(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6128616
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】低電力状態のためのデュアルスケルチ検出器及び方法
(51)【国際特許分類】
G06F 1/32 20060101AFI20170508BHJP
【FI】
G06F1/32 Z
【請求項の数】26
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-503432(P2015-503432)
(86)(22)【出願日】2013年3月25日
(65)【公表番号】特表2015-512542(P2015-512542A)
(43)【公表日】2015年4月27日
(86)【国際出願番号】US2013033711
(87)【国際公開番号】WO2013148577
(87)【国際公開日】20131003
【審査請求日】2016年2月1日
(31)【優先権主張番号】61/615,784
(32)【優先日】2012年3月26日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/848,817
(32)【優先日】2013年3月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502188642
【氏名又は名称】マーベル ワールド トレード リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ヤップ、クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ファン、ジンギュ
【審査官】
白石 圭吾
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2009/0083587(US,A1)
【文献】
特表2001−511987(JP,A)
【文献】
特開2011−010053(JP,A)
【文献】
特開2008−187717(JP,A)
【文献】
特開2011−010244(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信信号の中に複数の見込みのスケルチ信号を検出する第1スケルチ回路と、
(i)前記第1スケルチ回路が前記通信信号の中に前記複数の見込みのスケルチ信号のうちの1つも検出しないことに応答して低電力状態で動作し、(ii)前記第1スケルチ回路が前記通信信号の中に前記複数の見込みのスケルチ信号のうちの1つを検出することに応答して高電力状態で動作する第2スケルチ回路と
を備える装置。
【請求項2】
前記第2スケルチ回路は、さらに、(iii)前記高電力状態で動作することに応答して、通信信号の中のスケルチ信号に基づいて、帯域外シグナリングシーケンス(OOBシグナリングシーケンス)を決定する請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1スケルチ回路は、
前記複数の見込みのスケルチ信号のうちの前記1つの振幅が閾値振幅より大きいことに応答して、前記通信信号の中の前記複数の見込みのスケルチ信号のうちの1つを検出する第1スケルチ検出器
を備える請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1スケルチ回路は、
前記第1スケルチ検出器が前記通信信号の中の前記複数の見込みのスケルチ信号のうちの1つを検出することに応答して、制御信号を無効にする信号検出器
をさらに備え、
前記第2スケルチ回路は、前記制御信号が無効にされていることに応答して、高電力状態で動作する請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1スケルチ回路は、
前記第1スケルチ検出器が前記通信信号の中の前記複数の見込みのスケルチ信号のうちの1つを検出することに応答して、第1制御信号を無効にする信号検出器と、
(i)前記第1制御信号が無効にされていること、及び(ii)イネーブル信号が有効にされていることに応答して、第2制御信号を無効にするロジックと
をさらに備え、
前記第2スケルチ回路は、さらに、前記第2制御信号が無効にされていることに応答して、高電力状態で動作する請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記イネーブル信号は、リンクのリンク状態を表し、
前記リンクは、前記装置に前記通信信号を提供する請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第2スケルチ回路は、
