(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
<第1の実施形態>
1.車両制御装置1の構成
車両制御装置1の構成を
図1、
図4に基づき説明する。車両制御装置1は車両に搭載される車載装置である。以下では、車両制御装置1が搭載された車両を自車両101とする。自車両101は、自動運転モードを設定することが可能な車両である。自動運転モードが設定されている場合、自車両101は、自動的に操舵を行いながら、目標経路に沿って走行する。
【0009】
車両制御装置1は、自車両101において自動運転モードが設定されている場合、目標経路に対する自車両101の横偏差Dを低減させるための操舵量δt2を算出する装置である。ここで横偏差Dとは、
図4に示すように、自車両101の中心101Aと、目標経路109との、横方向(道路の進行方向に対し直交する方向)での距離である。自車両101は、車両制御装置1が算出した操舵量δt2を用いて、自動的に操舵を行う。
【0010】
車両制御装置1は、CPU、RAM、ROM等を備えた周知のコンピュータに、後述する処理を実行するためのプログラムをインストールしたものである。車両制御装置1は、機能的に、道路情報取得ユニット3、車両状態量取得ユニット5、操舵量算出ユニット7、自車両位置取得ユニット9、過去情報取得ユニット11、及び記憶ユニット13を備える。
【0011】
さらに、操舵量算出ユニット7は、基本操舵量算出ユニット15、及び補正ユニット17を備える。車両状態量取得ユニット5は、横偏差Dを検出する横偏差検出ユニットとしての機能も有する。各ユニットが実行する具体的な処理は後述する。
【0012】
自車両101は、車両制御装置1に加えて、カメラ19、車速センサ21、ヨーレートセンサ23、操舵角センサ25、記憶部27、及びナビゲーション装置29を備える。
カメラ19は、自車両101の前部(例えば車室内であって、バックミラーの前方)に設けられ、自車両101前方の道路を撮影し、画像情報を車両制御装置1に出力する。車速センサ21、ヨーレートセンサ23、及び操舵角センサ25は、それぞれ、自車両101の車速、ヨーレート、及び操舵角を検出し、検出結果を車両制御装置1に出力する。
【0013】
記憶部27は、ハードディスクドライブ(HDD)により構成され、情報の書き込み、保存、及び読み出しが可能である。記憶部27には、過去に検出された横偏差D’と、その横偏差D’が生じたときの操舵量δt2’と、その横偏差D’が生じたときの車両(自車両101であってもよいし、他の車両であってもよい)の位置とが関連付けて記憶されている。以下では、上記の横偏差D’、操舵量δt2’、及び車両の位置が相互に関連付けられた情報を、横偏差関連情報とする。例えば、横偏差関連情報における横偏差D’、操舵量δt2’、及び位置Pの値がそれぞれ、X、Y、Zである場合、それは、過去において、車両の位置PがZであったとき、横偏差D’の値がXであり、そのときの操舵量δt2’の値がYであったことを意味する。
【0014】
ナビゲーション装置29は、周知のGPSにより、自車両101の絶対位置(緯度及び経度で表される位置)を検出する機能を有する。また、ナビゲーション装置29は、地図データベース31を備えている。地図データベースには、道路の位置、形状(曲率半径を含む)、幅等の情報が含まれる。ナビゲーション装置29は、GPSにより検出した自車両101の絶対位置と、地図データベース31とから、地図データ上における自車両101の位置を特定することができる。以下では、地図データ上における自車両101の位置を、自車両の位置とする。
【0015】
また、自車両101は、車両制御装置1に加えて、操舵制御ユニット33、及びパワーステアリング機構35を備える。操舵制御ユニット33は、車両制御装置1が算出した操舵量δt2を取得する。操舵制御ユニット33と、自車両101のステアリングホイールに連結されたステアリングシャフトとは、図示しない電磁クラッチにより、接離可能となっている。
【0016】
自車両101において自動運転モードが設定されている場合、上述した電磁クラッチは接続される。この場合、操舵制御ユニット33は、ステアリングシャフトに対し、操舵量δt2に応じた操舵トルクを加える。パワーステアリング機構35は、ステアリングシャフトに加えられた操舵トルクに応じて、操舵力をアシストする。その結果、自車両101において自動運転モードが設定されている場合、車両制御装置1が算出した操舵量δt2に応じて操舵力がアシストされることにより、自車両101は自動的に目標経路に沿って走行する。
