(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ベースフレームから鉛直方向に延びるマストに沿って昇降可能な昇降台と、前記マストに架け渡されて前記昇降台に接続する索状体と、前記索状体の一部に掛けられた駆動用回転体を駆動して前記索状体を移動させることにより前記昇降台を昇降させる主駆動部と、を備える昇降装置の補助駆動ユニットであって、
前記ベースフレームに着脱可能な補助駆動部と、
前記駆動用回転体に設けられて一体に回転する被伝達部に、前記補助駆動部の駆動力を伝達する駆動力伝達部と、を備え、
前記被伝達部は、前記駆動用回転体に着脱可能なアダプタと、前記アダプタに着脱可能なアダプタ側ギアと、を備え、
前記駆動力伝達部は、前記補助駆動部の出力軸に備える出力ギアと、前記出力ギア及び前記アダプタ側ギアに噛み合う中間ギアと、を備える、補助駆動ユニット。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、手動ハンドルを回すことにより、昇降台を、作業の邪魔にならない位置まで退避させることが可能である。しかしながら、昇降台の重量や移動距離によっては、作業者に対して昇降台の退避に多大な労力を要してしまう。また、自動倉庫などにおいてはスペースを有効利用する観点で、物品を収容する棚が上下方向に高い位置まで設けられることが多く、昇降台を退避させる距離が大きくなるので作業者にとって重労働となる。
【0006】
本発明は、上述の事情を鑑みなされたものであり、停止した昇降台を容易かつ確実に昇降させることができ、さらに昇降台の移動に要する作業者の労力を低減することが可能な昇降装置および補助駆動ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の昇降装置は、ベースフレームから鉛直方向に延びるマストに沿って昇降可能な昇降台と、マストに架け渡されて昇降台に接続する索状体と、索状体の一部に掛けられた駆動用回転体を駆動して索状体を移動させることにより昇降台を昇降させる主駆動部と、駆動用回転体に設けられて一体に回転しかつベースフレームに着脱可能な補助駆動部に備える駆動力伝達部を介して補助駆動部の駆動力を受ける被伝達部と、を備え
、被伝達部は、駆動用回転体に着脱可能なアダプタと、アダプタに着脱可能なアダプタ側ギアと、を備え、駆動力伝達部は、補助駆動部の出力軸に備える出力ギアと、出力ギア及びアダプタ側ギアに噛み合う中間ギアと、を備える。
【0008】
また、被伝達部は、駆動用回転体に着脱可能なアダプタと、アダプタに着脱可能なアダプタ側ギアと、を備え、駆動力伝達部は、補助駆動部の出力軸に備える出力ギアと、出力ギア及びアダプタ側ギアに噛み合う中間ギアと、を備えていてもよい。また、アダプタ側ギアと中間ギアとを位置決めする連結プレートを前記被伝達部に備え、出力ギアと中間ギアとを位置決めする連結部材を前記駆動力伝達部に備えていてもよい。また、被伝達部は、ベースフレームに設置されて床面の軌道上を走行する駆動輪と、駆動用回転体との間に配置されていてもよい。
【0009】
本発明の補助駆動ユニットは、ベースフレームから鉛直方向に延びるマストに沿って昇降可能な昇降台と、マストに架け渡されて昇降台に接続する索状体と、索状体の一部に掛けられた駆動用回転体を駆動して索状体を移動させることにより昇降台を昇降させる主駆動部と、を備える昇降装置の補助駆動ユニットであって、ベースフレームに着脱可能な補助駆動部と、駆動用回転体に設けられて一体に回転する被伝達部に、補助駆動部の駆動力を伝達する駆動力伝達部と、を備え、
被伝達部は、駆動用回転体に着脱可能なアダプタと、アダプタに着脱可能なアダプタ側ギアと、を備え、駆動力伝達部は、補助駆動部の出力軸に備える出力ギアと、出力ギア及びアダプタ側ギアに噛み合う中間ギアと、を備える。
【0010】
また、駆動力伝達部は、補助駆動部の出力軸に備える出力ギアと、出力ギアに噛み合いかつ被伝達部に接続可能な中間ギアと、出力ギアと中間ギアとを位置決めする連結部材と、を備えていてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の昇降装置は、昇降台が停止した場合に、補助駆動部から駆動力伝達部を介して駆動用回転体に駆動力を供給し、索状体を移動させることで昇降台を容易かつ確実に移動させることができる。そのため、作業者は、補助駆動部や駆動力伝達部の設置といった簡単な作業により昇降台の移動を行えるので、作業者に対して要する労力を低減できる。
