(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
遊技盤の遊技領域に複数の始動入賞口が設けられ、当該始動入賞口のいずれかへ遊技球が入賞したことを契機に当否抽選を実行し、当該当否抽選の結果に基づき複数の当り種類の中から特定の当り種類を決定する当否抽選手段と、
前記遊技盤の遊技領域に設けられた通過口を遊技球が通過したことを契機に普通図柄当否抽選を実行する普図当否抽選手段と、
前記普通図柄当否抽選の結果が当りであるときに前記複数の始動入賞口のうち、少なくとも1の始動入賞口に設けられた可動体を駆動し、遊技球の前記始動入賞口への入賞を可動前よりも容易化する可動体制御手段と、
前記当否抽選手段による当否抽選の結果に基づいて、所定の演出図柄を表示可能な演出図柄変動表示手段を制御し、前記演出図柄の変動表示を開始させて所定の変動時間経過後に前記当否抽選の結果を前記演出図柄の停止態様により導出表示させる演出図柄表示制御手段と、
前記当否抽選手段による当否抽選の結果が当りであるときに遊技者にとって有利な当り遊技を実行する当り遊技制御手段と、
前記当り種類に応じて、前記当り遊技後における前記普通図柄当否抽選の結果が当りとなる確率が高く設定された時短遊技、又は、当該時短遊技よりも前記普通図柄当否抽選の結果が当りとなる確率が低く設定された非時短遊技に切り替える遊技状態制御手段と、
を備えたパチンコ機であって、
前記複数の当り種類は、少なくとも前記当り遊技後の遊技状態を時短遊技とする複数の当り種類を含み、当該当り種類は、それぞれ時短遊技の継続回数の上限が異なる当りとして設定され、前記演出図柄表示制御手段は、遊技状態が時短遊技中であり、かつ、前記当否抽選手段による当否抽選の回数が、所定の回数に達した際に、前記遊技盤の下方に設けられた操作部の操作を促す演出を実行し、遊技者による前記操作部の操作に応じて、現在の当否抽選の回数と前記継続回数の上限、及び前記演出図柄変動表示手段に表示される所定のメモリの増加有無が異なる割合に設定されたメモリ増加判定テーブルを参照して前記所定のメモリの増加有無を判定し、
前記演出図柄変動表示手段に表示される前記メモリの増加数により時短遊技継続の有無を遊技者に対して報知する時短遊技継続演出を実行させることを特徴とするパチンコ機。
前記演出図柄表示制御手段は、遊技状態が時短遊技中であり、かつ、前記当否抽選手段による当否抽選の回数が、前記所定の回数に達するまでの間、時短遊技が継続する可能性を示唆する時短遊技継続示唆演出を実行させることを特徴とする請求項1記載のパチンコ機。
前記所定の回数は、前記当否抽選により当選し得る複数の当り種類ごとに設定されている前記時短遊技の継続回数の上限の差に対応して定められていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のパチンコ機。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、
図1〜
図18を参照し、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
なお、以下の説明においてパチンコ機の各部の左右方向は、そのパチンコ機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。
【0010】
図1,
図2に示すように、本実施形態に係るパチンコ機1は、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠2と、この機枠2に開き戸状に開閉自在に取り付けられた本体枠3と、当該本体枠3の内側に装着された遊技盤30と、本体枠3の前面に開き戸状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きくガラス窓4aが設けられたガラス扉4と、本体枠3の下側に開閉自在に設けられ、遊技球を収容する受皿6を有する前面ボード5と、本体枠3の下部に配設された図外の発射装置と、前面ボード5に取り付けられたハンドル7と、ガラス扉4の左右の上部にそれぞれ設けられたスピーカ8及び本体枠3やガラス扉4の周囲に配設された複数のランプ10とを備える。また、貯留皿受皿6の中央部には、操作部9が配設される。操作部9は、演出図柄表示装置50上に表示されるカーソル等を移動するためのダイアル部9Aと、ダイアル部9Aによって移動されたカーソルと対応する項目を選択する際や、演出図柄表示装置50上において展開される後述の時短遊技継続演出時に実行され、ボタン演出の際に押下されるボタン9Bとから構成される。
【0011】
パチンコ機1の背面側には、図外の支持部材等を介して、
図3に示す主制御装置100と、副制御装置を構成するサブ制御装置(演出制御装置)200と、払出制御装置300とが設けられている。主制御装置100、サブ制御装置200、払出制御装置300は何れもCPU(Central Processing Unit)と、コンピュータプログラム及び遊技処理(演出処理,払出処理等)に必要なデータを格納したROM(Read Only Memory)と、CPUがROMに格納されたコンピュータプログラムに従って処理を行うための一時記憶領域であるRAM(Random Access Memory)とを備えるマイクロコンピュータである。続いて、本実施形態に係るパチンコ機1の各部の構成を概説する。
【0012】
図2に示すように遊技盤30は、その盤面に遊技球が流下する遊技領域31を備える。遊技領域31は、ガラス窓4aから観察することができる。遊技領域31は、遊技球を滑走させるガイドレール32と遊技球規制レール33によって略円形状となるように区画形成されている。
【0013】
前面ボード5の受皿6に収容された遊技球は、図外の発射装置に1個ずつ供給されるようになっている。
図3に示すように、払出制御装置300は、ハンドル7の回動操作量に対応して増減する発射ボリューム(可変抵抗器)7Aからの入力に基づいて所定の強度で遊技球が発射されるように発射モータ7Bを駆動制御するようになっている。発射装置により発射されて遊技領域31に到達した遊技球は、遊技領域31内を流下することになる。
また、払出制御装置300には、ハンドル7の円周上に設けられた発射停止スイッチ7Cやハンドル7の内部に配設されたタッチセンサ7Dが接続されている。
【0014】
遊技領域31内には、演出図柄表示装置50と、ステージ51と、第1特別図柄表示装置40Aと、第2特別図柄表示装置40B、普通図柄表示装置41と、第1始動入賞口(始動口)61と、第2始動入賞口(始動口)62と、電動チューリップ63と、第1大入賞口64と、アタッカ装置65と、スルーチャッカ66と、一般入賞口67と、アウト口68と、第2大入賞口77と図外の複数の遊技釘とが設けられている。
第1始動入賞口61は、遊技領域31の略中央部におけるステージ51の下方に位置する。第2始動入賞口(始動口)62は、遊技領域31の右側部に位置する。第1始動入賞口61、第2始動入賞口62、第1大入賞口64、スルーチャッカ66、一般入賞口67及び第2大入賞口77のそれぞれには、遊技球の通過を検知する第1始動入賞口検知センサ91、第2始動入賞口検知センサ92、第1大入賞口検知センサ93、スルーチャッカ検知センサ94、一般入賞口検知センサ95及び第2大入賞口検知センサ96が内蔵されている。これらの検知センサ91〜96は、遊技球の通過に伴い遊技球検知信号(電気信号)を出力する磁気センサであり、その遊技球検知信号は主制御装置100に入力される。
【0015】
第1特別図柄表示装置40Aは、第1始動入賞口61への遊技球の入賞を契機に、主制御装置100により行われる特別図柄に係る電子抽選(第1特図抽選)の結果を表示するためのものであって、より具体的には、第1特図抽選の結果に基づいて特別図柄(数字や絵柄)が変動した後に、第1特図抽選の結果を表示する態様で所定の特別図柄を導出表示(停止表示)するものである。また、第1特別図柄表示装置40Aの変動表示制御は後述の特別図柄変動表示制御手段130により制御される。
第2特別図柄表示装置40Bは、第2始動入賞口62への遊技球の入賞を契機に、主制御装置100により行われる特別図柄に係る電子抽選(第2特図抽選)の結果を表示するためのものであって、前記同様に特別図柄変動表示制御手段130により制御されることによって、第2特図抽選の結果を表示する態様で所定の特別図柄を導出表示(停止表示)するものである。また、本実施形態においては、第1始動入賞口61への入賞を契機として変動する特別図柄を第1特別図柄とし、第2始動入賞口62への入賞を契機として変動する特別図柄を第2特別図柄としている。
第1特別図柄表示装置40A及び第2特別図柄表示装置40Bは、例えば7セグメント表示器からなり、演出図柄表示装置50を見ている遊技者の視界に同時に入らないように遊技盤30の右下部分に演出図柄表示装置50と離間して配置されている。第1特別図柄表示装置40A又は第2特別図柄表示装置40Bを構成する7セグメントの何れかが点滅している状態は、第1特別図柄又は第2特別図柄が変動している状態であり、その点滅が停止して点灯が維持された状態は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が停止した状態である。また、第1特別図柄表示装置40A又は第2特別図柄表示装置40Bを構成する7セグメントの何れかが点滅している時間は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動時間である。なお、第1特別図柄表示装置40A及び第2特別図柄表示装置40Bの形態は7セグメントに限られず、複数のランプを配列した形態のものを採用することも可能である。
【0016】
本実施形態では、上述のとおり、第1特図抽選、又は第2特図抽選を行い、それぞれ対応する第1特別図柄及び第2特別図柄を変動させた後、変動時間経過後に上記特図抽選の結果を表示する態様で第1特別図柄又は第2特別図柄をそれぞれ第1特別図柄表示装置40A及び第2特別図柄表示装置40Bに導出表示する構成である。
【0017】
演出図柄表示装置50は、遊技盤30の略中央部に設けられている。演出図柄表示装置50は、本実施形態においては液晶表示装置からなり、上記特別図柄の変動開始及び変動停止と略同期して変動開始,変動停止する複数の演出図柄Sを表示する。また、演出図柄表示装置50は、第1特図抽選、又は第2特図抽選が当りとなり、上述の第1特別図柄又は第2特別図柄、及び、これらの図柄と同期して停止表示される演出図柄Sが当りを示す態様で導出された場合、その後に実行される当り遊技が開始されることを遊技者に対して特定の表示により報知する。
