特許第6128021号(P6128021)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6128021
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】センサ機構体及び電子天秤
(51)【国際特許分類】
   G01G 23/02 20060101AFI20170508BHJP
   G01G 7/02 20060101ALI20170508BHJP
【FI】
   G01G23/02 A
   G01G7/02
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-44489(P2014-44489)
(22)【出願日】2014年3月7日
(65)【公開番号】特開2015-169536(P2015-169536A)
(43)【公開日】2015年9月28日
【審査請求日】2016年6月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100114030
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿島 義雄
(72)【発明者】
【氏名】小出 敏寛
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 淳史
(72)【発明者】
【氏名】井上 藤男
【審査官】 森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】 特許第4038681(JP,B2)
【文献】 特許第3423578(JP,B2)
【文献】 特許第3570373(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子天秤ベースに固定される固定柱と、計量皿に載置された被測定物の荷重を伝達する可動柱と、当該可動柱が被測定物の荷重を鉛直方向に伝達するように可動柱を固定柱に連結する互いに平行な2本の梁とを備えるロバーバル機構と、
支点により揺動可能に支持され、かつ、一端部にロバーバル機構の可動柱が連結され、他端部に電磁力発生装置が連結されるレバー機構とを備え、
前記ロバーバル機構及び前記レバー機構とは、直方体形状のブロックにおいて厚さ方向に貫通する貫通孔及びスリットが設けられることによって形成されたセンサ機構体であって、
前記レバー機構の軸方向の変位を規制するためのストッパを備え、
前記ストッパは、水平方向から見て前記レバー機構の重心軸上に形成されていることを特徴とするセンサ機構体。
【請求項2】
電子天秤ベースに固定される固定柱と、計量皿に載置された被測定物の荷重を伝達する可動柱と、当該可動柱が被測定物の荷重を鉛直方向に伝達するように可動柱を固定柱に連結する互いに平行な2本の梁とを備えるロバーバル機構と、
支点により揺動可能に支持され、かつ、一端部にロバーバル機構の可動柱が連結され、他端部に電磁力発生装置が連結されるレバー機構とを備え、
前記ロバーバル機構及び前記レバー機構とは、直方体形状のブロックにおいて厚さ方向に貫通する貫通孔及びスリットが設けられることによって形成されたセンサ機構体であって、
前記レバー機構の軸方向の変位を規制するための第一ストッパ及び第二ストッパを備え、
前記第一ストッパは、水平方向から見て前記レバー機構の重心軸より上方に形成されるとともに、前記第二ストッパは、前記レバー機構の重心軸より下方に形成されていることを特徴とするセンサ機構体。
【請求項3】
前記ストッパは、前記レバー機構の軸方向において前記レバー機構の一端部と所定の隙間を空けて形成されるとともに、前記レバー機構の他端部と所定の隙間を空けて形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセンサ機構体。
【請求項4】
電子天秤ベースに固定される固定柱と、計量皿に載置された被測定物の荷重を伝達する可動柱と、当該可動柱が被測定物の荷重を鉛直方向に伝達するように可動柱を固定柱に連結する互いに平行な2本の梁とを備えるロバーバル機構と、
支点により揺動可能に支持され、かつ、一端部にロバーバル機構の可動柱が連結され、他端部に電磁力発生装置が連結されるレバー機構とを備え、
前記ロバーバル機構及び前記レバー機構とは、直方体形状のブロックにおいて厚さ方向に貫通する貫通孔及びスリットが設けられることによって形成されたセンサ機構体を有する電子天秤であって、
