(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記速度設定部は、前記設定領域が前記操作入力部上の前記フリック操作が入力された領域内に入ると、前記初期加速度及び前記領域加速度によって、前記スクロール速度を変化させる
請求項2に記載の装置。
前記速度設定部は、一のスクロール方向に対する一の加速度と、一のスクロール方向と逆方向のスクロール方向に対する他の加速度とを含む前記領域加速度によって、スクロール速度を変化させる
請求項1から16のいずれか1項に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0009】
図1は、本実施形態に係る表示装置10の全体構成図である。表示装置10は、ユーザが操作入力部14に接触して、フリック操作またはタッチ操作等を入力することによって、表示部12に表示された対象画像22をスクロールさせる。そして、表示装置10は、対象画像22中の設定領域SAに応じて異なる領域加速度AAを設定することにより、スクロール速度SVを領域に応じて連続的に変化させることができる。表示装置10は、スマートフォン等の携帯電話装置、携帯情報端末装置、または、操作入力部14を有する電子機器装置等に組み込むことができる。表示装置10は、表示部12と、操作入力部14と、表示制御部16と、速度設定部18と、情報処理部19と、記憶部20とを備える。
【0010】
表示部12は、文字、画像、動画等を含む対象画像22を表示する。表示部12の一例は、液晶表示装置である。表示部12は、対象画像22を拡大及び縮小して表示できる。また、表示部12は、対象画像22の一部を表示することもできる。この場合、表示部12は、ユーザからの操作等によって、対象画像22をスクロールさせる。
【0011】
操作入力部14は、ユーザによって入力された操作を受け付ける。操作入力部14の一例は、タッチパネルである。操作入力部14は、表示部12の前面、即ち、ユーザ側の面に、全面にわたって設けられている。従って、ユーザは、操作入力部14を介して、表示部12に表示された対象画像22を見つつ、操作を入力する。
【0012】
操作入力部14は、表示部12に表示された対象画像22をスクロールさせるスクロール操作が入力される。操作入力部14が受け付けるスクロール操作の一例は、ユーザが指等を操作入力部14上で接触させつつ移動させた後、指等を操作入力部14から離脱させるフリック操作である。操作入力部14が受け付けるスクロール操作の他の例は、ユーザが指等を操作入力部14上に接触させて移動させないタッチ操作である。
【0013】
表示制御部16、速度設定部18及び情報処理部19は、回路等のハードウェアによって構成してもよく、プログラムを読み込んだCPU等の機能によって構成してもよく、これらの組み合わせであってもよい。
【0014】
表示制御部16は、表示部12を制御して、対象画像22を表示させる。また、表示制御部16は、操作入力部14に入力されたスクロール操作に応じて、表示部12に表示させている対象画像22をスクロールさせる。
【0015】
速度設定部18は、対象画像22をスクロールさせるスクロール速度SVを算出する。例えば、速度設定部18は、フリック操作に応じた速度を、スクロール速度SVの初速度FVとして設定する。速度設定部18は、スクロール速度SVを減速させる初期加速度FAによって、スクロール速度SVを変化させる。尚、初期加速度FAは、スクロール速度SVを減速させる。また、速度設定部18は、対象画像22中に設定領域SAが存在する場合、設定領域SAに対応付けられた領域加速度AAによって、スクロール速度SVを連続的に変化させる。尚、設定領域SAは、対象画像22中の座標によって特定される。例えば、速度設定部18は、フリック操作の場合、設定領域SAが、操作入力部14上のフリック操作が入力された領域内に入ると、初期加速度FAと領域加速度AAの和によって、スクロール速度SVを変化させてもよい。また、速度設定部18は、タッチ操作を受け付けた操作入力部14上の領域が設定領域SA内の場合、領域加速度AAによってスクロール速度SVの初速度FVを設定してもよい。更に、速度設定部18は、タッチ操作が設定領域SA内で継続している場合、設定したスクロール速度SVを領域加速度AAによって変化させてもよい。尚、領域加速度AAは、予め対象画像22の設定領域SAに対応付けて設定されていてもよく、速度設定部18が、対象画像22の設定領域SAに対応付けて、領域加速度AAを設定してもよい。
【0016】
情報処理部19は、操作入力部14によって入力された情報の処理等を実行する。例えば、情報処理部19は、操作入力部14によって入力されたユーザの情報を受け付けて、当該情報の正誤を判定する。情報処理部19は、情報の正誤の判定結果を記憶部20または速度設定部18へと出力する。
【0017】
記憶部20は、表示装置10の制御に必要な情報を記憶する。例えば、記憶部20は、対象画像22の画像情報、スクロール速度SVの初速度FV、スクロール速度SVを加減速する初期加速度FA及び領域加速度AAを記憶する。初速度FVは、固定された1個の値であってもよく、フリック操作の移動速度であるフリック速度または操作量等に対応付けられた複数の値であってもよい。初期加速度FAは、固定された1個の値であってもよく、複数の初速度FVに対応付けられた複数の値であってもよい。領域加速度AAは、設定領域SAに対応付けられている。更に、領域加速度AAは、各設定領域SA内の座標に対応付けられた複数の値を含む。記憶部20に記憶されている情報は、インターネット等を介して、外部から取得された対象画像22等の情報を含む。
【0018】
図2は、表示装置10による画像表示処理のフローチャートである。
【0019】