また、演出図柄表示装置50は、上記主制御装置100から送信される演出図柄変動コマンド、演出モード移行コマンド、当り遊技開始コマンドに基づいて動作するサブ制御装置200により制御される。
図2に示すように、演出図柄表示装置50上には、複数の数字や特定のキャラクタからなる複数の演出図柄S(図示の例は「7」)が表示されており、当該演出図柄Sは、前記第1特別図柄又は第2特別図柄の変動に合わせて例えば上下方向にスクロール表示される。
【0018】
スルーチャッカ66は、遊技球が通過可能なゲート構造をなしたものであり、本実施形態においては、遊技盤30の右側部における第2始動入賞口62よりも上方に配置されている。このスルーチャッカ66を遊技球が通過したことを契機に、主制御装置100の普通図柄用当否抽選手段150により普通図柄に係る電子抽選(普図抽選)が行われるようになっている。
普通図柄表示装置41は、普通図柄に係る電子抽選の結果(普図当り、ハズレ)が表示されるよう主制御装置100に設けられた普通図柄用当否抽選手段により制御されるものである。この普通図柄表示装置41は第2特別図柄表示装置40Bの下方に配置されていて、本実施形態においては2つのLEDランプからなる。普通図柄に係る電子抽選の結果が当り(普図当り)のときに2つのLEDランプのうちの一方のみが点灯し、ハズレのときに他方のみが点灯するようになっている。2つのLEDランプが交互に点滅している状態は、普通図柄が変動している状態であり、その点滅が停止して点灯が維持された状態は、普通図柄の変動が停止した状態である。また、2つのLEDランプが交互に点滅している時間は、普通図柄の変動時間である。
【0019】
電動チューリップ63は、第2始動入賞口62の入口に設けられ、遊技盤30の前面に直交する軸を中心に回動する1対の羽根部材と、これら1対の羽根部材を駆動する電動チューリップ駆動装置(ソレノイド)63Aとを備え、その電動チューリップ駆動装置63Aへの通電により1対の羽根部材が互いに離れる方向に回動し、第2始動入賞口62の入口を拡大するものである。電動チューリップ63は1対の羽根部材を閉じた状態において、第2始動入賞口62の上方に稙設された図外の遊技釘との間隔を遊技球が通過不可能なものであるため、1対の羽根部材が閉じた状態では第2始動入賞口62への遊技球の入賞は不可能である。電動チューリップ63は、普通図柄に係る電子抽選の結果が普図当りとなった場合に、1対の羽根部材が開くよう主制御装置100により制御される。
【0020】
ステージ51は、演出図柄表示装置50の下方に配置されていて、遊技球を転動させながら一時的に滞在させる構造物である。このステージ51の中央には溝51Aが形成されており、この溝51Aの真下の位置には第1始動入賞口61が配置されている。このため、溝51Aから落下した遊技球は、高い確率で第1始動入賞口61に導かれる。
【0021】
第1大入賞口64は、横長な長方形の開口であり、第1始動入賞口62の下方に設けられている。アタッカ装置65は、水平な軸を中心として前後方向にフラップ状に回動白在に設けられ第1大入賞口64の形状とほぼ同じ長方形の蓋部材と、この蓋部材を駆動するソレノイドとを備え、そのソレノイドへの通電により蓋部材が前方向に回動して第1大入賞口64を開放するものである。アタッカ装置65が開いた状態は第1大入賞口64への遊技球の入賞が可能な状態であり、アタッカ装置65が閉じた状態は第1大入賞口64への遊技球の入賞が不可能な状態である。
【0022】
アタッカ装置65は、上記第1特図抽選又は第2特図抽選の結果が当り(第1特図当り又は第2特図当り)となった場合に、主制御装置100がアタッカ駆動装置65Aを制御することにより所定のラウンド数だけ開放され、これによって遊技者にとって有利な当り遊技が提供される。
本実施形態において、アタッカ装置65が開放される所定のラウンド数は例えば、4ラウンドまたは16ラウンドであり、1ラウンド当りの最大入賞個数は9個でアタッカ装置65の最長開放時間は30秒である。つまり、アタッカ装置65の開放時点から30秒経過する前に第1大入賞口64への遊技球の入賞個数が9個に達した場合と、第1大入賞口64への遊技球の入賞個数が9個に達する前にアタッカ装置65の開放時点から30秒が経過した場合に、1ラウンドが終了するようになっている。なお、当り遊技が後述の2ラウンド、4ラウンド又は16ラウンドの何れのラウンドとなるかは、複数存在する当りの種類によって異なる。また、1ラウンド当りの開放時間を特図当りの種類によって異なる開放時間とすることも可能である。
【0023】
第2大入賞口77は、第1始動入賞口61の下部に設けられ、その入賞口は閉じられていて、第2大入賞口77内に遊技球が入賞できないようになっている。第2大入賞口77は、第1始動入賞口61又は第2始動入賞口62への遊技球の入賞を契機に行われる抽選(第1特図抽選又は第2特図抽選)で上記第1特図当り又は第2特図当りが2ラウンドの小当たり又は大当り(2R特別図柄A又は2R特別図柄B)の場合、第2大入賞口駆動装置77Aにより開放される。この第2大入賞口77の1ラウンド当りの開放時間は、約0.2秒である。そして、第2大入賞口77の開放時間は、前述のアタッカ装置65の開放時間と比較して極めて短いため、遊技球を入賞させることは困難であり、実質的な賞球を得ることも困難である。つまり、第2大入賞口77の開放動作は、当該開放動作により2ラウンドの小当たり又は大当りを獲得したことをささやかに報知するものである。
【0024】
賞球払出装置301は、受皿6に賞球を払い出す装置である。賞球の払出個数は、第1始動入賞口61、第2始動入賞口62、第1大入賞口64、一般入賞口67、第2大入賞口77のそれぞれに予め対応付けられている。主制御装置100は遊技球の入賞が検知された入賞口に基づき、その入賞口に予め対応付けられている賞球の払出個数を、払出制御装置300に指令するようになっていて、払出制御装置300は主制御装置100からの指令に従って賞球払出装置301が有する図外の払出モータを駆動して賞球払出装置301に賞球を払い出させるようになっている。また、賞球払出装置301から払出された賞球は、賞球払出装置301の流路内に配設された払出計数スイッチ302により計数され、払出制御装置300は払出計数スイッチ302からの入力に基づいて払出動作を停止させる。本実施形態において、第1始動入賞口61および第2始動入賞口62に予め対応付けられた賞球個数は3個であり、第1大入賞口64及び第2大入賞口77に予め対応付けられた賞球個数は13個であり、一般入賞口67に予め対応付けられた賞球個数は5個である。なお、第1始動入賞口61、第2始動入賞口62、第1大入賞口64、一般入賞口67、第2大入賞口77の何れにも入賞しなかった遊技球は、遊技領域31の最下部に位置するアウト口68から回収される。
【0025】
以下、
図3を参照し、主制御装置100及びサブ制御装置200のハードウェア上の構成について説明すると共に、パチンコ機1における主要な制御処理について説明する。
同図に示すように、主制御装置100は、特別図柄用当否抽選手段110、特別図柄変動表示制御手段130、普通図柄用当否抽選手段150、当り遊技制御手段160、電動チューリップ制御手段170及び遊技状態制御手段180を備える。
サブ制御装置200は、主制御装置100から送信される演出図柄変動コマンド、演出モード移行コマンド、当り遊技開始コマンド等の各種のコマンドに基づいて演出図柄表示装置50上において多様な演出動作を実行させる演出表示制御手段210を備える。演出表示制御手段210は、演出図柄変動コマンドに応じて所定のパターンにより演出図柄Sを変動表示させる演出パターン選択手段220と、主制御装置100から送信される演出モード移行コマンドに基づいて演出モードを移行させるとともに、移行後の演出モードに対応した所定の背景を選択する演出モード選択手段230と、現在の演出モードが後述する特定の演出モードである場合に時短遊技継続演出を実行する時短遊技継続演出手段240と、演出図柄変動コマンドの受信回数に応じて遊技回数をカウントする遊技回数カウント手段250と、現在の演出モードが後述する特定の演出モードである場合に時短遊技継続示唆演出を実行する時短遊技継続示唆演出手段260とを備える。これらの各手段は、遊技に係る制御を行うためにROMに格納されたコンピュータプログラムおよびデータにより設定された手段である。
また、主制御装置100及びサブ制御装置200は、外部中継基板500を介してホールコンピュータ501と接続されており、ホールコンピュータ501には第1特別図柄及び第2特別図柄の累計変動回数、累計当り遊技回数等、遊技に関連する各種の情報が送信される。
【0026】
主制御装置100の特別図柄用当否抽選手段110は、第1始動入賞口61又は第2始動入賞口62への遊技球の入賞を契機として、当り(第1特図当り又は第2特図当り)またはハズレを電子抽選により決定するものである。
図4に示すように、特別図柄用当否抽選手段110は、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜65535の整数の範囲)で1ずつ更新させることによりハードウェア乱数である当否判定用乱数を発生させる当否判定用乱数発生手段111と、第1始動入賞口61又は第2始動入賞口62への遊技球の入賞を契機に、言い換えると、第1始動入賞口検知センサ91又は第2始動入賞口検知センサ92からの遊技球検知信号が主制御装置100に入力されたことに基づき、当否判定用乱数発生手段111で発生した当否判定用乱数を取得(ラッチ)する当否判定用乱数取得手段112と、当否判定用乱数取得手段112により取得された当否判定用乱数が当りであるかハズレであるかを、
図5(a)に示す特図低確時判定テーブル113Aまたは
図5(b)に示す特図高確時判定テーブル113Bを参照して判定する特図当否判定手段113と、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中に第1始動入賞口61又は第2始動入賞口62への遊技球の入賞に基づき当否判定用乱数取得手段112が当否判定用乱数を取得した場合に、当該乱数をそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に係る保留球乱数として所定の上限個数まで、主制御装置100のRAMを利用して記憶する当否判定用乱数保留手段114とを備える。
