(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記排出用流路部は、前記回転体の中心と前記回転体の表面から現像剤が離間する離間位置とを結ぶ線分よりも前記回転体の回転方向における下流側の位置から前記収納容器内の空気が流入する請求項1記載の画像形成装置。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、像担持体上に形成される潜像を現像するための現像剤を収容する現像装置であって、前記現像剤を担持するとともに前記像担持体に対向する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の一部を覆うケースと、装置外に通ずる開口部と、を備え、前記像担持体との対向位置を通過した前記現像剤担持体と前記ケースとの間から装置内に気体が流入されて、その流入された気体が前記開口部から装置外に排出されるように気体の流路を形成したことを特徴とする現像装置が記載されている。
【0003】
特許文献2には、現像剤を現像領域に搬送し、前記現像領域において現像剤を担持する現像剤担持体であって、回転する現像スリーブ及び該現像スリーブ内に配置され、複数の磁極を有する磁石ロールを有する現像剤担持体、前記現像剤担持体上の現像剤量を規制する規制部材、現像剤を収容し上方を開口し、現像剤、前記現像剤担持体及び前記規制部材を収容するケーシング並びに、少なくとも前記現像剤担持体の一部及び前記規制部材を覆うカバーを有する現像装置において、前記カバーの前記現像剤担持体及び前記規制部材を覆う部分は、次の条件を満たすように、形成されたことを特徴とする現像装置であって、
a.前記カバーと前記現像剤担持体との間に均一な幅の間隙を形成する
b.前記カバーの前記現像領域に近い先端は、複数の前記磁極のうちの前記規制部材に対向する規制極よりも現像剤搬送方向下流側に配置された搬送極よりも上流側に配置される
c.前記現像剤担持体と前記カバーの前記先端との間に空気が流出する出口が形成される他に、前記カバーに空気の入口を形成し、前記規制部材及び前記現像剤担持体に沿って、前記入口から前記出口に向かう一方向の空気の流れを形成する
現像装置が記載されている。
【0004】
特許文献3には、像担持体に対向し、内部に磁極を有し、回転することで現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、該現像剤担持体と並列に配置され該現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤搬送部材とを有する現像装置において、前記現像剤担持体の上方及び前記像担持体と対向する反対側の側方を覆うケース部と、前記搬送部材の上方に設けられた排気機構と、を備え、前記ケース部と、前記現像剤担持体との間に空隙が設けられ、前記ケース部は前記現像剤担持体の回転方向上流側と、下流側とに端部を有し、前記現像剤担持体の回転に伴い、前記ケース部の上流側端部と、前記現像剤担持体との間の空隙から、前記ケース部の下流側端部と、前記現像剤担持体との間隙に向かって空気が流入し、前記排気機構へと抜けると共に、前記ケース部の下流側端部に対向する前記現像剤担持体の表面から前記現像剤担持体の回転方向上流側において、前記ケース部の下流側端部に最も近い磁極によって前記現像剤の穂が形成され、前記現像剤の穂は前記ケース部の前記現像剤担持体側の内面に接触し、且つ、前記現像剤の穂が接触する前記ケース部の内面と、前記現像剤担持体の表面との距離は、前記ケース部が無い場合に前記ケース部の下流側端部に最も近い磁極によって形成される現像剤の穂の高さを1とすると、0.2〜0.8の範囲に設定されていることを特徴とする現像装置が記載されている。
【0005】
特許文献4には、トナー及び磁性キャリアが含まれる二成分現像剤を収容する現像剤収容部と、内部に磁界発生手段を有して、該二成分現像剤を担持搬送する回転自在に形成された現像剤担持体と、前記現像剤収容部を形成すると共に前記現像剤担持体を収容する現像ハウジングと、前記現像剤収容部内の所定量以上の余剰現像剤を排出する現像剤排出流路とを備え、該現像剤担持体と対向配置された静電潜像担持体との間で形成される現像領域に前記現像剤担持体により二成分現像剤を搬送して、静電潜像担持体上の静電潜像を可視像化する現像装置において、前記現像ハウジングの上部には、前記現像領域の現像剤担持体の回転方向に沿った下流側に第一の空気抜き孔が形成されていると共に、この第一の空気抜き孔の上方には、該空気抜き孔より放出された空気流が通過する空気流路を形成するカバー部材が配設されており、該空気流路は前記現像剤排出流路と合流していることを特徴とする現像装置が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、現像装置外への現像剤及びトナーなどの飛散を抑制することができる画像形成装置及び現像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項
