特許第6127690号(P6127690)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6127690
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20170508BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20170508BHJP
【FI】
   H04N1/00 C
   H04M1/00 R
【請求項の数】8
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2013-92710(P2013-92710)
(22)【出願日】2013年4月25日
(65)【公開番号】特開2014-216846(P2014-216846A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2015年8月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】特許業務法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 弘和
【審査官】 大室 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−096703(JP,A)
【文献】 特開2012−108943(JP,A)
【文献】 特開2007−189750(JP,A)
【文献】 特開2012−034023(JP,A)
【文献】 特開2005−335282(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J29/00−29/70
G03G15/00
G03G15/36
G03G21/00−21/02
G03G21/14
G03G21/20
G06F 3/09−3/12
H04M 1/00
H04M 1/24−1/82
H04M99/00
H04N 1/00
H04N 1/32
H04N 1/34−1/36
H04N 1/42−1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ送信の相手先を特定する文字列である送信先情報が登録された送信先リストの中から、前記相手先を指定する操作を受け付ける受付手段と、
前記データ送信を伴う情報処理で用いられる処理パラメータを意味するオブジェクト画像を、予め決められた表示領域に表示する表示制御手段であって、
前記操作により前記相手先が指定されると、前記送信先リストに登録された当該相手先についての情報を、前記オブジェクト画像に代えて当該オブジェクト画像が表示されていた位置に表示し、設定された時間が経過すると、前記オブジェクト画像の表示に戻す表示制御手段と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記送信先リストは、前記データ送信の相手先毎に、少なくとも当該データ送信に用いられる送信先情報が登録され、
前記表示制御手段は、
前記操作により前記相手先が指定されると、当該相手先の名称又は当該相手先についての前記送信先情報を、前記オブジェクト画像に代えて当該オブジェクト画像が表示されていた位置に表示する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報処理は、前記データ送信と前記データ送信とは別の処理とを伴い、
前記表示制御手段は、
前記情報処理が実行される前において、現在選択されている前記別の処理に関する処理パラメータを意味する前記オブジェクト画像を表示し、前記操作により前記相手先が指定されると、前記送信先リストに登録された当該相手先についての情報を、当該オブジェクト画像に代えて当該オブジェクト画像が表示されていた位置に表示する
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、
前記表示領域に含まれる第1の領域において、第1の処理条件の処理パラメータを意味する前記オブジェクト画像を表示し、前記表示領域に含まれる第2の領域において第2の処理条件の処理パラメータを表示し、前記操作により前記相手先が指定されると、前記第2の領域の表示はそのままに、前記オブジェクト画像に代えて当該相手先についての情報を表示する
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記送信先リストは、
前記相手先の各々を識別する識別情報を含み、
前記受付手段は、
前記識別情報を指定する前記操作を受け付け、
前記表示制御手段は、
前記操作で指定された前記識別情報が、前記送信先リストに含まれる前記識別情報と合致すると、前記相手先についての情報の表示を開始する
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、
選択的に用いられる複数の前記処理パラメータのうち、選択中の前記処理パラメータの前記オブジェクト画像を表示する
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
データ送信の相手先を特定する文字列である送信先情報が登録された送信先リストの中から、前記相手先を指定する第1操作を受け付ける第1受付手段と、
前記データ送信を伴う情報処理で選択的に用いられる複数の処理パラメータの中で、選択中の前記処理パラメータを変更する第2操作を受け付ける第2受付手段と、
選択中の前記処理パラメータを意味するオブジェクト画像を、予め決められた表示領域に表示する表示制御手段であって、
前記第1操作により前記相手先が指定されると、前記送信先リストに登録された当該相手先についての情報を、前記オブジェクト画像に代えて当該オブジェクト画像が表示されていた位置に表示し、設定された時間が経過すると、前記オブジェクト画像の表示に戻し、
前記第2操作により前記処理パラメータが変更されると、表示中の前記オブジェクト画像を、変更後の前記処理パラメータを意味する前記オブジェクト画像に変化させる表示制御手段と、
選択中の前記処理パラメータを用いて前記情報処理を実行する実行手段と
を備える情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータを、
データ送信の相手先を特定する文字列である送信先情報が登録された送信先リストの中から、前記相手先を指定する操作を受け付ける受付手段と、
前記データ送信を伴う情報処理で用いられる処理パラメータを意味するオブジェクト画像を、予め決められた表示領域に表示する表示制御手段であって、
前記操作により前記相手先が指定されると、前記送信先リストに登録された当該相手先についての情報を、前記オブジェクト画像に代えて当該オブジェクト画像が表示されていた位置に表示し、設定された時間が経過すると、前記オブジェクト画像の表示に戻す表示制御手段
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、誤送信防止効果を享受するために、ユーザが操作キー部を用いて操作入力するか又はアドレス帳データから選択入力することによって、宛先アドレス情報を指定した場合に、その宛先アドレス情報をユーザに確認させるために印字出力することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−109751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成装置等の情報処理装置には、情報処理の処理条件を指定するパラメータ(以下「処理パラメータ」という。)であって、選択中の処理パラメータの情報を表示する機能を有しているものがある。ただし、この種の情報処理装置では、表示領域の制約を受けて、表示可能な情報の量が制限されてしまうことがある。