また、保留記憶可能な乱数の上限は、第1始動入賞口61への入賞を契機として取得された当否判定用乱数が4つ、第2始動入賞口62への入賞を契機として取得された当否判定用乱数が4つの合計8つまでとされており、例えば既に第1始動入賞口61への入賞に基づいて保留記憶された当否判定用乱数が上限の4つである場合に第1始動入賞口61へ入賞したとしても当否判定用乱数が取得されることはなく、第2始動入賞口62においても同様である。
【0027】
図5に示す特図低確時判定テーブル113A及び特図高確時判定テーブル113Bは、当否判定用乱数と当りおよびハズレとの対応関係を規定するものである。具体的には、
図5(a)に示す特図低確時判定テーブル113Aにおいては、当否判定用乱数0〜186に当りが予め対応付けられていて、当否判定用乱数187〜65535にハズレが予め対応付けられている。つまり、特図低確時判定テーブル113Aが参照された場合に当りとなる確率は約350分の1である。
これに対し、
図5(b)に示す特図高確時判定テーブル113Bにおいては、当否判定用乱数0〜1860に当りが予め対応付けられていて、当否判定用乱数1861〜65535にハズレが予め対応付けられている。つまり、特図高確時判定テーブル113Bが参照された場合に当りとなる確率は約35分の1である。これらの当選確率を比較して分かるように、特図高確時判定テーブル113Bによる特図当りの当選確率の方が、特図低確時判定テーブル113Aよる特図当りに当選する確率よりも約10倍高い。
【0028】
なお、特別図柄用当否抽選手段110において特図低確時判定テーブル113Aが参照されて当り又はハズレが決定される遊技状態は、本発明における特図低確率状態であり、特図高確時判定テーブル113Bが用いられて当り又はハズレが決定される遊技状態は、本発明における特図高確率状態(所謂確変遊技状態)である。以下、便宜上、「特図低確率状態」を「特図低確」といい、「特図高確率状態」を「特図高確」又は「確変遊技」という。なお、当該特図低確又は特図高確の切り替えは後述の遊技状態制御手段180により実行される。
【0029】
また、特別図柄用当否抽選手段110は、前述の各手段の他、当り種類決定用乱数発生手段115、当り種類決定用乱数取得手段116、当り種類判定手段117、及び、当り種類決定用乱数保留手段118を備える。これらの各手段は、前述の特図当否判定手段113による判定(抽選)の結果が当りである場合に、第1特別図柄表示装置40A又は第2特別図柄表示装置40Bに導出表示される特別図柄を複数存在する特別図柄のうちから電子抽選により決定する手段である。
具体的には、当り種類決定用乱数発生手段115は、当否判定用乱数発生手段111と同様に周期的に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜99の整数の範囲)で1ずつ更新させることにより当り種類用乱数を発生させる。また、当り種類決定用乱数取得手段116は、第1始動入賞口61又は第2始動入賞口62への遊技球の入賞を契機として、当り種類決定用乱数発生手段115で発生した当り種類決定用乱数を取得(ラッチ)する。また、当り種類判定手段117は、当り種類決定用乱数取得手段116により取得された当り種類決定用乱数に基づき、第1特図当り種類テーブル117A又は第2特図当り種類テーブル117Bを参照して第1特別図柄又は第2特別図柄の種類を決定する。
【0030】
当り種類決定用乱数保留手段118は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中に第1始動入賞口61又は第2始動入賞口62への遊技球の入賞に基づき、当り種類決定用乱数取得手段116が当り種類決定用乱数を取得した場合に、当該乱数をそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に係る当り種類決定用乱数として所定の上限個数まで、主制御装置100のRAMを利用して個別に保留記憶する。また、保留記憶可能な乱数の上限は、前述の当否判定用乱数における上限と同一である。
【0031】
図6(a)に示すように第1特図当り種類テーブル117Aは、第1始動入賞口への入賞を契機として取得される当り種類決定用乱数(第1特図当り種類決定用乱数)と特別図柄の種類との対応関係を規定するものである。
また、
図6(b)に示すように第2特図当り種類テーブル117Bは、第2始動入賞口への入賞を契機として取得される当り種類決定用乱数(第2特図当り種類決定用乱数)と特別図柄の種類との対応関係を規定するものである。
同図に示すとおり、第1特図当り種類テーブル117Aに規定された特別図柄の種類(当り種類)は、2R特別図柄A、2R特別図柄B、4R特別図柄A、4R特別図柄B、16R特別図柄Aの5種類であり、第2特図当り種類テーブル117Bに規定された特別図柄の種類(当り種類)は、16R特別図柄A、16R特別図柄B、16R特別図柄C、16
R特別図柄D、16R特別図柄E、16R特別図柄Fの6種類である。
つまり、本実実施形態においては、第1特図抽選が実行され、第1特図当り種類テーブル117Aが参照された場合、2R、4R、16Rの当り種類が選択される可能性があるのに対して、第2特図抽選が実行され、第2特図当り種類テーブル117Bが参照された場合、必ず16Rの当り種類が選択されることとなり、当り遊技において得られる賞球数の期待値は、第2特図抽選によって獲得される当り遊技の方が高く設定されている。
【0032】
また、第1特図当り種類テーブル117Aが参照され、第1特別図柄の種類が2R特別図柄Aに決定された場合、後述の変動時間経過後に第1特別図柄表示装置40A上において導出される第1特別図柄は、例えば「2」のゾロ目として表示される。
また、第1特図当り種類テーブル117Aが参照され、第1特別図柄の種類が2R特別図柄Bに決定された場合、後述の変動時間経過後に第1特別図柄表示装置40A上において導出される第1特別図柄は、例えば「4」のゾロ目として表示される。
また、同様に、第1特別図柄の種類が4R特別図柄Aに決定された場合、第1特別図柄表示装置40A上において導出される第1特別図柄は、例えば「6」のゾロ目として表示される。
また、同様に、第1特別図柄の種類が4R特別図柄Bに決定された場合、第1特別図柄表示装置40A上において導出される第1特別図柄は、例えば「8」のゾロ目として表示される。
また、第1特図当り種類テーブル117A又は第2特図当り種類テーブル117Bが参照され、第1特別図柄又は第2特別図柄の種類が16R特別図柄Aに決定された場合、第1特別図柄表示装置40A又は第2特別図柄表装置40B上において導出される第1特別図柄又は第2特別図柄は、例えば「7」のゾロ目として表示される。
【0033】
また、第2特図当り種類テーブル117Bが参照され、第2特別図柄の種類が16R特別図柄Bに決定された場合、第2特別図柄表装置40B上において導出される第2特別図柄は、例えば「1」のゾロ目として表示される。
また、第2特図当り種類テーブル117Bが参照され、第2特別図柄の種類が16R特別図柄Cに決定された場合、第2特別図柄表装置40B上において導出される第2特別図柄は、例えば「3」のゾロ目として表示される。
また、第2特図当り種類テーブル117Bが参照され、第2特別図柄の種類が16R特別図柄Dに決定された場合、第2特別図柄表装置40B上において導出される第2特別図柄は、例えば「5」のゾロ目として表示される。
また、第2特図当り種類テーブル117Bが参照され、第2特別図柄の種類が16R特別図柄Eに決定された場合、第2特別図柄表装置40B上において導出される第2特別図柄は、例えば「9」のゾロ目として表示される。
また、第2特図当り種類テーブル117Bが参照され、第2特別図柄の種類が16R特別図柄Fに決定された場合、第2特別図柄表装置40B上において導出される第2特別図柄は、例えばアルファベット「F」のゾロ目として表示される。
なお、第1特図抽選又は第2特図抽選の結果がハズレである場合、第1特別図柄表示装置40A又は第2特別図柄表示装置40B上には、例えば識別不能な形状,記号等が表示される。また、上記第1特別図柄及び第2特別図柄の具体的表示は例示であって、これに限定されるものではなく、全ての当り種類に対して識別不能又は困難な表示としてもよい。
【0034】
次に、第1特図当り種類テーブル117A及び第2特図当り種類テーブル117Bに規定された当り種類について説明する。2R特別図柄A、2R特別図柄B、4R特別図柄A、4R特別図柄B、16R特別図柄A〜Fのそれぞれには、当り遊技のラウンド数の種類が予め対応付けられている。「2R」、「4R」および「16R」は、「2ラウンド」、「4ラウンド」および「16ラウンド」の略であり、その特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)に予め対応付けられた当り遊技のラウンド数の種類である。つまり、第1特別図柄表示装置40A又第2特別図柄表示装置40Bに停止して表示される特別図柄の種類(当り種類)が決定されることによって、当り遊技のラウンド数の種類が決定されるようになっている。また、上記第1特図抽選又は第2特図抽選の結果として導出される当り種類に応じて、後述の遊技状態制御手段180により遊技状態の移行処理が実行される。
【0035】
以上のとおり、特別図柄用当否抽選手段110は、第1始動入賞口61又は第2始動入賞口62に遊技球が入賞したことを契機に、当否判定用乱数及び当り種類決定用乱数を取得し、所定の契機が到来したことに基づいて当否に係る特図抽選を行うとともに、複数種類の特別図柄の中から当否に係る特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)を決定する機能を備える。
なお、ここで所定の契機とは、前述の第1特別図柄及び第2特別図柄が変動中ではなく、かつ、当り遊技中でない場合であり、例えば、現在の遊技状態が当り遊技中ではなく、当否判定用乱数及び当り種類決定用乱数の保留記憶時に第1特別図柄又は第2特別図柄が変動中である場合、当該変動中の第1特別図柄又は第2特別図柄の変動時間が経過し、所定の態様により停止した後に上記処理が逐次実行される。