【0017】
一方、自車両101において自動運転モードが設定されていない場合、電磁クラッチは接続されない。この場合、操舵制御ユニット33がステアリングシャフトに対し、操舵量δt2に応じた操舵トルクを加えることはない。
【0018】
また、自車両101は、車両制御装置1に加えて、風速及び風向を測定する風速計36と、時刻を検出する時計38と、自動運転モードが設定されているか否かを検出するモードセンサ40とを備える。
【0019】
2.車両制御装置1が実行する処理
車両制御装置1が実行する処理を
図2〜
図5に基づき説明する。この処理は、自車両101において自動運転モードが設定されているとき、所定時間ごとに繰り返し実行される。
【0020】
図2のステップ1では、車両状態量取得ユニット5が、車両状態量を取得する。車両状態量とは、自車両101の状態に関する状態量であり、具体的には、車速、ヨーレート、操舵角、横偏差D、及びヨー角θである。車速、ヨーレート、及び操舵角は、それぞれ、車速センサ21、ヨーレートセンサ23、及び操舵角センサ25から取得する。
【0021】
横偏差Dは、以下のようにして取得する。まず、カメラ19を用いて、自車両101の前方の画像を取得する。その画像において、
図4に示すように、自車両101が走行中の車線103における左右の白線105、107を認識する。白線105、107の認識には、周知の方法を用いることができる。例えば、画像において輝度変化が大きい点をエッジ点として抽出し、そのエッジ点を通る近似曲線を白線105、107として認識することができる。そして、白線105、107の中間を通る曲線を、目標経路109とする。最後に、自車両101の中心101Aと、目標経路109との、横方向(道路の進行方向に対し直交する方向)での距離を求め、これを横偏差Dとする。
【0022】
ヨー角θとは、自車両101の位置における目標経路109の方向d
1と、自車両101の前後方向d
2とが成す角度である。ヨー角θは、カメラ19の画像において上記の方向d
1及び方向d
2を求め、それらが成す角度として取得することができる。
【0023】
ステップ2では、道路情報取得ユニット3が、道路情報を取得する。道路情報とは、自車両101が走行中の道路に関する情報であり、具体的には、自車両101の位置における道路の曲率半径ρである。曲率半径ρは、カメラ19の画像から取得することができる。
【0024】
ステップ3では、基本操舵量算出ユニット15が、前記ステップ1で取得した車両状態量と、前記ステップ2で取得した道路情報とから、基本操舵量δt1を算出する。具体的には、以下の数式(1)により、基本操舵量δt1を算出する。この基本操舵量δt1は、後述するステップ6で補正を行う前の操舵量である。また、基本操舵量δt1は、その時点における自車両の位置から所定の距離Yだけ前方の位置(以下では前方位置P
1とする)に対応する操舵量である。
【0026】
数式(1)において、K1〜K3はそれぞれ制御ゲインであり、定数である。
ステップ4では、自車両位置取得ユニット9が、ナビゲーション装置29を用いて、その時点での自車両の位置P
0を取得する。
【0027】
ステップ5では、過去情報取得ユニット11が、前記ステップ4で取得した自車両の位置P
0から距離Yだけ前方の前方位置P
1(
図5参照)における横偏差関連情報(前方位置P
1において過去に生じた横偏差D’と、その横偏差D’が生じたときの操舵量δt2’とを含む情報)を、記憶部27から取得する。なお、
図5において、101Bは、過去において自車両101の中心101Aが描いた軌跡を表す。
【0028】
ステップ6では、補正ユニット17が、前記ステップ5で取得した横偏差関連情報に基づき、前記ステップ3で算出した基本操舵量δt1を補正し、操舵量δt2を算出する。この処理を
図3に基づき説明する。
【0029】
図3のステップ11では、前記ステップ5で取得した横偏差D’が所定の閾値以上であるか否かを判断する。閾値以上である場合はステップ12に進み、閾値未満である場合はステップ13に進む。
【0030】
ステップ12では、以下の数式(2)により、操舵量δt2を算出する。
【0032】
