(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1〜
図3を参照して、
図1に示す蓄電装置充放電制御装置1について説明する。
【0011】
蓄電装置充放電制御装置1は、蓄電装置31(後述)の充放電を制御する装置である。蓄電装置充放電制御装置1は、建設機械(図示なし)に設けられる。建設機械は、下部走行体(図示なし)と、下部走行体に対して旋回可能に搭載される上部旋回体(図示なし)と、を備える。蓄電装置充放電制御装置1は、上部旋回体に搭載される。蓄電装置充放電制御装置1は、蓄電装置31に蓄えられる電力を駆動源(の少なくとも一部)とする建設機械に設けられ、例えばハイブリッド式建設機械に設けられ、また例えば電動式建設機械に設けられる。以下では、蓄電装置充放電制御装置1がハイブリッド式建設機械に設けられる場合について説明する。蓄電装置充放電制御装置1は、エンジン周辺機器類11〜17と、旋回電動機周辺機器類21,23と、蓄電装置周辺機器類31〜37と、蓄電装置側コントローラ40と、車体側コントローラ50と、を備える。
【0012】
エンジン周辺機器類11〜17には、エンジン11と、発電電動機13と、油圧ポンプ15と、発電コンバータ17と、がある。
【0013】
エンジン11は、建設機械の駆動源の一部である。
【0014】
発電電動機13(電動機)は、エンジン11の出力軸に接続される。発電電動機13は、エンジン11の動力をアシストする電動機動作が可能である。発電電動機13は、エンジン11により駆動されることで発電する発電動作が可能である。
【0015】
油圧ポンプ15は、建設機械が備える油圧アクチュエータ(図示なし)に油(作動油)を供給する。油圧ポンプ15は、エンジン11の出力軸に接続される。油圧ポンプ15は、エンジン11及び発電電動機13により駆動される。
【0016】
発電コンバータ17は、発電電動機13と蓄電装置31との間で電力の授受を行うための電力変換装置である。発電コンバータ17は、コンバータ回路とインバータ回路とを備える。
【0017】
旋回電動機周辺機器類21,23には、旋回電動機21と、旋回インバータ23と、がある。
【0018】
旋回電動機21(電動機)は、下部走行体(図示なし)に対して上部旋回体(図示なし)を旋回させる力行動作が可能である。旋回電動機21は、下部走行体に対して旋回している上部旋回体を減速させて発電する回生動作が可能である。
【0019】
旋回インバータ23は、旋回電動機21と蓄電装置31との間で電力の授受を行うための電力変換装置である。旋回インバータ23は、インバータ回路とコンバータ回路とを備える。
【0020】
蓄電装置周辺機器類31〜37には、蓄電装置31と、モジュール温度検出手段33と、流体冷却手段35と、温度状態検出手段37と、がある。
【0021】
蓄電装置31は、電力を蓄える装置である。蓄電装置31は、例えば蓄電池(バッテリ)を備え、また例えばキャパシタを備えてもよく、また例えばこれらを組み合わせたものを備えてもよい。蓄電装置31は、発電電動機13との間および旋回電動機21との間で電力の授受を行う。蓄電装置31は、電装品など(図示なし)と、複数の蓄電モジュール31mと、を備える。なお、蓄電装置31の端子間電圧(バッテリ電圧、システム電圧)は電圧センサVにより検出される。また、蓄電装置31から旋回インバータ23(又は発電コンバータ17)に流れる電流は電流センサAにより検出される。電圧センサVおよび電流センサAの検出結果は、車体側コントローラ50に出力される。
【0022】
蓄電モジュール31mは、蓄電装置31に複数設けられる。蓄電モジュール31mは、複数の蓄電セル(図示なし)をまとめたものである。
【0023】
モジュール温度検出手段33は、複数の蓄電モジュール31mそれぞれの温度(モジュール温度Ta,Tb,Tc,・・・)を検出する。モジュール温度検出手段33は、複数の蓄電モジュール31mそれぞれに設けられる(取り付けられる)。
【0024】
流体冷却手段35は、蓄電装置31に設けられ、冷却流体により蓄電装置31を冷却する手段(装置)である。流体冷却手段35は、例えば、冷却水35fにより蓄電装置31を冷却する水冷冷却手段である(流体冷却手段35の他の例については後述する変形例1を参照)。流体冷却手段35は、冷却水35fが流れるブロック35bを備える。
【0025】