また、上述の当否判定処理及び当該処理に引き続いて実行される当り種類決定処理が行われる順序は、第1始動入賞口61又は第2始動入賞口62への入賞順、換言すればRAMに保留記憶された順に実行するようにしても良いし、例えば一方の第2始動入賞口62への入賞によって取得された当否判定用乱数に係る当否判定処理及び当り種類決定処理を優先して実行するようにしてもよい。
【0036】
図3に戻り、当り遊技制御手段160について説明する。当り遊技制御手段160は、上述の第1特図抽選又は第2特図抽選の結果が当りである場合に、アタッカ駆動装置65A又は第2大入賞口77Aを駆動して遊技者に当り遊技を提供する。
具体的には、第1特図当りの種類が2R特別図柄Aである場合、当り遊技制御手段160は、第2大入賞口駆動装置77Aを駆動して第2大入賞口77を1ラウンドあたり0.2秒開放する。また、同様に、第1特図当りの種類が2R特別図柄Bである場合も、当り遊技制御手段160は、第2大入賞口駆動装置77Aを駆動して第2大入賞口77を1ラウンドあたり0.2秒開放する。また、第1特図当りの種類が4R特別図柄Aである場合、当り遊技制御手段160は、アタッカ駆動装置65Aを駆動して第1大入賞口64を1ラウンドあたり最長30秒開放する。また、同様に、第1特図当りの種類が4R特別図柄Bである場合、当り遊技制御手段160は、アタッカ駆動装置65Aを駆動して第1大入賞口64を1ラウンドあたり最長30秒開放する。
また、第1特図当り又は第2特図当りの種類が16R特別図柄Aである場合、又は、第2特図当りの種類が16R特別図柄B〜Fである場合、当り遊技制御手段160は、アタッカ駆動装置65Aを駆動して第1大入賞口64を1ラウンド最長30秒開放する。つまり、当り遊技制御手段160は当り種類ごとに規定されたラウンドに従って予め規定された時間だけ第1大入賞口64又は第2大入賞口77を開放することにより、遊技者にとって有利な遊技状態である当り遊技を実行する。
【0037】
図3に示す普通図柄用当否抽選手段150は、スルーチャッカ66を遊技球が通過したことを契機に、普図当りまたはハズレを電子抽選(普図抽選)により決定するものである。この普通図柄用当否抽選手段150は、前述の特別図柄用当否抽選手段110と略同様に構成されたものであり、具体的には、
図7に示すように、普通図柄用当否抽選手段150は、周期的(例えば2ミリ秒侮)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数である普図当否用乱数を発生させる普図当否用乱数発生手段151と、スルーチャッカ66を遊技球が通過したことを契機に、言い換えると、スルーチャッカ検知センサ94からの遊技球検知信号が主制御装置100に入力されたことに基づき、普図当否用乱数発生手段151で発生した普図当否用乱数を取得(ラッチ)する普図当否用乱数取得手段152と、この普図当否用乱数取得手段152により取得された普図当否用乱数が普図当りであるかハズレであるかを、普図低確時判定テーブル153A又は普図高確時判定テーブル153Bを参照して判定する普図当否判定手段153と、普通図柄の変動中に普図当否用乱数取得手段152が普図当否用乱数を取得した場合に、その普図当否用乱数を所定の上限個数(本実施形態では4個)まで、普通図柄に係る保留球乱数として主制御装置100のRAMを利用して記憶する普図当否用乱数保留手段154とを備える。つまり、普通図柄用当否抽選手段150は、スルーチャッカ66を遊技球が通過したことを契機に当否に係る普図抽選を行う手段である。
【0038】
普図低確時判定テーブル153A及び普図高確時判定テーブル153Bは、普図当否用乱数と普図当りおよびハズレとの対応関係を規定するものであり、具体的な内容の図示は省略するが、普図高確時判定テーブル153Bによる普図当りの当選確率は例えば1/1.1に設定されていて、普図低確時判定テーブル153Aによる普図当りの当選確率は1/120に設定されている。つまり、普図高確時判定テーブル153Bの方が、普図低確時判定テーブル153Aに比べて格段に普図当りに当選する確率が高くなるように設定されているとともに、殆どの場合に普図当りに当選するようになっている。
【0039】
なお、以下便宜上、普通図柄用当否抽選手段150において普図低確時判定テーブル153Aが用いられて普図当りまたはハズレが決定される遊技状態を「普図低確」といい、普図高確時判定テーブル153Bが用いられて普図当りまたはハズレが決定される遊技状態を「普図高確」又は「時短遊技」という。なお、当該「普図低確」又は「普図高確」の切り替えは、後述の遊技状態制御手段180により実行される。
【0040】
図3に示す電動チューリップ制御手段170は、普通図柄用当否抽選手段150による電子抽選(普図抽選)で普図当りに当選した場合に、電動チューリップ63の電動チューリップ駆動装置63Aへの通電を行い、電動チューリップ63の1対の羽根部材を開閉させるものである。この電動チューリップ制御手段170は、普図高確中において1回の普図当りに対し電動チューリップ63を例えば開放時間2.9秒で2回開放させ、普図低確中において1回の普図当りに対し電動チューリップ63を開放時間0.2秒で1回開放させるようになっている。普図高確中(時短遊技中)においては、前述のように、普通図柄用当否抽選手段150による電子抽選で殆ど普図当りに当選し、その当選に基づき電動チューリップ63が2.9秒で2回開放されるため、遊技者が遊技盤30の右側部に遊技球を打ち出せば、第2始動入賞口62に遊技球を容易に入賞させることができ、この結果、普図高確中は、遊技球を殆ど減らすことなく遊技を行うことができる。つまり、普図高確は、電動チューリップ63の開放が行われやすく、遊技者にとっては第2始動入賞口62への遊技球の入賞が容易化(サポート)される状態(所謂、電サポ状態)である。
【0041】
次に、
図3に示す特別図柄変動表示制御手段130について説明する。特別図柄変動表示制御手段130は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動パターン(変動時間)を複数種類の変動パターンのうちから電子抽選により決定するものである。同図に示すように、特別図柄変動表示制御手段130は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターンを決定する特別図柄用変動パターン抽選手段131備えており、特別図柄用変動パターン抽選手段131は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動時間を決定する。
【0042】
具体的には、
図8に示すように、特別図柄用変動パターン抽選手段131は、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜99の整数の範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数である特図変動パターン用乱数を発生させる特図変動パターン用乱数発生手段132と、第1始動入賞口61又は、第2始動入賞口62への遊技球の入賞を契機に(第1始動入賞口検知センサ91又は第2始動入賞口検知センサ92からの遊技球検知信号が主制御装置100に入力されたことに基づき)特図変動パターン用乱数発生手段132で発生した特図変動パターン用乱数を取得(ラッチ)する特図変動パターン用乱数取得手段133と、特図変動パターン用乱数取得手段133により取得された特図変動パターン用乱数に基づき、普図低確用特図変動パターンテーブル134A又は普図高確用特図変動パターンテーブル134Bの何れか1つを参照して第1特別図柄又は第2特別図柄の特図変動パターンを選択する特図変動パターン選択手段134と、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中に第1始動入賞口61又は第2始動入賞口62への遊技球の入賞に基づき特図変動パターン用乱数取得手段133が特図変動パターン用乱数を取得した場合に、当該乱数を所定の上限個数まで主制御装置100のRAMを利用して個別に記憶する特図変動パターン用乱数保留手段135とを備える。なお、保留記憶可能な特図変動パターン用乱数の上限は、前述の当否判定用乱数における上限と同一である。
つまり、特図変動パターン用乱数は、第1始動入賞口61又は第2始動入賞口62への入賞を契機として、前述の特図当否判定乱数及び当り種類決定用乱数と共に取得される乱数である。
【0043】
変動パターンテーブル134A;134Bは、特図変動パターン用乱数と特図変動パターンNoとの対応関係を規定するものである。特図変動パターンNoは、特図変動パターン(変動時間)の種類と予め対応付けられたものである。
【0044】
図9に示すように、変動パターンテーブル134A;134Bは、現在の遊技状態(普図低確又は普図高確)と対応しており、特図変動パターン選択手段134は、そのときの遊技状態が普図低確であるか、又は普図高確であるかによって上記いずれかの変動パターンテーブルを参照して、第1特別図柄又は第2特別図柄それぞれの特図変動パターンを決定するようになっている。
【0045】
以下、
図9を参照して各変動パターンテーブル134A;134Bについて説明する。同図に示すように、各変動パターンテーブルはそれぞれ、前述の第1特図抽選又は第2特図抽選の結果が当りである場合に参照される当り用テーブルと、第1特図抽選又は第2特図抽選の結果がハズレである場合に参照されるハズレ用テーブルとに区分される。
【0046】
図9(a)に示すように、特図変動パターン選択手段134により、遊技状態が普図低確、かつ、特図抽選の結果がハズレである場合に参照されるハズレ用変動パターンテーブル134A−1には、特別図柄変動パターン用乱数と対応して複数の特図変動パターンNoが規定される。具体的には、特別図柄変動パターン用乱数0〜40に特図変動パターンNo11(変動時間12秒)が対応付けられ、特別図柄変動パターン用乱数41〜70に特図変動パターンNo12(変動時間12秒)が対応付けられ、特別図柄変動パターン用乱数71〜90に特図変動パターンNo13(変動時間60秒)が対応付けられ、特別図柄変動パターン用乱数91〜99に特図変動パターンNo14(変動時間90秒)が対応付けられている。
また、遊技状態が普図低確であり、かつ、特図抽選の結果が当りである場合に参照される当り用変動パターンテーブル134A−2には、乱数0〜40に特図変動パターンNo1(変動時間60秒)が対応付けられ、特別図柄変動パターン用乱数41〜70に特図変動パターンNo2(変動時間60秒)が対応付けられ、特別図柄変動パターン用乱数71〜90に特図変動パターンNo3(変動時間60秒)が対応付けられ、特別図柄変動パターン用乱数91〜99に特図変動パターンNo4(変動時間90秒)が対応付けられている。
