特許第6128518号(P6128518)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6128518
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】切削インサート及び切削工具
(51)【国際特許分類】
   B23C 5/20 20060101AFI20170508BHJP
   B23C 5/08 20060101ALI20170508BHJP
【FI】
   B23C5/20
   B23C5/08 A
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-104073(P2013-104073)
(22)【出願日】2013年5月16日
(65)【公開番号】特開2014-223699(P2014-223699A)
(43)【公開日】2014年12月4日
【審査請求日】2015年12月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】503212652
【氏名又は名称】住友電工ハードメタル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136722
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼木 邦夫
(72)【発明者】
【氏名】西尾 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】東海林 斉
【審査官】 永石 哲也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−066780(JP,A)
【文献】 実開昭60−157120(JP,U)
【文献】 特開平10−118824(JP,A)
【文献】 特開2006−281433(JP,A)
【文献】 特開2012−066380(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23C 5/08
B23C 5/20
B23F 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する第1及び第2の主面と、
前記第1及び第2の主面に連なる第1の側面と、
前記第1の側面に対向する位置に配置される第2の側面と、
基端部側において前記第1及び第2の主面と前記第1及び第2の側面とに連なる底面と、
前記第1の側面と前記第1及び第2の主面それぞれとの交線に形成され、90度よりも小さい刃物角を有する第1及び第2の切れ刃と、を備え、
前記第1及び第2の側面の離間距離は、前記基端部側よりも先端部側において小さくなっており、前記第1の側面と前記第2の側面との稜線に面取り面が形成され、前記面取り面に前記基端部側に向かって凹む逃げ部が形成されている、切削インサート。
【請求項2】
前記逃げ部は、少なくとも一部において、前記第1及び第2の主面からの距離が等しい中央部に向かって傾斜するように形成されている、請求項1に記載の切削インサート。
【請求項3】
前記第1の側面から前記第2の側面に向けて貫通する固定用貫通孔を更に備え、
前記第1及び第2の主面は、前記第1及び第2の主面と平行であって且つ前記固定用貫通孔の中心軸と直交する基準線に対して線対称な形状である、請求項1又は2に記載の切削インサート。
【請求項4】
前記第1及び第2の切れ刃は、前記先端部において、前記第2の側面の近傍まで延在する曲線切れ刃である、請求項1〜3の何れか一項に記載の切削インサート。
【請求項5】
前記第2の側面と前記底面とが略直角に交わっている、請求項1〜4の何れか一項に記載の切削インサート。
【請求項6】
前記第1及び第2の主面は、その対向距離が短くなるように前記第1の側面側から前記第2の側面側に向かって傾斜している、請求項1〜5の何れか一項に記載の切削インサート。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか一項に記載に切削インサートを少なくとも2つ備えた切削工具であって、前記切削インサートそれぞれは、前記第2の側面が向き合うように配置されている、切削工具。
【請求項8】
請求項7に記載の切削工具を装置本体に取り付けるステップと、
前記装置本体に取り付けられた前記切削工具を回転させるステップと、
回転している前記切削工具の前記第1及び第2の切れ刃の少なくとも一方を用いて加工対象物に対して所定の切削加工を施すステップと、
を備えた、製品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切削インサート及び切削工具に関する。
【背景技術】
【0002】