【0012】
また、被伝達部は、駆動用回転体に着脱可能なアダプタと、アダプタに着脱可能なアダプタ側ギアと、を備え、駆動力伝達部は、補助駆動部の出力軸に備える出力ギアと、出力ギア及びアダプタ側ギアに噛み合う中間ギアと、を備える場合、アダプタを用いることにより、駆動力伝達部を容易に駆動用回転体に取り付けることができ、アダプタを変更することで、異なるタイプの駆動用回転体に駆動力伝達部を取り付けることができる。また、被伝達部は、アダプタ側ギアと中間ギアとを位置決めする連結プレートを備え、駆動力伝達部は、出力ギアと中間ギアとを位置決めする連結部材を備える場合、連結プレート及び連結部材によって、アダプタ側ギアと、中間ギアと、出力ギアとを精度よく位置決めできる。また、被伝達部は、ベースフレームに設置されて床面の軌道上を走行する駆動輪と、駆動用回転体との間に配置されている場合、被伝達部がベースフレームの外側にはみ出すのを回避でき、搬送装置の大型化を回避できる。
【0013】
また、本発明の補助駆動ユニットは、補助駆動部と駆動力伝達部とで構成されるので、昇降装置の索状体を容易かつ確実に移動させることができる。また、小型に構成されるので、倉庫等の保管スペースを小さくするとともに、使用時には作業者が容易に搬送装置まで持ってくることができる。
【0014】
また、駆動力伝達部は、補助駆動部の出力軸に備える出力ギアと、出力ギアに噛み合いかつ被伝達部に接続可能な中間ギアと、出力ギアと中間ギアとを位置決めする連結部材と、を備える場合、補助駆動部の駆動力を昇降装置の被伝達部に確実に伝達することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。また、図面においては実施形態を説明するため、一部分を大きくまたは強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現している。以下の各図において、XYZ座標系を用いて図中の方向を説明する。このXYZ座標系においては、鉛直方向をZ方向とし、水平方向をX方向、Y方向とする。X方向、Y方向、及びZ方向のそれぞれは、図中の矢印の方向が+方向であり、矢印の方向とは反対の方向が−方向であるものとして説明する。
【0017】
図1は、本実施形態に係る昇降装置1を適用した自動倉庫2を概念的に示している。
図1(A)はX方向から見た図を示し、
図1(B)はZ方向から見た図を示した。昇降装置1は、例えば、自動倉庫2において物品OBを移動させることに利用される。物品OBは、例えば、半導体ウエハが収容されたFOUP(フープ)などの収容容器である。なお、物品OBは、FOUP以外の例えばレチクルケースや他の物であってもよいし、その質量に限定はない。
【0018】
自動倉庫2は、複数の収容棚3およびスタッカクレーン等の搬送装置4を備える。搬送装置4は、駆動輪5および走行駆動部6を備えた走行台車7を有する。駆動輪5は、走行台車7を構成するベースフレーム8に設置されており、床面Fに設置されたT状またはI状のレール(軌道)9上に配置されている。ベースフレーム8は、レール9の中間部分を挟み込む一対のローラ5aを備えている。走行台車7は、駆動輪5が走行駆動部6により回転駆動されることで走行し、ローラ5aによって駆動輪5がレール9から脱落せずにX方向に移動可能となっている。なお、X方向は、搬送装置4が走行する方向であり、前後方向と称する場合もある。
【0019】
ベースフレーム8には、鉛直方向に延びるマスト10が設けられている。マスト10の高さは、後述する移載装置25が最上段の収容棚3に物品OBを移載することが可能な高さに設定される。マスト10の上端部は、一対のローラ11が天井レール9aを挟むように設けられる。ローラ11は、不図示の駆動装置によって駆動輪5と同期して回転駆動され、マスト10の上端部は、ローラ11により走行台車7の進行方向に送られる。なお、駆動輪5の駆動やローラ11の駆動は不図示の制御装置によって制御される。
