特許第6128304号(P6128304)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6128304-非常用点灯装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6128304
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】非常用点灯装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20170508BHJP
【FI】
   H05B37/02 K
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-101530(P2012-101530)
(22)【出願日】2012年4月26日
(65)【公開番号】特開2013-229233(P2013-229233A)
(43)【公開日】2013年11月7日
【審査請求日】2015年3月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】辻 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】大武 寛和
【審査官】 松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−003991(JP,A)
【文献】 特開2011−228025(JP,A)
【文献】 特開2009−291048(JP,A)
【文献】 特開2001−268777(JP,A)
【文献】 特開2010−40222(JP,A)
【文献】 特開2012−153271(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電源の非停電時にこの外部電源によって発光素子を点灯させる常時点灯回路と;
バックアップ電源と;
外部電源の停電時にバックアップ電源によって発光素子を点灯させる非常時点灯回路と;
外部電源の非停電時には発光素子に対して常時点灯回路を接続するとともに、外部電源の停電時には発光素子に対して非常時点灯回路を接続するように切り換わる切換部と;
切換部によって発光素子に対して常時点灯回路から非常時点灯回路へと接続を切り換えたときに発光素子に流れる過電流を制限する過電流制限回路と;
インピーダンス素子と定電圧素子とを直列に備える直列回路と;
を具備し、
発光素子は、少なくとも非常時点灯回路に対して着脱可能であり、
過電流制限回路は、
非常時点灯回路に接続された発光素子に流れる電流を検出する検出抵抗と、
切換部に対して検出抵抗と直列に接続され制御端子が直列回路の定電圧素子により所定の定電圧に設定された第1スイッチング素子、および、検出抵抗の両端間電圧により動作が切り換えられる第2スイッチング素子を有し、検出抵抗に流れる電流の大きさが所定値以上となったときに第2スイッチング素子が切り換えられて第1スイッチング素子の制御端子を短絡させることにより第1スイッチング素子が開放されることで発光素子を非常時点灯回路に対して開放して過電流を阻止するとともに直列回路の両端間に非常時点灯回路の開放電圧を出力させるスイッチ部とを備えている
ことを特徴とする非常用点灯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、外部電源の停電及び非停電に対応して発光素子を常時点灯回路と非常時点灯回路とのいずれか一方に選択的に接続させる切換部を備えた非常用点灯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商用電源(商用交流電源)などの外部電源によって光源を点灯させる常時点灯回路と、外部電源の停電時にバッテリなどのバックアップ電源によって光源を点灯させる非常時点灯回路とを備えた非常用点灯装置がある。
【0003】
このような非常用点灯装置は、外部電源を監視し、この外部電源の停電を検出したときには、光源に対して常時点灯回路から非常時点灯回路へと接続を切り換えることにより、外部電源の停電などの非常時の光源の点灯を可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−210238号公報
【特許文献2】特開2006−269408号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
外部電源の停電時、光源に対して、常時点灯回路から非常時点灯回路へと接続が切り換わる、または負荷が着脱されることで、非常時点灯回路側から見て負荷が急変し、過電流が流れることがある。
【0006】
近年、光源として発光素子、例えばLED光源を用いることがあり、このような発光素子は過電流に対する耐久性が低く、過電流に対して充分な保護が必要になる。
【0007】