1に係る本発明は、
像を保持する像保持体と、現像剤が収納された収納容器と、現像剤を保持した状態で回転することにより、供給領域において前記像保持体に現像剤を供給する回転体と、前記回転体の回転方向における前記供給領域よりも下流側に流入口が配置されていて、前記収納容器内に空気を流入させる流入用流路部と、排出口から前記収納容器内の空気を排出する排出用流路部と、を有し、前記排出口と前記流入口とが互いに隣り合うように配置されていて、トナーとキャリアとが混合されてなる現像剤が用いられ、複数の磁極を備えた磁石部材をさらに有し、前記回転体は、非磁性体から形成されていて、前記磁石部材の回りを回転して前記像保持体に現像剤中のトナーを供給し、前記複数の磁極は、現像剤を前記回転体から離間させるための離間用磁極と、現像剤を前記回転体に吸着させるための吸着用磁極と、を含み、前記排出用流路部は、前記回転体の回転中心と前記離間用磁極とを結ぶ線分よりも前記回転体の回転方向における下流側であって、前記回転中心と前記吸着用磁極とを結ぶ線分よりも前記回転体の回転方向における上流側の位置から前記収納容器内の空気が流入する
画像形成装置である。
【0010】
請求項
2に係る本発明は、前記排出用流路部は、前記回転体の中心と前記回転体の表面から現像剤が離間する離間位置とを結ぶ線分よりも前記回転体の回転方向における下流側の位置から前記収納容器内の空気が流入する請求項
1記載の画像形成装置である。
【0011】
請求項
3に係る本発明は、
像を保持する像保持体と、現像剤が収納された収納容器と、現像剤を保持した状態で回転することにより、供給領域において前記像保持体に現像剤を供給する回転体と、前記回転体の回転方向における前記供給領域よりも下流側に流入口が配置されていて、前記収納容器内に空気を流入させる流入用流路部と、排出口から前記収納容器内の空気を排出する排出用流路部と、を有し、前記排出口と前記流入口とが互いに隣り合うように配置されていて、前記排出用流路部は、空気が流れる方向と交わる方向の断面積が、空気の入口においてよりも前記排出口において大きい
画像形成装置である。
【0012】
請求項
4に係る本発明は、
像を保持する像保持体と、現像剤が収納された収納容器と、現像剤を保持した状態で回転することにより、供給領域において前記像保持体に現像剤を供給する回転体と、前記回転体の回転方向における前記供給領域よりも下流側に流入口が配置されていて、前記収納容器内に空気を流入させる流入用流路部と、排出口から前記収納容器内の空気を排出する排出用流路部と、を有し、前記排出口と前記流入口とが互いに隣り合うように配置されていて、前記回転体との間の空間に前記流入用流路部を形成し、前記収納容器の内壁との間の空間に前記排出用流路部を形成する流路形成部材をさらに有する
画像形成装置。
【0013】
請求項
5に係る本発明は、像を保持する像保持体と、現像剤が収納された収納容器と、現像剤を保持した状態で回転することにより前記像保持体に現像剤を供給する回転体と、
前記収納容器内に空気を流入させる流入用流路部と、前記収納容器内の空気を排出する排出用流路部と、を有し、前記
排出用流路部は、空気が排出される排出口における圧力が空気の入口における圧力よりも低く、
前記回転体との間の空間に前記流入用流路部を形成し、前記収納容器の内壁との間の空間に前記排出用流路部を形成する流路形成部材をさらに有する画像形成装置である。
【0014】
請求項
6に係る本発明は、現像剤が収納された収納容器と、現像剤を保持した状態で回転することにより、供給領域において像保持体に現像剤を供給する回転体と、前記回転体の回転方向における前記供給領域よりも下流側に流入口が配置されていて、前記収納容器内に空気を流入させる流入用流路部と、排出口から前記収納容器内の空気を排出する排出用流路部と、を有し、前記排出口と前記流入とが互いに隣り合うように配置されてい
