特許第6128974号(P6128974)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6128974
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   H05B 6/12 20060101AFI20170508BHJP
   F24C 15/34 20060101ALI20170508BHJP
【FI】
   H05B6/12 317
   H05B6/12 304
   H05B6/12 319
   F24C15/34 H
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-122021(P2013-122021)
(22)【出願日】2013年6月10日
(65)【公開番号】特開2014-239011(P2014-239011A)
(43)【公開日】2014年12月18日
【審査請求日】2015年12月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085198
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 久夫
(74)【代理人】
【識別番号】100098604
【弁理士】
【氏名又は名称】安島 清
(74)【代理人】
【識別番号】100087620
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 範夫
(74)【代理人】
【識別番号】100125494
【弁理士】
【氏名又は名称】山東 元希
(74)【代理人】
【識別番号】100141324
【弁理士】
【氏名又は名称】小河 卓
(74)【代理人】
【識別番号】100153936
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 健誠
(74)【代理人】
【識別番号】100160831
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 元
(72)【発明者】
【氏名】茂呂 政行
(72)【発明者】
【氏名】須永 隆司
(72)【発明者】
【氏名】星野 晃一
(72)【発明者】
【氏名】柴崎 豊
(72)【発明者】
【氏名】小林 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】石井 哲夫
(72)【発明者】
【氏名】田仲 導生
【審査官】 土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−104246(JP,A)
【文献】 特開2003−068434(JP,A)
【文献】 特開2012−043975(JP,A)
【文献】 特開2002−324954(JP,A)
【文献】 特開2012−150892(JP,A)
【文献】 特開2005−056634(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 6/12
F24C 15/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
背面側に背面吸気口が形成され、前面側に前面吸気口が形成された本体と、
前記本体の内部に設けられ、一面側に第1回路部品が取り付けられる第1回路基板と、
前記本体の内部に設けられ、一面側に第2回路部品が取り付けられる第2回路基板と、
前記本体の内部であって、前記第1回路基板と前記背面吸気口との間に設けられたファンと、を備え、
前記第1回路基板の他面側と前記第2回路基板の他面側とが絶縁されて対向しており、
前記第2回路基板は、前記ファンの駆動により前記前面吸気口から吸気した冷却風で冷却され、前記第1回路基板は、前記ファンの駆動により前記第2回路基板を冷却した冷却風と前記背面吸気口から吸気した冷却風とで冷却される
ことを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記第1回路基板及び前記第2回路基板が取り付けられる基板ホルダを備え、
前記基板ホルダによって、前記第1回路基板の他面側と前記第2回路基板の他面側とが絶縁されて対向する
ことを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記基板ホルダと前記第1回路基板との間、及び前記基板ホルダと前記第2回路基板との間の少なくとも一方には、防磁板が設けられる
ことを特徴とする請求項2に記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記基板ホルダの一部は防磁板で構成される
