域が複数の項目のそれぞれに割り当てられた文書イメージを新規作成文書または編集対象文書として第1の表示領域に表示させるとともに記憶手段電子データとして蓄積されている文書のなかから抽出された文書のイメージ画像を前記第1の表示領域との間で区分けした第2の表示領域に表示させる表示制御手段、
前記第1の表示領域に表示されている前記新規作成文書または前記編集対象文書における前記複数の項目のうち所定の項目に対応した前記入力領域に情報が入力された場合に、該入力された情報と同じ情報が前記所定の項目と同じ項目に入力されている文書を前記記憶手段により前記電子データとして蓄積されている文書のなかから抽出する検索手段と、して機能させ、
前記表示制御手段は、前記検索手段によって抽出された文書のイメージ画像を前記第2の表示領域に表示させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、事務処理等の業務を行うためのアプリケーションプログラム(以下、アプリケーションとする)を起動し、ユーザの操作に応じて業務に関する処理を行うPC(Personal Computer)が知られている。
【0003】
例えば、売上伝票入力のアプリケーションでは、文書としての売上伝票ファイルのデータ入力を行う。このとき、データ入力の参考にするため、過去の売上伝票等の伝票ファイルを読み出して参照することがあった。
【0004】
また、相互に関連する複数の伝票を1頁上に関連付けてサンプル出力するデータ処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−235289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、売上伝票入力等の業務において、データ入力の参考となる伝票ファイルを探すことはユーザにとって負担が大きかった。直近に作成した伝票ファイルを参照する方法もあるが、直近の伝票ファイルが、入力中の伝票に関連しないおそれがあった。たとえ、入力中の伝票に関連する伝票ファイルが特定できても、それが複数であれば、どの伝票ファイルが参照に適切かの判断が煩わしくなるおそれがあった。
【0007】
本発明の課題は、入力中の文書に関連する適切な文書を表示することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る情報処理装置は、複数の項目のうち少なくとも1つ以上の項目に対して当該項目に対応させて情報が入力された帳票を電子データとして蓄積する記憶手段と、当該項目に対応させて情報を入力するための入力領域が複数の項目のそれぞれに割り当てられた帳票イメージを新規作成帳票または編集対象帳票として第1の表示領域に表示させるとともに、前記記憶手段により前記電子データとして蓄積されている帳票のなかから抽出された帳票のイメージ画像を前記第1の表示領域との間で区分けした第2の表示領域に表示させる表示制御手段と、前記第1の表示領域に表示されている前記新規作成帳票または前記編集対象帳票における前記複数の項目のうち所定の項目に対応した前記入力領域に情報が入力された場合に、該入力された情報と同じ情報が前記所定の項目と同じ項目に入力されている帳票を前記記憶手段により前記電子データとして蓄積されている帳票のなかから抽出する検索手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記検索手段によって抽出された帳票のイメージ画像を前記第2の表示領域に表示させることを特徴とする。
また、本発明に係る情報処理装置は、文書の複数の項目のうち少なくとも1つ以上の項目に対して当該項目に対応させて情報を入力する入力手段と、前記項目に対応させて情報を入力するための入力領域が複数の項目のそれぞれに割り当てられた文書イメージを新規作成文書または編集対象文書として第1の表示領域に表示させるとともに記憶手段電子データとして蓄積されている文書のなかから抽出された文書のイメージ画像を前記第1の表示領域との間で区分けした第2の表示領域に表示させる表示制御手段と、前記第1の表示領域に表示されている前記新規作成文書または前記編集対象文書における前記複数の項目のうち所定の項目に対応した前記入力領域に情報が入力された場合に、該入力された情報と同じ情報が前記所定の項目と同じ項目に入力されている文書を前記記憶手段により前記電子データとして蓄積されている文書のなかから抽出する検索手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記検索手段によって抽出された文書のイメージ画像を前記第2の表示領域に表示させることを特徴とする。
また、本発明に係るプログラムは、コンピュータを、複数の項目のうち少なくとも1つ以上の項目に対して当該項目に対応させて情報が入力された帳票を電子データとして蓄積する記憶手段、当該項目に対応させて情報を入力するための入力領域が複数の項目のそれぞれに割り当てられた帳票イメージを新規作成帳票または編集対象帳票として第1の表示領域に表示させるとともに、前記記憶手段により前記電子データとして蓄積されている帳票のなかから抽出された帳票のイメージ画像を前記第1の表示領域との間で区分けした第2の表示領域に表示させる表示制御手段、前記第1の表示領域に表示されている前記新規作成帳票または前記編集対象帳票における前記複数の項目のうち所定の項目に対応した前記入力領域に情報が入力された場合に、該入力された情報と同じ情報が前記所定の項目と同じ項目に入力されている帳票を前記記憶手段により前記電子データとして蓄積されている帳票のなかから抽出する検索手段、として機能させ、前記表示制御手段が、前記検索手段によって抽出された帳票のイメージ画像を前記第2の表示領域に表示させることを特徴とする。