図2に示すように、画像表示処理では、表示制御部16が、記憶部20から対象画像22の画像情報を取得して、表示部12に対象画像22を表示させる(S10)。操作入力部14は、ユーザによるスクロール操作を受け付けたか否かを判定する(S12)。操作入力部14は、ユーザによるスクロール操作を受け付けていないと判定すると(S12:No)、ステップS16の処理が実行される。一方、操作入力部14は、ユーザによるスクロール操作を受け付けたと判定すると(S12:Yes)、当該スクロール操作に関する操作情報を速度設定部18へと出力する。操作情報には、操作入力部14上のユーザの接触開始点及び接触終了点の座標、及び、接触時間を含む。
【0020】
速度設定部18及び表示制御部16は、後述するスクロール処理によって、対象画像22をスクロールさせる(S14)。その後、表示制御部16が、対象画像22の表示終了と判定しない場合(S16:No)、ステップS12以降の処理が繰り返される。尚、表示制御部16は、操作が入力されていない時間によって表示の終了を判定してもよく、操作入力部14による終了操作によって表示の終了を判定してもよい。表示制御部16が、対象画像22の表示の終了を判定すると表示処理を終了する(S16:Yes)。
【0021】
図3は、スクロール処理S14のフローチャートである。
【0022】
図3に示すように、スクロール処理S14では、速度設定部18は、操作入力部14から入力された操作情報から、ユーザの操作がフリック操作か否かを判定する(S20)。速度設定部18は、ユーザの接触開始点の座標と接触終了点の座標とが異なる場合、フリック操作と判定して(S20:Yes)、後述するフリックスクロール処理(S22)を実行した後、表示処理に戻る。
【0023】
一方、速度設定部18は、ユーザの操作がフリック操作でないと判定すると(S20:No)、即ち、タッチ操作であると判定すると、後述するタッチスクロール処理(S24)を実行した後、表示処理に戻る。
【0024】
図4は、フリックスクロール処理S22のフローチャートである。
【0025】
図4に示すように、フリックスクロール処理では、速度設定部18は、操作情報に含まれるユーザの接触開始点及び接触終了点の座標及び接触時間から、接触個所の移動速度であるフリック速度を算出する(S30)。速度設定部18は、算出したフリック速度から、対象画像22のスクロール速度SVの初速度FVを設定して、表示制御部16へと出力する(S32)。ここで、速度設定部18は、初速度FVをフリック速度から算出してもよく、フリック速度と初速度FVとを対応付けて記憶部20に記憶された初速度テーブルから対応する初速度FVを抽出して設定してもよい。尚、初速度FVは、スクロールさせる速さの大きさとともに、スクロールの方向も含む。
【0026】
速度設定部18は、対象画像22に設定領域SAを設定するとともに、各設定領域SAに領域加速度AAを設定する(S33)。表示制御部16は、速度設定部18から取得した初速度FVで、対象画像22のスクロールを開始する(S34)。速度設定部18は、記憶部20からスクロールの初期加速度FAを取得する(S35)。
【0027】
次に、速度設定部18は、設定領域SAが判定領域JA内か否かを判定する(S36)。判定領域JAの一例は、フリック操作におけるユーザの操作開始点または操作終了点を中心とする一定の範囲である。尚、表示部12の中央部を判定領域JAとしてもよい。速度設定部18は、対象画像22のスクロールによって、設定領域SAが判定領域JA内に達したと判定すると(S36:Yes)、設定領域SAに対応付けられた領域加速度AAを抽出する(S38)。尚、領域加速度AAの抽出については後述する。速度設定部18は、領域加速度AA及び初期加速度FAからスクロール加速度を算出して設定する(S40)。例えば、速度設定部18は、領域加速度AA及び初期加速度FAの和をスクロール加速度として設定する。
【0028】
一方、速度設定部18は、設定領域SAが判定領域JA内に達していないと判定すると(S36:No)、ステップS38を実行することなく、ステップS40を実行する。この場合、速度設定部18は、初期加速度FAをスクロール加速度として設定する(S40)。
【0029】
次に、速度設定部18は、スクロール加速度及び現在のスクロール速度SVからスクロール速度を算出して更新する(S42)。従って、速度設定部18は、設定領域SAが判定領域JA内の場合、領域加速度AA及び初期加速度FAの和であるスクロール加速度によって、スクロール速度を算出する。一方、速度設定部18は、設定領域SAが判定領域JA内でない場合、初期加速度FAによってスクロール速度が算出される。
【0030】
速度設定部18は、スクロール速度SVの向きが変化したか否かを判定する(S44)。スクロール速度SVの向きの変化とは、例えば、対象画像22が上から下にスクロールしている場合、対象画像22が下から上にスクロールするスクロール速度SVになった場合であって、例えば、スクロール速度SVの正負の符号が逆転した場合である。これにより、速度設定部18は、対象画像22が判定領域JAを中心として、往復移動することを抑制できる。
【0031】
速度設定部18は、スクロール速度SVの向きが変化していないと判定すると(S44:No)、スクロール速度SVを表示制御部16へと出力する(S46)。表示制御部16は、速度設定部18からスクロール速度SVを取得すると、当該スクロール速度SVとなるようにスクロールを変化させる(S48)。この後、ステップS36以下の処理が繰り返される。一方、速度設定部18が、スクロール速度SVの向きが変化したと判定すると(S44:Yes)、表示制御部16は、対象画像22のスクロールを停止させる(S50)。このように、表示制御部16は、スクロール速度SVの向きが変化すると、即ち、スクロール速度SVが略「0」の状態で、スクロールを停止させている。これにより、表示制御部16は、急激にスクロールを停止させる場合に比べて、ユーザの感じる違和感を低減して、自然にスクロールを停止することができる。尚、スクロールを停止させるとともに、速度設定部18は傾斜SLを消去してもよい。これにより、フリックスクロール処理が終了して、表示処理のステップS16に戻る。