このような過電流を防止するためには、例えば非常点灯回路または常時点灯回路の切り換わり時に遅延回路を備えたシーケンス回路を設けることにより過電流を抑制することが考えられる。しかしながら、このような動作シーケンスは、構成が複雑化するという問題がある。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、発光素子を確実に保護できる非常用点灯装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態の非常用点灯装置は、外部電源の非停電時にこの外部電源によって発光素子を点灯させる常時点灯回路を有する。また、この非常用点灯装置は、バックアップ電源を有する。さらに、この非常用点灯装置は、外部電源の停電時にバックアップ電源によって発光素子を点灯させる非常時点灯回路を有する。また、この非常用点灯装置は、外部電源の非停電時には発光素子に対して常時点灯回路を接続するとともに、外部電源の停電時には発光素子に対して非常時点灯回路を接続するように切り換わる切換部を有する。そして、この非常用点灯装置は、切換部によって発光素子に対して常時点灯回路から非常時点灯回路へと接続を切り換えたときに発光素子に流れる過電流を制限する過電流制限回路を有する。また、この非常用点灯装置は、インピーダンス素子と定電圧素子とを直列に備える直列回路を有する。発光素子は、少なくとも非常時点灯回路に対して着脱可能である。過電流制限回路は、検出抵抗と、スイッチ部とを備える。検出抵抗は、非常時点灯回路に接続された発光素子に流れる電流を検出する。スイッチ部は、第1スイッチング素子および第2スイッチング素子を有する。第1スイッチング素子は、切換部に対して検出抵抗と直列に接続され制御端子が所定の定電圧に設定される。第2スイッチング素子は、検出抵抗の両端間電圧により動作が切り換えられる。そして、スイッチ部は、検出抵抗に流れる電流の大きさが所定値以上となったときに第2スイッチング素子が切り換えられて第1スイッチング素子の制御端子を短絡させることにより第1スイッチング素子が開放されることで発光素子を非常時点灯回路に対して開放して過電流を阻止するとともに直列回路の両端間に非常時点灯回路の開放電圧を出力させる
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、切換部によって発光素子に対して常時点灯回路から非常時点灯回路へと接続を切り換えたとき、および、非常時点灯回路に接続された発光素子を一旦取り外して再装着したときに非常時点灯回路側から見て負荷が軽くなることにより検出抵抗に流れる電流の大きさが所定値以上となると第2スイッチング素子が切り換わり直列回路の定電圧素子によって所定の定電圧に設定されている第1スイッチング素子の制御端子を短絡させることで第1スイッチング素子が開放することにより発光素子を非常時点灯回路に対して開放して発光素子に流れる過電流を過電流制限回路により制限し、発光素子を確実に保護することが期待できる。また、第1スイッチング素子の開放によって直列回路の両端間に生じる非常時点灯回路の開放電圧を比較的高くしても過電流が生じにくいので、この開放電圧を高くした設計が可能となり、降下電圧が異なる種々の発光素子に対応した設計が容易になることが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態の非常用点灯装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、一実施形態の構成を図1を参照して説明する。
【0013】
図1において、11は非常用点灯装置であり、この非常用点灯装置11は、誘導灯、あるいは非常灯などの非常用器具に用いられるものである。
【0014】
そして、この非常用点灯装置11には、発光素子12が着脱可能であり、この発光素子12を商用電源(商用交流電源)などの外部電源eの非停電時に点灯させる常時点灯回路としての電源ユニット13と、バックアップ電源であるバッテリBと、発光素子12を外部電源eの停電時に点灯させる非常用回路としての非常灯ユニット14とが備えられている。
【0015】
発光素子12は、例えばLED光源であり、複数の素子であるLED16を直列に接続して構成されている。また、この発光素子12は、ソケット17を介して非常用器具(電源ユニット13及び非常灯ユニット14)に対して着脱可能となっている。
【0016】
また、バッテリBは、複数の直流電源を直列に接続したバッテリパックであり、外部電源eの停電時に、発光素子12(LED16)を所定の光束で所定の時間以上点灯状態を維持できる容量を有している。
【0017】
また、電源ユニット13は、外部電源eの非停電時にこの外部電源eによって発光素子12(LED16)を点灯させるものである。そして、この電源ユニット13は、外部電源eによって発光素子12(LED16)を所定の光束で点灯させることができれば、任意の回路構成とすることができるが、例えば図示しない制御手段としてのマイコンなどを備えた点灯制御回路により制御され、発光素子12(LED16)を点灯させるための定電流を出力するように構成されている。さらに、この電源ユニット13は、外部電源eに対して電源スイッチSW1及び点検用切換手段としての点検スイッチSW2を介して電気的に接続されている。
【0018】
電源スイッチSW1は、例えば壁面などに設置されており、手動によって動作し、発光素子12(LED16)の点灯、消灯を切り換える。
【0019】