本発明の目的は、送信先情報を登録した送信先リストの中からデータ送信の相手先を指定する場合に、表示領域の制約を受けるときであっても、データ送信を伴う情報処理で用いられる処理パラメータの情報と、そのデータ送信の相手先についての情報とを利用者に把握させるための表示を行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る情報処理装置は、データ送信の相手先を特定する文字列である送信先情報が登録された送信先リストの中から、前記相手先を指定する操作を受け付ける受付手段と、前記データ送信を伴う情報処理で用いられる処理パラメータを意味するオブジェクト画像を、予め決められた表示領域に表示する表示制御手段であって、前記操作により前記相手先が指定されると、前記送信先リストに登録された当該相手先についての情報を、前記オブジェクト画像に代えて当該オブジェクト画像が表示されていた位置に表示し、設定された時間が経過すると、前記オブジェクト画像の表示に戻す表示制御手段とを備える。
【0006】
本発明の請求項2に係る情報処理装置は、請求項1に係る構成において、前記送信先リストは、前記データ送信の相手先毎に、少なくとも当該データ送信に用いられる送信先情報が登録され、前記表示制御手段は、前記操作により前記相手先が指定されると、当該相手先の名称又は当該相手先についての前記送信先情報を、前記オブジェクト画像に代えて当該オブジェクト画像が表示されていた位置に表示する
【0007】
本発明の請求項3に係る情報処理装置は、請求項1又は2に係る構成において、前記情報処理は、前記データ送信と前記データ送信とは別の処理とを伴い、前記表示制御手段は、前記情報処理が実行される前において、現在選択されている前記別の処理に関する処理パラメータを意味する前記オブジェクト画像を表示し、前記操作により前記相手先が指定されると、前記送信先リストに登録された当該相手先についての情報を、当該オブジェクト画像に代えて当該オブジェクト画像が表示されていた位置に表示する
【0008】
本発明の請求項4に係る情報処理装置は、請求項1から3のいずれか1項に係る構成において、前記表示制御手段は、前記表示領域に含まれる第1の領域において、第1の処理条件の処理パラメータを意味する前記オブジェクト画像を表示し、前記表示領域に含まれる第2の領域において第2の処理条件の処理パラメータを表示し、前記操作により前記相手先が指定されると、前記第2の領域の表示はそのままに、前記オブジェクト画像に代えて当該相手先についての情報を表示する
【0009】
本発明の請求項5に係る情報処理装置は、請求項1から4のいずれか1項に係る構成において、前記送信先リストは、前記相手先の各々を識別する識別情報を含み、前記受付手段は、前記識別情報を指定する前記操作を受け付け、前記表示制御手段は、前記操作で指定された前記識別情報が、前記送信先リストに含まれる前記識別情報と合致すると、前記相手先についての情報の表示を開始する。
【0010】
本発明の請求項6に係る情報処理装置は、請求項1から5のいずれか1項に係る構成において、前記表示制御手段は、選択的に用いられる複数の前記処理パラメータのうち、選択中の前記処理パラメータの前記オブジェクト画像を表示する。
【0011】
本発明の請求項7に係る情報処理装置は、データ送信の相手先を特定する文字列である送信先情報が登録された送信先リストの中から、前記相手先を指定する第1操作を受け付ける第1受付手段と、前記データ送信を伴う情報処理で選択的に用いられる複数の処理パラメータの中で、選択中の前記処理パラメータを変更する第2操作を受け付ける第2受付手段と、選択中の前記処理パラメータを意味するオブジェクト画像を、予め決められた表示領域に表示する表示制御手段であって、前記第1操作により前記相手先が指定されると、前記送信先リストに登録された当該相手先についての情報を、前記オブジェクト画像に代えて当該オブジェクト画像が表示されていた位置に表示し、設定された時間が経過すると、前記オブジェクト画像の表示に戻し、前記第2操作により前記処理パラメータが変更されると、表示中の前記オブジェクト画像を、変更後の前記処理パラメータを意味する前記オブジェクト画像に変化させる表示制御手段と、選択中の前記処理パラメータを用いて前記情報処理を実行する実行手段とを備える。
【0012】
本発明の請求項8に係るプログラムは、コンピュータを、データ送信の相手先を特定する文字列である送信先情報が登録された送信先リストの中から、前記相手先を指定する操作を受け付ける受付手段と、前記データ送信を伴う情報処理で用いられる処理パラメータを意味するオブジェクト画像を、予め決められた表示領域に表示する表示制御手段であって、前記操作により前記相手先が指定されると、前記送信先リストに登録された当該相手先についての情報を、前記オブジェクト画像に代えて当該オブジェクト画像が表示されていた位置に表示し、設定された時間が経過すると、前記オブジェクト画像の表示に戻す表示制御手段として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明によれば、送信先情報を登録した送信先リストの中からデータ送信の相手先を指定する場合に、表示領域の制約を受けるときであっても、データ送信を伴う情報処理で用いられる処理パラメータの情報と、そのデータ送信の相手先についての情報とを利用者に把握させるための表示を行うことができる。
請求項2に係る発明によれば、データ送信の相手先毎に、少なくとも当該データ送信に用いられる送信先情報を登録した送信先リストの中からデータ送信の相手先を指定する場合に、表示領域の制約を受けるときであっても、データ送信を伴う情報処理で用いられる処理パラメータの情報と、そのデータ送信の相手先の名称又は当該相手先についての送信先情報とを利用者に把握させるための表示を行うことができる。
請求項3に係る発明によれば、送信先情報を登録した送信先リストの中からデータ送信の相手先を指定する場合に、表示領域の制約を受けるときであっても、データ送信とデータ送信とは別の処理とを伴う情報処理で用いられる処理パラメータであって現在選択されている当該別の処理に関する処理パラメータの情報と、当該データ送信の相手先についての情報とを利用者に把握させるための表示を行うことができる。
請求項4に係る発明によれば、表示領域に含まれる第1の領域において、第1の処理条件の処理パラメータを意味するオブジェクト画像を表示し、その表示領域に含まれる第2の領域において第2の処理条件の処理パラメータを表示し、操作によりデータ送信の相手先が指定されると、第2の領域の表示はそのままにしつつ、第1の領域で当該相手先についての情報を表示することができる。
請求項5に係る発明によれば、データ送信の相手先を識別する識別情報によって、その相手先が指定された場合であっても、指定された相手先の情報を利用者に把握させることができる。
請求項6に係る発明によれば、選択的に用いられる複数の処理パラメータのうち、選択中の処理パラメータを利用者に把握させるためのオブジェクト画像を表示することができる。
請求項7に係る発明によれば、送信先情報を登録した送信先リストの中からデータ送信の相手先を指定する場合に、表示領域の制約を受けるときであっても、データ送信を伴う情報処理で用いられる処理パラメータの情報と、そのデータ送信の相手先についての情報とを利用者に把握させるための表示を行うことができる。
請求項8に係る発明によれば、送信先情報を登録した送信先リストの中からデータ送信の相手先を指定する場合に、表示領域の制約を受けるときであっても、データ送信を伴う情報処理で用いられる処理パラメータの情報と、そのデータ送信の相手先についての情報とを利用者に把握させるための表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の正面図。
図2】同画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図。
図3】同実施形態に係るアドレス帳データの構成例を示す図。
図4】同実施形態に係る画像形成装置の図1の矢印aで示す位置の構成を示す図。
図5】同画像形成装置で表示される操作画面を示す図。
図6】同画像形成装置の制御部の機能構成を示すブロック図。
図7】同画像形成装置での処理の流れを示すフローチャート。
図8】同画像形成装置での操作画面の遷移を示す図(読取濃度)。
