(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
集中型発電源で発電した電力と再生可能エネルギーを利用した分散型発電源で発電した電力とを電気設備に供給する第1配電系統を有して前記集中型発電源からの電力をそれぞれ独立して受電する配電ユニットを複数備えた電力融通システムにおいて、
前記各配電ユニットは、
前記第1配電系統から電気的に独立して設けられて前記分散型発電源のみからの電力を配電する第2配電系統と、
前記分散型発電源からの前記第1配電系統または前記第2配電系統への配電を選択的に切り替える切替手段と、
複数の前記第2配電系統が電気的に接続されて前記各配電ユニットから独立して設けられた蓄電池に蓄電された電力を前記第1配電系統に配電する第3配電系統と、
該第3配電系統により前記第1配電系統へ配電する際に前記切替手段による前記第1配電系統への切り替えを停止するように制御するとともに、前記切替手段により前記第1配電系統に切り替える際に前記第3配電系統による前記第1配電系統への配電を停止するように制御する制御装置と、
を備えることを特徴とする電力融通システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の電力供給システムによると、複数の電力供給システムが設置される場合は蓄電池がそれぞれ各システムに設けられ、この蓄電池に、太陽光発電パネルで発電された電力が一旦蓄電される。
【0007】
しかし、一般に、蓄電池は高価であることから、電力供給システムの導入コストが増大することとなる。そこで、各システムにそれぞれの蓄電池を設置することなく、1個の蓄電池を設けて近隣する電力供給システム間で共用することが考えられる。
【0008】
ところが、電力供給システムの蓄電池は、太陽光発電パネルからの電力を供給する系統が商用交流電源からの電力を供給する系統に系統連係されていることから、このような蓄電池を他の電力供給システムと共用すると、一の電力供給システムと他の電力供給システムとが電気的に接続することとなる。
【0009】
この一の電力供給システム及び他の電力供給システムが、異なる引込線を介して商用交流電源から電力を引き込んでいる個別受電方式の場合は、商用交流電源から一の引込線によって引き込まれた電力を用いた電気機器と、異なる他の引込線によって商用交流電源から引き込まれた電力を用いた電気機器とを電気的に接続することとなる。かかる電気的な接続は、主に電気的な安全性を確保する等の観点から、電気事業法によって法的に禁止されている。
【0010】
従って、電気事業法による規制の下では、電力供給システムの導入コストが増大することが想定される。
【0011】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、電気事業法で規制されることなく、共同の蓄電池への蓄電及び共同の蓄電池からの配電を適切に行うことができる電力融通システム及びこの電力融通システム用の制御手順決定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、集中型発電源で発電した電力と再生可能エネルギーを利用した分散型発電源で発電した電力とを電気設備に供給する第1配電系統を有して前記集中型発電源からの電力をそれぞれ独立して受電する配電ユニットを複数備えた電力融通システムにおいて、前記各配電ユニットは、前記第1配電系統から電気的に独立して設けられて前記分散型発電源のみからの電力を配電する第2配電系統と、前記分散型発電源からの前記第1配電系統または前記第2配電系統への配電を選択的に切り替える切替手段と、複数の前記第2配電系統が電気的に接続されて前記各配電ユニットから独立して設けられた蓄電池に蓄電された電力を前記第1配電系統に配電する第3配電系統と、
該第3配電系統により前記第1配電系統へ配電する際に前記切替手段による前記第1配電系統への切り替えを停止するように制御するとともに、前記切替手段により前記第1配電系統に切り替える際に前記第3配電系統による前記第1配電系統への配電を停止するように制御する制御装置と、を備えることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、集中型発電源からの電力をそれぞれ独立して受電する複数の配電ユニットがそれぞれ、集中型発電源からの電力を配電する第1配電系統から独立した第2配電系統を有することから、各配電ユニットにそれぞれ設けられた第2配電系統を、電気事業法によって規制されることなく共同の蓄電池に電気的に接続することができる。
【0014】
従って、各配電ユニットに蓄電池をそれぞれ設ける必要がないことから、各配電ユニットを有する電力融通システムの導入コストを低減させることができる。
【0015】
さらに、共同の蓄電池に一括して蓄電した電力を、第3配電系統を介して各配電ユニット間で効率的に利用したり、大規模停電等の緊急時や災害時に近接する配電ユニット間で共用したりする等、蓄電した電力を有効に活用することができる。
【0017】
各配電ユニットは、第3配電系統による配電及び第1配電系統による配電を行う際の配電制御を実行する制御装置を備えることから、蓄電池に蓄電された電力と分散型発電源からの電力とが同時に第1配電系統に配電されることがなく、各配電ユニットによって蓄電池に蓄電された電力を効率的に配電することができる。
