(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
画像を多値で読み取る読取手段と、読み取った画像を解像度変換する画像度変換手段と、画像を記憶する記憶手段と、縮拡率に従って画像の縮小または拡大を行う縮拡手段と、減値化の処理を行う減値化手段と、前記縮拡率及び前記解像度変換手段による解像度変換後の画像の解像度に応じて、前記縮拡手段で縮拡処理し前記減値化手段で減値化した画像を前記記憶手段に記憶させるか、解像度変換後の多値の画像を前記記憶手段に記憶させ前記記憶手段から読み出した画像を縮拡手段で縮拡処理し前記減値化手段で減値化するかを制御する制御手段を有することを特徴とする画像読取装置。
原稿の一方の面の画像を多値で読み取る第1読取手段と、第1読取手段で読み取った画像を解像度変換する第1解像度変換手段と、原稿の他方の面の画像を多値で読み取る第2読取手段と、第2読取手段で読み取った画像を解像度変換する第2解像度変換手段と、画像を記憶する記憶手段と、縮拡率に応じて画像の拡大または縮小を行う第1および第2縮拡手段と、減値化の処理を行う第1および第2減値化手段と、前記縮拡率及び前記第1および第2解像度変換手段による解像度変換後の画像の解像度に応じて、前記第1および第2縮拡手段で縮拡処理し前記第1および第2減値化手段で減値化した画像を前記記憶手段に記憶させるか、解像度変換後の多値の画像を前記記憶手段に記憶させ前記記憶手段から読み出した画像を前記第1または第2縮拡手段で縮拡率に応じて縮拡処理し前記第1または第2減値化手段で減値化するかを制御する制御手段を有することを特徴とする画像読取装置。
前記制御手段は、前記記憶手段から読み出した画像を縮拡処理及び減値化する場合に、前記第1および第2縮拡手段で並列に縮拡率に応じて縮拡処理し、前記第1および第2減値化手段で並列に減値化する制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
さらに、画像に対して処理を行う第1および第2画像処理手段を有し、前記制御手段は、縮拡処理及び減値化を行ってから前記記憶手段に記憶させる場合には、前記第1および第2縮拡手段による縮拡処理とともに前記第1および第2画像処理手段による画像処理を行ってから前記第1および第2減値化手段で減値化して前記記憶手段に記憶させ、前記記憶手段から読み出した画像を縮拡処理及び減値化する場合には、前記記憶手段から読み出した画像に対して前記第1または第2縮拡手段による縮拡処理とともに前記第1または第2画像処理手段による画像処理を行ってから前記第1または第2減値化手段で減値化させる制御を行うことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像読取装置。
【背景技術】
【0002】
画像を読み取る画像読取装置では、読み取った画像を一旦、記憶部に記憶させておき、出力のタイミングを調整して、画像を記憶部から読み出して後続の装置あるいは外部への出力している。
【0003】
拡大または縮小された画像を取得する場合がある。従来の画像読取装置における一つの方法として、画像の一方向については原稿とセンサの相対速度を変更する方法がある。例えば拡大を行う場合には、原稿とセンサの相対速度を通常の速度よりも遅くして一方向の拡大を行い、他方向については電子的に拡大処理を行って、画像全体の拡大を行っている。この場合、原稿の読み取りが終了するまでの時間が等倍の場合に比べて長くなってしまう。
【0004】
原稿の読取時間を等倍の場合の時間に収める場合には、拡大の処理を電子的に行うとよい。この場合、拡大した画像のデータ量は等倍の画像のデータ量より多くなる。従って、記憶部に画像を記憶させるのに要する時間も、等倍の場合に比べて、拡大した場合には時間を要することになり、読取時間内に画像を記憶部に記憶させる処理が終了せずに、次の読み取りが待たされる場合が生じている。
【0005】
一方、後続の装置あるいは外部へ画像を出力する際には、データの転送帯域などの関係から、各画素の階調を読み取りの際の階調よりも減らす減値化の処理を行っている。この減値化の処理を行えばデータ量が減値化の前と比べて減少する。従って、減値化した画像を記憶部に記憶させれば、減値化しない場合に比べて画像を記憶部に記憶させるのに要する時間が短くなる。
