(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6128536
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】振動モーター
(51)【国際特許分類】
B06B 1/04 20060101AFI20170508BHJP
H02K 33/00 20060101ALI20170508BHJP
【FI】
B06B1/04 S
H02K33/00 A
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-251790(P2015-251790)
(22)【出願日】2015年12月24日
(65)【公開番号】特開2017-29968(P2017-29968A)
(43)【公開日】2017年2月9日
【審査請求日】2015年12月24日
(31)【優先権主張番号】201520569967.1
(32)【優先日】2015年7月31日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515311349
【氏名又は名称】エーエーシー テクノロジーズ ピーティーイー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100144048
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 智弘
(74)【代理人】
【識別番号】100186679
【弁理士】
【氏名又は名称】矢田 歩
(74)【代理人】
【識別番号】100189186
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 敏弘
(72)【発明者】
【氏名】王 洪興
(72)【発明者】
【氏名】毛 路▲ビン▼
【審査官】
柿崎 拓
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−163172(JP,A)
【文献】
特開2014−023238(JP,A)
【文献】
特開2007−216097(JP,A)
【文献】
特開2004−174310(JP,A)
【文献】
国際公開第2016/114384(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B06B 1/00−3/04
H02K 33/00−33/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定部材、弾性支持部材及び振動部材を備え、前記固定部材は、収納空間を有するハウジング、及び前記収納空間内に設けられるとともに前記ハウジングに固定されるコイルを含み、前記ハウジングは、上蓋及び前記上蓋と前記収容空間を囲んで形成したベースを有し、前記ベースは、前記上蓋に対向して設けられた底壁を有し、前記振動部材は、磁石鋼及び前記磁石鋼を挟持するためのカウンターウェイトを含み、前記振動部材を前記収納空間内に片持ちで配置するように、前記弾性支持部材は一端が前記ハウジングに接続され、他端が前記カウンターウェイトに接続される振動モーターにおいて、位置決めガイド部材をさらに含み、前記位置決めガイド部材は、ロール部材と、前記カウンターウェイトに接続されるカウンターウェイトスライドレールと、前記底壁に接続されるベーススライドレールとを含み、前記カウンターウェイトスライドレールと前記ベーススライドレールとは、対向して設けられ、合わせて運動レールを形成し、前記ロール部材は、前記運動レール内において前記振動部材の振動に伴い往復運動し、
前記カウンターウェイトスライドレールは、前記カウンターウェイト表面においてミーリング加工プロセスによって成形され、前記ベーススライドレールは、打ち抜きプロセスによって成形されていることを特徴とする振動モーター。
【請求項2】
前記カウンターウェイトスライドレールにおける前記底壁に向かう表面に、少なくとも2本の第1の突起部が突設され、前記ベーススライドレールは、前記ベースに接続される本体部を含み、前記本体部は、前記カウンターウェイトに向かう方向に、少なくとも2本の平行して第2の突起部を間隔を置いて突設し、前記第2の突起部と前記第1の突起部とは、一対一で対応するとともにそれぞれロール部材に当接され、前記運動レールは、前記第1の突起部及び前記第2の突起部により囲んで形成され、前記本体部における2本の前記第2の突起部の間に位置する部分と前記ベースとの間に、隙間が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の振動モーター。