図9】同画像形成装置での操作画面の遷移を示す図(原稿種)。
図10】同画像形成装置での操作画面の遷移を示す図(両面とじ原稿)。
図11】同画像形成装置での操作画面の遷移を示す図(送信解像度)。
図12】同画像形成装置での操作画面の遷移を示す図(カラーモード)。
図13】同画像形成装置での操作画面の遷移を示す図(表示方法A)。
図14】同画像形成装置での操作画面の遷移を示す図(表示方法B)。
図15】同画像形成装置での操作画面の遷移を示す図(表示方法C)。
図16】同画像形成装置の設定時間を決定する処理の流れを示すフローチャート。
図17】同画像形成装置での操作画面の遷移の他の例を示す図。
図18】同画像形成装置でのアドレス帳画面から操作画面への画面遷移を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。以下、本発明の情報処理装置を画像形成装置に適用した場合を説明する。
図1は、画像形成装置10の正面図である。図1に示すように、画像形成装置10は、ここではいわゆるコンソール型であり、例えば、スキャン処理、ファクシミリ送信処理及びコピー処理等の複数種類の情報処理を実行する機能を有している。このうち、スキャン処理及びファクシミリ送信処理は、データ送信を伴う情報処理である。
【0016】
図2は、画像形成装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。図2に示すように、画像形成装置10は、制御部11と、操作部12と、通信部13と、表示部14と、画像読取部15と、画像形成部16と、記憶部17とを備える。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)を含む演算装置やメモリを備える制御装置であり、画像形成装置10の各部を制御する。操作部12は、複数の操作子を備え、利用者により操作される操作装置である。操作部12は、利用者により行われた操作を示す操作信号を制御部11へ供給する。通信部13は、例えばモデムを備え、インターネットや電話回線を含む通信回線200に接続して通信するインタフェースある。通信部13は、画像形成装置10でスキャン処理又はファクシミリ送信処理が実行されるときに、通信回線200経由で外部装置へデータ送信する。表示部14は、例えば液晶ディスプレイであり、表示パネル141(図4参照)に画像(画面)を表示する表示装置である。
【0017】
画像読取部15は、例えばスキャナであり、原稿の画像を読み取って、読み取った画像を表す画像データを制御部11へ供給する。画像形成部16は、例えば電子写真プロセスで用紙等のシートに画像を形成するプリンタである。画像形成装置10でスキャン処理が実行される場合、制御部11は、画像読取部15により原稿を読み取って生成された画像データを、通信部13を用いて、電子メールアドレスで特定される相手先へデータ送信する。画像形成装置10でファクシミリ送信処理が実行される場合、制御部11は、画像読取部15により原稿を読み取って生成された画像データを、通信部13を用いて、ファクシミリ番号で特定される相手先へデータ送信する。画像形成装置10でコピー処理が実行される場合、制御部11は、画像読取部15により原稿を読み取って生成された画像データに応じた画像を、画像形成部16に形成させる。
【0018】
記憶部17は、例えばハードディスク装置を備え、制御部11により実行される制御プログラム及びアドレス帳データ171を記憶する。アドレス帳データ171は、データ送信の相手先毎に、その相手先についての情報を登録した送信先リストである。
【0019】
図3は、アドレス帳データ171の構成例を示す図である。図3に示すように、アドレス帳データ171は、登録IDと、相手先名と、電子メールアドレスと、ファクシミリ番号とを1つのレコードで関連付けたデータセットを、複数レコード含んで構成される。
登録IDは、レコードを識別する識別情報であり、ここでは数値で表される。アドレス帳データ171において1つのレコードで関連付けられたデータセットは、データ送信の1つの相手先に対応する。よって、登録IDは、アドレス帳データ171に情報が登録された相手先の各々を識別する識別情報(つまり相手先ID)と同義といって差し支えない。
【0020】
相手先名は、データ送信の相手先の名称である。この相手先名は、画像形成装置10の利用者によって設定される名称であり、例えば、氏名(個人名)や法人名(例えば企業名)に設定される。電子メールアドレスは、電子メールを用いてデータ送信するために用いられる送信先情報である。ファクシミリ番号は、ファクシミリ送信処理でデータ送信するために用いられる送信先情報である。電子メールアドレス及びファクシミリ番号の各々は、データ送信の相手先を特定する文字列であり、その相手先毎に異なる文字列となる。
なお、図3の例では、データ送信の各相手先について電子メールアドレス及びファクシミリ番号が設定されているが、電子メールアドレス又はファクシミリ番号のどちらか一方だけが設定されていてもよい。
【0021】
図4は、画像形成装置10の図1の矢印aで示す位置の構成を示す図である。図4に示すように、画像形成装置10の矢印aで示す位置には、表示部14の構成要素である表示パネル141、及び、操作部12の構成要素である変更キー121,122,123,124と、方向/確定キー125と、テンキー126と、スタートキー127と、アドレス帳キー128との各操作キー(ここでは物理キー)が設けられている。利用者は、画像形成装置10の正面側に立って、表示パネル141に表示された画像を視認したり、操作部12の各操作キーを操作したりする。表示パネル141は、ここでは、縦方向よりも横方向に長い矩形の表示領域を有している。
【0022】
変更キー121,122,123及び124の各々は、画像形成装置10で実行される情報処理の処理条件を指定(つまり変更)するために操作される。変更キー121から124の各々は、情報処理の処理条件のいずれか1種類に対応し、且つ、互いに異なる種類の処理条件に対応している。方向/確定キー125は、上下左右の各方向を指示するための4つの方向キーと、4つの方向キーに囲まれて設けられ、利用者が指定した事項を確定するための確定キーとを含む。テンキー126は、「0」から「9」までの各数値を指示するための数値キーと、「*(アスタリスク)」キーと、「♯(シャープ)」キーとを含む。スタートキー127は、情報処理の実行開始を指示するときに操作される。アドレス帳キー128は、アドレス帳データ171に登録された情報を含むアドレス帳画面の表示を指示するときに操作される。
【0023】
図5は、表示パネル141に表示される操作画面Rを示す図である。操作画面Rは、スキャン処理の処理条件を指定するための操作画面である。表示パネル141は、約30文字×4行分の文字列を表示する寸法の表示領域を有している。以下では、表示パネル141の表示領域のうち、第1行に相当する表示領域を「表示領域141a」とし、第2行から第4行に相当する領域を「表示領域141b」として説明する。
なお、図5及び他の図面において、表示領域141bの文字列をハイライト表示している場合には、この文字列にカーソルが合わせられていることを意味する。カーソルを用いた操作については後で説明する。
【0024】
表示領域141aでは、利用者から見て左側に、「Scan to[※]」(図5では「※」の部分は空欄)という文字列が表示される。この文字列は、スキャン処理で生成された画像データの送信先を意味する。送信先が未設定の場合には、図5に示すとおり、大括弧内が空欄である。アドレス帳データ171に登録された相手先が、送信先に設定された場合には、その相手先の登録IDが大括弧内に表示される。
【0025】
また、表示領域141aでは、利用者から見て「Scan to[※]」の文字列の右側に、オブジェクト画像I1,I2,I3及びI4(ここではアイコン画像)が左から順に配置されている。オブジェクト画像I1からI4の各々は、スキャン処理の互いに異なる処理条件に対応し、各処理条件の選択中の処理パラメータを意味する(象徴する)画像である。
【0026】