前記レバー機構の軸方向の変位を規制するためのストッパを備え、
前記ストッパは、水平方向から見て前記レバー機構の重心軸上に形成されていることを特徴とする電子天秤。
【請求項5】
電子天秤ベースに固定される固定柱と、計量皿に載置された被測定物の荷重を伝達する可動柱と、当該可動柱が被測定物の荷重を鉛直方向に伝達するように可動柱を固定柱に連結する互いに平行な2本の梁とを備えるロバーバル機構と、
支点により揺動可能に支持され、かつ、一端部にロバーバル機構の可動柱が連結され、他端部に電磁力発生装置が連結されるレバー機構とを備え、
前記ロバーバル機構及び前記レバー機構とは、直方体形状のブロックにおいて厚さ方向に貫通する貫通孔及びスリットが設けられることによって形成されたセンサ機構体を有する電子天秤であって、
前記レバー機構の軸方向の変位を規制するための第一ストッパ及び第二ストッパを備え、
前記第一ストッパは、水平方向から見て前記レバー機構の重心軸より上方に形成されるとともに、前記第二ストッパは、前記レバー機構の重心軸より下方に形成されていることを特徴とする電子天秤。
【請求項6】
前記ストッパは、前記レバー機構の軸方向において、前記レバー機構に連結された部材の一端部と所定の隙間を空けて形成されるとともに、前記レバー機構に連結された部材の他端部と所定の隙間を空けて形成されていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の電子天秤。
【請求項7】
前記レバー機構に連結された部材は、鉛直方向に伸びたピンであり、
前記ピンは、水平面に形成された開口部に挿入されていることを特徴とする請求項6に記載の電子天秤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷重センサとして働くセンサ機構体及びそれを用いた電子天秤に関し、特に電磁力平衡型の電子天秤に用いるのに適したセンサ機構体に関する。
【背景技術】
【0002】
電子天秤においては、一般に、被測定物の荷重によるセンサ機構体の可動部材の変位に抗して、電磁力発生装置等によって電磁力を発生させることにより、センサ機構体の可動部材の変位を0とするために発生させた電磁力の大きさから被測定物の荷重を計測している。
被測定物の荷重により可動部材の変位を生じるセンサ機構体としては、例えば、電子天秤ベースに固定される固定柱と、計量皿に載置された被測定物の荷重を伝達する可動柱(可動部材)と、可動柱を固定柱に連結する互いに平行な2本の梁とを備えるロバーバル機構(「パラレルガイド」とも称される)が形成されたものがある。このようなロバーバル機構が形成されたセンサ機構体では、被測定物の荷重による可動柱の変位を鉛直方向に規制することができ、さらに計量皿上における被測定物の載置位置に起因する偏置誤差(いわゆる、「四隅誤差」)を解消することができる。
さらに、センサ機構体は、ロバーバル機構の可動柱の変位を電磁力発生装置に大きな梃子(テコ)比で伝達するために、支点により揺動可能に支持されたレバー機構を備え、レバー機構の一端部に連結されたロバーバル機構の可動柱の変位を、レバー機構の他端部に連結された電磁力発生装置に伝達している。
【0003】
このようなロバーバル機構とレバー機構とを含むメカニズムを、一つの金属製の直方体形状のブロックによって一体的に形成したセンサ機構体(いわゆる、「単体ブロックタイプのセンサ機構体」)を備える電子天秤が知られている。
図11は、従来の単体ブロックタイプのセンサ機構体の一例を示す側面図であり、図12は、図11に示すセンサ機構体を有する電子天秤の一例を示す側面図であり、図13は、図11に示す電子天秤の概略構成を示す図である。
センサ機構体101は、一つのアルミニウム合金製の直方体形状のブロック体であり、ロバーバル機構11と、レバー機構12と、ロバーバル機構11とレバー機構12とを連結する連結部材13とが、Y方向(厚さ方向)に貫通する孔やスリット等をワイヤ放電カット等で設けることによって形成されている。
【0004】
ロバーバル機構11は、電子天秤ベース(図示せず)に、別部材からなる取付部材23を介して固定される固定柱11aと、皿受け21が上面に固着される可動柱11bと、両端部に可撓部(ヒンジ部)eを有する2本の梁11c、11dとから構成される。そして、可動柱11bと固定柱11aとを、互いに平行な2本の梁11c、11dによって連結した構造となっている。これにより、被測定物の荷重による可動柱11bの変位をZ方向(鉛直方向)に規制している。なお、被測定物が載置される計量皿22は、皿受け21上に載せられることになる。