【0020】
複数の収容棚3は、レール9に沿った前後方向(X方向)及び上下方向(Z方向)に並んだ状態で配置される。各収容棚3は、物品OBを載置可能に形成され、各収容棚3上面側には物品OBを収容可能な空間が形成されている。また、各収容棚3は、上面に例えば3本のピン(不図示)が設けられており、物品OBの底面に設けられた溝部にピンが入り込むことで、物品OBを位置決めしている。なお、
図1にはレール9の片側(−Y側)のみに収容棚3が配置されているが、レール9の両側に収容棚3が設けられていてもよい。搬送装置4は、−Y側の収容棚3と+Y側の収容棚のいずれに対しても物品OBを受け渡すことができる。
【0021】
昇降装置1は、マスト10に沿って昇降可能な昇降台20と、マスト10に架け渡されて昇降台20に接続するチェーン(索状体)21と、チェーン21の一部に掛けられたスプロケット(駆動用回転体)22と、スプロケット22を駆動してチェーン21を移動させる主駆動部23と、を備える。
【0022】
主駆動部23は、例えば電動モータおよび減速機を有しており、スプロケット22を回転させる。電動モータは、コントローラ34(
図2参照)によって制御される。この制御装置は、電動モータを駆動してスプロケット22の回転量を規定し、昇降台20を所望の高さに設定する。スプロケット22は、ベースフレーム8(マスト10の下部)に配置されており、その外周にチェーン21が噛み合わされている。スプロケット22は、主駆動部23を介してベースフレーム8に支持されている。チェーン21は、マスト10の上部においてローラ24(スプロケット)に掛けられている。チェーン21は、鉛直方向を長手とする長円状に張られている。チェーン21は、スプロケット22の回転に伴って、長円状の軌道に沿って移動(周回)する。昇降台20は、チェーン21に取り付けられており、チェーン21の移動に伴って上昇または下降する。
【0023】
なお、索状体は、チェーン21でなくてもよく、ワイヤー、ベルト等が用いられてもよい。ベルトが用いられる場合、ベルト表面に一定間隔で複数の凹凸や貫通孔が設けられたベルトでもよい。また、駆動用回転体は、索状体を移動可能なように索状体に形態に応じて選択され、例えば、索状体がワイヤーやベルトである場合、駆動ローラなどが用いられてもよい。また、索状態としてベルト等が用いられる場合、ベルト等に所定の張力を付与するための張力付与機構が設置されてもよい。
【0024】
昇降台20には、収容棚3や、自動倉庫2における物品OBの搬入搬出部(不図示)に対して物品OBの移載を行う移載装置25が設けられている。移載装置25は、例えば、昇降台20に回転可能に設けられた旋回アームと、旋回アームに回転可能に設けられた伸縮アームと、伸縮アームに設けられて収容棚3に接続可能なハンド部と、によって構成される。この旋回アーム及び伸縮アームを不図示の駆動装置で回転させることによりハンド部を進退させ、さらに昇降台20を昇降させることにより任意の収容棚3等に対して物品OBの移載を行う。なお、ハンド部の上面には、例えば3本のピンが設けられており、物品OBの底面の溝部に入り込むことで物品OBをハンド部に対して位置決めしている。なお、上記した移載装置25は一例であって、例えばロボットハンド等のように、収容棚3等に対して物品OBの移載を行うことが可能な任意の構成を適用可能である。
【0025】
上記した昇降装置1において、例えば、主駆動部23が故障した場合、電磁ブレーキなどが作用してスプロケット22の回転が規制され、昇降台20が任意の位置で停止したままの状態となる。このように停止した昇降台20は、他の作業の妨げになる場合がある。本実施形態においては、昇降装置1に補助駆動ユニット30を取り付けて、この補助駆動ユニット30の駆動力を用いて昇降台20を移動させるようにしている。そのため、補助駆動ユニット30の駆動力を受けるための被伝達部33がスプロケット22に設けられる。
【0026】
補助駆動ユニット30は、ベースフレーム8に着脱可能な補助駆動部31と、補助駆動部31の駆動力を被伝達部33に伝達する駆動力伝達部32(