(i)前記第1スケルチ回路が前記通信信号の中の前記複数の見込みのスケルチ信号のうちの1つを検出すること、(ii)前記スケルチ信号の振幅が第1閾値振幅より大きいこと、及び(iii)前記スケルチ信号の前記振幅が第2閾値振幅より小さいことに応答して、前記通信信号の中の前記スケルチ信号を検出する第2スケルチ検出器
を備え、
前記第2閾値振幅は、前記第1閾値振幅より大きい請求項2に記載の装置。
【請求項8】
前記第2スケルチ回路は、
前記第2スケルチ検出器が前記通信信号の中の前記スケルチ信号を検出することに応答して、前記スケルチ信号に基づいて前記OOBシグナリングシーケンスを決定するOOB信号検出器
をさらに備える請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記OOB信号検出器は、前記スケルチ信号の複数の要素についての最小及び最大の継続時間に基づいて、前記OOBシグナリングシーケンスを決定するように構成される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記OOB信号検出器は、前記第2スケルチ回路が前記高電力状態で動作している間だけ、前記OOBシグナリングシーケンスを決定するように構成される、請求項8又は9に記載の装置。
【請求項11】
前記通信信号は、
シリアルATA(SATA)信号、
PCI Express(PCIe)信号、及び
ユニバーサルシリアルバス(USB)信号
からなるグループから選択される請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の装置を備える1つ又は複数の集積回路。
【請求項13】
請求項1から11のいずれか一項に記載の装置を備えるアナログフロントエンド。
【請求項14】
請求項13に記載のアナログフロントエンドを備える通信デバイス。
【請求項15】
前記装置は、Serial ATA International OrganizationのSerial ATA Revision 3.0仕様に準拠する請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
第1スケルチ回路を用いて通信信号の中の複数の見込みのスケルチ信号を検出する段階と、
前記第1スケルチ回路において前記通信信号の中の前記複数の見込みのスケルチ信号のうちの1つも検出しないことに応答して、低電力状態で第2スケルチ回路を動作させる段階と、
前記第1スケルチ回路において前記通信信号の中の前記複数の見込みのスケルチ信号のうちの1つを検出することに応答して、高電力状態で前記第2スケルチ回路を動作させる段階と
を備える方法。
【請求項17】
高電力状態で動作することに応答して、前記複数の見込みのスケルチ信号のうちの1つに基づいて、帯域外シグナリングシーケンス(OOBシグナリングシーケンス)を決定する段階
をさらに備える請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記複数の見込みのスケルチ信号のうちの前記1つの振幅が閾値振幅より大きいことに応答して、前記通信信号の中の前記複数の見込みのスケルチ信号のうちの1つを検出する段階
をさらに備える請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
前記通信信号の中の前記複数の見込みのスケルチ信号のうちの1つを検出することに応答して、制御信号を無効にする段階と、
前記制御信号が無効にされていることに応答して、前記高電力状態で前記第2スケルチ回路を動作させる段階と
をさらに備える請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記通信信号の中の前記複数の見込みのスケルチ信号のうちの1つを検出することに応答して、第1制御信号を無効にする段階と、
(i)前記第1制御信号が無効にされていること、及び(ii)イネーブル信号が有効にされていることに応答して、第2制御信号を無効にする段階と、
前記第2制御信号が無効にされていることに応答して、前記高電力状態で前記第2スケルチ回路を動作させる段階と
をさらに備える請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記イネーブル信号は、リンクのリンク状態を表し、
前記リンクは、前記通信信号を提供する請求項20に記載の方法。
【請求項22】
(i)前記通信信号の中の前記複数の見込みのスケルチ信号のうちの1つを検出すること、(ii)前記スケルチ信号の振幅が第1閾値振幅より大きいこと、及び(iii)前記スケルチ信号の前記振幅が第2閾値振幅より小さいことに応答して、前記通信信号の中のスケルチ信号を検出する段階
をさらに備え、
前記第2閾値振幅は、前記第1閾値振幅より大きい請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記通信信号の中の前記スケルチ信号を検出することに応答して、前記スケルチ信号に基づいて前記OOBシグナリングシーケンスを決定する段階