【0018】
請求項
2に記載の発明は、請求項
1に記載の電力融通システムにおいて、前記制御装置は、前記切替手段によって前記分散型発電源からの電力が前記第1配電系統へ配電されるように切り替えられている際に、前記分散型発電源の発電量が前記電気設備で要求される電力量よりも多い場合は、前記分散型発電源で発電された電力を前記集中型発電源側の電力設備に送電するように制御することを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、分散型発電源で発電された余剰の電力を制御装置が集中型発電源側の電力設備に送電することから、余剰の電力を廃棄することなく有効に活用することができる。
【0020】
さらに、例えば、集中型発電源側の電力設備に送電する際に、電力量に応じた課金処理を行うことによって、電力融通システムの運用コストを低減させることができる。
【0021】
請求項
3に記載の発明は、請求項
1または
2に記載の電力融通システムにおいて、前記制御装置は、前記第2配電系統による前記蓄電池への蓄電が完了している場合は、前記切替手段が前記第2配電系統に切り替えられた状態を保持したままで、前記蓄電池に蓄電された電力を前記第3配電系統によって前記第1配電系統に配電するように制御することを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、分散型発電源で発電された電力が、蓄電が完了した蓄電池に配電される場合は、蓄電池に蓄電された電力が第1配電系統に配電されることから、蓄電池に蓄電された電力を利用しつつ蓄電池に蓄電することができる。これにより、余剰の電力を廃棄することなく有効に活用することができる。
【0023】
請求項
4に記載の発明は、請求項
1または
2に記載の電力融通システムにおいて、前記制御装置は、前記第2配電系統による前記蓄電池への蓄電が完了している場合は、前記切替手段を前記第1配電系統に切り替えて前記分散型発電源で発電された電力を前記第1配電系統に配電するように制御することを特徴とする。
【0024】
この構成によれば、分散型発電源で発電された電力が、蓄電が完了した蓄電池に配電される場合は、分散型発電源で発電された電力が第1配電系統に配電されることから、第1配電系統からの電力を消費する際の省エネルギー効率が向上する。さらに、余剰の電力を廃棄することなく有効に活用することができる。
【0025】
請求項
5に記載の発明は、請求項
1〜
4のいずれか1項に記載の電力融通システムにおいて、前記制御装置は、前記蓄電池に蓄電された電力が前記第3配電系統によって前記第1配電系統に配電される際に、前記第1配電系統を介して逆潮流が検出された場合は、前記第3配電系統による前記第1配電系統への配電を停止するように制御することを特徴とする。
【0026】
この構成によれば、蓄電池に蓄電された電力が第3配電系統を介して第1配電系統に配電される際に逆潮流を検出した場合は、第3配電系統から第1配電系統への配電が停止されることから、電力品質の低下や電力設備に及ぼされる影響を抑制することができる。
【0027】
請求項
6に記載の発明は、請求項
1〜
5のいずれか1項に記載の電力融通システムにおいて、前記制御装置は、前記蓄電池に蓄電された前記分散型発電源のみからの電力が前記第3配電系統によって前記第1配電系統に配電される際に、前記蓄電池の蓄電容量が所定値以下となった場合は、前記第3配電系統による前記第1配電系統への配電を停止するように制御することを特徴とする。
【0028】
この構成によれば、蓄電池に蓄電された電力が第3配電系統を介して第1配電系統に配電される際に蓄電池の蓄電容量が所定値以下となった場合は、第3配電系統から第1配電系統への配電を停止することから、蓄電池からの電力消費を規制することができる。
【0029】
これにより、例えば、大規模停電等の緊急時や災害時に蓄電池から使用する電力を確保しておくことができる。
【0032】
上記目的を達成するための請求項
7に記載の発明は、請求項
1〜
6のいずれか1項に記載の電力融通システム用の制御手順決定装置であって、前記制御装置は、 前記配電ユニットにおける前記第1配電系統、前記第2配電系統及び前記第3配電系統の配電制御状態のそれぞれを配電制御状態データとして取得する配電制御状態データ取得部を有し、前記配電制御状態データを評価する評価指標が格納された評価指標格納データベースを備え、該評価指標格納データベースに格納された前記評価指標に基づいて前記配電制御状態データを評価することを特徴とする。
【0033】
この構成によれば、制御手順決定装置は、評価指標に基づいて各配電ユニットの配電状態を表した配電制御状態データを評価することから、この評価に基づいて、各配電ユニットを制御することができる。従って、電力融通システムは、最適な評価指標に基づいた制御が実行され、共同の蓄電池への蓄電及び共同の蓄電池からの配電を適切に行うことができる。
【発明の効果】
【0036】