図1(B)参照)と、を備える。補助駆動ユニット30は、主駆動部23の稼働時においてベースフレーム8から外されており、主駆動部23が停止した場合などに取り付けられて使用される外付けのユニットである。なお、補助駆動ユニット30の保管の際、補助駆動部31に駆動力伝達部32を取り付けた状態で保管してもよく、または、補助駆動部31と駆動力伝達部32とを分離して別々に保管してもよい。
【0027】
被伝達部33は、駆動力伝達部32を介して補助駆動部31からの駆動力を受け、スプロケット22と一体に回転する。これにより、スプロケット22の回転に伴ってチェーン21が移動し、昇降台20を停止位置から移動させることができる。このように、本実施形態においては、主駆動部23の稼働時に用いるスプロケット22を利用して、駆動力の入力系統を増やしている。
【0028】
被伝達部33は、スプロケット22と一体に作製されたものでもよく、または、スプロケット22と別に作製されてボルト等の固定具によって一体化されるものでもよい。被伝達部33をスプロケット22に対して着脱可能とした場合、スプロケット22には被伝達部33を取り付けるための取付部が形成される。この取付部としては、例えば、ボルトに対応したネジ穴である。また、被伝達部33をスプロケット22に対して着脱可能とした場合、被伝達部33は、主駆動部23が稼働する通常時に、スプロケット22から外された状態で保管されていてもよい。
【0029】
なお、補助駆動ユニット30の取付位置と、被伝達部33など他の部分との位置関係は、例えば次の通りである。
図1に示すように、走行駆動部6は、駆動輪5に対して−Y側に配置されており、主駆動部23は、駆動輪5に対して走行駆動部6と反対側(+Y側)に配置されている。被伝達部33は、スプロケット22の−Y側に設けられており、その結果、スプロケット22と駆動輪5との間に配置される。駆動力伝達部32は、
図1(B)に示すように、X方向に沿って配置される。補助駆動部31は、ベースフレーム8の−X側に配置され、駆動力伝達部32と接続される。
【0030】
次に、補助駆動ユニット30について、ベースフレーム8に支持された走行駆動部6や主駆動部23など、他の部材とともに詳細に説明する。
図2は、補助駆動ユニット30が取り付けられた昇降装置1の要部を示す図である。
図2(A)はZ方向からみた図を示し、
図2(B)はY方向から見た図を示した。走行駆動部5は、上記のとおりベースフレーム8に取り付けられ、駆動輪5を支持している。
【0031】
主駆動部23は、ベースフレーム8に支持されており、例えば、電動モータ、減速機、電動モータの回転を検出するエンコーダなどを有する。主駆動部23は、コントローラ34に制御される。コントローラ34は、例えば、主駆動部23のエンコーダの検出結果を利用し、電動モータをサーボ制御する。コントローラ34は、駆動輪5やローラ11(
図1参照)の駆動を制御する制御装置と一体であってもよく、または、制御装置と別に設けられてもよい。
【0032】
主駆動部23の出力軸23aにはスプロケット22が固定されている。なお、
図2において、スプロケット22と噛み合うチェーン21は省略している。被伝達部33は、スプロケット22に着脱可能なアダプタ35と、アダプタ35に着脱可能なアダプタ側ギア36と、を備える。これらスプロケット22と、アダプタ35と、アダプタ側ギア36とは、一体となって回転可能である。
【0033】
アダプタ35は、スプロケット22に対して主駆動部23の出力軸23aと反対側に配置される。アダプタ35は、例えば、回転対称な軸状の部材であり、スプロケット22と同軸に配置される。アダプタ35は、スプロケット22の接続側に配置される大径部35aと、アダプタ側ギア36の接続側に配置される小径部35bとを有する。大径部35aおよび小径部35bは、いずれも軸状であり、同軸に形成されている。大径部35aの外径は、例えば、スプロケット22の−Y側に形成される円形の凹部22aに挿入可能な大きさに設定される。アダプタ35は、大径部35aにおいて、ボルト37などの固定具によりスプロケット22に固定される。なお、アダプタ35は、図示の形状に限定されず、スプロケット22とアダプタ側ギア36とを一体化するものであれば、その形状は任意である。また、アダプタ35は、スプロケット22と1体に作製されたものでもよい。
【0034】