【0047】
また、
図9(b)に示すように、遊技状態が普図高確であり、かつ、特図抽選の結果がハズレである場合に参照されるハズレ用変動パターンテーブル134B−1には、特別図柄変動パターン用乱数と対応して複数の特図変動パターンNoが規定される。
具体的には、特別図柄変動パターン用乱数0〜50に特図変動パターンNo15(変動時間4秒)が対応付けられ、特別図柄変動パターン用乱数51〜80に特図変動パターンNo16(変動時間4秒)が対応付けられ、特別図柄変動パターン用乱数81〜89に特図変動パターンNo13(変動時間60秒)が対応付けられ、特別図柄変動パターン用乱数90〜99に特図変動パターンNo14(変動時間60秒)が対応付けられている。また、遊技状態が普図高確であり、かつ、特図抽選の結果が当りである場合に参照される当り用変動パターンテーブル134A−2には、乱数0〜40に特図変動パターンNo1(変動時間60秒)が対応付けられ、特別図柄変動パターン用乱数41〜70に特図変動パターンNo2(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数71〜90に特図変動パターンNo3(変動時間60秒)が対応付けられ、特別図柄変動パターン用乱数91〜99に特図変動パターンNo4(変動時間90秒)が対応付けられている。
【0048】
上述のとおり、特図抽選の結果がハズレであり、かつ、遊技状態が普図低確である場合に参照されるハズレ用変動パターンテーブル134A−1と、特図抽選の結果がハズレであり、かつ、遊技状態が普図高確である場合に参照されるハズレ用変動パターンテーブル134B−1とを比較した場合、テーブルに規定された平均変動時間が、特図抽選の結果がハズレであり、かつ、遊技状態が普図高確である場合に参照されるハズレ用変動パターンテーブル134Bの方が短く設定されている。従って、遊技状態が普図高確である場合に、ハズレ用変動パターンテーブル134Bが参照されることにより、特図抽選の結果がハズレである場合の第1特別図柄又は第2特別図柄の変動時間が大幅に短縮されることとなり、遊技状態が普図高確である場合は、遊技状態が普図低確である場合と比較して単位時間当たりに実行される特図抽選の回数が増加することとなる。
なお、変動パターンテーブルの種類は上述したものに限らず、例えば当否判定用乱数の保留記憶数が3個である場合に参照されるテーブルや、4個である場合に参照されるテーブル等を設け、保留記憶数の増加に伴って第1特別図柄又は第2特別図柄が導出表示されるまでの変動時間を漸次短くするようにしてもよい。また、同図に示した各特図変動パターンの選択率は例示であって、選択率を変更することにより変動時間の選択割合を適宜設定可能である。
【0049】
次に、
図3に示す遊技状態制御手段180について説明する。遊技状態制御手段180は、上述の第1特図抽選又は第2特図抽選の結果が当り(第1特図当り又は第2特図当り)である場合に、当該当りの種類に応じて当り遊技後の遊技状態(特図低確,特図高確,普図低確,普図高確の組み合わせ)を切り替える。
本実施形態における当り種類は、上述のとおり、2R特別図柄A、2R特別図柄B、4R特別図柄A、4R特別図柄B及び16R特別図柄A〜Fの10種類が存在し、各当り種類に応じてその後の遊技状態が対応付けられている。
【0050】
図11は、当り種類とその後の遊技状態とが対応付けられた遊技状態設定テーブル180Aを示す。同図に示すように、当り種類が2R特別図柄Aである場合、遊技状態制御手段180は、当り遊技後の遊技状態を現在の遊技状態と同一の状態として維持する。つまり、2R特別図柄Aは、遊技状態の変更をもたらさない当りである。このように、2R特別図柄Aは、上述のとおり、当り遊技において実質的な賞球を得ることが困難であり、かつ、遊技状態に何等の変化ももたらさない当りであることから「小当り」と呼ばれる場合がある。
また、当り種類が2R特別図柄Bである場合、遊技状態制御手段180は、当り遊技後の遊技状態を普図低確かつ特図高確の遊技状態に切り替える。また、当り遊技後の確変遊技は、次回の特図抽選の結果が当りとなるまで継続する。なお、特図高確を例えば当り遊技終了後から第1特図抽選又は第2特図抽選が所定の回数実行されるまで継続する構成としてもよい。また、当該2R特別図柄B後の遊技状態は、非時短遊技であるため、電動チューリップ63の開放が稀にしか行われないことから、前述の2R特別図柄A後の遊技状態と外見上の区別が付かず、例えば「潜伏当り」と呼ばれる場合がある。
【0051】
当り種類が4R特別図柄Aである場合、遊技状態制御手段180は、当り遊技後の遊技状態を普図高確かつ特図低確の遊技状態に切り替える。また、当り遊技後の時短遊技は、第1特図抽選及び第2特図抽選の合算回数が80回に達するまで継続する。
当り種類が4R特別図柄Bである場合、遊技状態制御手段180は、当り遊技後の遊技状態を普図高確かつ特図高確の遊技状態に切り替える。また、当り遊技後の時短遊技及び確変遊技は、次回の特図抽選の結果が当りとなるまで継続する。
なお、4R特別図柄A及び4R特別図柄B後の遊技状態は、時短遊技であることから、共に電動チューリップ63の開放が頻繁に行われ、さらに後述する演出モードが共通であることから、電動チューリップ63の開放頻度や、演出図柄表示装置50上の表示から内部状態(特図低確又は特図高確)を区別することはできない。
一方で、時短遊技が80回を超えた場合には、当該時短遊技の契機となった当り種類が4R特別図柄Bであったことが確定し、遊技者は、時短遊技及び確変遊技が、次回の特図抽選の結果が当りとなるまで継続することを認識できる。
【0052】
当り種類が16R特別図柄Aである場合、遊技状態制御手段180は、当り遊技後の遊技状態を普図高確かつ特図高確の遊技状態に切り替える。また、当り遊技後の時短遊技及び確変遊技は、次回の特図抽選の結果が当りとなるまで継続する。
当り種類が16R特別図柄Bである場合、遊技状態制御手段180は、当り遊技後の遊技状態を普図高確かつ特図高確の遊技状態に切り替える。また、当り遊技後の時短遊技及び確変遊技は、次回の特図抽選の結果が当りとなるまで継続する。
なお、16R特別図柄A及び16R特別図柄Bは、ともに当り遊技後の遊技状態を時短遊技かつ確変遊技とする点で共通するが、16R特別図柄Aと16R特別図柄Bとでは、後述の演出モードが異なる。
【0053】
当り種類が16R特別図柄Cである場合、遊技状態制御手段180は、当り遊技後の遊技状態を普図高確かつ特図低確の遊技状態に切り替える。また、当り遊技後の時短遊技は、第1特図抽選及び第2特図抽選の合算回数が20回に達するまで継続する。
当り種類が16R特別図柄Dである場合、遊技状態制御手段180は、当り遊技後の遊技状態を普図高確かつ特図低確の遊技状態に切り替える。また、当り遊技後の時短遊技は、第1特図抽選及び第2特図抽選の合算回数が40回に達するまで継続する。
当り種類が16R特別図柄Eである場合、遊技状態制御手段180は、当り遊技後の遊技状態を普図高確かつ特図低確の遊技状態に切り替える。また、当り遊技後の時短遊技は、第1特図抽選及び第2特図抽選の合算回数が60回に達するまで継続する。
当り種類が16R特別図柄Fである場合、遊技状態制御手段180は、当り遊技後の遊技状態を普図高確かつ特図低確の遊技状態に切り替える。また、当り遊技後の時短遊技は、第1特図抽選及び第2特図抽選の合算回数が80回に達するまで継続する。
つまり、当り種類が16R特別図柄C乃至16R特別図柄Fは、ともに当り遊技後の遊技状態を時短遊技とする点で共通するが、時短遊技の上限(継続)回数(20回〜80回)が互いに異なっている。また、上述の16R特別図柄Bと16R特別図柄C〜Fとは、共に共通の演出モードに設定されており、電動チューリップ63の開放頻度や、演出図柄表示装置50上の表示から内部状態(特図低確又は特図高確)を区別することはできない。
一方で、時短遊技が80回を超えた場合には、当該時短遊技の契機となった当り種類が16R特別図柄Bであったことが確定し、遊技者は、時短遊技及び確変遊技が、次回の特図抽選の結果が当りとなるまで継続することを認識できる。
【0054】
以上のとおり、遊技状態制御手段180は、遊技状態を複数設定された当り種類に応じて当該当り遊技終了後の遊技状態を切り替える。なお、具体的な切り替え処理としては、主制御装置100のRAM内に設けられた図外の遊技状態設定フラグを当り遊技中に切り替えることや、第1特図抽選又は第2特図抽選の合算が所定の上限回数に到達したことに基づいて図外の遊技状態設定フラグを切り替えることにより実行される。
また、主制御装置100は、遊技状態設定フラグの切り替えと同時に、サブ制御装置200に対して演出モード移行コマンドを送信し演出モードを移行させる。演出モード移行コマンド及び演出モードについては後述する。
【0055】
以上の主制御装置100による当否判定処理、当り種類決定処理及び変動パターン決定処理によって抽出された情報は、当該情報を含む演出図柄変動コマンドとしてサブ制御装置200側に送信され、当該コマンドを受信したサブ制御装置200は、演出図柄表示装置50を制御することにより、特図抽選(第1特図抽選又は第2特図抽選)の結果を演出図柄の表示態様により報知する。
また、主制御装置100は、当否判定処理、当り種類決定処理及び変動パターン決定処理によって抽出した情報に基づいて、第1特別図柄表示装置40A又は第2特別図柄表示装置40Bの変動表示処理を実行し、変動時間経過後に当否判定処理の結果を示す態様で第1特別図柄又は第2特別図柄を変動停止させる。
また、主制御装置100は、変動時間経過と共にサブ制御装置200に対して演出図柄変動停止コマンドを送信し、サブ制御装置200により演出図柄Sの変動停止処理を実行させる。これにより、変動時間が経過した場合、第1特別図柄又は第2特別図柄は、演出図柄Sと略同期して導出表示されることとなる。また、主制御装置100は、当否判定処理の結果がいずれかの当りである場合、演出図柄変動停止コマンドとともに、サブ制御装置200に対して当り遊技開始コマンドを送信する。当該コマンドを受信したサブ制御装置200は、当り遊技開始前に演出図柄表示装置50上に当り遊技が開始される旨が表示された図外の当り遊技開始画像を演出図柄表示装置50上に導出し、遊技者に対して当り遊技が開始されることを報知する。