具体的には、オブジェクト画像I1は、画像読取部15による原稿の読取濃度を指定する処理条件である、「読取濃度」に対応する。この読取濃度では、読取濃度が異なる5つ(5段階)の処理パラメータのうち、いずれか1つの処理パラメータが選択される。オブジェクト画像I1は、読取濃度として「最高濃度」が選択中であることを意味する画像である。読取濃度の処理パラメータを変更する場合には、変更キー121が利用者に操作される。
【0027】
オブジェクト画像I2は、画像読取部15が読み取る原稿の種別を指定する処理条件である、「原稿種」に対応する。この原稿種では、主に文字が含まれることを意味する「文字」と、写真及び文字がバランス良く含まれることを意味する「写真&文字」と、主に写真が含まれることを意味する「写真」という、3つの処理パラメータのうち、いずれか1つの処理パラメータが選択される。オブジェクト画像I2は、原稿種として「文字」が選択中であることを意味する画像である。原稿種の処理パラメータを変更する場合には、変更キー122が利用者に操作される。
【0028】
オブジェクト画像I3は、読み取る原稿の片面/両面種別と両面時のとじ方向を指定する処理条件である、「両面とじ原稿」に対応する。この両面とじ原稿条件では、片面原稿を意味する「なし」と、長辺とじの両面原稿を意味する「長辺とじ」と、短辺とじ原稿を意味する「短辺とじ」という、3つの処理パラメータのうち、いずれか1つの処理パラメータが選択される。オブジェクト画像I3は、両面とじ原稿条件として「なし(片面原稿)」が選択中であることを意味する画像である。両面とじ原稿条件の処理パラメータを変更する場合には、変更キー123が利用者に操作される。
【0029】
オブジェクト画像I4は、画像読取部15によって読み取った原稿を送信する際の解像度を指定する処理条件である、「送信解像度」がある。この送信解像度では、縦方向及び横方向の解像度として、「200×200dpi(dots per inch)」と、「300×300dpi」と、「400×400dpi」と、「600×600dpi」という、4つの処理パラメータのうち、いずれか1つの処理パラメータが選択される。オブジェクト画像I4は、送信解像度として「200×200dpi」が選択中であることを意味する画像である。送信解像度の処理パラメータを変更する場合には、変更キー124が利用者に操作される。
【0030】
オブジェクト画像I1からI4のうち、左からi番目(ただし、i=1から4)に表示されたオブジェクト画像と、変更キー121から124のうち、左からi番目に設けられた変更キーとは、同じ処理条件に対応する。また、オブジェクト画像I1からI4の各々は、対応する処理条件の処理パラメータが変更させられると、変更後の処理パラメータを意味するオブジェクト画像に変化させられる。このオブジェクト画像の変化については後で説明する。
【0031】
表示領域141bでは、変更キー121から124に対応する処理条件とは別の処理条件の情報が表示される。表示領域141bでは、表示パネル141の第2行から第4行の各行に相当する領域で、処理パラメータの名称と、選択中の処理パラメータを意味する文字列とが互いに関連付けて表示される。
図5に示すように、表示パネル141の第2行に相当する領域には、処理条件として「カラーモード」と、カラーモードについて選択中の処理パラメータを意味する「カラー」という文字列とが表示される。カラーモードは、画像読取部15により読み取る画像の色を指定する処理条件である。このカラーモードは、画像読取部15が有しているR(赤)、G(緑)及びB(青)のCCD(Charge Coupled Device)を使用する「カラー」と、モノクロのCCDのみを使用する「白黒」と、原稿に使用されている色に応じて制御部11が使用するCCDを判断する「自動」という3つの処理パラメータのうち、いずれか1つの処理パラメータが選択される。
【0032】
表示パネル141の第3行に相当する領域には、処理条件として「ファイル形式」と、ファイル形式について選択中の処理パラメータである「PDF(Portable Document Format)」という文字列とが表示される。ファイル形式は、画像読取部15により生成される画像データのファイル形式を指定する処理条件である。このファイル形式は、PDF等のファイル形式が互いに異なる複数の処理パラメータのうち、いずれか1つの処理パラメータが選択される。
【0033】
表示パネル141の第4行に相当する領域には、処理条件として「読取サイズ」と、読み取り対象の原稿のサイズについて選択中の処理パラメータである「A4」という文字列が表示される。読取サイズは、A4等の読取サイズが異なる複数の処理パラメータのうち、いずれか1つの処理パラメータが選択される。
【0034】
表示領域141bに情報が表示されるカラーモード、ファイル形式及び読取サイズの各処理条件については、変更キー121から124ではなく、方向/確定キー125の操作により処理パラメータが変更させられる。
ここでは詳細な説明及び図示を省略するが、ファクシミリ送信処理やコピー処理の処理条件を変更する場合にも、変更キー121から124は、互いに異なる処理条件に対応し、且つ、対応する処理条件の処理パラメータを変更するために操作される。また、表示領域141bには、変更キー121から124に対応する処理条件とは別の処理条件の情報が表示される。
【0035】
図6は、画像形成装置10の機能構成を示すブロック図である。図6に示すように、画像形成装置10の制御部11は、記憶部17に記憶された制御プログラムを実行することにより、第1受付手段111と、第2受付手段112と、表示制御手段113と、実行手段114とに相当する機能を実現する。
第1受付手段111は、アドレス帳データ171の中から、データ送信の相手先を指定する操作(第1操作)を受け付ける。例えば、第1受付手段111は、テンキー126を用いて登録IDを指定する操作により、データ送信の相手先を指定する操作を受け付ける。また、第1受付手段111は、アドレス帳データ171に基づいてアドレス帳画面が表示パネル141に表示されているときに、方向/確定キー125を用いて相手先を指定する操作を受け付ける。
【0036】
第2受付手段112は、情報処理で選択的に用いられる複数の処理パラメータの中で、選択中の処理パラメータを変更する操作(第2操作)を受け付ける。情報処理の処理条件が複数ある場合には、第2受付手段112は、処理条件毎に、処理パラメータを変更する操作を受け付ける。例えば、第2受付手段112は、変更キー121から124を用いて処理パラメータを変更する操作、及び、方向/確定キー125を用いて処理パラメータを変更する操作を受け付ける。
【0037】
表示制御手段113は、表示部14の表示パネル141に画像を表示する表示制御を行う。例えば、表示制御手段113は、テンキー126を用いてデータ送信の相手先が指定されると、アドレス帳データ171に登録されたこの相手先についての情報を含む表示情報を、オブジェクト画像に代えて、表示領域141aに表示する。表示制御手段113は、表示情報を表示して、設定された時間が経過すると、オブジェクト画像の表示に戻す。
【0038】
また、表示制御手段113は、第2受付手段112が受け付けた操作により、表示領域141aにオブジェクト画像が表示されている処理条件の処理パラメータが変更されると、表示中のオブジェクト画像を、変更後の処理パラメータを意味するオブジェクト画像に変化させる。表示制御手段113は、第2受付手段112が受け付けた操作により、表示領域141bに情報が表示される処理条件の処理パラメータが変更されると、表示領域141bに表示される選択中の処理パラメータを示す文字列を変化させる。
【0039】
実行手段114は、選択中の処理パラメータを用いて情報処理を実行するように、画像形成装置10の各部を制御する。スキャン処理又はファクシミリ処理を実行する場合、実行手段114は、画像読取部15により生成された画像データを、通信部13を用いて、指定された相手先へデータ送信する。
【0040】
図7は、画像形成装置10でスキャン処理が実行されるときの処理の流れを示すフローチャートである。図8は、読取濃度の処理パラメータが変更させられるときの操作画面の遷移を示す図である。