【0006】
画像の拡大を行う場合には、減値化する前の画像に対して行う。従って、拡大処理によってデータ量が等倍の場合に比べて増加し、減値化の処理によりデータ量が減値化する前に比べて減少する。増加分が減少分を上回ると、拡大して減値化した画像を記憶部に記憶させる時間が読み取りに要する時間を上回って、読み取りが待たされる場合が生じてしまう。
【0007】
このような不具合は、複数の読取部が設けられている画像読取装置ではさらに顕著である。例えば原稿の表面の画像を読み取る読取部と原稿の裏面の画像を読み取る読取部を有する画像読取装置がある。このような構成の画像読取装置では、原稿の表面の画像と裏面の画像を並行して読み取り、表面の画像を読み取ってから原稿を反転して裏面の画像を読み取る構成に比べて読み取りに要する時間は短縮される。
【0008】
このような構成の画像読取装置の場合、記憶部には表面の画像と裏面の画像の2ページ分の画像を記憶させることになる。表面および裏面の画像を並行して読み取る原稿1枚分の読取時間内に、表面と裏面の2ページ分の画像を記憶部に記憶させれば、読取部を止めずに連続した読み取りが実現される。
【0009】
例えば特許文献1では、読み取った画像の副走査方向の解像度を半分にしてデータ量を半減させ、表裏2ページ分の画像のデータ量を1ページ分のデータ量として原稿1枚分の読取時間で記憶部に記憶させている。また、上述の減値化の処理を用い、表面の画像および裏面の画像とも減値化すれば、データ量は減値化しない場合に比べて減少し、原稿1枚分の読取時間内で2ページ分の減値化した画像を記憶部へ記憶させてもよい。
【0010】
しかし、拡大の処理を行う場合、例えば減値化したとしても拡大された2ページ分の画像を記憶部へ記憶させるのに、1ページ分の読取時間では間に合わない場合がある。このような場合、各原稿の読み取りに間隔を開けることになり、拡大を行わない場合に比べて読取全体に要する時間が長くなってしまう。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明の実施の一形態を示す構成図である。図中、11は読取部、12は処理部、13は記憶部、14は制御部、21は縮拡部、22は減値化部、23は画像処理部、24は解像度変換部である。
【0025】
読取部11は、原稿上の画像を多値で読み取る。読取部11は1つに限らず、複数有して並列して読み取る構成であってもよい。読取方式は、種々の公知の方法を利用すればよい。
【0026】
処理部12は、読取部11で読み取った画像に対して種々の処理を施して記憶部13に記憶させ、あるいは記憶部13に記憶されている画像を読み出して種々の処理を施し、出力画像として出力する。ここでは、出力画像は減値化された画像であるものとする。出力画像は、例えば画像形成装置などの後段の各種装置や外部へ出力される。
【0027】
この例では、処理部12は、縮拡部21、減値化部22、画像処理部23、解像度変換部24を含んで構成されている。縮拡部21は、あらかじめ指定されている縮拡率に従って画像の縮小または拡大を行う。減値化部22は、階調数を与えられた画像の階調数よりも減らす処理を行う。例えば、与えられた画像の256階調の画素値を128,64,32,16,8,4,2階調の画素値に変換する。2階調の画素値に変換する処理は、一般に2値化と呼ばれ、ディザ法や誤差拡散法など種々の公知の方法を使用すればよい。他の階調への変換も公知の種々の方法を使用すればよい。画像処理部23は、縮拡部21や減値化部22、解像度変換部24以外の種々の画像処理を行ってよい。解像度変換部24は、読取部11で読み取った画像の解像度を変換する。
【0028】
記憶部13は、画像を記憶する。記憶する画像は、制御部14の制御によって、読取部11で読み取った多値の画像である場合と、減値化部22で減値化された画像である場合がある。
【0029】