【請求項3】
前記カウンターウェイトは、第1のカウンターウェイト及び第2のカウンターウェイトを含み、前記第1のカウンターウェイト及び前記第2のカウンターウェイトは、前記磁石鋼をその間に挟持することを特徴とする請求項1に記載の振動モーター。
【請求項4】
前記カウンターウェイトスライドレールは、前記第1のカウンターウェイトにおける前記底壁に向かう表面に嵌設された第1のカウンターウェイトスライドレール、及び前記第2のカウンターウェイトにおける前記底壁に向かう表面に嵌設された第2のカウンターウェイトスライドレールを備え、前記ベーススライドレールは、前記底壁における前記第1のカウンターウェイトスライドレールに対向する位置に設けられる第1のベーススライドレール、及び前記底壁における前記第2のカウンターウェイトスライドレールに対向する位置に設けられた第2のベーススライドレールを含むことを特徴とする請求項3に記載の振動モーター。
【請求項5】
前記第1のカウンターウェイトスライドレールと前記第1のベーススライドレール、及び前記第2のカウンターウェイトスライドレールと前記第2のベーススライドレールは、いずれも2本の平行して間隔を置いて設けられた運動レールを形成し、各前記運動レール内に1つの前記ロール部材が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の振動モーター。
【請求項6】
前記カウンターウェイトにおける前記底壁に向かう表面に、少なくとも1つの永久磁石が設けられ、前記底壁は、磁気伝導材で製造され、前記永久磁石と前記底壁との間に発生した吸引力によって、前記カウンターウェイトは前記ロール部材と常に接触することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の振動モーター。
【請求項7】
前記底壁における前記永久磁石に対応する位置にも永久磁石が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の振動モーター。
【請求項8】
前記カウンターウェイトにおける前記上蓋に向かう表面にも、前記カウンターウェイトスライドレールが設けられ、前記上蓋における前記カウンターウェイトスライドレールに対応する位置に、前記ベーススライドレールが対応して設けられていることを特徴とする請求項6に記載の振動モーター。
【請求項9】
前記カウンターウェイトにおける前記上蓋に向かう表面に、少なくとも1つの永久磁石が設けられ、前記上蓋は、磁気伝導材で製造され、前記永久磁石と前記上蓋との間に発生した吸引力によって、前記カウンターウェイトは前記ロール部材と常に接触することを特徴とする請求項8に記載の振動モーター。
【請求項10】
前記上蓋における前記永久磁石に対応する位置にも永久磁石が設けられていることを特徴とする請求項9に記載の振動モーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動モーターに関し、特に携帯型の消耗性電子製品に適用可能な振動モーターに関する。
【背景技術】
【0002】
電子技術の発展に伴い、携帯型の消耗性電子製品、例えば、無線通信装置、ナビゲーション装置、ゲーム機又は携帯型マルチメディア娯楽設備などは、ますます人々から好まれるようになる。これらの電子製品では、例えば携帯電話の着信提示、情報提示、ナビ提示、ゲーム機の振動フィードバックなどのようなシステムフィードバックとして、振動モーターが通常に用いられている。このため、振動モーターの性能が高く、作動安定性が良く、使用寿命が長いことが要求されている。
【0003】
現在、多く用いられる振動モーターは、殆ど扁平状のリニア振動モーターである。本発明に係るリニア振動モーターは、主に弾性支持部材と、前記弾性支持部材に接続されて片持ちで配置される振動部材と、前記弾性支持部材及び振動部材を収容するベースとを備え、弾性支持部材は振動部材のカウンターウェイトに溶着されている。バネ部材により振動部材を片持ちで配置することで、振動ブロックは、振動過程で水平方向に振動するだけでなく、また垂直方向での揺れも存在するため、弾性支持部材の失効及び弾性疲労を加速し、振動モーターの全体性能に影響を及ぼし、前記振動モーターの使用寿命を短縮する恐れがある。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、性能が良く、使用寿命が長い振動モーターを提供することである。
【0005】