【0032】
図5、
図6、
図7、
図8は、フリックスクロール処理の具体的な表示形態を示す図である。
図5から
図8に示す例では、情報処理部19が、ユーザの入力の正誤を判定する。そして、速度設定部18は、入力が誤っている領域を設定領域SAとして設定して、当該設定領域SAに領域加速度AAを設定する。
図5から
図8の形態では、一例として、対象画像22が、表示部12の長手方向にのみスクロールする。
【0033】
図5に示す例では、表示制御部16が、表示部12に対象画像22として入力フォームを表示させている。入力フォームは、操作入力部14によって、名前入力領域、住所入力領域、電話番号入力領域31、年齢入力領域等の入力情報を入力する複数の入力領域30を有する。入力フォームは、表示部12の表示画面よりも大きく、入力フォームの一部は、表示部12に表示されていない。
図5に示す例では、情報処理部19が、電話番号の入力情報が誤っていると判定する。情報処理部19は、電話番号の入力情報が誤っている旨を速度設定部18へと出力する。尚、表示装置10が、インターネット等を介して、外部のサーバ装置から入力フォームを取得する場合、当該サーバ装置が入力情報の正誤判定を実行してもよい。この場合、速度設定部18は、入力情報が誤っている入力領域30の情報をサーバ装置から取得してもよい。これにより、速度設定部18は、電話番号入力領域31を含むその周囲を設定領域SAとして設定する。速度設定部18は、設定領域SAの範囲を適宜変更してよい。例えば、速度設定部18は、設定領域SAが、電話番号入力領域31と一致するように設定してもよく、電話番号入力領域31を中心として表示部12と同じ大きさになるように設定してもよい。更に、速度設定部18は、
図5の表示部12の右側に示す領域加速度AAを示す仮想的な傾斜SLを当該設定領域SAに対応付けて設定する。尚、傾斜SLのグラフにおける位置は、対象画像22内の位置を示す。また、入力情報が誤っている複数の入力領域30が存在する場合、速度設定部18は、当該複数の入力領域30の全てに傾斜SLを設定する。傾斜SLの傾斜角度は、領域加速度AAの大きさを示す。また、傾斜SLの上りは、領域加速度AAがスクロール速度SVを減速させることを示す。一方、傾斜SLの下りは、領域加速度AAがスクロール速度SVを加速させることを示す。速度設定部18は、傾斜SLの形状を適宜設定してよく、予め記憶部20に記憶させていてもよい。傾斜SLの形状は、一次関数で表すことのできる直線であってもよく、二次以上の関数で表すことのできる放物線等の曲線であってもよい。尚、正誤判定を実行したサーバ装置等が、設定領域SA及び領域加速度AAを設定してもよい。速度設定部18は、傾斜SLの傾斜角度に基づいて、設定領域SA内の各座標の領域加速度AAを算出する。
【0034】
まず、
図6に示すように、表示制御部16は、電話番号入力領域31を表示部12の外側に配置して、表示していない。この状態で、ユーザが、指FNを操作入力部14上の点線で示す位置から実線で示す位置へと矢印34に沿って移動させると、操作入力部14はフリック操作としてユーザの入力を受け付ける。速度設定部18は、操作入力部14からフリック操作が入力された旨を受け付けると、スクロール速度SVを算出して表示制御部16へと出力する。また、速度設定部18は、操作入力部14から取得した指FNの接触開始点を判定領域JAとして設定する。判定領域JAは、フリック操作が入力された領域の一例である。判定領域JAは、指FNの接触終了点であってもよく、表示部12の中心であってもよい。
図6に示す例では、速度設定部18は、判定領域JAにスクロールする方向の幅を設けないが、判定領域JAに幅を設けてもよい。尚、判定領域JAは、表示部12に対して固定されており、対象画像22のスクロールに伴って移動しない。表示制御部16は、速度設定部18からスクロール速度SVを取得すると、対象画像22である入力フォームを、指FNの動いた方向に沿ってスクロールさせる。設定領域SA及び傾斜SLは、スクロールに伴って、対象画像22とともに移動する。この状態では、速度設定部18は、最初は初速度FVであるスクロール速度SVを、初期加速度FAによって減速させつつ更新する。
【0035】
この後、
図7に示すように、速度設定部18は、対象画像22とともにスクロールする設定領域SAが判定領域JAに達すると、設定領域SAに設定された傾斜SLから領域加速度AAを抽出する。ここで、傾斜SLは、判定領域JAに達した後の一定範囲は上りである。従って、判定領域JAに達した後、領域加速度AAは、電話番号入力領域31に向けてスクロール速度SVを減速させる値である。これにより、初期加速度FAに加えて領域加速度AAもスクロール速度を減速させる加速度となる。この結果、設定領域SAが判定領域JAに達することによって、速度設定部18は、入力情報が誤っている電話番号入力領域31に向けてスクロール速度SVの減速を大きくする。従って、表示制御部16は、判定領域JAを通過する電話番号入力領域31を極めて低速でスクロールさせつつ表示する。ここで、ユーザが、操作入力部14を介してタッチ操作等の停止操作を入力することによって、速度設定部18は、スクロール速度SVを「0」に設定してもよい。これにより、表示制御部16は、スクロールを停止する。この結果、表示装置10は、極めて遅いスクロール速度SVで電話番号入力領域31をスクロールさせてユーザに容易に視認させて、停止させることができる。
【0036】
この後、