温度状態検出手段37は、蓄電装置31に関する温度を検出する。温度状態検出手段37は、蓄電装置31の温度を直接的または間接的に検出する。温度状態検出手段37が検出する温度(温度Tzとする)は、蓄電装置31冷却中または蓄電装置31冷却後の、冷却水35fの温度である。さらに詳しくは、流体冷却手段35が検出する温度Tzは、ブロック35b中の冷却水35fの温度、または、ブロック35bから排出された冷却水35fの温度である。
【0026】
蓄電装置側コントローラ40は、蓄電装置31の充電率SOC(SOC:State Of Charge)を算出する。
【0027】
車体側コントローラ50は、発電電動機13、旋回電動機21、及び、蓄電装置31等の動作を制御する。車体側コントローラ50は、電気系負荷算出手段51と、機械系負荷算出手段53と、エンジンパワー設定手段55と、パワー配分制御手段57と、蓄電装置パワー設定手段60と、を備える。
【0028】
この車体側コントローラ50の動作の概略は次の通りである。電気系負荷算出手段51は、発電電動機13および旋回電動機21等の負荷を算出する。機械系負荷算出手段53は、油圧ポンプ15等の負荷を算出する。エンジンパワー設定手段55は、エンジン11の出力を設定する。蓄電装置パワー設定手段60は、蓄電装置31の充放電電力を設定する。パワー配分制御手段57は、電気系負荷算出手段51及び機械系負荷算出手段53に算出された負荷と、エンジンパワー設定手段55に設定された出力と、蓄電装置パワー設定手段60に設定された充放電電力と、に基づいて、エンジン11の出力と蓄電装置31の充放電電力との配分を決める。パワー配分制御手段57は、この配分に応じて発電電動機13のトルク指令を発電コンバータ17に出力する。
【0029】
蓄電装置パワー設定手段60は、蓄電装置31の充電電力および放電電力を設定する。蓄電装置パワー設定手段60は、温度状態判定手段61と、使用モジュール温度設定手段63と、充放電電力上限値設定手段65と、を備える。
【0030】
温度状態判定手段61は、蓄電装置31の温度状態を判定する。温度状態判定手段61には、「低温状態」、「常温状態」、及び「高温状態」の条件が予め設定される。温度状態判定手段61は、蓄電装置31の温度状態が、「低温状態」、「常温状態」、及び「高温状態」のうち、どの状態に該当するかを判定する。温度状態判定手段61は、蓄電装置31の温度状態が、「低温状態」に該当するか否か、「常温状態」に該当するか否か、及び、「高温状態」に該当するか否か、を判定する。
【0031】
この温度状態判定手段61は、温度状態検出手段37により検出された温度Tzに基づいて、蓄電装置31の温度状態を判定する。温度状態判定手段61には、蓄電装置31の温度状態を判定するための状態判定閾値T1,T2が予め設定される。状態判定閾値T1,T2には、状態判定閾値T1(第1状態判定閾値)と、状態判定閾値T1よりも大きい状態判定閾値T2(第2状態判定閾値)とがある。温度状態判定手段61は、温度状態検出手段37により検出された冷却水35fの温度Tzと、状態判定閾値T1,T2と、を以下のように対比することにより、蓄電装置31の温度状態を判定する。
(低温状態(Tz<T1))
図2に示すように、温度Tzが状態判定閾値T1(図中「閾値T1」)よりも小さい場合(S1でYES)、
図1に示す温度状態判定手段61は、蓄電装置31の温度状態が「低温状態」であると判定する。
(常温状態(T1≦Tz≦T2))
図2に示すように、温度Tzが状態判定閾値T1以上(S1でNO)、かつ、温度Tzが状態判定閾値T2(図中「閾値T2」)以下の場合(S2でYES)、
図1に示す温度状態判定手段61は、蓄電装置31の温度状態が「常温状態」であると判定する。
(高温状態(Tz>T2))
図2に示すように、温度Tzが状態判定閾値T2を超える場合(S2でNO)、
図1に示す温度状態判定手段61は、蓄電装置31の温度状態が「高温状態」であると判定する。
【0032】
使用モジュール温度設定手段63は、モジュール温度Ta,Tb,Tc,・・・のうち、充放電電力上限値設定手段65が使用するモジュール温度を設定する(詳細は後述)。
【0033】