制御部14は、読取部11や処理部12などを制御し、画像を読み取って出力画像として出力する制御を行う。その制御として、あらかじめ指定されている縮拡率が等倍または縮小の場合には、読取部11で読み取った多値の画像を縮拡部21で縮拡率に応じて縮小し、減値化部22て減値化した画像を記憶部13に記憶させ、記憶部13から読み出しながら出力画像として出力させる。また、あらかじめ指定されている縮拡率が拡大の場合には、読取部11で読み取った多値の画像を記憶部13に多値のまま記憶させ、記憶部13から読み出した多値の画像を、縮拡部21で縮拡率に応じて拡大し、減値化部22減値化して、出力画像として出力させる制御を行う。なお、読取解像度の指定が読取部11の読取解像度と異なる場合には、読取部11で読み取った画像を解像度変換部24で解像度変換してから上述の制御を行う。また、画像処理部23における各種の処理も、減値化部22による減値化の処理よりも前に行われる。
【0030】
図2は、本発明の実施の一形態における動作の一例の説明図である。図中、破線で囲んだ構成は、処理を行わないこともある。
図2(A)にはあらかじめ指定されている縮拡率が等倍または縮小の場合を示している。この場合には、読取部11で読み取った多値の画像について、読取解像度の指定が読取部11の読取解像度と異なる場合には、読取部11で読み取った画像を解像度変換部24で解像度変換する。そして縮拡部21で縮拡率に応じて縮小する。なお、縮拡部21の処理は、縮拡率が100%で等倍が指定されている場合には、実質的に処理は行われない。縮小された画像に対して、画像処理を行う場合には画像処理部23により画像処理が施され、減値化部22て減値化する。このようにして減値化された画像を、記憶部13に記憶させる。出力の際には、記憶部13から読み出しながら出力画像として出力させればよい。
【0031】
一方、
図2(B)にはあらかじめ指定されている縮拡率が拡大の場合を示している。読取部11で読み取った多値の画像について、読取解像度の指定が読取部11の読取解像度と異なる場合には、読取部11で読み取った画像を解像度変換部24で解像度変換する。この場合には、縮拡部21による縮拡処理や減値化部22による減値化処理を行わずに、多値のまま画像を記憶部13に記憶させる。そして、出力の際に記憶部13から多値の画像を読み出し、縮拡部21で縮拡率に応じて拡大し、拡大された画像に対して画像処理を行う場合には画像処理部23により画像処理が施され、減値化部22で減値化して、出力画像として出力する。
【0032】
図3は、本発明の実施の一形態における動作の一例のタイミング図である。
図3(A)には等倍が指定され、減値化部22により画素値が半分のビット数となるように、例えば256階調を16階調となるように減値化したものとして示している。この場合、減値化によりデータ量は1/2となる。従って、例えば読み取った1ページ目の画像を2ページ目の画像の読み取りと並行して減値化部22で減値化し、記憶部13に記憶させても、2ページ目の読み取りが終了するまでに1ページ目の画像の記憶が完了している。従って、3ページ目の画像の読み取りが待たされることはない。
【0033】
図3(B)には、比較例として、
図3(A)に示した条件で、記憶部13に記憶させる前に縮拡部21による拡大の処理と減値化部22による減値化の処理を行った場合を示している。縮拡率は400%としている。この場合、例えば読み取った1ページ目の画像を2ページ目の画像の読み取りと並行して縮拡部21で拡大して減値化部22で減値化し、記憶部13に記憶させる。縮拡部21による拡大の処理で画像のデータ量は4倍となり、減値化部22による減値化の処理でデータ量はその1/2となるが、読取部11で読み取った画像のデータ量と比べて2倍のデータ量となる。従って、2ページ目の読み取りが終了するまでに1ページ目の画像の記憶が完了せず、記憶が完了するまで3ページ目の画像の読み取りが待たされることになる。
【0034】
図3(C)には、上述の動作の一例により、画像を記憶部13に記憶させておいて、読み出しながら縮拡部21による拡大の処理と減値化部22による減値化の処理を行う場合を示している。この場合、例えば読み取った1ページ目の画像は2ページ目の画像の読み取りと並行して記憶部13に記憶されてゆき、2ページ目の画像の読み取りが終了するまでに、1ページ目の画像について記憶部13への記憶が完了する。従って、3ページ目以降の画像の読み取りが待たされることはない。