アダプタ側ギア36は、アダプタ35に対してスプロケット22と反対側に配置される。アダプタ側ギア36は、アダプタ35と同軸に配置される。アダプタ側ギア36は、ボルト38などの固定具により、スプロケット22の小径部35bに固定される。なお、アダプタ側ギア36は、アダプタ35と一体に作製されたものが用いられてもよい。ただし、被伝達部33を、アダプタ35とアダプタ側ギア36とで構成することにより、例えば、スプロケット22と駆動輪5との間が狭い場合に、アダプタ35とアダプタ側ギア36とを別に固定することで、狭い空間での取り付けが可能となる。さらにアダプタ35を変更することで、異なるタイプのスプロケットにアダプタ側ギア36を取り付けることが可能となり、汎用性が向上する。
【0035】
補助駆動部31は、駆動輪5に対して−X側に配置されている。ベースフレーム8にはプレート40が取り付けられ、このプレート40に補助駆動部31が支持される。プレート40は、補助駆動部31を支持可能な強度で形成され、その形状は任意である。プレート40は、主駆動部23の稼働時においてベースフレーム8から取り外されているが、主駆動部23の稼働時に取り付けた状態としてもよい。プレート40が取り外されている場合、補助駆動部31の取り付けに際して、ボルト等の固定具によりベースフレーム8に取り付けられる。
【0036】
補助駆動部31は、例えば、電動モータ、減速機などを有する。補助駆動部31は、主駆動部23のコントローラ34と別のコントローラ41によって制御される。作業者は、コントローラ41を操作することにより、電動モータのオンオフや回転方向を切り替えることができる。なお、コントローラ41は、主駆動部23のエンコーダなどのように、昇降台の位置情報を検出する各種センサーの検出結果を利用して、昇降台20の位置を制御してもよい。例えば、コントローラ41は、昇降台20の位置あるいは移動量が、作業者が指定した目標値に近づくように、各種センサーの検出結果を使って補助駆動部31の電動モータをサーボ制御してもよい。
【0037】
駆動力伝達部32は、補助駆動部31の出力軸31aに固定された出力ギア42と、出力ギア42及びアダプタ側ギア36に噛み合う中間ギア43と、出力ギア42と中間ギア43とを位置決めする連結部材44と、を備える。中間ギア43は、出力ギア42と噛み合うように、出力軸31aに対して+X側に配置されている。
【0038】
中間ギア43は、連結部材44の一端部に配置される。中間ギア43は、連結部材44に備えるベアリング等の軸受けによって回転可能に支持される。連結部材44の他端部は、補助駆動部31に取り付けられる。連結部材44は、X方向に沿った方向に延びるように補助駆動部31に取り付けられる。なお、連結部材は、例えば、補助駆動部31の出力軸23aの周りで回転可能に設けられてもよい。
【0039】
また、被伝達部33は、アダプタ側ギア36と中間ギア43とを位置決めする連結プレート45を備える。連結プレート45の一端部は、アダプタ35に取り付けられている。連結プレート45は、一端部に設けられた開口部45a(
図2(B)参照)にアダプタ35の小径部35bが貫通することでアダプタ35に対して回転可能に支持される。連結プレート45の開口部45aは、例えば、ベアリング等が配置され、アダプタ35の小径部35bの軸受としてもよい。連結プレート45の他端部は、開口部45b(
図2(B)参照)が設けられており、中間ギア43の回転軸43aと接続される。回転軸43aは、開口部45bを介してボルト45cなどの固定具によって連結プレート45に支持される。これにより、アダプタ側ギア36と中間ギア43とが位置決めされる。
【0040】
このように、駆動力伝達部32においては連結部材44により出力ギア42と中間ギア43とが位置決めされており、さらに、被伝達部33においては連結プレート45によりアダプタ側ギア36と中間ギア43とが位置決めされている。従って、補助駆動部31を駆動することにより、出力軸31aの回転は、出力ギア42から中間ギア43を介してアダプタ側ギア36に確実に伝達され、その結果、スプロケット22を回転させて昇降台20を確実に昇降させることができる。
【0041】
次に、補助駆動ユニット30の取付方法について説明する。
図3〜
図7は、補助駆動ユニット30の取付方法を示す工程図である。