【0056】
以下、サブ制御装置200について説明する。
サブ制御装置200は、主制御装置100から送信される各種のコマンドに基づいてスピーカ8、ランプ10及び演出図柄表示装置50を制御する。また、サブ制御装置200は、特に演出図柄表示装置50を駆動させ、所定の演出動作を実行させる演出表示制御手段210を有する。なお、スピーカ8、ランプ10の具体的制御手段については説明を省略する。
【0057】
演出表示制御手段210は、概略、主制御装置100から送信されてくる演出図柄変動コマンドに含まれる情報である特図抽選(第1特図抽選又は第2特図抽選)の結果(当り又はハズレ)と、当りである場合の特別図柄の種類(当り種類)と、特図変動パターンNoとに基づき演出図柄表示装置50上に表示される演出図柄Sの変動態様(演出パターン)を決定する演出パターン選択手段220と、主制御装置100から送信される演出モード移行コマンドに基づいて演出モードを移行するとともに、演出モードに対応した演出背景を設定する演出モード選択手段230と、演出モードが後述の演出モードCに移行した際に、時短継続演出を実行する時短継続演出実行手段240と、演出モードが後述の演出モードCに移行した際に、当該演出モードC中の遊技回数(第1特図抽選又は第2特図抽選)をカウントする遊技回数カウント手段250と、演出モードが後述の演出モードCに移行した際に、時短継続示唆演出を実行する時短遊技継続示唆演出実行手段260とを備える。以下、演出表示手段210が備える各手段について説明する。
【0058】
演出パターン選択手段220は、主制御装置100から送信されてくる演出図柄変動コマンドの内容に基づいて、変動時間経過後に停止表示される演出図柄Sの停止態様(組み合わせ)を決定する。具体的には、演出パターン選択手段220は、当り種類が16R特別図柄Aに決定された場合に「333」又は「777」の数字の組み合わせを演出図柄Sの停止図柄として決定する。
一方、演出パターン選択手段220は、当り種類が16R特別図柄A以外の2R特別図柄A、2R特別図柄B、4R特別図柄A、4R特別図柄B、16R特別図柄B〜Fの何れかに決定された場合、「333」又は「777」を除く「111」,「222」,「444」,「555」,「666」,「888」,「999」の数字又は特定のキャラクタの組み合わせをランダム(抽選により)に演出図柄Sの停止図柄として決定する。
このように、当り種類が16R特別図柄A以外の当り種類である場合に、演出図柄Sの組み合わせをランダムに決定することにより、遊技者は同種のラウンド数(2R,4R,16R)を有する当り種類であっても、その後の遊技状態を演出図柄Sの組み合わせから把握することが不可能となり、遊技者に対して確変遊技又は時短遊技がいつまで続くか分からないというドキドキ感を与えることができ、遊技の興趣を増大させることが可能となる。
【0059】
また、演出表示制御手段210は、第1特図抽選又は第2特図抽選の結果がハズレの場合であって、演出パターンがリーチの場合には3つの数字のうちの中央の数字のみが他の2つと異なるリーチ目「121」や「454」などが演出図柄の停止図柄となるように、または、演出パターンがリーチでない場合には3つの数字が全て異なるハズレ目となるように、予め用意された複数種類のハズレ用停止図柄のうちから電子抽選により決定するようになっている。
【0060】
また、演出表示制御手段210は、前述の特別図柄変動表示制御手段130により決定された特図変動パターン(特図変動パターンNo)と、特図抽選の結果(当り又はハズレ)とに基づいて演出パターン(演出図柄Sの変動パターン)を決定するための演出パターンテーブル221とを備え、この演出パターンテーブル221を参照して演出図柄Sの演出パターンを選択する。
【0061】
演出図柄Sの演出パターンが規定された演出パターンテーブル221は、
図10に示すように、ハズレ用演出パターンテーブル221Aと、当り用演出パターンテーブル221Bとにより構成される。例えば、
図10(a)に示すハズレ用演出パターンテーブル221Aには、特図変動パターンNo11にハズレ変動A(変動時間12秒)が予め対応付けられていて、特図変動パターンNo12にハズレ変動B(変動時間12秒)が予め対応付けられていて、特図変動パターンNo13にミドルリーチA(変動時間60秒)が対応付けられていて、特図変動パターンNo14にロングリーチA(変動時間90秒)が対応付けられていて、特図変動パターンNo15にハズレ変動C(変動時間4秒)が対応付けられていて、特図変動パターンNo16にハズレ変動D(変動時間4秒)が対応付けられている。
【0062】
図10(b)に示す当り用演出パターンテーブル221Bには、特図変動パターンNo1にミドルリーチA(変動時間60秒)が予め対応付けられていて、特図変動パターンNo2にミドルリーチB(変動時間60秒)が予め対応付けられていて、特図変動パターンNo3にミドルリーチC(変動時間60秒)が予め対応付けられていて、特図変動パターンNo4にロングリーチA(変動時間90秒)が予め対応付けられている。
【0063】
演出パターン選択手段220は、演出図柄Sを演出図柄表示装置50において変動表示させるに際し、主制御装置100から送信される特図変動パターンNoと特図抽選の結果(当り又はハズレ)に基づいて上記演出パターンテーブル221を構成する何れかのテーブル(当り用又はハズレ用)を参照し、特図変動パターン(特図変動パターンNo)と対応する演出パターン(演出内容)を決定する。
【0064】
サブ制御装置200によって変動が開始された演出図柄Sは、上記各演出パターンにより変動を開始するとともに、変動時間の経過と共に前述の特別図柄の停止時期と略同期して第1特図抽選又は第2特図抽選の結果を示す態様により停止表示する。そして、停止表示された演出図柄S及び当該変動と同期して停止表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の停止態様が当りを示す態様である場合には、当り遊技が開始される。
【0065】
次に、演出モード選択手段230について説明する。演出モード選択手段230は、演出モード記憶手段230Aと、演出背景パターン記憶手段230Bと備え、主制御装置100から送信される演出モード移行コマンドに基づいて、複数存在する演出モードを変更するとともに、演出モードごとに対応した演出背景を設定する。
演出モード移行コマンドは、前述の遊技状態制御手段180による遊技状態の切り替えが実行された際に主制御装置100から同時に送信される。演出モード移行コマンドには、変更すべき演出モード情報と、モードの継続回数(時短遊技の継続回数)が含まれており、演出モード選択手段230は、当該演出モード情報に基づいて、演出モード記憶手段230Aに記憶された演出モード情報を更新する。演出モード記憶手段230Aは、サブ制御装置200のRAM内に設けられた記憶領域であって、演出モード移行コマンドを受信した際に演出モード情報(演出モードフラグ)を切り替えることにより実行される。
【0066】
以下、
図12を参照して、演出モードについて説明する。
図12は、複数設定された当り種類と、当り遊技後に移行する演出モード、及び、移行した演出モードにおいて可能性のある遊技状態を示す図である。
同図に示すように、演出モードA(通常モード)は、第1特図当り又は第2特図当りを獲得していない場合、或いは、他の演出モードが終了した場合に移行(滞在)するモードであり、当該通常モードに滞在している場合、可能性のある遊技状態は普図低確かつ特図低確である。よって、通常モード滞在中においては遊技者は一刻も早く第1特図当り又は第2特図当りを獲得することが目標となる。但し、通常モード中は普図低確(非時短遊技)であるため、第2特図当りを獲得することは困難であり、遊技者は専ら第1特図当りを獲得することが目標となる。
【0067】
演出モードB(ハイパードロンチャンスモード)は、第1特図当り又は第2特図当りの当り種類が16R特別図柄Aであった場合に移行(滞在)するモードである。当該ハイパードロンチャンスモードに滞在している場合、可能性のある遊技状態は普図高確(次回まで)かつ特図高確である。
つまり、当該モードは、実質的に次回の当り遊技(16R特別図柄A〜F)を獲得することが確定しているため、遊技者は極めて優位な心理状態で次回の当り遊技を待つことができる。
また、ハイパードロンチャンスモードは時短遊技であることから、当該モード滞在中においては、遊技者は遊技盤30の右側部に設けられた第2始動入賞口62を狙って遊技球を打ち出せば、実質的に遊技球を減らすことなく第2特図抽選のみを受けることが可能となる。
【0068】
演出モードC(おしおきチャレンジモード)は、第1特図当り又は第2特図当りの当り種類が4R特別図柄A、4R特別図柄B、16R特別図柄B〜Fのいずれかであった場合に移行(滞在)するモードである。当該おしおきチャレンジモードに滞在している場合、可能性のある遊技状態は、普図高確(20回〜80回の何れか)かつ特図低確、又は、普図高確(次回まで)かつ特図高確(次回まで)である。つまり、当該モードは、複数の遊技状態が混在した状態であるため、遊技者は、直前の当り遊技が4R又は16Rの当り遊技であった場合には、当該当り遊技の契機となった当り種類が4R特別図柄B又は16R特別図柄Bであり、現在の遊技状態が普図高確(次回まで)かつ特図高確(次回まで)であることを願いつつ遊技を行う心理状態となる。
より具体的には、時短遊技の継続回数が20回、40回、60回、80回と段階を経て多くなればなる程、普図高確(次回まで)である可能性が高くなり、時短遊技が80回を超えた場合、当該時短遊技が次回の大当りの当選まで続くことを確信できると同時に、確変遊技であることも確信できる。
つまり、当該おしおきチャレンジモードにおいては、時短遊技の継続回数が、内部的な遊技状態を予測するための重要な要素として位置付けられている。そして、遊技者は当該おしおきチャレンジモード滞在中において、遊技回数(第1特図抽選又は第2特図抽選の回数)が複数設定された時短遊技の各継続回数の上限に達する度に、即ち、各上限間の差である20回毎に時短遊技が継続する(次の上限まで達する)ことを願いながら、演出図柄表示装置50を注視して見守るのである。
【0069】
演出モードD(潜伏示唆モード)は、第1特図当りの当り種類が2R特別図柄A又は2R特別図柄Bであった場合に移行(滞在)するモードである。当該潜伏示唆モードに滞在している場合、可能性のある遊技状態は普図低確かつ特図低確又は、普図低確かつ特図高確(次回まで)である。