本発明の技術案は、振動モーターであり、固定部材、弾性支持部材及び振動部材を備え、前記固定部材は、収納空間を有するハウジング、及び前記収納空間内に設けられるとともに前記ハウジングに固定されるコイルを含み、前記ハウジングは、上蓋及び前記上蓋と前記収容空間を囲んで形成したベースを有し、前記ベースは、前記上蓋に対向して設けられる底壁を有し、前記振動部材は、磁石鋼及び前記磁石鋼を収容するためのカウンターウェイトを含み、前記振動部材を前記収納空間内に片持ちで配置するように、前記弾性支持部材は一端が前記ハウジングに接続され、他端が前記カウンターウェイトに接続され、前記振動モーターは、位置決めガイド部材をさらに含み、前記位置決めガイド部材は、ロール部材と、前記カウンターウェイトに接続されるカウンターウェイトスライドレールと、前記底壁に接続されるベーススライドレールとを含み、前記カウンターウェイトスライドレールと前記ベーススライドレールとは、対向して設けられ、共に運動レールを形成し、前記ロール部材は、前記運動レール内において前記振動部材の振動に伴い往復運動し、
前記カウンターウェイトスライドレールは、前記カウンターウェイト表面においてミーリング加工プロセスによって成形され、前記ベーススライドレールは、打ち抜きプロセスによって成形される。
【0006】
好ましくは、前記カウンターウェイトスライドレールにおける前記底壁に向かう表面に、少なくとも2本の第1の突起部が突設され、前記ベーススライドレールは、前記ベースに接続される本体部を含み、前記本体部は、前記カウンターウェイトに向かう方向に沿い、少なくとも2本の平行して第2の突起部を間隔を置いて突設し、前記第2の突起部と前記第1の突起部とは、一対一で対応するとともにそれぞれ当接され、前記運動レールは、前記第1の突起部及び前記第2の突起部により囲んで形成され、前記本体部における2本の前記第2の突起部の間に位置する部分と前記ベースとの間に、隙間が設けられている。
【0007】
好ましくは、前記カウンターウェイトは、第1のカウンターウェイト及び第2のカウンターウェイトを含み、前記第1のカウンターウェイト及び前記第2のカウンターウェイトは、前記磁石鋼をその間に挟持する。
【0008】
好ましくは、前記カウンターウェイトスライドレールは、前記第1のカウンターウェイトにおける前記底壁に向かう表面に嵌設される第1のカウンターウェイトスライドレール、及び前記第2のカウンターウェイトにおける前記底壁に向かう表面に嵌設される第2のカウンターウェイトスライドレールを含み、前記ベーススライドレールは、前記底壁における前記第1のカウンターウェイトスライドレールに対向する位置に設けられる第1のベーススライドレール、及び前記底壁における前記第2のカウンターウェイトスライドレールに対向する位置に設けられる第2のベーススライドレールを含む。
【0009】
好ましくは、前記第1のカウンターウェイトスライドレールと前記第1のベーススライドレール、及び前記第2のカウンターウェイトスライドレールと前記第2のベーススライドレールは、いずれも2本の平行して間隔を置いて設けられる運動レールを形成し、各前記運動レール内に1つの前記ロール部材が設けられている。
【0010】
好ましくは、前記カウンターウェイトにおける前記底壁に向かう表面に、少なくとも1つの永久磁石が設けられ、前記底壁は、磁気伝導材で製造され、前記永久磁石と前記底壁との間に発生した吸引力によって、前記カウンターウェイトは前記ロール部材と常に接触する。
【0011】
好ましくは、前記底壁における前記永久磁石に対応する位置にも永久磁石が設けられている。
【0012】
好ましくは、前記カウンターウェイトの前記上蓋に向かう表面にも、前記カウンターウェイトスライドレールが設けられ、前記上蓋における前記カウンターウェイトスライドレールに対応する位置に、前記ベーススライドレールが対応して設けられている。
【0013】
好ましくは、前記カウンターウェイトにおける前記上蓋に向かう表面に、少なくとも1つの永久磁石が設けられ、前記上蓋は、磁気伝導材で製造され、前記永久磁石と前記上蓋との間に発生した吸引力によって、前記カウンターウェイトは前記ロール部材とに常に接触する。
【0014】
好ましくは、前記上蓋における前記永久磁石に対応する位置にも永久磁石が設けられている。
【0015】
本発明の有益な効果は、本発明による振動モーターにおける位置決めガイド部材によって、振動モーターの使用寿命及び全体性能を向上させることができることにある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下は実施例の説明に必要な図面について簡単に紹介する。明らかに、以下に説明される図面は、本発明の幾つかの実施例に過ぎなく、当業者によっては、進歩性に値する労働をしないことを前提として、これらの図面からその他の図面を想到することができる。