図8に示すように、対象画像22が更にスクロールして、傾斜SLの頂点が判定領域JAを通過すると、判定領域JAの傾斜SLは下りになるので、領域加速度AAは、スクロール速度を加速させる加速度となる。ここで、速度設定部18は、初速度FV及び領域加速度AAの和からスクロール速度SVを設定するので、スクロール速度SVの減速は小さくなるか、または、スクロール速度SVは加速される。この後、スクロール速度SVが、初期加速度FAによって「0」になるまで、表示制御部16は、速度設定部18によって算出されるスクロール速度SVによって対象画像22をスクロールさせる。尚、速度設定部18が、スクロール速度SVの向きが変化したと判定すると、表示制御部16は、ユーザの操作によらず、スクロールを停止する。
【0037】
図9、
図10は、フリックスクロール処理の具体的な別の表示形態を示す図である。
図9及び
図10に基づいて、速度設定部18が、広告32の周囲の設定領域SAに対応付けられた領域加速度AAに基づいてスクロールさせる例を説明する。
図9及び
図10の形態では、対象画像22が、表示部12の長手方向にのみスクロールする。
【0038】
図9に示すように、表示制御部16は、広告32を含む対象画像22の一部を表示部12に表示させる。対象画像22の一例は、インターネットを介して閲覧するホームページ等である。
図9に示す状態では、表示制御部16は、表示部12の外側に広告32を配置して、表示部12に広告32を表示していない。速度設定部18は、スクロール方向における表示部12の中央の一部に判定領域JAを設定する。判定領域JAは、表示部12の一部としたが、表示部12の全体としてもよい。尚、上述したように、速度設定部18は、フリック操作の操作開始点及び操作終了点等に判定領域JAを設定してもよい。速度設定部18は、設定領域SAを広告32に対応付けて設定する。
図9に示す例では、速度設定部18は、設定領域SAを、広告32を中心として、スクロール方向の広告32の長さよりも長く設定している。この状態で、ユーザが操作入力部14上で指FAを矢印34で示す方向に移動させてフリック操作を入力すると、表示制御部16は、対象画像22をフリック操作の方向に沿ってスクロールさせる。速度設定部18は、設定領域SA及び傾斜SLを、スクロールに伴って、対象画像22とともに移動させる。
【0039】
図10に示すように、速度設定部18は、設定領域SAが判定領域JAに達したと判定すると、傾斜SLから領域加速度AAを抽出する。速度設定部18は、初期加速度FA及び領域加速度AAの和をスクロール加速度とする。速度設定部18は、当該スクロール加速度からスクロール速度SVを算出するので、判定領域JAの外部に設定領域SAがあった場合よりも、広告32を含む対象画像22の表示部12内でのスクロール速度SVの減速を大きくする。この結果、表示装置10は、低速で移動する広告32をユーザに見せることができる。この後、速度設定部18は、設定領域SAの中心が判定領域JAを通過すると、傾斜SLの傾きの方向の変化に伴って、スクロール速度SVの減速を小さくするか、または、スクロール速度SVを加速させる。尚、設定領域SAの中心が判定領域JAを通過すると、速度設定部18は、傾斜SLを消去して、スクロール速度SVを「0」にして、停止させてもよい。
【0040】
図11、
図12は、フリックスクロール処理の具体的な更に別の表示形態を示す図である。
図11及び
図12に基づいて、速度設定部18が、複数の記事36及び各記事36を区切る区切線38を含む対象画像22に対応付けられた領域加速度AAに基づいてスクロールさせる例を説明する。
図11及び
図12の形態では、対象画像22が、表示部12の長手方向にのみスクロールする。
【0041】
図11に示すように、複数の記事36を含む対象画像22の一部を表示部12に表示させる。対象画像22の一例は、インターネットを介して閲覧するニュースのホームページ等である。速度設定部18は、区切線38を中心に、スクロール方向に沿って、区切線38の周囲に設定領域SAを設定する。また、速度設定部18は、設定領域SAに対応付けて領域加速度AAを算出する傾斜SLを設定する。尚、ホームページを提供するサーバ装置が、設定領域SA及び領域加速度AAを設定してもよい。この状態で、ユーザが操作入力部14上で指FAを矢印34で示す方向に移動させてフリック操作を入力すると、表示制御部16は、対象画像22をフリック操作の方向に沿ってスクロールさせる。速度設定部18は、設定領域SA及び傾斜SLを、スクロールに伴って、対象画像22とともに移動させる。速度設定部18は、スクロール方向において、フリック操作の操作開始点に判定領域JAを設定する。
【0042】
図12に示すように、速度設定部18は、設定領域SAが判定領域JAに達したと判定すると、傾斜SLから領域加速度AAを抽出する。速度設定部18は、初期加速度FA及び領域加速度AAの和からスクロール加速度を算出する。速度設定部18は、スクロール加速度からスクロール速度SVを算出するので、判定領域JAに設定領域SAが達する前よりも、区切線38を含む対象画像22の表示部12内でのスクロール速度SVの減速を大きくする。これにより、表示装置10は、低速で移動する記事36をユーザに見せることができる。この後、速度設定部18は、設定領域SAの中心が判定領域JAを通過すると、傾斜SLの傾きの方向の変化に伴って、スクロール速度SVの減速を小さくするか、または、スクロール速度SVを加速させる。尚、設定領域SAの全領域が判定領域JAを通過すると、速度設定部18は、傾斜SLを消去して、スクロール速度SVを「0」にして、停止させてもよい。
【0043】
図13は、タッチスクロール処理S24のフローチャートである。
【0044】
図13に示すように、タッチスクロール処理では、速度設定部18は、設定領域SA及び領域加速度AAを設定する(S60)。設定領域SA及び領域加速度AAの設定については、後述する。
【0045】
速度設定部18は、操作入力部14から取得した操作情報から、操作入力部14上でのタッチ操作の領域の座標を検出する(S62)。尚、タッチ操作の領域は、点であってもよく、範囲であってもよい。
