特許第6128889号(P6128889)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6128889
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】窓シャッターの下枠の防火構造
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/17 20060101AFI20170508BHJP
【FI】
   E06B9/17 M
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-38500(P2013-38500)
(22)【出願日】2013年2月28日
(65)【公開番号】特開2014-167199(P2014-167199A)
(43)【公開日】2014年9月11日
【審査請求日】2015年11月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103137
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 滋
(72)【発明者】
【氏名】柴崎 正浩
(72)【発明者】
【氏名】松山 尚海
(72)【発明者】
【氏名】小澤 賢二
(72)【発明者】
【氏名】塩澤 秀太
【審査官】 佐藤 美紗子
(56)【参考文献】
【文献】 実開平05−052009(JP,U)
【文献】 特開2007−146537(JP,A)
【文献】 実開昭63−117991(JP,U)
【文献】 特開2009−097220(JP,A)
【文献】 特開平09−279964(JP,A)
【文献】 実開昭60−073783(JP,U)
【文献】 特開2013−053422(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0048480(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0255529(US,A1)
【文献】 米国特許第03961659(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓シャッターの下枠は、窓開口部全閉状態でシャッターカーテンの下端の座板の下方部位を受け入れる凹部と、凹部の室内側に位置する水切り面と、水切り面の下方に離間して位置する下辺と、を備え、
前記下枠には、下枠を形成する材料よりも融点の高い材料から形成された補強板材が設けられ、前記補強板材は、前記凹部の室外側の立ち上がり辺に沿う立ち上がり辺と、前記凹部の底辺に沿う底辺と、前記下枠の下辺の下面に沿う下辺と、を備えており、窓開口部全閉状態において、前記座板の前記下方部位の室外側に対向して前記凹部の室外側の立ち上がり辺及び前記補強板材の立ち上がり辺が位置しており、
窓シャッターの左右の側枠の下端は前記水切り面に近接しており、前記側枠の下端部位には、下枠を形成する材料よりも融点の高い材料から形成された連結板材が固定されており、前記補強板材の下辺は、前記下枠の水切り面及び下辺を貫設する螺子によって前記連結板材に連結されている、
窓シャッターの下枠の防火構造。
【請求項2】
前記連結部材は、前記側枠に固定される垂直片と、水切り面の上側に近接して延びる水平片と、を備え、前記螺子は、前記連結部材の水平片と前記補強部材の下辺とを連結しており、前記水平片と前記補強部材の下辺との間に位置する前記下枠の水切り面及び下辺を貫設している、請求項に記載の窓シャッターの下枠の防火構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓シャッターの下枠の防火構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
窓シャッター装置は、窓装置の室外側の空間を開閉するように建物の外壁Wに取り付けられており、シャッターにより窓開口部が閉鎖された状態では、左右の金属製のガイドレール内に金属製のシャッターカーテンの幅方向両端部が受け入れられると共に、シャッターカーテン下端の金属製の座板が金属製の下枠に対して、室内外方向に直線的な貫通隙間を形成しないような態様で接触ないし近接した状態であり、本来的に所定の防火性能が備わっている。