ことを特徴とする請求項2に記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記防磁板には、忌避材がコーティングされている
ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記第1回路基板と前記第2回路基板とが空間を隔てて前記本体に固定され、
前記空間によって、前記第1回路基板の他面側と前記第2回路基板の他面側とが絶縁されて対向する
ことを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、本体の内部に、制御基板を支持する基板ホルダを設けた加熱調理器があった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4494379号公報(図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の加熱調理器では、制御基板(回路基板)の数だけ基板ホルダが設けられるため、制御基板の数が多くなると、本体内部のスペースを圧迫してしまうという課題があった。
【0005】
本発明は、上述のような課題を背景としてなされたものであり、従来よりも、本体内部のスペースの圧迫を抑制する加熱調理器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る加熱調理器は、背面側に背面吸気口が形成され、前面側に前面吸気口が形成された本体と、前記本体の内部に設けられ、一面側に第1回路部品が取り付けられる第1回路基板と、前記本体の内部に設けられ、一面側に第2回路部品が取り付けられる第2回路基板と、前記本体の内部であって、前記第1回路基板と前記背面吸気口との間に設けられたファンと、を備え、前記第1回路基板の他面側と前記第2回路基板の他面側とが絶縁されて対向しており、前記第2回路基板は、前記ファンの駆動により前記前面吸気口から吸気した冷却風で冷却され、前記第1回路基板は、前記ファンの駆動により前記第2回路基板を冷却した冷却風と前記背面吸気口から吸気した冷却風とで冷却されるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、本体の内部に設けられ、一面側に第1回路部品が取り付けられる第1回路基板と、本体の内部に設けられ、一面側に第2回路部品が取り付けられる第2回路基板と、を備え、第1回路基板の他面側と第2回路基板の他面側とが絶縁されて対向するので、第1の回路基板を保持する基板ホルダと第2の回路基板を保持する基板ホルダとを共用することにより基板ホルダの配置スペースを低減でき、従来よりも、本体内部のスペースの圧迫を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る加熱調理器100の外観斜視図である。
図2】実施の形態1に係る加熱調理器100の概略断面図であり、加熱調理器100を調理台110に取り付けた状態での図1のX−X線に沿う断面を示す図である。
図3】実施の形態1に係る加熱調理器100の概略断面図であり、図2のY−Y線に沿う断面を示す図である。
図4】実施の形態1と別の実施の形態に係る加熱調理器100の概略断面図であり、図2のY−Y線に相当する位置の線を示す図である。
図5】実施の形態2に係る加熱調理器100の、調理台110に取り付けた状態での概略断面図である。
図6】実施の形態3に係る加熱調理器100の、調理台110に取り付けた状態での概略断面図を示す第1の例である。
図7】実施の形態3に係る加熱調理器100の概略断面図であり、図6のA−A線に沿う断面を示す図である。
図8】実施の形態3に係る加熱調理器100の概略断面図を示す第2の例である。
図9】実施の形態4に係る加熱調理器100の、調理台110に取り付けた状態での概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る加熱調理器100の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下に示す図面の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以降の説明において、理解を容易にするために方向を示す用語(例えば、「前」、「後」、「右」、「左」等)を用いることがあるが、これは説明のためのものであって、本願発明を限定するものではない。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る加熱調理器100の外観斜視図である。
図1に示されるように、加熱調理器100は、箱状の本体1と、本体1の上に載置された天板部2とを備える。天板部2は、本実施の形態では、例えばセラミック製のプレート(天板)2aとプレート2aの外周を囲む金属製のプレート枠2bとを主要な構成要素としている。本体1及び天板部2は、加熱調理器100の外郭を構成しており、天板部2の上には鍋等の被加熱物が載置される。