充放電電力上限値設定手段65は、蓄電装置31の充放電電力上限値を設定(算出、決定)する。充放電電力上限値設定手段65は、充電電力の上限値(充電上限パワー)および放電電力の上限値(放電上限パワー)を設定する。充放電電力上限値設定手段65には、充電電力上限値算出マップおよび放電電力上限値算出マップが予め設定される。充電電力上限値算出マップには、蓄電装置31の充電率SOCと、蓄電装置31の温度(後述)と、充電電力の上限値と、の関係が規定される。放電電力上限値算出マップには、蓄電装置31の充電率SOCと、蓄電装置31の温度(後述)と、放電電力の上限値と、の関係が規定される。
【0034】
(動作)
蓄電装置パワー設定手段60の動作を説明する。
【0035】
(低温状態の場合)
温度状態判定手段61により、蓄電装置31の温度状態が「低温状態」に該当すると判定された場合の動作は、次の[動作A−1]及び[動作A−2]の通りである(判定の詳細については上述した通りである)。
[動作A−1]使用モジュール温度設定手段63は、モジュール温度検出手段33により検出された複数のモジュール温度Ta,Tb,Tc,・・・のうち最低温度である最低モジュール温度Tminを選択する。
[動作A−2]
図3の「(a)低温状態の場合」に示すように、充放電電力上限値設定手段65は、最低モジュール温度Tmin及び充電率SOCに基づいて、蓄電装置31(
図1参照)の充放電電力上限値を設定する(
図2のS3)。蓄電装置31の充電率SOCが一定値であるとすると、蓄電装置31の温度状態が「低温状態」のときの充電電力上限値は、「常温状態」のときの充電電力上限値よりも小さく設定される(放電電力上限値についても同様)。その結果、蓄電装置31の充放電時の過電圧が抑制される。
【0036】
(常温状態の場合)
図1に示す温度状態判定手段61により、蓄電装置31の温度状態が「常温状態」に該当すると判定された場合の動作は、次の[動作B−1]及び[動作B−2]の通りである。
[動作B−1]使用モジュール温度設定手段63は、モジュール温度検出手段33により検出された複数のモジュール温度Ta,Tb,Tc,・・・の平均温度である平均モジュール温度Taveを算出する。
[動作B−2]
図3の「(b)常温状態の場合」に示すように、充放電電力上限値設定手段65は、平均モジュール温度Tave及び充電率SOCに基づいて、蓄電装置31(
図1参照)の充放電電力上限値を設定する(
図2のS4)。
【0037】
(高温状態の場合)
図1に示す温度状態判定手段61により、蓄電装置31の温度状態が「高温状態」に該当すると判定された場合の動作は、次の[動作C−1]及び[動作C−2]の通りである。
【0038】
[動作C−1]使用モジュール温度設定手段63は、モジュール温度検出手段33により検出された複数のモジュール温度Ta,Tb,Tc,・・・のうち最高温度である最高モジュール温度Tmaxを選択する。
【0039】
[動作C−2]
図3の「(c)高温状態の場合」に示すように、充放電電力上限値設定手段65は、最高モジュール温度Tmax及び充電率SOCに基づいて、蓄電装置31(
図1参照)の充放電電力上限値を設定する(
図2のS5)。蓄電装置31の充電率SOCが一定値であるとすると、蓄電装置31の温度状態が「高温状態」のときの充電電力上限値は、「常温状態」のときの充電電力上限値よりも小さく設定される(放電電力上限値についても同様)。その結果、蓄電装置31の充放電時のオーバーヒートが抑制される。
【0040】
(効果1)
次に、
図1に示す蓄電装置充放電制御装置1による効果を説明する。蓄電装置充放電制御装置1は、電動機(発電電動機13及び旋回電動機21のうち少なくとも一方)と、電動機との間で電力の授受を行い複数の蓄電モジュール31mを備える蓄電装置31と、蓄電装置31に関する温度Tzを検出する温度状態検出手段37と、温度状態判定手段61と、蓄電モジュール31mの温度であるモジュール温度を複数の蓄電モジュール31mそれぞれについて検出するモジュール温度検出手段33と、モジュール温度検出手段33により検出された複数のモジュール温度Ta,Tb,Tc,・・・のうち最低温度である最低モジュール温度Tminを選択する使用モジュール温度設定手段63と、充放電電力上限値設定手段65と、を備える。
温度状態判定手段61は、温度状態検出手段37により検出された温度Tzに基づいて、蓄電装置31の温度状態が、温度状態判定手段61に予め設定された「低温状態」に該当するか否かを判定する。