【0003】
しかしながら、より長い避難時間を確保し、また、延焼をなるべく食い止めるためには、耐火性能がより長い時間維持されることが望ましい。本発明者等は、窓シャッターによって閉鎖された窓開口部の下方部位、特に下枠(水切り板)の防火性能を向上させることで、窓シャッターの防火性能を向上させることを考えた。
【0004】
窓シャッターの水切り板に補強材や構造材を設けたものは特許文献1〜3に記載されているが、水切り板の防火性能を向上させるという観点は一切無い。
【特許文献1】実開平05−52009
【特許文献2】特開2007−146537
【特許文献3】特開2008−75293
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、窓シャッターの下枠の防火性能を向上させることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が採用した技術手段は、窓シャッターの下枠は、窓開口部全閉状態でシャッターカーテンの下端の座板の下方部位を受け入れる凹部と、凹部の室内側に位置する水切り面と、水切り面の下方に離間して位置する下辺と、を備え、
前記下枠には、下枠を形成する材料よりも融点の高い材料から形成された補強板材が設けられ、前記補強板材は、前記凹部の室外側の立ち上がり辺に沿う立ち上がり辺と、前記凹部の底辺に沿う底辺と、前記下枠の下辺の下面に沿う下辺と、を備えており、窓開口部全閉状態において、前記座板の前記下方部位の室外側に対向して前記凹部の室外側の立ち上がり辺及び前記補強板材の立ち上がり辺が位置しており、
窓シャッターの左右の側枠の下端は前記水切り面に近接しており、前記補強板材の下辺は、前記下枠の水切り面及び下辺を貫設する螺子によって前記側枠の下端部位に連結されている、
窓シャッターの下枠の防火構造、である。
【0007】
1つの態様では、前記側枠の下端部位には、下枠を形成する材料よりも融点の高い材料から形成された連結板材が固定されており、前記下枠及び前記補強板材は、前記連結板材を介して、前記側枠の下端部位に連結されている。
1つの態様では、前記連結部材は、前記側枠に固定される垂直片と、水切り面の上側に近接して延びる水平片と、を備え、前記螺子は、前記連結部材の水平片と前記補強部材の下辺とを連結しており、前記水平片と前記補強部材の下辺との間に位置する前記下枠の水切り面及び下辺を貫設している。
【0008】
1つの態様では、前記補強板材の底辺及び下辺は、共通の要素(例えば、後述する実施形態の底辺90)から形成される。この場合、下枠の凹部の底辺、水切り面の下方に離間する下辺は、ほぼ同じ高さで水平状に延びている。
例えば、下枠の下辺の高さ位置が、凹部の底辺よりも上に位置するような場合には、当該下枠の下辺の下面に沿うような下辺を備えるように補強板材が設計されることが当業者に理解される。この場合、補強板材の底辺と下辺は異なる辺から形成される。
1つの態様では、前記側枠は、ガイドレールとガイドレール下地枠からなり、前記下枠及び前記補強板材は、前記ガイドレール下地枠の下端部位に連結される。
1つの態様では、前記下枠は、前記水切り面の室内側に位置する室内側面部(後述する実施形態では第1垂直部分650)を備え、
前記補強板材は、前記室内側面部に当接する室内側立ち上がり辺(後述する実施形態では室内側垂直辺92)を備え、
前記補強板材は、前記室内側立ち上がり辺を前記室内側面部に当接させて螺子(後述する実施形態では螺子93)で連結されている。
【0009】
1つの態様では、前記下枠の立ち上がり辺の上端には内側に折り返し状に形成した係止片が形成されており、
前記補強部材の立ち上がり辺は、前記下枠の立ち上がり辺の内面に沿って延びていると共に、当該補強部材の立ち上がり辺の上端部位には前記下枠の立ち上がり辺の上端の係止片が係止されている。
こうすることで、下枠の立ち上がり辺が室外側へ倒れるような熱変形を補強部材の立ち上がり辺が規制する。
補強板材の立ち上がり辺の上端部位に下枠の立ち上がり辺の上端の係止片を係止させたものでは、立ち上がり辺同士を連結することなく、下枠の立ち上がり辺の室外側への変形を補強板材の立ち上がり辺が規制する。補強板材の立ち上がり辺は前記凹部の室外側の立ち上がり辺の内面に位置しており、また、立ち上がり辺同士を螺子等で連結する必要がないので、下枠の外観を損ねることがない。