【0011】
加熱調理器100の天板部2には、被加熱物を載置する目安としての加熱口3が印刷等によって表示されている。天板部2の手前側には、各加熱口3に対応して設けられた押しボタン又はタッチパネルで構成された操作部4と、加熱調理器100の動作状態や各加熱口3における加熱条件等の各種情報を表示する液晶画面やランプ等で構成された表示部5とが設けられている。
【0012】
本体1内であって天板部2の下方には、内部に電気ヒーター等の加熱手段を有し前面が引き出し式の扉で覆われたグリル部6と、グリル部6の上側に設置され加熱口3に載置される被加熱物を加熱する加熱手段(図1には図示せず)とが設けられている。本実施の形態1では、3つの加熱口3のうち前側の左右2つの加熱口3にそれぞれ対応して加熱手段としての加熱コイル7(図1には図示せず、図2参照)が設けられ、後側の加熱口3には電熱線ヒーターが設けられている。なお、すべての加熱口3に加熱コイル7を設けてもよい。
【0013】
本体1の周囲を構成する周壁(後壁及び右側壁の一部)には、背面吸気口11a,11bが形成されている。背面吸気口11a,11bは、本体1の周壁を構成する板金に形成された複数の開口部によって構成されている。また、本体1の前部下方には、前面吸気口カバー13が取り付けられており、この前面吸気口カバー13に覆われた本体1の周壁(前壁)に、前面吸気口12(図2参照)が形成されている。背面吸気口11a,11b及び前面吸気口12は、外部から本体1内へ空気を流入させるための開口である。
【0014】
天板部2の後部、より詳しくは天板部2の一部を構成するプレート枠2bの後部には、本体1内から外部への空気の流出口となる排気口14が形成されている。排気口14は、天板部2の幅方向に細長く延びるように形成されている。排気口14の上側には、板金等の耐熱性の高い材料で構成され通気可能な開口部を有する排気口カバー(図示せず)が載置され、排気口14内への異物の侵入が抑制される。
【0015】
なお、本実施の形態1では、プレート2aとプレート枠2bとを主要な構成要素とする天板部2を設け、プレート枠2bに排気口14を形成した例を示すが、天板部2の具体的構成及び排気口14が形成される具体的な部材はこれに限定されない。例えば、プレート枠2bを設けず、プレート2aに排気口14を形成してもよく、加熱調理器100の外郭の上面を構成する部材に、本体1内と連通する排気口14を形成すればよい。
【0016】
図2は、実施の形態1に係る加熱調理器100の概略断面図であり、加熱調理器100を調理台110に取り付けた状態での図1のX−X線に沿う断面を示す図である。図2では、冷却ファン40が動作することによって生じる空気の流れを矢印で概念的に示している。図3は、実施の形態1に係る加熱調理器100の概略断面図であり、図2のY−Y線に沿う断面を示す図である。図4は、実施の形態1と別の実施の形態に係る加熱調理器100の概略断面図であり、図2のY−Y線に相当する位置の線を示す図である。
【0017】
図2図3に示されるように、本体1の内部であって天板部2の下側には加熱コイル7が設けられている。加熱コイル7よりも下側には、回路基板21a,21b及び基板ホルダ41が設けられている。
【0018】
回路基板21a,21bは、例えばインバータ回路基板である。回路基板21aの一面側には回路部品23aが取り付けられ、回路基板21bの一面側には回路部品23bが取り付けられている。基板ホルダ41は、例えば、ポリプロピレン(PP)等の樹脂製のものである。回路基板21a,21bは、基板ホルダ41に支持され、回路基板21aと回路基板21bとが、基板ホルダ41を介して本体1に接続される。このように、基板ホルダ41によって回路基板21aの他面側と回路基板21bの他面側とが絶縁されて対向するようになっている。回路基板21aと基板ホルダ41とは、例えばネジ(図示せず)で固定され、回路基板21bと基板ホルダ41とは、例えばネジ(図示せず)で固定される。
【0019】
なお、回路基板21aが、本発明の第1回路基板に相当する。また、回路基板21bが、本発明の第2回路基板に相当する。また、回路部品23aが、本発明の第1回路部品に相当する。また、回路部品23bが、本発明の第2回路部品に相当する。
【0020】
図2に示されるように、回路基板21aの後方には冷却ファン40が配置されている。冷却ファン40は、例えば、軸流ファンで構成されており、回転軸が前後方向に概ね水平に向くようにして、基板ホルダ41の上に設置されている。冷却ファン40から送出された冷却風は、回路部品23aに向かって流れる。
【0021】