数式(2)において、K4は制御ゲインであり、定数である。なお、この数式(2)に基づく処理は、横偏差D’の大きさに応じた大きさの補正量(K4とD’とを乗算した量)を基本操舵量δt1に加算して操舵量δt2を算出する処理の一例である。また、この数式(2)に基づく処理は、前記ステップ5で取得した横偏差関連情報に含まれる横偏差D’をフィードバックすることで、前方位置P
1における横偏差Dを一層低減させることができる操舵量δt2を算出する処理の一例である。
【0033】
一方、ステップ13では、以下の数式(3)により、操舵量δt2を算出する。
【0035】
この数式(3)は、過去において横偏差D’が生じたときの操舵量δt2’を、そのまま、今回の操舵量δt2とする処理である。
図2に戻り、ステップ7では、記憶ユニット13が、その時点における自車両101及びその周囲の状態が予め設定された不記憶条件に該当するか否かを判断する。不記憶条件とは、具体的には以下のものである。
【0036】
(J1)横風の強さが所定の閾値以上である。
(J2)白線105、107の認識精度が低い状態にある。例えば、天候が霧、曇、雨のいずれかである。または、時間帯が、夕方又は夜間である。
【0037】
(J3)過去の所定時間内に、自車両101のドライバが操舵の操作を行った。
(J4)自動運転モードの設定がオフの状態である。
(J5)自車両101のヨーレートが所定の閾値以上である。
【0038】
なお、横風の強さは、風速計36により測定することができる。天候は、カメラ19の画像により判断することができる。時間帯は、時計38により検出した時刻に基づき判断することができる。ドライバが操舵の操作を行ったか否かは、車両制御装置1が算出した操舵量δt2と、操舵角センサ25の検出結果とを対比することで判断することができる。自動運転モードの設定がオフであるか否かは、モードセンサ40により判断することができる。ヨーレートは、ヨーレートセンサ23により測定することができる。
【0039】
前記(J1)〜(J5)のいずれにも該当しない場合はステップ8に進み、いずれか1つでも該当する場合はステップ9に進む。
ステップ8では、記憶ユニット13が、その時点での横偏差Dを車両状態量取得ユニット5から取得し、その時点での操舵量δt2を操舵量算出ユニット7から取得し、その時点での自車両の位置P
0を自車両位置取得ユニット9から取得する。
【0040】
そして、取得した横偏差D、操舵量δt2、及び自車両の位置P
0を関連付けた情報(横偏差関連情報)を記憶部27に記憶する。なお、記憶した横偏差関連情報は、将来における前記ステップ5の処理で使用することができる。将来における前記ステップ5で使用するとき、本ステップで記憶した横偏差Dは横偏差D’となり、本ステップで記憶した操舵量δt2は操舵量δt2’となる。
【0041】
ステップ9では、前記ステップ6で算出した操舵量δt2を操舵制御ユニット33に出力する。なお、操舵制御ユニット33は、出力された操舵量δt2を、自車両101が前方位置P
1に達するタイミングで使用する。
【0042】
3.車両制御装置1が奏する効果
(1A)車両制御装置1は、特殊なデータ(例えば、道路の横断勾配と道路曲率とを対応付けたデータ等)を必ずしも備えていなくても、操舵量δt2を正確に算出できる。
【0043】
(1B)車両制御装置1は、自車両101がこれから走行する位置(前方位置P
1)における過去の横偏差D’をフィードバックして、前方位置P
1における操舵量δt2を算出する。そのことにより、
図6に示すように、前方位置P
1における横偏差Dを一層低減することができる。
【0044】
(1C)車両制御装置1は、横偏差関連情報を作成し、その横偏差関連情報を記憶部27に記憶することができる。そして、車両制御装置1は、記憶部27に記憶した横偏差関連情報を用いて、操舵量δt2を算出することができる。そのため、横偏差関連情報を用いて操舵量δt2を算出する処理が一層容易になる。
【0045】
(1D)車両制御装置1は、予め設定された不記憶条件に該当する場合は、横偏差関連情報を記憶部27に記憶しない。そのことにより、信頼性の低い横偏差関連情報を記憶し、操舵量δt2の算出が不正確になってしまうようなことを抑制できる。その結果、車両制御装置1の制御性能、信頼性が一層向上する。
【0046】