この発明によれば、電気事業法に規制されることなく、共同の蓄電池に各配電ユニットの第2配電系統を電気的に接続することができることから、各配電ユニットに蓄電池をそれぞれ設ける必要がない。従って、電力融通システムの導入コストを低減させることができる。
【0037】
その結果、電力融通システムの導入の容易化及び普及化が図られ、分散型発電源による電力の自給自足化、及び分散型発電源からの電力を供給する事業の事業化を促進することができる。
【0038】
さらに、共同の蓄電池に一括して蓄電した電力を、第3配電系統を介して各配電ユニット間で効率的に利用したり、大規模停電等の緊急時や災害時に近接する配電ユニット間で共用したりする等、蓄電した電力を有効に活用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0040】
次に、本発明の実施の形態について、
図1〜
図12に基づいて説明する。
【0041】
図1は、本発明の実施の形態に係る電力融通システムの概略を説明する構成図である。
【0042】
図示のように、電力融通システム10は、複数の住宅1−1、1−2〜1−nが集積した電力消費地において、複数の住宅1−1、1−2〜1−nにそれぞれ設置された複数の配電ユニット10−1、10−2〜10−n、及びこれら複数の配電ユニット10−1、10−2〜10−nから独立して各配電ユニット10−1、10−2〜10−nの外部に設けられるとともに各配電ユニット10−1、10−2〜10−nと電気的に接続される1個の共同の蓄電池30を備えて構成される。
【0043】
なお、住宅1−1、1−2〜1−nに設置されている配電ユニット10−1、10−2〜10−nはいずれも同じ構成を有することから、特に必要がある場合を除き、住宅1−1に設置された配電ユニット10−1について説明する。
【0044】
配電ユニット10−1は、小規模発電設備を有する分散型発電源、本実施の形態では太陽光発電パネル12を備えるとともに、第1配電系統となる交流系統14を備える。
【0045】
交流系統14は、本実施の形態では、太陽光発電パネル12からの直流電圧を交流電圧に変換し、変換した交流電圧を、例えば電気事業者の火力発電所等といった大規模発電設備を有する集中型発電源からの電力を配電する商用交流配電線100からの交流電圧とともに配電可能に形成されている(系統連係)。
【0046】
一方、配電ユニット10−1は、太陽光発電パネル12からの直流電圧を配電する第2配電系統となる直流系統16を備える。この直流系統16は、交流系統14と電気的に独立して交流系統14と並列的に住宅1−1に設けられている。
【0047】
直流系統16と交流系統14とは、太陽光発電パネル12からの電力供給を直流系統16と交流系統14とに選択的に切り替える切替手段、本実施の形態では切替スイッチ20によって切替可能に接続されている。
【0048】
すなわち、切替スイッチ20が交流系統14側に切り替えられている場合は、太陽光発電パネル12からの直流電圧は交流系統14に供給され、切替スイッチ20が直流系統16側に切り替えられている場合は、太陽光発電パネル12からの直流電圧は直流系統16に供給される。
【0049】
なお、切替スイッチ20は、ハードウェアによって構成されていてもよいし、ソフトウェアによって構成されていてもよい。
【0050】
住宅1−1、1−2〜1−nにそれぞれ設置された各直流系統16は、少なくとも2以上が各配電ユニット10−1、10−2〜10−nにおいて共同で用いる単一の蓄電池30に電気的に接続される。
【0051】
すなわち、直流系統16を介して配電ユニット10−1と蓄電池30とが電気的に接続され、この蓄電池30に、太陽光発電パネル12からの直流電力のみが直流系統16を介して蓄電される。
【0052】
さらに、配電ユニット10−1は、蓄電池30に蓄電された太陽光発電パネル12のみからの電力を交流系統14に配電する第3配電系統となる蓄電池系統18を備える。この蓄電池系統18は、蓄電池30の直流電圧を交流電圧に変換し、変換した電圧を交流系統14に配電する。
【0053】
このような各配電ユニット10−1、10−2〜10−nには、商用交流配電線100、引込線102及び交流系統14を順に介して集中型発電源からの電力を各配電ユニット10−1、10−2〜10−nがそれぞれ個別に受電するいわゆる個別受電方式によって、集中型発電源からの電力が配電される。
【0054】
これら交流系統14、直流系統16及び蓄電池系統18を有する各配電ユニット10−1、10−2〜10−nは、制御装置40によってその配電状態が制御される。
【0055】
次に、本実施の形態における配電ユニット10−1の各部の具体的構成について説明する。
【0056】
太陽光発電パネル12は、複数の太陽電池モジュールが接続されて構成されるパネルであり、太陽光の照射量に応じて直流電圧を発電する。このような太陽光発電パネル12は、例えば、住宅1−1の屋根部に設置され、発電された直流電圧は、交流系統14及び直流系統16に供給される。
【0057】
交流系統14は、直流電圧を交流電圧に変換するDC/ACコンバータを内蔵したパワーコンディショナ14aを備える。パワーコンディショナ14aは、最大電力追従制御(Maximum Power Point Tracking:MPPT)によって、太陽光発電パネル12を常時監視して最大出力を得られる動作点で太陽光発電パネル12が動作するように制御する。
