特許第6128628号(P6128628)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日鉄住金鋼板株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6128628-サンドイッチパネルの接続構造 図000002
  • 特許6128628-サンドイッチパネルの接続構造 図000003
  • 特許6128628-サンドイッチパネルの接続構造 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6128628
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】サンドイッチパネルの接続構造
(51)【国際特許分類】
   E04F 13/12 20060101AFI20170508BHJP
【FI】
   E04F13/12 101D
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-89705(P2012-89705)
(22)【出願日】2012年4月10日
(65)【公開番号】特開2013-217124(P2013-217124A)
(43)【公開日】2013年10月24日
【審査請求日】2015年3月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000207436
【氏名又は名称】日鉄住金鋼板株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清
(74)【代理人】
【識別番号】100155745
【弁理士】
【氏名又は名称】水尻 勝久
(74)【代理人】
【識別番号】100143465
【弁理士】
【氏名又は名称】竹尾 由重
(74)【代理人】
【識別番号】100155756
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 武
(74)【代理人】
【識別番号】100161883
【弁理士】
【氏名又は名称】北出 英敏
(74)【代理人】
【識別番号】100162248
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 豊
(72)【発明者】
【氏名】山本 賢悟
【審査官】 五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−003999(JP,A)
【文献】 特開平10−061063(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 13/07−13/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2枚の金属板の間に両端部が硬質材で構成された芯材を介装してなるサンドイッチパネルの一端部に嵌合凸部が設けられると共に他端部に嵌合凹部が設けられ、隣接する2枚のサンドイッチパネルが前記嵌合凸部と前記嵌合凹部との嵌合により接続されるサンドイッチパネルの接続構造において、
前記一端部側の端部の前記硬質材が、パネル厚み方向外側と内側に配置される外側硬質材と内側硬質材とからなる複数の分割体で形成され、
前記一端部側の前記金属板の端部に、
前記サンドイッチパネルの前記一端部を下地材に固定するための固定部と、前記嵌合凸部と、前記内側硬質材の前記一端部側の端面に当接される補強部と、前記外側硬質材と前記内側硬質材との間に挟まれて支持される装着部と、が連続するように形成されていることを特徴とするサンドイッチパネルの接続構造。
【請求項2】
前記装着部は、前記固定部を前記下地材に固定するための固定具が挿通される挿通部をなすことを特徴とする請求項1に記載のサンドイッチパネルの接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外壁等の壁を形成する際に用いられるサンドイッチパネルの接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、隣接する2枚のサンドイッチパネルを凹凸嵌合によって接続する接続構造が、特許文献1等によって提案されている。