画像形成装置10の制御部11は、例えば、画像形成装置10の電源投入後や特定の操作が行われた場合に、表示パネル141にスキャン処理に関する操作画面を表示するよう、表示部14を制御する(ステップS1)。ここでは、制御部11は、図5に示す操作画面Rを表示パネル141に表示する。操作画面Rは、例えば、標準設定の処理パラメータが選択中のときに表示される操作画面である。
【0041】
次に、制御部11は、処理パラメータを変更する操作を受け付けたかどうかを判断する(ステップS2)。ステップS2の処理では、制御部11は、変更キー121から124を用いた操作、又は、方向/確定キー125を用いた操作のどちらか一方が行われたかどうかを判断する。ステップS2の処理で「YES」と判断した場合、制御部11は、処理パラメータを変更する操作が、変更キー121から124を用いて行われた操作かどうかを判断する(ステップS3)。制御部11は、変更キー121から124を用いた操作と判断した場合(ステップS3;YES)、表示領域141aのオブジェクト画像を変化させるように、操作画面Rを更新する(ステップS4)。
【0042】
ここで、利用者により変更キー121が1回操作されて、読取濃度の処理パラメータを変更することが指示された場合を考える。この場合、制御部11は、変更キー121の1回の操作により、読取濃度の処理パラメータを、1段階低い濃度とするように変更する。制御部11は、変更キーを用いた操作により処理パラメータが変更させられると、その操作がある度に、メモリ又は記憶部17に記憶されている選択中の処理パラメータの情報を更新する。この処理パラメータの変更に伴い、制御部11は、ステップS4の処理では、図8(a)に示す操作画面に更新する。
具体的には、制御部11は、表示領域141aのオブジェクト画像I1を、オブジェクト画像I1aに変化させる。オブジェクト画像I1は、読取濃度が5段階中の最高濃度を意味する画像であるのに対し、オブジェクト画像I1aは、読取濃度が5段階中の2番目に高い濃度であることを意味する画像である。また、制御部11は、表示領域141bに、読取濃度の処理パラメータの選択肢、及び、選択中の処理パラメータを意味する情報を表示する。具体的には、制御部11は、読取濃度の処理パラメータの選択肢が5つであることを意味する、5つのマス目からなるスケール画像SIを表示するとともに、選択中の処理パラメータに応じた位置にカーソルC1を表示する。ここでは、制御部11は、スケール画像SIの左から2番目のマス目を指す位置で、カーソルC1を表示する。
【0043】
ステップS4の処理で操作画面を更新すると、制御部11は、情報処理の開始を指示する操作を受け付けたかどうかを判断する(ステップS5)。ステップS5の処理では、制御部11は、操作画面の表示中に、スタートキー127が操作されたかどうかを判断する。制御部11は、未だ情報処理の開始を指示する操作を受け付けていないと判断すると(ステップS5;NO)、ステップS2の処理に戻る。
【0044】
ここで、図8(a)に示す操作画面に更新された後、利用者により変更キー121が複数回操作された場合の画像形成装置10の動作を説明する。この場合、制御部11は、ステップS2からS6の処理ステップを、変更キー121が操作された回数だけ繰り返し実行する。
図8(a)に示す操作画面の表示中に、変更キー121が1回操作されると、制御部11は、図8(b)に示す操作画面に更新する。すなわち、制御部11は、オブジェクト画像I1aを、5段階中の3番目に高い濃度であることを意味するオブジェクト画像I1bに変化させる。また、制御部11は、スケール画像SIの左から3番目のマス目を指す位置で、カーソルC1を表示する。図8(b)に示す操作画面の表示中に、変更キー121が1回操作されると、制御部11は、図8(c)に示す操作画面に更新する。すなわち、制御部11は、オブジェクト画像I1bを、5段階中の4番目に高い濃度であることを意味するオブジェクト画像I1cに変化させる。また、制御部11は、スケール画像SIの左から4番目のマス目を指す位置で、カーソルC1を表示する。図8(c)に示す操作画面の表示中に、変更キー121が1回操作されると、制御部11は、図8(d)に示す操作画面に更新する。すなわち、制御部11は、オブジェクト画像I1cを、5段階中の5番目に高い濃度(すなわち最低濃度)であることを意味するオブジェクト画像I1dに変化させる。また、制御部11は、スケール画像SIの左から5番目(つまり右端)のマス目を指す位置で、カーソルC1を表示する。図8(d)に示す操作画面の表示中に、変更キー121が1回操作されると、制御部11は、図8(e)に示す操作画面に更新する。すなわち、制御部11は、オブジェクト画像I1bを、最高濃度であることを意味するオブジェクト画像I1に変化させる。また、制御部11は、スケール画像SIの左端のマス目を指す位置で、カーソルC1を表示する。
変更キー121が更に操作された場合であっても、制御部11は、図8(a)→図8(b)→図8(c)→図8(d)→図8(e)→図8(a)→・・・の順で、操作画面を更新する。
【0045】
変更キー122,123及び124が操作された場合にも、制御部11は、操作された変更キーに対応する処理条件の処理パラメータを変更する。この際、制御部11は、表示領域141aで表示中のオブジェクト画像を変化させるとともに、表示領域141bで、処理パラメータの選択肢及び選択中の処理パラメータを意味する情報を表示する。
【0046】
図9は、原稿種の処理パラメータが変更させられるときの操作画面の遷移を示す図である。図9に示すように、変更キー122が1回操作される度に、制御部11は、オブジェクト画像I2を、I2a→I2b→I2→・・・という順で変化させる。また、制御部11は、表示領域141bでは、選択中の処理パラメータの選択肢にカーソルC2を合わせるように、「写真&文字」→「写真」→「文字」→・・・という順で、カーソルC2を移動させる。
【0047】
図10は、両面とじ原稿条件の処理パラメータが変更させられるときの操作画面の遷移を示す図である。図10に示すように、変更キー123が1回操作される度に、制御部11は、オブジェクト画像I3を、I3a→I3b→I3→・・・という順で変化させる。また、制御部11は、表示領域141bでは、選択中の処理パラメータの選択肢にカーソルC3を合わせるように、「なし」→「長辺とじ」→「短辺とじ」→・・・という順で、カーソルC3を移動させる。
【0048】
図11は、送信解像度の処理パラメータが変更させられるときの操作画面の遷移を示す図である。図11に示すように、変更キー124が1回操作される度に、制御部11は、オブジェクト画像I4を、I4a→I4b→I4c→I4→・・・という順で変化させる。また、制御部11は、表示領域141bでは、選択中の処理パラメータの選択肢にカーソルC4を合わせるように、「300×300dpi」→「400×400dpi」→「600×600dpi」→「200×200dpi」→・・・という順で、カーソルC4を移動させる。
なお、送信解像度の処理パラメータの選択肢は4つであるから、一度に全ての選択肢が表示領域141bに表示されるわけではない。最下行に表示された「400×400dpi」にカーソルC4が合わせられた状態で、変更キー124が操作された場合には、制御部11は、表示領域141bで表示中の選択肢を1行ずつ上に移動させて、新たに最下行に表示された「600×600dpi」にカーソルC4を合わせる。
【0049】
制御部11が、図7に示すステップS2の処理で処理パラメータを変更する操作を受け付けたと判断した後、ステップS3の処理で、変更キーの操作により処理パラメータが変更されていない、すなわち、方向/確定キー125の操作により処理パラメータが変更されたと判断した場合には(ステップS3;NO)、ステップS6の処理に進む。ステップS6の処理では、制御部11は、表示領域141aのオブジェクト画像を変化させずに、操作画面を更新する(ステップS6)。制御部11は、方向/確定キー125の操作により、カラーモードの処理パラメータを変更する操作を受け付けた場合には、以下に説明するように操作画面を更新する。
【0050】