サイドカッタなどの回転式の切削工具において、それぞれが切れ刃を有する一対の切削インサートを互いに対向するように工具本体に取り付けたものが知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載の切削工具では、切削インサートが一対で取り付けられており、切削インサートを回転させることで、1個の切削インサートに2か所(2コーナ)の切れ刃を備えることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−018491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の切削工具では、一対の切削インサートの使用によって複数の切削箇所を同時加工して加工効率を向上させることはできるものの、2つのすくい面が座面を兼ねる構造のため、切れ刃の曲率の大きさ又は座面の面積のいずれか一方を制限する必要があった。切れ刃の曲率の大きさを制限すると大きな曲率で加工したい場合は追加工が必要になり、座面の面積を小さくすると切削加工時に切れ刃が安定せず仕上げ面の精度に影響が生じてしまう。
【0005】
そこで、本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、1つの切削インサートで2つのコーナを使用しながら、加工精度を高めることができる切削インサート及び切削工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る切削インサートは、互いに対向する第1及び第2の主面と、第1及び第2の主面に連なる第1の側面と、第1の側面に対向する位置に配置される第2の側面と、基端部側において第1及び第2の主面と第1及び第2の側面とに連なる底面と、第1の側面と第1及び第2の主面それぞれとの交線に形成され、90度よりも小さい刃物角を有する第1及び第2の切れ刃とを備えている。この切削インサートでは、第1及び第2の側面の離間距離は、基端部側よりも先端部側において小さくなっており、この先端部には、基端部側に向かって凹む逃げ部が形成されていることを特徴としている。
【0007】
この切削インサートでは、基端部側に向かって凹む逃げ部が先端部に形成されている。このため、切削インサートを工具本体に取り付けていずれの切れ刃を使用した場合であっても加工対象物に対する十分な逃げが確保されるため、1つの切削インサートで2つの切れ刃を使用することができる。また、逃げ面と座面を別の面としたため、座面の大きさを十分に確保することができる。
【0008】
上記切削インサートにおいて、逃げ部は、少なくとも一部において、第1及び第2の主面からの距離が等しい中央部に向かって傾斜するように形成されていることが好ましい。この場合、いずれの切れ刃を使用した場合であっても、同等の性能を確保することができる。
【0009】
上記切削インサートは、第1の主面から第2の主面に向けて貫通する固定用貫通孔を更に備えていてもよい。そして、この切削インサートでは、第1及び第2の主面は、第1及び第2の主面と平行であって且つ固定用貫通孔の中心軸と直交する基準線に対して線対称な形状であることが好ましい。この場合、切削インサートの第1及び第2の切れ刃の両方を交互に使用することができ、各切削インサートを有効活用することができる。
【0010】
上記切削インサートにおいて、第1及び第2の切れ刃は、先端部において、第2の側面の近傍まで延在する曲線切れ刃であることが好ましい。また、第2の側面と底面とが略直角に交わっていてもよい。なお、ここで用いる「略直角」とは、第2の側面と底面との交差領域に面取り処理等が施されている場合も含む趣旨であり、また、第2の側面と底面とで為す角度が直角に対する一般的な公差範囲内にある場合も含む趣旨である。
【0011】
上記切削インサートにおいて、第1及び第2の主面は、その対向距離が短くなるように第1の側面側から第2の側面側に向かって傾斜していることが好ましい。
【0012】
また、本発明は、別の側面として、上述した何れかの切削インサートを備えた切削工具の発明としても捉えることができる。この切削工具では、上述した何れかの切削インサートを少なくとも2つ備え、切削インサートそれぞれが第2の側面が向き合うように配置されていることが好ましい。このように向き合って配置されていることから、各切削インサートを対称に配置することができ、切削バランスを向上させることが可能となる。
【0013】
また、本発明は、更に別の側面として、上述した切削工具を用いた製造方法の発明として捉えることもできる。すなわち、本発明にかかる製造方法は、上述した切削工具を装置本体に取り付けるステップと、装置本体に取り付けられた切削工具を回転させるステップと、回転している切削工具の第1及び第2の切れ刃の少なくとも一方を用いて加工対象物に対して所定の切削加工を施すステップとを備えている。この製造方法によれば、切削インサートの欠けの発生を抑制することができるため、効率的な切削加工を長期にわたって行うことができ、製品の生産コストを低減することが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、1つの切削インサートで2つの切れ刃を使用することができ、十分な大きさの座面を有する切削インサート及び切削工具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施例に係る切削工具を示す斜視図である。
図2図1に示す切削工具の一部を拡大した部分拡大斜視図である。
図3図1に示す切削工具に用いられる切削インサートを示す斜視図である。
図4図3に示す切削インサートを下方から視た斜視図である。