【0035】
このように、縮拡率が拡大を指定している場合でも、読取部11が待たされることなく読み取りが行われることになる。また、縮拡率が等倍または縮小を指定している場合には、減値化した画像が記憶部13に記憶され、減値化しない場合に比べて多くの画像が記憶されることになる。
【0036】
なお、上述の説明では解像度の設定を考慮していないが、解像度変換部24で読取部11の解像度より低い解像度に変換している場合、その解像度変換によって画像のデータ量は解像度変換前よりも減っている。従って、拡大しても1回の読み取りに要する時間で記憶部13への書き込みが完了する場合もある。このため、縮拡率とともに変換後の解像度も考慮し、解像度変換、縮拡、減値化の各処理を行った後の画像を記憶部13に書き込むのに要する時間と1回の読み取りに要する時間とを比較して、減値化の処理を行ってから記憶部13に記憶させるのか、あるいは解像度変換後の多値の画像を記憶部13に記憶させるのかを制御してもよい。
【0037】
図4は、本発明の実施の一形態における変形例を示す構成図である。図中、31は第1読取部、32は第2読取部、41は第1縮拡部、42は第2縮拡部、43は第1減値化部、44は第2減値化部、45は第1画像処理部、46は第2画像処理部、47は第1解像度変換部、48は第2解像度変換部である。この変形例では、読取部11として第1読取部31と第2読取部32の2つを有しており、処理部12にはそれぞれに対応した処理を行う構成を有している場合の一例を示している。
【0038】
読取部11に設けられた第1読取部31と第2読取部32は、それぞれ、原稿上の画像を多値で読み取るものである。例えば第1読取部31で原稿の一方の面の画像を読み取り、第2読取部32では原稿の他方の面の画像を読み取る。第1読取部31と第2読取部32は、並列して画像を読み取る機能を有している。
【0039】
処理部12に設けられている縮拡部21、減値化部22、画像処理部23、解像度変換部24は、それぞれ、第1読取部31と第2読取部32に対応した構成を含んでいる。縮拡部21として第1縮拡部41と第2縮拡部42を、減値化部22として第1減値化部43と第2減値化部44を、画像処理部23として第1画像処理部45と第2画像処理部46を、解像度変換部24として第1解像度変換部47と第2解像度変換部48を、それぞれ有している。それぞれの機能は、縮拡部21、減値化部22、画像処理部23、解像度変換部24として説明した通りである。
【0040】
制御部14は、上述した制御を行う。あらかじめ指定されている縮拡率が等倍または縮小の場合には、第1読取部31で読み取った多値の画像を第1縮拡部41で縮拡率に応じて縮小し、第1減値化部43て減値化した画像を、記憶部13に記憶させる。また、第2読取部32で読み取った多値の画像を第2縮拡部42で縮拡率に応じて縮小し、第2減値化部44て減値化した画像を、記憶部13に記憶させる。出力の際には、記憶部13から減値化された画像を読み出しながら出力画像として出力させる。
【0041】
あらかじめ指定されている縮拡率が拡大の場合には、第1読取部31および第2読取部32で読み取った多値の画像を記憶部13に多値のまま記憶させる。出力の際に、記憶部13から読み出した多値の画像を、第1縮拡部41または第2縮拡部42で縮拡率に応じて拡大し、第1減値化部43または第2減値化部44で減値化して、出力画像として出力させる。あるいは、記憶部13から読み出した多値の画像を、第1縮拡部41と第2縮拡部42とで並列して縮拡率に応じて拡大し、第1減値化部43と第2減値化部44とで並列して減値化し、出力画像として出力させてもよい。
【0042】
なお、読取解像度の指定が読取部11の読取解像度と異なる場合には、第1読取部31で読み取った画像を第1解像度変換部47で解像度変換し、第2読取部32で読み取った画像を第2解像度変換部48で解像度変換してから上述の制御を行う。また、第1画像処理部45および第2画像処理部46における各種の処理も、第1減値化部43および第2減値化部44による減値化の処理よりも前に行われる。