【0005】
レバー機構12は、弾性な支点12aを中心として傾動自在となっている。そして、ロバーバル機構11の可動柱11bは、連結部材13を介してレバー機構12の一端部に連結され、レバー機構12の他端部には、別部材からなる持出部材24の基端部がねじ等によって固定される。これにより、計量皿22上に載置された被測定物の荷重は、可動柱11bと連結部材13とレバー機構12とを介して、持出部材24の先端部を傾動させるようになっている。
【0006】
このような持出部材24の先端部の変位は、電子天秤ベースに固定された変位センサ25によって検出される。また、持出部材24の先端部には、電磁力発生装置26のフォースコイル26aが固着されている。これにより、電磁力発生装置26のフォースコイル26aに流される電流の大きさは、変位センサ25からの検出信号に基づいて、持出部材24の先端部の変位が0となるようにサーボ機構(図示せず)によって制御される。そして、サーボ機構によって流された電流の大きさから被測定物の荷重が計測されることになる。
【0007】
このような電子天秤110では、輸送時における振動や使用中における衝撃荷重等から、ロバーバル機構11の梁11c、11dやレバー機構12等が損傷することを防止するために、センサ機構体101自体にストッパ(保護機構)115を備えている(例えば、特許文献1参照)。図14は、図11に示すストッパ115の拡大図であり、図15は、図11に示すA−A線断面図である。
このようなセンサ機構体101には、レバー機構12に下方に向けて突出するピン12cが形成されているとともに、ピン12cに対してレバー機構12の軸線方向に所定の隙間Δを介して対向してレバー機構12の変位を規制するための平板状部材のストッパ115が固着されている。
このようなストッパ115によれば、輸送時における振動や使用中における衝撃荷重等があっても、レバー機構12の軸線方向への変位が所定の隙間Δ以内に規制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−069865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、センサ機構体101自体に備えられたストッパ115は、輸送時の振動等の比較的小さな荷重に対しては有効に機能するものの、落下等の大きな衝撃荷重に対しては有効に機能しない場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本件発明者らは、上記課題を解決するために、落下等の大きな衝撃荷重に対しても有効に機能する保護機構について検討を行った。大きな衝撃によりレバー機構12が軸方向に変位した場合、従来のセンサ機構体101では、ストッパ115とレバー機構12とが当たる箇所を中心とした回転運動が発生していることがわかった。
図16は、衝撃荷重が負荷された際の電子天秤の概略構成を示す図である。図16(a)は、何も衝撃荷重が負荷されていないときの図であり、図16(b)は、大きな衝撃荷重が負荷され始めたときの図であり、図16(c)は、大きな衝撃荷重が負荷された後の図である。図16(c)に示すように回転運動が発生し、その結果、起歪部(支点)12aが過大に変形してしまっている。すなわち、ストッパ115がレバー機構12の重心軸上にないため、大きな衝撃荷重に対して回転運動が発生していることがわかった。
【0011】
そこで、大きな衝撃荷重がかかっても回転運動が発生しないように、ストッパをレバー機構の重心軸上に形成することを見出した。図6(a)は、何も衝撃荷重が負荷されていないときの図であり、図6(b)は、大きな衝撃荷重が負荷され始めたときの図であり、図6(c)は、大きな衝撃荷重が負荷された後の図である。ストッパ15がレバー機構12の重心軸上にあるため、回転運動が発生していない。
【0012】
ところで、ストッパをレバー機構の重心軸上に形成することを見出したが、レバー機構の重心軸上に他の機構が存在する場合、レバー機構の重心軸上に形成することができないことがある。そこで、回転運動が発生しないように、第一ストッパと第二ストッパとを用いて、第一ストッパは、レバー機構の重心軸より上方に形成するとともに、第二ストッパは、レバー機構の重心軸より下方に形成することを見出した。