【0003】
特許文献1に記載のサンドイッチパネルは、図3(a)に示すように、二枚の金属板1,2の間に、両端部が硬質材30で構成された芯材3を介装することによって形成されている。2枚の金属板1,2と芯材3とは接着剤によって接着されている。
【0004】
サンドイッチパネルの一端部(上端部)を構成する金属板1の上端部には、サンドイッチパネルの上端部を胴縁等の下地材100に固定するための固定部17と、上方に突出する嵌合凸部5と、硬質材30の上端面に沿う補強部8と、を連続させて形成している。また、サンドイッチパネルの他端部(下端部)を構成する金属板1の下端部には、嵌合凹部6を形成している。
【0005】
上下に隣接する2枚のサンドイッチパネルを接続するにあたっては、まず一方のサンドイッチパネルの一端部(上端部)の固定部17に、ねじ等の固定具4を挿通させて、この一方サンドイッチパネルの上端部を下地材100に固定する。そして、この固定したサンドイッチパネルの嵌合凸部5に、他のサンドイッチパネルの嵌合凹部6を嵌合させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−80591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述したサンドイッチパネルでは、図3(b)に示すように、嵌合凸部5に対する嵌合凹部6の嵌め込み位置がずれた状態で2枚のサンドイッチパネルを接続しようとした場合に、嵌合凸部5が嵌合凹部6の開口の縁部分に当たると、補強部8が屋内側へとずれる等して、嵌合凸部5が変形してしまうおそれがある。
【0008】
このように嵌合凸部5が変形すると、嵌合凸部5が嵌合凹部6に入り難くなったり、嵌合凸部5と嵌合凹部6との嵌合深さが確保できなくなったりして、サンドイッチパネル同士の凹凸嵌合による接続に支障が生じる。
【0009】
そこで、上記事情を鑑みて、本発明は、サンドイッチパネルの一端の嵌合凸部を変形し難くし、これによりサンドイッチパネル同士の凹凸嵌合による接続をより確実に行うことができるサンドイッチパネルの接続構造を提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための本発明は、2枚の金属板の間に両端部が硬質材で構成された芯材を介装してなるサンドイッチパネルの一端部に嵌合凸部が設けられると共に他端部に嵌合凹部が設けられ、隣接する2枚のサンドイッチパネルが前記嵌合凸部と前記嵌合凹部との嵌合により接続されるサンドイッチパネルの接続構造において、前記一端部側の端部の前記硬質材が、パネル厚み方向外側と内側に配置される外側硬質材と内側硬質材とからなる複数の分割体で形成され、前記一端部側の前記金属板の端部に、前記サンドイッチパネルの前記一端部を下地材に固定するための固定部と、前記嵌合凸部と、前記内側硬質材の前記一端部側の端面に当接される補強部と、前記外側硬質材と前記内側硬質材との間に挟まれて支持される装着部と、が連続するように形成されていることを特徴とする。
【0011】
また、前記装着部は、前記固定部を前記下地材に固定するための固定具が挿通される挿通部をなすことが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明のサンドイッチパネルの接続構造では、嵌合凸部の片側に連続する固定部を下地材に対して位置固定したうえで、嵌合凸部のもう片側に連続する装着部を、硬質な外側硬質材と内側硬質材との間に挿入して、この装着部のパネル厚み方向へ位置ズレを抑制できる。これにより、嵌合凸部のパネル厚み方向への位置ズレを抑制して、嵌合凸部を変形し難くすることができる。よって、本発明のサンドイッチパネルの接続構造では、サンドイッチパネルの一端の嵌合凸部を変形し難くし、これによりサンドイッチパネルの凹凸嵌合による接続をより確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第一実施形態のサンドイッチパネルの接続構造を示す断面図である。