【0043】
図5は、本発明の実施の一形態の変形例における動作の一例の説明図である。図中、破線で囲んだ構成は、処理を行わないこともある。
図5(A)にはあらかじめ指定されている縮拡率が等倍または縮小の場合を示している。この場合には、第1読取部31で読み取った多値の画像について、読取解像度の指定が第1読取部31の読取解像度と異なる場合には、第1読取部31で読み取った画像を第1解像度変換部47で解像度変換する。そして第1縮拡部41で縮拡率に応じて縮小する。なお、第1縮拡部41の処理は、縮拡率が100%で等倍が指定されている場合には、実質的に処理は行われない。縮小された画像に対して、画像処理を行う場合には第1画像処理部45により画像処理が施される。そして、第1減値化部43て減値化する。また、第2読取部32で読み取った多値の画像について、読取解像度の指定が第2読取部32の読取解像度と異なる場合には、第2読取部32で読み取った画像を第2解像度変換部48で解像度変換する。そして第2縮拡部42で縮拡率に応じて縮小する。なお、第2縮拡部42の処理は、縮拡率が100%で等倍が指定されている場合には、実質的に処理は行われない。縮小された画像に対して、画像処理を行う場合には第2画像処理部46により画像処理が施される。そして、第2減値化部44て減値化する。このようにして、第1減値化部43および第2減値化部44で減値化された画像を、記憶部13に記憶させる。出力の際には、記憶部13から読み出しながら出力画像として出力させればよい。
【0044】
一方、
図5(B)にはあらかじめ指定されている縮拡率が拡大の場合を示している。第1読取部31で読み取った多値の画像について、読取解像度の指定が第1読取部31の読取解像度と異なる場合には、第1読取部31で読み取った画像を第1解像度変換部47で解像度変換する。また、第2読取部32で読み取った多値の画像について、読取解像度の指定が第2読取部32の読取解像度と異なる場合には、第2読取部32で読み取った画像を第2解像度変換部48で解像度変換する。縮拡率が拡大の場合には、第1読取部31で読み取った画像あるいは第1解像度変換部47で解像度変換した画像と、第2読取部32で読み取った画像あるいは第2解像度変換部48で解像度変換した画像を、多値のまま記憶部13に記憶させる。そして、出力の際に記憶部13から多値の画像を読み出し、第1縮拡部41または第2縮拡部42で縮拡率に応じて拡大し、拡大された画像に対して画像処理を行う場合には第1画像処理部45または第2画像処理部46により画像処理が施され、第1減値化部43または第2減値化部44で減値化して、出力画像として出力する。
【0045】
図6は、本発明の実施の一形態の変形例における動作の一例のタイミング図である。
図6(A)には等倍が指定され、第1解像度変換部47および第2解像度変換部48で読取解像度の半分の解像度に変換し、第1減値化部43および第2減値化部44により画素値が半分のビット数となるように減値化したものとして示している。例えば読取解像度が600dpiの場合に第1解像度変換部47および第2解像度変換部48では400dpiに変換し、また、例えば256階調を第1減値化部43および第2減値化部44により16階調となるように減値化したものとして示している。この場合、解像度変換によりデータ量は4/9となり、さらに減値化によりデータ量は1/2となって、読み取った画像と比べてデータ量は2/9となる。従って、2ページ分の画像を合わせても、第1読取部31と第2読取部32で読み取った画像のデータ量と比較して4/9のデータ量となる。例えば第1読取部31と第2読取部32で読み取った1枚目の原稿の表裏2ページ分の画像を、2枚目の原稿の読み取りと並行して、第1解像度変換部47および第2解像度変換部48による解像度変換と第1減値化部43および第2減値化部44による減値化処理を行って記憶部13に記憶させても、2枚目の原稿の読み取りが終了するまでに1枚目の原稿については2ページ分の画像の記憶が完了している。従って、3枚目以降の原稿の画像の読み取りが待たされることはない。
【0046】