をさらに備える請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記OOBシグナリングシーケンスを前記決定する段階は、前記スケルチ信号の複数の要素についての最小及び最大の継続時間に基づいて、前記OOBシグナリングシーケンスを決定する段階を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記OOBシグナリングシーケンスを前記決定する段階は、前記第2スケルチ回路が前記高電力状態で動作されている間だけ実行される、請求項23又は24に記載の方法。
【請求項26】
前記通信信号は、
シリアルATA(SATA)信号、
PCI Express(PCIe)信号、及び
ユニバーサルシリアルバス(USB)信号
からなるグループから選択される請求項16から25のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、2012年3月22日出願された米国特許出願13/848,817の優先権、及び2012年3月26日に出願された米国仮出願61/615,784「SATA ATA低電力状態のためのデュアルスケルチ検出器」の利益を主張し、それらの開示は、それらの全体において引用によってここに組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、デジタル通信の分野に関する。より具体的には、本開示は、スケルチ検出器を用いる通信デバイスにおける電力消費量を減少することに関する。
【背景技術】
【0003】
この背景技術の欄は、本開示の事情を一般的に説明することを目的として提供される。本願の発明者の研究は、その研究の限度において、この背景技術の欄だけでなく説明の態様に説明される。出願時において先行技術としての適格がないかもしれず、明示的にも暗示的にも、本開示に対する先行技術として自認していない。
【0004】
シリアルATA(SATA)インターフェースは、SATAデバイス又はホスト(ここでは両方とも場合によって「SATAデバイス」と称される)が電力消費量を減少するために入ることができる電力状態を定義する。スケルチ検出器によって受信された帯域外(OOB)信号は、これらの低電力状態の間の通信に使用される。最低電力状態において、電力消費量は、スケルチ検出器によって使用される電力によって制限される。SATA仕様書は、OOB信号を拒否及び検出するための最小及び最大の振幅だけでなく、COMINIT、COMRESET、及びCOMWAKEのようなOOBシグナリングシーケンスを決定するために使用されたOOB信号の要素についての最小及び最大の継続時間を定義する。スケルチ検出器は、これらの振幅及び継続時間を正確に測定するために、電力を消費せざるを得ず、低電力状態においてSATAデバイスの電力消費量が著しく増える。
【発明の概要】
【0005】
概して、一態様において、実施形態は、通信信号の中の複数の見込みのスケルチ信号を検出するように構成された第1スケルチ回路と、(i)第1スケルチ回路が通信信号の中の複数の見込みのスケルチ信号のうちの1つも検出しないことに応答して低電力状態で動作し、(ii)第1スケルチ回路が通信信号の中の複数の見込みのスケルチ信号のうちの1つを検出することに応答して高電力状態で動作するように構成された第2スケルチ回路とを備える装置を特徴付ける。
【0006】
装置の実施形態は、次の特徴の1つ又は複数を含んでよい。いくつかの実施形態において、第2スケルチ回路は、(iii)高電力状態で動作することに応答して、通信信号の中のスケルチ信号に基づいて帯域外(OOB)シグナリングシーケンスを決定するようにさらに構成される。いくつかの実施形態において、第1スケルチ回路は、複数の見込みのスケルチ信号のうちの1つの振幅が閾値振幅より大きいことに応答して、通信信号の中の複数の見込みのスケルチ信号のうちの1つを検出するように構成された第1スケルチ検出器を備える。いくつかの実施形態において、第2スケルチ回路は、(i)第1スケルチ検出器が通信信号の中の複数の見込みのスケルチ信号のうちの1つを検出すること、(ii)スケルチ信号の振幅が第1閾値振幅より大きいこと、及び(iii)スケルチ信号の振幅が第2閾値振幅より小さいことに応答して、通信信号の中のスケルチ信号を検出するように構成された第2スケルチ検出器を備え、第2閾値振幅は、第1閾値振幅より大きい。いくつかの実施形態において、通信信号は、シリアルATA(SATA)信号、PCI Express(PCIe)信号、及びユニバーサルシリアルバス(USB)信号からなるグループから選択される。
【0007】