また、本発明に係るプログラムは、コンピュータを、文書の複数の項目のうち少なくとも1つ以上の項目に対して当該項目に対応させて情報を入力する入力手段、前記項目に対応させて情報を入力するための入力領域が複数の項目のそれぞれに割り当てられた文書イメージを新規作成文書または編集対象文書として第1の表示領域に表示させるとともに記憶手段電子データとして蓄積されている文書のなかから抽出された文書のイメージ画像を前記第1の表示領域との間で区分けした第2の表示領域に表示させる表示制御手段、前記第1の表示領域に表示されている前記新規作成文書または前記編集対象文書における前記複数の項目のうち所定の項目に対応した前記入力領域に情報が入力された場合に、該入力された情報と同じ情報が前記所定の項目と同じ項目に入力されている文書を前記記憶手段により前記電子データとして蓄積されている文書のなかから抽出する検索手段と、して機能させ、前記表示制御手段は、前記検索手段によって抽出された文書のイメージ画像を前記第2の表示領域に表示させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、入力中の文書に関連する適切な文書を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態の情報処理装置を示すブロック図である。
図2】度数テーブルの構成を示す図である。
図3】参照伝票テーブルの構成を示す図である。
図4】アプリケーション表示処理を示すフローチャートである。
図5】伝票表示操作処理を示すフローチャートである。
図6】伝票表示操作処理の伝票拡大表示処理を示すフローチャートである。
図7】第1のアプリケーション表示画面を示す図である。
図8】(a)は、度数係数選択ボタンを示す図である。(b)は、伝票種選択ボタンを示す図である。
図9】(a)は、第1の伝票選択エリアを示す図である。(b)は、第2の伝票選択エリアを示す図である。
図10】第2のアプリケーション表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0012】
図1図10を参照して、本実施の形態を説明する。先ず、図1を参照して、本実施の形態の装置構成を説明する。図1は、情報処理装置10の機能構成を示すブロック図である。
【0013】
本実施の形態の情報処理装置10は、各種業務のアプリケーションプログラム(アプリケーション)を起動可能な情報処理装置である。情報処理装置10が、一例として、企業の事務室等に設置され、事務関係の業務のアプリケーションを実行する情報処理装置であるものとして説明するが、これに限定されるものではない。
【0014】
図1に示すように、情報処理装置10は、第1の制御手段、検索手段、第2の制御手段、第3の制御手段、更新手段としてのCPU(Central Processing Unit)11と、操作手段としての操作部12と、RAM(Random Access Memory)13と、表示手段としての表示部14と、記憶部15と、通信部16と、計時部17と、を備える。情報処理装置10の各部は、バス18を介して互いに接続されている。
【0015】
CPU11は、情報処理装置10の各部を制御する。CPU11は、各種プログラムのうち指定されたプログラムを記憶部15から読み出してRAM13に展開し、展開されたプログラムとの協働で各種処理を実行する。
【0016】
CPU11は、アプリケーションP1,P2…に従い、各種業務に関する処理を実行する。ここでは、アプリケーションP1,P2…は、売上伝票入力、仕入伝票入力…を行う例を説明する。売上伝票入力は、操作部12を介するユーザからの操作入力に応じて、売上伝票の作成、編集、売上伝票の伝票ファイルFの記憶等を行う業務である。仕入伝票入力は、操作部12を介するユーザからの操作入力に応じて、仕入伝票の作成、編集、仕入伝票の伝票ファイルFの記憶等を行う業務である。各伝票入力において、ユーザは、現在入力中の伝票(入力伝票とする)のデータ入力の参考にするために、過去に作成等されて蓄積している伝票ファイルFを適宜参照する。この参照先の伝票ファイルを、参照伝票の伝票ファイルとする。
【0017】
また、CPU11は、アプリケーション表示プログラム151に従い、アプリケーションを起動して表示部14に表示し、起動したアプリケーションで作成又は編集する入力伝票に関連する参照伝票の候補を表示する。
【0018】
また、CPU11は、伝票表示操作プログラム152に従い、参照伝票の候補の選択操作のための処理と、選択操作された参照伝票のイメージ拡大表示と、を行い、参照伝票の参照度数を更新する。
【0019】
操作部12は、各種文字等の入力用のキーを有するキーボードを備え、各キー入力に応じた操作情報をCPU11に出力する。操作部12は、表示部14の表示パネル上に設けられたタッチパネルを有し、そのタッチ入力に応じた操作情報をCPU11に出力することとしてもよい。
【0020】
RAM13は、揮発性の半導体メモリ等の記憶部であり、各種データ及び各種プログラムを格納するワークエリアを有する。
【0021】
表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(ElectroLuminescent)ディスプレイ等の表示パネルを備える表示部であり、CPU11から入力される表示情報に応じて表示パネルに各種表示を行う。
【0022】