図6(B)には、比較例として、
図6(A)に示した条件で、記憶部13に記憶させる前に第1縮拡部41および第2縮拡部42による拡大の処理と第1減値化部43および第2減値化部44による減値化の処理を行った場合を示している。縮拡率は400%としている。この場合、例えば読み取った1枚目の原稿の2ページ分の画像を、2枚目の原稿の画像の読み取りと並行して、第1解像度変換部47および第2解像度変換部48で解像度変換し、第1縮拡部41および第2縮拡部42で拡大し、第1減値化部43および第2減値化部44で減値化し、記憶部13に記憶させる。第1解像度変換部47および第2解像度変換部48による解像度変換で読み取った画像のデータ量は4/9となるが、第1縮拡部41および第2縮拡部42による拡大の処理で画像のデータ量は4倍となり、1ページ分のデータ量は16/9となる。第1減値化部43および第2減値化部44による減値化の処理でデータ量はその1/2となるものの、1ページ分のデータ量は読み取った画像のデータ量の8/9となる。2ページ分の画像を記憶部13に記憶させると、2枚目の原稿の読み取りが終了するまでに1枚目の原稿の2ページ分の画像の記憶が完了せず、記憶が完了するまで3枚目の原稿について画像の読み取りが待たされることになる。
【0047】
図6(C)には、上述の動作の一例により、読み取った画像を第1解像度変換部47および第2解像度変換部48で解像度変換して記憶部13に記憶させておいて、読み出しながら、第1縮拡部41および第2縮拡部42による拡大の処理と第1減値化部43および第2減値化部44による減値化の処理を行う場合を示している。この場合、例えば読み取った1枚目の原稿の2ページ分の画像のデータ量は、解像度変換により1ページあたり読み取った画像の4/9となっており、2ページ分でも8/9である。従って、1枚目の原稿の2ページ分の画像について解像度変換を行って記憶部13に記憶しても、2枚目の原稿の読み取りが終了するまでに、1枚目の原稿の2ページ分の画像について記憶部13への記憶が完了し、3枚目以降の原稿の読み取りが待たされることはない。
【0048】
このように、縮拡率が拡大を指定している場合でも、第1読取部31および第2読取部32による原稿の読み取りが待たされることはない。また、縮拡率が等倍または縮小を指定している場合には、減値化した画像が記憶部13に記憶され、減値化しない場合に比べて多くの画像が記憶されることになる。
【0049】
なお、拡大が指示されている場合に減値化せずに記憶部13に記憶させることから、1回(1原稿)分の読み取りが終了するまでに、読取解像度で2ページ分の画像が記憶部13に記憶されない場合には、第1解像度変換部47および第2解像度変換部48による解像度変換で解像度変換を行っておけば、第1読取部31および第2読取部32を待たせることなく読み取りが行われる。
【0050】
また、解像度変換および減値化によって読み取った画像よりもデータ量が減少することから、拡大が指定されている場合でも縮拡率によっては、解像度変換、縮拡、減値化の各処理を行って2ページ分の画像を記憶部13に記憶しても、1回(1原稿)分の読み取りが終了するまでに間に合う場合もある。例えば、解像度変換、縮拡、減値化の各処理を行った後の2ページ分の画像を記憶部13に書き込むのに要する時間と1回(1原稿)の読み取りに要する時間とを比較して、減値化の処理を行ってから記憶部13に記憶させるのか、あるいは解像度変換後の多値の画像を記憶部13に記憶させるのかを制御してもよい。
【0051】
図7は、本発明の実施の一形態の変形例における動作の別の例の説明図である。図中、破線で囲んだ構成は、処理を行わないこともある。この例では、縮拡率が拡大の場合に、記憶部13から読み出した画像を並列処理する場合の動作例を示している。なお、縮拡率が等倍または縮小の場合については
図5(A)で説明した通りであるので、ここでは説明を省略する。
【0052】
あらかじめ指定されている縮拡率が拡大の場合、記憶部13に画像を記憶させるまでの動作は