あるいは、他の態様では、補強部材の立ち上がり辺を下枠の立ち上がり辺に連結することで、下枠の立ち上がり辺の室外側へ倒れるような変形を前記補強部材の立ち上がり辺が規制するようにしてもよい。
あるいは、補強部材の立ち上がり辺を下枠の立ち上がり辺の外面に当接するように前記補強板材を設けることで、下枠の立ち上がり辺の室外側へ倒れるような変形を補強部材の立ち上がり辺が規制するようにしてもよい。
1つの態様では、前記補強板材の底辺は、前記下枠の凹部の底辺の下面に沿って水平に延びており、
前記補強板材の立ち上がり辺は、前記下枠の底辺の室外側端部を貫通して前記下枠の立ち上がり辺の内面に沿って垂直に延びている。
このものでは、下枠の底辺に開口溝を形成しておき、下枠の下方側から補強板材の立ち上がり辺を開口溝に差し込み、当該立ち上がり辺の上端を前記係止片が形成する溝部に挿入すると共に、底辺同士を当接させればよいので、下枠に対する補強板材の取付作業が容易である。
1つの態様では、前記補強板材の開口幅方向の寸法は、前記下枠の開口幅方向の寸法に比べて短尺であり、複数の補強板材が開口幅方向に間隔を存して前記下枠に設けてある。この場合、窓開口部全閉状態では、座板の下方部位の室外側に対向して、かつ、座板の長さ方向に亘って、補強板材の立ち上がり辺が位置することになる。
補強板材の立ち上がり辺が、底辺の室外側端部を貫通するものでは、下枠の底辺には開口幅方向に亘って予め開口溝が形成される。
補強板材の立ち上がり辺は、開口部の略全幅に亘って延びる長尺部から形成してもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、座板の下方部位の室外側に対向して、補強板材の立ち上がり辺が位置しているので、窓開口部全閉状態において、火災時の熱で座板が熱変形して、室外側に持ち上がるように変位するおそれがあるが、室外側へ変位しようとする座板の下方部位が補強板材の立ち上がり辺に当接することで、座板の下方部位の室外側への変位が規制され、座板の熱変形により下枠の立ち上がり辺と座板の下方部位との間に防火上不利な隙間が発生することを防止する。
本発明では、火災時の熱の影響を受けて室外側に倒れるように変形しやすい下枠の立ち上がり辺を、当該立ち上がり辺よりも耐火性が優れる補強板材によって補強したので、火災時の熱で下枠の立ち上がり辺が室外側に倒れて、当該立ち上がり辺と座板の下方部位との間に室内外を貫通する防火防煙上不利な空間が形成されることを防止する。
本発明では、補強板材の下辺は、下枠の水切り面及び下辺を貫設する螺子によって窓シャッターの側枠の下端部位に連結されており、前記補強板材と前記側枠を連結することで、その間にある下枠が側枠に支持ないし吊持されることになり、火災時の熱による下枠の熱変形(例えば、熱変形して室外側へ垂れる、あるいは、倒れること)を防止する。また、前記補強板材と前記側枠を連結することで、側枠(例えば、ガイドレール下地枠)の熱変形による浮き等を可及的に防止する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】窓シャッター装置の概略正面図及び側面図である。
図2】窓シャッター装置の縦断面図である。
図3】窓シャッター装置の一部省略横断面図である。
図4図2の下方部位の部分拡大図である。
図5】下枠単体を示す図であり、上から順に、側面図、平面図、室内側から見た図、底面図である。
図6】下枠組立体を示す図であり、上から順に、側面図、平面図、室内側から見た図、底面図である。なお、平面図、室内側から見た図において、下枠内部に位置する補強板材を便宜上実線で示している。
図7】下枠の補強部材を示す図である。
図8】下枠の取付構造を示す部分側面図である。
図9】下枠の取付構造を示す部分平面図である。