【0013】
すなわち、本発明のセンサ機構体は、電子天秤ベースに固定される固定柱と、計量皿に載置された被測定物の荷重を伝達する可動柱と、当該可動柱が被測定物の荷重を鉛直方向に伝達するように可動柱を固定柱に連結する互いに平行な2本の梁とを備えるロバーバル機構と、支点により揺動可能に支持され、かつ、一端部にロバーバル機構の可動柱が連結され、他端部に電磁力発生装置が連結されるレバー機構とを備え、前記ロバーバル機構及び前記レバー機構とは、直方体形状のブロックにおいて厚さ方向に貫通する貫通孔及びスリットが設けられることによって形成されたセンサ機構体であって、前記レバー機構の軸方向の変位を規制するためのストッパを備え、前記ストッパは、水平方向から見て前記レバー機構の重心軸上に形成されるようにしている。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明のセンサ機構体によれば、落下等の大きな衝撃荷重がかかっても回転運動が発生しないので、起歪部等が過大に変形してしまうことを防止することができる。
【0015】
(他の課題を解決するための手段及び効果)
また、本発明のセンサ機構体は、電子天秤ベースに固定される固定柱と、計量皿に載置された被測定物の荷重を伝達する可動柱と、当該可動柱が被測定物の荷重を鉛直方向に伝達するように可動柱を固定柱に連結する互いに平行な2本の梁とを備えるロバーバル機構と、支点により揺動可能に支持され、かつ、一端部にロバーバル機構の可動柱が連結され、他端部に電磁力発生装置が連結されるレバー機構とを備え、前記ロバーバル機構及び前記レバー機構とは、直方体形状のブロックにおいて厚さ方向に貫通する貫通孔及びスリットが設けられることによって形成されたセンサ機構体であって、前記レバー機構の軸方向の変位を規制するための第一ストッパ及び第二ストッパを備え、前記第一ストッパは、水平方向から見て前記レバー機構の重心軸より上方に形成されるとともに、前記第二ストッパは、前記レバー機構の重心軸より下方に形成されるようにしている。
【0016】
以上のように、本発明のセンサ機構体によれば、他の機構と干渉するためレバー機構の重心軸上に形成することができない場合でも、落下等の大きな衝撃荷重がかかっても回転運動が発生しないので、起歪部等が過大に変形してしまうことを防止することができる。
【0017】
また、上記発明において、前記ストッパは、前記レバー機構の軸方向において前記レバー機構の一端部と所定の隙間を空けて形成されるとともに、前記レバー機構の他端部と所定の隙間を空けて形成されているようにしてもよい。
本発明のセンサ機構体によれば、センサ機構体に対して簡単な加工を施すとともに、簡単なストッパをねじ止め等によって固着するだけで、レバー機構の軸方向への変位を規制することができる。このとき、所定の隙間の管理を、例えばシックネスゲージ等を用いることによって容易に行うことができる。
【0018】
そして、本発明の電子天秤は、電子天秤ベースに固定される固定柱と、計量皿に載置された被測定物の荷重を伝達する可動柱と、当該可動柱が被測定物の荷重を鉛直方向に伝達するように可動柱を固定柱に連結する互いに平行な2本の梁とを備えるロバーバル機構と、支点により揺動可能に支持され、かつ、一端部にロバーバル機構の可動柱が連結され、他端部に電磁力発生装置が連結されるレバー機構とを備え、前記ロバーバル機構及び前記レバー機構とは、直方体形状のブロックにおいて厚さ方向に貫通する貫通孔及びスリットが設けられることによって形成されたセンサ機構体を有する電子天秤であって、前記レバー機構の軸方向の変位を規制するためのストッパを備え、前記ストッパは、水平方向から見て前記レバー機構の重心軸上に形成されるようにしている。
【0019】
また、本発明の電子天秤は、電子天秤ベースに固定される固定柱と、計量皿に載置された被測定物の荷重を伝達する可動柱と、当該可動柱が被測定物の荷重を鉛直方向に伝達するように可動柱を固定柱に連結する互いに平行な2本の梁とを備えるロバーバル機構と、支点により揺動可能に支持され、かつ、一端部にロバーバル機構の可動柱が連結され、他端部に電磁力発生装置が連結されるレバー機構とを備え、前記ロバーバル機構及び前記レバー機構とは、直方体形状のブロックにおいて厚さ方向に貫通する貫通孔及びスリットが設けられることによって形成されたセンサ機構体を有する電子天秤であって、前記レバー機構の軸方向の変位を規制するための第一ストッパ及び第二ストッパを備え、前記第一ストッパは、水平方向から見て前記レバー機構の重心軸より上方に形成されるとともに、前記第二ストッパは、前記レバー機構の重心軸より下方に形成されるようにしている。