て、トナーとキャリアとが混合されてなる現像剤が用いられ、複数の磁極を備えた磁石部材をさらに有し、前記回転体は、非磁性体から形成されていて、前記磁石部材の回りを回転して前記像保持体に現像剤中のトナーを供給し、前記複数の磁極は、現像剤を前記回転体から離間させるための離間用磁極と、現像剤を前記回転体に吸着させるための吸着用磁極と、を含み、前記排出用流路部は、前記回転体の回転中心と前記離間用磁極とを結ぶ線分よりも前記回転体の回転方向における下流側であって、前記回転中心と前記吸着用磁極とを結ぶ線分よりも前記回転体の回転方向における上流側の位置から前記収納容器内の空気が流入する現像装置である。
請求項7に係る本発明は、現像剤が収納された収納容器と、現像剤を保持した状態で回転することにより、供給領域において像保持体に現像剤を供給する回転体と、前記回転体の回転方向における前記供給領域よりも下流側に流入口が配置されていて、前記収納容器内に空気を流入させる流入用流路部と、排出口から前記収納容器内の空気を排出する排出用流路部と、を有し、前記排出口と前記流入口とが互いに隣り合うように配置されていて、前記排出用流路部は、空気が流れる方向と交わる方向の断面積が、空気の入口においてよりも前記排出口において大きい現像装置である。
請求項8に係る本発明は、現像剤が収納された収納容器と、現像剤を保持した状態で回転することにより、供給領域において像保持体に現像剤を供給する回転体と、前記回転体の回転方向における前記供給領域よりも下流側に流入口が配置されていて、前記収納容器内に空気を流入させる流入用流路部と、排出口から前記収納容器内の空気を排出する排出用流路部と、を有し、前記排出口と前記流入口とが互いに隣り合うように配置されていて、前記回転体との間の空間に前記流入用流路部を形成し、前記収納容器の内壁との間の空間に前記排出用流路部を形成する流路形成部材をさらに有する現像装置である。
【0015】
請求項
9に係る本発明は、現像剤が収納された収納容器と、現像剤を保持した状態で回転することにより像保持体に現像剤を供給する回転体と、
前記収納容器内に空気を流入させる流入用流路部と、前記収納容器内の空気を排出する排出用流路部と、を有し、前記
排出用流路部は、空気が排出される排出口における圧力が空気の入口における圧力よりも低く
、前記回転体との間の空間に前記流入用流路部を形成し、前記収納容器の内壁との間の空間に前記排出用流路部を形成する流路形成部材をさらに有する現像装置である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、現像装置外へのトナーの飛散を抑制することができる画像形成装置及び
現像装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の実施形態に係る画像形成装置10が示されている。
図1に示されているように、画像形成装置10は画像形成装置本体12を有し、画像形成装置本体12内に像形成部100と、給紙装置300とが設けられている。また、画像形成装置本体12内には、記録媒体として用いられる用紙を搬送するための搬送路400が形成されている。
【0026】
画像形成装置本体12には、用紙を排出するための用紙排出口14が形成されている。また、画像形成装置本体12の上側の面は排出部16として用いられている。排出部16には、用紙排出口14を介して画像形成装置本体12内から用紙が排出される。また、画像形成装置本体12には、支持板18が取り付けられている。
【0027】
支持板18は、排出部16とともに画像形成装置本体12内から排出された用紙を支持するための部材であり、画像形成装置本体12に対してヒンジ20を中心として回転するように移動することができるように取り付けられている。
【0028】
像形成部100は、例えば単色の画像を形成するものであり、電子写真方式が採用されている。また、像形成部100は、像を保持する像保持体として用いられている感光体102と、感光体102を帯電する帯電装置110と、帯電装置110によって帯電された感光体102の表面に光を照射し、感光体102の表面に静電潜像を形成する潜像形成装置120と、感光体102に形成された潜像をトナーを含む現像剤を用いて現像し、感光体102の表面にトナー像を形成する現像装置200と、現像装置200によって感光体102の表面に形成されたトナー像を用紙に転写する転写装置130と、転写装置130によってトナー像が用紙に転写された後に、感光体102を清掃する清掃装置140と、転写装置130によって用紙に転写されたトナー像を、その用紙に定着する定着装置150とを有する。
