【実施例】
【0032】
「実施例1」
沸点範囲181〜371℃の直留軽油留分が85vol%、流動接触分解装置から留出する沸点範囲145〜372℃のライトサイクルオイルが10vol%および沸点範囲が170〜365℃の間接脱硫装置から留出する間脱軽油が5vol%の混合油を、市販の脱硫触媒を用い、液空間速度1.0h
−1、水素分圧5MPa、水素オイル比150NL/Lの条件で硫黄分が10massppm以下となるまで脱硫処理して得た軽油に、沸点範囲150℃〜260℃の直留灯油留分を市販の脱硫触媒を用い、液空間速度2.9h
−1、水素分圧3.4MPa、水素オイル比120NL/Lの条件で硫黄分が10massppm以下となるまで脱硫処理して得た灯油とを混合し、後述のEV系低温流動性向上剤(CFI1)を200massppm添加した軽油燃料組成物。
【0033】
「実施例2」
沸点範囲181〜362℃の直留軽油留分が90vol%、流動接触分解装置から留出する沸点範囲145〜374℃のライトサイクルオイルが10vol%の混合油を、市販の脱硫触媒を用い、液空間速度1.5h
−1、水素分圧4MPa、水素オイル比150NL/Lの条件で硫黄分が10massppm以下となるまで脱硫処理して得た軽油に、沸点範囲150℃〜260℃の直留灯油留分を市販の脱硫触媒を用い、液空間速度2.9h
−1、水素分圧3.4MPa、水素オイル比120NL/Lの条件で硫黄分が10massppm以下となるまで脱硫処理して得た灯油とを混合し、上記CFI1を200massppm添加した軽油燃料組成物。
【0034】
「比較例1」
沸点範囲181〜362℃の直留軽油留分が98vol%、流動接触分解装置から留出する沸点範囲145〜374℃のライトサイクルオイルが2vol%の混合油を、市販の脱硫触媒を用い、液空間速度1.5h
−1、水素分圧4MPa、水素オイル比150NL/Lの条件で硫黄分が10massppm以下となるまで脱硫処理して得た軽油に、沸点範囲150℃〜260℃の直留灯油留分を市販の脱硫触媒を用い、液空間速度2.9h
−1、水素分圧3.4MPa、水素オイル比120NL/Lの条件で硫黄分が10massppm以下となるまで脱硫処理して得た灯油とを混合し、上記CFI1を200massppm添加した軽油燃料組成物。
【0035】
「比較例2」
沸点範囲181〜376℃の直留軽油留分が95vol%、流動接触分解装置から留出する沸点範囲145〜372℃のライトサイクルオイルが5vol%の混合油を、市販の脱硫触媒を用い、液空間速度1.0h
−1、水素分圧5MPa、水素オイル比150NL/Lの条件で硫黄分が10massppm以下となるまで脱硫処理して得た軽油に、沸点範囲150℃〜260℃の直留灯油留分を市販の脱硫触媒を用い、液空間速度2.9h
−1、水素分圧3.4MPa、水素オイル比120NL/Lの条件で硫黄分が10massppm以下となるまで脱硫処理して得た灯油とを混合し、上記CFI1を200massppm添加した軽油燃料組成物。
【0036】
「比較例3」
実施例1のEV系低温流動性向上剤を後述の界面活性剤系低温流動性向上剤(CFI2)とした他は、実施例1と同じ軽油燃料組成物。
【0037】
「比較例4」
実施例1のEV系低温流動性向上剤を後述のWAX分散剤系低温流動性向上剤(CFI3)とした他は、実施例1と同じ軽油燃料組成物。
【0038】
「CFI1」
R570(インフィニアム社製)
「CFI2」
FPD−779N(東邦化学工業株式会社製)
「CFI3」
キャリオールFD−391(三洋化成工業株式会社製)
【0039】
【表1】
【0040】
なお、表1に示す各性状は以下に示すものである。
「密度(@15℃)」
JIS K 2249「原油及び石油製品−密度試験方法及び密度・質量・容量換算表」により測定される15℃における密度。
「動粘度(@30℃)」
JIS K 2283「原油及び石油製品−動粘度試験方法及び粘度指数算出方法」により測定される30℃における動粘度。
「硫黄分」
JIS K 2541−2「原油及び石油製品−硫黄分試験方法 第2部:微量電量滴定式酸化法」により得られる硫黄分。
【0041】
「引火点」
JIS K 2265−3「引火点の求め方−第3部:ペンスキーマルテンス密閉法」により得られる引火点。
「10%残油の残留炭素分」
JIS K 2270「原油及び石油製品−残留炭素分試験方法」により得られる10%残油の残留炭素分。
「セタン指数」
JIS K 2280「石油製品−燃料油−オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数算出方法 8. 4変数方程式を用いたセタン指数の算出方法」により測定されるセタン指数を意味する。