【0058】
この交流系統14は、交流分電盤14bを介して住宅1−1内の家電製品等の交流負荷14cに電気的に接続されており、交流負荷14cに電力を供給する。
【0059】
一方、交流系統14には、引込線102と、双方向通信機能を有しかつ電力量を常時計測して売電及び買電を管理するスマートメータ11とを介して、商用交流配電線100から交流電圧が引き込まれ、交流分電盤14bを介して住宅1−1内の交流負荷14cに電力を供給する。
【0060】
スマートメータ11と交流分電盤14bとの間には、電力センサ14dが設けられている。この電力センサ14dは、配電ユニット10−1から商用交流配電線100への電流である逆潮流を検出する。
【0061】
直流系統16は、直流電圧を直流電圧のままで昇圧または降圧するDC/DCコンバータ16aを備える。DC/DCコンバータ16aは、パワーコンディショナ14aと同様、最大電力追従制御(MPPT)によって、太陽光発電パネル12を常時監視して最大出力を得られる動作点で太陽光発電パネル12が動作するように制御する。
【0062】
蓄電池系統18は、蓄電池30からの直流電圧を直流電圧のままで昇圧または降圧するDC/DCコンバータ18a、及び直流電圧を交流電圧に変換するDC/ACコンバータを内蔵したパワーコンディショナ18bを備える。
【0063】
このDC/DCコンバータ18a及びパワーコンディショナ18bを介して、蓄電池30に蓄電された電力が交流系統14に配電される。
【0064】
制御装置40は、配電ユニット10−1の交流系統14、直流系統16及び蓄電池系統18による配電を制御する。この制御装置40の構成について、
図2に基づいて説明する。
【0065】
図示のように、制御装置40は、逆潮流制御部42及び中央制御部44によって構成される。逆潮流制御部42は、電力センサ14dと蓄電池系統18のDC/DCコンバータ18aとの間に設けられ、電力センサ14dが逆潮流を検出すると、この逆潮流制御部42によって、蓄電池系統18から交流系統14への配電が停止される。
【0066】
一方、中央制御部44は、配電制御状態データ取得部44A、配電手順データ管理部44B及び指令部44Cを主要構成として備える。
【0067】
配電制御状態データ取得部44Aは、スマートメータ11で検知された配電ユニット10−1内で配電される電力量を配電制御状態データD1として取得するとともに、パワーコンディショナ14a、パワーコンディショナ18b、切替スイッチ20及び逆潮流制御部42の一定期間の動作状態を配電制御状態データD1として取得する。配電制御状態データ取得部44Aが取得した配電制御状態データD1は、後述する制御手順決定装置50のマッチング演算部54に送り出される。
【0068】
配電手順データ管理部44Bには、交流系統14、直流系統16及び蓄電池系統18の基本的な配電手順が基本配電手順データD2として予め設定されている。
【0069】
この配電手順データ管理部44Bは、後述する制御手順決定装置50の評価指標選択部56から送り出された評価指標データD3と基本配電手順データD2とを相関せしめて制御データD4を生成し、指令部44Cに送り出す。
【0070】
指令部44Cは、配電手順データ管理部44Bから送り出された制御データD4に基づいて、パワーコンディショナ14a、パワーコンディショナ18b及び切替スイッチ20に、一定期間の動作を適宜指令する。
【0071】
上記構成を有する各配電ユニット10−1〜10−nの各直流系統16及び各蓄電池系統18が、
図1で示すように1個の蓄電池30に電気的に接続されて、電力融通システム10が構成される。
【0072】
なお、蓄電池30は、本実施の形態では、リチウムイオン二次電池を用いているが、リチウムイオン二次電池に限らず、蓄電池(キャパシタを含む)であれば好適に用いることができる。
【0073】
次に、本実施の形態に係る電力融通システム10の制御手順について説明する。
【0074】
図3は、本実施の形態に係る電力融通システム10の制御手順の概略を説明するフローチャートである。
【0075】
図示のように、ステップS1において、中央制御部44の指令部44Cからの制御データD4に基づいて切替スイッチ20が交流系統14側に切り替えられている場合は、太陽光発電パネル12で発電された直流電圧による電力は、ステップS2において交流系統14に供給される。すなわち、商用交流配電線100からの電力と太陽光発電パネル12からの電力が共に、交流系統14の交流負荷14cに供給される。
【0076】
なお、交流系統14を介した買電量は、スマートメータ11によって把握されて管理される。
【0077】
この場合、ステップS3において、太陽光発電パネル12による発電量が、交流系統14の交流負荷14cで要求される電力量を上回っている場合は、太陽光発電パネル12で発電された余剰の電力は、中央制御部44の指令部44Cからの制御データD4に基づいたパワーコンディショナ14aの作動により、交流系統14を通ってスマートメータ11を介して商用交流配電線100に送電される。
【0078】
本実施の形態では、商用交流配電線100に送電された、太陽光発電パネル12で発電された余剰の電力は、ステップS4において、商用交流配電線100を管理する電気事業者に売電される。