概して、一態様において、実施形態は、第1スケルチ回路において通信信号の中の複数の見込みのスケルチ信号を検出する段階と、第1スケルチ回路において通信信号の中の複数の見込みのスケルチ信号のうちの1つも検出しないことに応答して、低電力状態で第2スケルチ回路を動作させる段階と、第1スケルチ回路において通信信号の中の複数の見込みのスケルチ信号のうちの1つを検出することに応答して、高電力状態で第2スケルチ回路を動作させる段階とを備える方法を特徴付ける。
【0008】
方法の実施形態は、次の特徴の1つ又は複数を含んでよい。いくつかの実施形態は、高電力状態で動作することに応答して、複数の見込みのスケルチ信号のうちの1つに基づいて、帯域外(OOB)シグナリングシーケンスを決定する段階を備える。いくつかの実施形態は、複数の見込みのスケルチ信号のうちの1つの振幅が閾値振幅より大きいことに応答して、通信信号の中の複数の見込みのスケルチ信号の1つを検出する段階を備える。いくつかの実施形態は、(i)通信信号の中の複数の見込みのスケルチ信号のうちの1つを検出すること、(ii)スケルチ信号の振幅が第1閾値振幅より大きいこと、及び(iii)スケルチ信号の振幅が第2閾値振幅より小さいことに応答して、通信信号の中のスケルチ信号を検出する段階を備え、第2閾値振幅は、第1閾値振幅より大きい。いくつかの実施形態において、通信信号は、シリアルATA(SATA)信号、PCI Express(PCIe)信号、及びユニバーサルシリアルバス(USB)信号からなるグループから選択される。
【0009】
1つ又は複数の実施の詳細は、添付の図面及び後述の説明に記述されている。他の特徴は、その説明及び図面から、及び請求項から明かである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態に係るコンピューティングシステムの構成要素を示す。
【0011】
【
図2】一実施形態に係るSATAアナログフロントエンドの詳細を示す。
【0012】
【
図3】一実施形態に係るSATAデュアルスケルチ検出器の詳細を示す。
【0013】
【
図4】一実施形態に係る
図3の低電力スケルチ回路のための処理を示す。
【0014】
【
図5】一実施形態に係る
図3の高性能スケルチ回路のための処理を示す。
【0015】
【
図6】イネーブル信号が有効にされているときだけ高電力状態に入る高性能スケルチ回路に関する実施形態に係るSATAデュアルスケルチ検出器の詳細を示す。
【0016】
本明細書で仕様される各参照番号の一番目の桁は、その参照番号が最初に出現した図面の番号を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示の実施形態は、低電力状態におけるスケルチ検出のために要求される電力を十分に低くするデュアルスケルチ検出器及び対応する方法を特徴付ける。開示された実施形態は、シリアルATA(SATA)デバイスに関して説明されるが、ここに開示される技術は、PCI Express(PCIe)信号、ユニバーサルシリアルバス(USB)信号、及びその類のものを含む他の種類の信号にも適用する。
【0018】
図1は、一実施形態に係るコンピューティングシステム100の構成要素を示す。説明される実施形態においては、コンピューティングシステム100の構成要素が、一つの配置において提示されるが、他の実施形態は、他の配置を特徴付けてよい。例えば、コンピューティングシステム100の構成要素は、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせで実装されることができる。
【0019】
図1を参照すると、コンピューティングシステム100は、ケーブル106によってSATAデバイス104に接続されたSATAホスト102を含む。SATAホスト102は、例えば、パーソナルコンピュータ又はその類のものとして実装されることができる。SATAデバイス104は、例えば、ハードディスクドライブ又はその類のものとして実装されることができるケーブル106は、例えば、フレキシブルプリントケーブルとして実装されることができる。SATAホスト102及びSATAデバイス104の両方は、ケーブル106に接続されたそれぞれのSATAアナログフロントエンド108A、Bを含む。複数のSATAアナログフロントエンド108A、B及びケーブル106がともに、SATAリンクを提供する。
【0020】
図2は、一実施形態に係るSATAアナログフロントエンド202の詳細を示す。説明される実施形態においては、SATAアナログフロントエンド202の構成要素が、一つの配置において提示されるが、他の実施形態は、他の配置を特徴付けてよい。例えば、SATAアナログフロントエンド202の構成要素は、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせで実装されることができる。SATAアナログフロントエンド202は、
図1の複数のSATAアナログフロントエンド108A、Bの一方又は両方として使用されることができる。
【0021】