(1E)車両制御装置1は、自車両の状態に関する車両状態量、及び道路に関する道路情報から、基本操舵量δt1を算出する。車両制御装置1は、さらに、過去情報取得ユニット11で取得した横偏差関連情報に基づき、基本操舵量δt1を補正し、操舵量δt2を算出する。そのことにより、操舵量δt2を一層容易に算出することができる。
【0047】
(1F)車両制御装置1は、過去情報取得ユニット11で取得した横偏差D’の大きさが所定の閾値以上である場合は、横偏差D’の大きさに応じた大きさの補正量を基本操舵量δt1に加算して操舵量δt2を算出する。また、過去情報取得ユニット11で取得した横偏差D’の大きさが所定の閾値未満である場合は、過去情報取得ユニット11で取得した操舵量δt2’を、そのまま今回の操舵量δt2とする。そのことにより、横偏差D’の大きさに応じて、操舵量δt2を容易に算出することができる。
<第2の実施形態>
1.車両制御装置1の構成及び実行する処理
本実施形態において車両制御装置1の構成及び実行する処理は、基本的には前記第1の実施形態と同様である。以下では共通する部分については説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0048】
本実施形態の車両制御装置1は、
図7に示す構成を有する。記憶ユニット13は、自車両101の外部に存在する外部サーバ37との間で無線通信を行うことができる。外部サーバ37は、他の車両39との間でも無線通信を行うことができ、他の車両39から送られた横偏差関連情報(他の車両39において生じた横偏差D’、その横偏差D’が生じたときの他の車両39における操舵量δt2’、及びその横偏差D’が生じたときの他の車両39の位置を関連付けた情報)を記憶する。以下では、この記憶した情報を、他の車両39の横偏差関連情報とする。
【0049】
記憶ユニット13は、定期的に、外部サーバ37から、他の車両39の横偏差関連情報を取得し、記憶部27に記憶する。その結果、記憶部27は、自車両101の横偏差に関する横偏差関連情報に加え、他の車両39の横偏差関連情報も保持する。
【0050】
過去情報取得ユニット11は、前記ステップ5(
図2参照)の処理において、記憶部27から、前方位置P
1における横偏差関連情報を取得する。この横偏差関連情報は、自車両101の横偏差に関する横偏差関連情報であってもよいし、他の車両39の横偏差関連情報であってもよい。
【0051】
また、記憶ユニット13は、記憶部27に記憶された横偏差関連情報のうち、自車両101の横偏差に関するものを、外部サーバ37に送信する。
2.車両制御装置1が奏する効果
本実施形態の車両制御装置1は、前記第1の実施形態における(1A)〜(1F)の効果に加え、以下の効果も奏することができる。
【0052】
(2A)記憶部27は、自車両101の横偏差に関する横偏差関連情報に加え、他の車両39の横偏差関連情報も保持する。そのため、自車両101の横偏差に関する横偏差関連情報を記憶部27に記憶していなくても、他の車両39の横偏差関連情報を用い、操舵量δt2の算出を行うことができる。その結果、車両制御装置1の制御性能、及び信頼性が一層向上する。
【0053】
(2B)記憶ユニット13は、記憶部27に記憶された横偏差関連情報のうち、自車両101の横偏差に関するものを、外部サーバ37に送信する。そのため、他の車両39は、その横偏差関連情報を使用することができる。
<その他の実施形態>
(1)前記第1、第2の実施形態の前記ステップ6において、位置P
1を含む所定の範囲に関連付けられた複数の横偏差関連情報を取得し、それらに含まれる横偏差D’のばらつき(例えば標準偏差)を算出することがきる。そして、そのばらつきが所定の閾値以上である場合、それ以外の場合よりも、基本操舵量δt1の補正における横偏差D’の寄与を小さくすることができる。
【0054】
また、位置P
1を含む所定の範囲に関連付けられた横偏差関連情報の数が所定の閾値以下である場合、それ以外の場合よりも、基本操舵量δt1の補正における横偏差D’の寄与を小さくすることができる。
【0055】
また、上述した横偏差D’のばらつきが所定の閾値以上であるか、上述した横偏差関連情報の数が所定の閾値以下である場合、それ以外の場合よりも、基本操舵量δt1の補正における横偏差D’の寄与を小さくすることができる。
【0056】
上記のようにすることで、信頼性が低い横偏差関連情報による操舵量δt2への影響を小さくすることができる。その結果、車両制御装置1の信頼性が一層向上する。