【0020】
また、上記発明において、前記ストッパは、前記レバー機構の軸方向において、前記レバー機構に連結された部材の一端部と所定の隙間を空けて形成されるとともに、前記レバー機構に連結された部材の他端部と所定の隙間を空けて形成されるようにしてもよい。
さらに、上記発明において、前記レバー機構に連結された部材は、鉛直方向に伸びたピンであり、前記ピンは、水平面に形成された開口部に挿入されるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施形態1に係る単体ブロックタイプのセンサ機構体の一例を示す側面図。
図2図1に示すセンサ機構体を有する電子天秤の一例を示す側面図。
図3図1に示す電子天秤の概略構成を示す図。
図4図1に示すストッパの拡大図。
図5図1に示すC−C線断面図。
図6】衝撃荷重が負荷された際の電子天秤の概略構成を示す図。
図7】実施形態2に係る電子天秤の一例を示す側面図。
図8図7に示す電子天秤の概略構成を示す図。
図9図7に示すストッパの説明図。
図10】ストッパの拡大図。
図11】従来の単体ブロックタイプのセンサ機構体の一例を示す側面図。
図12図11に示すセンサ機構体を有する電子天秤の一例を示す側面図。
図13図11に示す電子天秤の概略構成を示す図。
図14図11に示すストッパの拡大図。
図15図11に示すA−A線断面図。
図16】衝撃荷重が負荷された際の電子天秤の概略構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下に説明するような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様が含まれることはいうまでもない。
【0023】
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係る単体ブロックタイプのセンサ機構体の一例を示す側面図であり、図2は、図1に示すセンサ機構体を有する電子天秤の一例を示す側面図であり、図3は、図1に示す電子天秤の概略構成を示す図である。なお、上述した電子天秤110と同様のものについては、同じ符号を付して、説明を省略することとする。
電子天秤10は、電子天秤ベース(図示せず)と、センサ機構体1と、センサ機構体1の固定柱11aを電子天秤ベースに固定する取付部材23と、先端部に電磁力発生装置26のフォースコイル26aが固着された持出部材24と、電子天秤ベースに固定された変位センサ25と、被測定物が載置される計量皿22とを有する。
【0024】
センサ機構体1は、一つのアルミニウム合金製の直方体形状のブロック体であり、ロバーバル機構11と、レバー機構12と、ロバーバル機構11とレバー機構12とを連結する連結部材13とが、Y方向(厚さ方向)に貫通する孔やスリット等をワイヤ放電カット等で設けることによって形成されている。なお、孔やスリット等はワイヤ放電カット等で設けるので、孔やスリット等の隙間Δ’は後述する所定の隙間Δ以上の大きさとなる。
【0025】
レバー機構12の重心軸Lは、例えば3次元CAD等によって算出される。なお、レバー機構12の重心軸Lは、レバー機構12の重心を含んだレバー機構12の軸方向と平行な線となる。
ここで、図4は、図1に示すストッパの拡大図であり、図5は、図1に示すC−C線断面図である。
水平方向(Y方向)から見たレバー機構12の重心軸Lにおけるレバー機構12の右端面(一端部)に対向する可動柱11bの部分には、Y方向(厚さ方向)に表面から所定の深さφで削り取った座ぐり部14bと、裏面から所定の深さφで削り取った座ぐり部14b’とが形成されている。そして、座ぐり部14bに、Y方向に円形状でありZ方向とX方向とに厚さφの平板状であるストッパ15bが、Y方向からねじ16bによって固着されている。このとき、レバー機構12の右端面とストッパ15bの左端面との最短距離は、所定の隙間Δを空けて形成されるように取り付けられている。また、座ぐり部14b’に、Y方向に円形状でありZ方向とX方向とに厚さφの平板状であるストッパ15b’が、Y方向からねじ16b’によって固着されている。このとき、レバー機構12の右端面とストッパ15b’の左端面との最短距離は、所定の隙間Δを空けて形成されるように取り付けられている。なお、所定の隙間Δは、シックネスゲージを用いることによって、簡単に設定することができる。このようなストッパ15b、15b’によれば、水平方向(Y方向)から見るとレバー機構12の重心軸L上にあるため回転運動が発生しないので、レバー機構12の軸方向である右方向への変位が所定の隙間Δ以内に規制されることになる(図6参照)。