図2を用いて、加熱調理器100の内部を冷却する冷却風の流れる風路構成を説明する。背面吸気口11a,11bと冷却ファン40の吸引側との間に形成される風路を、第一吸気風路51という。また、基板ホルダ41と本体1の底板との間に形成され、前面吸気口12から冷却ファン40の吸引側に至る風路を、第二吸気風路52という。第一吸気風路51と第二吸気風路52は、ともに冷却ファン40の吸引側で連通しており、冷却ファン40の吸引側(冷却ファン40の上流側)において合流する。また、冷却ファン40の吐出側には、第一吹出風路53及び第二吹出風路54が形成されている。第一吹出風路53には、回路基板21aが設けられている。第二吹出風路54には、加熱コイル7が設けられている。
【0022】
次に、実施の形態1に係る加熱調理器100の動作及び作用を説明する。ここでは、図2を参照して、冷却ファン40が動作することによって生じる冷却風の流れを中心に説明する。
【0023】
加熱コイル7が設けられた加熱口3で加熱調理を行う場合、使用者が天板部2の加熱口3の上に鍋等の被加熱物を載置して操作部4に加熱開始の指示を入力すると、回路基板21aから加熱コイル7に高周波電力が供給され、天板部2の上に載置された被加熱物が誘導加熱される。そして、冷却ファン40が動作を開始する。
【0024】
冷却ファン40が動作すると、本体1の外側の空気は、冷却ファン40の吸引作用によって、背面吸気口11a,11bから本体1の内部へと吸い込まれ、第一吸気風路51内に冷却ファン40へ向かう空気の流れが形成される。また、冷却ファン40が動作すると、冷却ファン40の吸引側と連通する前面吸気口12にも吸引力が生じ、本体1の外部の空気が前面吸気口12を通って本体1の内部へと吸い込まれ、第二吸気風路52内に冷却ファン40へ向かう空気の流れが形成される。第二吸気風路52内を流れる冷却風が、回路部品23bの周囲を通過して、回路部品23bを冷却する。
【0025】
冷却ファン40から送出された冷却風は、第一吹出風路53に吹き出され、回路部品23aの周囲を通過する。第一吹出風路53内を流れる冷却風が、回路部品23aの周囲を通過して、回路部品23aを冷却する。
【0026】
第一吹出風路53を通過した冷却風は、回路部品23aを冷却した後に上方に向かって流れ、回路基板21aの上方に位置する加熱コイル7に吹き付けられて加熱コイル7の近傍を通過し、加熱コイル7の近傍を通過する冷却風によって加熱コイル7が冷却される。加熱コイル7の周囲を通過する冷却風は、天板部2の下面に沿って排気口14(図1参照)が形成された天板部2の後方に向かって流れる。天板部2の下面に沿って後方に流れた冷却風は、排気口14から加熱調理器100の外部へと流出する。
【0027】
以上のように、本実施の形態1の加熱調理器100は、本体1と、本体1の内部に設けられ、一面側に回路部品23aが取り付けられる回路基板21aと、本体1の内部に設けられ、一面側に回路部品23bが取り付けられる回路基板21bと、を備え、回路基板21aの他面側と回路基板21bの他面側とが絶縁されて対向する。このため、従来よりも基板ホルダの数を少なくすることができる。したがって、回路基板21aを保持する基板ホルダと回路基板21bを保持する基板ホルダとを基板ホルダ41で共用することにより基板ホルダの配置スペースを低減でき、従来よりも、本体の内部のスペースを圧迫することを低減することができる。
【0028】
なお、基板ホルダ41を設け、回路基板21a,21bを絶縁する例について説明したが、これに限定されない。回路基板21a,21bが絶縁される程度に、回路基板21a,21bを間隔を空けて配置してもよい。図4に示すように、回路基板21aと回路基板21bとが空間を隔ててネジ80により本体1に固定され、この空間によって、回路基板21aの他面側と回路基板21bの他面側とが絶縁されて対向する。このように構成すれば、基板ホルダ41を設けることなく、回路基板21a,21bを絶縁することができるため、本体1の内部のスペースの圧迫をさらに抑制することができる。このとき、回路基板21a,21bを設ける位置に応じて、冷却ファン40を設ける位置を考慮することが望ましい。
【0029】
また、吸気口の個数は、上述した例に限定されるものではない。例えば、前面吸気口12のみ設けられるようにしてもよい。このように構成しても、外気を本体1内部に取り込むことができ、回路部品23a,23bを冷却することができる。また、例えば、前面吸気口12及び背面吸気口11aを設けるように構成してもよく、前面吸気口12及び背面吸気口11bを設けるように構成してもよい。このように構成しても、外気を本体1内部に取り込むことができ、回路部品23a,23bを冷却することができる。そして、このように構成した場合には、前面吸気口12のみ設けた場合と比較して、回路部品23aを効率良く冷却することができる。
【0030】
実施の形態2.