図2】本発明の第二実施形態のサンドイッチパネルの接続構造を示す断面図である。
図3】従来のサンドイッチパネルの接続構造を示し、(a)は接続前の状態を示す断面図であり、(b)は嵌合凸部に嵌合凹部の開口の縁部が当たった状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。本発明のサンドイッチパネルSは、外壁パネルなどの建材として用いられる。
【0015】
第一実施形態のサンドイッチパネルSは、図1に示すように、二枚の金属板1,2の間に芯材3を介在させ、この二枚の金属板1,2で芯材3を挟持することによって形成されている。二枚の金属板1,2はそれぞれ接着剤を介して芯材3に取り付けられる。芯材3の両端部は、硬質材30で構成されている。サンドイッチパネルSは、一方の端部に嵌合凸部5を設け、他方の端部に嵌合凹部6を設けている。サンドイッチパネルSは、胴縁等の下地材100に固定されて外壁パネルを形成する。サンドイッチパネルSは、嵌合凸部5と嵌合凹部6とを上下の端部に備えるものであってもよいし、左右の端部に備えるものであってもよい。以下においては、嵌合凸部5を上端部に備え、嵌合凹部6を下端部に備えるサンドイッチパネルSを一例とし、下地材100に対してサンドイッチパネルSが配置される側を屋外側とし、その逆側を屋内側として、本実施形態のサンドイッチパネルSの接続構造について説明する。
【0016】
芯材3は、両端部の硬質材30を除いた中央部が、ロックウールやグラスウールやセラミックファイバーなどの無機繊維体及びウレタンフォームやフェノールフォームなどの樹脂発泡体等の中央芯材31で形成される。中央芯材31としては、断熱性能と共に耐火性能を有するロックウールやグラスウールやフェノールフォームを用いるのが好ましい。また、中央芯材31は角材のようなブロック状に形成することができると共に中央芯材31は密度が通常20〜400kg/mのものを用いることができるが、120〜200kg/mのものを用いるのが好ましい。芯材3の両端部の硬質材30は、耐火性の高い石膏ボードや珪酸カルシウム等の無機質材料で形成される。
【0017】
芯材3の上端部の硬質材30は、屋外側(パネル厚み方向外側)に配置される外側硬質材32と、この外側硬質材32の屋内側(パネル厚み方向内側)に配置される内側硬質材33とからなる複数の分割体で形成される。外側硬質材32と内側硬質材33は、パネル長さ方向の略全長に亘って一定の矩形断面(図1に示す矩形断面)を有する。
【0018】
金属板1,2は、厚みが0.25〜1.6mm程度の薄板材である。金属板1,2としては、例えば、Al、Fe、Cu、ステンレス鋼等の各種金属板、アルミニウム−亜鉛合金メッキ鋼板、カラー鋼板、ホーロー鋼板、フッ素樹脂塗装鋼板、クラッド鋼板、サンドイッチ鋼板等の一種をプレス成形、押出成形、ロール成形等によって成形したものである。
【0019】
サンドイッチパネルSの屋外側の金属板1(以下「屋外側金属板1」という)は、パネル長さ方向の略全長に亘って一定の断面形状(図1に示す断面形状)を有する。屋外側金属板1は、平板状の化粧面部10と、この化粧面部10の下端に連設された折り返しスカート部11と、折り返しスカート部11に連設された下端縁部12とを備えている。屋外側金属板1は、さらに、化粧面部10の上端に連設された凹段部13と、凹段部13の上端に連設された屋外側折り返し部14と、屋外側折り返し部14に連設された上端縁部7とを備えている。凹段部13と屋外側折り返し部14は化粧面部10よりも屋内側に凹んでおり、凹段部13と屋外側折り返し部14の屋外側の空間は、折り返しスカート部11が収納される収納部35となっている。また、凹段部13の上部には、さらに屋内側へ凹んだ第二凹段部17が形成されている。第二凹段部17は、サンドイッチパネルSの一端部(上端部)を下地材100に固定するための固定部となっており、ビスや釘等の固定具4が挿通される。この第二凹段部17の屋外側の空間は、ビスや釘等の固定具4の頭部40が収納される頭部収納凹部36となっている。
【0020】