【0046】
速度設定部18は、タッチ操作の領域が設定領域SA内か否かを判定する(S64)。速度設定部18は、タッチ操作の領域が設定領域SA内でないと判定すると(S64:No)、ステップS82を実行する。
【0047】
一方、速度設定部18は、タッチ操作の領域が設定領域SA内でないと判定すると(S64:Yes)、タッチ操作の領域に対応付けられた領域加速度AAを抽出する(S66)。速度設定部18は、領域加速度AAからスクロールの初速度を設定して、表示制御部16へと出力する(S68)。ここで、タッチスクロール処理では、領域加速度AAが、設定領域SAの中央部がタッチ操作の領域に向いて移動するように設定されている。
【0048】
表示制御部16は、対象画像22のスクロールを開始する(S70)。対象画像22のスクロールに伴って、タッチ操作の領域と設定領域SAとの相対位置が変化するので、設定領域SAの各位置に対応付けられている領域加速度AAが、スクロールに伴って変化する。従って、速度設定部18は、スクロールに伴って変化するタッチ操作の領域に対応付けられた領域加速度AAを更新する(S72)。速度設定部18は、更新した領域加速度AAによって、スクロール速度SVを算出して更新する(S74)。
【0049】
速度設定部18は、スクロール速度SVの向きが変化していないと判定すると(S76:No)、スクロール速度SVを表示制御部16に出力する(S78)。表示制御部16は、新たに取得したスクロール速度SVに基づいて、スクロールを変化させる(S80)。この後、ステップS64以降が繰り返される。尚、ステップS64では、ユーザが、操作入力部14から指を離して、タッチ操作を終了した場合、速度設定部18は、タッチ操作の領域が設定領域SA内でないと判定する(S64:No)。
【0050】
速度設定部18が、スクロール速度SVの向きが変化したと判定すると(S76:Yes)、表示制御部16は、スクロールを停止する(S82)。速度設定部18は、スクロールの停止に伴って、傾斜SLを消去してもよい。これにより、タッチスクロール処理が終了して、ステップS16に戻る。
【0051】
図14、
図16、
図17は、タッチスクロール処理の具体的な表示形態を示す図である。
図15は、設定領域SAの傾斜形状を説明する図である。
図15の上図は、設定領域SAの平面図を示し、下図は上図のA−A線に沿った縦断面図である。
【0052】
図14から
図17に基づいて、速度設定部18が、ユーザの検索ワード40を含む領域を設定領域SAとして設定するとともに、当該設定領域SAに領域加速度AAを設定する例について説明する。
図14から
図17の形態では、対象画像22が、表示部12の長手方向及び短辺方向の外側までの大きさを有する。また、表示制御部16は、表示部12の長手方向のみならず、長手方向と交差する方向、即ち、表示部12の短辺方向及び長手方向に対して傾斜する方向にも対象画像22をスクロールさせる。
【0053】
図14に示すように、対象画像22は、数行にわたって文字が記載された文章であるとする。操作入力部14は、例えば「test」を検索ワード40としてユーザから受け付けて、対象画像22の文章内を検索する。尚、対象画像22は、複数の「test」を含む。尚、表示装置10がインターネット等を介して対象画像22をサーバ装置から取得する場合、サーバ装置が検索ワード40の検索を実行してもよい。
【0054】
速度設定部18は、対象画像22内の検索ワード40の位置を対象画像22の画像情報から取得する。検索ワード40の検索をサーバ装置が実行した場合、速度設定部18は、サーバ装置から検索ワード40の位置を取得してもよい。速度設定部18は、検索ワード40を含む周囲に設定領域SAを設定する。速度設定部18は、表示部12に表示されていない検索ワード40の周囲にも設定領域SAを設定する。設定領域SAの一部が表示部12の内部であっても、設定領域SAの一部が表示部12の外部であってもよい。
【0055】
図15の上図に示すように、設定領域SAの形状の一例は、ユーザ側から見て、検索ワード40の重心を中心とする円形状である。
図15の下図に示すように、速度設定部18は、設定領域SAの内部に領域加速度AAを示す傾斜SLを設定する。速度設定部18は、同様に、設定領域SAの中心を通る線に沿った縦断面図が
図15の下図の形状になるように傾斜SLを設定する。即ち、速度設定部18は、ユーザ側から見て凹状の略円錐形状の傾斜SLを設定領域SAに対応付けて設定する。換言すれば、速度設定部18は、タッチ操作を受け付けた領域へ向けて検索ワード40を加速させる領域加速度AAを設定する。尚、サーバ装置が検索ワード40の検索を実行した場合、当該サーバ装置が設定領域SA及び領域加速度AAを設定してもよい。
【0056】
図14及び
図15に示すように、速度設定部18が、設定領域SA及び領域加速度AAを設定した状態で、
図16に示すように、操作入力部14が、ユーザの指FNの先端で操作入力部14をタッチするタッチ操作を受け付ける。速度設定部18は、操作入力部14からタッチ操作の領域の座標を取得する。速度設定部18は、タッチ操作の領域が設定領域SA内と判定すると、
図15の下図に示す傾斜SLからタッチ操作の領域の領域加速度AAを抽出して設定する。速度設定部18は、抽出した領域加速度AAからスクロールの初速度FVを設定する。