【0029】
帯電装置110は帯電部材112を有する。帯電部材112は、例えばロール形状であり、感光体102に接触するように配置されているか感光体102に近接するように配置されていて、図示を省略する電源から直流の又は直流に交流が重畳された帯電電圧が印加され、感光体102を帯電させる。
【0030】
現像装置200は、トナーとキャリアとが混合されてなる現像剤を用いて潜像を現像する所謂二成分現像装置であり、例えば負極性に帯電する非磁性のトナー、正極性に帯電する磁性キャリア等が混合されてなる現像剤が用いられる。また、現像装置200は、現像剤が収納された現像剤収納容器として用いられている現像装置本体202と、現像装置本体202に収納されている現像剤中のトナーを感光体102に移動させるための機構であるトナー移動機構250とを有する。現像装置200の詳細は後述する。
【0031】
転写装置130は、転写部材132を有する。転写部材132は、例えばロール形状であり、例えば感光体102に接触するように配置されていて、図示を省略する電源から転写のための電圧が印加される。
【0032】
清掃装置140は、清掃部材142を有する。清掃部材142は、例えば板状の部材からなり、一端部が感光体102に対して押し付けられていて、押し付けられた端部で感光体102の表面から現像剤等を除去し、感光体102を清掃する。
【0033】
定着装置150は、内部に熱源を有する加熱ロール152と、加熱ロール152に接触する加圧ロール154とを有し、加熱ロール152と加圧ロール154との接触部で用紙に転写されたトナーを加熱し、加圧することで用紙にトナー像を定着させる。
【0034】
給紙装置300は、像形成部100に向けて用紙を供給する。また、給紙装置300は、用紙が積層された状態で収納される用紙収納容器302と、用紙収納容器302から用紙を送り出す送り出しロール304とを有する。
【0035】
搬送路400は、給紙装置300から転写装置130に向けて用紙を搬送し、転写装置130から定着装置150に向けて用紙を搬送し、画像形成装置本体12内から排出するように用紙を搬送するための搬送路である。搬送路400近傍には、搬送路400に沿って用紙の搬送方向における上流側から順に、先述の送り出しロール304と、レジストロール410と、先述の転写装置130及び先述の感光体102と、先述の定着装置150と、排出ロール420とが配置されている。
【0036】
レジストロール410は、感光体102と転写部材132とが接触する接触位置NPに向けて搬送される用紙の先端部の移動を一時的に停止させ、感光体102にトナーによる像が形成されるタイミングと合致するように、用紙の先端部の接触位置NPに向けての移動を再開させる。
【0037】
排出ロール420は、定着装置150によってトナー像が定着された用紙を、画像形成装置本体12外へ排出する。
【0038】
図1におけるAは、後述する現像スリーブ260(
図2参照)から感光体102に現像剤が供給される供給領域を示している。
【0039】
図2には現像装置200が示されている。現像装置200は、先述のように現像装置本体202とトナー移動機構250とを有する。
図2に示されているように、トナー移動機構250は、複数の磁極を備えた磁石部材252と、現像スリーブ260とを有する。磁石部材252と現像スリーブ260との詳細は後述する。
【0040】
現像装置本体202は、下方に位置する下部本体部204と、下部本体部204の上側に形成された開口部に蓋をするように下部本体部204に装着されている蓋部材206とを有する。現像装置本体202の例えば蓋部材206には、現像装置本体202の外側と現像装置本体202の内側とを連通させるように補給用の開口部(不図示)が形成されていて、この補給用の開口部を介してトナー収容容器(不図示)から現像装置本体202内にトナーが補給される。
【0041】
また、現像装置200は、現像スリーブ260の表面に吸着された現像剤の層厚を規制する層厚規制部材240を有する。層厚規制部材240は、現像スリーブ260側の端部と現像スリーブ260との間に予め定められた隙間を形成するように現像装置本体202に装着されている。
【0042】