図10】ラッチ掛りの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1において、左図は窓シャッター装置を室外側から見た正面図、右図は窓シャッター装置の側面図である。図2は、窓シャッター装置の縦断面図であり、建物の窓開口部に設置した窓装置の室外側に窓シャッター装置が設けてある。窓シャッター装置は、窓開口部の上方に位置して、外壁Wに持ち出し状に取り付けられたシャッターケース1と、窓開口部の幅方向両側に位置して窓装置に対して持ち出し状に取り付けられた左右のガイドレール下地枠2と、左右のガイドレール下地枠2に支持された左右のガイドレール3と、シャッターケース1内に設けた巻取シャフト4と、上端が巻取シャフト4に連結されており、巻取シャフト4に巻き取られ/繰り出されることで、幅方向両端部がガイドレール3に案内されながら昇降して窓開口部の室外側部位を開閉するシャッターカーテン5と、窓開口部の下方に位置して、窓装置に持ち出し状に取り付けられた下枠(水切板)6と、を備えている。なお、窓シャッター装置は、いわゆるサッシ一体型の窓シャッターであってもよい。この場合、窓サッシの竪枠がガイドレール下地枠を構成し、窓サッシの下枠の室外側部位が窓シャッターの下枠(水切板)を構成する。なお、本明細書において、「室外側」、「室内側」という表現は、実際の室外側、室内側を意味することに加えて、構成要素の相対的な位置を特定する場合にも用いられることに留意されたい。
【0013】
ガイドレール3は、窓開口部の高さ方向に垂直に延びる長尺部材であり、側辺30と、側辺30に対して室外側に位置する側辺31と、底辺32と、から平面視略コ字状の形状を有している。対向する側辺30、31間にシャッターカーテン5の幅方向両端部を受け入れて上下方向に案内するガイド溝が形成されている。ガイドレール3は開口全高に対応する高さを備えており、下枠6の上辺60からシャッターケース1に達するまで垂直状に延びている。ガイドレール3の上端部位は拡開状に形成されており、シャッターケース1の下方部位内に延出している。図9に示すように、ガイドレール3の側辺30からは室内側に向かって取付片33が延出形成されており、側辺31の底側は底辺32を越えて延出しており、延出部の先端を室内側に折り曲げてなる折曲辺310には、取付片34が形成されている。
【0014】
ガイドレール下地枠2は、アルミ型材から形成されており、窓開口部の高さ方向に垂直に延びる長尺部材であり、開口全高に対応する高さを備えており、下枠6の上辺60からシャッターケース1に達するまで垂直状に延びている。図9に示すように、ガイドレール下地枠2は、室内側の底辺20と、底辺20の一端(開口部に近い側)から室外側に向かって延びる側辺21と、底辺20の他端(開口部から遠い側)から室外側に向かって延びる側辺22と、を備えている。側辺21、22の先端部位には、ガイドレール3の取付片33、34に対して装着される取付片23、24が形成されており、ガイドレール3の取付片33、34をそれぞれガイドレール下地枠2の取付片23、24に取り付けることで、ガイドレール下地枠2の先端側にガイドレール3が取り付けられる。図示の態様では、ガイドレール3の取付片34をガイドレール下地枠2の取付片24に長さ方向からスライド係止させた状態で、ガイドレール3の取付片33とガイドレール下地枠2の取付片23とを面同士で当接させて重ね合わせて螺子35で固定している。
【0015】
図3図10に示すように、ガイドレール3の内部空間には、内壁に沿って補強板材7が設けてあり、アルミ型材から形成されているガイドレール3の耐火性能を向上させている。補強板材7は、アルミニウムよりも融点が高い金属板、例えば、スチール鋼板から形成されており、窓開口部の高さ方向に垂直に延びる長尺部材である。図3に示すように、ガイドレール3の側辺30の内面には、内部空間の開口側に位置して、高さ方向に延びる難燃性の熱膨張耐火部材8を収容してもよい。
【0016】
図1に示すように、シャッターカーテン5は、所定高さを備え、開口部幅方向に延びる長尺板状のスラット50を、高さ方向に互いに回動可能に連結することで形成されている。シャッターカーテン5の上端は巻取シャフト4に連結されており、シャッターカーテン5の下端部位には座板51が設けてある。図2において、上側の座板51は窓開口部全開時、下側の座板51は窓開口部全閉時の高さ位置をそれぞれ示している。窓開口部全開時では、シャッターカーテン5は巻取シャフト4に巻き取られた状態にある。座板51の室外側に設けたストッパ515が開口部上方のまぐさ部515Aに当接する。窓開口部全閉時では、座板51の下端が下枠6の凹部600の底辺62に当接する(図4参照)。スラット50は、長さ方向両端部がガイドレール3の内部空間内まで延びるような幅寸法を有しており、シャッターカーテン5の昇降時及び窓開口部全閉時には、スラット50の幅方向両端部位は、ガイドレール3の内部空間内に受け入れられている。