図17に示すように、表示制御部16は、速度設定部18の設定した初速度FVに基づいて、対象画像22をスクロールさせる。これにより、対象画像22は、検索ワード40がタッチ操作の領域に近づくように、矢印42に沿ってスクロールされる。この後、表示制御部16が、検索ワード40をタッチ操作の領域、即ち、指FNの下までスクロールさせると、傾斜SLの頂点がタッチ操作の領域に達することになり、傾斜SLの向きが変化する。これにより、速度設定部18は、領域加速度AAの向きが変化したと判定して、スクロール速度SVを「0」とする。また、表示制御部16は、検索ワード40が略タッチ操作の領域となるように対象画像22のスクロールを停止する。速度設定部18は、タッチ操作の領域と傾斜SLを抽出する位置とをずらしてもよい。例えば、速度設定部18は、タッチ操作の領域から検索ワードの方向に少しずれた位置の傾斜SLを抽出して、領域加速度AAを設定してもよい。この場合、領域加速度AAの向きが、検索ワード40がタッチ操作の領域に達する前に変わるので、表示装置10は、検索ワード40が指FNに隠れることを抑制できる。
【0057】
図18は、
図17の状態から別のスクロール状態を説明する図である。
図17に示す状態から
図18に示す例では、速度設定部18は、タッチ操作の領域に検索ワード40が達すると、タッチ操作の領域と重なっている設定領域SAを消去する。この後、速度設定部18は、タッチ操作の領域に次に近い検索ワード40の位置を検出する。速度設定部18は、新たに検出した検索ワード40の設定領域SAがタッチ操作の領域を含むように、当該設定領域SAを拡張する。これにより、速度設定部18は、拡張された設定領域SAの傾斜SLによって領域加速度AAを抽出して、次の検索ワード40がタッチ操作の領域に向けて加速するスクロール速度SVを設定する。これにより、表示制御部16は、次の検索ワード40をタッチ操作の領域に向けて移動するように対象画像22を矢印42に沿ってスクロールさせる。
【0058】
上述したように、表示装置10では、速度設定部18が、設定領域SAに対応付けて設定された領域加速度AAからスクロール加速度を設定している。これにより、表示制御部16は、設定領域SAの近傍のスクロール速度SVを徐々に連続的に変化させつつ、スクロールさせることができる。この結果、表示装置10は、ユーザがスクロールされている対象画像22を見るときの違和感を低減しつつ、対象画像22をスクロールさせることができる。
【0059】
図19は、本実施形態に係るサーバ装置110の全体構成図である。
図19に示すように、サーバ装置110は、生成部116と、加速度設定部118とを有する。生成部116は、対象画像22を生成する。加速度設定部118は、生成部116が生成した対象画像22中に設定領域SAを設定する。加速度設定部118は、対象画像22のスクロール速度SVを変化させる領域加速度AAを設定領域SAに設定する。尚、領域加速度AAの設定は、速度設定部18による領域加速度AAの設定と略同様である。生成部116及び加速度設定部118は、生成した対象画像22を、設定した設定領域SA及び領域加速度AAとともに、インターネット等を介して送信する。これにより、表示装置10は、対象画像22を設定領域SA及び領域加速度AAとともに受信することにより、違和感を低減しつつ対象画像22をスクロールさせることができる。尚、サーバ装置110において、ユーザが、設定領域SA及び領域加速度AAを設定してもよい。更に、サーバ装置110から対象画像22を取得した表示装置のブラウザ等が、設定領域SA及び領域加速度AAを設定してもよい。例えば、当該ブラウザが、対象画像22内の検索ワード等を検索した場合、当該検索ワードの位置に合わせて設定領域SA及び領域加速度AAを設定してもよい。
【0060】
上述の実施形態の各構成の形状、接続関係、個数等の数値、対象画像22の内容等は適宜変更してよい。また、各実施形態を組み合わせてもよい。
【0061】
例えば、速度設定部18は、スクロール速度SVの変化に伴って変化する領域加速度AAによってスクロール速度SVを変化させてもよい。具体的には、速度設定部18は、フリック操作に対して領域加速度AAを減速に設定する場合、スクロール速度SVの絶対値に対して絶対値が比例した領域加速度AAによってスクロール速度SVを変化させてもよい。尚、速度設定部18は、この条件を満たす領域加速度AAを設定してもよい。更に、速度設定部18は、スクロール速度SVが判定領域JAに向かって順方向である場合と逆方向である場合とで別の領域加速度AAを設定してもよい。尚、順方向は、一のスクロール方向の一例である。例えば、速度設定部18は、設定領域SAの中央部が判定領域JAを通過するまでの傾斜SLを、設定領域SAの中央部が判定領域JAを通過した後の傾きが逆の傾斜SLの傾斜よりも急激に、または、緩やかに設定してもよい。従って、速度設定部18は、順方向の加速度と、逆方向の加速度とが異なる領域加速度AAによって、スクロール速度SVを算出して変化させる。これにより、表示制御部16は、設定領域SAが判定領域JAを通過するときに、自然にスクロールさせて、ユーザがスクロールに対して感じる違和感を低減できる。
【0062】
速度設定部18は、対象画像22内の設定領域SAが表示部12内に停止するように、当該設定領域SAに対して設定された領域加速度AAによってスクロール速度SVを変化させてもよい。尚、速度設定部18は、この条件を満たす領域加速度AAを設定してもよい。
【0063】
表示制御部16は、領域加速度AAが設定されている設定領域SAを、設定領域SA以外の領域と異なる表示形態で表示部12に表示させてもよい。例えば、
図14に示す例において、表示制御部16は、設定領域SAの内部に薄い色を塗布して表示する。
【0064】
上述の実施形態では、スクロール速度SVの向きが変化した場合、表示制御部16がスクロールを停止する例をあげたが、これに限定されない。例えば、スクロール速度SVが「0」になるまで、または、スクロール速度SVの大きさ即ち絶対値が予め定められた閾値以下になるまで、表示制御部16が、スクロールを継続するように制御してもよい。この場合、対象画像22は、判定領域JAを中心として、振幅するように往復移動することになる。また、領域加速度AAの向きが変化した場合に、表示制御部16がスクロールを停止するように制御してもよい。
【0065】