また、現像装置200は、現像装置本体202内に収容された現像剤を撹拌し、トナー移動機構250へと現像剤を搬送する撹拌搬送部材210を有する。撹拌搬送部材210は、軸部212と、軸部212の外周面に螺旋状に形成された羽根部214とを有し、軸部212と羽根部214とが一体として
図2に示す矢印a方向に回転し、羽根部214が現像剤を押圧するようにして、現像装置本体202内において現像剤を撹拌するとともに、現像剤を搬送する。撹拌搬送部材210は、撹拌搬送部材210の長手方向(
図2における紙面と垂直な方向)に現像剤を搬送するとともに、トナー移動機構250の方向へと移動させるように(
図2において右側から左側に移動させるように)現像剤を搬送する。
【0043】
また、現像装置200は、撹拌搬送部材220を有する。撹拌搬送部材220は、軸部222と、軸部222の外周面に螺旋状に形成された羽根部224とを有し、軸部222と羽根部224とが一体として
図2に示す矢印b方向に回転して、羽根部224が現像剤を押圧するようにして現像装置本体202内において現像剤を撹拌するとともに、現像剤を搬送する。より具体的には、撹拌搬送部材220は、撹拌搬送部材220の長手方向に現像剤を搬送する。撹拌搬送部材220と先述の撹拌搬送部材210とによって、現像装置本体202内で現像剤が撹拌されつつ搬送されることにより、現像剤中のトナーがキャリア等と擦れ合い、キャリア等との摩擦によりトナーが帯電する。
【0044】
現像スリーブ260は、現像剤を保持した状態で回転することにより感光体102に現像剤を供給する回転体として用いられている。また、現像スリーブ260は、現像剤を保持した状態で回転することにより、供給領域A(
図1を参照)において感光体102(
図1を参照)に、現像剤中の特にトナーを供給する回転体として用いられている。また、現像スリーブ260は、非磁性体から形成されていて、例えば円筒形状を有する。また、現像スリーブ260には、例えばギア列等から構成されている駆動伝達機構(不図示)を介して、駆動源として用いられているモータ等(不図示)に連結されていて、モータ等からの駆動が駆動伝達機構を介して伝達されることで、
図2に示す矢印c方向に回転する。
【0045】
磁石部材252は、例えば円柱形状であり、磁石部材252の長手方向に延びる複数の磁極を備えている。より具体的には、磁石部材252は、例えば5つの、より具体的には吸着用磁極S1、搬送用磁極N1、現像用磁極S2、搬送用磁極N2及び離間用磁極S3との5つの磁極を備えている。
【0046】
吸着用磁極S1は、撹拌搬送部材210によって現像スリーブ260側に搬送されてきた現像剤を現像スリーブ260の表面に吸着させるために用いられている。ここで、先述の層厚規制部材240は、現像スリーブ260側の端部が吸着用磁極S1の磁力の及ぶ範囲内となるように配置されている。このため、吸着用磁極S1の磁力により現像スリーブ260に吸着された現像剤のうち現像スリーブ260と層厚規制部材240との間の隙間を通過できなかった現像剤が、層厚規制部材240によって現像スリーブ260の表面から剥離され、現像スリーブ260に吸着された現像剤の層厚が規制される。
【0047】
搬送用磁極N1は、現像スリーブ260の回転方向において、吸着用磁極S1よりも下流側に配置されていて、現像スリーブ260の表面に対する現像剤の吸着を維持させることにより、現像スリーブ260の回転に伴って現像剤を搬送させるために用いられている。また、現像用磁極S2は、現像スリーブ260の回転方向において、搬送用磁極N1の下流側に配置されていて、現像スリーブ260の表面から感光体102(
図1を参照)へトナーが移動する移動領域近傍に配置されていて感光体102の表面に形成されている静電潜像をトナーを用いて現像するために用いられている。
【0048】
搬送用磁極N2は、現像スリーブ260の回転方向において現像用磁極S2よりも下流側に配置されていて、先述の搬送用磁極N1と同様に現像スリーブ260の表面に対する現像剤の吸着を維持させることによって、現像スリーブ260の回転に伴って現像剤を搬送させるために用いられている。また、離間用磁極S3は、現像スリーブ260の回転方向において搬送用磁極N2よりも下流側に配置されていて、現像スリーブ260の表面から現像剤を離間させるために用いられている。
【0049】
また、現像装置200においては、現像スリーブ260の回転中心を回転中心Oとした場合に、回転中心Oを中心とした離間用磁極S3と吸着用磁極S1との角度θ1は、135度(deg)となっている。