【0017】
図10に示すように、ガイドレール3の内部空間の底側の下方部位には、座板51の長さ方向両端部から突出するラッチLが下方から当接するラッチ掛り15が設けてある。ラッチ掛り15は鋼製プレートを折り曲げて形成されており、施錠状態でラッチLの直上に位置する当接片150と、ラッチLの下方に位置するカバー片151と、を備えており、リベット152によってガイドレール3の側辺30に固定されている。カバー片151は、窓開口部閉鎖状態において、下方からの攻撃に対抗することで防犯性を向上させ、また、火災時に、下方からの熱風や火炎の吹き込みを抑制する。
【0018】
図4に示すように、座板51は、窓開口部の幅方向に延びる長尺状かつ垂直状の板状部510を備え、板状部510の上端には直上のスラット50の下端に係合する係合部511が一体形成され、板状部510の下端部位は室内側に湾曲されて当接部512が形成されている。ガイドレール51の板状部510の下半部には、板状部510の幅方向に延びる室内側片513が形成されている。室内側片513は、室内側面部から室内側へ向かって水平状に延びる第1片5130と、第1片5130の先端から垂下する第2片5131と、から側面視L形状を備えている。第2片5131の下端は室内側片513の他の部位よりも肉厚であり、全体的に曲面状の周面を備えている。室内側片513の長さ方向(板状部510の幅方向)両端部位は、ガイドレール3の内部空間内に受け入れられるように切り欠かれている。板状部510の室内側面部には、室内側片513の下方に位置して、ポケット部が形成されている。1つの態様では、ポケット部には、座板51の長さ方向に延びる難燃性の熱膨張耐火部材(図示せず)が収容されている。
【0019】
板状部510の室内側面部には、室内側片513の上方に位置して、座板51(板状部510)の長さ方向に亘って水平状に延出するラッチバー収容部514が形成されており、2本のラッチバーがラッチバー収容部514内に長さ方向に移動可能に収容されている。突出姿勢にあるラッチバーの先端のラッチLを図10に示す。板状部510の室外側面部には、幅方向両端側かつガイドレール3の外側に位置して、ストッパ515が設けてあり、開口部開放時にストッパ515の水平状の上面が開口部上方のまぐさ部515Aに当接する。
【0020】
窓シャッターの下枠6は、開口部の幅方向に水平状に延びる長尺枠体であって、窓開口部の全幅を越えてガイドレール下地枠2及びガイドレール3の下方にまで延びている。図5に示すように、下枠6は、水切り面を形成する上辺60を備えた中空状の室内側部位と、中空状の室内側部位に対して室外側に形成された凹部600と、を有している。凹部600は、シャッターカーテン5の昇降経路の直下に位置しており、窓開口部の全幅を越えてガイドレール3の下方にまで達している。凹部600には、窓開口部全閉状態においてシャッターカーテン5の下端の座板51の下方部位が受け入れられる。図4に示すように、窓開口部全閉状態では、座板51の板状部510において、室内側片513よりも下方の部位は凹部600内に延びている。座板51の下方部位は凹部600内に受け入れられているので、座板51の下端と凹部600の底面との間に隙間が形成されていても、室内側を直線的に連通する空間は形成されない。
【0021】
より具体的には、図5に示すように、下枠6は、室外側に向かって緩やかに下向き傾斜状に延びる上辺60と、上辺60の先端から垂下する室内側垂直辺61と、室内側垂直辺61の下端から室外側に向かって緩やかに下向き傾斜状に延びる底辺62と、底辺62の室外側先端から垂直状に立ち上がる室外側垂直辺63と、室内側垂直辺61の下端から室内側に向かって水平状に延びる下辺64と、上辺60及び下辺64の室内側端部を連結する後辺65と、後辺65から室内側へ延出形成した装着片66と、を備えている。本実施形態では、室外側垂直辺63が、凹部600の室外側の立ち上がり辺を形成している。後辺65は、室外側の第1垂直部分650と室内側の第2垂直部分651とから段部状に形成されている。装着片66の長さ方向両端は、下枠6の長さ方向端部までは達しておらず、ガイドレール下地枠2の下方に位置する部位までは延びていない。上辺60、下辺64の長さ方向両端側には、螺子13のための孔60A、64Aがそれぞれ形成されている。