図5(B)で説明した通りである。すなわち、第1読取部31で読み取った多値の画像について、読取解像度の指定が第1読取部31の読取解像度と異なる場合には、第1読取部31で読み取った画像を第1解像度変換部47で解像度変換する。また、第2読取部32で読み取った多値の画像について、読取解像度の指定が第2読取部32の読取解像度と異なる場合には、第2読取部32で読み取った画像を第2解像度変換部48で解像度変換する。そして、第1読取部31で読み取った画像あるいは第1解像度変換部47で解像度変換した画像と、第2読取部32で読み取った画像あるいは第2解像度変換部48で解像度変換した画像を、多値のまま記憶部13に記憶させる。
【0053】
この動作の別の例では、出力の際に、記憶部13から1ページ分の多値の画像を読み出して第1縮拡部41で縮拡率に応じて拡大し、拡大された画像に対して画像処理を行う場合には第1画像処理部45により画像処理を施し、第1減値化部43で減値化して、出力画像として出力する。また、これと並行して、記憶部13から次の1ページ分の多値の画像を読み出して第2縮拡部42で縮拡率に応じて拡大し、拡大された画像に対して画像処理を行う場合には第2画像処理部46により画像処理を施し、第2減値化部44で減値化して、出力画像として出力する。これにより、出力の際に2ページ分の画像に対して並列的に処理が行われることになる。
【0054】
なお、この動作の別の例で記憶部13へ画像を記憶させるまでのタイミング図については、
図6に示した通りであるので、ここでは図示および説明を省略する。
【0055】
この動作の別の例は、記憶部13から画像を読み出した後の動作が
図5に示した動作の一例と異なるものであって、
図5に示した動作の一例とともに、縮拡率が拡大を指定している場合でも、第1読取部31および第2読取部32による原稿の読み取りが待たされることはない。また、縮拡率が等倍または縮小を指定している場合には、減値化した画像が記憶部13に記憶され、減値化しない場合に比べて多くの画像が記憶されることになる。
【0056】
なお、解像度と縮拡率、減値化の階調数などの関係で、減値化の処理を行ってから記憶部13に記憶させるのか、あるいは解像度変換後の多値の画像を記憶部13に記憶させるのかを制御してもよいことも、
図5に示した動作の一例で説明した通りである。
【0057】
図8は、本発明の実施の一形態における別の変形例を示す構成図である。図中、51は第3縮拡部、52は第4縮拡部、53は第3減値化部、54は第4減値化部、55は第3画像処理部、56は第4画像処理部である。
図4に示した変形例では、減値化した画像を記憶部13に記憶する場合に使用する構成と、記憶部13から画像を読み出して減値化する場合に使用する構成を共用しているが、これらを別の構成とし、それぞれ使用するか否かを切り替える場合の例を
図8に示している。
図4に示した変形例と異なる点について主に説明する。
【0058】
この変形例における処理部12には、縮拡部21として第1縮拡部41、第2縮拡部42、第3縮拡部51、第4縮拡部52を、減値化部22として第1減値化部43、第2減値化部44、第3減値化部53,第4減値化部54を、画像処理部23として第1画像処理部45、第2画像処理部46、第3画像処理部55、第4画像処理部56を、それぞれ有している。それぞれの機能は、縮拡部21、減値化部22、画像処理部23として説明した通りである。
【0059】
制御部14は、上述した制御を行う。あらかじめ指定されている縮拡率が等倍または縮小の場合には、第1読取部31で読み取った多値の画像を第1縮拡部41で縮拡率に応じて縮小し、第1減値化部43で減値化した画像を、記憶部13に記憶させる。また、第2読取部32で読み取った多値の画像を第2縮拡部42で縮拡率に応じて縮小し、第2減値化部44で減値化した画像を、記憶部13に記憶させる。出力の際には、記憶部13から減値化された画像を読み出しながら出力画像として出力させる。この場合、第3縮拡部51、第3画像処理部55、第3減値化部53による処理、および、第4縮拡部52、第4画像処理部56、第4減値化部54による処理は行わない。
【0060】