横偏差D’の寄与を小さくする方法の具体例としては、例えば、前記ステップ6の処理を行わず、前記ステップ3で算出した基本操舵量δt1を、そのまま最終的な操舵量δt2とすることが挙げられる。
【0057】
また、横偏差D’の寄与を小さくする方法の具体例としては、例えば、数式(2)において、K4の値(絶対値)を通常よりも小さくすることが挙げられる。
また、上述した横偏差D’のばらつきが所定の閾値以上であるか、上述した横偏差関連情報の数が所定の閾値以下である場合、操舵量δt2を算出する処理を中止してもよいし、操舵制御自体を中止してもよい。操舵量δt2を算出する処理、又は操舵処理を中止した場合、そのことを自車両101のドライバに通知することができる。
【0058】
上記のようにすることで、信頼性が低い横偏差関連情報に基づき補正された操舵量δt2を使用することを回避できる。その結果、車両制御装置1の信頼性が一層向上する。
(2)前記第1、第2の実施形態において、自動運転以外のときに操舵量δt2を算出してもよいし、算出した操舵量δt2を、自動運転以外のときに使用してもよい。例えば、ドライバが運転操作を行っている状態において、操舵量δt2を算出し、その算出した操舵量δt2を、横偏差Dが低減するようにドライバの操舵をアシストする制御に用いてもよい。
【0059】
(3)前記第1、第2の実施形態において、自車両101はレーザレーダを備えていてもよい。そして、前記ステップ1において、ヨー角、及び横偏差を、レーザレーダを用いて取得してもよい。
【0060】
(4)前記第1、第2の実施形態の前記ステップ2において、曲率半径ρを地図データベース31から取得してもよい。なお、地図データベース31は、上述したように、道路の曲率半径ρを記憶している。
【0061】
(5)前記第1、第2の実施形態において、車両制御装置1は、その時点における自車両101の位置P
0での操舵量δt2を算出してもよい。
(6)前記第1、第2の実施形態の前記ステップ6において、他の方法で基本操舵量δt1を補正してもよい。例えば、横偏差Dの大きさによらず、常に前記ステップ12の処理を行ってもよい。また、前記ステップ12において、横偏差D’の大きさに対応する値を、基本操舵量δt1に乗算する方法で、操舵量δt2を算出してもよい。
【0062】
(7)前記第1、第2の実施形態において、自車両101の車両制御装置1は、自車両101の横偏差に関する横偏差関連情報を記憶部27に記憶しなくてもよい。この場合、記憶部27には、他車両39の横偏差関連情報を記憶しておき、それを使用することができる。
【0063】
(8)前記第1、第2の実施形態において、車両制御装置1は、基本操舵量δt1を算出する工程を経ず、1つの工程で最終的な操舵量δt2を算出してもよい。
(9)前記第1、第2の実施形態の前記ステップ7において、不記憶条件は、(J1)〜(J5)の一部であってもよい。また、(J1)〜(J5)の一部又は全部を他の条件に置換してもよい。
【0064】
(10)前記第2の実施形態において、過去情報取得ユニット11は、外部サーバ37から直接、他車両39の横偏差関連情報を取得してもよい。
(11)前記第1、第2の実施形態のステップ13において、数式(4)により、操舵量δt2を算出してもよい。
【0066】
数式(4)においてΔδ’は、過去情報取得ユニット11で取得した操舵量δt2’を算出するときに用いた補正量(K4とD’とを乗算した量)である。
(12)前記第1、第2の実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合させたりしてもよい。また、前記第1、第2の実施形態の構成の少なくとも一部を、同様の機能を有する公知の構成に置き換えてもよい。また、前記第1、第2の実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、前記第1、第2の実施形態の構成の少なくとも一部を、他の実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。
(13)上述した車両制御装置の他、当該車両制御装置を構成要素とするシステム、当該車両制御装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した媒体、車両制御方法等、種々の形態で本発明を実現することもできる。