[構成1]充放電電力上限値設定手段65は、温度状態判定手段61により蓄電装置31が「低温状態」に該当すると判定された場合、使用モジュール温度設定手段63に選択された最低モジュール温度Tminに基づいて、蓄電装置31の充放電電力上限値(充放電電力の上限値)を設定する(
図3の「(a)低温状態の場合」参照)。
【0041】
上記[構成1]では、充放電電力上限値設定手段65は、最低モジュール温度Tminに基づいて、充放電電力上限値を設定する。ここで、蓄電モジュール31mの温度が低いほど、充放電時の蓄電モジュール31mの内部抵抗が大きく、過電圧の問題が生じやすい。よって、上記[構成1]により、充放電電力上限値設定手段65は、過電圧の問題が最も生じやすい蓄電モジュール31mの温度に基づいて、充放電電力上限値を設定する。したがって、蓄電装置31の充放電時の過電圧を抑制できる(この効果を過電圧抑制効果とする)。
また、上記[構成1]では、温度状態判定手段61により蓄電装置31が「低温状態」に該当すると判定された場合に、最低モジュール温度Tminに基づいて充放電電力上限値が設定される。この「低温状態」の条件(温度Tzの範囲)を、上記の過電圧の問題が生じやすい条件に設定した場合は、上記の過電圧抑制効果の必要性に応じて過電圧抑制効果を得ることができる。
【0042】
(効果2)
温度状態判定手段61は、温度状態検出手段37により検出された温度Tzに基づいて、蓄電装置31の温度状態が、温度状態判定手段61に予め設定された「高温状態」に該当するか否かを判定する。使用モジュール温度設定手段63は、モジュール温度検出手段33により検出された複数のモジュール温度Ta,Tb,Tc,・・・のうち最高温度である最高モジュール温度Tmaxを選択する。
[構成2]充放電電力上限値設定手段65は、温度状態判定手段61により蓄電装置31が「高温状態」に該当すると判定された場合、使用モジュール温度設定手段63に選択された最高モジュール温度Tmaxに基づいて、蓄電装置31の充放電電力上限値を設定する(
図3の「(c)高温状態の場合」参照)。
【0043】
上記[構成2]では、充放電電力上限値設定手段65は、最高モジュール温度Tmaxに基づいて、充放電電力上限値を設定する。ここで、蓄電モジュール31mの温度が高いほど、充放電時の蓄電モジュール31mのオーバーヒートの問題が生じやすい。よって、上記[構成2]により、充放電電力上限値設定手段65は、オーバーヒートの問題が最も生じやすい蓄電モジュール31mの温度に基づいて、充放電電力上限値を設定する。したがって、蓄電装置31の充放電時のオーバーヒートを抑制できる(この効果をオーバーヒート抑制効果とする)。
また、上記[構成2]では、温度状態判定手段61により蓄電装置31が「高温状態」に該当すると判定された場合に、最高モジュール温度Tmaxに基づいて充放電電力上限値が設定される。この「高温状態」の条件(温度Tzの範囲)を、上記のオーバーヒートの問題が生じやすい条件に設定した場合は、上記のオーバーヒート抑制効果の必要性に応じてオーバーヒート抑制効果を得ることができる。
【0044】
(効果3)
温度状態判定手段61は、温度状態検出手段37により検出された温度Tzに基づいて、蓄電装置31の温度状態が、温度状態判定手段61に予め設定された「常温状態」に該当するか否かを判定する。使用モジュール温度設定手段63は、モジュール温度検出手段33により検出された複数のモジュール温度Ta,Tb,Tc,・・・の平均温度である平均モジュール温度Taveを算出する。
[構成3]充放電電力上限値設定手段65は、温度状態判定手段61により蓄電装置31が「常温状態」に該当すると判定された場合、使用モジュール温度設定手段63に算出された平均モジュール温度Taveに基づいて、蓄電装置31の充放電電力上限値を設定する(
図3の「(b)常温状態の場合」参照)。
【0045】
常に、最低モジュール温度Tminまたは最高モジュール温度Tmaxに基づいて充放電電力上限値を設定するとした場合、蓄電装置31に過電圧やオーバーヒートの問題が生じにくいにもかかわらず、充放電電力上限値を無用に制限してしまうおそれがある。
一方、上記[構成3]では、温度状態判定手段61により蓄電装置31が「常温状態」に該当すると判定された場合に、平均モジュール温度Taveに基づいて充放電電力上限値が設定される。この「常温状態」の条件(温度Tzの範囲)を、上記の過電圧やオーバーヒートの問題が生じにくい条件に設定した場合は、上記問題が生じにくいにもかかわらず蓄電装置31の能力を制限しすぎるという問題を抑制できる。その結果、蓄電装置31の能力を活かしやすい。