本実施の形態2では、実施の形態1とは異なり、前面吸気口12を排除し、背面吸気口11a,11bから本体1の内部に外気を導入している。本実施の形態2では実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同様の構成については同一の符号を付す。
【0031】
図5は実施の形態2に係る加熱調理器100の、調理台110に取り付けた状態での概略断面図である。
以下に、図5を用いて、実施の形態2に係る加熱調理器100の内部を冷却する冷却風の流れる風路構成を説明する。実施の形態1の前面吸気口12を排除しているため、実施の形態1の第二吸気風路52が形成されないようになっている。冷却ファン40の下流側には、第一吹出風路53a,53bが形成されている。第一吹出風路53aには、回路部品23aが配置されている。第一吹出風路53bには、回路部品23bが配置されている。
【0032】
以下に、図5を用いて、実施の形態2に係る加熱調理器100の動作及び作用を説明する。冷却ファン40が動作すると、本体1の外側の空気は、冷却ファン40の吸引作用によって、背面吸気口11a,11bから本体1の内部へと吸い込まれ、第一吸気風路51内で合流し、冷却ファン40へ向かう空気の流れが形成される。
【0033】
冷却ファン40から送出された冷却風は、第一吹出風路53a,53bに吹き出され、回路部品23a,23bの周囲を通過する。第一吹出風路53aを流れる空気は、回路部品23aを冷却する。第一吹出風路53bを流れる空気は、回路部品23bを冷却する。回路部品23aを冷却した空気、及び回路部品23bを冷却した空気は合流し、その後の空気の流れは、実施の形態1と同様である。
【0034】
ここで、回路部品23aは、例えば左右の加熱口3の加熱コイル7に対応する。回路部品23bは、例えば中央の加熱口3の加熱コイル7に対応する。一般に、左右の加熱口3の加熱コイル7の加熱出力は、中央の加熱口3の加熱コイル7の加熱出力よりも高くなっている。
【0035】
図5に示されるように、第一吹出風路53aは、第一吹出風路53bよりも断面積が大きくなるように構成されている。このため、冷却ファン40から第一吹出風路53aに排出される冷却風の風量は、冷却ファン40から第一吹出風路53bに排出される冷却風の風量よりも多くなる。ここで、上述したように、左右の加熱口3の加熱コイル7に対応して回路部品23aが設けられ、中央の加熱口3の加熱コイル7に対応して回路部品23bが設けられる。したがって、回路部品23bよりも温度の高い回路部品23aを効率的に冷却することができる。
【0036】
なお、回路部品23a,23bと、加熱口との関係は上述の例に対応するものではない。相対的に加熱出力の高い加熱コイル7に対応して回路部品23aが設けられ、相対的に加熱出力の低い加熱コイル7に対応して回路部品23bが設けられればよい。
【0037】
また、背面吸気口11a,11bの両方から本体1内部に空気を取り入れる例について説明したが、これに限定されない。背面吸気口11a,11bのいずれかのみから本体1の内部に空気を取り入れてもよい。
【0038】
実施の形態3.