あらかじめ指定されている縮拡率が拡大の場合には、第1読取部31および第2読取部32で読み取った多値の画像を記憶部13に多値のまま記憶させる。この場合、第1縮拡部41、第1画像処理部45、第1減値化部43による処理、および、第2縮拡部42、第2画像処理部46、第2減値化部44による処理は行わない。出力の際に、記憶部13から1ページ分の多値の画像を読み出して第3縮拡部51で縮拡率に応じて拡大し、拡大された画像に対して画像処理を行う場合には第3画像処理部55により画像処理を施し、第3減値化部53で減値化して、出力画像として出力する。また、これと並行して、記憶部13から次の1ページ分の多値の画像を読み出して第4縮拡部52で縮拡率に応じて拡大し、拡大された画像に対して画像処理を行う場合には第4画像処理部56により画像処理を施し、第4減値化部54で減値化して、出力画像として出力する。これにより、出力の際に2ページ分の画像に対して並列的に処理が行われることになる。
【0061】
なお、読取解像度の指定が読取部11の読取解像度と異なる場合には、第1読取部31で読み取った画像を第1解像度変換部47で解像度変換し、第2読取部32で読み取った画像を第2解像度変換部48で解像度変換してから上述の制御を行う。
【0062】
図9は、本発明の実施の一形態の別の変形例における動作の一例の説明図である。図中、破線で囲んだ構成は、処理を行わないこともある。縮拡率が等倍または縮小の場合については
図5(A)で説明した通りであるので、ここでは説明を省略する。なお、第3縮拡部51、第3画像処理部55、第3減値化部53と、第4縮拡部52、第4画像処理部56、第4減値化部54は、処理を行わない。
【0063】
あらかじめ指定されている縮拡率が拡大の場合、記憶部13に画像を記憶させるまでの動作は
図5(B)で説明した通りである。すなわち、第1読取部31で読み取った多値の画像について、読取解像度の指定が第1読取部31の読取解像度と異なる場合には、第1読取部31で読み取った画像を第1解像度変換部47で解像度変換する。また、第2読取部32で読み取った多値の画像について、読取解像度の指定が第2読取部32の読取解像度と異なる場合には、第2読取部32で読み取った画像を第2解像度変換部48で解像度変換する。そして、第1読取部31で読み取った画像あるいは第1解像度変換部47で解像度変換した画像と、第2読取部32で読み取った画像あるいは第2解像度変換部48で解像度変換した画像を、多値のまま記憶部13に記憶させる。なお、第1縮拡部41、第1画像処理部45、第1減値化部43と、第2縮拡部42、第2画像処理部46、第2減値化部44は、処理を行わない。
【0064】
出力画像を出力する際には、記憶部13から1ページ分の多値の画像を読み出して第3縮拡部51で縮拡率に応じて拡大し、拡大された画像に対して画像処理を行う場合には第3画像処理部55により画像処理を施し、第3減値化部53で減値化して、出力画像として出力する。また、これと並行して、記憶部13から次の1ページ分の多値の画像を読み出して第4縮拡部52で縮拡率に応じて拡大し、拡大された画像に対して画像処理を行う場合には第4画像処理部56により画像処理を施し、第4減値化部54で減値化して、出力画像として出力する。これにより、出力の際に2ページ分の画像に対して並列的に処理が行われることになる。
【0065】
なお、この動作の別の例で記憶部13へ画像を記憶させるまでのタイミング図については、
図6に示した通りであるので、ここでは図示および説明を省略する。
【0066】
この別の変形例における動作の一例では、記憶部13から画像を読み出した後の処理を行う構成を有している点で
図4に示した変形例とは異なるものであって、
図5に示した動作の一例とともに、縮拡率が拡大を指定している場合でも、第1読取部31および第2読取部32による原稿の読み取りが待たされることはない。また、縮拡率が等倍または縮小を指定している場合には、減値化した画像が記憶部13に記憶され、減値化しない場合に比べて多くの画像が記憶されることになる。
【0067】
なお、解像度と縮拡率、減値化の階調数などの関係で、減値化の処理を行ってから記憶部13に記憶させるのか、あるいは解像度変換後の多値の画像を記憶部13に記憶させるのかを制御してもよいことも、
図5に示した動作の一例で説明した通りである。