【0079】
なお、太陽光発電パネル12で発電された余剰の電力の電気事業者への売電量は、スマートメータ11によって把握されて管理される。
【0080】
一方、ステップS1において、中央制御部44の指令部44Cからの制御データD4に基づいて切替スイッチ20が直流系統16側に切り替えられている場合は、ステップS5において、例えば、蓄電池30の端子間電圧を検知することによって、蓄電池30への蓄電が完了しているか否かが判断される。
【0081】
蓄電池30への蓄電が完了していないと判断された場合は、ステップS6において、蓄電池30への蓄電が実行される。
【0082】
蓄電池30への蓄電が完了していると判断された場合は、ステップS7において、中央制御部44の指令部44Cからの制御データD4に基づいて、切替スイッチ20を、直流系統16に切り替えられたままの状態に保持するかあるいは直流系統16から交流系統14に切り替えるかが判断される。
【0083】
切替スイッチ20を直流系統16から交流系統14に切り替えると判断された場合は、切替スイッチ20が直流系統16側から交流系統14側に切り替えられ、太陽光発電パネル12で発電された直流電圧による電力は、ステップS2において交流系統14に供給される。すなわち、商用交流配電線100からの電力と太陽光発電パネル12からの電力が共に、交流系統14の交流負荷14cに供給される。
【0084】
一方、切替スイッチ20を、直流系統16に切り替えられたままの状態に保持すると判断された場合は、切替スイッチ20が直流系統16側に切り替えられた状態が保持されて、太陽光発電パネル12で発電された直流電圧による電力は、蓄電池30に供給される。
【0085】
この状態で、ステップS8において、中央制御部44の指令部44Cからの制御データD4に基づいたパワーコンディショナ18bの作動により、蓄電池30に蓄電された電力が、蓄電池系統18を通って交流系統14に供給される。すなわち、蓄電池30に蓄電された電力が、交流系統14の交流負荷14cに供給される。
【0086】
ステップS9において、蓄電池30に蓄電された電力が蓄電池系統18を通って交流系統14に供給される際に、電力センサ14dが逆潮流を検出した場合は、ステップS10において、逆潮流制御部42の作動によって、蓄電池系統18から交流系統14への電力供給が停止される。
【0087】
一方、ステップS9において、蓄電池30に蓄電された電力が蓄電池系統18を通って交流系統14に供給される際に、電力センサ14dが逆潮流を検出しない場合は、ステップS11において、例えば、蓄電池30の端子間電圧を検知することによって、蓄電池30に蓄電された電力の残容量が予め設定された所定値以下(例えば50%以下)であるか否かが判断される。
【0088】
蓄電池30に蓄電された電力の残容量が予め設定された所定値以下であると判断された場合は、ステップS12において、中央制御部44の指令部44Cからの制御データD4に基づいたパワーコンディショナ18bの作動により、蓄電池系統18から交流系統14への電力供給が停止される。
【0089】
このように、電力融通システム10では、複数の配電ユニット10−1、10−2〜10−nにそれぞれ設けられた各直流系統16が太陽光発電パネル12からの直流電圧を配電することから、電気事業法によって規制されることなく、各配電ユニット10−1、10−2〜10−nにそれぞれ設けられた各直流系統16を1個の共同の蓄電池30に電気的に接続することができる。
【0090】
従って、各配電ユニット10−1、10−2〜10−nに蓄電池30をそれぞれ設ける必要がないことから、各配電ユニット10−1、10−2〜10−nを有する電力融通システム10の導入コストを低減させることができる。
【0091】
しかも、分散型発電源の中で最も普及が進んでいて一般家庭に設置しやすい太陽光発電パネル12を用いることで、電力融通システム10の導入が容易となり、かつ電力融通システム10の汎用性が拡大する。
【0092】
さらに、1個の共同の蓄電池30に一括して蓄電した電力を、電力消費地内の複数の住宅1−1、1−2〜1−nにおいて効率的に利用したり、大規模停電等の緊急時や災害時に近接する住宅1−1、1−2〜1−n間で共用したりする等、蓄電した電力を有効に活用することができる。
【0093】
上記のように、電力融通システム10は、制御データD4に基づいてその配電状態が制御される。この制御データD4は、本実施の形態では、電力融通システム10の制御手順を決定する制御手順決定装置50に基づいて生成される。この制御手順決定装置50について、以下説明する。
【0094】
図1で示すように、制御手順決定装置50は、各配電ユニット10−1、10−2〜10−nの各制御装置40と接続されている。
【0095】
図4は、制御手順決定装置50の構成の概略を説明する図である。図示のように、制御手順決定装置50は、評価指標格納データベース52、マッチング演算部54及び評価指標選択部56を主要構成として備える。
【0096】
評価指標格納データベース52には、本実施の形態では、公平性指標I1、経済性指標I2及びCO
2削減量指標I3が格納されている。
【0097】