図2を参照すると、SATAアナログフロントエンド202は、SATA受信器204、SATA送信器206、及びSATAデュアルスケルチ検出器208を含む。SATA受信器204及びSATA送信器206は、従来技術に従って実装されることができる。SATAデュアルスケルチ検出器208は、以下に説明するように実装されることができる。
【0022】
SATA送信器206は、データ(Txデータ)を受信し、複数の導体Tx+及びTx−上で、SATAリンク上のデータであるTxデータを表す差動通信信号212を送信する。SATA受信器204は、複数の導体Rx+及びRx−上で、SATAリンク上のデータ(Rxデータ)を表す差動通信信号214を受信し、差動通信信号214からデータであるRxデータを回復する。SATAデュアルスケルチ検出器208は、複数の導体Rx+及びRx−上の複数のスケルチ信号を検出し、複数のスケルチ信号に基づいて帯域外(OOB)シグナリングシーケンス216を決定する。OOBシグナリングシーケンス216は、低電力状態から回復するために、SATAホスト102又はSATAデバイス104によって使用されることができる。
【0023】
図3は、一実施形態に係るSATAデュアルスケルチ検出器302の詳細を示す。説明される実施形態においては、SATAデュアルスケルチ検出器302の構成要素が、一つの配置において提示されるが、他の実施形態は、他の配置を特徴付けてよい。例えば、SATAデュアルスケルチ検出器302の構成要素は、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせで実装されることができる。SATAデュアルスケルチ検出器302は、
図2のSATAデュアルスケルチ検出器208として使用されることができる。
【0024】
図3を参照すると、SATAデュアルスケルチ検出器302は、2つのスケルチ回路である高性能スケルチ回路304及び低電力スケルチ回路306を含む。高性能スケルチ回路304は、低電力スケルチ回路306によって提供された制御信号316に応答して、高電力状態又は低電力状態のいずれでも動作できる。具体的には、高性能スケルチ回路304は、制御信号316の無効に応答して高電力状態で動作し、制御信号316の有効に応答して低電力状態で動作する。高性能スケルチ回路304は、高電力状態で動作している間だけ、複数のスケルチ信号を検出し、複数のスケルチ信号に基づいて帯域外(OOB)シグナリングシーケンス216を決定する。
【0025】
高性能スケルチ回路304は、高性能スケルチ検出器308及び帯域外(OOB)信号検出器310を含む。高性能スケルチ検出器308及び帯域外(OOB)信号検出器310は、それぞれ、低電力スケルチ回路306によって提供される制御信号316に応答して、高電力状態又は低電力状態のいずれでも動作できる。
【0026】
具体的には、高性能スケルチ検出器308及びOOB信号検出器310は、制御信号316の無効に応答して高電力状態で動作し、制御信号316の有効に応答して低電力状態で動作する。
【0027】
高性能スケルチ検出器308は、高電力状態で動作している間だけ、複数のスケルチ信号を検出する。高性能スケルチ検出器308は、スケルチ信号の振幅及び2つの予め定められた振幅閾値に基づいて、スケルチ信号を検出する。具体的には、高性能スケルチ検出器308は、スケルチ信号の振幅が2つの予め定められた振幅閾値の間にあるときだけ、スケルチ信号を検出する。一実施形態において、2つの予め定められた閾値振幅は、75mV及び200mVであってよい。いくつかの実施形態において、高性能スケルチ検出器308は、Serial ATA International OrganizationのSerial ATA Revision 3.0仕様の全て又は一部に準拠して、複数のスケルチ信号を検出する。その仕様の開示は、その全体において引用によってここに組み込まれる。
【0028】
OOB信号検出器310は、高電力状態で動作している間だけ、複数のスケルチ信号に基づいて、OOBシグナリングシーケンス216を決定する。具体的には、OOB信号検出器310は、スケルチ信号の要素についての最小及び最大の継続時間に基づいて、OOBシグナリングシーケンス216を決定する。いくつかの実施形態において、OOB信号検出器310は、Serial ATA International OrganizationのSerial ATA Revision 3.0仕様の全て又は一部に準拠して、OOBシグナリングシーケンス216を決定する。
【0029】
低電力スケルチ回路306は、制御信号316を有効にすること及び無効にすることによって、高性能スケルチ回路304の電力状態を制御する。具体的には、低電力スケルチ回路306は、見込みのスケルチ信号を検出することに応答して制御信号316を無効にし、そうでなければ制御信号316を有効にする。このように、高性能スケルチ回路304は、見込みのスケルチ信号が検出されたときだけ、高電力状態に置かれる。