また、点検スイッチSW2は、バッテリBの充電状態及び寿命などを点検するときに用いるものである。具体的に、この点検スイッチSW2は、常閉のスイッチであり、バッテリBの点検時に開放されることで外部電源eと電源ユニット13及び非常灯ユニット14とを電気的に遮断し、擬似的な停電状態を作り出して、バッテリBによって非常灯ユニット14により発光素子12(LED16)を点灯させ、発光素子12(LED16)が所定の光束を維持して所定の時間以上点灯するかを検査できるように構成されている。
【0020】
また、非常灯ユニット14は、外部電源eと点検スイッチSW2を介して電気的に接続される入力側回路21と、この入力側回路21に対して電気的に接続され外部電源eの状態、すなわち停電及び非停電を監視する電源監視回路22と、この電源監視回路22に対して電気的に接続されバッテリBを充電する充電回路23と、この充電回路23に対して電気的に接続され発光素子12を点灯させる非常時点灯回路24と、この非常時点灯回路24と電源ユニット13とのいずれか一方を発光素子12に対して選択的に電気的に接続する切換部としてのリレーRyとを備えている。なお、例えば電源監視回路22と充電回路23との間には、図示しないが、平滑用のコンデンサが接続されている。
【0021】
入力側回路21は、図示しないが、例えば外部電源e側からのノイズを除去するフィルタ回路(雑防回路)、及び、外部電源eを(全波)整流する整流回路を備えている。
【0022】
また、充電回路23は、外部電源eによりバッテリBを充電するように構成されている。
【0023】
また、非常時点灯回路24は、外部電源eの停電時にバッテリBを電源として発光素子12(LED16)を点灯させるものである。そして、この非常時点灯回路24は、バッテリBによって発光素子12(LED16)を所定の光束で所定の時間以上点灯させることができれば、任意の回路構成とすることができるが、例えば点灯制御回路により制御される。
【0024】
具体的に、この非常時点灯回路24は、出力側に、複数のインピーダンス素子である抵抗R1と定電圧素子であるツェナダイオードZDとの直列回路27と、発光素子12(LED16)に流れる過電流を制限する過電流制限回路28とを備えている。
【0025】
直列回路27は、リレーRyにより発光素子12に対して非常時点灯回路24を電気的に接続した状態で、このリレーRy(発光素子12)に対して電気的に並列に接続されている。
【0026】
また、過電流制限回路28は、スイッチ部29を構成する(第1)スイッチング素子としてのFETQ1及び(第2)スイッチング素子としての例えばNPN型のトランジスタQ2と検出抵抗R2とを備えている。FETQ1は、検出抵抗R2とともに直列回路をなしてリレーRyに対して電気的に直列に接続されている。また、このFETQ1の制御端子であるゲート端子は、抵抗R1とツェナダイオードZDのカソードとの接続点と電気的に接続されている。さらに、トランジスタQ2は、コレクタ端子がFETQ1のゲート端子と電気的に接続されているとともに、ベース端子がFETQ1と検出抵抗R2との接続点と電気的に接続され、エミッタ端子が検出抵抗R2及びツェナダイオードZDのアノードと電気的に接続されている。したがって、トランジスタQ2のベース端子−エミッタ端子間に検出抵抗R2が接続されており、FETQ1のゲート電位がツェナダイオードZDによって所定の定電圧に設定されている。
【0027】
そして、非常時点灯回路24は、発光素子12をソケット17から取り外した状態(発光素子12の取り外し状態)では、過電流制限回路28が開放され、直列回路27の両端間に定電圧(開放電圧)を出力するように構成されているとともに、発光素子12をソケット17に接続した状態(発光素子12の取り付け状態)では、発光素子12とFETQ1及び検出抵抗R2とが直列回路27と電気的に並列な直列回路をなすことで、発光素子12(LED16)を点灯させるための定電流を供給するように構成されている。
【0028】
また、リレーRyは、2極の切換接点Ry1,Ry2を有する、いわゆる2c接点型のものであり、発光素子12に対して、電源ユニット13と非常時点灯回路24(非常灯ユニット14)とのいずれか一方を選択的に切り換え可能となっている。さらに、このリレーRyは、例えばコイルが点灯制御回路と電気的に接続されており、電源監視回路22によって外部電源eの停電を検出したときにコイルが通電されて切換接点Ry1,Ry2が動作するように設定されている。具体的に、本実施形態では、リレーRyは、外部電源eが非停電の状態では、発光素子12に対して電源ユニット13を接続した状態となっており、外部電源eが停電すると、発光素子12に対して非常時点灯回路24(非常灯ユニット14)を接続した状態に切り換わるようになっている。
【0029】
次に、上記一実施形態の動作を説明する。
【0030】
電源スイッチSW1をオンして外部電源eが供給されている状態、すなわち非停電時には、外部電源eは電源ユニット13及び点灯制御回路に電源を供給し、点灯制御回路により動作制御された電源ユニット13により発光素子12(LED16)に定電流を供給して、この発光素子12(LED16)を所定の光束で点灯させる(通常点灯)。また、非常灯ユニット14では、外部電源eは入力側回路21により高周波成分などのノイズが除去されるとともに整流され、コンデンサにより平滑されて充電回路23に供給され、この充電回路23がバッテリBを充電する。