マッチング演算部54は、評価指標格納データベース52に格納された各指標I1〜I3にアクセス可能に形成された演算処理装置であり、本実施の形態では、これらの指標I1〜I3に基づいて、中央制御部44の配電制御状態データ取得部44Aで取得された配電制御状態データD1を評価する。
【0098】
マッチング演算部54による配電制御状態データD1の評価は、配電制御状態データD1によって表された配電ユニット10−1、10−2〜10−nの制御実態が各指標I1〜I3のいずれに最も近似するかという観点から評価する。
【0099】
図5〜
図7は、マッチング演算部54による各指標I1〜I3に基づいた配電制御状態データD1の評価方法の概略を説明する図である。
【0100】
図5で示すように、公平性指標I1は、任意に設定された一定期間における各配電ユニット10−1、10−2〜10−nの蓄電池30への蓄電量及び蓄電池30の電力消費量に基づいて、配電制御状態データD1を評価する指標である。
【0101】
具体的には、例えば、2013年8月〜9月の1ヶ月間において、配電制御状態データD1として取得した各配電ユニット10−1、10−2〜10−n単位の蓄電池30への蓄電量を「蓄電量(A)」とし、かつ配電制御状態データD1として取得した各配電ユニット10−1、10−2〜10−n単位の蓄電池30の電力消費量を「蓄電池からの電力消費量(B)」とし、この(A)から(B)を減算した「(A)と(B)の差分」の値の大小によって、配電制御状態データD1を評価する。
【0102】
すなわち、(A)と(B)の差分が0(ゼロ)あるいは0に近い値であれば、(A)と(B)とが一致したと判断されて、「評価」において例えば“最適制御”であると評価される。
【0103】
一方、(A)と(B)の差分が0から大きく離れた値であれば電力消費量に対して蓄電量が上回り、あるいは(A)と(B)の差分が−(マイナス)の値であれば蓄電量に対して電力消費量が上回ることから、「評価」において例えば“非最適制御”であると評価される。
【0104】
図6で示すように、経済性指標I2は、本実施の形態では、一定期間における各配電ユニット10−1、10−2〜10−nの電力消費量に基づいて、配電制御状態データD1を評価する指標である。
【0105】
具体的には、各配電ユニット10−1、10−2〜10−nの環境条件や電力条件等を考慮して各配電ユニット10−1、10−2〜10−n単位で予め設定された電力消費量を「削減目標電力消費量(A)」とし、例えば、2013年8月〜9月の1ヶ月間において、配電制御状態データD1として取得した各配電ユニット10−1、10−2〜10−n単位の実際の電力消費量を「電力消費量(B)」とし、この(A)から(B)を減算した「(A)と(B)の差分」の値の大小によって、配電制御状態データD1を評価する。
【0106】
すなわち、(A)と(B)の差分が0(ゼロ)あるいは0に近い値であれば、「評価」において例えば“最適制御”であると評価される。
【0107】
一方、(A)と(B)の差分が0から大きく離れた値であれば、電力消費量に対して目標電力消費量が上回り、あるいは(A)と(B)の差分が−(マイナス)の値であれば目標電力消費量に対して実際の電力消費量が上回ることから、「評価」において例えば“非最適制御”であると評価される。
【0108】
なお、電気事業者への売電が行われた場合は、「電力消費量(B)」から売電量が減算されて評価される。
【0109】
図7で示すように、CO
2削減量指標I3は、本実施の形態では、一定期間における各配電ユニット10−1、10−2〜10−nの電力消費量のうち、太陽光発電パネル12で発電した電力の電力消費量の占める割合に基づいて、配電制御状態データD1を評価する指標である。
【0110】
具体的には、例えば、2013年8月〜9月の1ヶ月間において、配電制御状態データD1として取得した各配電ユニット10−1、10−2〜10−nの全電力消費量を「電力消費量(A)」とし、配電制御状態データD1として取得した交流系統14の電力消費量の「電力消費量(A)」における割合を「交流系統電力消費量割合(B)」とし、かつ配電制御状態データD1として取得した蓄電池系統18の電力消費量の「電力消費量(A)」における割合を「蓄電池系統からの電力消費量割合(C)」とする。
【0111】
この「交流系統電力消費量割合(B)」は、本実施の形態では、「商用交流発電源からの電力消費量割合(Ba)」と「系統連係からの電力消費量割合(Bb)」とにさらに区分される。
【0112】
すなわち、「電力消費量(A)」における「交流系統電力消費量割合(B)」の「商用交流発電源からの電力消費量割合(Ba)」に対して、「電力消費量(A)」における「交流系統電力消費量割合(B)」の「系統連係からの電力消費量割合(Bb)」及び「蓄電池系統からの電力消費量割合(C)」が、予め設定された閾値(例えば60%)を上回る場合は、「評価」において例えば“最適制御”であると評価される。
【0113】
一方、予め設定された閾値を下回る場合は、「評価」において例えば“非最適制御”であると評価される。
【0114】
なお、「商用交流発電源の電力消費量割合(Ba)」において、商用交流発電源において再生可能エネルギーを利用して発電された電力が混在している場合は、混在した電力の電力消費量は、「蓄電池系統からの電力消費量割合(C)」に割り当てられる。