屋外側折り返し部14は、固定部をなす第二凹段部17の端縁(上端)を上方に延出させ、その先端を屋内側(パネル厚み方向内側)に折り曲げ、その先端を下方に延出させて形成される。この屋外側折り返し部14が嵌合凸部5をなす。
【0021】
この屋外側折り返し部14に連設された上端縁部7は、内側硬質材33の上端面に当接する補強部70と、外側硬質材32と内側硬質材33との間に挿入される装着部71とを備える。補強部70は、屋外側折り返し部14の屋内側(パネル厚み方向内側)の端縁を屋内側に延出させ、その先端を下方に折り曲げ、その先端を屋外側(パネル厚み方向外側)に延出させて形成される。装着部71は、この補強部70の屋外側(パネル厚み方向外側)の端縁を下方に延出させて形成される。
【0022】
折り返しスカート部11は、化粧面部10の下端から下方に向けて突出し、その先端を屋内側(パネル厚み方向内側)に折り曲げ、その先端を上方に突出させた上下方向に細長い断面略U字状のものである。この折り返しスカート部11と、これに連設される下端縁部12とで、下方に向けて開口する嵌合凹部6が形成される。
【0023】
下端縁部12は、折り返しスカート部11の端縁から屋内側(パネル厚み方向内側)に延出された底壁部15と、この底壁部15の屋内側の端縁から下方に延出した側壁部16と、この側壁部16の下端から屋内側(パネル厚み方向内側)に延出した縁部18とを有する。この底壁部15が嵌合凹部6の底壁を構成し、側壁部16が嵌合凹部6の屋内側の側壁を構成し、折り返しスカート部11が嵌合凹部6の屋外側の側壁を構成する。
【0024】
以上のようにサンドイッチパネルSの一端部(上端部)を構成する屋外側金属板1の上端部には、サンドイッチパネルSの一端部(上端部)を下地材100に固定するための固定部(第二凹段部17)と、嵌合凸部5と、外側硬質材32と内側硬質材33との間に挿入される装着部71と、を連続させて形成している。
【0025】
サンドイッチパネルSの屋内側の金属板2(以下「屋内側金属板2」という)は、パネル長さ方向の略全長に亘って一定の断面形状を有するものである。屋内側金属板2は、図1に示すように、平板部20と、平板部20の上端に連設された接続用凸部21と、平板部20の下端に連設された凸部収納部22とを備える。凸部収納部22内には接続用凸部21が収容される。平板部20の上端部には、サンドイッチパネルSを下地材100に固定する際に固定具4が挿通される屋内側挿通部23を備える。凸部収納部22は、接続用凸部21が収容される収納空間の屋外側の側壁を構成する側壁部24と、側壁部24の下端を屋外側に略水平に延出させた下縁部25とを有する。また、接続用凸部21には、屋外側へ略水平に延出させた上縁部26を有する。
【0026】
上述した金属板1,2と芯材3を用いてサンドイッチパネルを形成する手順の一例について説明する。
【0027】
屋外側金属板1の両端の略水平部(縁部18,補強部70)と屋内側金属板2の両端の略水平部(下縁部25,上縁部26)とを略同じ高さに位置合わせするようにして屋外側金属板1と屋内側金属板2とを対向配置する。そして、屋外側の側壁部16と屋内側の側壁部24との間に硬質材30を介装し、第二凹段部17と装着部71との間に外側硬質材32を介装し、装着部71と屋内側挿通部23との間に内側硬質材33を介装させる。また、この硬質材30を充填した両端部間の屋外側金属板1と屋内側金属板2との間には、中央芯材31を介装させる。そして、これらの芯材3(硬質材30,外側硬質材32,内側硬質材33)を接着材等によって屋外側金属板1と屋内側金属板2に接着することで、屋外側金属板1と屋内側金属板2の間に芯材3を充填したサンドイッチパネルSが形成される。このようにして形成したサンドイッチパネルSでは、装着部71は外側硬質材32と内側硬質材33とで挟まれて支持され、装着部71は固定具4が挿通される挿通部をなす。
【0028】