【0031】
一方、外部電源eの停電時、すなわち電源監視回路22によって外部電源eの停電を検出したときには、点灯制御回路がリレーRyの切換接点Ry1,Ry2を切り換え(図中の想像線に示す)、発光素子12に対して、電源ユニット13から非常時点灯回路24(非常灯ユニット14)へと接続が切り変わる。そして、バッテリBが非常時点灯回路24及び点灯制御回路に電源を供給し、点灯制御回路により動作制御された非常時点灯回路24により発光素子12(LED16)に定電流を供給して、この発光素子12(LED16)を所定の光束で点灯させる(非常点灯)。なお、発光素子12(LED16)を点灯させる電流は、検出抵抗R2の両端間、すなわちトランジスタQ2のベース端子−エミッタ端子間において所定のオン電圧に相当する電位差(例えば0.7V)未満の電位差を生じさせる程度のものであるため、トランジスタQ2はオフした状態となっている。したがって、この発光素子12(LED16)が点灯している状態では、ツェナダイオードZDによりFETQ1のゲート電位が所定の定電位に設定されてFETQ1がオンした状態となっている。
【0032】
ここで、リレーRyの切換接点Ry1,Ry2によって、発光素子12に対して、電源ユニット13から非常時点灯回路24(非常灯ユニット14)へと接続が切り変わったときには、非常時点灯回路24(非常灯ユニット14)側から見て負荷が急変する、すなわち瞬間的に軽くなることにより、数A程度の過電流が生じる。このとき、過電流制限回路28では、この過電流が検出抵抗R2を流れると、この検出抵抗R2の両端間、すなわちトランジスタQ2のベース端子−エミッタ端子間に所定のオン電圧に対応する電位差(例えば0.7V)以上の電位差が生じることによりベース電流が流れてトランジスタQ2が直ちにオンされ、FETQ1のゲート電位を短絡する。すなわち、スイッチ部29において、FETQ1及びトランジスタQ2のスイッチ動作が通常点灯時から切り換わる。この結果、FETQ1がオフされ、発光素子12を非常時点灯回路24に対して開放し、発光素子12に流れる過電流を阻止(制限)する。
【0033】
また、非常点灯時に、例えば発光素子12をソケット17から一旦取り外して再装着した場合にも、非常時点灯回路24(非常灯ユニット14)側から見て負荷が瞬間的に軽くなることにより、過電流が生じる。このため、過電流制限回路28が上記と同様の保護動作を行い、過電流を阻止(制限)する。
【0034】
以上説明した一実施形態によれば、リレーRyによって発光素子12に対して電源ユニット13から非常時点灯回路24へと接続を切り換えたときに発光素子12に流れる過電流を過電流制限回路28により制限し、過電流に対する耐久性が低い発光素子12を確実に保護できる。
【0035】
具体的に、過電流制限回路28は、非常時点灯回路24に接続された発光素子12に流れる電流を検出する検出抵抗R2を備え、この検出抵抗R2に流れる電流の大きさが所定値以上のときにスイッチ部29のFETQ1及びトランジスタQ2のスイッチ動作が切り換わることで発光素子12を非常時点灯回路24に対して開放し、過電流を阻止するため、簡単な構成で発光素子12を過電流に対して確実に保護できる。
【0036】
すなわち、上記の過電流制限回路28を設けることにより、例えば過電流を生じさせないように非常時点灯回路により発光素子を点灯させた後に電源ユニットの動作を停止させるなどの、一般的な動作シーケンスと異なる動作シーケンスを行うような複雑な設計変更を施すことなく、発光素子12を過電流に対して確実に保護できる構成を容易に実現できる。
【0037】
さらに、発光素子12を非常時点灯回路24に対して着脱可能とすることにより発光素子12に対して非常時点灯回路24を接続した状態(非常点灯状態)で、発光素子12を一旦取り外した後、再装着したときに流れる過電流を過電流制限回路28により制限でき、過電流によってソケット17を傷めることもない。
【0038】
そして、上記の過電流制限回路28を備えることにより、非常灯ユニット14(非常時点灯回路24)として開放電圧(直列回路27の両端間電圧)を比較的高くしても過電流が生じにくいので、この開放電圧を高くした設計が可能となる。そのため、発光素子12(LED16)の降下電圧(Vf)に依存しにくい設計、換言すれば降下電圧が異なる種々の発光素子12に対応した設計が容易になる。
【0039】
なお、上記一実施形態において、発光素子12は複数のLED16を直列に接続したものとしたが、例えば1つのLED16を用いてもよい。
【0040】
らに、発光素子12としては、LEDに代えて、有機EL、あるいは無機ELを用いてもよい。
【0041】
そして、本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0042】
11 非常用点灯装置
12 発光素子
13 常時点灯回路としての電源ユニット
24 非常時点灯回路
27 直列回路
28 過電流制限回路
29 スイッチ部
B バックアップ電源であるバッテリ
e 外部電源
Q1 第1スイッチング素子としてのFET
Q2 第2スイッチング素子としてのトランジスタ
R1 インピーダンス素子としての抵抗
R2 検出抵抗
Ry 切換部としてのリレー
ZD 定電圧素子としてのツェナダイオード
図1