図12は、カラーモードの処理パラメータが変更させられるときの操作画面の遷移を示す図である。ここでは、カラーモードの処理パラメータが変更させられる前は、図5に示す操作画面Rが表示されているものとする。
図12(a)に示すように、方向/確定キー125の方向キーの操作を受け付けると、制御部11は、この操作に従って、カラーモードの情報が表示された領域にカーソルC5を移動させる。次に、方向/確定キー125の確定キーを押す操作を受け付けると、制御部11は、図12(b)に示す操作画面に更新する。図12(b)に示す操作画面では、表示領域141bにおいて、カラーモードの処理パラメータの選択肢が表示される。図12(b)に示す操作画面では、選択中の処理パラメータを意味する「カラー」に、カーソルC5が合わせられている。図12(b)に示す操作画面の表示中に、方向/確定キー125の下方向の方向キーの操作を受け付けると、制御部11は、図12(c)に示すように、カーソルC5を1行分下に移動させて、「白黒」にカーソルC5を合わせる。図12(c)に示す操作画面の表示中に、方向/確定キー125の下方向の方向キーの操作を受け付けると、制御部11は、図12(d)に示すように、カーソルC5を1行分下に移動させて、「自動」にカーソルC5を合わせる。更に、図12(d)に示す操作画面の表示中に、方向/確定キー125の下方向の方向キーの操作を受け付けると、制御部11は、図12(a)に示すように、再び、「カラー」にカーソルC5を合わせる。
なお、制御部11は、方向/確定キー125の上方向の方向キーの操作を受け付けた場合には、カーソルC5を上方向に1行分移動させるとよい。
【0051】
制御部11は、カラーモードの処理パラメータのいずれかの選択肢にカーソルC5を合わせた状態で、方向/確定キー125の確定キーが操作されると、その処理パラメータを選択中とするように、メモリ又は記憶部17に記憶されている選択中の処理パラメータの情報を更新する。
「ファイル形式」及び「読取サイズ」の処理パラメータを変更する場合にも、制御部11は、カーソルで処理条件を選択する操作と、その処理条件の処理パラメータを選択する操作とを受け付ける。画面遷移の具体例については、図12を用いたカラーモードの説明と重複するから、ここでは説明及び図示を省略する。
【0052】
図7に戻って説明する。
制御部11は、ステップS2の処理で「NO」、すなわち、処理パラメータを変更する操作を受け付けていないと判断した場合には、ステップS7の処理に進む。次に、制御部11は、アドレス帳データ171の登録IDを指定する操作を受け付けたかどうかを判断する(ステップS7)。ここにおいて、制御部11は、テンキー126の数値キーの操作により指定された数値が、登録IDに一致するかどうかを判断する。ステップS7の処理で「NO」と判断した場合、制御部11は、ステップS5の処理に進む。
【0053】
一方、制御部11は、登録IDを指定する操作を受け付けたと判断した場合には(ステップS7;YES)、登録IDにより指定された相手先についての表示情報を、表示領域141aに表示する(ステップS8)。ここにおいて、制御部11が、登録IDとして「12」が指定する操作を受け付けていたとする。また、この登録IDの指定前の操作画面が、図13(a)に示す操作画面Rであったとする。この場合、制御部11は、ステップS8の処理で、図13(b)に示す操作画面に更新する。
すなわち、制御部11は、登録IDを指定するテンキー126の操作が行われる前やその操作中には、アドレス帳データ171の情報を表示パネル141に表示していない。その後、利用者により指定された登録IDが、アドレス帳データ171に含まれる登録IDと合致すると、制御部11は、この登録IDに対応付けられた相手先名を、表示領域141aに表示していたオブジェクト画像に代えて表示する。図13(b)に示す例では、制御部11は、オブジェクト画像I1から14に代えて、アドレス帳データ171で登録ID「12」に対応付けられた相手先名である、「山田太郎」という文字列を表示する。すなわち、制御部11は、オブジェクト画像I1から14を消去することにより、データ送信の相手先名の表示位置を確保する。また、制御部11は、表示領域141aにおいて、相手先名の左側に、「Scan to[12]」という文字列を表示する。
【0054】
次に、制御部11は、操作部12に対して何らかの操作を受け付けたかどうかを判断する(ステップS9)。制御部11は、操作部12に対する操作を受け付けていないと判断すると(ステップS9;NO)、設定時間が経過したかどうかを判断する(ステップS10)。制御部11は、表示領域141aに相手先名を表示した時刻からの経過時間を、図示せぬタイマを用いて計測し、設定時間が経過したかどうかを判断するとよい。この設定時間は、予め設定された時間に固定されており、例えば5秒である。ただし、この設定時間は、5秒未満であってもよいし、5秒よりも長い時間であってもよい。
【0055】
制御部11は、操作部12に対する操作を受け付けていない期間は、設定時間が経過するまで、表示領域141aでの相手先名の表示を維持したまま待機する(ステップS10;NO)。そして、制御部11は、設定時間が経過する前に操作部12に対する操作を受け付けるか(ステップS9;YES)、又は、操作部12に対する操作を受け付けることなく設定時間が経過したと判断した場合には(ステップS10;YES)、表示領域141aでの相手先名の表示を終了して、オブジェクト画像の表示に戻す(ステップS11)。図13(c)に示すように、制御部11は、アドレス帳データ171で登録ID「12」に対応付けられた相手先名である「山田太郎」に代えて、オブジェクト画像I1からI4を、再び表示領域141aに表示する。
なお、制御部11は、設定時間が経過する前に、操作部12に対する操作を受け付けた場合には(ステップS9;YES)、ステップS11の処理に進んで、直ちにオブジェクト画像の表示に戻す。すなわち、制御部11は、表示情報の表示中に操作部12に対する操作を受け付けた場合には、オブジェクト画像の表示に戻してから、その操作に従った処理を実行する。
なお、ステップS9からS11の処理ステップに関し、表示情報の表示中に、制御部11が操作を受け付けないように変形されてもよいし、制御部11は表示情報の表示を維持したまま、受け付けた操作に従った処理を実行するように変形されてもよい。また、制御部11は、相手先名を表示情報として表示することに代えて、送信先情報である電子メールアドレスを表示してもよい。
【0056】
利用者によりデータ送信の相手先と処理パラメータとが指定された後、制御部11が、ステップS5の処理で情報処理の開始を指示する操作を受け付けたと判断した場合には(ステップS5;YES)、その操作に従って情報処理を実行する(ステップS12)。ここでは、制御部11は、メモリ又は記憶部17に記憶された選択中の処理パラメータの情報に基づいて、スキャン処理を実行する。すなわち、制御部11は、画像読取部15により生成された画像データを、利用者により指定された登録IDに対応付けてアドレス帳データ171に記憶された電子メールアドレスで特定される送信先へ、通信部13を用いて送信する。
以上が、画像形成装置10がスキャン処理を実行するときの処理の流れの説明である。
【0057】
ところで、図13を用いて説明した表示情報の表示方法を、便宜的に(表示方法A)と称した場合、画像形成装置10は、この(表示方法A)とは異なる(表示方法B)又は(表示方法C)で、表示情報を表示してもよい。(表示方法B)及び(表示方法C)では、画像形成装置10が、オブジェクト画像に代えて、データ送信の相手先の情報を含む複数の表示情報を順次切り替えて表示する。
【0058】