記憶部15は、各種データ及び各種プログラムの情報を読み出し及び書き込み可能に記憶する記憶部であり、HDD(Hard Disk Drive)等で構成されている。記憶部15は、アプリケーション表示プログラム151と、伝票表示操作プログラム152と、アプリケーションP1,P2…と、伝票ファイルFと、参照量情報としての度数テーブル20と、参照伝票テーブル30と、を記憶している。
【0023】
伝票ファイルFは、アプリケーションP1,P2…等により、作成された伝票の伝票ファイルである。例えば、伝票ファイルFには、業務が売上伝票入力であるアプリケーションに対応して、当該業務で作成又は編集された売上伝票ファイルが含まれる。また、伝票ファイルFは、各伝票のテキストデータ及びイメージデータを含むものとする。
【0024】
度数テーブル20は、伝票の過去の参照表示における各ユーザの参照量を示す参照情報としての(参照)度数に関する情報のテーブルである。参照伝票テーブル30は、各アプリケーションの参照可能な伝票種の情報のテーブルである。
【0025】
通信部16は、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワーク(図示略)に接続されたネットワークカード等を備え、当該通信ネットワーク上の機器と通信を行う。例えば、情報処理装置10は、通信部16を介して、企業内のLANに接続された他の情報処理装置と、伝票ファイルF等の情報の送受信を行う。なお、情報処理装置10は、通信部16を有せず、スタンドアローンとして使用する構成としてもよい。
【0026】
計時部17は、時刻を計時する計時回路を備え、計時した時刻情報をCPU11に出力する。
【0027】
次に、図2及び図3を参照して、度数テーブル20及び参照伝票テーブル30の構成を説明する。図2は、度数テーブル20の構成を示す図である。図3は、参照伝票テーブル30の構成を示す図である。
【0028】
図2に示すように、度数テーブル20は、ユーザID21と、第1キー項目22と、第2キー項目23と、伝票種24と、伝票番号25と、度数26と、のフィールドを有する。第1キー項目22、第2キー項目23、伝票種24、伝票番号25、度数26は、ユーザID21をキーとする。
【0029】
ユーザID21は、情報処理装置10を使用するユーザの識別情報である。第1キー項目22は、入力伝票の項目のうち、度数26の積算時にフォーカスが当たっていた項目である。第2キー項目23は、入力伝票の項目のうち、度数26の積算時にフォーカスが当たっていた項目である。第1キー項目22が、入力伝票のヘッダ部にある情報であり、第2キー項目23が、入力伝票の明細部にある情報である構成とするが、これに限定されるものではない。
【0030】
第1キー項目22、第2キー項目23は、参照伝票の検索における検索キーとして用いられる。また、ここでは、第1キー項目22が“取引先”とされ、第2キー項目22が“商品コード”とされて固定されている構成を説明する。しかし、キー項目の数及び内容は、上記の例に限定されるものではない。
【0031】
伝票種24は、度数26の積算の対象の参照伝票の種類である。伝票番号25は、度数26の積算の対象の参照伝票の識別番号である。度数26は、伝票種24及び伝票番号25の参照伝票における、第1キー項目22及び第2キー項目23での参照量情報としての参照の度数である。度数26は、参照伝票の過去の参照表示における参照量を示すもので、参照伝票の実際の参照回数そのものではなく、参照伝票の重要度を示すための度数係数をかけた度数値の積算値としている。
【0032】
図3に示すように、参照伝票テーブル30は、アプリケーション31と、伝票種32と、のフィールドを有する。
【0033】
アプリケーション31は、アプリケーションP1,P2…の識別情報である。伝票種32は、アプリケーション31で参照可能な伝票の種類である。例えば、アプリケーション31がアプリケーションP1の売上伝票入力である場合に、伝票種32は、売上伝票、見積書、仕入伝票、発注書の伝票の参照が可能に設定されている。
【0034】
次に、図4図10を参照して、情報処理装置10の動作を説明する。図4は、アプリケーション表示処理を示すフローチャートである。図5は、伝票表示操作処理を示すフローチャートである。図6は、伝票表示操作処理の伝票拡大表示処理を示すフローチャートである。図7は、アプリケーション表示画面200を示す図である。図8(a)は、度数係数選択ボタン231を示す図である。図8(b)は、伝票種選択ボタン221を示す図である。図9(a)は、伝票選択エリア222を示す図である。図9(b)は、伝票選択エリア222aを示す図である。図10は、アプリケーション表示画面300を示す図である。
【0035】
図4を参照して、情報処理装置10で実行されるアプリケーション表示処理を説明する。アプリケーション表示処理は、アプリケーションを起動して表示し、起動したアプリケーションで作成又は編集する入力伝票に関連する参照伝票の候補を表示する処理である。
【0036】
情報処理装置10において、例えば、操作部12を介してユーザからアプリケーション表示処理の実行指示が入力されたことをトリガとして、CPU11は、記憶部15から読み出して適宜RAM13に展開したアプリケーション表示プログラム151との協働で、アプリケーション表示処理を実行する。
【0037】
図4に示すように、先ず、CPU11は、操作部12を介して、ユーザからのユーザID及びパスワードの入力を受け付ける(ステップS11)。そして、CPU11は、ステップS11で入力されたユーザID及びパスワードを用いて、ログイン認証を行い、ログイン認証が成功したか否かを判別する(ステップS12)。ステップS12のログイン認証では、例えば、正当なユーザのユーザID及びパスワードを有するテーブルが記憶部15に記憶されており、そのテーブルと入力されたユーザID及びパスワードとの比較がなされ、一致するものがあれば認証成功となる。