【0042】
「蒸留性状」
JIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法」により得られる蒸留性状。
「飽和分合計」
JPI−5S−49−97「石油製品−炭化水素タイプ試験方法−高速液体クロマトグラフ法」により測定されるパラフィン分。
「芳香族分合計」
JPI−5S−49−97「石油製品−炭化水素タイプ試験方法−高速液体クロマトグラフ法」により測定される1環芳香族分と2環芳香族分と3環以上芳香族炭化水素分との総和。
【0043】
「C19−23ノルマルパラフィン分」
ASTM D 2887「Standard Test Method for Boiling Range Distribution of Petroleum Fraction by Gas Chromatography」に準拠したガスクロマトグラフ法を用い、得られたクロマトグラムから各炭素数毎の炭化水素含有量を算出することによって得た。すなわち、炭素数の異なるノルマルパラフィンの混合物を標準物としてリテンションタイムを調べておき、ノルマルパラフィンのピーク面積値からノルマルパラフィンの含有量を求め、炭素数N−1のノルマルパラフィンによるピーク〜炭素数Nのノルマルパラフィンによるピークの間にあるピークのクロマトグラム面積値の総和を炭素数Nのイソパラフィン含有量として求めた。ガスクロマトグラフィの検知器は水素炎イオン化型検出器(FID)であることから、測定感度はパラフィンの炭素数に比例する。そこで、この感度を考慮して面積値から含有モル比を求め、最終的に各質量比を求めた。
なお、ガスクロマトグラフ法におけるカラムの種類は、HP5(長さ:30m,内径:0.32mm,液層厚さ:0.25μm)であり、各分析条件は以下のとおりである。
カラム槽昇温条件:35℃(5分)→10℃/分(昇温)→320℃(11.5分)
試料気化室条件:320℃一定 スプリット比150:1
検出器部:320℃
【0044】
「流動点」
JIS K 2269「原油及び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法」によって得られる流動点。
「曇り点」
JIS K 2269「原油及び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法」によって得られる曇り点。
「目詰まり点」
JIS K 2288「石油製品−軽油−目詰まり点試験方法」によって得られる目詰まり点。
【0045】
「シクロパラフィン類、ナフテンベンゼン類、アルキルベンゼン類」
シクロパラフィン類、ナフテンベンゼン類、アルキルベンゼン類の分析には、Agilent Technology社製HP−6890N型FI−MS検出器付きガスクロマトグラムおよびJEOL社製JMS−T100GC飛行時間型質量分析計からなるGCシステムを用い、ノルマルパラフィン標準試料の分析強度にて補正グラフを作成し、測定したデータを補正グラフにて補正後、全体の強度を100mass%として各重量比を求めた。
なお、ガスクロマトグラム法におけるカラムの種類は、DB−5(長さ:30m、内径:0.25mm、液層厚さ:0.25μm)であり、各分析条件は以下の通りである。
カラム槽昇温条件:30℃(5分)→20℃/分(昇温)→300℃(27分)
試料気化室条件:300℃一定 スプリットレス
検出器部:250℃
溶媒:ヘキサン
溶媒待ち時間:6分
収集範囲:25.00m/zから600.00m/z
【0046】
表1において、実施例1と比較例3および4との対比から、同じ軽油の性状を有していても、添加剤が異なると、低温流動性の改善効果(実用性能で特に重視される目詰まり点)に違いがあることが分かる。また、実施例1および2と比較例2との対比から、EV系低温流動性向上剤を用いても、炭素数19〜23のノルマルパラフィン分の含有量が多く、かつ2環シクロパラフィン類の含有量が少ないと、低温流動性の改善効果が低いことが分かる。さらに、実施例1および2と比較例1との対比から、EV系低温流動性向上剤を用い、かつ炭素数19〜23のノルマルパラフィン分の含有量が同等でも、2環シクロパラフィン類の含有量が少ないと、目詰まり点が−14℃以下とならず、低温流動性能が劣ることが分かる。このような結果から、特に、炭素数19〜23のノルマルパラフィン分の含有量および2環シクロパラフィン類を所定の含有量にし、更に、EV系低温流動性向上剤を使用することにより、車両の燃料用として十分な低温流動性が得られることが分かる。