【0026】
一方、水平方向(Y方向)から見たレバー機構12の重心軸Lにおけるレバー機構12の左端面(一端部)に対向する固定柱11aの部分には、Y方向(厚さ方向)に表面から所定の深さφで削り取った座ぐり部14aと、裏面から所定の深さφで削り取った座ぐり部14a’とが形成されている。そして、座ぐり部14aに、Y方向に円形状でありZ方向とX方向とに厚さφの平板状であるストッパ15aが、Y方向からねじ16aによって固着されている。このとき、レバー機構12の左端面とストッパ15aの右端面との最短距離は、所定の隙間Δを空けて形成されるように取り付けられている。また、座ぐり部14a’に、Y方向に円形状でありZ方向とX方向とに厚さφの平板状であるストッパ15a’が、Y方向からねじ16a’によって固着されている。このとき、レバー機構12の左端面とストッパ15a’の右端面との最短距離は、所定の隙間Δを空けて形成されるように取り付けられている。なお、所定の隙間Δは、シックネスゲージを用いることによって、簡単に設定することができる。このようなストッパ15a、15a’によれば、水平方向(Y方向)から見るとレバー機構12の重心軸L上にあるため回転運動が発生しないので、レバー機構12の軸方向である左方向への変位が所定の隙間Δ以内に規制されることになる。
【0027】
以上のように、本発明のセンサ機構体1によれば、落下等の大きな衝撃荷重がかかっても回転運動が発生しないので、起歪部(支点)12aが過大に変形してしまうことを防止することができる。また、センサ機構体1に対して簡単な加工を施すとともに、簡単なストッパ15a、15a’、15b、15b’をねじ止め等によって固着するだけで、レバー機構12の軸方向への変位を規制することができる。このとき、所定の隙間Δの管理を、例えばシックネスゲージ等を用いることによって容易に行うことができる。
【0028】
<実施形態2>
図7は、実施形態2に係る電子天秤の一例を示す側面図であり、図8は、図7に示す電子天秤の概略構成を示す図である。なお、上述した電子天秤10、110と同様のものについては、同じ符号を付して、説明を省略することとする。
電子天秤210は、電子天秤ベース(図示せず)と、センサ機構体201と、センサ機構体201の固定柱11aを電子天秤ベースに固定する取付部材23と、先端部に電磁力発生装置26のフォースコイル26aが固着された持出部材224と、電子天秤ベースに固定された変位センサ25と、被測定物が載置される計量皿22とを有する。
【0029】
センサ機構体201は、一つのアルミニウム合金製の直方体形状のブロック体であり、ロバーバル機構11と、レバー機構12と、ロバーバル機構11とレバー機構12とを連結する連結部材13とが、Y方向(厚さ方向)に貫通する孔やスリット等をワイヤ放電カット等で設けることによって形成されている。
【0030】
レバー機構12の重心軸Lは、例えば3次元CAD等によって算出される。なお、レバー機構12の重心軸Lは、レバー機構12の重心を含んだレバー機構12の軸方向と平行な線となる。
ところが、実施形態2ではストッパをレバー機構12の重心軸L上に形成したいが、重心軸L上に他の機構が存在するので、センサ機構体201に形成することができない上、電子天秤210における重心軸L上にも他の機構が存在するので、電子天秤210における重心軸L上にも形成することもできない。
そこで、電子天秤210は、水平方向(Y方向)から見るとレバー機構12の重心軸Lより所定の距離ψ、上方に形成された第一ストッパ215a、215bと、レバー機構12の重心軸Lより所定の距離ψ、下方に形成された第二ストッパ215c、215dとを備える。なお、所定の距離ψと所定の距離ψとは、同じにすることが好ましい。
【0031】
ここで、図9は、図7に示すストッパを説明する図である。