【
図1】本発明の実施例1による振動モーターの斜視分解模式図である。
【
図2】
図1に示される振動モーターの一部分解模式図である。
【
図3】
図1に示される振動モーターの振動部材及び位置決めガイド部材の組み立て模式図である。
【
図4】本発明の実施例2による振動モーターの振動部材及び位置決めガイド部材の組み立て模式図である。
【
図5】本発明の実施例3による振動モーターの振動部材及び位置決めガイド部材の組み立て模式図である。
【
図6】本発明の実施例4による振動モーターの振動部材及び位置決めガイド部材の組み立て模式図である。
【
図7】本発明の実施例5による振動モーターの構造模式図である。
【
図8】本発明の実施例5によるハウジングが取り外された振動モーターの振動部材及び位置決めガイド部材の組み立て模式図である。
【
図9】
図7に示される振動モーターのA−A方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面及び実施形態を参照しながら、本発明をさらに説明する。
【0018】
[実施例1]
図1及び
図2を同時に参照する。
図1は、本発明の実施例1による振動モーターの斜視分解図であり、
図2は、
図1に示される振動モーターの一部分解図である。前記振動モーター100は、固定部材11、弾性支持部材12、振動部材13及び位置決めガイド部材14を備える。前記固定部材11は、収容空間を有し、前記弾性支持部材12、前記振動部材13及び前記位置決めガイド部材14は、前記収容空間内に収容される。前記弾性支持部材12は、一端が前記固定部材11に接続され、他端が前記振動部材12に接続されて、前記振動部材12を前記収容空間内に片持ちで配置する。
【0019】
前記固定部材11は、ハウジング111及びコイル112を含み、前記コイル112は前記ハウジング111に固定されている。
【0020】
前記ハウジング111は、上蓋1111及びベース1112を含み、前記上蓋1111と前記ベース1112とを合わせてることにより、収容空間が形成されている。前記ベース1112は底壁1113を含み、前記上蓋1111の前記底壁11113と対向する表面に前記コイル112が固定されている。
【0021】
前記コイル112は、前記振動部材13に嵌設されており、また、前記コイル112の数は、一つでもよく、複数でもよい。
【0022】
好ましくは、前記弾性支持部材12は、2つ設けられており、前記2つの弾性支持部材12は、それぞれ前記振動部材13の両端に設けられている。前記2つの弾性支持部材12は、前記振動部材13を前記ハウジング111により形成された収容空間内に片持ちで配置する。本実施例において、前記弾性支持部材12は、U型バネでもよく、コイルバネでもよい。
【0023】
前記振動部材13は、カウンターウェイト131、磁石鋼132及び磁石ヨーク133を含み、前記カウンターウェイト131は前記振動部材13の両端に設けられ、前記磁石鋼132は複数設けられ、前記複数の磁石鋼132は順に前記磁石ヨーク133により接続されて組み立てられて磁石鋼セットを形成する。前記カウンターウェイト131は、前記磁石鋼セットを挟持して前記振動部材を形成する。
【0024】
図3をさらに参照する。本実施例において、前記カウンターウェイト131は、2つ設けられており、それぞれ第1のカウンターウェイト1311及び第2のカウンターウェイト1312である。前記第1のカウンターウェイト1311及び前記第2のカウンターウェイト1312はそれぞれ前記振動部材13の両端に設けられている。
【0025】
前記位置決めガイド部材14は、カウンターウェイトスライドレール141、ベーススライドレール142及びロール部材143を備える。前記カウンターウェイトスライドレール141は、前記第1のカウンターウェイト131における前記底壁1113に向かう表面に嵌設されており、前記ベーススライドレール142は、前記底壁1113に固定されるとともに、前記カウンターウェイトスライドレール141と対向して設けられ、前記カウンターウェイトスライドレール141と前記ベーススライドレール142とは合わせて運動レールを形成しており、前記ロール部材143は前記運動レール内に設けられ、前記ロール部材143は、ボールでもよく、ローラーでもよい。
【0026】