図3〜
図7の各図において、(A)はZ方向から見た図を示し、(B)はY方向から見た図を示した。また、
図3〜
図7において、スプロケット22と噛み合うチェーン21は省略している。
【0042】
まず、
図3に示すように、スプロケット22にアダプタ35が取り付けられる。ここでは、ボルト37を予め差し込んだアダプタ35を、駆動輪5とスプロケット22との隙間から、スプロケット22の凹部22aに大径部35aを嵌め込むことで、アダプタ35がスプロケット22と同軸に位置決めされる。続いて、スプロケット22のボルト穴にボルト37を止めることによって、アダプタ35をスプロケット22に固定する。なお、アダプタ35の固定にボルト37を用いることに限定されず、クランプなど任意の固定具が使用されてもよい。また、アダプタ35を固定した段階では、駆動輪5とスプロケット22との間に、作業者が部材を差し込む隙間が残っている。
【0043】
次に、
図4に示すように、連結プレート45をアダプタ35に取り付ける。ここでは、連結プレート45の開口部45aに不図示のベアリングを取り付けた後、連結プレート45を駆動輪5とスプロケット22との隙間から入れ、開口部45aにアダプタ35の小径部35b差し込む。不図示のベアリングは、内径がアダプタ35の小径部35bの外径とほぼ同じに設定され、連結プレート45の開口部45aとアダプタ35の小径部35bとの間に配置される。なお、不図示のベアリングは、先にアダプタ35に取り付け、このベアリングに連結プレート45を取り付けてもよい。
【0044】
連結プレート45は、ベアリングにより、
図4(B)に示すようにアダプタ35に対して回転可能である。後に取り付ける部材をベースフレーム8に対して−X側から搬入する場合、連結プレート45の−X側の部分が搬入の邪魔にならないように、回転させておくことも可能である。
【0045】
次に、
図5に示すように、アダプタ側ギア36をアダプタ35に取り付ける。ここでは、ボルト38を保持したアダプタ側ギア36を、駆動輪5と連結プレート45との隙間から入れ、アダプタ35の小径部に設けられた不図示のボルト穴にボルト38を止めることによって、アダプタ側ギア36がアダプタ35に固定される。なお、アダプタ側ギア36の固定にボルト38を用いることに限定されず、クランプなど任意の固定具が使用されてもよい。
【0046】
なお、連結プレート45は、アダプタ側ギア36に取り付けられていてもよい。この場合、連結プレート45とアダプタ側ギア36との間にベアリングなどを配置し、連結プレート45をアダプタ側ギア36に対して回転可能にしてもよい。また、アダプタ側ギア36は、アダプタ35を介してスプロケット22に接続されているが、アダプタ35を使わずにスプロケット22に直接的に取り付けられてもよいし、スプロケット22と一体化されていてもよい。この場合、アダプタ35が不要になるので、
図3の工程を省略できる。
【0047】
なお、
図3〜
図5では、アダプタ35、連結プレート45、及びアダプタ側ギア36を、それぞれ順にスプロケット22に取り付けているが、これらのうち少なくとも2つを予め組み立てた後にスプロケット22に取り付けてもよい。例えば、アダプタ35、連結プレート45、及びアダプタ側ギア36を予め組み立ててユニット化しておき、このユニットをスプロケット22に取り付けてもよい。
【0048】
なお、アダプタ35は、スプロケット22に予め取り付けられていてもよく、スプロケット22にアダプタ35が取り付けられた状態で主駆動部23が稼働してもよい。この場合に
図3の工程は省略できる。さらに、連結プレート45やアダプタ側ギア36が、アダプタ35に予め取り付けられていてもよく、この状態で主駆動部23が稼働してもよい。この場合、
図4や
図5の工程を省略できる。
【0049】
次に、
図6に示すように、ベースフレーム8にプレート40を取り付ける。プレート40は、
図2に示した補助駆動部31および駆動力伝達部32を支持する。プレート40には、補助駆動部31を差し込んで固定するための切り欠き部40aを備えている。プレート40は、ボルト等の固定具によってベースフレーム8に固定される。プレート40は、主駆動部23の稼働時に取り付けられたままであってもよいが、通常は取り外されて保管されている。