【0050】
また、現像装置200は、後述する流入用流路部280と、同じく後述する排出用流路部290とを形成する流路形成部材270を有する。流路形成部材270の詳細は後述する。
図2におけるP1は現像スリーブ260の表面から現像剤が離間する位置を示している。以下、この現像スリーブ260の表面から現像剤が離間する位置を離間位置P1とする。
【0051】
図2における二点鎖線は、磁石部材252が備える吸着用磁極S1、搬送用磁極N1、現像用磁極S2、搬送用磁極N2及び離間用磁極S3のそれぞれにより形成される磁場の現像スリーブ260の表面に対して垂直な方向の成分が20mTとなる位置を示している。このため、磁石部材252の中心から各磁極を囲むように描かれた二点鎖線までの距離が最も長い部分が、その磁極が最大となる位置を示している。
【0052】
図3には、現像装置本体202に流路形成部材270が装着された状態が
図2に示す矢印d方向から示されている。
図3に示されているように、流路形成部材270は、流路形成部材270と現像装置本体202の内壁203との間に空間が形成されるように、例えば5個の支持部材272a、272b、272c、272d、272eを用いて、内壁203に装着されている。そして、この空間が排出用流路部290(
図2、
図4を参照)として用いられる。また、
図3における矢印fは、排出用流路部290を通過するようにして現像装置本体202内から現像装置本体202外へ排出される空気の流れを模式的に示している(
図4も参照)。
【0053】
図4には、現像装置本体202内における流路形成部材270の位置が説明されている。
図4に示されているように、流路形成部材270は、内壁203と感光体102との間に配置されている。そして、感光体102と排出用流路部290との間の空間が流入用流路部280として用いられている。
【0054】
流入用流路部280は、空気が流入する流入口282が、現像スリーブ260から感光体102(
図1を参照)へと現像剤中の特にトナーが供給される供給領域A(
図1も参照)よりも、矢印cで示す現像スリーブ260の回転方向において下流側配に配置されている。また、流入用流路部280は、空気の出口284が現像装置本体202内に配置されている。そして、現像スリーブ260の矢印c方向の回転に伴って巻き込まれるようにして、流入口282から流入用流路部280内に空気が流入し、この流入した空気が出口284を通過するようにして現像装置本体202内に流入する。
【0055】
このように現像装置本体202内に空気が流入することにより、現像装置本体202内の気圧が上昇する。この気圧の上昇は、例えば画像形成装置10が画像を形成する速度を大きくすること等に伴って、現像スリーブ260の回転を大きくする程、より顕著となる。
図4における矢印eは、流入用流路部280を通過するようにして現像装置本体202外から現像装置本体202内に流入する空気の流れを模式的に示している。
【0056】
排出用流路部290は、現像装置本体202内の空間と現像装置本体202外の空間とを連続した状態とする通路部として用いられている。このように、排出用流路部290を設けることで、現像装置本体202内の空間と現像装置本体202外の空間とが連続した状態となり、これにより、例えば現像スリーブ260が回転すること等に伴う現像装置本体202内の気圧の上昇を抑制することができる。一方において、排出用流路部290を設けると、現像装置本体202内から空気が少しずつ減圧されながら排出されることに伴って、現像装置本体202内から現像装置本体202外へと排出用流路部290を通過するようにしてトナーが飛散する虞がある。
【0057】
また、排出用流路部290は、現像装置本体202内に配置されている入口292から現像装置本体202内の空気が流入し、排出口294から空気が排出するようにして現像装置本体202内の空気を現像装置本体202外へ排出する。入口292は、流入用流路部280の出口284近傍に配置されている。より具体的には、入口292は、流路形成部材270一端部を間に挟むようにして出口284と互いに隣接している。
【0058】