つまり、当該モードは、前述のおしおきチャレンジモードと同様に、複数の遊技状態が混在した状態であるため、遊技者は、直前の当り遊技が2Rの当り遊技であった場合には、当該当り遊技の契機となった当り種類が2R特別図柄Bであり、現在の遊技状態が普図低確かつ特図高確であることを願いつつ遊技を行う心理状態となる。
但し、潜伏示唆モード中は普図低確(非時短遊技)であるため、第2特図当りを獲得することは困難であり、通常モードと同様に遊技者は専ら第1特図当りを獲得することが目標となる。
【0070】
演出モード選択手段230は、演出モード記憶手段230Aに記憶された演出モード情報に基づいて、演出背景パターン記憶手段230Bの中から現在の演出モードと対応する演出背景データ(動画データ,画像データ等)を読み出し、読み出したデータを演出図柄表示装置50上に表示される演出背景として表示させる。
【0071】
図13(a)は、ハイパードロンチャンスモードに滞在している場合の演出背景を示し、(b)は、おしおきチャレンジモードに滞在している場合の演出背景を示す。
図13(a)に示すように、ハイパードロンチャンスモードに滞在している場合の演出背景は、特定のキャラクタと対戦する様子を示す動画が展開される。
一方、
図13(b)に示すように、おしおきチャレンジモードに滞在している場合の演出背景は、特定のキャラクタが車両に乗って走行中であることを示す動画が展開される。このように、滞在中の演出モードに応じて演出背景を互いに異なる態様とすることにより、演出図柄表示装置50を視認した遊技者は、演出図柄表示装置50上において展開される動画の種類によって滞在中の演出モードを認識することができ、ひいては、演出モードに応じた内部的な遊技状態を予測することができる。
【0072】
次に、時短遊技継続演出手段240について説明する。時短遊技継続演出手段240は、演出モードがおしおきチャレンジモードである場合に、遊技回数が複数設定された時短遊技の継続回数の上限(20回、40回、60回、80回)に達するごとに、時短遊技が継続するか否かを遊技者に報知する時短継続演出を演出図柄表示装置50上において実行する。
【0073】
図14(a)〜(e)は、時短遊技継続演出開始時に演出図柄表示装置50上に表示される時短遊技継続演出を示す図である。
図14(a)に示すように時短継続演出においては、それまで表示されていたおしおきチャレンジモード用の演出背景を遮るように左右から扉が閉まる様子が表示され、さらに閉じた扉の中央部に円環状のゲージ表示部R1が表示される。
また、ゲージ表示部R1の右上方には、遊技回数が複数設定された時短遊技の継続回数の上限に達する以前に後述のコイン獲得演出によって獲得したコインの枚数が表示されるコイン枚数表示部R2が設けられている。
【0074】
ゲージ表示部R1は、複数のメモリによって細分化されている。ゲージ表示部R1のメモリは、時短遊技継続演出開始後、
図14(a)に示す「ボタン連打でメモリを貯めろ!」との表示がなされた後に遊技者が操作部9のボタン9Bを押下することにより、
図14(b)に示すように例えば時計回りの方向で徐々に点灯していき、当該メモリの点灯が一周して12時の方向まで到達した場合、
図14(d)に示すように時短遊技が継続することを示す「継続」との表示を行い、
図14(e)に示す時短遊技が20回加算されたことを示す「+20」との表示を行う。
一方、遊技者のボタン9Bの押下によってもメモリの点灯が12時の方向まで到達しなかった場合、
図14(c)に示すように時短遊技が終了することを示す「おしおきチャレンジ終了」との表示がなされる。
【0075】
次に、遊技回数カウント手段250について説明する。遊技回数カウント手段250は、演出モードがおしおきチャレンジモードである場合に、主制御装置100から送信される図柄変動コマンドを受信したことに基づいて、遊技回数を1加算して記憶するソフトウェア又はハードウェア上のカウンタである。
当該遊技回数カウント手段250によってカウントされた遊技回数は、上述の時短遊技継続演出手段240によって参照され、遊技回数カウント手段250によってカウントされた遊技回数が、複数設定された時短遊技の継続回数の上限と一致した場合に、時短遊技が継続するか否かを遊技者に報知する上述の時短遊技継続演出を演出図柄表示装置50上において実行する。
【0076】
時短遊技継続演出手段240は、メモリ増加判定用乱数発生手段240Aと、メモリ増加判定用乱数発生手段240Aによって発生した乱数を遊技者によるボタン9Bの押下に応じて取得するメモリ増加判定用乱数取得手段240Bと、当該メモリ増加判定用乱数取得手段240Bにより取得されたメモリ増加判定用乱数とメモリ増加判定テーブル240Dとを比較して、メモリ増加の有無を判定するメモリ増加判定手段240Cとを備える。
メモリ増加判定用乱数発生手段240Aは、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜9の整数の範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数であるメモリ増加判定用乱数を発生させる。メモリ増加判定用乱数取得手段240Bは、遊技者によるボタン9Bの操作、即ち、ボタン9Bからの入力信号に基づいて、メモリ増加判定用乱数発生手段240Aにおいて発生した乱数の中から1つのメモリ増加判定用乱数を取得する。メモリ増加判定手段240Cは、メモリ増加判定テーブル240Dを参照し、取得されたメモリ増加判定用乱数に対応したメモリ増加の有無を決定する。
【0077】
図15は、メモリ増加判定テーブル240Dの内容を示す図である。同図に示すようにメモリ増加判定テーブル240Dは、時短遊技が継続する場合に参照される継続用メモリ増加判定テーブル240D−1と、時短遊技が終了する場合に参照される終了用メモリ増加判定テーブル240D−2とから構成される。
継続用メモリ増加判定テーブル240D−1には、取得されたメモリ増加判定用乱数に対して50%の割合で、「メモリ増加有り」との情報が規定され、残余の50%の割合で、「メモリ増加無し」との情報が規定されている。つまり、遊技者によってボタン9Bの押下がなされ、メモリ増加判定手段240Cが継続用メモリ増加判定テーブル240D−1を参照した場合、ボタン9Bの操作1回につき50%の確率でゲージ表示部R1のメモリが増加することとなる。
一方、終了用メモリ増加判定テーブル240D−2には、取得されたメモリ増加判定用乱数に対して30%の割合で、「メモリ増加有り」との情報が規定され、残余の70%の割合で、「メモリ増加無し」との情報が規定されている。つまり、遊技者によってボタン9Bの押下がなされ、メモリ増加判定手段240Cが継続用メモリ増加判定テーブル240D−2を参照した場合、ボタン9Bの操作1回につき30%の確率でしかゲージ表示部R1のメモリが増加することがない。
【0078】
メモリ増加判定手段240Cは、演出モード記憶手段230Aに記憶された演出モードと、遊技回数カウント手段250によってカウントされた現在の遊技回数とに基づいて、上記継続用メモリ増加判定テーブル240D−1又は終了用メモリ増加判定テーブル240D−2の何れかを参照し、メモリ増加の有無を判定する。
例えば、現在の遊技回数が20回目であり、演出モード記憶手段230Aに記憶された演出モード(おしおきチャレンジモード)の終了回数が40回に設定されている場合、メモリ増加判定手段240Cは、継続用メモリ増加判定テーブル240D−1を参照し、メモリ増加の有無を判定する。
一方、現在の遊技回数が20回目であり、おしおきチャレンジモードの終了回数が20回に設定されている場合、メモリ増加判定手段240Cは、終了用メモリ増加判定テーブル240−2を参照し、メモリ増加の有無を判定する。
このように、おしおきチャレンジモードの終了回数と現在の遊技回数とに基づいて、継続用メモリ増加判定テーブル240D−1又は終了用メモリ増加判定テーブル240D−2を参照することにより、時短遊技が継続する際にはボタン9Bの押下によりメモリが増加し易くなる。
一方、時短遊技が終了する際にはボタン9Bの押下によってもメモリが増加し難くなるため、遊技者はボタン9Bを連打することによるメモリ増加の速さによって、時短遊技継続への期待度を推測することが可能となる。
【0079】
時短遊技継続演出実行手段240は、上記メモリ増加判定手段240Cによるメモリの増加有無に関する判定の結果が、「メモリ増加有り」である場合、ゲージ表示部R1のメモリを単数又は複数増加させる。また、時短遊技継続演出手段240は、遊技者のボタン9Bの操作(連打)により、メモリが12時の方向まで到達した場合、
図14(d),(e)に示す時短遊技が継続する旨を報知する画像表示を行う。
なお、演出モードと遊技回数カウント手段250によってカウントされた現在の遊技回数とに基づいて、時短遊技が終了することとなる場合、遊技者のボタン9Bの操作によってもメモリが12時の方向まで到達(最大数まで到達)することはなく、時短遊技継続演出手段240は、
図14(c)に示す時短遊技が終了した旨を報知する画像表示を行う。
また、遊技者がボタン9Bを操作しない場合、或いは操作によってもメモリが12時の方向まで到達しない場合であっても時短遊技が継続することとなる場合には、
図14(d),(e)に示す時短遊技が継続する旨を報知する画像表示を強制的に行う。
【0080】
以下、
図16のフローに基づいて時短遊技継続演出手段240を備えたサブ制御装置200の時短遊技継続演出処理について説明する。
サブ制御装置200は、S100において現在の演出モードが演出モードC(おしおきチャレンジモード)であるかを判定し、YESの場合S101に移行し、NOの場合処理を終了する。当該判定処理は、前述のとおり演出モード記憶手段230Aに記憶された演出モード情報に基づいて実行される。サブ制御装置200は、S101において現在の遊技回数が、複数設定された時短遊技の継続回数の上限と一致するかを判定し、YESの場合、S102に移行し、NOの場合、後述する時短遊技継続示唆演出処理に移行する。
サブ制御装置200は、S102において、演出図柄表示装置50上に
図14(a)に示す画像を表示し、時短継続演出が開始されることを遊技者に報知し、S103に移行する。
【0081】
サブ制御装置200は、S103において、