【0050】
次に、
図7に示すように、補助駆動ユニット30がベースフレーム8に取り付けられる。補助駆動ユニット30は、補助駆動部31がプレート40に固定されることで取り付けられる。ここでは、ユニット化された補助駆動部31および駆動力伝達部32を−X側から搬入し、補助駆動部31をプレート40の切り欠き部40aに差し込んで、不図示のボルト等の固定具によって仮止めする。続いて、
図8(B)に示すように、連結プレート45をスプロケット22の回転軸を中心に回転させ、連結プレート45の開口部45bを介して中間ギア43の回転軸43aをボルト45cにより固定する。これにより、出力ギア42と中間ギア43とアダプタ側ギア36とが互いに位置決めされ、互いに噛み合った状態が形成される。続いて、補助駆動部31を仮止めしたボルトを締め付けてプレート40に固定することにより、補助駆動ユニット30が昇降装置1に取り付けられる。ただし、駆動力伝達部32は、プレート40を用いて固定されることに限定されず、例えばベルトによってベースフレーム8に固定されてもよい。なお、
図2に示したコントローラ41は補助駆動部31に接続される。なお、補助駆動部31がバッテリ等の内蔵電源を持たない場合は、補助駆動部31に外部電源が接続される。
【0051】
次に、補助駆動ユニット30の使用例について説明する。
図8は、補助駆動ユニット30の使用例を示す概念図である。
図8において、自動倉庫2は、同一のレール9を走行する2台の第1及び第2搬送装置(スタッカクレーン)1A、1Bを備えている。第1及び第2搬送装置4A、4Bは、それぞれ
図1に示すものと同様の昇降装置を有している。なお、第1及び第2搬送装置4A、4Bは、互いに移載装置25が向き合う状態で配置されている。
【0052】
図8(A)において、第1搬送装置4Aは、故障などにより移載装置25が昇降不能になっている。第1搬送装置1Aの昇降台20は、マスト10の最下端に位置しており、複数の収容棚3のうち最下段の収容棚3付近に停止している。このような場合、第1搬送装置4Aの移載装置25が邪魔となり、第2搬送装置4Bの移載装置25は、物品OB2(ハッチングで表記)にアクセスすることができない。なお、他の物品OB1にはアクセス可能である。従って、物品OB2を搬出する場合、あるいはこの収容棚3に物品を搬入する場合は、停止中の昇降台20を上昇させて移載装置25を上方に退避させる必要がある。ここで、
図2等に示した補助駆動ユニット30を第1搬送装置4Aに取り付け、
図8(B)に示すように、第1搬送装置4Aの昇降台20を上昇させることにより退避させることができる。これにより、第2搬送装置4Bの移載装置25が最下段の収容棚3にアクセス可能となり、物品OB2の搬入あるいは搬出を行うことができる。
【0053】
このように、本実施形態は、故障等により主駆動部23が停止した場合でも、補助駆動ユニット30によって昇降台20を容易かつ確実に移動させることができる。また、昇降台20の昇降に要する労力を低減できる。また、補助駆動部31がベースフレーム8に着脱可能であるので、通常時は、補助駆動部31を外した状態とすることで、搬送装置4を余分な荷重をかけることを回避でき、さらに省スペース化を図ることができる。
【0054】
また、自動倉庫2が複数の搬送装置4を備える場合、各搬送装置4の昇降装置1に補助駆動ユニット30を取り付けることができ、この補助駆動ユニット30を少なくとも1つ用意しておけば、昇降装置1のいずれかが故障した場合でも対応可能となる。
【0055】
以上、実施形態について説明したが、本発明は、上述した説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。例えば、上記した実施形態では、被伝達部33や駆動力伝達部32にギアを用いているが、これに限定されない。例えば、アダプタ側ギア36や出力ギア42に代えてスプロケットやプーリを使用し、チェーンやベルトによって駆動力を伝達してもよい。また、上記した実施形態では、補助駆動部31の出力軸23aからスプロケット22まで、3つの出力ギア42、中間ギア43、アダプタ側ギア36を用いるが、これに代えて、2つまたは4つ以上のギアを用いて駆動力を伝達してもよい。