本実施例において、前記カウンターウェイトスライドレール141と前記ベーススライドレール142とは組み立てられて2本の相対的に平行して設けられる運動レールを形成し、それぞれ第1の運動レール及び第2の運動レールである。好ましくは、前記第1の運動レール内に1つの前記ロール部材143が設けられ、前記第2の運動レール内に2つの前記ロール部材143が設けられている。
【0027】
前記第1のカウンターウェイト131における前記底壁1113に向かう表面には、永久磁石1313が嵌設されている。且つ、前記永久磁石1313は、前記2本の運動レールの間に設けられている。底壁1113は、磁気伝導材で製造され、前記永久磁石1313と前記底壁1113との間の吸引力によって、前記カウンターウェイトスライドレール141及び前記ベーススライドレール142が前記ロール部材143と常に接触し保持されている。
【0028】
[実施例2]
図4を参照する。
図4は、本実施例による振動モーターの弾性支持部材、振動部材及び位置決めガイド部材の組み立て模式図である。本実施例は、実施例1の変形例として、本実施例による振動モーターの構造が、実施例1による前記振動モーター100の構造と大体同じであり、両者の区別は、本実施中による振動モーターの振動部材23及び位置決めガイド部材24の構造が実施例1と異なることである。具体的には、本実施例による振動モーターは、第1のカウンターウェイト2311及び第2のカウンターウェイト2312を含み、前記第1のカウンターウェイト2311及び前記第2のカウンターウェイト2312のそれぞれの前記ベースの底壁(図示せず)に向かう方向において、永久磁石2313が嵌設されている。また、第1のカウンターウェイト2311及び第2のカウンターウェイト2312のそれぞれの本実施例によるベースの底壁(図示せず)に向かう方向において、カウンターウェイトスライドレールが設けられている。前記カウンターウェイトスライドレールは、第1のカウンターウェイトスライドレール2411及び第2のカウンターウェイトスライドレール2412を備え、これに応じて、前記ベーススライドレール(図示せず)は、第1のベーススライドレール及び第2のベーススライドレールを備える。前記第1のベーススライドレールと前記第1のカウンターウェイトスライドレール2411とは合わせて、2本の相対的に平行して運動レールを形成し、前記第2のベーススライドレール及び前記第2のカウンターウェイトスライドレール2412とは合わせて、2本の相対的に平行して運動レールを形成する。前記運動レールの方向は、前記振動部材23の振動方向と同じである。前記第1のベーススライドレールと前記第1のカウンターウェイトスライドレールにより共に形成した2本の相対的に平行して運動レールは、前記第1のカウンターウェイト2311に嵌設された永久磁石2313に対して対称に設けられており、同様に、前記第2のベーススライドレール2422及び前記第2のカウンターウェイトスライドレール2412により共に形成した同様の2本の相対的に平行して運動レールは、前記第2のカウンターウェイト2312に嵌設された質量永久磁石2313に対して対称に設けられる。前記いずれの運動レール内にも、ロール部材243が設けられている。好ましくは、各運動レール内において1つの前記ロール部材243が設けられている。前記振動部材23と前記位置決めガイド部材24とは、組み立てられてから軸対称に設けられている。対称的な設計によって、本実施例による振動モーターは振動過程でより安定的になる。
【0029】
[実施例3]
図5を参照する。
図5は、本発明の実施例3による振動モーターの位置決めガイド部材及び振動部材の組み立て模式図である。本実施例による振動モーターの構造は、実施例2による振動モーターの構造と大体同じであり、両者の区別は、本実施例による振動モーターの振動部材33及び位置決めガイド部材34の構造が実施例2と異なることである。振動部材33は、磁石鋼、前記磁石鋼をその間に挟持する第1のカウンターウェイト3311及び第2のカウンターウェイト3312を含む。具体的には、本実施例において、位置決めガイド部材34は、第1の位置決めガイド部材及び第2の位置決めガイド部材を含む。第1の位置決めガイド部材は、第1のカウンターウェイト3311におけるベースの底壁に向かう表面に設けられる第1のカウンターウェイトスライドレール3411、前記ベースに設けられる第1のベーススライドレール、及び第1のカウンターウェイトスライドレール3411と第1のベーススライドレールとにより共に形成した第1の運動レールを含む。前記第1の運動レール内に前記ロール部材343が組み立てられる。且つ、この第1の運動レールは、第1のカウンターウェイト3311の中央位置に位置し、前記第1の運動レールの方向は、前記振動部材33の振動方向と同じである。