【0038】
ログイン認証が失敗した場合(ステップS12;NO)、ステップS11に移行される。ログイン認証が成功した場合(ステップS12;YES)、CPU11は、操作部12を介して、ユーザからのアプリケーションの選択入力を受け付ける(ステップS13)。そして、CPU11は、ステップS12で選択されたアプリケーションを記憶部15から読み出して起動し、起動したアプリケーションを有するアプリケーション表示画面を表示部14に表示する(ステップS14)。
【0039】
ステップS14では、図7に示すアプリケーション表示画面200が表示される。アプリケーション表示画面200は、アプリケーション表示エリア210と、伝票参照エリア220と、度数係数設定エリア230と、を有する。ステップS14で起動されたアプリケーションは、アプリケーション表示エリア210内に表示される。
【0040】
そして、CPU11は、記憶部15に記憶された参照伝票テーブル30を参照し、ステップS13で選択されたアプリケーション31に対応する伝票種32を取得し、参照伝票の重要度を示す度数係数を選択するための度数係数選択ボタンと、取得した伝票種32から伝票種を選択するための伝票種選択ボタンと、をアプリケーション表示画面200内に表示する(ステップS15)。
【0041】
ステップS15の度数係数選択ボタンは、例えば、図8(a)に示す度数係数選択ボタン231であり、度数係数設定エリア230内に表示される。度数係数選択ボタン231は、1倍、5倍、10倍、50倍の度数係数の選択入力を受け付ける。度数係数選択ボタン231は、複数回押下することで度数係数の任意の設定が可能な構成としてもよい。例えば、1倍ボタンを3回、5倍ボタンを1回押下することで、8倍の度数係数が設定されるものとする。
【0042】
ステップS15の伝票種選択ボタンは、例えば、図8(b)に示す伝票種選択ボタン221であり、伝票参照エリア220内に表示される。伝票種選択ボタン221は、アプリケーションとして売上伝票入力のアプリケーションP1が選択された場合の選択ボタンであり、売上伝票、見積書、仕入伝票及び発注書のうちの少なくとも1つの伝票種の選択入力が可能である。
【0043】
そして、CPU11は、ステップS14で起動されたアプリケーションで作成又は編集する入力伝票で入力された、第1キー項目としての取引先を取得する(ステップS16)。そして、CPU11は、操作部12を介するユーザからの参照伝票の伝票種の選択入力を受け付ける(ステップS17)。そして、CPU11は、参照伝票の候補を選択するための伝票選択エリアをアプリケーション表示画面200内に表示する(ステップS18)。ステップS18の伝票選択エリアは、伝票参照エリア220に表示される。
【0044】
そして、CPU11は、記憶部15に記憶された度数テーブル20を参照し、ステップS16で取得された取引先を含む検索条件で参照伝票の候補を検索し、検索した参照伝票の候補を度数の降順にソートして伝票選択エリア内に1軸方向に配置して表示する(ステップS19)。ステップS19では、ステップS11で入力されたユーザID21と、ステップS16で取得された取引先(第1キー項目22)と、ステップS17で取得された伝票種24と、を検索条件として度数テーブル20の参照伝票の候補のレコードが検索される。その検索されたレコードが度数26で降順にソートされ、当該降順のレコードの伝票番号25の伝票ファイルFの伝票イメージが伝票選択エリアで上下方向移動及び選択が可能なように表示される。
【0045】
ステップS19の伝票選択エリアは、例えば、図9(a)に示す伝票選択エリア222となる。伝票選択エリア222は、取引先について上から下へ度数が降順になるよう配置された参照伝票の候補の伝票イメージ2221を有する。伝票選択エリア222では、配置された参照伝票の候補の一部の伝票イメージ2221が表示されている。また、最初に伝票選択エリア222の真ん中に配置される伝票イメージ2221は、最も度数が大きいものにされるものとする。伝票選択エリア222については、操作部12を介するユーザからの上下方向の操作入力に応じて、伝票イメージ2221も上下にスクロールする。伝票選択エリア222の真ん中に位置する伝票イメージ2221について、操作部12を介するユーザからの選択の操作入力に応じて、伝票イメージ2221の伝票が参照伝票として選択される。
【0046】
そして、CPU11は、ステップS14で起動されたアプリケーションで作成又は編集する入力伝票で入力された、第2キー項目としての商品コードを取得する(ステップS20)。
【0047】
そして、CPU11は、記憶部15に記憶された度数テーブル20を参照し、ステップS16で取得された取引先と、ステップS20で取得された商品コードを含む検索条件で参照伝票の候補を検索し、検索した参照伝票の候補を度数の降順にソートして伝票選択エリア内に2軸方向に配置して表示する(ステップS21)。ステップS21では、ステップS11で入力されたユーザID21と、ステップS16で取得された取引先(第1キー項目22)と、ステップS20で取得された商品コード(第2キー項目23)と、ステップS17で取得された伝票種24と、を検索条件として度数テーブル20の参照伝票の候補のレコードが検索される。その検索されたレコードが度数26で降順にソートされ、当該降順のレコードの伝票番号25の伝票ファイルFの伝票イメージが伝票選択エリアで左右方向移動及び選択が可能なように表示される。
【0048】