まず、(表示方法B)について説明する。(表示方法B)では、図14(a)の操作画面Rの表示中に登録IDが指定されると、制御部11は、オブジェクト画像I1からI4に代えて相手先名を表示する(図14(b)参照)。次に、制御部11は、テンキー126の「♯」キーが操作されると、表示中の相手先名から、この相手先名と同じ登録IDに対応付けられた電子メールアドレスに切り替えて表示する(図14(c)参照)。次に、テンキー126の「♯」キーが操作されると、制御部11は、表示中の電子メールアドレスから、データの送信手段を意味する「E−mail」という文字列に切り替えて表示する(図14(d)参照)。次に、テンキー126の「♯」キーが操作されると、制御部11は、表示中の「E−mail」という文字列から、オブジェクト画像I1からI4の表示に戻す(図14(e)参照)。図14(b)から(d)に示す表示情報の表示中に、設定時間継続して、テンキー126の「♯」キーが操作されなかった場合には、制御部11は、オブジェクト画像I1からI4の表示に戻す。この場合の設定時間は、(表示方法A)で用いられる設定時間と同じ長さでもよいし、異なっていてもよい。
【0059】
次に、(表示方法C)について説明する。(表示方法C)では、図15(a)から(e)に示すように、制御部11は、設定時間が経過する度に、表示情報を切り替える。(表示方法C)で表示される表示情報は、ここでは、(表示方法B)で表示される表示情報と同じである。すなわち、表示情報の切り替えが利用者の操作を契機に行われるのではなく、設定時間が経過したことを契機に行われる点で、(表示方法B)と(表示方法C)とは異なる。この場合の設定時間は、(表示方法A)で用いられる設定時間と同じ長さでもよいし、異なっていてもよい。また、各表示情報についての設定時間は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0060】
画像形成装置10は、(表示方法A)、(表示方法B)及び(表示方法C)のいずれかを選択して、選択した表示方法で表示情報を表示してもよい。例えば、画像形成装置10は、利用者の指示に従っていずれかの表示方法を選択してもよい。
以上、スキャン処理を例に挙げて画像形成装置10の動作を説明したが、ファクシミリ送信処理を行う際にも、画像形成装置10は、図7を用いて説明した流れの処理を実行する。スキャン処理とファクシミリ送信処理とでは、処理パラメータの種類やオブジェクト画像が異なり、また、送信先情報が電子メールアドレスかファクシミリ番号かという点で異なる。ただし、画像形成装置10が、オブジェクト画像に代えて、一時的に、表示情報を表示する処理については、スキャン処理とファクシミリ送信処理とのどちらでも実行しうる。
【0061】
以上説明した実施形態の画像形成装置10は、アドレス帳データ171の中からデータ送信の相手先が指定されると、処理パラメータを意味するオブジェクト画像に代えて、一時的に、指定された相手先についての情報を含む表示情報を表示する。画像形成装置10の利用者がデータ送信の相手先が指定する際には、その利用者が、画像形成装置10で表示された表示情報を視認している可能性が相対的に高いと考えられるからである。また、画像形成装置10は、オブジェクト画像と、データ送信の相手先についての情報とを時間的にずらして表示するから、これらの情報を同時に表示する表示領域が確保されない等、表示パネル141の表示領域の制約を受ける場合であっても、処理パラメータの情報及び相手先の情報を表示しうる。
例えば、利用者が登録IDを覚えている場合、登録IDをテンキー126の操作により指定して、データ送信の相手先をアドレス帳データ171の中から選択する場合がある。この場合、登録IDの誤認等によって、利用者が誤った相手先を選択してしまい、誤送信が発生の原因となることがある。これに対し、画像形成装置10によれば、利用者の知らぬ間に誤送信が発生する可能性が低くなる。
【0062】
本発明は、上述した実施形態と異なる形態で実施してもよい。また、以下に示す変形例は、各々を組み合わせてもよい。
上述した実施形態で説明した、画像形成装置10が表示する表示情報はあくまで一例である。例えば、画像形成装置10は、登録IDに対応付けてアドレス帳データ171に登録された他の情報を、表示情報として表示してもよい。画像形成装置10は、電子メールアドレスのローカル部(「@」よりも前の部分)を表示情報としてもよいし、ファクシミリ番号から特定される地域名を表示情報としてもよい。
すなわち、画像形成装置10は、アドレス帳データ171に登録された情報に基づいて、データ送信の相手先を識別する情報や、実行しようとする情報処理に関する事項を含む表示情報を表示するとよい。
【0063】
上述した実施形態では、表示情報の表示期間を規定する設定時間が固定されていたが、これを可変にするための構成を画像形成装置10が備えていてもよい。
図16は、画像形成装置10が設定時間を決定するときに実行する処理の流れを示すフローチャートである。図16に示す処理ステップは、ステップS7の処理で登録IDを指定する操作を受け付けたことを契機に、制御部11が実行する。
制御部11は、アドレス帳データ171の中から、利用者により指定された登録IDを検索する(ステップS71)。次に、制御部11は、指定された登録IDがアドレス帳データ171に登録されているかどうかを判断する(ステップS72)。指定された登録IDがアドレス帳データ171に登録されている場合には(ステップS72;YES)、制御部11は、その登録IDで識別される相手先の通信履歴を記憶部17から読み出して、これを取得する(ステップS73)。ここでの通信履歴は、画像形成装置10におけるデータの送信履歴であり、例えば、相手先を識別する情報と、この相手先宛てにデータ送信した送信日時とを対応付けた情報を含む。制御部11は、データ送信を行う度に、通信履歴を記憶部17に記憶させておく。
【0064】
次に、制御部11は、取得した通信履歴に基づいて、今回指定された相手先との通信頻度の高低を判断する(ステップS74)。制御部11は、通信頻度が低いと判断した場合には(ステップS74;低頻度)には、設定時間を標準時間よりも長くする(ステップS75)。ここでの通信頻度は、現在日時から遡って予め決められた期間(例えば1週間)内にデータ送信した回数により特定される。例えば、制御部11は、通信履歴から特定した送信回数が第1の閾値(例えば1回)未満である場合には、通信頻度が低いと判断する。標準時間は、標準の設定時間として、設計段階や利用者の設定等によって予め決められた時間であればよい。標準時間をTdとした場合、制御部11は、ステップS75の処理で、設定時間をTd+Δt1とするように決定する。
【0065】
制御部11は、通信頻度が中程度と判断した場合には(ステップS74;中頻度)、設定時間を標準時間とする(ステップS76)。例えば、制御部11は、通信履歴から特定した送信回数が、第1の閾値以上且つ第2の閾値(例えば5回)未満である場合には、通信頻度が中程度と判断する。この場合、制御部11は、ステップS76の処理で、設定時間を標準時間であるTdに決定する。
制御部11は、通信頻度が高いと判断した場合には(ステップS74;高頻度)、設定時間を標準時間よりも短くする(ステップS77)。ここでは、制御部11は、通信履歴から特定した送信回数が第2の閾値以上である場合には、通信頻度が高いと判断する。この場合、制御部11は、ステップS77の処理で、設定時間をTd−Δt1とするように決定する。
制御部11は、ステップS10の処理では、ステップS75,S76又はS77で決定した設定時間に基づいて、設定時間が経過したかどうかを判断する。
なお、制御部11は、ステップS72の処理で、指定された登録IDがアドレス帳データ171に登録されていないと判断した場合には(ステップS72;NO)、設定時間を決定する処理を終了する。
【0066】
この変形例の画像形成装置10によれば、過去の通信頻度が低い相手先にデータ送信する場合ほど、設定時間を長くし、過去の通信頻度が高い相手先にデータ送信する場合ほど、設定時間を短くする。例えば、通信頻度が低い相手については、利用者が正確に登録IDを覚えていない可能性が相対的に高く、反対に、通信頻度が高い相手については、利用者が正確に登録IDを覚えている可能性が相対的に高いと推測される。このことから、画像形成装置10は、通信頻度が相対的に低い場合には、表示情報の表示期間を長くすることによって、誤送信の発生を抑えることを優先する。一方、通信頻度が相対的に高い場合には、誤送信が発生しにくいと推測されるので、画像形成装置10は、相手先名の表示期間を短くして、選択中の処理パラメータを利用者に把握させることを優先する。