【0022】
室内側垂直辺61と室外側垂直辺63との間の空間の上方は開放状となっており、室外側垂直辺63と、室内側垂直辺61と、底辺62と、から凹部600が形成されている。上辺60、室内側垂直辺61、下辺64、後辺65から中空状の室内側部位が形成されている。室外側垂直辺63の立ち上がり寸法は、室内側垂直辺61の立ち上がり寸法よりも大きく、すなわち、室内側中空部の上辺60の高さ位置は、室外側垂直辺63の上端の高さ位置よりも低い位置にある。
【0023】
下枠6には、補強板材9が設けてある。補強板材9は、アルミニウムよりも融点が高い金属板、例えば、スチール鋼板から形成されている。図示の態様では、図6に示すように、補強板材9は、下枠6の長さ方向(開口幅方向)に亘って、間隔を存して複数個配置されているが、下枠6の長さ全体に亘って補強板材を設けてもよい。
【0024】
図6図7に示すように、補強板材9は、下枠6の底辺62、下辺64の下面に沿って下枠6の見込方向(室内外方向)に水平に延びる底辺90と、底辺90の室外側端部から下枠6の室外側垂直辺63に沿って立ち上がり状に垂直に延び、室外側垂直辺の室内側に位置する室外側垂直辺91と、底辺90の室内側端部から下枠6の後辺65の第1垂直部分650に沿って立ち上がり状に延びる室内側垂直辺92と、からなる。本実施形態では、室外側垂直辺91が、凹部600の室外側の立ち上がり辺(室外側垂直辺63)に沿う立ち上がり辺を形成している。室外側垂直辺91の高さ寸法は、室内側垂直辺92の高さ寸法よりも大きい。補強板材9の底辺90の室内側半部は、下枠6の下辺64の下面に当接している。室内側垂直辺92には螺子93のための孔920が形成されており、室内側垂直辺92は、下枠6の後辺65の第1垂直部分650の室内側面に当接し、螺子93によって連結されている。このように下枠6と補強板材9とを火炎の反対側(室内側)において室内側から螺子93で締結することで、下枠6と補強板材9の連結部位が火炎の影響を受けにくい。また、螺子93が目立たない位置にあるので意匠性もよい。なお、下枠6と補強板材9の連結部位は、これに限定されるものではなく、例えば、補強板材9の底辺90と下枠6の下辺64を下側から螺子で連結してもよい。
【0025】
図5に示すように、底辺62の室外側端部には、補強板材9の室外側垂直辺91を受け入れ可能なように、補強板材9の幅寸法及び板厚寸法に対応する所定の幅寸法及び溝幅を備えた開口溝620が形成されており、開口溝620を通して補強板材9の室外側垂直辺91が下枠6の室外側垂直辺63の内面に沿って上方に延びている。補強板材9の上端部は、室外側垂直辺63の上方部位と折り返し片(水平片630と垂直片631からなる)とで形成された下向き開放状の溝部に受け入れられている。
【0026】
図4に示すように、窓開口部全閉状態において、座板51の板状部510の下方部位の室外側に対向して補強板材9の室外側垂直辺91が位置している。本実施形態では、複数の補強板材9が開口幅方向に間隔を存して設けてあり、複数の室外側垂直辺91が、座板51の板状部510の長さ方向に亘って等間隔で対向するようになっている。
【0027】
図6に示すように、下枠6の長さ方向両端部にはカバー10が装着されている。カバー10は下枠6の側面形状に対応する面部100と、面部100の上側及び室外側の縁部101と、下枠6の中空部位内に延びる嵌合片102と、を備え、リベット103によって嵌合片102を下枠6の上辺60に固定してなる。
【0028】
図4に示すように、下枠6は、ガイドレール下地枠2の下端部位および窓装置の下枠16に連結されている。より具体的に説明する。窓装置の下枠16には、下枠6の装着片66の被係止部160が形成されており、下枠6の装着片66を窓装置の下枠16の被係止部160に係止させた状態で螺子14によって、装着片66と窓装置の下枠16を連結する。ここでは、下枠6を窓装置の下枠16に連結する構成を示したが、下枠の収まりによっては、外壁に螺子で固定してもよい。あるいは、下枠6は窓装置の下枠16と一体形成されたものでもよい。なお、窓シャッター装置の下枠6の要素と窓装置の下枠16の要素を係止ないし係合させることなく、当接させて螺子で連結してもよい。