ステップS21の伝票選択エリアは、例えば、図9(b)に示す伝票選択エリア222aとなる。伝票選択エリア222aは、取引先について上から下へ度数が降順になるよう配置された参照伝票の候補と、商品コードについて左から右へ度数が降順になるよう配置された参照伝票の候補との伝票イメージ2221を有する。伝票選択エリア222aでは、配置された参照伝票の候補の一部の伝票イメージ2221が表示されている。また、最初に伝票選択エリア222aの真ん中に表示される伝票イメージ2221は、最も度数が大きいものにされるものとする。伝票選択エリア222aについては、操作部12を介するユーザからの上下左右方向の操作入力に応じて、伝票イメージ2221も上下左右にスクロールする。伝票選択エリア222aの真ん中に位置する伝票イメージ2221について、操作部12を介するユーザからの選択の操作入力に応じて、伝票イメージ2221の伝票が参照伝票として選択される。
【0049】
そして、CPU11は、ステップS14で起動されたアプリケーションで作成又は編集する入力伝票で商品コード入力欄のフォーカスが変更されたか否かを判別する(ステップS21)。商品コード入力欄のフォーカスが変更された場合(ステップS22;YES)、ステップS20に移行される。ステップS20では、変更後のフォーカスされた商品コードが取得される。
【0050】
商品コード入力欄のフォーカスが変更されていない場合(ステップS22;NO)、CPU11は、ステップS14で起動されたアプリケーションで作成又は編集する入力伝票で1枚のデータ入力を終了したか否かを判別する(ステップS23)。1枚の入力伝票のデータ入力を終了した場合(ステップS23;YES)、ステップS16に移行される。
【0051】
1枚の入力伝票のデータ入力を終了していない場合(ステップS23;NO)、CPU11は、操作部12を介する起動中のアプリケーションの終了指示入力有無に応じて、起動中のアプリケーションを終了するか否かを判別する(ステップS24)。アプリケーションを終了しない場合(ステップS24;NO)、ステップS22に移行される。アプリケーションを終了する場合(ステップS24;YES)、アプリケーション表示処理が終了する。
【0052】
次いで、図5及び図6を参照して、伝票表示操作処理を説明する。伝票表示操作処理は、参照伝票の候補の選択のための処理と、選択操作された参照伝票のイメージ拡大表示と、を行い、参照伝票の参照に応じて度数テーブル20を更新する処理である。
【0053】
情報処理装置10において、例えば、アプリケーション表示処理のステップS18,S19により、参照伝票の候補の伝票選択エリアが表示されたことをトリガとして、CPU11は、記憶部15から読み出して適宜RAM13に展開した伝票表示操作プログラム152との協働で、伝票表示操作処理を実行する。
【0054】
図5に示すように、先ず、CPU11は、操作部12を介してユーザから操作入力があるか否かを判別する(ステップS31)。操作入力がない場合(ステップS31;NO)、ステップS31に移行される。操作入力がある場合(ステップS31;YES)、CPU11は、ステップS31で行われた操作が、通常の検索処理の指示操作であるか、参照伝票の候補の移動操作であるか、参照伝票の候補の選択操作であるかを判別する(ステップS32)。
【0055】
通常の検索処理の指示操作である場合(ステップS32;通常検索)、CPU11は、操作部12を介するユーザからの検索条件の入力に応じて、検索条件にあてはまる伝票ファイルFの伝票を検索し、参照伝票の候補としてアプリケーション表示画面200内に伝票イメージを表示する通常の検索処理を行う(ステップS33)。例えば、度数テーブル20のレコードが少ない場合等、伝票選択エリアに表示される伝票イメージが無い又は少なく、適切な参照伝票がない場合がある。このため、ステップS33で通常の伝票検索も可能としている。ステップS33では、検索された参照伝票の候補の伝票イメージは、選択入力可能に伝票参照エリア220に表示される。なお、ステップS33では、検索条件の入力エリアにおいて、度数テーブル20の全伝票について、第1キー項目22及び第2キー項目23を考慮することなく伝票番号25の各伝票を度数が多い順にソートして、参照伝票の候補として、その伝票イメージを表示する構成としてもよい。この伝票番号25の度数とは、例えば、伝票番号25が同じで且つ第1キー項目22のみが指定(第2キー項目23がNULL)されているレコードについての度数26の合計値とする。また、この参照伝票の候補の伝票イメージも選択入力可能である。
【0056】
参照伝票の候補の移動操作である場合(ステップS32;移動操作)、CPU11は、ステップS32の移動操作に応じて、伝票選択エリア内の参照伝票の候補の伝票イメージを上下又は左右にスクロールして移動表示する(ステップS34)。そして、CPU11は、アプリケーション表示処理により、起動中のアプリケーションが終了されるか否かを判別する(ステップS35)。アプリケーションが終了していない場合(ステップS35;NO)、ステップS31に移行される。アプリケーションが終了した場合(ステップS35;YES)、伝票表示操作処理が終了する。
【0057】
参照伝票の候補の選択操作である場合(ステップS32;選択操作)、CPU11は、伝票を拡大して参照表示する伝票拡大表示処理を実行し(ステップS36)、ステップS35に移行する。ここで、図6を参照して、ステップS36の伝票拡大表示処理を説明する。
【0058】
先ず、CPU11は、アプリケーション表示処理のステップS11で入力されたユーザIDと、ステップS17で入力された伝票種と、を取得する(ステップS41)。そして、CPU11は、ステップS32の選択操作に応じて、選択された参照伝票の候補の伝票イメージに対応する伝票ファイルFを読み出し、当該参照伝票のイメージデータをアプリケーション表示画面200内に拡大表示する(ステップS42)。ステップS42では、参照伝票のイメージデータは、伝票参照エリア220に表示される。