【0030】
低電力スケルチ回路306は、低電力スケルチ検出器312及び信号検出器314を含む。低電力スケルチ検出器312は、見込みのスケルチ信号の振幅及び予め定められた閾値振幅に基づいて、見込みのスケルチ信号を検出する。具体的には、低電力スケルチ検出器312は、見込みのスケルチ信号の振幅が予め定められた閾値振幅より大きいときだけ、見込みのスケルチ信号を検出する。予め定められた閾値振幅を上回る信号は、スケルチ信号であっても又はなくてもよく、ここで「見込みのスケルチ信号」と称される。一実施形態において、予め定められた閾値振幅は、100mVであってよい。信号検出器314は、低電力スケルチ検出器312が受信した差動通信信号214の中に見込みのスケルチ信号を検出するときに、制御信号316を無効にする。
【0031】
図4は、一実施形態に係る
図3の低電力スケルチ回路306のための処理400を示す。説明される実施形態においては、処理400の構成要素が、一つの配置において提示されるが、他の実施形態は、他の配置を特徴付けてよい。例えば、様々な実施形態において、処理400の構成要素のいくつか又は全てが、異なる順序で、同時に、又はその他の方法で実行されることができる。また、処理400のいくつかの構成要素は、遂行されなくてよく、また、互いの直後に実行されなくてよい。加えて、処理400の構成要素のいくつか又は全ては、人間の介入なしに自動的に遂行されることができる。
【0032】
図4を参照すると、402において、処理400が開始する。404において、低電力スケルチ検出器312は、複数の見込みのスケルチ信号のために受信した差動通信信号214を監視する。具体的には、低電力スケルチ検出器312は、見込みのスケルチ信号の振幅が予め定められた閾値振幅より大きいときに、見込みのスケルチ信号を検出する。
【0033】
406において、低電力スケルチ検出器312が見込みのスケルチ信号を検出しなかったことに応答して、408において、信号検出器314は、制御信号316を有効にする、又は有効にすることを継続する。しかし、406において、低電力スケルチ検出器312が見込みのスケルチ信号を検出したことに応答して、410において、信号検出器314は、制御信号316を無効にする。
【0034】
図5は、一実施形態に係る
図3の高性能スケルチ回路304のための処理500を示す。説明される実施形態においては、処理500の構成要素が、一つの配置において提示されるが、他の実施形態は、他の配置を特徴付けてよい。例えば、様々な実施形態において、処理500の構成要素のいくつか又は全てが、異なる順序で、同時に、又はその他の方法で実行されることができる。また、処理500のいくつかの構成要素は、遂行されなくてよく、また、互いの直後に実行されなくてよい。加えて、処理500の構成要素のいくつか又は全ては、人間の介入なしに自動的に遂行されることができる。
【0035】
図5を参照すると、502において、処理500が開始する。504において、高性能スケルチ検出器308及びOOB信号検出器310は、制御信号316を監視する。506において、制御信号が有効にされていることを検出したことに応答して、508において、高性能スケルチ検出器308及びOOB信号検出器310は、低電力状態で動作する。低電力状態において、高性能スケルチ検出器308及びOOB信号検出器310の中の複数の回路は、制御信号316を監視して制御信号316が無効にされていることを検出したことに応答して残りの回路の電源をオンすることが要求されている回路を除いて、電源がオフされることができる。そして、504において、高性能スケルチ検出器308及びOOB信号検出器310は、制御信号316を監視することを継続する。
【0036】
506において、制御信号が無効にされていることを検出したことに応答して、510において、高性能スケルチ検出器308及びOOB信号検出器310は、高電力状態で動作する。高電力状態において、高性能スケルチ検出器308及びOOB信号検出器310の中の複数の回路は、電源がオンされ、完全に機能する。そして、512において、高性能スケルチ検出器308は、複数のスケルチ信号のために受信した差動通信信号214を監視する。具体的には、高性能スケルチ検出器308は、スケルチ信号の振幅が予め定められた最小閾値振幅より大きくかつ予め定められた最大の閾値振幅より小さいときに、スケルチ信号を検出する。
【0037】
514において、高性能スケルチ検出器308が予め定められたインターバルの間にスケルチ信号を検出しなかったことに応答して、508において、高性能スケルチ検出器308及びOOB信号検出器310は、低電力状態で動作する。そして、504において、高性能スケルチ検出器308及びOOB信号検出器310は、制御信号316を監視することを継続する。
【0038】