図5図3に示す切削インサートの断面図であり、(a)はV(a)−V(a)線に沿った断面図であり、(b)はV(b)−V(b)線に沿った断面図である。
図6図3に示す切削インサートを他の上方から視た斜視図である。
図7】切削インサートの変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0017】
図1は、本実施形態に係る切削工具を示す斜視図である。図2は、図1に示す切削工具の一部を拡大した部分拡大斜視図である。図1及び図2に示すように、切削工具1は、回転切削用カッタであり、円盤状のカッタ本体3と、切削工具1を切削装置に取り付けるための固定用孔5と、一対の切削インサート10と、切削インサート10を取り付けるための取付け部7とを備えている。取付け部7には、一対の切削インサート10が上下方向に対向するように取り付けられている。
【0018】
切削工具1は、固定用孔5が切削装置の回転軸に取り付けられ、回転軸Cを中心として矢印R方向に回転駆動される。この切削工具1では、カッタ本体3及びカッタ本体3の外周上から所定量先端が突出する切削インサート10が回転駆動された状態で加工対象物上を移動することで、切削インサート10の切れ刃22,24(図3参照)による加工対象物の切削が行われる。
【0019】
次に、図3図6を参照して、切削工具1に用いられる切削インサート10の構成について説明する。切削インサート10は、超硬合金やCBN等の素材から構成され、基端部11から中央にかけて略直方体形状であり且つ先端部13では厚みが収束する外形を有する刃具である。この切削インサート10には、その中央から基端部11側に少しずれた箇所に、厚み方向に貫通する固定用貫通孔28が形成されている。固定用貫通孔28は一部にテーパ部を有しており、固定用貫通孔28に挿通されるネジ9(図2参照)の頭部がこのテーパ部に引っかかることで、切削インサート10がカッタ本体3(取付け部7)に固定される。
【0020】
切削インサート10は、図3に示すように、厚み方向に直交する幅方向において互いに対向する第1の主面12及び第2の主面14と、第1及び第2の主面12,14に連なる第1の側面16(外周面)と、第1の側面16に対向する位置に配置される第2の側面18(内周面)と、底面20と、を備えている。第1の側面16と底面20とが交わる領域には、面取り処理されたR面が形成されており、また、第2の側面18と底面20とが交わる領域には、面取り処理されたC面が形成されている。このC面を介して第2の側面18と底面20とは互いに略直角になるように交わっている。「略直角」としたのは、第2の側面18と底面20との交差領域に面取り処理等が施されているためであり、また、第2の側面18と底面20とで為す角度が直角に対する一般的な公差範囲内にある場合も含む趣旨である。
【0021】
第1の主面12は、基端部11側から中央にかけて略矩形形状を呈し、先端部13側において扇形形状を呈する平面である。第2の主面14は、第1の主面14と同様に、基端部11側から中央にかけて略矩形形状を呈し、先端部13側において扇形形状を呈する平面である。第1及び第2の主面12,14は、すくい面を構成する。また、第1及び第2の主面12,14は、図5の(b)に示すように、その対向距離(離間距離)が短くなるように第1の側面16側から第2の側面18側に向かって面が傾斜するように形成されている。このように、第1及び第2の主面12,14は、各主面12,14と平行であって且つ固定用貫通孔28の中心軸と直交する基準線に対して、線対称な形状になっている。
【0022】
第1の側面16は、図3及び図5の(a)に示すように、基端部11側から中央部にかけて、第2の側面18と平行な方向からやや離れる方向(図示斜め上方)に平面状に延び、先端部13側において、断面視して円弧状になるような曲面状に延びる面である。第1の側面16は、その曲面形状により、先端が第2の側面18の近傍まで延在するようになっている。第2の側面18は、図4に示すように、先端部13側がV字状に凹む略矩形形状を呈する平面である。第2の側面18は、切削インサート10の座面を構成する。
【0023】
底面20は、図3に示すように、基端部11側において第1及び第2の主面12,14と第1及び第2の側面16,18とに連なる面であり、略矩形形状を呈する平面である。底面20は、第2の側面18と共に、切削インサート10の座面を構成する。
【0024】
このような面構成を有する切削インサート10の先端部13側には、第1の側面16と第1及び第2の主面12,14それぞれとの間の交線に、第1及び第2の切れ刃22,24が形成されている。これら第1及び第2の切れ刃22,24は、90度よりも小さい刃物角を有している。第1の側面16が先端部13側において曲面形状となっていることから、第1及び第2の切れ刃22,24は、第2の側面18の近傍まで延在する曲線切れ刃を構成している。
【0025】