【0059】
そして、CPU11は、計時部17から出力された時刻情報に応じて、タイマのカウントを開始する(ステップS43)。そして、CPU11は、操作部12を介するユーザからの参照伝票の度数係数の入力を受け付ける(ステップS44)。ステップS44では、例えば、度数係数設定エリア230の度数係数選択ボタンの押下が受け付けられる。
【0060】
そして、CPU11は、操作部12を介するユーザからの、参照伝票から入力伝票へのデータのコピー操作入力があるか否かを判別する(ステップS45)。ステップS45では、例えば、ステップS42で表示されたイメージデータ上のコピー対象のデータ選択入力が受け付けられる。コピー対象のデータ選択入力は、アプリケーション表示画面上のコピー対象のデータの丸囲みのタッチ入力により行われることとしてもよい。
【0061】
コピー操作入力がある場合(ステップS45;YES)、CPU11は、ステップS45で入力されたコピー操作のデータを、アプリケーション表示エリア210に表示されている入力伝票のフォーカスの当たっている入力欄にコピーする(ステップS46)。
【0062】
そして、CPU11は、ステップS43でカウント開始したタイマ値が、予め設定された所定の設定時間を初めて経過したか否かを判別する(ステップS47)。タイマ値が設定時間を初めて経過した場合(ステップS47;YES)、CPU11は、拡大表示中の参照伝票の伝票番号と、入力伝票のキー項目と、を取得する(ステップS48)。ステップS48で、第1キー項目及び第2キー項目の入力がある場合、キー項目として、第1キー項目(取引先)と、フォーカスの当たっている第2キー項目(商品コード)と、が取得される。ステップS48で、第1キー項目のみ入力がある場合、キー項目として、第1キー項目(取引先)が取得される。
【0063】
そして、CPU11は、記憶部15に記憶された度数テーブル20において、ユーザの参照伝票のキー項目のレコードに対し、ステップS44で入力された度数係数を度数(=1)にかけた数値を、参照量情報としての度数26に加算して更新する(ステップS49)。ステップS49では、度数テーブル20のうち、ステップS41で入力されたユーザID21と、ステップS48で取得された伝票番号25、第1キー項目22(及び第2キー項目23)と、に対応するレコードの度数26に上記算出した数値が加算される。但し、キー項目が第1キー項目22及び第2キー項目23である場合に、この第1キー項目22のみのレコードの度数26にも上記算出した数値が加算されるものとする。また、ステップS49で、度数テーブル20に、参照伝票に対応するレコードが無い場合、度数26を含む新たなレコードが作成され、度数テーブル20に追加される。
【0064】
そして、CPU11は、操作部12を介するユーザからの参照伝票の拡大表示終了指示入力があるか否かを判別する(ステップS50)。拡大表示終了指示入力がない場合(ステップS50;NO)、ステップS45に移行される。拡大表示終了指示入力がある場合(ステップS50;YES)、CPU11は、参照伝票の拡大表示を終了し、伝票参照エリア220に伝票選択エリアを表示し(ステップS51)、伝票拡大処理が終了する。
【0065】
ここで、図10を参照して、参照伝票を拡大表示したアプリケーション表示画面の具体例を説明する。
【0066】
ここでは、ユーザIDがaaaのユーザがログインし、売上伝票入力のアプリケーションP1が起動され、伝票種が売上伝票の伝票ファイルFが参照伝票として参照されるケースとする。
【0067】
図10に示すように、アプリケーション表示画面300は、アプリケーション表示エリア310と、伝票参照エリア320と、度数係数設定エリア330と、を有する。
【0068】
アプリケーション表示エリア310には、売上伝票入力のアプリケーションP1における入力伝票の入力画面が表示されている。入力伝票には、取引先としての○商事会社が入力されている。そして、○商事会社をキー項目として度数が降順にソートされた参照伝票の候補が伝票選択エリアに表示され、1つの参照伝票が選択されたものとする。
【0069】
伝票参照エリア320は、選択された参照伝票の参照伝票イメージ321が表示されている。参照伝票イメージ321は、拡大表示された参照伝票のイメージデータである。伝票参照エリア320は、伝票選択エリア及び伝票種選択ボタンに代えて、参照伝票の拡大表示がなされる構成とするが、これに限定されるものではない。
【0070】
また、図示は省略するが、例えば、操作部12を介するユーザからの操作入力に応じて、伝票ファイルFから、度数テーブル20に含まれる伝票番号25の伝票ファイルが削除された場合に、CPU11は、削除された伝票ファイルに対応する伝票番号25のレコードを度数テーブル20から削除する。例えば、伝票番号が“10001”の伝票ファイルが削除された場合に、図2の度数テーブル20のレコードのうち、伝票番号25が“10001”の全レコードが削除される。
【0071】
同様に、図示は省略するが、例えば、操作部12を介するユーザからの操作入力に応じて、伝票ファイルFから、度数テーブル20に含まれる伝票番号25の伝票ファイルの内容が変更された場合に、CPU11は、その変更に応じて、変更した伝票ファイルに対応する伝票番号25のレコード内容を修正する。例えば、図2の伝票番号が“10001”、第1キー項目22が“○商事会社”、第2キー項目23が“1001”の伝票において、商品コード“1001”を別の商品コード“1111”に変更した場合に、伝票番号が“10001”、第1キー項目22が“○商事会社”、第2キー項目23が“1001”のレコードが、度数テーブル20から削除される。そして、伝票番号が“10001”、第1キー項目22が“○商事会社”、第2キー項目23がNULLのレコードの度数26が“130”から“105”(=当該レコードの度数26−第2キー項目23が“1001”のレコードの度数26=130−25)に変更される。