また、前記第1のカウンターウェイト3311におけるベースの底壁(図示せず)に向かう方向において、2つの永久磁石3313が嵌設される。2つの前記永久磁石3313は、前記第1の運動レールの両側に対称的に設けられる。第2の位置決めガイド部材は、前記第2のカウンターウェイト3312に設けられる第2のカウンターウェイトスライドレール3412、ベースに設けられる第2のベーススライドレール、及び第2のカウンターウェイトスライドレール3412と第2のベーススライドレールとにより共に形成した2本の第2の運動レールを含む。第2のカウンターウェイト3312におけるベースに向かう表面に、永久磁石3313が設けられ、2本の第2の運動レールは、それぞれ永久磁石3313の両側に対称的に設けられる。
【0030】
上記実施例に比べ、第1のカウンターウェイト3311には永久磁石3313の数が追加され、第1のカウンターウェイト3311とベースの底壁との間の吸引力を補強することができ、ロール部材343が運動レールに常に接触するように保証することができる。
【0031】
[実施例4]
図6を参照する。
図6は、本発明の実施例4による振動モーターの位置決めガイド部材及び振動部材の組み立て模式図である。本実施例による振動モーターの構造は、実施例2による振動モーターの構造と大体同じであり、両者の区別は、本実施例による振動モーターの振動部材43及び位置決めガイド部材44の構造が実施例2と異なることである。振動部材43は、磁石鋼、前記磁石鋼をその間に挟持する第1のカウンターウェイト4311及び第2のカウンターウェイト4312を含む。具体的には、本実施例において、位置決めガイド部材44は、第1の位置決めガイド部材及び第2の位置決めガイド部材を含む。第1の位置決めガイド部材は、第1のカウンターウェイト4311におけるベースの底壁に向かう表面に設けられる第1のカウンターウェイトスライドレール4411、前記ベースに設けられる第1のベーススライドレール、及び第1のカウンターウェイトスライドレール4411と第1のベーススライドレールとにより共に形成した第1の運動レールを含む。前記第1の運動レール内に前記ロール部材443が組み立てられる。且つ、この第1の運動レールは、第1のカウンターウェイト4311の中央位置に位置し、前記第1の運動レールの方向は、前記振動部材33の振動方向と同じである。また、前記第1のカウンターウェイト4311におけるベースの底壁(図示せず)に向かう方向において、永久磁石4313が嵌設され、永久磁石4313は、第1の運動レールの一側に位置する。第2の位置決めガイド部材は、前記第2のカウンターウェイト4312に設けられる第2のカウンターウェイトスライドレール4412、ベースに設けられる第2のベーススライドレール、及び第2のカウンターウェイトスライドレール4412と第2のベーススライドレールとにより共に形成した2本の第2の運動レールを含む。第2のカウンターウェイト4312におけるベースに向かう表面に、永久磁石4313が設けられ、2本の第2の運動レールは、それぞれ永久磁石4313の両側に対称的に設けられる。
【0032】
実施例3に比べれば、本実施例による振動モーターの永久磁石4313の数はより少なくなり、前記永久磁石4313の使用数を節約することができる。
【0033】
[実施例5]
図8〜
図10に示すように、本実施例による振動モーターは、他の実施例による振動モーターに比べて、その改良が以下の通りである。本実施例による振動モーターは、振動部材53と位置決めガイド部材54の構造を有し、前記カウンターウェイトスライドレール541は、ミーリング加工の方式で製造され、つまり、カウンターウェイトスライドレール541は、直接カウンターウェイトに対してミーリングしてなるものである。また、ベーススライドレール542は、打ち抜きプロセスで製造される。前記カウンターウェイトスライドレール541は、第1のカウンターウェイトスライドレール541及び第2のカウンターウェイトスライドレール542を含む。本実施例において、前記第1のカウンターウェイトスライドレール541及び前記第2のカウンターウェイトスライドレール542において、それぞれ2本の平行して間隔を置いて設けられた第1の突起部が形成されている。第1のカウンターウェイトスライドレール541を例として、前記第1のカウンターウェイトスライドレール541に形成された2本の平行して間隔を置いて設けられた第1の突起部は、それぞれ5411及び5412である。前記第1のカウンターウェイトスライドレール541及び第2のカウンターウェイトスライドレール542にそれぞれ対応する前記ベーススライドレール542には、2本の平行して間隔を置いて設けられた第2の突起部が形成されている。