上述の実施形態では、速度設定部18が、設定領域SA及び領域加速度AAを設定する形態について説明したが、設定領域SA及び領域加速度AAは、対象画像22に予め関連付けられていてもよい。
【0066】
上述のフリック操作に対する実施形態をタッチ操作に対する実施形態に適用してもよい。また、上述のタッチ操作に対する実施形態をフリック操作に対する実施形態に適用してもよい。
【0067】
例えば、上述の
図5から
図8に示す実施形態では、フリック操作に対して入力情報が誤っている電話番号入力領域31のスクロール速度SVを変化させる例を示したが、タッチ操作に対してスクロール速度SVを変化させてもよい。この形態では、操作入力部14が、タッチ操作を受け付ける。これにより、速度設定部18は、操作入力部14がタッチ操作を設定領域SA内で受け付けたことに応じて、入力情報が誤っている電話番号入力領域31に向けて加速させる領域加速度AAによってスクロール速度を設定する。この場合の領域加速度AAを示す傾斜SLの一例は、電話番号入力領域31を中心とする凹型の形状である。
【0068】
上述の実施形態では、速度設定部18が、スクロールの停止に伴って、傾斜SL、即ち、領域加速度AAを消去する例を示したが、領域加速度AAを消去するタイミングは適宜設定してよい。例えば、判断領域JAの中心と設定領域SAの中心とが、同じ位置となると、速度設定部18が、領域加速度AAを消去してもよい。また、
図5から
図8に示す実施形態では、入力情報が訂正されると、速度設定部18が、領域加速度AAを消去するようにしてもよい。
【0069】
上述の実施形態では、速度設定部18が、傾斜SLに基づいて、領域加速度AAを設定する例を示したが、傾斜以外によって、領域加速度AAを設定してもよい。例えば、速度設定部18は、設定領域SAの座標と関連付けられた仮想的な引力、重力、電磁力、斥力等、または、これらの組み合わせにより、領域加速度AAを設定してもよい。また、速度設定部18は、設定領域SAの座標と関連付けられた一次関数、二次関数等によって、領域加速度AAを設定してもよい。
【0070】
速度設定部18は、スクロールに伴って、動的に変化する領域加速度AAによって、スクロール速度SVを算出してもよい。尚、速度設定部18が、スクロールに伴って領域加速度AAを変化させてもよい。例えば、一の設定領域SAがスクロールによって判断領域JAを通過すると、速度設定部18が他の領域加速度AAを変化させてもよい。また、速度設定部18は、スクロールに伴う、スクロール速度の変化、または、表示部12または判断領域JAに対する設定領域SAの相対位置の変化等によって、領域加速度AAを変化させてもよい。更に、速度設定部18は、一の設定領域SAまたは当該設定領域のSAの中心が判断領域JAを通過すると、他の設定領域SAを変化させてもよい。他の設定領域SAの変化の一例は、他の設定領域SAの少なくとも一部が判断領域JA内となるように拡大させることである。
【0071】
図20は、本実施形態に係るコンピュータ1900のハードウェア構成の一例を示す。本実施形態に係るコンピュータ1900は、情報処理部の一例である。コンピュータ1900は、ホスト・コントローラ2082により相互に接続されるCPU2000、RAM2020、グラフィック・コントローラ2075、及び表示部2080を有するCPU周辺部と、入出力コントローラ2084によりホスト・コントローラ2082に接続される通信インターフェイス2030、及び、ハードディスクドライブ2040を有する入出力部と、入出力コントローラ2084に接続されるROM2010、メモリドライブ2050、撮像部2060及び入出力チップ2070を有するレガシー入出力部とを備える。
【0072】
ホスト・コントローラ2082は、RAM2020と、高い転送レートでRAM2020をアクセスするCPU2000及びグラフィック・コントローラ2075とを接続する。CPU2000は、ROM2010及びRAM2020に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。グラフィック・コントローラ2075は、CPU2000等がRAM2020内に設けたフレーム・バッファ上に生成する画像データを取得し、表示部2080上に表示させる。これに代えて、グラフィック・コントローラ2075は、CPU2000等が生成する画像データを格納するフレーム・バッファを、内部に含んでもよい。
【0073】
入出力コントローラ2084は、ホスト・コントローラ2082と、比較的高速な入出力装置である通信インターフェイス2030、ハードディスクドライブ2040を接続する。通信インターフェイス2030は、ネットワークを介して他の装置と通信する。ハードディスクドライブ2040は、コンピュータ1900内のCPU2000が使用する表示プログラム等のプログラム及びデータを格納する。
【0074】
また、入出力コントローラ2084には、ROM2010と、メモリドライブ2050、撮像部2060及び入出力チップ2070の比較的低速な入出力装置とが接続される。ROM2010は、コンピュータ1900が起動時に実行するブート・プログラム、及び/又は、コンピュータ1900のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。メモリドライブ2050は、メモリカード2090から例えば表示プログラム等のプログラム又はデータを読み取り、RAM2020を介してハードディスクドライブ2040に提供する。入出力チップ2070は、撮像部2060及びメモリドライブ2050を入出力コントローラ2084へと接続すると共に、例えばパラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポート等を介して各種の入出力装置を入出力コントローラ2084へと接続する。
【0075】