【0067】
この変形例の画像形成装置10において、通信頻度以外の通信履歴に基づいて設定時間を可変にしてもよい。例えば、画像形成装置10は、最後にデータ送信した日時が近いほど設定時間を短くし、最後にデータ送信した日時が遠いほど設定時間を長くしてもよい。また、画像形成装置10は、データ送信した総回数が多いほど設定時間を短くし、データ送信した総回数が少ないほど設定時間を長くしてもよい。画像形成装置10がデータを受信する機能を有している場合には、データ受信についての通信履歴に基づいて設定時間を決定してもよい。
また、画像形成装置10は、通信履歴から特定した複数の情報を組み合わせて、設定時間の長さを決定してもよい。また、画像形成装置10は、3段階で設定時間を変化させるのではなく、2段階又は4段階以上で設定時間を変化させてもよい。
【0068】
また、画像形成装置10では、通信履歴に基づいて設定時間を決定することに代えて、一度に表示する表示情報の文字数に応じて、設定時間を決定してもよい。表示情報の文字数が多いほど、利用者が表示情報の内容を把握するのに長い時間を要すると考えられるからである。そこで、制御部11は、一度に表示する表示情報の文字数が少ないほど設定時間を短くし、反対に、その文字数が多いほど設定時間を長くする。この場合において、制御部11は、例えば、表示情報の文字数が第3の閾値未満であれば、設定時間をΔt2だけ短くし、表示情報の文字数が第3の閾値よりも大きい第4の閾値以上であれば、設定時間をΔt2だけ長くする。この変形例においても、制御部11は、3段階で文字数に応じて設定時間を変化させるのではなく、2段階又は4段階以上で設定時間を変化させてもよい。
【0069】
画像形成装置10は、データ送信の相手先の表示情報を表示している期間に、特定の操作が行われた場合には、アドレス帳データ171に登録された他の相手先を送信先に指定するように変更し、更に、表示情報を変更してもよい。
例えば、図17(a)に示す操作画面Rの表示中に、登録ID「12」が指定されると、制御部11は図17(b)の操作画面に更新する。そして、制御部11は、この表示情報の表示中に、テンキー126の「*」キーの操作を受け付けた場合には、指定された登録IDの数値に「1」を加えた相手先を送信先とするように変更する。また、制御部11は、送信先の変更に伴い、表示情報を表示する。例えば、制御部11は、登録ID「12」よりも「1」だけ大きいID「13」の相手先名を、アドレス帳データ171から取得する。この場合、制御部11は、図17(c)に示すように、「Scan to[13]」という表示に変更して、表示情報を「山田太郎」から「Smith」に変更する。この変形例において、制御部11は、他の特定の操作キーが操作された場合には、指定された登録IDの数値から「1」を減じた相手先を送信先に変更してもよい。
この変形例の画像形成装置10によれば、データ通信の相手先を修正するための利用者の操作負担が軽減される。
【0070】
画像形成装置10は、オブジェクト画像に代えて表示情報を表示した後、オブジェクト画像の表示に戻した場合に、特定の操作(例えばテンキー126の「#」キー)が行われたときには、再度、表示情報を表示してもよい。この場合に、画像形成装置10は、同じ表示情報を再表示してもよいし、一部の表示情報だけを表示してもよい。
【0071】
上述した実施形態では、画像形成装置10は、登録IDを指定する操作を受け付けた場合に、オブジェクト画像に代えて表示情報を表示していた。この構成に代えて、又は、組み合わせて、画像形成装置10は、アドレス帳データ171に基づいてアドレス帳画面を表示し、アドレス帳画面を用いて利用者にデータ送信の相手先を指定させてもよい。
例えば、図18(a)に示す操作画面Rの表示中に、アドレス帳キー128の操作を受け付けると、制御部11は、アドレス帳データ171に基づいて、表示パネル141にアドレス帳画面を表示する。そして、図18(b)に示すアドレス帳画面ACの表示中に、利用者は、データ送信の相手先を示す文字列にカーソルC6を移動させるように、方向/確定キー125を操作する。ここで、図18(b)に示すように、登録ID「12」及び相手先名「山田太郎」にカーソルC6が合わせられた状態で、方向/確定キー125の確定キーが操作されたとする。この場合、制御部11は、図18(c)に示すように、操作画面を更新して、オブジェクト画像I1からI4に代えて相手先名「山田太郎」を表示する。
以降の画像形成装置10の動作は、登録IDが指定されてデータ通信の相手先が指定された場合と同じでよい。
【0072】
上述した画像形成装置10は、変更キーとして変更キー121から124の4つを備えていたが、3つ以下又は5つ以上備える構成であってもよい。このため、画像形成装置10において表示領域141aに表示されるオブジェクト画像の数も、3つ以下又は5つ以上であってもよい。
また、画像形成装置10は、情報処理の全ての処理条件について、選択中の処理パラメータを意味するオブジェクト画像を表示してもよい。
また、オブジェクト画像に対応する処理条件以外の処理条件は、2種類以下又は4種類以上であってもよい。
また、画像形成装置10は、変更キーの操作に従って処理パラメータを変更して、オブジェクト画像を変化させるのではなく、例えば、表示パネル141に重ねられたタッチパネルを用いて、オブジェクト画像の位置に利用者の指を触れさせる操作を受け付けて、処理パラメータを変更し、オブジェクト画像を変化させてもよい。
また、表示パネル141は、縦方向よりも横方向に長い矩形の表示領域を有しているものに限られない。表示パネル141の表示領域の形状及び寸法については特に問わない。
また、利用者が操作した操作キーと、その操作に従って画像形成装置10で実行される処理との関係は、上述した実施形態で説明した関係に限られない。例えば、上述した実施形態では、登録IDは、数値によって特定されていたが、アルファベット等の他の文字によって特定されてもよい。また、「*」キーや「#」キーが操作された場合に画像形成装置10が実行していた処理は、その他の操作が行われた場合に実行されてもよい。
すなわち、上述した実施形態で説明した画像形成装置10で表示される各画面や画面を用いて利用者が行う操作はあくまで一例であり、画面の意匠や画面を用いて利用者が行うべき操作の方法は実施形態で説明した例に限定されない。
【0073】
上述した実施形態では、画像形成装置10は、コンソール型であったが、いわゆるデスクトップ型であってもよく、上述した実施形態で説明した操作装置と表示装置とを備える構成であればよい。
本発明の情報処理装置は、相手先へのデータ送信を伴う情報処理を行う装置であればよく、スキャン処理及びファクシミリ送信処理以外の情報処理の実行時に、処理パラメータを意味するオブジェクト画像の表示及び表示情報の表示を行ってもよい。よって、上述した実施形態で説明した処理条件及び処理パラメータもあくまで一例であり、処理条件及び処理パラメータの具体的な種類は問わない。
また、本発明の情報処理装置は、外部装置が有している表示パネルに操作画面を表示させる装置であってもよい。
また、本発明の情報処理装置は、外部装置で実行される情報処理に関する操作画面を表示する装置であってもよい。
【0074】
上述した実施形態の画像形成装置10が実現する各機能は、1又は複数のハードウェア回路により実現されてもよいし、1又は複数のプログラムを演算装置が実行することにより実現されてよいし、これらの組み合わせにより実現されてもよい。
【符号の説明】
【0075】
10…画像形成装置、11…制御部、111…第1受付手段、112…第2受付手段、113…表示制御手段、114…実行手段、12…操作部、121,122,123,124…変更キー、125…方向/確定キー、126…テンキー、127…スタートキー、128…アドレス帳キー、13…通信部、14…表示部、141…表示パネル、141a,141b…表示領域、15…画像読取部、16…画像形成部、17…記憶部、171…アドレス帳データ、200…通信回線
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