切削インサート10の先端部13には、更に、図3及び図4に示すように、基端部11側に向かって凹む逃げ部26が形成されている。逃げ部26は、第1及び第2の主面12,14からの対向距離が等しい中央部26aに向かって切削インサート10の内部方向に傾斜するように形成されている。逃げ部26を構成する一方の傾斜面26bと他方の傾斜面26cはそれぞれ台形形状を呈しており、それらの底辺が中央部26aに位置する。この逃げ部26は、図6に示すように、その傾斜角αが例えば120度以上175度以下の範囲内の鈍角になっており、鋭角の場合に比べて、切削インサート10の先端部13の剛性を高く維持できる構成になっている。なお、逃げ部26の傾斜角αは、150度以上175度以下であることがより好ましい。このような傾斜面26b,26cを有する逃げ部26は、各傾斜面26b,26cを研磨加工等によって適宜加工することで形成できる。
【0026】
続いて、上述した構成の切削インサート10を備える切削工具1を用いて加工対象物を加工する方法について説明する。
【0027】
まず、上述した切削インサート10を2つ切削工具1の取付け部7に取り付けて切削工具1を準備する。この際、一対の切削インサート10は、第2の側面18が互いに向き合おうように配置されて、ネジ9により固定される(図2参照)。その後、一対の切削インサート10が取り付けられた切削工具1を回転駆動可能な状態で切削装置(不図示)の装置本体に取り付けて、切削加工の準備を行う。また、加工対象物を、切削加工するために、所定の保持装置に保持固定させる。
【0028】
続いて、切削装置に取り付けられた切削工具1を矢印R(図1参照)の方向に所定の回転速度で回転させ、保持装置によって保持固定されている加工対象物に対して一方(図示上方)の切削インサート10の切れ刃22と他方(図示下方)の切削インサート10の切れ刃24とを近づけて、溝加工等の切削加工を行う。そして、切削箇所を変えて、他の切削加工を同様に行い、製品を完成する。この製造方法によれば、後述するように加工対象物に対する十分な逃げが確保されるため、1つの切削インサート10で2つの切れ刃を使用することができる。
【0029】
このように、本実施形態に係る切削インサート10では、基端部11側に向かって凹む逃げ部26が先端部13に形成されている。このため、切削インサート10を工具本体に取り付けていずれの切れ刃22,24を使用した場合であっても加工対象物に対する十分な逃げが確保されるため、1つの切削インサートで2つの切れ刃を使用することができる。また、切削インサート10では、逃げ面と座面とを別の面としたため、座面の大きさを十分に確保することができ、その結果、切削加工時に切れ刃22,24を安定させて仕上げ面の加工精度を高めることができる。更に、本実施形態に係る切削インサート10では、すくい面と座面とを別の面としたため、切れ刃22,24の曲率の大きさをそれほど制限する必要がなくなり、適宜、大きな曲率で加工することができる。
【0030】
また、切削インサート10では、逃げ部26は、第1及び第2の主面12,14からの距離が等しい中央部26aに向かって傾斜するように形成されている。このため、いずれの切れ刃22,24を使用した場合であっても、同等の性能を確保することができる。
【0031】
また、切削インサート10では、第1及び第2の主面12,14は、第1及び第2の主面12,14と平行であって且つ固定用貫通孔28の中心軸と直交する基準線に対して線対称な形状になっている。このため、切削工具1において切削インサート10の配置箇所(上下の何れか)を変えて第1及び第2の切れ刃22,24の両方を交互に使用することが容易にでき、各切削インサートを有効活用することができる。
【0032】
また、切削工具1では、切削インサート10を少なくとも2つ備え、切削インサート10それぞれが第2の側面18が向き合うように配置されている。このように向き合って配置されていることから、各切削インサート10を対称に配置することができ、切削バランスを向上させることができる。
【0033】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において、適宜変更可能である。例えば、上記実施形態では、切削インサート10の逃げ部26を構成する傾斜面26b,26cが平面であったが、逃げ部の形状はこれに限定されるわけではなく、基端部11側に向かって凹む逃げ部であればよく、例えば、曲面状に凹む逃げ部でもよい。また、上記実施形態では、逃げ部26は、2つの傾斜面26b,26cの底辺が中央で合わさるように形成されていたが、図7に示すように、傾斜面36b,36cが逃げ部36の一部を構成し、中央付近は更に基端部11側に凹む窪み部36dとなるような逃げ部36を有する切削インサート10aとしてもよい。
【0034】
また、上記実施形態では、第1の側面16が平面部分と曲面部分とを有しており第2の側面側に収束する構成であることから、1つの面であったが、第1の側面16に対応する箇所が複数の面に分割されていてもよい。なお、この場合、切れ刃22,24は、すべての面に形成されている必要はなく、先端部13に位置する面の交線にのみ形成してもよい。
【符号の説明】
【0035】
1…切削工具、10,10a…切削インサート、11…基端部、12…第1の主面、13…先端部、14…第2の主面、16…第1の側面、18…第2の側面、20…底面、22…第1の切れ刃、24…第2の切れ刃、26,36…逃げ部、28…固定用貫通孔。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7