本実施の形態3では、実施の形態1とは異なり、防磁板47を設けたものである。
本実施の形態3では実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同様の構成については同一の符号を付す。
【0039】
図6は実施の形態3に係る加熱調理器100の、調理台110に取り付けた状態での概略断面図を示す第1の例である。図7は実施の形態3に係る加熱調理器100の概略断面図であり、図6のA−A線に沿う断面を示す図である。図8は実施の形態3に係る加熱調理器100の概略断面図を示す第2の例である。
【0040】
図6に示されるように、防磁板47は、回路基板21aと基板ホルダ41との間に設けられた、金属で構成された部材である。すなわち、防磁板47は、回路部品23aが取り付けられる回路基板21aの面と対向する面の側であって、回路部品23bが取り付けられる回路基板21bの面と対向する面の側に配置される。なお、防磁板47がたわむことを考慮して、防磁板47の表面に絶縁膜(図示省略)を施しておくことが望ましい。
【0041】
このように防磁板47を配置することで、回路基板21aの配線を流れる高周波電流が発生する高周波磁界が回路基板21b上の配線に誘導電流を発生させたり、逆に、回路基板21bの配線を流れる高周波電流が発生する高周波磁界が回路基板21a上の配線に誘導電流を発生させたりすることを抑制できる。特に、回路基板21aの配線を流れる高周波電流と、回路基板21bの配線を流れる高周波電流の周波数が異なる場合は、周波数差に対応した耳障りな干渉音が発生することがあるが、防磁板47により干渉音が発生することを抑制することができる。
【0042】
なお、ゴキブリ等の害虫が忌避する材料でコーティングされた板金部材で防磁板47を構成してもよい。このように構成すれば、例えばゴキブリ等の虫が、回路基板21a,21bに侵入することを抑制することができる。
【0043】
また、防磁板47の設けられる位置は、上述した例に限定されるものではなく、回路基板21bと基板ホルダ41との間に設けられていてもよい。また、回路基板21aと基板ホルダ41との間に防磁板47が設けられ、さらに、回路基板21bと基板ホルダ41との間に防磁板47が設けられていてもよい。このように構成することにより、耳障りな干渉音の発生をさらに抑制することができる。
【0044】
また、図8に示されるように、基板ホルダ41とは別に防磁板47を設けずに、基板ホルダ41の一部を防磁板47で構成してもよい。すなわち、基板ホルダ41は、上述したようなポリプロピレン(PP)等の樹脂製のものではなく、例えば金属製の材料で構成される。このように構成すれば、部品点数を増やさずに、防磁板47を設けることができる。なお、このとき、回路基板21aと防磁板47との間に、絶縁部材41aを介在させ、回路基板21bと防磁板47との間に、絶縁部材41bを介在させ、回路基板21a,21bと、防磁板47とが直接触れないように構成することが望ましい。絶縁部材41a,41bは、例えば、ポリプロピレン(PP)等の樹脂製のものである。
【0045】
実施の形態4.
本実施の形態4では、実施の形態2とは異なり、防磁板47を設けたものである。
本実施の形態4では、実施の形態2との相違点を中心に説明し、実施の形態2と同様の構成については同一の符号を付す。
【0046】
図9は実施の形態4に係る加熱調理器100の、加熱調理器100を調理台110に取り付けた状態での概略断面図である。
図9に示されるように、防磁板47は、回路基板21aと回路基板21bとの間に設けられ、例えば金属で構成された部材である。すなわち、防磁板47は、回路部品23aが取り付けられる回路基板21aの面と対向する面であって、回路部品23bが取り付けられる回路基板21bの面と対向する面である位置に配置される。このように防磁板47を配置することで、耳障りな干渉音が発生することを抑制することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 本体、2 天板部、2a プレート、2b プレート枠、3 加熱口、4 操作部、5 表示部、6 グリル部、7 加熱コイル、11a,11b 背面吸気口、12 前面吸気口、13 前面吸気口カバー、14 排気口、21a,21b 回路基板、23a,23b 回路部品、40 冷却ファン、41 基板ホルダ、41a,41b 絶縁部材、47 防磁板、51 第一吸気風路、52 第二吸気風路、53,53a,53b 第一吹出風路、54 第二吹出風路、80 ネジ、100 加熱調理器、110 調理台。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9