持出部材224は、水平方向(X方向)に伸びた後、斜め上方に伸びた第一部分と、水平方向(X方向)に伸びた後、斜め上方に伸びた第二部分と、第一部分と第二部分とを接続するY方向に伸びた第三部分と、さらに水平方向(X方向)に伸びた第四部分とを有する。そして、持出部材224の第四部分には、上方(Z方向)に伸びた円柱状のピン(レバー機構12に連結された部材)224aと、持出部材224の第一部分と第二部分とには、下方(Z方向)に伸びた円柱状のピン(レバー機構12に連結された部材)224bとが形成されている。
【0032】
レバー機構12の軸方向におけるピン224aの右端面(一端部)に対向する電子天秤ベースに形成された円形状の開口部227には、Z方向に四角形状(一辺M)でありX方向とY方向とに厚さNの平板状である第一ストッパ215bが、Z方向からねじ216bによって固着されている。このとき、ピン224aの右端面と第一ストッパ215bの左端面との最短距離は、所定の隙間Δを空けて形成されるように取り付けられている。
一方、レバー機構12の軸方向におけるピン224aの左端面(他端部)に対向する開口部227には、Z方向に四角形状(一辺M)でありX方向とY方向とに厚さNの平板状である他の第一ストッパ215aが、Z方向からねじ216aによって固着されている。このとき、ピン224aの左端面と第一ストッパ215aの右端面との最短距離は、所定の隙間Δを空けて形成されるように取り付けられている。
【0033】
また、レバー機構12の軸方向におけるピン224bの右端面(一端部)に対向する電子天秤ベースに形成された円形状の開口部には、Z方向に四角形状(一辺M)でありX方向とY方向とに厚さNの平板状である第二ストッパ215dが、Z方向からねじによって固着されている。このとき、ピン224bの右端面と第二ストッパ215dの左端面との最短距離は、所定の隙間Δを空けて形成されるように取り付けられている。これにより、上述した第一ストッパ215bと第二ストッパ215dとによれば、レバー機構12の重心軸Lを上下から挟んでいるため回転運動が発生しないので、レバー機構12の軸方向である右方向への変位が所定の隙間Δ以内に規制されることになる。
一方、レバー機構12の軸方向におけるピン224bの左端面(他端部)に対向する開口部には、Z方向に四角形状(一辺M)でありX方向とY方向とに厚さNの平板状である第二ストッパ215cが、Z方向からねじによって固着されている。このとき、ピン224bの左端面と第二ストッパ215cの右端面との最短距離は、所定の隙間Δを空けて形成されるように取り付けられている。これにより、上述した第一ストッパ215aと第二ストッパ215cとによれば、レバー機構12の重心軸Lを上下から挟んでいるため回転運動が発生しないので、レバー機構12の軸方向である左方向への変位が所定の隙間Δ以内に規制されることになる。
【0034】
以上のように、本発明の電子天秤210によれば、落下等の大きな衝撃荷重がかかっても回転運動が発生しないので、起歪部(支点)12aが過大に変形してしまうことを防止することができる。
【0035】
<他の実施形態>
(1)上述したセンサ機構体1において、Y方向に円形状でありZ方向とX方向とに厚さφの平板状であるストッパ15を備えるような構成を示したが、Y方向に多角形状でありZ方向とX方向とに厚さφの平板状であるストッパを備えるような構成としてもよい。図10(a)に、このストッパの拡大図を示す。
【0036】
(2)上述した電子天秤210において、電子天秤ベースに形成された円形状の開口部227には、Z方向に四角形状(一辺M)の平板状である第一ストッパ215a、215bが形成されたような構成を示したが、電子天秤ベースに四角形状の開口部(ストッパ)を形成し、開口部に上方に伸びた四角柱状のピンが挿入されるような構成としてもよい。このとき、ピンとストッパとの距離は、所定の隙間Δを空けて形成されている。図10(b)に、このストッパの拡大図を示す。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明のセンサ機構体及び電子天秤は、例えば、電磁力平衡型の電子天秤として利用される。
【符号の説明】
【0038】
1 センサ機構体
11 ロバーバル機構
11a 固定柱
11b 可動柱
11c、11d 梁
12 レバー機構
12a 支点
15 ストッパ
22 計量皿
26 電磁力発生装置
図1
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