前記第1のカウンターウェイトスライドレール541に対応するベーススライドレール543を例として、2本の第2の突起部は、それぞれ5431及び5432である。ベーススライドレール543の2本の第2の突起部とカウンターウェイトスライドレール541の2本の第1の突起部とは、それぞれ対応するとともに当接する。前記運動レールは、前記第1の突起部及び第2の突起部により囲んで形成され、前記ロール部材544は前記運動レール内に設けられ、好ましくは、各前記運動レール内に前記ロール部材544が設けられている。本実施例において、ベーススライドレール543は、ベースに接続される本体部を有し、2本の第2の突起部5431及び5432は、この本体部が前記第1のカウンターウェイトスライドレール541の方向へ平行して間隔を置いて突設することにより形成され、本体部の2本の第2の突起部5431及び5432の間に位置する部分5433とベースとの間に隙間が設けられる。よって、前記振動モーターが落ちたり衝撃を受けたりする際に、打ち抜き方式で製造された前記ベーススライドレールの上記のような構造により、ある程度の緩衝効果を奏することができる。勿論、ミーリング加工方式で製造された前記カウンターウェイトスライドレール541、打ち抜きプロセスで製造された前記ベーススライドレール542、及びその改良は、さらに他のすべての実施例に適用することができ、本実施例での適用に限らない。
【0034】
好ましくは、すべての実施例において、前記振動部材における前記上蓋に向かう面及び前記ベースの底壁に向かう面の両面のいずれにも、位置決めガイド部材が設置されてもよく、これに応じて、前記上蓋において、前記上蓋における前記カウンターウェイトに向かう表面に固定されたベーススライドレールが設けられる。前記カウンターウェイトスライドレールと前記上蓋上のベーススライドレールとは、同様に組み立てられて運動レールを形成し、前記運動レール内にロール部材が設けられている。前記振動部材における前記上蓋に向かう面及び前記ベースの底壁に向かう面の両面のいずれにも前記位置決めガイド部材が設けることにより、前記振動部材の垂直方向での振動を制限することができ、さらに、振動部材運動の安定性及び信頼性を高めることができる。
【0035】
好ましくは、前記振動モーターは、緩衝層をさらに含んでもよく、前記緩衝層は、前記ベーススライドレールと前記ベースの底壁との間に位置する。一般的に、前記緩衝層は、軟質材料であり、フォームでもよく、シリカゲルなどのゴム類材料でもよい。前記振動モーターが落ちたり衝撃を受けたりする際に、前記緩衝層は、前記振動部材及び前記スライド部材が受けた衝撃を緩衝することができ、さらに、前記カウンターウェイトスライドレール及び/又はベーススライドレールに凹みが生じる可能性を低減させ、前記振動モーターの抗衝撃能力及び使用寿命を向上させ、前記振動モーターの作動をより安定的にさせることができる。勿論、他のすべての実施例においても、前記振動モーターは、前記ベーススライドレールと前記ベースとの間に前記緩衝層を設けることができる。
【0036】
好ましくは、すべての実施例において、前記ベースの底壁に永久磁石が設けられ、前記永久磁石と前記カウンターウェイトに嵌設される永久磁石とは、対応して設けられている。前記ベース底壁における永久磁石と前記カウンターウェイトにおける前記永久磁石とは互いに吸引し、前記ロール部材と前記運動レールとの接触をより密接で強固にし、前記振動モーターの安定性を補強することができる。勿論、上蓋にも同様にベーススライドレールが設けられるという実施例において、前記上蓋におけるカウンターウェイトに向かう表面に、同様に永久磁石を設けてもよく、このような設計により前記振動モーターの振動安定性を補強し、さらに、前記振動モーターの使用寿命を延長することができる。
【0037】
本発明による振動モーターには、位置決めガイド部材が設けられ、また、前記位置決めガイド部材により前記振動部材と前記ベースとの間に運動レールが形成され、前記運動レールは、前記振動部材が前記水平振動方向において所定の範囲以内で振動するように制限することで、前記振動部材が振動過程で揺れることを避けることができ、前記弾性支持部材の使用寿命を延長し、前記振動モーターの安定性及び使用寿命を向上させ、さらに、前記振動モーターの全体性能を改良することもできる。
【0038】
上述説明したのは、本発明の実施形態に過ぎない。当業者にとって、本発明の創造精神から逸脱しない限り、さらに変更することができ、これらはすべて本発明の保護範囲に属することを予め説明しておく。