上述のサンドイッチパネルSを施工するにあたっては、1枚のサンドイッチパネルSを胴縁等の下地材100の屋外側面に配置し、第二凹段部17の底面から釘やビス等の固定具4を打ち込んで、装着部71と屋内側挿通部23とに順に挿通させて、下地材100まで貫通する。そして、取り付けたサンドイッチパネルSの上側から、他のサンドイッチパネルSを近づけ、下側のサンドイッチパネルSの嵌合凸部5に上側のサンドイッチパネルSの嵌合凹部6を嵌合させ、下側のサンドイッチパネルSの接続用凸部21に上側のサンドイッチパネルSの凸部収納部22を嵌める。以上のようにして上下に隣接するサンドイッチパネルSを凹凸嵌合により接続しながら複数枚のサンドイッチパネルSを縦横に並べて施工することで、外壁を形成できる。なお、固定具4の頭部40は、頭部収納凹部36内に納められると共にこの頭部40は収納部35に収納された折り返しスカート部11で覆わるため、屋外側から見えなくできる。また、図示は省略しているが、上側のサンドイッチパネルSの縁部18と下側のサンドイッチパネルSの補強部70の間と、上側のサンドイッチパネルSの下縁部25と下側のサンドイッチパネルSの上縁部26の間と、屋外側折り返し部14の上端面と底壁部15との間と、凸部収納部22の底面27と接続用凸部21の上端面との間には、セラミックファイバー等の耐火材や防水パッキンが挟まれる。これにより接続部分の耐火性や水密性を高めることができる。なお、上側のサンドイッチパネルSの縁部18と下側のサンドイッチパネルSの補強部70の間と、上側のサンドイッチパネルSの下縁部25と下側のサンドイッチパネルSの上縁部26の間に挟まれる耐火材は、縁部18から下縁部25に亘って設けられることが好ましい。
【0029】
以上のようにして固定具4により下地材100に固定されたサンドイッチパネルSでは、嵌合凸部5の屋内側(パネル厚み方向内側)の端縁に連続する装着部71が、硬質な外側硬質材32と内側硬質材33とで挟まれて支持されている。さらに、この外側硬質材32と装着部71と内側硬質材33とは、固定具4により下地材100に対して一体に固定されている。また、嵌合凸部5の屋外側(パネル厚み方向外側)の端縁に連続する固定部(第二凹段部17)も、固定具4により下地材100に対して一体に固定されている。
【0030】
すなわち、嵌合凸部5の屋内側(パネル厚み方向内側)の端縁と、嵌合凸部5の屋外側(パネル厚み方向外側)の端縁は、共に位置が固定されている。そのため、2枚のサンドイッチパネルSを接続する際に、嵌合凸部5に嵌合凹部6の開口の縁部が接触した場合でも、嵌合凸部5の両端縁が共に位置ずれし難いので、これにより嵌合凸部5の変形を抑制できる。
【0031】
また、本実施形態では、嵌合凸部5と装着部71との間に補強部70を設けたことで、接続の際に嵌合凸部5で受けた力を補強部70で受けることができ、装着部71までその力が及ぶことを抑制できる。これにより、外側硬質材32と内側硬質材33との間で装着部71の位置が上下にずれることも抑制でき、嵌合凸部5の変形をさらに抑制することができる。
【0032】
続いて、図2に示す本発明の第二実施形態のサンドイッチパネルSの接続構造について説明する。第一実施形態のサンドイッチパネルSの接続構造と同じ構成については、図中に同じ符号をつけて説明を省略し、異なる構成についてのみ詳しく説明する。
【0033】
第二実施形態のサンドイッチパネルSでは、第二凹段部17と装着部71との間から嵌合凸部5内にかけて、外側硬質材32が充填されている。これにより、第二実施形態のサンドイッチパネルSでは、嵌合凸部5の変形をさらに抑制することができる。また、嵌合凸部5の屋外側面の上端部には、突起50を屋外側に突出させて設け、止水性の向上を図っている。
【0034】
以上まとめると、第一及び第二実施形態のサンドイッチパネルSの接続構造は、隣接する2枚のサンドイッチパネルSを嵌合凸部5と嵌合凹部6との嵌合により接続するサンドイッチパネルの接続構造である。サンドイッチパネルSは、2枚の金属板1,2の間に両端部が硬質材30で構成された芯材3を介装してなる。このサンドイッチパネルSの接続構造では、サンドイッチパネルSの一端部には嵌合凸部5が設けられ、サンドイッチパネルSの他端部には嵌合凹部6が設けられる。そして、サンドイッチパネルSの前記一端部側の端部の硬質材30は、パネル厚み方向外側と内側に配置される外側硬質材32と内側硬質材33とからなる複数の分割体で形成される。前記一端部側の金属板1の端部には、サンドイッチパネルSの前記一端部を下地材100に固定するための固定部17と、嵌合凸部5と、外側硬質材32と内側硬質材33との間に挿入される装着部71と、を連続させて形成している。