【0072】
以上、本実施の形態によれば、情報処理装置10のCPU11は、操作部12を介する操作入力に応じて、入力伝票を表示部14のアプリケーション表示画面200に表示し、前記入力伝票に入力されたキー項目を含む検索条件に応じて、記憶部15に記憶された伝票ファイルFの伝票を検索し、度数テーブル20に応じて、検索された伝票のうち度数が最も多い伝票を含む伝票を、参照伝票の候補としてアプリケーション表示画面200内に表示する。
【0073】
このため、入力伝票に関連し参照度数の多い適切な参照伝票の候補を表示できる。さらに、適切な参照伝票を参照することで、入力伝票のデータ入力の作業負担や入力ミスを低減できる。
【0074】
また、CPU11は、度数テーブル20に応じて、検索された伝票を参照度数が多い順にソートし、当該ソートした伝票を参照伝票の候補として表示する。このため、ユーザが、参照度数の多いものから参照伝票を参照していくことができ、所望の参照伝票を効率的に探すことができる。
【0075】
また、CPU11は、操作部12を介して参照伝票の候補が選択されると、当該選択された候補を参照伝票としてアプリケーション表示画面内に表示し、表示された参照伝票の参照度数を取得(測定)し、度数テーブル20の対応する度数26に積算して更新する。このため、参照伝票の参照度数を容易且つ正確に取得及び更新できる。
【0076】
また、度数テーブル20の度数26は、参照伝票を参照したユーザのユーザID21に対応付けられ、参照伝票の検索条件は、入力伝票の入力を行うユーザ(ログインユーザ)のユーザIDを含む。このため、参照伝票の参照度数をユーザ毎に管理できる。
【0077】
また、CPU11は、操作部12を介して参照伝票のデータのコピー操作が指示入力されると、当該データを入力伝票の入力欄にコピーする。このため、入力伝票へのデータ入力を補助でき、入力伝票のデータ入力の作業負担や入力ミスを低減できる。
【0078】
また、CPU11は、操作部12を介して入力された参照伝票の重要度を示す度数係数を前記取得された度数(=1)にかけて、度数係数がかけられた度数を度数テーブル20の度数26に積算して更新する。このため、実際の参照回数が同じ参照伝票の候補に対しても、重要度が高い参照伝票の候補を優先的に表示させることができる。
【0079】
以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として記憶部15(ハードディスク)を使用した例を開示したが、この例に限定されない。
その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。
また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【0080】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る情報処理装置及びプログラムの一例であり、これに限定されるものではない。
【0081】
例えば、上記実施の形態では、検索条件で検索した伝票を度数の降順にソートし、参照伝票の候補として表示する構成としたが、これに限定されるものではない。検索条件で検索した伝票のうち、度数が最も多い伝票を含む少なくとも1つの伝票を、参照伝票の候補として表示する構成としてもよい。
【0082】
また、上記実施の形態では、各アプリケーションで共通の予め固定された第1のキー項目及び第2のキー項目を用いて参照伝票の候補を検索する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、キー項目がアプリケーション毎や、ユーザ毎に、自在に設定可能な構成としてもよい。また、キー項目が3つ以上ある構成としてもよい。
【0083】
また、上記実施の形態では、参照量情報として、伝票の過去の参照表示における参照の度数(参照度数)を用いる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、参照量情報として、伝票の過去の参照表示における参照時間を用いる構成としてもよい。より具体的には、度数テーブル20の度数26を参照量情報の参照時間に替え、図6の伝票拡大表示処理において、CPU11は、計時部17から出力された時刻情報に応じて、参照伝票を拡大表示した時間を参照時間として測定し、参照量情報(度数テーブル20)の参照時間に積算して更新する。
【0084】
また、上記実施の形態では、ユーザ毎に、参照伝票の参照の度数を記憶する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、度数テーブルの所定ユーザのユーザIDのレコードを、別のユーザのユーザIDのレコードにコピーすることで、所定のユーザから別のユーザへの度数の引継ぎを行うことができる構成としてもよい。これにより、例えば、所定のユーザと別のユーザとが同じ種類の仕事をする場合に、別のユーザの仕事の負担を低減できる。また、度数テーブルは、ユーザ(ユーザID)毎に用意する構成としてもよい。
【0085】
また、複数のユーザからなるグループにおいて、当該グループ内のユーザで、度数テーブルのレコードを共有する構成としてもよい。この構成では、グループ内全体での参照度数の高い伝票を表示できる。