【0029】
図4図8図9に示すように、図示の態様では、下枠6は、ガイドレール下地枠2の下端部位に固定された連結板材11を介して、ガイドレール下地枠2の下端部位に連結されている。連結板材11は、例えば、スチール鋼板からなる。連結板材11は、垂直片110と水平片111とから側面視L形状を備えており、垂直片110を介してガイドレール下地枠2の底辺20の内面にリベット12で固定されている。連結板材11の水平辺111は、下枠6の上辺60に近接して室外側に延びており、連結板材11の水平辺111は、螺子13によって、下枠6の上辺60の長さ方向両端部の孔60A、下辺64の長さ方向両端部の孔64A、を挿通し、下枠6の長さ方向両端部に配置された補強板材9の底辺90の螺子孔900に固定される。下枠6(上辺60、下辺64)の長さ方向両端部を、補強板材9(底辺90)と共に、連結板材11によりガイドレール下地枠2の下端部位に連結することで、下枠6の熱変形(例えば、熱変形して室外側へ垂れること)を防止する。
【0030】
図4図8に示すように、窓シャッターの側枠、すなわち、ガイドレール下地枠2及びガイドレール3の下端は、室外側垂直辺63の上端よりも下方に延びており、上辺60にまで達している。側枠の室外側(ガイドレール3の側辺31)は、下枠6の室外側垂直辺63に当接ないし近接し、側枠の室内側(ガイドレール下地枠2の底辺20)は、底辺20の室内側面に突成した当接突部200を介して窓装置の下枠16に当接している。すなわち、側枠の下端部位は、下枠6内にのみ込まれると共に、室内外から挟まれるように収まっている。このように構成することで、側枠の下端部位と下枠6との隙間が無くなり防犯性及び意匠性が向上すると共に、火災時の加熱により、ガイドレール3の溝部が開くことを抑制する。
【0031】
図4に示すように、窓開口部全閉状態において、座板51の板状部510の下方部位の室外側に対向して、かつ、座板51の長さ方向に亘って、補強板材9の室外側垂直辺91が位置している。窓開口部全閉状態において、火災時の熱で座板51が熱変形して、室外側に持ち上がるように変位するおそれがあるが、室外側へ変位しようとする座板51の下方部位が補強板材9の室外側垂直辺91に当接することで、座板51の下方部位の室外側への変位が規制され、座板51の熱変形により凹部600と座板51の下方部位との間に防火上不利な隙間が発生することを防止する。
【0032】
窓開口部全閉状態において、室外側で火災が発生した場合には、下枠6の室外側垂直辺63が熱で室外側に倒れるように垂れて変形するおそれがある。本実施形態では、側面視L形状の補強板材9の室外側垂直辺91が下枠6の室外側垂直辺63の全高に沿って延びており、かつ、下枠6の室外側垂直辺63の上端部は、折り返し片(水平片630と垂直片631)によって室外側垂直辺91の上端に係止している。したがって、下枠6の室外側垂直辺63が熱で室外側に垂れるように変形しようとしても、かかる変形は補強板材9の室外側垂直辺91により規制される。
【0033】
下枠6とガイドレール下地枠2の下端部位を連結する螺子13は、下枠6の上辺60、下辺64を貫通して補強板材9の底辺90に固定されている。螺子13は、連結板材11の水平片111と補強板材9の底辺90とを連結するものであり、その間に下枠6の上辺60と下辺64が挟まれるように保持されている。このような連結構造を採用することで、火災時の熱による下枠6(特に、開口幅方向の端部)の熱変形(例えば、熱変形して室外側へ垂れる、あるいは、倒れること)を防止する。また、ガイドレール下地枠2の熱変形による浮き等を可及的に防止する。
【符号の説明】
【0034】
2 ガイドレール下地枠
3 ガイドレール
6 下枠
60 上辺
61 室内側垂直辺
62 底辺
63 室外側垂直辺
64 下辺
9 補強板材
90 底辺
91 室外側垂直辺
92 室内側垂直辺
11 連結板材
13 螺子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10