排出口は294は、流入用流路部280の流入口282近傍に配置されている。より具体的には、排出口294は、流路形成部材270の他端部を間に挟むようにして流入口282と互いに隣り合うように配置されている。このように排出口294と流入口282とが互いに隣り合うように配置されているため、現像装置本体202を大型化することなしに、排出用流路部290の長さが確保される。そして、排出用流路部290の長さが確保されることにより、排出用流路部290内における排出口294近傍における気圧が、排出用流路部290内における入口292近傍における気圧よりも低くなっている。より具体的には、排出用流路部290内に圧力の勾配が形成され、排出用流路部290内の気圧が排出口294に向けて徐々に減衰した状態となっている。
【0059】
また、排出用流路部290の長さ等は、排出用流路部290の排出口294近傍における気圧を、排出用流路部290の外部の圧力と等しくすることができるように定められている。ここで、排出用流路部290の排出口294近傍における気圧が排出用流路部290の外部の圧力と等しくなるとは、実質的に等しいことを含み、例えば測定の誤差により差等を許容するものとする。このように、排出用流路部290内の排出口294近傍における気圧が排出用流路部290の外部の圧力と等しいため、排出用流路部290内外の気圧差によって、排出用流路部290内の空気が排出口294から現像装置本体202外へと噴出するように強い勢いを伴って排出される虞がなくなる。よって排出口部分にフィルターなどの必要性が低くなる。
【0060】
また、
図4に示されているように、排出口294近傍における流路形成部材270と内壁203との間隔d2は、入口292近傍における流路形成部材270と内壁と間隔d1よりも大きくなっている。そして、排出用流路部290の幅(
図4における紙面と交わる方向の長さ)は、入口292から排出口294まで一定である。このため、排出用流路部290は、矢印fで示す方向である空気が流れる方向と交わる方向における断面積が、入口292においてよりも排出口294において大きくなっている。より具体的には、排出用流路部290は、空気が流れる方向と交わる方向の面積が、入口292側から排出口294側へと向けて徐々に大きくなっている。このため、排出口294側ほど圧力が低くなるようにする排出用流路部290内における圧力勾配を形成しやすい。
【0061】
また、
図4に示されているように、排出口294は流入口282よりも感光体102から離れた位置に配置されていて、排出口294と感光体102との間に流入口282が位置する状態となる位置に設けられている。このため、排出口294からの空気の排出が、感光体102の矢印c方向への回転に伴う矢印eで示す空気の流れと干渉しにくく、矢印eで示す空気の流れが排出口294からの空気の排出の障害となりにくい。
【0062】
また、入口292は、現像スリーブ260の回転中心Oと離間用磁極S3とを結ぶ線分L1よりも現像スリーブ260回転方向(矢印c方向)における下流側であって、回転中心Oと吸着用磁極S1とを結ぶ線分L2よりも現像スリーブ260の回転方向における上流側の位置に配置されていて、係る配置された入口292から排出用流路部290へと現像装置本体202内の空気が流入する。ここで、現像装置本体202内における空気が流れる速度は、現像スリーブ260の回転方向における線分L1よりも下流側であって、現像スリーブ260の回転方向における線分L2よりも上流側の位置が、他の位置よりも低くなっている。このため、現像装置本体202内における他の位置に入口292が配置され、この入口292から排出用流路部290内へ空気が流入する場合と比較して、現像装置本体202内を浮遊しているトナーが入口292へと到達しにくく、係るトナーが入口292を通過して排出用流路部290内へと入り込みにくい。
【0063】
ここで、現像装置本体202内にトナーが浮遊する原因としては、例えば現像スリーブ260の回転の際や、現像スリーブ260の表面から離間するように現像剤が動作する際や、現像スリーブ260に吸着されるように現像剤が動作する際等に像剤同士が互いに衝突し、現像剤同士が互いに衝突した際にキャリアからトナーが離間することをあげることができる。
【0064】
また、排出用流路部290は、現像スリーブ260の回転中心Oと離間位置P1とを結ぶ線分L3よりも、現像スリーブ260の回転方向における下流側の位置に入口292が配置されるようになっている。
【0065】
以上で説明をした実施形態においては、像形成部100として単色の画像を形成するものを例として示したが、像形成部100として多色の画像形成する装置に対しても本発明を適用することができる。