【0086】
また、参照伝票が重要である場合等に、当該参照伝票にタグを付すことが可能な構成としてもよい。この構成では、後でタグ検索を行うことができる。
【0087】
また、特定事項が含まれた参照伝票がある場合に、特定事項が含まれる参照伝票の候補を、度数を用いた参照伝票の候補のソートに優先してソートし参照ソートエリアに表示する構成としてもよい。特定事項は、例えば、データ入力についてユーザに注意を促す事項を示す情報である。
【0088】
また、操作部12を介するユーザからの入力に応じて、入力伝票と、参照伝票とを関連付け、その関連付け情報を記憶する構成としてもよい。また、参照伝票の候補同士を関連付け、その関連付け情報を記憶する構成としてもよい。
【0089】
また、上記実施の形態では、参照伝票のデータを入力伝票の入力欄にコピーするのみの構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、参照伝票のデータを入力伝票の入力欄にコピーする際に、当該参照伝票のコピー分の度数をさらに追加して積算する構成としてもよい。
【0090】
また、ユーザの操作入力に応じて、ユーザが重要と認識する伝票を選択し、情報処理装置10は、選択された伝票の特性(値引率が高い、同様の組合せ商品がある等)を分析し、その分析結果を、参照伝票の候補の検索条件に含める構成としてもよい。
【0091】
また、上記実施の形態では、全てのユーザが作成又は編集した伝票を参照伝票の候補とする構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、入力伝票の入力中のユーザ(ログインユーザ)やそのグループが過去に作成した伝票を参照伝票の候補として検索する構成としてもよい。
【0092】
また、上記実施の形態では、文書として、売上伝票等の伝票を用いる構成としたが、これに限定されるものではない。文書としては、ワードプロセッサ、表計算ソフトウェア等のアプリケーションで用いるデータファイルを用いる構成としてもよい。また、参照文書としてヘルプガイダンス等を用いる構成としてもよい。
【0093】
また、上記実施の形態における情報処理装置10の各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【0094】
本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
表示画面を表示する表示手段と、
操作入力を受け付ける操作手段と、
文書と、当該文書の過去の参照表示における参照量を示す参照量情報と、を記憶する記憶手段と、
前記操作手段を介する操作入力に応じて、データを入力する入力文書を前記表示画面内に表示する第1の制御手段と、
前記入力文書に入力されたキー項目を含む検索条件に応じて、前記記憶された文書を検索する検索手段と、
前記記憶された参照量情報に応じて、前記検索された文書のうち参照量が最も多い文書を含む少なくとも1つの文書を、参照文書の候補として前記表示画面内に表示する第2の制御手段と、を備える情報処理装置。
<請求項2>
前記第2の制御手段は、前記検索された文書を前記記憶された参照量情報に応じて参照量が多い順にソートし、当該ソートした文書を参照文書の候補として表示する請求項1に記載の情報処理装置。
<請求項3>
前記操作手段を介して参照文書の候補が選択されると、当該選択された候補を参照文書として前記表示画面内に表示する第3の制御手段と、
前記表示された参照文書の参照量を測定し、前記記憶手段に記憶された参照文書の参照量情報に積算して更新する更新手段と、を備える請求項1又は2に記載の情報処理装置。
<請求項4>
前記参照量情報は、参照文書を参照したユーザの識別情報に対応付けられ、
前記検索条件は、前記入力文書の入力を行うユーザの識別情報を含む請求項3に記載の情報処理装置。
<請求項5>
前記第3の制御手段は、前記操作手段を介して参照文書のデータのコピー操作が指示入力されると、当該データを前記入力文書の入力欄にコピーする請求項3又は4に記載の情報処理装置。
<請求項6>
前記更新手段は、前記操作手段を介して入力された参照文書の重要度を示す係数を前記測定された参照量にかけて、当該係数がかけられた参照量を前記記憶された参照文書の参照量情報に積算して更新する請求項3から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
<請求項7>
前記参照量情報は、文書の参照度数又は参照時間である請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
<請求項8>
コンピュータを、
表示画面を表示する表示手段、
操作入力を受け付ける操作手段、
文書と、当該文書の過去の参照表示における参照量を示す参照量情報と、を記憶する記憶手段、
前記操作手段を介する操作入力に応じて、データを入力する入力文書を前記表示画面内に表示する第1の制御手段、
前記入力文書に入力されたキー項目を含む検索条件に応じて、前記記憶された文書を検索する検索手段、
前記記憶された参照量情報に応じて、前記検索された文書のうち参照量が最も多い文書を含む少なくとも1つの文書を、参照文書の候補として前記表示画面内に表示する第2の制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0095】
10 情報処理装置
11 CPU
12 操作部
13 RAM
14 表示部
15 記憶部
16 通信部
17 計時部
18 バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10