【0115】
図8は、評価指標選択部56による各配電ユニット10−1、10−2〜10−nにおける各評価指標I1〜I3の選択方法の概略を説明する図である。
【0116】
図示のように、評価指標選択部56は、各配電ユニット10−1、10−2〜10−nの制御手順を決定するに際して、各配電ユニット10−1、10−2〜10−nのそれぞれについて最適な制御が実行されるべく、マッチング演算部54で評価した結果に基づいて、各配電ユニット10−1、10−2〜10−nの最適な評価指標を評価指標データD3として選択する。
【0117】
具体的には、
図8(a)で示すように、配電ユニット10−1では、マッチング演算部54によって、公平性指標I1に基づく制御によって最適に制御されるとの評価がなされていることから、評価指標選択部56では、公平性指標I1が評価指標データD3として選択される。
【0118】
図8(b)で示すように、配電ユニット10−2では、マッチング演算部54によって、経済性指標I2に基づく制御によって最適に制御されるとの評価がなされていることから、評価指標選択部56では、経済性指標I2が評価指標データD3として選択される。
【0119】
一方、
図8(c)で示すように、配電ユニット10−nでは、マッチング演算部54によって、CO
2削減量指標I3に基づく制御によって最適に制御されるとの評価がなされていることから、評価指標選択部56では、CO
2削減量指標I3が評価指標データD3として選択される。
【0120】
このようにして、各配電ユニット10−1、10−2〜10−nについてそれぞれ選択された評価指標データD3が、評価指標選択部56から各配電ユニット10−1、10−2〜10−nのそれぞれの制御装置40における中央制御部44の配電手順データ管理部44Bにそれぞれ送り出される。
【0121】
各配電手順データ管理部44Bに送り出されたそれぞれの評価指標データD3は、各配電手順データ管理部44Bに格納された基本配電手順データD2と相関せしめられて制御データD4に生成され、この制御データD4が指令部44Cに送り出される。
【0122】
これによって、各配電ユニット10−1、10−2〜10−nがそれぞれについて生成された制御データD4に基づいて制御され、最適な評価指標に基づいた制御が実行される。
【0123】
特に、本実施の形態では、例えば、任意の一定期間において配電ユニット10−1によって蓄電池30に蓄電される電力量と、配電ユニット10−1によって蓄電池30から消費される電力量とが一致すると評価された場合に、公平性指標I1に基づく制御が配電ユニット10−1において実行される。
【0124】
従って、公平性指標I1が選択されてこの評価指標に基づく制御が実行される場合には、一定期間において電気料金の課金処理を省略する等、電力融通システム10の運用コストを削減することができる。
【0125】
さらに、このような公平性指標I1の導入によって、他の各配電ユニット10−2〜10−nにおいても、平常時から、公平性指標I1による評価を得るべく共同の蓄電池30に蓄電する意識を高めることができる。その結果、電力融通システム10を採用する電力消費地内の複数の住宅1−1〜1−nにおいて、災害時における電力供給の自給自足化をも促すことができる。
【0126】
一方、上記のように、各配電ユニット10−1、10−2〜10−nのそれぞれについて最適な制御状態を実現し得る評価指標データD3がそれぞれ選択されることなく、制御手順決定装置50で選択された単一の評価指標データD3に基づいて単一の制御データD4を生成し、生成した単一の制御データD4に基づいて、各配電ユニット10−1、10−2〜10−nを全体として制御することもできる。
【0127】
すなわち、各評価指標データD3が各配電ユニット10−1、10−2〜10−nのそれぞれについて選択される場合と同様に、各配電ユニット10−1、10−2〜10−nを全体として制御する単一の制御データD4を生成すべく、制御手順決定装置50によって単一の評価指標データD3が選択される。
【0128】
例えば、
図9で示すように、公平性指標I1に基づいて各配電ユニット10−1、10−2〜10−nの全体の配電制御状態データD1が評価される場合は、2013年8月〜9月の1ヶ月間において、配電制御状態データD1として取得した各配電ユニット10−1、10−2〜10−nの全体の蓄電池30への蓄電量を「蓄電量(A)」とし、かつ配電制御状態データD1として取得した各配電ユニット10−1、10−2〜10−nの全体の蓄電池30の電力消費量を「蓄電池からの電力消費量(B)」とし、この(A)から(B)を減算した「(A)と(B)の差分」の値の大小によって、配電制御状態データD1を評価する。評価の手順は、上記と同様である。
【0129】
一方、