514において、高性能スケルチ検出器308が予め定められたインターバルの間にスケルチ信号を検出することに応答して、516において、OOB信号検出器310は、スケルチ信号に基づいて、OOBシグナリングシーケンス216を決定する。例えば、OOB信号検出器310は、COMINIT、COMRESET、及びCOMWAKEのようなSATA OOBシグナリングシーケンス216を決定する。そして、508において、高性能スケルチ検出器308及びOOB信号検出器310は、低電力状態で動作する。そして、504において、高性能スケルチ検出器308及びOOB信号検出器310は、制御信号316を監視することを継続する。
【0039】
いくつかの実施形態において、高性能スケルチ回路304は、イネーブル信号が有効にされているときだけ、高電力状態に入る。
図6は、一実施形態に係るSATAデュアルスケルチ検出器602の詳細を示す。説明される実施形態においては、SATAデュアルスケルチ検出器602の構成要素が、一つの配置において提示されるが、他の実施形態は、他の配置を特徴付けてよい。例えば、SATAデュアルスケルチ検出器602の構成要素は、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせで実装されることができる。SATAデュアルスケルチ検出器602は、
図2のSATAデュアルスケルチ検出器208として使用されることができる。
【0040】
図6を参照すると、SATAデュアルスケルチ検出器602は、
図3のSATAデュアルスケルチ検出器302と同類であるが、ロジック604が追加されている。ロジック604は、制御信号316が無効にされ、イネーブル信号608が有効にされているときだけ、制御信号606を無効にする。高性能スケルチ回路304は、制御信号606が無効にされているときだけ、高電力状態に入る。具体的には、高性能スケルチ検出器308及びOOB信号検出器310は、制御信号606が無効にされているときだけ、高電力状態に入る。イネーブル信号608は、例えば、差動通信信号214を提供するSATAリンクのリンク状態を表すことができる。
【0041】
本開示の様々な実施形態は、デジタル電子回路、又はコンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせで実装されることができる。本開示の実施形態は、プログラム可能プロセッサによる実行のための、コンピュータ可読ストレージデバイスに明白に具現化されたコンピュータプログラム製品で実装されることができる。説明される処理は、入力データ上で動作すること及び出力を生成することによって機能を遂行するための命令のプログラムを実行するプログラム可能プロセッサによって遂行されることができる。本開示の実施形態は、データ及び命令を受信及びデータ及び命令を送信するために、データストレージシステム、少なくとも1つの入力デバイス、及び少なくとも1つの出力デバイスに連結された少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサを含むプログラム可能システム上で実行可能な1つまたは複数のコンピュータプログラムで実装されることができる。各コンピュータプログラムは、高水準手続き型又はオブジェクト指向プログラム言語で、又はアセンブリ言語又は機械語で実装されることができ、必要に応じて、どのような場合でも、言語はコンパイル又は解釈されることができる。適切なプロセッサは、例として、汎用及び専用マイクロプロセッサの両方を含む。概して、プロセッサは、リードオンリメモリ及び/又はランダムアクセスメモリから命令及びデータを受信する。概して、コンピュータは、データファイルを格納するための1つ又は複数のマスストレージデバイスを含む。そのようなデバイスは、内蔵ハードディスク及びリムーバブルディスクのような磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、及びソリッドステートディスクを含む。コンピュータプログラムの命令及びデータを明白に具現化するために適切なストレージデバイスは、例として、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイスのような半導体メモリデバイス、内蔵ハードディスク及びリムーバブルディスクのような磁気ディスク、光磁気ディスク、及びCD−ROMディスクを含む不揮発性メモリの全ての型式を含む。上述のいずれも、ASIC(application−specific integrated circuit)によって又はASICに組み込まれることによって補完されることができる。ここで使用されるように、用語「モジュール」は、上記実装のいずれにも言及してよい。
【0042】
多数の実装が説明されている。それでもなお、本開示の範囲から外れることなく、様々な修正がなされてよい。その結果、他の実装が請求項の範囲内にある。