【0035】
以上のような構成とすることで、第一及び第二実施形態のサンドイッチパネルSの接続構造では、嵌合凸部5の片側に連続する固定部17を下地材100に対して位置固定したうえで、嵌合凸部5のもう片側に連続する装着部71を、硬質な外側硬質材32と内側硬質材33との間に挿入して、この装着部71のパネル厚み方向への位置ズレを抑制できる。
【0036】
また、金属板1の固定部17と外側硬質材32と内側硬質材33とにねじ等の固定具4を挿通させて下地材100に固定するようにすることで、この外側硬質材32と内側硬質材33とで挟んで支持する装着部71の位置ズレをさらに抑制することができる。
【0037】
よって、第一及び第二実施形態のサンドイッチパネルSの接続構造では、嵌合凸部5に対する嵌合凹部6の嵌め込み位置がずれた状態で2枚のサンドイッチパネルSを接続しようとした場合に、嵌合凸部5が嵌合凹部6の開口の縁部分に当たっても、嵌合凸部5のパネル厚み方向への位置ズレを抑制して、嵌合凸部5が変形することを抑制できる。そのため、第一及び第二実施形態のサンドイッチパネルSの接続構造では、嵌合凸部5が嵌合凹部6に入り難くなったり、嵌合凸部5と嵌合凹部6との嵌合深さが確保できなくなることを抑制でき、サンドイッチパネルS同士の凹凸嵌合による接続をより確実に行うことができる。
【0038】
また、第一及び第二実施形態のサンドイッチパネルSの接続構造では、装着部71は、固定部17を下地材100に固定するための固定具4が挿通される挿通部をなす。
【0039】
このような構成とすることで、金属板1の固定部17と外側硬質材32と内側硬質材33とにねじ等の固定具4を挿通させて下地材100に固定するようにすることで、この固定具4により装着部71も併せて、下地材100に固定することができる。よって、装着部71の位置ズレをさらに抑制することができ、これにより嵌合凸部5の変形をさらに抑制することができる。
【0040】
なお、上述した第一及び第二実施形態のサンドイッチパネルSの接続構造において、屋外側金属板1の嵌合凸部5と同様に、屋内側金属板2の接続用凸部21にも装着部を形成してもよい。すなわち、内側硬質材33をパネル厚み方向外側(屋外側)と内側(屋内側)に配置される2つの分割体で形成し、この分割体間に挿入される装着部を接続用凸部21に連続する上縁部26の屋外側の端縁に連続させて形成してもよい。そして、この装着部にも固定具4を挿通させるようにしてもよい。このような構成とすることで、接続用凸部21に対する凸部収納部22の嵌め込み位置がずれた状態で2枚のサンドイッチパネルを接続しようとした場合に、接続用凸部21が凸部収納部22の開口の縁部分(屋内側の側壁28)に当たっても、接続用凸部21は変形しにくくなる。
【0041】
また、上述した第一及び第二実施形態のサンドイッチパネルSの接続構造では、屋内側の接続用凸部21が嵌合されるように凸部収納部22を凹部形状に形成していたが、この凸部収納部22を、屋内側の側壁28を有さない形態で形成してもよい。なお、このとき接続用凸部21の屋内側面が平面部20と略面一となるように、接続用凸部21を形成してもよい。このようにすることで、接続用凸部21に対する凸部収納部22の嵌め込み位置がずれた状態で2枚のサンドイッチパネルを接続しようとした場合に、接続用凸部21が凸部収納部22の開口の縁部分(側壁28)に当たらなくなり、接続用凸部21の変形を抑制できる。
【0042】
以上、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 金属板(屋外側金属板)
2 金属板(屋内側金属板)
3 芯材
4 固定具
5 嵌合凸部
6 嵌合凹部
17 固定部(第二凹段部)
30 硬質材
32 外側硬質材
33 内側硬質材
70 補強部
71 装着部
100 下地材
S サンドイッチパネル
図1
図2
図3