RAM2020を介してハードディスクドライブ2040に提供されるプログラムは、メモリカード2090、又はICカード等の記録媒体に格納されて利用者によって提供される。表示プログラム等のプログラムは、記録媒体から読み出され、RAM2020を介してコンピュータ1900内のハードディスクドライブ2040にインストールされ、CPU2000において実行される。
【0076】
コンピュータ1900にインストールされ、コンピュータ1900を表示装置10として機能させるプログラムは、位置検出部モジュール、判別部モジュール、特定部モジュール、データベース検索部モジュール、更新部モジュール、経路探索部モジュール、及び、表示処理部モジュールとを備える。これらのプログラム又はモジュールは、CPU2000等に働きかけて、コンピュータ1900を、表示部12、操作入力部14、表示制御部16、速度設定部18、及び、情報処理部19としてそれぞれ機能させる。
【0077】
これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ1900に読込まれることにより、ソフトウェアと上述した各種のハードウェア資源とが協働した具体的手段である表示部12、操作入力部14、表示制御部16、速度設定部18、及び、情報処理部19として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ1900の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の表示装置10が構築される。
【0078】
一例として、コンピュータ1900と外部の装置等との間で通信を行う場合には、CPU2000は、RAM2020上にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理内容に基づいて、通信インターフェイス2030に対して通信処理を指示する。通信インターフェイス2030は、CPU2000の制御を受けて、RAM2020、ハードディスクドライブ2040、又はメモリカード2090等の記憶装置上に設けた送信バッファ領域等に記憶された送信データを読み出してネットワークへと送信し、もしくは、ネットワークから受信した受信データを記憶装置上に設けた受信バッファ領域等へと書き込む。このように、通信インターフェイス2030は、DMA(ダイレクト・メモリ・アクセス)方式により記憶装置との間で送受信データを転送してもよく、これに代えて、CPU2000が転送元の記憶装置又は通信インターフェイス2030からデータを読み出し、転送先の通信インターフェイス2030又は記憶装置へとデータを書き込むことにより送受信データを転送してもよい。
【0079】
また、CPU2000は、ハードディスクドライブ2040、メモリドライブ2050(メモリカード2090)等の外部記憶装置に格納されたファイルまたはデータベース等の中から、全部または必要な部分をDMA転送等によりRAM2020へと読み込ませ、RAM2020上のデータに対して各種の処理を行う。そして、CPU2000は、処理を終えたデータを、DMA転送等により外部記憶装置へと書き戻す。このような処理において、RAM2020は、外部記憶装置の内容を一時的に保持するものとみなせるから、本実施形態においてはRAM2020および外部記憶装置等をメモリ、記憶部、または記憶装置等と総称する。本実施形態における各種のプログラム、データ、テーブル、データベース等の各種の情報は、このような記憶装置上に格納されて、情報処理の対象となる。なお、CPU2000は、RAM2020の一部をキャッシュメモリに保持し、キャッシュメモリ上で読み書きを行うこともできる。このような形態においても、キャッシュメモリはRAM2020の機能の一部を担うから、本実施形態においては、区別して示す場合を除き、キャッシュメモリもRAM2020、メモリ、及び/又は記憶装置に含まれるものとする。
【0080】
また、CPU2000は、RAM2020から読み出したデータに対して、プログラムの命令列により指定された、本実施形態中に記載した各種の演算、情報の加工、条件判断、情報の検索・置換等を含む各種の処理を行い、RAM2020へと書き戻す。例えば、CPU2000は、条件判断を行う場合においては、本実施形態において示した各種の変数が、他の変数または定数と比較して、大きい、小さい、以上、以下、等しい等の条件を満たすかどうかを判断し、条件が成立した場合(又は不成立であった場合)に、異なる命令列へと分岐し、またはサブルーチンを呼び出す。
【0081】
また、CPU2000は、記憶装置内のファイルまたはデータベース等に格納された情報を検索することができる。例えば、第1属性の属性値に対し第2属性の属性値がそれぞれ対応付けられた複数のエントリが記憶装置に格納されている場合において、CPU2000は、記憶装置に格納されている複数のエントリの中から第1属性の属性値が指定された条件と一致するエントリを検索し、そのエントリに格納されている第2属性の属性値を読み出すことにより、所定の条件を満たす第1属性に対応付けられた第2属性の属性値を得ることができる。
【0082】
以上に示したプログラム又はモジュールは、外部の記録媒体に格納されてもよい。記録媒体としては、メモリカード2090の他に、DVD又はCD等の光学記録媒体、MO等の光磁気記録媒体、テープ媒体、ICカード等の半導体メモリ等を用いることができる。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステムに設けたハードディスク又はRAM等の記憶装置を記録媒体として使用し、ネットワークを介してプログラムをコンピュータ1900に提供してもよい。
【0083】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0084】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。