【0046】
(効果5)
蓄電装置充放電制御装置1は、蓄電装置31に設けられるとともに冷却流体(例えば冷却水35f)により蓄電装置31を冷却する流体冷却手段35を備える。温度状態検出手段37が検出する温度Tzは、蓄電装置31冷却中または蓄電装置31冷却後の冷却水35fの温度Tzである。温度状態判定手段61には、蓄電装置31の温度状態を判定するための状態判定閾値T1,T2が予め設定される。温度状態判定手段61は、温度状態検出手段37により検出された冷却水35fの温度Tzと状態判定閾値T1,T2とを対比することにより、蓄電装置31の温度状態を判定する。
【0047】
この構成では、流体冷却手段35の冷却流体(例えば冷却水35f)の温度Tzに基づいて、蓄電装置31の温度状態を確実に判定できる。
【0048】
(効果7)
流体冷却手段35は、冷却水35fにより蓄電装置31を冷却する水冷冷却手段である。温度状態検出手段37が検出する温度Tzは、蓄電装置31冷却中または蓄電装置31冷却後の冷却水35fの温度である。
【0049】
この構成では、冷却水35fの温度Tzに基づいて、蓄電装置31の温度状態を確実に判定できる。
【0050】
(変形例1)
上記実施形態の流体冷却手段35および温度状態検出手段37の変形例について、上記実施形態との相違点を説明する。上記実施形態では、流体冷却手段35は、冷却水35fにより蓄電装置31を冷却する水冷冷却手段であった。また、温度状態検出手段37が検出する温度Tzは、蓄電装置31冷却中または蓄電装置31冷却後の冷却水35fの温度Tzであった。
【0051】
(効果7)
一方、変形例1では、流体冷却手段35は、蓄電装置31の内部を流れる冷却空気135fにより蓄電装置31を冷却する空気冷却手段である。温度状態検出手段37が検出する温度Tzは、蓄電装置31の内部雰囲気温度(蓄電装置31冷却中の冷却空気135fの温度)、または、蓄電装置31の外に排気された(蓄電装置31冷却後の)冷却空気135fの温度である。
【0052】
この変形例1では、冷却空気135fの温度Tzに基づいて、蓄電装置31の温度状態を確実に判定できる。
【0053】
(変形例2)
上記実施形態の温度状態検出手段37の変形例について、上記実施形態との相違点を説明する。上記実施形態では、温度状態検出手段37が検出する温度Tzは、蓄電装置31冷却中等の冷却水35fの温度であった。
【0054】
(効果4)
一方、変形例2では、温度状態検出手段37が検出する温度Tzは、モジュール温度検出手段33により検出された複数のモジュール温度Ta,Tb,Tc,・・・の平均温度である平均モジュール温度Taveである。温度状態判定手段61は、温度状態検出手段37により検出された平均モジュール温度Tave(=温度Tz)と状態判定閾値T1,T2とを対比することにより、蓄電装置31の温度状態を判定する。
【0055】
この構成では、温度状態検出手段37と複数のモジュール温度検出手段33とが兼ねられる。よって、これらを別個に設ける必要がある場合に比べ、コストを削減できる。
【0056】
(その他の変形例)
上記実施形態はさらに様々に変形できる。例えば、上記実施形態では、温度状態判定手段61には、「低温状態」、「常温状態」、及び「高温状態」の3段階の温度状態が予め設定された。しかし、温度状態判定手段61に設定される温度状態の数は、例えば2段階でもよく、また例えば4段階以上でもよい。
例えば、温度状態判定手段61には、「低温状態」及び「常温状態」の2段階のみ設定されてもよく、また、「高温状態」及び「常温状態」の2段階のみ設定されてもよい。
また例えば、温度状態判定手段61には、「低温状態」と「常温状態」との間の温度状態や、「常温状態」と「高温の温度」との間の温度状態が設定されてもよい。例えば、「低温状態」と「常温状態」との間の温度状態のときは、充放電電力上限値設定手段65は、最低モジュール温度Tminと平均モジュール温度Taveと間の温度に基づいて充放電電力上限値を設定してもよい。また、「常温状態」と「高温状態」との間の温度状態のときは、充放電電力上限値設定手段65は、平均モジュール温度Taveと最高モジュール温度Tmaxとの間の温度に基づいて充放電電力上限値を設定してもよい。