図14(b)に示す画像表示後、遊技者の操作によってボタン9Bが押下されたかを判定し、YESの場合S104に移行し、NOの場合、S111に移行する。サブ制御装置200は、S104において、前述のメモリ増加判定手段240Cによるメモリ増加判定を実行し、S105に移行する。
【0082】
サブ制御装置200は、S105において、メモリ増加判定の結果が「メモリ増加有り」か否を判定し、YESの場合S106に移行し、NOの場合S111に移行する。
サブ制御装置200は、S106において、演出図柄表示装置50上に表示されたゲージ表示部R1のメモリを増加させ、S107に移行する。
サブ制御装置200は、S107において、ゲージ表示部R1が最大数(12時の方向まで到達したか)に到達したかを判定し、YESの場合S110に移行し、NOの場合S108に移行する。
サブ制御装置200は、S108において、所定時間が経過したかを判定し、YESの場合S109に移行し、NOの場合、再びS103に移行する。ここで所定時間とは、「ボタン連打でメモリを貯めろ!」との表示がなされてから、ボタン9Bの入力の受け付けが終了するまでの期間であって、遊技者は当該期間にボタン9Bを押下(連打)することにより、メモリを増加させることができる。つまり、所定期間が経過するまでは、遊技者によるボタン9Bの押下により応じて繰り返しメモリ増加判定手段240Cによるメモリ増加判定が実行される。
【0083】
サブ制御装置200は、S109において、時短遊技が継続であるかを判定し、YESの場合S110に移行し、NOの場合S113に移行する。
前述のとおり、時短遊技が継続であるかの判定は、演出モード記憶手段230Aに記憶された演出モード情報(20回,40回,60回,80回,次回)と、遊技回数カウント手段250によってカウントされた現在の遊技回数とに基づいて判定され、現在の遊技回数が、演出モード情報の時短遊技の上限回数を下回る場合には、時短継続との判定がなされ、現在の遊技回数が、時短遊技の上限回数と一致する場合には時短遊技終了との判定がなされる。
【0084】
サブ制御装置200は、S110において、S109における判定が時短継続であることに基づいて
図14(d),(e)に示す画像を表示し、時短遊技が継続する旨を遊技者に対して報知し、処理を終了する。
【0085】
サブ制御装置200は、S103の処理においてボタン9Bの操作がなされない場合、又はS105の処理においてメモリ増加判定の結果が「メモリ増加無し」である場合に移行する。S111において、所定時間が経過したかを判定し、YESの場合S112移行し、NOの場合S103の処理を再び実行する。なお、所定時間とは、S108における所定時間と同様の時間である。
【0086】
サブ制御装置200は、S112において、時短遊技が継続であるかを判定し、YESの場合S110に移行し、NOの場合S113に移行する。当該時短遊技が継続であるかの判定は、前述のS109における判定と同様の判定である。
【0087】
サブ制御装置200は、S113において、S109又はS112における判定がNOであること、換言すれば時短遊技が終了であることに基づき、
図14(c)に示す画像を表示し、時短遊技が終了する旨を遊技者に対して報知し、処理を終了する。
【0088】
以上のとおり、本実施形態に係る時短遊技継続演出手段240を備えたサブ制御装置200によれば、複数の遊技状態が混在した演出モードC、換言すれば時短遊技の継続回数の上限がそれぞれ異なるように設定された複数の遊技状態を含む演出モードCにおいて、遊技回数が各継続回数の区切りとなる上限回数(20回,40回,60回,80回)に達する度に、上記時短遊技継続演出が実行されるため、遊技者は時短遊技継続演出が演出図柄表示装置50上に表示される度に、時短遊技がさらに継続するかも知れないという期待感を持って遊技を持続的に楽しむことができる。
また、例えば遊技回数が80回に到達し、当該80回目に実行される合計4回目の時短遊技継続演出においてメモリが最大数まで到達した場合、遊技状態が普図高確(次回まで)かつ特図高確であることが確定するため、遊技者は一層の期待感を持って遊技を楽しむことが可能となる。
【0089】
次に、時短遊技継続示唆演出手段260について説明する。時短遊技継続示唆演出手段260は、コイン増加判定用乱数発生手段260Aと、コイン増加判定用乱数発生手段260Aによって発生した乱数を主制御装置100から送信される演出図柄変動コマンドの受信に基づいて取得するコイン増加判定用乱数取得手段260Bと、当該コイン増加判定用乱数取得手段260Bにより取得されたコイン増加判用乱数とコイン増加判定テーブル260Dとを比較して、1回のコインの増加枚数を決定するコイン増加枚数決定手段260Cとを備える。
なお、コイン増加判定用乱数発生手段260A及びコイン増加判定用乱数取得手段260Bの構成については、前述のメモリ増加判定用乱数発生手段240A、及び、メモリ増加判定用乱数取得手段240Bと同様であるので説明を省略する。
上記構成からなる時短遊技継続示唆演出手段260は、演出モードがおしおきチャレンジモードである場合に、遊技回数が複数設定された時短遊技の継続回数の上限に達する以前の遊技中に時短遊技の継続可能性を示唆するコイン獲得演出を実行し、時短遊技の継続可能性、より詳細には次回の時短遊技継続演出においてメモリが最大数まで到達する期待度を示唆する。
【0090】
図17は、時短遊技継続示唆演出実行手段260によりコイン獲得演出が実行され、コインを例えば5枚獲得した時の様子を示す画像である。
図17(a)に示すように、コイン獲得演出においては、獲得したコインの枚数が中央部に表示されるとともに(図示の例では5枚)、
図17(b)に示すように、獲得したコインがコイン枚数表示部R2に貯留枚数として表示される。
また、1回のコイン獲得演出において獲得可能な枚数は、例えば0枚、1枚、3枚、5枚、10枚等に設定されており、遊技回数が時短遊技の各上限回数に達するまでの間(1回〜19回,21回〜39回,41回〜59回,61回〜79回)に獲得したコインの合算がコイン枚数表示部R2に貯留枚数として表示される。
【0091】
また、遊技回数が時短遊技の上限回数に達する前にコイン獲得演出において獲得したコインの合算枚数は、次回の時短遊技継続演出開始時において表示されるゲージ表示部R1を構成する複数のメモリの初期点灯数として反映される。具体的には、
図18に示すように、例えば、遊技回数が1回から19回までの間にコインを10枚獲得していた場合、当該コイン枚数分のメモリが予め点灯した状態となり、遊技者は残り10個分のメモリをボタン9Bの操作により獲得すればよいこととなる。つまり、コイン獲得演出は、コイン獲得演出によって獲得したコインの合算枚数によって、メモリを最大数まで到達させることの難易度、換言すれば時短遊技継続の可能性を示唆する演出である。
【0092】
以下、
図15(b)のフローに基づいて、時短遊技継続示唆演出手段260を備えたサブ制御装置200の時短継続示唆演出処理について説明する。
サブ制御装置200は、前述の時短遊技継続演出におけるS101の判定がNOになったことに基づいて、換言すれば現在の遊技回数が時短遊技の上限回数に達していないことに基づいて時短遊技継続示唆演出処理を実行する。
サブ制御装置200は、S200において、コイン増加枚数決定手段260Cによるコイン増加枚数決定処理を実行し、S201に移行する。当該処理において、コイン増加枚数決定手段260Cは、コイン増加判定用乱数取得手段260Bによって取得されたコイン増加判定用乱数とコイン増加判定テーブル260Dとに基づいて、増加させるべきコインの枚数を決定する。
【0093】
図15(c)は、コイン増加判定テーブル260Dを示す図である。同図に示すように、コイン増加判定テーブル260Dは継続用コイン増加判定テーブル260D−1と終了用コイン増加判定テーブル260D−2とから構成されている。
継続用コイン増加判定テーブル260D−1及び終了用コイン増加判定テーブル260D−2には、取得されたコイン増加判定用乱数に対して複数のコイン増加枚数が規定(0枚,1枚,3枚,5枚,10枚)されている点で共通するが、その選択(振り分け)率が異なる。
例えば、継続用コイン増加判定テーブル260D−1が参照された場合、コイン増加枚数が1枚以上となる確率は、全体の70%に設定されているのに対して、終了用コイン増加判定テーブル260D−2が参照された場合、コイン増加枚数が1枚以上となる確率は、40%に設定されている。
【0094】
コイン増加枚数決定手段260Cは、演出モード記憶手段230Aに記憶された演出モードと、遊技回数カウント手段250によってカウントされた現在の遊技回数とに基づいて、継続用コイン増加判定テーブル260D−1又は終了用コイン増加判定テーブル260D−2の何れかを参照し、コイン増加の枚数を決定する。このように、おしおきチャレンジモードの終了回数と現在の遊技回数とに基づいて、継続用コイン増加判定テーブル260D−1又は終了用コイン増加判定テーブル260D−2を参照することにより、区切りの遊技回数である時短遊技の上限回数において時短遊技がさらに継続する際には、獲得するコイン枚数の合算が多くなる傾向となるため、遊技者はコイン獲得枚数の多さによって、時短遊技継続への期待度を推測することが可能となる。
【0095】
図15(b)に戻り、サブ制御装置200は、S201において、S200において決定したコイン増加枚数に対応するコインの枚数(×0,×1,×3,×5,×10等)を表示して、遊技者に獲得したコイン枚数を報知するとともに、当該獲得枚数と対応する枚数をコイン枚数表示部R2に加算して表示して処理を終了する。なお、S200において決定したコイン増加枚数が0枚である場合には、獲得枚数が0枚であることを報知しても良いし、0枚であることを報知することなく、時短遊技継続示唆演出を実行しないものとしてもよい。
【0096】
以上のとおり、本実施形態に係る時短遊技継続示唆演出手段260を備えたサブ制御装置200によれば、複数の遊技状態が混在した演出モードC、換言すれば時短遊技の継続回数の上限がそれぞれ異なるように設定された複数の遊技状態を含む演出モードCにおいて、遊技回数が各継続回数の区切りとなる上限回数(20回,40回,60回,80回)に達する以前に上記時短遊技継続示唆演出が実行されるため、遊技者は時短遊技継続示唆演出によりコイン獲得枚数が増加する度に、後に実行される時短遊技継続演出においてメモリが最大数まで到達するかも知れないという期待感、換言すれば時短遊技がさらに継続するかも知れないという期待感を持って遊技を持続的に楽しむことができる。