図10で示すように、経済性指標I2に基づいて各配電ユニット10−1、10−2〜10−nの全体の配電制御状態データD1が評価される場合は、各配電ユニット10−1、10−2〜10−nの全体の環境条件や電力条件等を考慮して各配電ユニット10−1、10−2〜10−nの全体で予め設定された電力消費量を「削減目標電力消費量(A)」とし、例えば、2013年9月〜10月の1ヶ月間において、配電制御状態データD1として取得した各配電ユニット10−1、10−2〜10−nの全体の実際の電力消費量を「電力消費量(B)」とし、この(A)から(B)を減算した「(A)と(B)の差分」の値の大小によって、配電制御状態データD1を評価する。評価の手順は、上記と同様である。
【0130】
さらに、
図11で示すように、CO2削減量指標I3に基づいて各配電ユニット10−1、10−2〜10−nの全体の配電制御状態データD1が評価される場合は、2013年10月〜11月の1ヶ月間において、配電制御状態データD1として取得した各配電ユニット10−1、10−2〜10−nの全体の電力消費量を「電力消費量(A)」とし、配電制御状態データD1として取得した交流系統14の電力消費量の「電力消費量(A)」における割合を「交流系統電力消費量割合(B)」とし、かつ配電制御状態データD1として取得した蓄電池系統18の電力消費量の「電力消費量(A)」における割合を「蓄電池系統からの電力消費量割合(C)」とする。「交流系統電力消費量割合(B)」は、「商用交流発電源からの電力消費量割合(Ba)」と「系統連係からの電力消費量割合(Bb)」とにさらに区分される。
【0131】
この場合の評価の手順も、上記と同様である。
【0132】
このように、各評価指標I1〜I3に基づいて評価された各評価指標データD3のうち、各配電ユニット10−1、10−2〜10−nの全体を最適に制御し得る単一の評価指標データD3が、評価指標選択部56によって選択される。
【0133】
具体的には、
図12で示すように、評価指標選択部56は、各配電ユニット10−1、10−2〜10−nの全体について最適な制御が実行されるべく、マッチング演算部54で評価した結果に基づいて、各配電ユニット10−1、10−2〜10−nの全体の最適な評価指標を評価指標データD3として選択する。
【0134】
本実施の形態では、マッチング演算部54によって、公平性指標I1に基づく制御によって最適に制御されるとの評価がなされていることから、評価指標選択部56では、公平性指標I1が評価指標データD3として選択される。
【0135】
このようにして、各配電ユニット10−1、10−2〜10−nの全体について選択された単一の評価指標データD3が、評価指標選択部56から各配電ユニット10−1、10−2〜10−nのそれぞれの制御装置40における中央制御部44の配電手順データ管理部44Bにそれぞれ送り出される。
【0136】
各配電手順データ管理部44Bに送り出された単一の評価指標データD3は、各配電手順データ管理部44Bに格納された基本配電手順データD2と相関せしめられて制御データD4として生成され、この制御データD4が指令部44Cに送り出される。
【0137】
これによって、各配電ユニット10−1、10−2〜10−nの全体について生成された制御データD4に基づいて制御され、最適な評価指標に基づいた制御が実行される。
【0138】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることはなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。上記実施の形態では、分散型発電源として太陽光発電パネル12を用いた場合を説明したが、例えば、再生可能エネルギーとして風力を用いた風力発電装置や、再生可能エネルギーとして水力を用いた水力発電装置を用いることもできる。
【0139】
この場合、風力発電装置や水力発電装置では交流電圧が発電されることから、
図1で示したDC/DCコンバータ16aに代えてDC/ACコンバータが用いられて、第2配電系統が交流系統によって形成され、蓄電池系統18のDC/ACコンバータ18aを省略することができる。
【0140】
上記実施の形態では、蓄電池30が各配電ユニット10−1、10−2〜10−nにおいて共同の蓄電池として設置された場合を説明したが、いわゆる電気自動車の蓄電池を共同の蓄電池30として用いることもできる。これにより、電気自動車を複数の住宅1−1、1−2〜1−nにおいて共同で使用する、いわゆるカーシェアリングを実現することができる。
【0141】
上記実施の形態では、電力消費地内の複数の住宅1−1、1−2〜1−nに配電ユニット10−1、10−2〜10−nをそれぞれ設けて電力融通システム10を構築した場合を説明したが、住宅1−1、1−2〜1−nに限られないで、例えば、オフィスビルや商業施設等が集積する電力消費地において電力融通システム10を構築(BEMS:Building Energy Management System)したり、複数の工場が集積する電力消費地において電力融通システム10を構築(FEMS:Factory Energy Management System)したりすることもできる。
【0142】
上記実施の形態では、制御手順決定装置50を用いて各評価指標I1〜I3に基づいて生成された制御データD4によって電力融通システム10を制御する場合を説明したが、例えば、制御手順決定装置50によらずとも、電力消費地内の複数の住宅1−1、1−2〜1−nについて予め設定された負荷平準化モデルに基づいて電力融通システム10を制御してもよい。